JP3333338B2 - インクジェット記録シート及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録シート及びその製造方法

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JP3333338B2 JP31709294A JP31709294A JP3333338B2 JP 3333338 B2 JP3333338 B2 JP 3333338B2 JP 31709294 A JP31709294 A JP 31709294A JP 31709294 A JP31709294 A JP 31709294A JP 3333338 B2 JP3333338 B2 JP 3333338B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録シ
ート及びその製造方法に関するものであり、さらに詳し
くは、印字濃度及び表面光沢度が高く、印字部の光沢度
の低下及び印字画像の耐傷性が改良され、且つ長期保存
後の該シートでもドット径が一定である高品質なインク
ジェット記録シート及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、ディフレク
ション方式、キャビティ方式、サーモジェット方式、バ
ブルジェット方式、サーマルインクジェット方式、スリ
ットジェット方式及びスパークジェット方式等に代表さ
れる種々の作動原理により、インクの微小液滴を飛翔さ
せて紙などのインクジェット記録シートに付着させ、画
像・文字などの記録を行なうものであるが、高速、低騒
音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現
像−定着が不要等の長所があり、漢字を含め各種図形及
びカラー画像等の記録装置として種々の用途において急
速に普及している。
【0003】このインクジェット記録方式で使用される
インクジェット記録シートとしては、通常の印刷や筆記
に使われる上質紙やコーテッド紙等の一般紙を用いるこ
とができるようにインクジェット記録装置、色素構造や
インク組成面等の分野で注力されてきた。しかしなが
ら、高速化・高精細化或いはフルカラー化などインクジ
ェット記録装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、イン
クジェット記録シートに対しても、より高度な特性が要
求されるようになった。即ち、インクジェット記録シー
トとしては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮
やかであること、インクの吸収が速くて、印字ドットが
重なった場合でもインクが流れ出したり滲んだりしない
こと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きく
ならないこと、インクドットの形状が真円に近く、且つ
周辺が滑らかでぼやけないこと、白色度が高く、インク
ドットとのコントラストが大きいこと等の諸要求を満足
させる必要があった。
【0004】従来、これらの条件を満足させるために、
種々の無機顔料を、必要によりバインダー樹脂と共に紙
表面に塗工し、或いは内填することが提案されており、
例えば無機顔料として合成非晶質シリカ又はその塩、或
いはこれらの混合物を用いること(特開昭57−157
786号公報)や、多孔質のカチオン性水和アルミニウ
ム酸化物を含有すること(特開昭60−232990)
等が提案されているが、これらの中でも、特に、特開昭
60−204390号公報や特開平2−198889号
公報等に記載されているような、BET法による比表面
積の大きな合成非晶質シリカやカチオン性コロイド粒子
であるカチオン性水和アルミニウム酸化物を含有する記
録シートは、印字濃度が高く、インク吸収性及び発色性
に優れる利点を有している。このようなインク吸収層に
よってインク吸収性を向上させ、さらに高い印字ドット
濃度やインク滲みがない印字ドットを得るために、例え
ば、特開昭55−51583号公報、同56−157号
公報には、非膠質シリカ粉末を添加することが提案され
ている。又、例えば、特開昭55−144172号公報
等では、色彩性や鮮鋭性はインク中の染料のインク吸収
層中における分布状態であることに着目し、染料成分を
吸着する特定の剤を用いる提案もなされてきた。
【0005】一般に、上記のようなインク吸収性のある
インク吸収層は、インクを吸収し保持するために、イン
ク吸収層中の空隙を多く有する必要がある。しかし、空
隙の多いインク吸収層では、インク吸収層への入射光が
散乱し、透過が妨げられるため不透明になり、空隙に浸
透したインクに光が到達しにくくなるため画像が白化し
て色再現性及び色濃度が低下する。又、空隙の多いイン
ク吸収層は、多孔質な表面となることから、高い光沢を
望むことは難しい。
【0006】高い光沢を有するインクジェット記録シー
トとしては、例えば、特開昭61−197285号公報
には、透明な支持体上に多孔質なインク吸収層を形成
し、インク吸収層に記録した画像を支持体側から観察す
る方法が提案されている。又、特開平3−215081
号公報には、透明な支持体上に多孔性アルミナ水和物か
らなる染料吸着層、多孔性微粉シリカからなる溶剤吸収
層を順次積層し、染料吸着層に記録した画像を支持体側
から観察する方法が提案されている。
【0007】しかしながら、これらの提案では、画像を
記録する際に鏡像となるように画像情報を処理する必要
があり、さらに、使用できる支持体が透明性を有するも
のに限定されてしまう。
【0008】一方、特開平2−113986号公報に
は、カチオン性高分子電解質を含む水溶液で処理した後
にキャストする方法、特開平2−274587号公報に
は光沢度向上のためにコロイダルシリカを用い、カチオ
ン性高分子電解質を含む水溶液で処理した後にキャスト
する方法の提案がなされている。しかし、カチオン性高
分子電解質の使用は、印字した際に表面に存在するカチ
オン性高分子電解質がインクに再溶解するために印字部
分の表面形状が粗面化され、印字部分の光沢が低下し、
又、カチオン性高分子電解質の再溶解とともにインクが
滲むため、画像の鮮明性が低下する。
【0009】インクジェット記録シートに光沢を付与す
る目的で、溶解・膨潤によりインクを吸収する樹脂を塗
工した記録紙、フィルム等があるが、このような樹脂の
溶解・膨潤によりインクを吸収させようとするものは、
光沢は得られるものの、インクの吸収・乾燥が遅いた
め、インク転写による汚れや滲みの発生が問題となる。
【0010】光沢を付与する場合には、スーパーカレン
ダー、グロスカレンダー等のカレンダー装置を用い、イ
ンクジェット記録シートを圧力や温度をかけたロール間
に通紙することで塗層表面を平滑化する方法が一般的で
ある。しかしながら、インクジェット記録シートに光沢
を付与する目的で、高線圧下でカレンダー処理を行う
と、光沢は向上するが、塗層の空隙が減少し、インクの
吸収が遅くなり、又、吸収容量の不足からインク溢れが
発生してしまう問題がある。このことから、カレンダー
処理は許容されるインク吸収容量の範囲内で条件を選択
せざるを得ず、インクの吸収と光沢を両立させることは
困難であった。
【0011】又、高光沢インクジェット記録シートにお
いては、その高光沢な面質ゆえ表面に付いた傷が目立ち
やすく、特に、従来提案されてきたようなインクジェッ
ト記録シートでは、インク吸収層が柔らかいために傷が
付きやすく、例えば、インクジェット記録装置の搬送系
に用いられるゴムロール、歯形金属ロール等が接触する
ことによる擦りやくい込み傷等が目立ち、画像の品質を
著しく損ねていた。
【0012】さらに、近年のインクジェット記録装置及
び周辺機器の発達により、インクジェット記録シートの
利用分野が一段と拡大しつつあり、特に上記したような
高光沢なインクジェット記録シートが、デザイン・設計
分野等に好適に用いられようとしている。特にこのよう
な分野では、グラビア印刷や銀塩写真と匹敵するような
画像が要求されるため、インクジェット記録シートの高
精細化は不可欠である。このような高精細化に対応する
目的で、インクジェット記録シートのインク吸収層中等
にシリコンオイルを添加し、インクが該シート表面に着
弾した時の接触角をより高く調整することにより、ドッ
ト径を減少せしめて、印字画像の鮮明性、色彩性を向上
させる提案がなされてきた(特開昭56−99692号
公報等)。しかしながら、インク吸収層等にシリコンオ
イル等の溌水剤を添加した場合、経時で溌水剤がブリー
ドアウトすることからドット径が不均一になったり、過
去に印字して得たドット径と比較してドット径が減少し
てしまうため、印字濃度や画像の鮮明性等が低下してし
まうといった問題があり、長期保存後の画像安定性は得
られていなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明の目的は、印字濃度及び表面光沢度が高く、印字部
の光沢度の低下及び印字画像の耐傷性が改良され、且つ
長期保存後の該シートでもドット径が一定である高品質
なインクジェット記録シート及びその製造方法を提供す
るものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、インクジ
ェット記録シートにおける上記の問題について鋭意検討
を重ねた結果、十分なインク吸収性を有するインク吸収
層上に、主にコロイド粒子と電離放射線にて硬化する親
水性の電離放射線硬化性化合物からなる層を設けること
により、印字濃度が高く、インク吸収性を低下させずに
耐傷性が改良できることを見いだした。さらに、このよ
うな層は、電離放射線硬化性化合物が3次元で強固に架
橋してなる層であるため、印字の際に溶解・膨潤が発生
することがなく、高精細で且つ印字部の光沢が低下しな
いことが判明した。又、電離放射線硬化性のシリコン化
合物を用いてインクドットの制御を行えば、該シリコン
化合物のブリードアウトがないため、長期間保存後でも
安定した印字画像を得ることが可能となった。
【0015】又、電離放射線の物質透過性に着目して検
討を重ねた結果、鏡面金属ロールや高平滑合成樹脂フィ
ルム上に、主にコロイド粒子と電離放射線硬化性化合物
からなる塗被組成物を塗工した後、その上に支持体上に
設けられたインク吸収層の表面を圧着した状態で電離放
射線を照射し該塗被組成物を硬化すれば、該ロールや該
フィルムの鏡面を転写した層、すなわち光沢発現層が得
られることが判明した。
【0016】すなわち、本発明は、支持体上の少なくと
も片面にインク吸収層、光沢発現層を順次設けたインク
ジェット記録シートにおいて、該光沢発現層が、主にコ
ロイド粒子及び1分子中に2個以上のエチレン性二重結
合を含有する親水性の電離放射線硬化性化合物からな
り、電離放射線を照射することにより硬化した層である
ことを特徴とするインクジェット記録シートである。
【0017】電離放射線硬化性化合物が、分子中にエチ
レンオキサイドを含有することを特徴とするインクジェ
ット記録シートである。
【0018】光沢発現層が、電離放射線硬化性のシリコ
ン化合物を含有することを特徴とするインクジェット記
録シートである。
【0019】コロイド粒子が、カチオン性コロイド粒子
であることを特徴とするインクジェット記録シートであ
る。
【0020】又、鏡面金属ロール或いは高平滑合成樹脂
フィルム上に主にコロイド粒子及び1分子中に2個以上
のエチレン性二重結合を含有する親水性の電離放射線硬
化性化合物からなる光沢発現層塗被組成物を塗工して溶
媒を乾燥させてから、支持体上に設けたインク吸収層表
面と圧着し、該塗被組成物が可塑性を有する間に支持体
側から電離放射線を照射して光沢発現層を硬化せしめた
後、該ロール或いは該フィルムから剥離して製造するこ
とを特徴とするインクジェット記録シートの製造方法で
ある。
【0021】さらに、鏡面金属ロール或いは高平滑合成
樹脂フィルム上に主にコロイド粒子及び1分子中に2個
以上のエチレン性二重結合を含有する親水性の電離放射
線硬化性化合物からなる光沢発現層塗被組成物を塗工し
て溶媒を乾燥させてから、支持体上に設けたインク吸収
層表面と圧着し、該塗被組成物が可塑性を有する間に支
持体側から電離放射線を照射して光沢発現層を硬化せし
めた後、該ロール或いは該フィルムから剥離し、次いで
硬化した光沢発現層をラジカル重合禁止剤により処理す
ることを特徴とするインクジェット記録シートの製造方
法である。
【0022】以下に本発明を詳細に記す。 〔光沢発現層〕本発明のインクジェット記録シートにお
ける光沢発現層は、主にコロイド粒子と1分子中に2個
以上のエチレン性二重結合を含有する親水性の電離放射
線硬化性化合物からなるものである。
【0023】本発明のインクジェット記録シートにおけ
る光沢発現層を形成するコロイド粒子とは、水中或いは
有機溶剤中に懸濁分散してコロイド状をなしているもの
であり、動的散乱法により測定される平均粒子径が30
0nm以下、より好ましくは200nm以下の無機粒子
或いは有機粒子である。ここで、インクジェット記録さ
れた画質を決定する印字濃度は、インク吸収層の印字濃
度のみならず、光沢発現層の透明性も重要となり、光沢
発現層の塗被組成物に適用するコロイド粒子の平均粒子
径が300nm以下であると印字濃度の良好な画質を得
ることができる。このようなコロイド粒子としては、例
えば、コロイダルシリカ、ベーマイト、擬ベーマイト等
のアルミナゾルやコロイダルアルミナ、カチオン性アル
ミニウム酸化物又はその水和物、或いは特公昭47−2
6959号公報に提案されているようなコロイド状シリ
カ粒子表面をアルミナコーティングした粒子等の無機粒
子、ポリスチレン、メチルメタクリレート、スチレン−
ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエ
ン共重合体、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エス
テル共重合体、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン
等の有機粒子が挙げられ、単独或いは2種類以上を併用
することもできる。
【0024】本発明において、上記のようなコロイド粒
子中でも、カチオン性のコロイド粒子が、インク中の色
素の定着性に優れることから特に好ましい。カチオン性
コロイド粒子とは、該粒子の表面が正に帯電した粒子を
指し、粒子表面の電荷が正であることにより、静電気的
な相互作用によってインク中の色素のスルホン酸基、カ
ルボキシル基、アミノ基等と不溶な塩を形成して、光沢
発現層で該色素を定着することが可能となる。さらに、
該粒子自体にはインクの溶媒成分を吸収するだけの容量
がないことから、溶媒成分が光沢発現層を通過してイン
ク吸収層に浸透することになる。
【0025】又、本発明のインクジェット記録シートに
おける光沢発現層には、コロイド粒子と併用して公知の
白色顔料を1種類以上用いることができるが、該顔料は
一般に粒子径が大きく不透明性が生じるため、該顔料の
粒子径にもよるが、該粒子/顔料の重量比としては80
/20以上、より好ましくは90/10以上である。
【0026】本発明のインクジェット記録シートにおけ
る光沢発現層を形成する電離放射線硬化性化合物は、1
分子中に2個以上のエチレン性二重結合を含有し、且つ
親水性であることが必須である。ここで、エチレン性二
重結合としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリ
ロイル基、脂環エポキシ基等を挙げることができ、この
ような官能基を末端或いは側鎖に有する不飽和ポリエス
テル、変性不飽和ポリエステル、アクリル系ポリマー、
アクリル系オリゴマー、アクリル系モノマー、メタクリ
ル系ポリマー、メタクリル系オリゴマー、メタクリル系
モノマーやビニル型不飽和結合を有するポリマー、オリ
ゴマー及びモノマー、エポキシ化合物等を本発明におけ
る電離放射線硬化性化合物とすることができるが、特に
アクリロイル基を有する化合物が電離放射線硬化性に優
れているため好ましい。又、上記のような構造からなる
電離放射線硬化性化合物が親水性を有するためには、そ
の分子中に、水酸基、カルボキシル基、2級アミン、3
級アミン、4級アンモニウム塩基等の極性基、エチレン
オキサイド、ジエチレンオキサイド、モルホリン、ピロ
リドン等の親水性ユニットを含有していることが必要で
ある。ここで、電離放射線硬化性樹脂化合物が、単官能
である場合には、電離放射線硬化性化合物の架橋が進行
しづらいため、光沢発現層の硬度が不十分となり、印字
の際の溶解・膨潤を完全に防止することができず、印字
部の光沢が低下し、耐傷性も十分に改良されない。又、
電離放射線硬化性化合物が親水性でない場合には、イン
ク吸収性が著しく低下し、インク溢れ、滲み等が発生す
る。
【0027】このような電離放射線硬化性化合物は市販
のものを好適に用いることができる。以下、上記の事項
に該当する代表的な市販の電離放射線硬化性化合物を例
示するが、もちろん本発明がこれに限定されるものでは
ない。
【0028】カヤラッドPEG400DA、カヤラッド
R−167、PET−30、サートマーSR−230、
サートマーSR−268、サートマーSR−344、サ
ートマーSR−444(以上、日本化薬製、カヤラッド
及びサートマーシリーズ)、NKエステルA−200、
NKエステルA−400、NKエステルA−600、N
KエステルA−TMM−3、NKエステルA−TMM−
3L(以上、新中村化学製、NKエステルシリーズ)、
アロニックスM−240、アロニックスM−245、ア
ロニックスM−205、アロニックスM−210(以
上、東亜合成アロニックスシリーズ)、3EG−A、4
EG−A、9EG−A、BP−4EA、PE−3A(以
上、共栄社油脂化学工業製、ライトアクリレートシリー
ズ)、PE−200、PE−300、PE−400、E
P−22、BPE4、TMP−3、PET−3、C−1
615、C−1615M(以上、第一工業製薬製、ニュ
ーフロンティアシリーズ)
【0029】上記のような親水性の電離放射線硬化性化
合物中でも、分子中にエチレンオキサイドセグメントを
含有する該化合物が、インク吸収性の点から特に好まし
い。エチレンオキサイドセグメントは、その複数が連続
したセグメントでもかまわないし、他のセグメントを挟
んで構成されてもかまわない。
【0030】上記のようなコロイド粒子100固形重量
部に対する電離放射線硬化性化合物の配合量は、10〜
70固形重量部であり、より好ましくは20〜50固形
重量部である。ここで、該粒子の配合量が10固形重量
部未満では、電離放射線硬化性化合物のバインダー性が
劣るため、光沢発現層の強度が低下し、十分な耐傷性が
得られないばかりか、光沢度も低下してしまうため好ま
しくない。又、70固形重量部を越えるようになると電
離放射線硬化性化合物により形成される空隙のない皮膜
部分が多くなり過ぎるため、インク吸収性に劣る。
【0031】本発明のインクジェット記録シートにおけ
る光沢発現層には、特に、インクが光沢発現層表面に着
弾した時の接触角を調整することにより、ドット径を変
化せしめ、印字画像の鮮明性、色彩性をさらに向上させ
た高精細な画像を得る目的から、電離放射線硬化性のシ
リコン化合物を添加することができる。シリコンオイル
等の溌水剤を添加することは、例えば、特開昭56−9
9692号公報等に提案されているが、経時によるシリ
コン化合物のブリードアウトや、接触物への移行性の問
題があり、印字画像の品質が長期間安定したインクジェ
ット記録シートが得られなかった。ここで、該化合物を
電離放射線硬化性のシリコン化合物とすることで、上記
のような問題点を回避することができ、印字画像の品質
が長期間安定したインクジェット記録シートが得られ
る。このような電離放射線硬化性のシリコン化合物と
は、シロキサン骨格からなるポリジメチルシロキサンの
末端或いは側差にエチレン性二重結合が付加された化合
物であり、メチル基は、例えば、アミノ、フェニル基等
で置換されてあってもよく、又、エチレングリコール、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソル
ビトール等に代表される他のセグメントとのランダム、
ブロック、グラフト共重合体であってもかまわない。
【0032】上記のコロイド粒子100固形重量部に対
する電離放射線硬化性シリコン化合物の配合量は、0.
1〜10固形重量部であり、より好ましくは0.5〜5
固形重量部である。ここで、該シリコン化合物の配合量
が0.1固形重量部未満では、シリコンによる溌水効果
が十分得られず、又、10固形重量部を越えるようにな
ると、シリコンによる溌水効果が強くなり過ぎるため、
インク吸収性が劣り、インク溢れや滲み、或いは接触物
を汚染したりするため好ましくない。
【0033】さらに、本発明の光沢発現層中には、1分
子中に2個以上のエチレン性二重結合を含有する親水性
の電離放射線硬化性化合物及び電離放射線硬化性シリコ
ン化合物の硬化性を調整し、インク吸収性を安定化させ
る目的から、本発明を阻害しない範囲で必要に応じて、
単官能の親水性の電離放射線硬化性化合物を添加するこ
とができる。単官能の親水性の電離放射線硬化として
は、市販のものを好適に用いることができ、例えば、
N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホ
リン、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメ
チルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級塩、N,
N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル
4級塩(以上、興人製)、カヤラッドR−128H、カ
ヤラッドR−564(以上、日本化薬製、カヤラッドシ
リーズ)、アロニックスM−101、アロニックスM−
102、アロニクスM−114、アロニックスM−15
0、アロニックスM−154、アロニックスM−530
0、アロニックスM−5400、アロニックスM−55
00、アロニックスM−5600、アロニックスM−5
700(以上、東亜合成製、アロニックスシリーズ)、
NKエステルAMP−10G、NKエステルAMP−2
0G、NKエステルAMP−60G、NKエステルAM
P−90G(以上、新中村化学工業製、NKエステルシ
リーズ)等を挙げることができる。
【0034】又、本発明の光沢発現層中には、本発明の
効果を阻害しない範囲で、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、光安定化剤、ラジカル重合開始剤、界面活
性剤、滑剤、カチオン性色素定着剤、顔料分散剤、増粘
剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、
浸透剤、着色染料、着色顔料、防腐剤、防バイ剤、耐水
化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等の各種添加剤
を添加することもできる。ここで、光沢発現層中に添加
する蛍光増白剤としては、特に制限はないが、耐放射線
性、耐候性等に優れるチオフェン骨格を含有する蛍光増
白剤が特に好ましく、又、記録された画像の保存安定性
を向上させるため、紫外線吸収剤を本発明の光沢発現層
中に添加することが特に好ましく、このような紫外線吸
収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−t
ert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフ
ェニルサリチレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデ
キシロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ
−4,4’−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等のベンゾ
フェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−
ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ
−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−
tert−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−
(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタ
ルイミドメチル)−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリ
アゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリア
ゾール−2−イル)フェノール〕等のベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−
3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シア
ノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアク
リレート系紫外線吸収剤等、及びこれらの水溶性化紫外
線吸収剤、エマルジョン化紫外線吸収剤等が代表的なも
のとして挙げることができる。
【0035】本発明のインクジェット記録シートの光沢
発現層中への紫外線吸収剤の配合量としては、各紫外線
吸収剤の紫外線吸収能力や光沢発現層の塗工量等により
適宜決定されるが、上記のコロイド粒子100固形重量
部に対して0.01〜10%、より好ましくは0.1〜
5%である。
【0036】本発明のインクジェット記録シートにおけ
る光沢発現層中の電離放射線硬化性化合物を硬化させる
電離放射線としては、一般には紫外線、α線、β線、γ
線、X線及び電子線等が挙げられるが、α線、β線、γ
線又はX線は人体への危険性の問題が付随するため、取
扱いが容易で工業的にもその利用が普及している紫外線
や電子線が有効である。
【0037】本発明において、電子線を使用する場合、
照射電子線量は0.1〜10Mrad程度の範囲が好ま
しい。ここで、0.1Mrad未満では十分な照射効果
が得られないため硬化が不十分であり、10Mradを
超えると、支持体を劣化させるために好ましくない。電
子線の照射方式としては、スキャニング方式、カーテン
ビーム方式等を用いることができ、電子線の加速電圧
は、100〜300KV程度が好ましい。なお、電子線
照射に際しては雰囲気の酸素濃度が高いと電離放射線硬
化性化合物の硬化が妨げられるため、窒素、ヘリウム、
二酸化炭素等の不活性ガスによる置換を行い、酸素濃度
を600ppm以下、より好ましくは400ppm以下
に抑制した雰囲気中で照射するのが一般的である。
【0038】又、本発明において紫外線を使用する場合
には、接着層中に増感剤を配合する必要があるが、その
具体例としては、例えば、ジ又はトリクロロアセトフェ
ノンのようなアセトフェノン類、ベンゾフェノン、ミヒ
ラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキ
ルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチル
チウラムモノサルファイド、チオキサントン類、アゾ化
合物等があり、放射線硬化性樹脂の重合反応タイプ、安
定性、及び電離放射線照射装置との適合性等の観点から
選ばれる。増感剤の使用量は、電離放射線硬化性化合物
に対して、通常1〜5重量%程度である。又、増感剤に
はハイドロキノンのような貯蔵安定剤が併用される場合
もある。光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀
灯、高圧水銀灯、キセノンランプ及びタングステンラン
プ等が使用される。
【0039】本発明における光沢発現層の塗工量は乾燥
固形分で1〜20g/m2、より好ましくは3〜10g/m2
ある。光沢発現層は、上記のコロイド粒子及び電離放射
線硬化性化合物を水或いは有機溶剤に溶解するか、又
は、電離放射線硬化性化合物が希釈性モノマー、オリゴ
マーとなる場合には無溶媒で、従来公知の塗工法を用い
て鏡面金属ロール或いは高光沢合成樹脂フィルム上に塗
工することができる。このような塗工法としては、例え
ば、ブレード方式、エアードクター方式、スクイズ方
式、エアーナイフ方式、リバースロール方式、グラビア
ロール及びトランスファーロール方式、バー方式及びカ
ーテン方式等を挙げることができる。
【0040】本発明におけるインクジェット記録シート
を製造する製造方法について、好ましい形態の一例を、
図1及び2を用いて詳細に説明する。図1及び図2にお
いて、1は光沢発現層塗被組成物であり、2は金属パ
ン、3はグラビアロール、4は転写ロール、5はニップ
ロール、6は鏡面金属ロール、7は高平滑合成樹脂フィ
ルム、8はインク吸収層塗設支持体、9は溶媒乾燥装
置、10及び11は電離放射線発生装置である。
【0041】図1では、鏡面金属ロールを用いた製造方
法であり、まず、金属パン2に入れられた光沢発現層塗
被組成物1が、グラビアロール3、転写ロール4を経て
鏡面金属ロール6上に塗工され、次いで熱風乾燥器、赤
外線乾燥器等の溶媒乾燥装置9にて溶媒を乾燥した後、
ニップロール5にて鏡面金属ロール6の表面に密着させ
たインク吸収層塗設支持体8のインク吸収層表面と圧着
せしめた状態で、電離放射線発生装置10により電離放
射線を照射し、該塗被組成物を硬化した後、鏡面金属ロ
ール6から光沢発現層を設けたインク吸収層塗設支持体
8を剥離することで、本発明のインクジェット記録シー
トが製造される。
【0042】図2では、高平滑合成樹脂フィルムを用い
た製造方法であり、まず、金属パン2に入れられた光沢
発現層塗被組成物1が、グラビアロール3、転写ロール
4を経て高平滑合成樹脂フィルム7上に塗工し、次いで
熱風乾燥器、赤外線乾燥器等の溶媒乾燥装置9にて溶媒
を乾燥した後、ニップロール5にて高平滑合成樹脂フィ
ルム7の表面に密着させたインク吸収層塗設支持体8の
インク吸収層表面と圧着せしめた状態で、電離放射線発
生装置10又は11により電離放射線を照射し、該塗被
組成物を硬化した後、高平滑合成樹脂フィルム7と光沢
発現層を設けたインク吸収層塗設支持体8を剥離するこ
とで、本発明のインクジェット記録シートが製造され
る。
【0043】又、電離放射線の照射による支持体の劣化
を最小限に抑えるため、特に、図2のような高平滑合成
樹脂フィルムを用いた製造方法では、インク吸収層塗設
支持体と圧着せしめた後に、電離放射線発生装置11を
用いて、該フィルム側から適切な照射量、加速電圧に調
整した電離放射線を照射する製造方法がより好ましい。
【0044】又、光沢発現層塗被組成物がインク吸収層
に染み込むと、インク吸収層の空隙が埋まることからイ
ンク吸収性が著しく低下するため、本発明のインクジェ
ット記録シートの製造方法では、上記のように、該塗被
組成物を鏡面金属ロール上或いは高平滑合成樹脂フィル
ム上に塗工し、且つインク吸収層と圧着される前に該塗
被組成物の溶媒を乾燥させることにより、該塗被組成物
のインク吸収層への染み込みを大幅に抑制することがで
きる。
【0045】以上のようにして電離放射線により電離放
射線硬化性化合物を硬化させた光沢発現層は、さらに、
ラジカル重合禁止剤で処理することにより硬化した光沢
発現層のインク吸収性の経時による低下を改良すること
ができる。これは、おそらく電離放射線により硬化した
電離放射線硬化性化合物中に閉じこめられた未反応のラ
ジカル種がラジカル重合禁止剤により不活性化すること
に起因すると考えられる。このようなラジカル重合禁止
剤としては、ジクロロベンゾキノン類、トリニトロベン
ゼン類、ニトロソベンゼン類、ブチルカテコール類、ピ
クリン酸類、ニトロ安息香酸類、酸素及び活性酸素、第
2塩化銅、第2塩化鉄、ハロゲン化コバルト、ジフェニ
ルピクリンヒドラジル、テトラエチルフェニレンジアミ
ン、クロルアニル、ヨウ素等一般に知られているラジカ
ル重合禁止剤を用いることができる。これらのラジカル
重合禁止剤は単独或いは2種以上を混合した溶液として
用いることができ、例えば、従来公知のエアーナイフコ
ーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコ
ーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッド
コーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、シ
ョートドエルブレードコーター、サイズプレス、噴霧器
等の各種装置により光沢発現層上に塗工することができ
る。
【0046】〔転写フィルム〕本発明におけるインクジ
ェット記録シートの光沢発現層塗被組成物を塗工し、溶
媒を乾燥させ、支持体上のインク吸収層と圧着し、電離
放射線を照射して該塗被組成物を硬化させた後に剥離す
ることにより、その鏡面を光沢発現層に転写するための
鏡面金属ロールとは、例えば、超ミラーロールと呼ばれ
るような、硬質クロムメッキ仕上げされた極めて平滑な
鏡面を有する鉄鋼ロールであり、その平滑度は、JIS
−B−0601(1982)に規定される中心面平均粗
さRaが0.03〜0.1μm程度であり、その直径
は、0.3〜2.0m程度である。
【0047】又、高平滑合成樹脂フィルムとは、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポ
リビニルアルコール、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニル、エチレン/ビニルアルコール共重合
体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂を
1軸或いは2軸延伸することにより製造されたフィルム
であり、その平滑度は、JIS−B−0601(198
2)に規定される中心面平均粗さRaが0.03〜0.
05μm程度、又、JIS−K−6714に規定される
ヘイズが0〜5%程度、厚さが5〜100μm程度であ
る。このような高平滑合成樹脂フィルムとしては、電離
放射線に照射された場合、折り曲げ性、引き裂き性、着
色度等の諸物性値の低下が少ないものが良好であり、繰
り返し使用に耐えるものが好ましい。このような観点か
ら判断した場合、最も適切な高平滑合成樹脂フィルムと
しては、ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、
より好ましくは2軸延伸にて製造された帯電防止性ポリ
エチレンテレフタレートフィルムである。
【0048】〔インク吸収層〕本発明におけるインクジ
ェット記録シートのインク吸収層は、従来公知のインク
吸収層をいずれも好適に用いることができるが、しかし
ながら、例えば、特開昭60−224578号公報、同
60−234879号公報等に提案されているような水
溶性樹脂のみからなるか、或いは水溶性樹脂を主成分と
するようなインク吸収層であるよりも、例えば、特開昭
60−204390号公報や特開平2−198889号
公報等に提案されているような、BET法による比表面
積の大きな無機顔料を主体としたインク吸収層が、イン
ク吸収性、画像の鮮鋭性、色再現性等の点から好まし
い。
【0049】本発明のインクジェット記録シートのイン
ク吸収層としてより好ましい、無機顔料を主体としたイ
ンク吸収層について以下に具体的に示す。ここで、無機
顔料とは、BET法による比表面積が100m 2 /g以上で
あり、さらに好ましくは100〜700m 2 /gの無機顔料
である。このような比表面積の無機顔料を使用すること
により、高い印字濃度及び優れたインク吸収性を発現さ
せることができる。無機顔料のBET比表面積が100
m 2 /g未満であると、十分な印字濃度及びインク吸収性が
得られない。
【0050】このような無機顔料としては、従来公知の
白色顔料を1種以上を単独で、或いは混合して用いるこ
とができ、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カル
シウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、
サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸
カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コ
ロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、
水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライ
ト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム等が挙げられる。
【0051】本発明におけるインクジェット記録シート
には、上記の無機顔料の中でも、特に合成非晶質シリカ
を用いることが好ましく、印画濃度、インク吸収性、印
字画像の鮮鋭性等に優れるインクジェット記録シートを
得ることができる。このような合成非晶質シリカとは、
例えば、特開昭57−157786号公報、同61−1
41584号公報、同61−230979号公報、同6
2−292476号公報等に記されているような、ケイ
酸のゲル化により、SiO2の三次元構造を形成させた、
微多孔性、不定形微粒子であり、その代表的な物性値範
囲としては、平均粒子径10nm〜20μm程度、ハン
ター白色度90以上、細孔径10〜2000オングスト
ローム程度を有する。
【0052】このような合成非晶質シリカは、市販のも
のを好適に用いることができ、例えば、ミズカシルP−
526、ミズカシルP−801、ミズカシルNP−8、
ミズカシルP−802、ミズカシルP−802Y、ミズ
カシルC−212、ミズカシルP−73、ミズカシルP
−78A、ミズカシルP−78F、ミズカシルP−8
7、ミズカシルP−705、ミズカシルP−707、ミ
ズカシルP−707D、ミズカシルP−709、ミズカ
シルC−402、ミズカシルC−484(以上水沢化学
製)、トクシールU、トクシールUR、トクシールG
U、トクシールAL−1、トクシールGU−N、トクシ
ールN、トクシールNR、トクシールPR、ソーレック
ス、ファインシールE−50、ファインシールT−3
2、ファインシールX−37、ファインシールX−7
0、ファインシールRX−70ファインシールA、ファ
インシールB(以上、徳山ソーダ製)、カープレックス
FPS−101、カープレックスCS−7、カープレッ
クス80、カープレックスXR、カープレックス67
(以上、塩野義製薬製)、サイロイド63、サイロイド
65、サイロイド66、サイロイド77、サイロイド7
4、サイロイド79、サイロイド404、サイロイド6
20、サイロイド800、サイロイド150、サイロイ
ド244、サイロイド266(以上、富士シリシア化学
製)等が挙げられる。
【0053】本発明におけるインク吸収層には、上記の
ような無機顔料と併用して、カチオン性コロイド粒子を
添加することもできる。ここでカチオン性コロイド粒子
とは、光沢発現層を構成するカチオン性コロイド粒子と
同様なものであり、光沢発現層にて定着されず、インク
吸収層中に浸透してきた微量の色素を確実に定着させる
ことができる。
【0054】本発明におけるインクジェット記録シート
のインク吸収層において、上記のような無機顔料を支持
体上に強固に固定する目的から、必要に応じてバインダ
ー樹脂を用いることができる。好適に用いることのでき
るバインダー樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコ
ール、シラノール変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニ
ル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘
導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、シリル変性ポリ
ビニルアルコール等;無水マレイン酸樹脂、スチレン−
ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエ
ン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス;アク
リル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は
共重合体、アクリル酸及びメタクリル酸の重合体又は共
重合体等のアクリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸
ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス;或いは
これらの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単
量体による官能基変性重合体ラテックス;メラミン樹
脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤;ポ
リメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、
ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系
接着剤を一種以上、単独で或いは混合して用いることが
できる。この他、公知の天然、或いは合成樹脂バインダ
ーを単独で或いは混合して用いることは特に限定されな
い。
【0055】ここで、本発明のインク吸収層において、
上記のような無機顔料100固形重量部に対するバイン
ンダー樹脂の配合量としては3〜70固形重量部、より
好ましくは5〜50固形重量部であり、3固形重量部未
満ではインク吸収層の塗層強度が不足し、又、70固形
重量部を超えるとインクジェット記録装置の種類によっ
てはインク吸収能が不足するため、インクが溢れ好まし
くない。
【0056】さらに、その他の添加剤として、カチオン
性色素定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消
泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着
色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防バイ
剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤及び酸
化防止剤等を適宜添加することもできる。
【0057】特に、インク中の色素のスルホン基、カル
ボキシル基、アミノ基等と不溶な塩を形成する2級アミ
ン、3級アミン、4級アンモニウム塩からなるカチオン
性色素定着剤を添加すると、インク吸収層にて良好に色
素が捕捉されるため、色彩性の向上や水の滴下、吸湿に
よるインクの流れだしや滲みだしを抑制することができ
るため好ましい。
【0058】〔支持体〕本発明におけるインクジェット
記録シートに用いる支持体としては、LBKP、NBK
P等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、C
TMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古
紙パルプ、等の木材パルプと従来公知の顔料を主成分と
して、バインダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上
剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以
上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイ
ヤー抄紙機等の各種装置で製造された原紙、さらに原紙
に、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレスや
アンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート
層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙等の
塗工紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン
レテフタレート等の熱可塑性樹脂を溶融押し出し法によ
り原紙、塗工紙等の表面にコーティングしたレジンコー
ト紙、さらに、ポリエチレンレテフタレート、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、エチ
レン/酢酸ビニル共重合体等の合成樹脂を1軸或いは2
軸延伸した易接着処理済みの合成樹脂フィルム、ポリプ
ロピレン系、ポリエチレンレテフタレート系の合成紙も
含まれる。この様な原紙、塗工紙、レジンコート紙、合
成樹脂フィルム、合成紙等に、そのまま本発明に係るイ
ンク吸収層を設けても良いし、平坦化をコントロールす
る目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフト
カレンダー等のカレンダー装置を使用しても良い。又、
支持体の坪量としては、通常40〜300g/m2である
が、特に制限されるものではない。
【0059】本発明におけるインクジェット記録シート
のインク吸収層を支持体上に設ける方法としては、水又
はアルコール等の親水性有機溶剤、或いはこれらの混合
溶媒を用いて、例えば、従来公知のエアーナイフコータ
ー、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコータ
ー、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコー
ター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ショー
トドエルブレードコーター、サイズプレス等の各種装置
により支持体上に塗工することができる。又、インク吸
収層の塗工後には、マシンカレンダー、TGカレンダ
ー、スーパカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダ
ー装置を用いて平滑化処理を行うことができる。
【0060】本発明におけるインクジェット記録シート
におけるインク吸収層の塗工量は特に制限はないが、1
〜30g/m2が好ましい。塗工量が1g/m2未満であると十
分な印字濃度及びインク吸収性が得られないため好まし
くなく、塗工量が30g/m2を超えると記録シートのカー
ル性が悪化するため好ましくない。又、インク吸収層は
ある一定の塗工量を数回に分けて塗設する事もできる。
【0061】又、支持体を挟んだインク吸収層の反対面
には、カール適性を付与するために、バックコート層を
塗設することも可能であり、その際の顔料としては、平
板状顔料や加水ハロイサイトが好ましく、バックコート
を設けない場合でも、フリューデックス等の加湿器によ
り水蒸気を噴射することでカール強制を行うこともでき
る。
【0062】〔インク〕本発明で云うインクとは、下記
の色素、溶媒、その他の添加剤からなる記録液体であ
り、色素としては、発色性、鮮明性、安定性等が良好
な、例えば、C.I.Direct Yellow 1
2、C.I.Direct Yellow24、C.
I.Direct Yellow 26、C.I.Di
rect Yellow 44、C.I.Direct
Yellow 86、C.I.Direct Yel
low 98、C.I.Direct Yellow
100、C.I.Direct Yellow 14
2、C.I.Direct red 1、C.I.Di
rect red 4、C.I.Direct red
17、C.I.Direct red 28、C.I.
Direct red83、C.I.Direct O
renge 34、C.I.Direct Oreng
e 39、C.I.Direct Orenge 4
4、C.I.Direct Orenge 46、C.
I.Direct Orenge 60、C.I.Di
rect Violet 47、C.I.Direct
Violet 48、C.I.Direct Blu
e 6、C.I.Direct Blue 22、C.
I.Direct Blue 25、C.I.Dire
ctBlue 71、C.I.Direct Blue
86、C.I.Direct Blue 90、C.
I.Direct Blue 106、C.I.Dir
ect Blue 199、C.I.Direct B
lack 17、C.I.Direct Black
19、C.I.Direct Black32、C.
I.Direct Black 51、C.I.Dir
ect Black 62、C.I.Direct B
lack 71、C.I.Direct Black
108、C.I.Direct Black 146、
C.I.Direct Black 154等の直接染
料、C.I.Acid Yellow 11、C.I.
Acid Yellow 17、C.I.Acid Y
ellow 23、C.I.Acid Yellow
25、C.I.AcidYellow 29、C.I.
Acid Yellow 42、C.I.Acid Y
ellow 49、C.I.Acid Yellow
61、C.I.Acid Yellow 71、C.
I.Acid red 1、C.I.Acid red
6、C.I.Acid red 8、C.I.Aci
d red32、C.I.Acid red 37、
C.I.Acid red 51、C.I.Acid
red 52、C.I.Acid red 80、C.
I.Acid red 85、C.I.Acid re
d 87、C.I.Acidred 92、C.I.A
cid red 94、C.I.Acid red11
5、C.I.Acid red 180、C.I.Ac
id red 256、C.I.Acid red 3
17、C.I.Acid red 315、C.I.A
cid Orenge 7、C.I.Acid Ore
nge 19、C.I.Acid Violet 4
9、C.I.Acid Blue 9、C.I.Aci
d Blue 22、C.I.Acid Blue 4
0、C.I.Acid Blue 59、C.I.Ac
id Blue 93、C.I.Acid Blue
102、C.I.Acid Blue 104、C.
I.Acid Blue 113、C.I.Acid
Blue 117、C.I.Acid Blue 12
0、C.I.Acid Blue 167、C.I.A
cid Blue 229、C.I.Acid Blu
e 234、C.I.Acid Blue 254、
C.I.Acid Black 2、C.I.Acid
Black 7、C.I.Acid Black 2
4、C.I.Acid Black 26、C.I.A
cid Black 31、C.I.Acid Bla
ck 52、C.I.Acid Black 63、
C.I.Acid Black 112、C.I.Ac
id Black 118等の酸性染料やその他にも塩
基性染料、反応性染料或は食品用色素等の水溶性染料を
用いることができる。
【0063】インクの溶媒としては、水及び水溶性の各
種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;ア
セトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンア
ルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、
トリエチレングリコール、1、2、6−ヘキサントリオ
ール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエ
チレングリコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキ
レングリコール類;グリセリン、エチレングリコールメ
チルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチ
ル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエー
テル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が
挙げられる。
【0064】上記の水溶性有機溶剤の中でも、特にジエ
チレングリコール等の多価アルコール、トリエチレング
リコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール
モノエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキル
エーテルが好ましい。
【0065】インク中に添加されるその他の添加剤とし
ては、例えば、PH調節剤、金属封鎖剤、酸化防止剤、
防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面
活性剤、及び防錆剤等が挙げられる。
【0066】
【作用】インクジェット記録シートにおいて、高い印字
濃度と光沢度を両立させるには、本発明のインクジェッ
ト記録シートの如く、インク吸収層と光沢発現層を積層
することで可能となる。
【0067】本発明のインクジェット記録シートにおけ
る光沢発現層は、主にコロイド粒子と1分子中に2個以
上のエチレン性二重結合を含有した親水性の電離放射線
硬化性化合物からなるために透明度が高く、したがって
印字濃度に優れるインクジェット記録シートが得られ
る。又、電離放射線硬化性化合物が3次元で架橋した層
であるために溶解・膨潤等が起こらず、したがって印字
部の光沢度の低下がなく、且つ耐傷性が著しく向上す
る。
【0068】ここで、該電離放射線硬化性化合物が、エ
チレンオキサイドを含有する場合には、印字濃度及び光
沢度がさらに優れたものとなるが、これは、エチレンオ
キサイドを含有する電離放射線硬化性化合物が保水性に
優れることに起因していると考えられる。
【0069】又、該光沢発現層中に電離放射線硬化性の
シリコン化合物を含有させることにより、長期間保存し
た後でも画像の品質が一定に保たれたインクジェット記
録シートを得ることができる。これは、電離放射線を照
射することで、該シリコン化合物が架橋反応するため、
経時でのブリードアウトがなくなるからである。
【0070】又、本発明におけるインクジェット記録シ
ートの高光沢度は、電離放射線の物質透過性を利用し
て、鏡面金属ロール或いは高平滑合成樹脂フィルムの鏡
面をインクジェット記録シートの光沢発現層に転写する
ことにより達成される。このような方法で得られるイン
クジェット記録シートの光沢度は、従来提案されてきた
ようなキャスト法で作製されたインクジェット記録シー
トに比べて、非常に優れたものとなる。
【0071】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
又、実施例において示す「部」及び「%」は、特に明示
しない限り重量部及び重量%を示す。
【0072】実施例1 LBKP(濾水度400mlcsf)80部とNBKP
(濾水度480mlcsf)20部から成る木材パルプ
100部に対して、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カル
シウム/タルクの比率が10/10/10の顔料20
部、市販アルキルケテンダイマー0.10部、市販カチ
オン系アクリルアミド0.03部、市販カチオン化澱粉
1.0部、硫酸バンド0.5部を調製後、長網抄紙機で
抄造し、坪量90g/m2の支持体を得た。
【0073】この支持体上に下記のインク吸収層の塗被
組成物の固形分濃度14%水溶液をエアーナイフコータ
ーにより、乾燥塗工量10g/m2となるように塗工、乾燥
した。 〔インク吸収層塗被組成物〕 合成非晶質シリカ(水澤化学製、P-527、比表面積60m2/g) 100部ホ゜リヒ゛ニルアルコール (クラレ製、PVA117) 30部カチオン 性色素定着剤(住友化学製、スミレッツレシ゛ン1001) 30部
【0074】次いで、75μmの2軸延伸ポリエチレン
テレフタレートフィルム(ダイヤホイルヘキスト製、P
ET−O300、ヘーズ値0.85%)上に下記の光沢
発現層の塗被組成物の固形分濃度35%水溶液をロッド
バーにより、乾燥塗布量が7g/m2となるように塗工・乾
燥し、上記のインク吸収層と圧着して、該フィルム側か
ら、加速電圧150KV、照射線量2Mradの条件で
電子線を照射して光沢発現層を硬化した後、該フィルム
を剥離して実施例1のインクジェット記録シートを得
た。 〔光沢発現層塗被組成物〕コロイト゛ 粒子(日産化学工業製、コロイタ゛ルシリカ ST-YL、平均粒子径65nm) 100部 電離放射線硬化性化合物(日本化薬製、PET-30:ヘ゜ンタエリスリトールトリアクリレート) 40部
【0075】実施例2 光沢発現層のコロイド粒子を、ポリスチレン系有機粒子
(旭化成工業製、L8999、平均粒子径200nm)
とした以外は実施例1と同様にして作製し、実施例2の
インクジェット記録シートを得た。
【0076】実施例3 光沢発現層の電離放射線硬化性化合物を、ジエチレング
リコールジアクリレート(日本化薬製、SR−230)
とした以外は実施例1と同様にして作製し、実施例3の
インクジェット記録シートを得た。
【0077】実施例4 光沢発現層の電離放射線硬化性化合物を、ポリエチレン
グリコール400ジアクリレート(日本化薬製、PEG
400DA)とした以外は実施例1と同様にして作製
し、実施例4のインクジェット記録シートを得た。
【0078】実施例5 光沢発現層の電離放射線硬化性化合物を、エチレンオキ
サイド変性トリメチロールプロパントリアクリレートと
した以外は実施例1と同様にして作製し、実施例5のイ
ンクジェット記録シートを得た。
【0079】実施例6 光沢発現層の塗被組成物中に電離放射線硬化性のシリコ
ン化合物(信越化学製、X62−7200)を0.2部
添加し、該塗被組成物を強攪拌して該シリコン化合物を
分散させた。この塗被組成物を加速電圧150KV、照
射線量3Mradにて硬化した以外は、実施例1と同様
にして作製し、実施例6のインクジェット記録シートを
得た。
【0080】実施例7 光沢発現層のを下記の塗被組成物とした以外は、実施例
1と同様にして作製し、実施例7のインクジェット記録
シートを得た。 〔光沢発現層塗被組成物〕コロイト゛ 粒子(日産化学工業製、コロイタ゛ルシリカ DMAC-ST-ZL、平均粒子径100nm) 100部 電離放射線硬化性化合物(日本化薬製、PET-30:ヘ゜ンタエリスリトールトリアクリレート) 30部 電離放射線硬化性シリコン化合物(コ゛ールト゛シュミット製、RC705) 0.2部
【0081】実施例8 光沢発現層のコロイド粒子を、カチオン性のコロイダル
シリカ(日産化学工業製、ST−AK−ZL、平均粒子
径80nm)とした以外は実施例1と同様にして作製
し、実施例8のインクジェット記録シートを得た。
【0082】実施例9 光沢発現層のコロイド粒子を、カチオン性の無定型シリ
カ・アルミナ粒子(触媒化成製、USB−1、平均粒子
径40nm)とした以外は実施例1と同様にして作製
し、実施例9のインクジェット記録シートを得た。
【0083】実施例10 インク吸収層の無機顔料を、BET法による比表面積が
270m2/gの合成非晶質シリカ(徳山曹達製、ファイン
シールX37)とした以外は実施例1と同様にして作製
し、実施例10のインクジェット記録シートを得た。
【0084】実施例11 実施例1のインクジェット記録シートの光沢発現層に、
ラジカル重合禁止剤として、0.5%の2,6−ジクロ
ロベンゾキノンアルコール溶液を噴霧し、実施例11の
インクジェット記録シートを得た。
【0085】実施例12 実施例7のインクジェット記録シートの光沢発現層に、
ラジカル重合禁止剤として、0.5%の2,6−ジクロ
ロベンゾキノンアルコール溶液を噴霧し、実施例12の
インクジェット記録シートを得た。
【0086】比較例1 光沢発現層は設けずに、支持体上に実施例1のインク吸
収層を、乾燥塗工量で17g/m2塗工したのみを、比較例
1のインクジェット記録シートとした。
【0087】比較例2 インク吸収層は設けずに、支持体上に直接光沢発現層
を、乾燥塗工量で17g/m2塗工した以外は実施例2と同
様にして作製し、比較例1のインクジェット記録シート
を得た。
【0088】比較例3 光沢発現層を、コロイド粒子を除いた電離放射線硬化性
化合物のみからなる層とした以外は、実施例1と同様に
して作製し、比較例3のインクジェット記録シートを得
た。
【0089】比較例4 光沢発現層の電離放射線硬化性化合物を、疎水性である
トリメチロールプロパントリアクリレート(東亜合成
製、アロニックスM−309)とした以外は、実施例1
と同様にして作製し、比較例4のインクジェット記録シ
ートを得た。
【0090】比較例5 光沢発現層の電離放射線硬化性化合物を、1分子中のエ
チレン性二重結合数が1個であるフェノキシポリエチレ
ングリコールモノアクリレートとした以外は、実施例1
と同様にして作製し、比較例5のインクジェット記録シ
ートを得た。
【0091】比較例6 光沢発現層の電離放射線硬化性化合物を、1分子中のエ
チレン性二重結合数が1個であるアクリロイルモルホリ
ンとした以外は、実施例1と同様にして作製し、比較例
6のインクジェット記録シートを得た。
【0092】比較例7 光沢発現層の電離放射線硬化性化合物を、1分子中のエ
チレン性二重結合数が1個であり、疎水性のベンジルア
クリレートとした以外は、実施例1と同様にして作製
し、比較例7のインクジェット記録シートを得た。
【0093】比較例8 光沢発現層の電離放射線硬化性化合物を、疎水性である
トリプロピレングリコールジアクリレートとした以外
は、実施例1と同様にして作製し、比較例8のインクジ
ェット記録シートを得た。
【0094】比較例9 実施例1で用いた支持体上に、下記配合のインク吸収層
塗被組成物の18%水溶液を、乾燥塗工量で17g/m2
なるように塗工し、次いで該塗層を蟻酸カルシウム1%
水溶液にて凝固処理を行い、塗膜が湿潤状態にある間に
100℃に加熱した鏡面ドラムに圧着して、乾燥し、比
較例9のインクジェット記録シートを得た。 〔インク吸収層塗被組成物〕フェームト゛シリカ (日本アロエシ゛ル製、アロエシ゛ル200) 100部 SBR(住友ノーカ゛タック製、SN307) 70部カセ゛イン 70部ノニオン 系界面活性剤(第一工業製薬製、ノイケ゛ンEA120) 2.5部ステアリン 酸カルシウム 5部
【0095】比較例10 インク吸収層塗被組成物中に、シリコンオイルエマルジ
ョン(東レ・ダウコーニングシリコーン製、SM870
8)を0.2部添加した以外は、比較例 と同様に作製
し、比較例10のインクジェット記録シートを得た。
【0096】実施例1〜12及び比較例1〜10の評価
は以下に示す方法により行い、結果を表1にまとめて示
した。
【0097】〈印字濃度〉各インクジェット記録シート
サンプルを、20℃、65%RHの環境下にて24時間
の調湿した後、インクジェットプリンター(MJ−70
0V2C、EPSON製)を用いてブラックインクでベ
タ印字を行い、印字部の光学反射濃度をマクベスRD−
919により測定した。
【0098】〈鏡面光沢度〉各インクジェット記録シー
トサンプルの光沢発現層表面の鏡面光沢度を測定した。
該光沢度はJIS−Z−8741に準じて、入反射角度
75度として、日本電色工業製、変角光沢度計VGS−
1001DPにて測定した。
【0099】〈印字部の鏡面光沢度〉各インクジェット
記録シートサンプルを、20℃、65%RHの環境下に
て24時間の調湿した後、インクジェットプリンター
(MJ−700V2C、EPSON製)を用いてブラッ
クインクでベタ印字を行ったときの、該光沢発現層表面
の鏡面光沢度を測定した。該光沢度はJIS−Z−87
41に準じて、入反射角度75度として、日本電色工業
製、変角光沢度計VGS−1001DPにて測定した。
【0100】〈耐傷性〉各インクジェット記録シートサ
ンプルを、20℃、65%RHの環境下にて24時間の
調湿した後、インクジェットプリンター(MJ−700
V2C、EPSON製)を用いてブラックインクでベタ
印字を行ったときの、プリンター搬送系に装着されてい
る歯形金属ロールによる該シート表面の傷つき度を目視
評価した。 ○:全く傷が付かず、光沢面は良好である。 △:歯形金属ロールがくい込んだことによる傷が極わず
か見られたが、画質には影響しない。 ×:歯形金属ロールがくい込んだことによる傷が著し
く、画質に大きな影響を与えた。
【0101】〈ドット径〉各インクジェット記録用シー
トサンプルを、20℃、65%RHの環境下にて24時
間の調湿したものと、さらに3ヶ月間続けて調湿したも
のを準備し、インクジェットプリンター(MJ−700
V2C、EPSON製)により、ブラックインクでドッ
トを印字し、画像解析装置を用いて、下記数1で定義さ
れる円相当径(ドット径)を各々測定した。高精細化を
達成するためには、印字濃度が高く、且つドット径は小
さいほうが好ましい。このときの、24時間調湿したサ
ンプルと3ヶ月間調湿したサンプルの円相当径(D1
びD2)の変化率を下記数2から算出した。このとき、
変化率の値が正であれば経時によりドット径が増加した
ことを示し、負であればドット径が減少したことを示し
ている。長期保存による画像の安定性からは変化率が0
%であることが好ましい。
【0102】
【数1】Di={(4/π)×A}1/2 ここで、Diは円相当径であり、i=1は24時間放置
したサンプルの円相当径、i=2は3ヶ月間調湿したサ
ンプルの円相当径である。又、Aは実測面積である。
【0103】
【数2】変化率%=100−(D2/D1×100)
【0104】
【表1】
【0105】表1の実施例1〜16が示したように、本
発明のインクジェット記録シートであれば、印字濃度及
び表面光沢度が高く、印字部の光沢度の低下及び印字画
像の耐傷性が改良された。特に、実施例1、2に比べて
実施例3〜5では、電離放射線硬化性化合物の分子中に
エチレンオキサイドを含有していたために、さらに印字
濃度及び表面光沢度が向上した。又、実施例6及び7で
は、光沢発現層中に電離放射線硬化性のシリコン化合物
が含有されていたため、ドット径が小さく、さらに高精
細な画像が得られ、経時による変化率も小さかった。実
施例8及び9では、光沢発現層のコロイド粒子がカチオ
ン性であり、一方、実施例11及び12では、光沢発現
層を硬化した後にラジカル重合禁止剤にて処理を行った
ことから、経時での電離放射線硬化性化合物の硬化促進
が防止されたため、長期保存後でもドット径は変化しな
かった。しかしながら、比較例1では、光沢発現層を設
けないインクジェット記録シートであるため、光沢、耐
傷性は全く望めない。比較例2では、インク吸収層を設
けずに光沢発現層のみとしたため、光沢、耐傷性は非常
に優れるものの、インク吸収性が不十分であるためにイ
ンク溢れが発生し、ドット径は拡大した。比較例3で
は、光沢発現層を電離放射線硬化性化合物のみからなる
層としたため、インク吸収性が著しく劣り、ドット径が
拡大した。比較例4〜8では、電離放射線硬化性化合物
が適切なものでないため、ドット径が拡大したり、耐傷
性が不十分なものとなった。又、比較例9及び10で
は、従来公知のキャスト法によりインクジェット記録シ
ートを作製したが、本発明のインクジェット記録シート
に比べれば、印字濃度、光沢度、耐傷性が低く、印字部
では光沢度が低下した。特に比較例10ではインク吸収
層中にシリコンオイルが添加してあったことから、長期
保存後に該オイルがブリードアウトし、ドット径が著し
く減少した。
【0106】
【発明の効果】以上から明かなように、本発明によれ
ば、印字濃度及び表面光沢度が高く、印字部の光沢度の
低下及び印字画像の耐傷性が改良され、且つ長期保存後
の該シートでもドット径が一定である高品質なインクジ
ェット記録シートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録シートの製造方法
の一例を示す概略図である。
【図2】本発明のインクジェット記録シートの製造方法
の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1:光沢発現層塗被組成物 2:金属パン 3:グラビアロール 4:転写ロール 5:ニップロール 6:鏡面金属ロール 7:高平滑合成樹脂フィルム 8:インク吸収層塗設支持体 9:溶媒乾燥装置 10:電離放射線発生装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−11423(JP,A) 特開 平8−34159(JP,A) 特開 昭62−221591(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の少なくとも片面にインク吸収
    層、光沢発現層を順次設けたインクジェット記録シート
    において、該光沢発現層が、主にコロイド粒子及び1分
    子中に2個以上のエチレン性二重結合を含有する親水性
    の電離放射線硬化性化合物からなり、電離放射線を照射
    することにより硬化した層であることを特徴とするイン
    クジェット記録シート。
  2. 【請求項2】 電離放射線硬化性化合物が、分子中にエ
    チレンオキサイドを含有することを特徴とする請求項1
    記載のインクジェット記録シート。
  3. 【請求項3】 光沢発現層中に、電離放射線硬化性のシ
    リコン化合物を含有することを特徴とする請求項1又は
    2記載のインクジェット記録シート。
  4. 【請求項4】 コロイド粒子が、カチオン性コロイド粒
    子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載
    のインクジェット記録シート。
  5. 【請求項5】 鏡面金属ロール或いは高平滑合成樹脂フ
    ィルム上に主にコロイド粒子及び1分子中に2個以上の
    エチレン性二重結合を含有する親水性の電離放射線硬化
    性化合物からなる光沢発現層塗被組成物を塗工して溶媒
    を乾燥させてから、支持体上に設けたインク吸収層表面
    と圧着し、該塗被組成物が可塑性を有する間に電離放射
    線を照射して光沢発現層を硬化せしめた後、該ロール或
    いは該フィルムから剥離して製造することを特徴とする
    インクジェット記録シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 鏡面金属ロール或いは高平滑合成樹脂フ
    ィルム上に主にコロイド粒子及び1分子中に2個以上の
    エチレン性二重結合を含有する親水性の電離放射線硬化
    性化合物からなる光沢発現層塗被組成物を塗工して溶媒
    を乾燥させてから、支持体上に設けたインク吸収層表面
    と圧着し、該塗被組成物が可塑性を有する間に電離放射
    線を照射して光沢発現層を硬化せしめた後、該ロール或
    いは該フィルムから剥離し、次いで硬化した光沢発現層
    をラジカル重合禁止剤により処理することを特徴とする
    請求項5記載のインクジェット記録シートの製造方法。
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