JP2003067707A - Icカード - Google Patents

Icカード

Info

Publication number
JP2003067707A
JP2003067707A JP2001256160A JP2001256160A JP2003067707A JP 2003067707 A JP2003067707 A JP 2003067707A JP 2001256160 A JP2001256160 A JP 2001256160A JP 2001256160 A JP2001256160 A JP 2001256160A JP 2003067707 A JP2003067707 A JP 2003067707A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
card
gloss
layer
water
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001256160A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Yabuta
健次 藪田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2001256160A priority Critical patent/JP2003067707A/ja
Publication of JP2003067707A publication Critical patent/JP2003067707A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】印字濃度及び印字光沢度が高く、印字画像の耐
水性及び耐傷性が改良された高品質なICカードを得る
こと。 【解決手段】少なくとも片面上にインク吸収層、光沢発
現層を順次設けたICカードにおいて、該光沢発現層
が、コロイド粒子、特定の放射線硬化性化合物及び水溶
性接着剤からなることを特徴とするICカードである。
水溶性接着剤がポリビニルピロリドン、ポリビニルアル
コール類及びセルロース誘導体より選ばれる水溶性接着
剤であると好ましい。放射線硬化性化合物が、分子中に
エチレンオキサイドを含有することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面にインク吸収層
及び光沢発現層を設けたICカードに関するものであ
り、高濃度で、画像の光沢性、耐水性、耐傷性に優れた
ICカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、テレホンカード、定期乗車券、乗
車券購入カード、ハイウェイカード、プリペイドカー
ド、キャッシュカード、クレジットカード、IDカー
ド、ICカード、会員証カード等の各種カードが情報記
録媒体として、広く利用されている。これらのカードは
多くの情報を安全に、信頼性高く記録、運用する目的で
磁気ストライプ等の磁気記録から光記録、ICメモリー
記録へと移行しており、用途の多様化もあいまって、こ
れらを組み合わせた複合カードも存在する。
【0003】ICカードは、磁気カードと比較して、格
段に記憶容量が大きいこと、高度なセキュリティー機能
を有していること、カード自体でデータ処理が可能であ
ることなどから、今後の有望な情報媒体として考えられ
ている。そのカードは、データの入出力はカードに設置
された端子の接触で行われる接触式ICカードと通信コ
イルを内蔵し、離れた場所からデータの入出力が可能な
非接触式ICカードに大別される。ところが、接触式I
Cカードは、静電気破壊に対する対策、端子電極の電気
的接続不良、リーダー/ライターの機構が複雑であるな
どの問題を有している。これに対し、非接触式ICカー
ドは、接点が不要で損傷や摩耗に強く、振動・ちり・遮
蔽物にかかわらず読みとれること、リーダー/ライター
に駆動部が不要でメンテナンスコストが安いこと等が上
げられる。このように非接触式ICカードは、利用者の
立場からみた場合、毎回カードを取り出してリーダー/
ライターに差し込まなくても、かざすあるいはただ通り
過ぎるだけで、読み取り書き込みが終了するので利便性
が高い。
【0004】そこで、近年では、非接触式ICカードが
開発され、このカードの特徴を利用した新しい適用が進
展している。この非接触式ICカードの製造方法として
は、ラミネート方式又は射出成形方式で行われている。
ラミネート方式は、センターコアーシートにICモジュ
ールを入れ、その両面にオーバーシートを積層して熱プ
レス又は、接着剤をオーバーシートに塗布して圧着する
方法である。また、射出成形方式は、ICモジュールが
固定されたシートを金型内に挿入し、もう一方の金型面
にシートをセットして、その金型の隙間に樹脂を射出注
入する方法である。
【0005】ところで、これらのICカードは各種情報
を人間が目視で把握、確認できない不可視情報として記
録されており、専用の読み書き装置にかけないと記録情
報を取り出すことができない。人間が目視で確認できる
記録情報は人名、会員番号、口座番号などの一部の固定
情報などをエンボス加工、熱転写印字などの表示方法に
より、カード表面に設ける可視表示部に表記することで
成されてきた。特に顔画像の様な階調性を要求される情
報には高精細で濃度階調表現が可能な昇華熱転写法等で
表記されてきた。
【0006】しかし、従来の熱転写記録法では、熱転写
記録した画像にムラや抜けなどが生じる不良品がしばし
ば発生するという問題があった。
【0007】この問題は、昇華型熱転写記録によってカ
ード上に顔画像等の階調性の画像を記録する際に特に顕
著であり、問題が大きなものとなっている。
【0008】この不良品の発生する原因が、熱転写記録
法で画像を記録する面である受像面の平面性にあり、受
像面に凹凸が存在し、平面性が損なわれていると、熱転
写記録を行う際に、画像に抜けやムラが発生してしま
う。
【0009】従って、ICカードのように複数の層の間
にICチップを挿入して形成されるカードは、カードの
湾曲による平面性の劣化、断裁によって生じたゴミが層
間に混入されたり、表面に付着したりすることによる平
面性の劣化、またはICチップを層間に挿入することに
伴う平面性の劣化が起こりやすいため、特に画像の不良
が発生する確率が大きく、不良品の記録カードが発生す
る確率が大きかった。
【0010】カード表面を均すことにより平面性の劣化
を除去することも考えられる。しかし、カード表面を均
しても、良好な平面性が得られるとは限らず、逆にIC
カードのようなカードの場合、圧力をかけることによ
り、内部のICが破壊される恐れもあった。
【0011】そこで特開平10−250267号公報で
はICカード上の熱転写の受像面をマット処理すること
で凹凸の平均化をはかり画像のムラを改良する試みが提
案されている。また特開平11−151878号公報で
はICカード上の熱転写受像層の下にクッション層を設
けることで画質の改良をはかる事が提案されている。し
かしながら、ICカードの受像面に直接接触させる事で
画像を得る熱転写法では画質の改良に限界があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑み成されたものである。
【0013】本発明は、平面性が多少損なわれているカ
ードであっても、熱転写記録のような接触型ではなく非
接触のインクジェット記録法により、良好な高精細画像
を記録することを可能にし、常に高品質の画像を有する
ICカードである。特に平面性の劣化が湾曲や、内部に
ICチップ等が挿入されることによって生じる緩やかで
大きな凹凸であっても、高品質の画像を有するICカー
ドである。
【0014】しかしICカードは繰り返して多数回使用
される為に、単にICカード上にインクジェット記録が
可能な層を設けただけでは鋭利なものに接触して傷がつ
き易く記録物の品質を損なうため、画像の耐傷性等の保
存性改良や顔写真のようなカラーの階調性画像の場合に
は画像の光沢性や耐水性に課題があり、その改良が要求
されていた。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ICカード
における上記の問題について鋭意検討を重ねた結果、十
分なインク吸収性を有するインク吸収層上に、主にコロ
イド粒子と放射線にて硬化する親水性の放射線硬化性化
合物及び水溶性接着剤からなる層を設けることにより、
高光沢で印字濃度も高く、インク吸収性を低下させずに
耐傷性が改良できることを見いだした。さらに、このよ
うな層は、放射線硬化性化合物が3次元で強固に架橋し
てなる層であるため、耐水性にも優れていることが判明
した。
【0016】すなわち、本発明は、少なくとも片面上に
インク吸収層、光沢発現層を順次設けたICカードにお
いて、該光沢発現層が、主にコロイド粒子、1分子中に
2個以上のエチレン性二重結合を含有する親水性の放射
線硬化性化合物及び水溶性接着剤からなるICカードで
ある。
【0017】水溶性接着剤が、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルアルコール類及びセルロース誘導体より選ば
れる水溶性接着剤であると好ましい。
【0018】放射線硬化性化合物が、分子中にエチレン
オキサイドを含有すると好ましい。
【0019】コロイド粒子が、カチオン性コロイド粒子
であると好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に記す。 〔光沢発現層〕本発明のICカードにおける光沢発現層
は、主にコロイド粒子、1分子中に2個以上のエチレン
性二重結合を含有する親水性の放射線硬化性化合物及び
水溶性接着剤からなるものである。
【0021】本発明のICカードにおける光沢発現層を
形成するコロイド粒子とは、水中或いは有機溶剤中に懸
濁分散してコロイド状をなしているものであり、動的散
乱法により測定される平均粒子径が300nm以下、よ
り好ましくは200nm以下の無機もしくは有機粒子で
ある。ここで、インクジェット記録された画質を決定す
る印字濃度は、インク吸収層の印字濃度のみならず、光
沢発現層の透明性も重要となり、光沢発現層の塗被組成
物に適用するコロイド粒子の平均粒子径が300nm以
下であると印字濃度の良好な画質を得ることができる。
このようなコロイド粒子としては、例えば、コロイダル
シリカ、気相法シリカやベーマイト、擬ベーマイト等の
アルミナゾルやコロイダルアルミナ、カチオン性アルミ
ニウム酸化物又はその水和物、或いは特公昭47−26
959号公報に提案されているようなコロイド状シリカ
粒子表面をアルミナコーティングした粒子等の無機粒子
等が挙げられ、単独或いは2種類以上を併用することも
できる。
【0022】本発明において、上記のようなコロイド粒
子中でも、カチオン性のコロイド粒子が、インク中の色
素の定着性に優れることから特に好ましい。カチオン性
コロイド粒子とは、該粒子の表面が正に帯電した粒子を
指し、粒子表面の電荷が正であることにより、静電気的
な相互作用によってインク中の色素のスルホン酸基、カ
ルボキシル基、アミノ基等と不溶な塩を形成して、光沢
発現層で該色素を定着することが可能となる。さらに、
該粒子自体にはインクの溶媒成分を吸収するだけの容量
がないことから、溶媒成分が光沢発現層を通過してイン
ク吸収層に浸透することになる。
【0023】又、本発明のICカードにおける光沢発現
層には、コロイド粒子と併用して公知の白色顔料を1種
類以上用いることができるが、該顔料は一般に粒子径が
大きく不透明性が生じるため、該顔料の粒子径にもよる
が、該粒子/顔料の質量比としては80/20以上、よ
り好ましくは90/10以上である。
【0024】本発明のICカードにおける光沢発現層を
形成する放射線硬化性化合物は、1分子中に2個以上の
エチレン性二重結合を含有し、且つ親水性であることが
必須である。ここで、エチレン性二重結合としては、ビ
ニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、脂環エポ
キシ基等を挙げることができ、このような官能基を末端
或いは側鎖に有する不飽和ポリエステル、変性不飽和ポ
リエステル、アクリル系ポリマー、アクリル系オリゴマ
ー、アクリル系モノマー、メタクリル系ポリマー、メタ
クリル系オリゴマー、メタクリル系モノマーやビニル型
不飽和結合を有するポリマー、オリゴマー及びモノマ
ー、エポキシ化合物等を本発明における放射線硬化性化
合物とすることができるが、特にアクリロイル基を有す
る化合物が放射線硬化性に優れているため好ましい。
又、上記のような構造からなる放射線硬化性化合物が親
水性を有するためには、その分子中に、水酸基、カルボ
キシル基、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム
塩基等の極性基、エチレンオキサイド、ジエチレンオキ
サイド、モルホリン、ピロリドン等の親水性ユニットを
含有していることが必要である。ここで、放射線硬化性
樹脂化合物が、単官能である場合には、放射線硬化性化
合物の架橋が進行しづらいため、光沢発現層の硬度が不
十分となり、印字の際の溶解・膨潤を完全に防止するこ
とができず、印字部の光沢が低下し、耐傷性も十分に改
良されない。又、放射線硬化性化合物が親水性でない場
合には、インク吸収性が著しく低下し、画像濃度も低
く、インク溢れ、滲み等も発生する。
【0025】このような放射線硬化性化合物は市販のも
のを好適に用いることができる。以下、上記の事項に該
当する代表的な市販の放射線硬化性化合物を例示する
が、もちろん本発明がこれに限定されるものではない。
【0026】カヤラッドPEG400DA、カヤラッド
R−167、PET−30、サートマーSR−230、
サートマーSR−268、サートマーSR−344、サ
ートマーSR−444(以上、日本化薬製、カヤラッド
及びサートマーシリーズ)、NKエステルA−200、
NKエステルA−400、NKエステルA−600、N
KエステルA−TMM−3、NKエステルA−TMM−
3L(以上、新中村化学製、NKエステルシリーズ)、
アロニックスM−240、アロニックスM−245、ア
ロニックスM−205、アロニックスM−210(以
上、東亜合成アロニックスシリーズ)、3EG−A、4
EG−A、9EG−A、BP−4EA、PE−3A(以
上、共栄社油脂化学工業製、ライトアクリレートシリー
ズ)、PE−200、PE−300、PE−400、E
P−22、BPE4、TMP−3、PET−3、C−1
615、C−1615M(以上、第一工業製薬製、ニュ
ーフロンティアシリーズ)。
【0027】上記のような親水性の放射線硬化性化合物
中でも、分子中にエチレンオキサイドセグメントを含有
する該化合物が、インク吸収性の点から特に好ましい。
エチレンオキサイドセグメントは、その複数が連続した
セグメントでもかまわないし、他のセグメントを挟んで
構成されてもかまわない。
【0028】上記のようなコロイド粒子100固形質量
部に対する放射線硬化性化合物の配合量は、10〜70
固形質量部であり、より好ましくは20〜50固形質量
部である。ここで、該放射線硬化性化合物の配合量が1
0固形質量部未満では、放射線硬化性化合物のバインダ
ー性が劣るため、光沢発現層の強度が低下し、十分な耐
傷性が得られないばかりか、光沢度も低下してしまうた
め好ましくない。更に耐水性も低下する。又、70固形
質量部を越えるようになると放射線硬化性化合物により
形成される空隙のない皮膜部分が多くなり過ぎるため、
インク吸収性に劣る為に印字濃度が低下する。
【0029】さらに、本発明の光沢発現層中には、水溶
性接着剤が添加される。水溶性接着剤の存在は、光沢発
現層とインク吸収層との界面の接着性を向上させ耐傷性
を改良するのみならず、放射線硬化性化合物によるイン
ク吸収性低下を防ぎ、水性インクとの親和性の観点から
画像濃度向上に寄与すると考えられる。かかる水溶性接
着剤として、特にポリビニルピロリドン、ポリビニルア
ルコール類及びセルロース誘導体がインク吸収性を上げ
て画像濃度を向上させる点から好ましい。例えば、ポリ
ビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコー
ル、シリル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルア
ルコール類、ポリビニルピロリドン(誘導体、共重合体
を含む)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース等のセルロース誘導体が印字濃度
が高く、好適に使用できる。配合量としては、放射線硬
化性化合物と水溶性接着剤の比率は10/1〜1/1の
範囲が好適である。水溶性接着剤の比率が高いと耐水性
低下を起こし、逆に放射線硬化性化合物が高いとインク
吸収性低下を起こして画像濃度を低下させる。
【0030】又、本発明の光沢発現層中には、本発明の
効果を阻害しない範囲で、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、光安定化剤、ラジカル重合開始剤、界面活
性剤、滑剤、カチオン性色素定着剤、顔料分散剤、増粘
剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、
浸透剤、着色染料、着色顔料、防腐剤、防バイ剤、耐水
化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等の各種添加剤
を添加することもできる。ここで、光沢発現層中に添加
する蛍光増白剤としては、特に制限はないが、耐放射線
性、耐候性等に優れるチオフェン骨格を含有する蛍光増
白剤が特に好ましく、又、記録された画像の保存安定性
を向上させるため、紫外線吸収剤を本発明の光沢発現層
中に添加することが好ましい。
【0031】本発明のICカードの光沢発現層中への紫
外線吸収剤の配合量としては、各紫外線吸収剤の紫外線
吸収能力や光沢発現層の塗工量等により適宜決定される
が、上記のコロイド粒子100固形質量部に対して0.
01〜10%、より好ましくは0.1〜5%である。
【0032】本発明のICカードにおける光沢発現層中
の放射線硬化性化合物を硬化させる放射線としては、一
般には紫外線、α線、β線、γ線、X線及び電子線等が
挙げられるが、α線、β線、γ線又はX線は人体への危
険性の問題が付随するため、取扱いが容易で工業的にも
その利用が普及している紫外線や電子線が有効である。
【0033】本発明において、電子線を使用する場合、
照射電子線量は0.1〜10Mrad程度の範囲が好ま
しい。ここで、0.1Mrad未満では十分な照射効果
が得られないため硬化が不十分であり、10Mradを
超えると、支持体を劣化させるために好ましくない。電
子線の照射方式としては、スキャニング方式、カーテン
ビーム方式等を用いることができ、電子線の加速電圧
は、100〜300KV程度が好ましい。なお、電子線
照射に際しては雰囲気の酸素濃度が高いと放射線硬化性
化合物の硬化が妨げられるため、窒素、ヘリウム、二酸
化炭素等の不活性ガスによる置換を行い、酸素濃度を6
00ppm以下、より好ましくは400ppm以下に抑
制した雰囲気中で照射するのが一般的である。
【0034】又、本発明において紫外線を使用する場合
には、光沢発現層中に増感剤を配合する必要があるが、
その具体例としては、例えば、ジ又はトリクロロアセト
フェノンのようなアセトフェノン類、ベンゾフェノン、
ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインア
ルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメ
チルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類、ア
ゾ化合物等があり、放射線硬化性樹脂の重合反応タイ
プ、安定性、及び放射線照射装置との適合性等の観点か
ら選ばれる。増感剤の使用量は、放射線硬化性化合物に
対して、通常1〜5質量%程度である。又、増感剤には
ハイドロキノンのような貯蔵安定剤が併用される場合も
ある。光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀
灯、高圧水銀灯、キセノンランプ及びタングステンラン
プ等が使用される。
【0035】本発明における光沢発現層の塗工量は乾燥
固形分で1〜20g/m2、より好ましくは3〜10g
/m2である。光沢発現層は、上記のコロイド粒子及び
放射線硬化性化合物、水溶性接着剤を水に溶解し、従来
公知の塗工法を用いて塗工することができる。このよう
な塗工法としては、例えば、ブレード方式、エアードク
ター方式、スクイズ方式、エアーナイフ方式、リバース
ロール方式、グラビアロール及びトランスファーロール
方式、バー方式及びカーテン方式等を挙げることができ
る。
【0036】また、更に高光沢が必要な用途には、鏡面
金属ロール或いは高平滑合成樹脂フィルム上に光沢発現
層塗被組成物を塗工して溶媒を乾燥させてから、インク
吸収層表面と圧着し、該塗被組成物が可塑性を有する間
に放射線を照射して光沢発現層を硬化せしめた後、該ロ
ール或いは該フィルムから剥離して製造することも出来
る。
【0037】〔インク吸収層〕本発明におけるICカー
ドのインク吸収層は、従来公知のインク吸収層をいずれ
も好適に用いることができるが、しかしながら、例え
ば、特開昭60−224578号公報、同60−234
879号公報等に提案されているような水溶性樹脂のみ
からなるか、或いは水溶性樹脂を主成分とするようなイ
ンク吸収層であるよりも、例えば、特開昭60−204
390号公報や特開平2−198889号公報等に提案
されているような、BET法による比表面積の大きな無
機顔料を主体としたインク吸収層が、インク吸収性、画
像の鮮鋭性、色再現性等の点から好ましい。
【0038】本発明のICカードのインク吸収層として
より好ましい、無機顔料を主体としたインク吸収層につ
いて以下に具体的に示す。ここで、無機顔料とは、BE
T法による比表面積が100m2/g以上であり、さら
に好ましくは100〜700m2/gの無機顔料であ
る。このような比表面積の無機顔料を使用することによ
り、高い印字濃度及び優れたインク吸収性を発現させる
ことができる。無機顔料のBET比表面積が100m2
/g未満であると、十分な印字濃度及びインク吸収性が
得られない。
【0039】このような無機顔料としては、従来公知の
白色顔料を1種以上を単独で、或いは混合して用いるこ
とができ、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カル
シウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、
サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸
カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コ
ロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、
水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライ
ト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム等が挙げられる。
【0040】本発明におけるICカードには、上記の無
機顔料の中でも、特に合成非晶質シリカを用いることが
好ましく、印画濃度に優れるICカードを得ることがで
きる。このような合成非晶質シリカとは、例えば、特開
昭57−157786号公報、同61−141584号
公報、同61−230979号公報、同62−2924
76号公報等に記されているような、ケイ酸のゲル化に
より、SiO2の三次元構造を形成させた、微多孔性、
不定形微粒子であり、その代表的な物性値範囲として
は、平均粒子径10nm〜20μm程度、ハンター白色
度90以上である。
【0041】このような合成非晶質シリカは、市販のも
のを好適に用いることができ、例えば、ミズカシルP−
526、ミズカシルP−801、ミズカシルNP−8、
ミズカシルP−802、ミズカシルP−802Y、ミズ
カシルC−212、ミズカシルP−73、ミズカシルP
−78A、ミズカシルP−78F、ミズカシルP−8
7、ミズカシルP−705、ミズカシルP−707、ミ
ズカシルP−707D、ミズカシルP−709、ミズカ
シルC−402、ミズカシルC−484(以上水沢化学
製)、トクシールU、トクシールUR、トクシールG
U、トクシールAL−1、トクシールGU−N、トクシ
ールN、トクシールNR、トクシールPR、ソーレック
ス、ファインシールE−50、ファインシールT−3
2、ファインシールX−37、ファインシールX−7
0、ファインシールRX−70ファインシールA、ファ
インシールB(以上、徳山ソーダ製)、カープレックス
FPS−101、カープレックスCS−7、カープレッ
クス80、カープレックスXR、カープレックス67
(以上、塩野義製薬製)、サイロイド63、サイロイド
65、サイロイド66、サイロイド77、サイロイド7
4、サイロイド79、サイロイド404、サイロイド6
20、サイロイド800、サイロイド150、サイロイ
ド244、サイロイド266(以上、富士シリシア化学
製)等が挙げられる。
【0042】本発明におけるインク吸収層には、上記の
ような無機顔料と併用して、カチオン性コロイド粒子を
添加することもできる。ここでカチオン性コロイド粒子
とは、光沢発現層を構成するカチオン性コロイド粒子と
同様なものであり、光沢発現層にて定着されず、インク
吸収層中に浸透してきた微量の色素を確実に定着させる
ことができる。
【0043】本発明におけるICカードのインク吸収層
において、上記のような無機顔料を支持体上に強固に固
定する目的から、必要に応じてバインダー樹脂を用いる
ことができる。好適に用いることのできるバインダー樹
脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、シラノー
ル変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、酸化澱粉、
エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイ
ン、ゼラチン、大豆蛋白、シリル変性ポリビニルアルコ
ール等;無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共
重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等
の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステ
ル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体、ア
クリル酸及びメタクリル酸の重合体又は共重合体等のア
クリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合
体等のビニル系重合体ラテックス;或いはこれらの各種
重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体による官
能基変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等
の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤;ポリメチルメタク
リレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブ
チラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接着剤を一種
以上、単独で或いは混合して用いることができる。この
他、公知の天然、或いは合成樹脂バインダーを単独で或
いは混合して用いることは特に限定されない。
【0044】ここで、本発明のインク吸収層において、
上記のような無機顔料100固形質量部に対するバイン
ダー樹脂の配合量としては3〜70固形質量部、より好
ましくは5〜50固形質量部であり、3固形質量部未満
ではインク吸収層の塗層強度が不足し、又、70固形質
量部を超えるとインクジェット記録装置の種類によって
はインク吸収能が不足するため、インクが溢れ好ましく
ない。
【0045】さらに、その他の添加剤として、カチオン
性色素定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消
泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着
色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防バイ
剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤及び酸
化防止剤等を適宜添加することもできる。
【0046】特に、インク中の色素のスルホン基、カル
ボキシル基、アミノ基等と不溶な塩を形成する2級アミ
ン、3級アミン、4級アンモニウム塩からなるカチオン
性色素定着剤を添加すると、インク吸収層にて良好に色
素が捕捉されるため、色彩性の向上や水の滴下、吸湿に
よるインクの流れだしや滲みだしを抑制することができ
るため好ましい。
【0047】本発明におけるICカードのインク吸収層
を支持体上に設ける方法としては、水又はアルコール等
の親水性有機溶剤、或いはこれらの混合溶媒を用いて、
例えば、従来公知のエアーナイフコーター、カーテンコ
ーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロー
ルコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコ
ーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレー
ドコーター、サイズプレス等の各種装置により支持体上
に塗工することができる。又、インク吸収層の塗工後に
は、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレ
ンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を用いて
平滑化処理を行うことができる。
【0048】本発明におけるICカードにおけるインク
吸収層の塗工量は特に制限はないが、1〜30g/m2
が好ましい。塗工量が1g/m2未満であると十分な印
字濃度及びインク吸収性が得られないため好ましくな
く、塗工量が30g/m2を超えると記録シートのカー
ル性が悪化するため好ましくない。又、インク吸収層は
ある一定の塗工量を数回に分けて塗設する事もできる。
【0049】ICカードの外形寸法及び厚さは、JIS
X6301に準拠している。外形寸法は、次の大小二つ
の長方形に囲まれ領域にそのすべての縁部が入るように
仕上げられる。大きい長方形の長辺85.72mm、短
辺54.03mm、小さい長方形の長辺85.47m
m、短辺53.92mm。また、厚さは、最大0.80
mm、最小0.68mmの範囲に入るように仕上げられ
る。
【0050】
【実施例】以下の実施例及び比較例においては、特に断
らない限り、部は質量部を、%は質量%を意味するもの
とする。
【0051】実施例1 下記の操作によりインク吸収層及び光沢発現層を有する
ICカードを作成した。 (1)インク吸収層の形成 厚さ125μmの白色PET上に、下記のインク吸収層
の塗被組成物の固形分濃度14%水溶液をエアーナイフ
コーターにより、乾燥塗工量10g/m2となるように
塗工、乾燥した。 〔インク吸収層塗被組成物〕 合成非晶質シリカ 100部 (比表面積60m2/g) ポリビニルニルアルコール 30部 カチオン性色素定着剤 30部
【0052】次いで、下記の光沢発現層の塗被組成物の
固形分濃度35%水溶液をロッドバーにより、乾燥塗布
量が7g/m2となるように塗工・乾燥した後に、加速
電圧150KV、照射線量2Mradの条件で電子線を
照射して光沢発現層を硬化した。 〔光沢発現層塗被組成物〕 コロイド粒子 100部 (コロイダルシリカ、平均粒子径65nm) 放射線硬化性化合物 33部 (ペンタエリスリトールトリアクリレート) ポリビニルアルコール 7部 以上のようにしてインク吸収層及び光沢発現層を順次積
層したシートの他面にアンテナコイルを印刷法により作
成し、ICチップを接続してICモジュールを得た。次
に、別の、厚み125μmの白色PETフィルムを用意
し、インクジェット記録層側を金型の面に真空吸着固定
し、別の白色PETフィルムとの間にポリブチレンテレ
フタレート樹脂を射出し、その後金型を圧縮させて、厚
さ760μmとし、冷却後金型から取り出し、外形寸法
が、長辺85.6mm、短辺54.0mmのICカード
にした。
【0053】実施例2 75μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィル
ム(ヘーズ値0.85%)上に下記の光沢発現層の塗被
組成物の固形分濃度35%水溶液をロッドバーにより、
乾燥塗布量が7g/m2となるように塗工・乾燥し、実
施例1のインク吸収層と圧着して、該フィルム側から、
加速電圧150KV、照射線量2Mradの条件で電子
線を照射して光沢発現層を硬化した後、該フィルムを剥
離してインク吸収層上に硬化した光沢発現層を設けた。 〔光沢発現層塗被組成物〕 コロイド粒子 100部 (アルミナ水和物:平均粒子径10nm) 放射線硬化性化合物 33部 (ペンタエリスリトールトリアクリレート) ポリビニルアルコール 7部 以上のようにしてインク吸収層及び光沢発現層を順次積
層したシートの他面にアンテナコイルを印刷法により作
成し、ICチップを接続してICモジュールを得た。次
に、別の、厚み125μmの白色PETフィルムを用意
し、インクジェット記録層側を金型の面に真空吸着固定
し、別の白色PETフィルムとの間にポリブチレンテレ
フタレート樹脂を射出し、その後金型を圧縮させて、厚
さ760μmとし、冷却後金型から取り出し、外形寸法
が、長辺85.6mm、短辺54.0mmのICカード
にした。
【0054】実施例3 光沢発現層のコロイド粒子を、ポリスチレン系有機粒子
(平均粒子径200nm)とした以外は実施例1と同様
にして作製し、実施例3のICカードを得た。
【0055】実施例4 光沢発現層の放射線硬化性化合物を、ジエチレングリコ
ールジアクリレートとした以外は実施例1と同様にして
作製し、実施例4のICカードを得た。
【0056】実施例5 光沢発現層の放射線硬化性化合物を、ポリエチレングリ
コールジアクリレートとして、紫外線硬化用開始剤0.
5部を添加し電子線照射に代えて紫外線照射を行った以
外は実施例1と同様にして、実施例5のICカードを得
た。
【0057】実施例6 光沢発現層のコロイド粒子を、カチオン性のコロイダル
シリカ(平均粒子径80nm)とした以外は実施例1と
同様にして作製し、実施例6のICカードを得た。
【0058】実施例7 光沢発現層が下記の塗被組成物であること以外は実施例
1と同様にして実施例7のICカードを得た。 〔光沢発現層塗被組成物〕 コロイド粒子 100部 (コロイダルシリカ、平均粒子径65nm) 放射線硬化性化合物 33部 (ペンタエリスリトールトリアクリレート) ポリビニルピロリドン 7部
【0059】実施例8 光沢発現層が下記の塗被組成物であること以外は実施例
1と同様にして実施例8のICカードを得た。 〔光沢発現層塗被組成物〕 コロイド粒子 100部 (コロイダルシリカ、平均粒子径65nm) 放射線硬化性化合物 33部 (ペンタエリスリトールトリアクリレート) ヒドロキシプロピルメチルセルロース 7部
【0060】実施例9 光沢発現層が下記の塗被組成物であること以外は実施例
1と同様にして実施例9のICカードを得た。 〔光沢発現層塗被組成物〕 コロイド粒子 100部 (コロイダルシリカ、平均粒子径65nm) 放射線硬化性化合物 37部 (ペンタエリスリトールトリアクリレート) ポリビニルニルアルコール 3部
【0061】実施例10 光沢発現層が下記の塗被組成物であること以外は実施例
1と同様にして実施例10のICカードを得た。 〔光沢発現層塗被組成物〕 コロイド粒子 100部 (コロイダルシリカ、平均粒子径65nm) 放射線硬化性化合物 18部 (ペンタエリスリトールトリアクリレート) ポリビニルニルアルコール 22部
【0062】比較例1 光沢発現層は設けずに、実施例1のインク吸収層を、乾
燥塗工量で17g/m 2塗工したのみを、比較例1のI
Cカードとした。
【0063】比較例2 インク吸収層は設けずに、ICカード上に直接光沢発現
層を、乾燥塗工量で17g/m2塗工した以外は実施例
1と同様にして作製し、比較例2のICカードを得た。
【0064】比較例3 光沢発現層を、コロイド粒子を除いて放射線硬化性化合
物及び水溶性接着剤のみからなる層とした以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例3のICカードを得
た。
【0065】比較例4 光沢発現層を、水溶性接着剤を除いてコロイド粒子及び
放射線硬化性化合物のみからなる層とした以外は、実施
例1と同様にして作製し、比較例4のICカードを得
た。
【0066】比較例5 光沢発現層の放射線硬化性化合物を、1分子中のエチレ
ン性二重結合数が1個であるフェノキシポリエチレング
リコールモノアクリレートとした以外は、実施例1と同
様にして作製し、比較例5のICカードを得た。
【0067】実施例1〜10及び比較例1〜5の評価は
以下に示す方法により行い、結果を表1にまとめて示し
た。
【0068】〈印字濃度〉各ICカードサンプルを、2
0℃、65%RHの環境下にて24時間の調湿した後、
インクジェットプリンター(MJ−700V2C、EP
SON製)を用いてブラックインクでベタ印字を行い、
印字部の光学反射濃度をマクベスRD−919により測
定した。印字濃度は高いほど好ましいが、実用的には
1.40以上が望ましい。
【0069】〈印字部の鏡面光沢度〉各ICカードサン
プルを、20℃、65%RHの環境下にて24時間の調
湿した後、インクジェットプリンター(MJ−700V
2C、EPSON製)を用いてブラックインクでベタ印
字を行ったときの、該光沢発現層表面の鏡面光沢度を測
定した。該光沢度はJIS−Z−8741に準じて、入
反射角度75度として、日本電色工業製、変角光沢度計
VGS−1001DPにて測定した。
【0070】〈印字部の耐水性〉評価画像の印字を施し
たICカードを室温で水に10分間浸析させ画像のニジ
ミ、水への溶け出しによる濃度低下を目視判定した。評
価基準は以下の通りである。△以上が実用的に使用出来
る。
【0071】 ○:ニジミ、濃度低下は全く無く画像の変化は認められ
ない。 △:わずかに濃度が低下したが画像は保たれている。 ×:インクが溶け出し画像が崩れた。
【0072】〈耐傷性〉各ICカードサンプルを、20
℃、65%RHの環境下にて24時間の調湿した後、イ
ンクジェットプリンター(MJ−700V2C、EPS
ON製)を用いてブラックインクでベタ印字を行ったと
きの、プリンター搬送系に装着されている歯形金属ロー
ルによる該シート表面の傷つき度を目視評価した。 ○:全く傷が付かず、光沢面は良好である。 △:歯形金属ロールがくい込んだことによる傷が極わず
か見られたが、画質には影響しない。 ×:歯形金属ロールがくい込んだことによる傷が著し
く、画質に大きな影響を与えた。
【0073】表1の実施例1〜10が示したように、本
発明のICカードであれば、印字濃度及び印字光沢度が
高く、更に画像耐水性及び耐傷性が改良された。実施例
1に対して実施例2は表面の平滑度が高く高光沢であっ
た。また実施例1に比べて実施例4、5では、放射線硬
化性化合物の分子中にエチレンオキサイドを含有してい
たために、さらに印字濃度及び印字光沢度が向上した。
実施例6では、光沢発現層のコロイド粒子がカチオン性
であり印字濃度が高かった。また実施例9,10は最適
な範囲から水溶性接着剤の多寡で印字濃度、耐水性、耐
傷性に違いが出た。一方、比較例1では、光沢発現層を
設けないICカードであるため、光沢、耐傷性は全く望
めない。比較例2では、インク吸収層を設けずに光沢発
現層のみとしたため、光沢、耐傷性は優れるものの、イ
ンク吸収性が不十分であるために印字濃度の低下を起こ
した。比較例3では、光沢発現層をコロイダルシリカを
添加しなかったため、インク吸収性が著しく劣り、印字
濃度が低かった。比較例4では水溶性接着剤が添加され
ない為に印字濃度が劣った。比較例5は放射線硬化性化
合物が適切なものでないため、耐傷性及び耐水性が不十
分なものとなった。
【0074】
【表1】
【0075】
【発明の効果】本発明では、従来の非接触式ICカード
で内部情報の表示を目視で確認でき、印字濃度が高く、
画像の光沢性、耐水性、耐傷性に優れたインクジェット
記録可能なICカードを提供出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 139/06 C09J 163/00 163/00 G06K 19/00 K

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面上にインク吸収層、光沢
    発現層を順次設けたICカードにおいて、該光沢発現層
    が、主にコロイド粒子、1分子中に2個以上のエチレン
    性二重結合を含有する親水性の放射線硬化性化合物及び
    水溶性接着剤からなることを特徴とするICカード。
  2. 【請求項2】 水溶性接着剤が、ポリビニルピロリド
    ン、ポリビニルアルコール類及びセルロース誘導体より
    選ばれる水溶性接着剤である請求項1記載のICカー
    ド。
  3. 【請求項3】 放射線硬化性化合物が、分子中にエチレ
    ンオキサイドを含有することを特徴とする請求項1又は
    2記載のICカード。
  4. 【請求項4】 コロイド粒子が、カチオン性コロイド粒
    子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載
    のICカード。
JP2001256160A 2001-08-27 2001-08-27 Icカード Pending JP2003067707A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001256160A JP2003067707A (ja) 2001-08-27 2001-08-27 Icカード

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001256160A JP2003067707A (ja) 2001-08-27 2001-08-27 Icカード

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003067707A true JP2003067707A (ja) 2003-03-07

Family

ID=19084013

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001256160A Pending JP2003067707A (ja) 2001-08-27 2001-08-27 Icカード

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003067707A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7943228B2 (en) 2006-04-24 2011-05-17 Seiko Epson Corporation Printing medium
JP2012172034A (ja) * 2011-02-21 2012-09-10 Jnc Corp 接着した部材からの光硬化性接着剤の除去方法、及び二部材の接着方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7943228B2 (en) 2006-04-24 2011-05-17 Seiko Epson Corporation Printing medium
JP2012172034A (ja) * 2011-02-21 2012-09-10 Jnc Corp 接着した部材からの光硬化性接着剤の除去方法、及び二部材の接着方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4038065B2 (ja) インクジェット用記録材料及びそれを用いたインクジェット記録方法及び記録物
US6562441B1 (en) Ink jet recording medium
EP1855890B1 (en) Fusible reactive media comprising crosslinker-containing layer
EP1445118B1 (en) Ink jet recording medium and ink jet recording medium preparing method
EP0701902B1 (en) Ink image-receiving element
JP2003067707A (ja) Icカード
EP1391313B1 (en) Ink jet recording sheet and a prepartion method thereof
JP2003132320A (ja) Icカード
EP1186436B1 (en) Recording medium, method for its manufacture, and image-forming method using such recording medium
JP2003048391A (ja) Icカード
JP3333338B2 (ja) インクジェット記録シート及びその製造方法
JPH1094754A (ja) 記録媒体及びその製造方法
JP3883369B2 (ja) インクジェット記録材料
JP4357140B2 (ja) インクジェット用記録材料の製造方法
JP2003285535A (ja) インクジェット用記録材料
JP2003165269A (ja) インクジェット用記録材料、およびその製造方法
JP3862586B2 (ja) インクジェット用記録材料
EP1484190B1 (en) Ink-jet recording paper and method for its' production.
JP4315614B2 (ja) インクジェット用記録シートの断裁方法
JP2000298714A (ja) Icカード
JP2001058485A (ja) カード状媒体及びその製造方法
JP2004025712A (ja) 透明感熱記録媒体保護層用樹脂組成物及びそれを用いた透明感熱記録媒体
JP2002264481A (ja) インクジェット用記録材料
JP2004223876A (ja) インクジェット記録材料
JP2004338331A (ja) インクジェット記録用紙及びその製造方法