JP2003048391A - Icカード - Google Patents

Icカード

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JP2003048391A
JP2003048391A JP2001240391A JP2001240391A JP2003048391A JP 2003048391 A JP2003048391 A JP 2003048391A JP 2001240391 A JP2001240391 A JP 2001240391A JP 2001240391 A JP2001240391 A JP 2001240391A JP 2003048391 A JP2003048391 A JP 2003048391A
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gloss
ink
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JP2001240391A
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Kenji Yabuta
健次 藪田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高光沢で印字濃度及びインク吸収性に優れ、印
字画像の耐水性及び耐光性が改良された高品質なICカ
ードを得ること。 【解決手段】少なくとも片面上にインク吸収層、光沢発
現層を順次設けたICカードにおいて、該光沢発現層
が、粒子径300nm以下のコロイド粒子、水溶性接着
剤及び紫外線吸収剤からなることを特徴とするICカー
ドである。特に紫外線吸収剤が紫外線吸収性カチオン化
ポリマーであることで画像耐水性は改良される。水溶性
接着剤がポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール
類及びセルロース誘導体より選ばれる水溶性接着剤であ
るICカード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面にインク吸収層
及び光沢発現層を設けたICカードに関するものであ
り、高光沢、高濃度で、インク吸収性に優れ、画像の耐
水性、耐光性に優れたICカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、テレホンカード、定期乗車券、乗
車券購入カード、ハイウェイカード、プリペイドカー
ド、キャッシュカード、クレジットカード、IDカー
ド、ICカード、会員証カード等の各種カードが情報記
録媒体として、広く利用されている。これらのカードは
多くの情報を安全に、信頼性高く記録、運用する目的で
磁気ストライプ等の磁気記録から光記録、ICメモリー
記録へと移行しており、用途の多様化もあいまって、こ
れらを組み合わせた複合カードも存在する。
【0003】ICカードは、磁気カードと比較して、格
段に記憶容量が大きいこと、高度なセキュリティー機能
を有していること、カード自体でデータ処理が可能であ
ることなどから、今後の有望な情報媒体として考えられ
ている。そのカードは、データの入出力はカードに設置
された端子の接触で行われる接触式ICカードと通信コ
イルを内蔵し、離れた場所からデータの入出力が可能な
非接触式ICカードに大別される。ところが、接触式I
Cカードは、静電気破壊に対する対策、端子電極の電気
的接続不良、リーダー/ライターの機構が複雑であるな
どの問題を有している。これに対し、非接触式ICカー
ドは、接点が不要で損傷や摩耗に強く、振動・ちり・遮
蔽物にかかわらず読みとれること、リーダー/ライター
に駆動部が不要でメンテナンスコストが安いこと等が上
げられる。このように非接触式ICカードは、利用者の
立場からみた場合、毎回カードを取り出してリーダー/
ライターに差し込まなくても、かざすあるいはただ通り
過ぎるだけで、読み取り書き込みが終了するので利便性
が高い。
【0004】そこで、近年では、非接触式ICカードが
開発され、このカードの特徴を利用した新しい適用が進
展している。この非接触式ICカードの製造方法として
は、ラミネート方式又は射出成形方式で行われている。
ラミネート方式は、センターコアーシートにICモジュ
ールを入れ、その両面にオーバーシートを積層して熱プ
レス又は、接着剤をオーバーシートに塗布して圧着する
方法である。また、射出成形方式は、ICモジュールが
固定されたシートを金型内に挿入し、もう一方の金型面
にシートをセットして、その金型の隙間に樹脂を射出注
入する方法である。
【0005】ところで、これらのICカードは各種情報
を人間が目視で把握、確認できない不可視情報として記
録されており、専用の読み書き装置にかけないと記録情
報を取り出すことができない。人間が目視で確認できる
記録情報は人名、会員番号、口座番号などの一部の固定
情報などをエンボス加工、熱転写印字などの表示方法に
より、カード表面に設ける可視表示部に表記することで
成されてきた。特に顔画像の様な階調性を要求される情
報には高精細で濃度階調表現が可能な昇華熱転写法等で
表記されてきた。
【0006】しかし、従来の熱転写記録法では、熱転写
記録した画像にムラや抜けなどが生じる不良品がしばし
ば発生するという問題があった。
【0007】この問題は、昇華型熱転写記録によってカ
ード上に顔画像等の階調性の画像を記録する際に特に顕
著であり、問題が大きなものとなっている。
【0008】この不良品の発生する原因が、熱転写記録
法で画像を記録する面である受像面の平面性にあり、受
像面に凹凸が存在し、平面性が損なわれていると、熱転
写記録を行う際に、画像に抜けやムラが発生してしま
う。
【0009】従って、ICカードのように複数の層の間
にICチップを挿入して形成されるカードは、カードの
湾曲による平面性の劣化、断裁によって生じたゴミが層
間に混入されたり、表面に付着したりすることによる平
面性の劣化、またはICチップを層間に挿入することに
伴う平面性の劣化が起こりやすいため、特に画像の不良
が発生する確率が大きく、不良品の記録カードが発生す
る確率が大きかった。
【0010】カード表面を均すことにより平面性の劣化
を除去することも考えられる。しかし、カード表面を均
しても、良好な平面性が得られるとは限らず、逆にIC
カードのようなカードの場合、圧力をかけることによ
り、内部のICが破壊される恐れもあった。
【0011】そこで特開平10−250267号公報で
はICカード上の熱転写の受像面をマット処理すること
で凹凸の平均化をはかり画像のムラを改良する試みが提
案されている。また特開平11−151878号公報で
はICカード上の熱転写受像層の下にクッション層を設
けることで画質の改良をはかる事が提案されている。し
かしながら、ICカードの受像面に直接接触させる事で
画像を得る熱転写法では画質の改良に限界があった。
【0012】また、ICカードは繰り返して使用される
為に、単にICカード上にインクジェット記録が可能な
層を設けただけでは画像の耐水性、耐光性と云う保存性
が悪く、高光沢、高濃度で、インク吸収性に優れるのみ
でなく、画像の耐水性、耐光性の改良が要求されてい
た。特にICカードは多数回繰り返して使用される為に
強固な画像保存性が要求されていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑み成されたものである。
【0014】本発明は、平面性が多少損なわれているカ
ードであっても、熱転写記録のような接触型ではなく非
接触のインクジェット記録法により、良好な高精細画像
を記録することを可能にし、常に高品質で画像保存性の
良好な画像を有するICカードの安定した製造を可能に
することを目的とするものである。特に平面性の劣化が
湾曲や、内部にICチップ等が挿入されることによって
生じる緩やかで大きな凹凸であっても、高品質で画像保
存性の良好なICカードの安定した製造を可能にするこ
とを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ICカード
における上記の問題について鋭意検討を重ねた結果、十
分なインク吸収性を有するインク吸収層上に、紫外線吸
収剤及び水溶性接着剤と粒子径300nm以下の多孔質
構造を有するコロイド粒子からなる光沢発現層を設ける
ことで、高光沢、高濃度でインク吸収性に優れるのみな
らず、画像の耐水性、耐光性に優れたICカードを提供
できることを見いだした。特に紫外線吸収剤として4級
アンモニウム塩基を結合した重合性ビニル化合物と紫外
線吸収能を有する構造単位を結合した重合性ビニル化合
物との共重合体からなる紫外線吸収性カチオン化ポリマ
ーを使用することで画像の耐水性に優れたICカードを
提供することが出来た。
【0016】すなわち、本発明は、少なくとも片面上に
インク吸収層、光沢発現層を順次設けたICカードにお
いて、該光沢発現層が、紫外線吸収剤及び水溶性接着剤
と粒子径300nm以下の多孔質構造を有するコロイド
粒子からなることが好ましい。
【0017】紫外線吸収剤が4級アンモニウム塩基を結
合した重合性ビニル化合物と紫外線吸収能を有する構造
単位を結合した重合性ビニル化合物との共重合体からな
る紫外線吸収性カチオン化ポリマーであることが好まし
い。
【0018】コロイド粒子が有機微粒子であることが好
ましい。
【0019】水溶性接着剤が、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルアルコール類及びセルロース誘導体より選ば
れる水溶性接着剤であることが好ましい。
【0020】紫外線吸収能を有する構造単位が、2−ヒ
ドロキシベンゾフェノン残基または2−ヒドロキシベン
ゾトリアゾール残基であることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に記す。 〔光沢発現層〕本発明のICカードにおける光沢発現層
は、紫外線吸収剤及び水溶性接着剤と粒子径300nm
以下の多孔質構造を有するコロイド粒子を必須成分とす
るものである。特に紫外線吸収剤が4級アンモニウム塩
基を結合した重合性ビニル化合物と紫外線吸収能を有す
る構造単位を結合した重合性ビニル化合物との共重合体
からなる紫外線吸収性カチオン化ポリマーを用いること
で画像の耐水性の優れたICカードを提供できる。
【0022】本発明のICカードにおける光沢発現層を
形成するコロイド粒子とは、水中或いは有機溶剤中に懸
濁分散してコロイド状をなしているものであり、動的散
乱法により測定される平均粒子径が300nm以下の無
機粒子或いは有機粒子である。ここで、インクジェット
記録された画質を決定する印字濃度は、インク吸収層の
印字濃度のみならず、光沢発現層の透明性も重要とな
り、光沢発現層の塗被組成物に適用するコロイド粒子の
平均粒子径が300nm以下であると印字濃度の良好な
画質を得ることができる。このようなコロイド粒子とし
ては、例えば、コロイダルシリカ、気相法シリカやベー
マイト、擬ベーマイト等のアルミナゾルやコロイダルア
ルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和
物、或いは特公昭47−26959号公報に提案されて
いるようなコロイド状シリカ粒子表面をアルミナコーテ
ィングした粒子等の無機粒子、又は、ポリスチレン、メ
チルメタクリレート、スチレン−ブタジエン共重合体、
メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル
酸エステル及びメタクリル酸エステル共重合体、マイク
ロカプセル、尿素樹脂、メラミン等の有機粒子が挙げら
れ、単独或いは2種類以上を併用することもできる。
【0023】かかるコロイド粒子の使用は高光沢、高濃
度でインク吸収性に優れたICカードを提供するのに不
可欠なものであり、粒子径300nm以下の無機粒子で
も十分にその効果を発揮し得るものであるが、特に粒子
径300nm以下の有機微粒子を使用した場合には光沢
度や画像の耐水性向上の効果が著しい。このような効果
は画像記録後に光沢発現層を加熱によって熱溶融させる
事で更に顕著に達成できる。
【0024】本発明において、上記のようなコロイド粒
子中でも、カチオン性のコロイド粒子が、インク中の色
素の定着性に優れることから特に好ましい。カチオン性
コロイド粒子とは、該粒子の表面が正に帯電した粒子を
指し、粒子表面の電荷が正であることにより、静電気的
な相互作用によってインク中の色素のスルホン酸基、カ
ルボキシル基、アミノ基等と不溶な塩を形成して、光沢
発現層で該色素を定着することが可能となる。さらに、
該粒子自体にはインクの溶媒成分を吸収するだけの容量
がないことから、溶媒成分が光沢発現層を通過してイン
ク吸収層に浸透することになる。このような粒径300
nm以下のカチオン性の有機粒子としては特開平5−2
54251号公報等に記載されている有機粒子を好適に
使用することができる。
【0025】又、本発明のICカードにおける光沢発現
層には、コロイド粒子と併用して公知の白色顔料を1種
類以上用いることができるが、該顔料は一般に粒子径が
大きく不透明性が生じるため、該顔料の粒子径にもよる
が、該粒子/顔料の質量比としては80/20以上、よ
り好ましくは90/10以上である。
【0026】本発明のICカードにおける光沢発現層を
形成する紫外線吸収剤はベンゾフェノン誘導体、ベンゾ
トリアゾール誘導体等通常公知の紫外線吸収剤が好適に
使用される。かかる紫外線吸収剤が溶液である場合はそ
のまま光沢発現層構成組成物と共に混合して使用可能で
ある。例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン(市販品には白石カルシウム製、シーソーブ101
がある)は水に可溶、2−(2′−ヒドロキシ−5′−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(市販品には城北
化学社製JF−77、或いは白石カルシウム社製のシー
ソーブ701がある)は高pHでは水可溶となる。水不
溶のものも多いが、不溶の粉体やエマルションの場合
は、記録層の透明性や平滑性を損なわないために、平均
粒径を500nm以下に調整することが好ましい。平均
粒径に特に下限はなく、1nm程度のものまで得られ
る。500nm以下に調整するのは上記に示した機械的
手段(breaking down法)が挙げられる。
また、紫外線吸収剤の添加量は好ましくはコロイド粒子
100重量部に対して0.5〜25重量部程度添加でき
る。紫外線吸収剤の添加量が少なすぎると耐光性の効果
が不十分となる恐れがあり、多すぎても効果が飽和す
る。特に紫外線吸収剤が4級アンモニウム塩基を結合し
た重合性ビニル化合物と紫外線吸収能を有する構造単位
を結合した重合性ビニル化合物との共重合体からなる紫
外線吸収性カチオン化ポリマーを用いることで、かかる
紫外線吸収性カチオン化ポリマーは、インク中の染料成
分である−SO3Na基、−SO3H基、−NH2 基など
と反応して水に不溶な塩を形成することからインク定着
性の機能を有し、耐水性向上の効果を発揮することがで
きる。さらに、紫外線吸収性の機能を有し、画像の耐光
性としての効果を発揮することができる。
【0027】本発明の紫外線吸収性カチオン化ポリマー
は、紫外線吸収能を有する構造単位、即ち2−ヒドロキ
シベンゾフェノン残基、2−ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール残基などが重合性ビニル化合物モノマーの主鎖に結
合したものと4級アンモニウム塩基を結合した重合性ビ
ニル化合物との共重合体が好ましい。
【0028】紫外線吸収能を有する構造単位を結合した
重合性ビニル化合物(p)と4級アンモニウム塩基を結
合した重合性ビニル化合物(q)との共重合体における
共重合比(p/q)は、適宜設定することができる。水
溶性タイプや自己分散性タイプの紫外線吸収性カチオン
化ポリマーについては、p、qの比率をそれぞれ変化さ
せることにより得ることができる。例えば、4級アンモ
ニウム塩基を結合した重合性ビニル化合物の比率を下げ
た場合には、水溶性タイプから自己分散性タイプの方向
に移行してくる。
【0029】紫外線吸収能を有する構造単位としては、
2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体、2−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール誘導体、サリチル酸系誘導体、シア
ノアクリレート系誘導体など、好ましくは2−ヒドロキ
シベンゾフェノン誘導体、2−ヒドロキシベンゾトリア
ゾール誘導体を挙げることができ、例えば、以下のとお
り例示することができる。
【0030】1)2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,
4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロ
キシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、ビス(2
−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニ
ル)メタン、2−ヒドロキシ−4−アクリロイルオキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイル
オキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ア
クリロイルオキシ)エトキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシ)エトキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−メチル−2
−アクリロイルオキシ)エトキシベンゾフェノンなど。
【0031】2)2−ヒドロキシベンゾトリアゾール誘
導体2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−
t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′
−ヒドロキシ−5′−3′,5′−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−{2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,
5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′
−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、2,2−メチ
レンビス{4−(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フ
ェノール}、2−{2′−ヒドロキシ−5′−(メタク
リロイルオキシ)フェニル}ベンゾトリアゾール、2−
{2′−ヒドロキシ−5′−(アクリロイルオキシ)フ
ェニル}ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ
−3′−t−ブチル−5′−(メタクリロイルオキシ)
フェニル}ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキ
シ−3′−メチル−5′−(アクリロイルオキシ)フェ
ニル}ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−
5′−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル}−
5−クロロベンゾリトリアゾール、2−{2′−ヒドロ
キシ−5′−(メタクリロイルオキシエチル)フェニ
ル}ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−
5′−(アクリロイルオキシエチル)フェニル}ベンゾ
トリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−3′−t−ブ
チル−5′−(メタクリロイルオキシエチル)フェニ
ル}ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−
3′−メチル−5′−(アクリロイルオキシエチル)フ
ェニル}ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ
−5′−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル}
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロ
キシ−5′−(アクロイルオキシブチル)フェニル}−
5−メチルベンゾトリアゾール、{2−ヒドロキシ−3
−t−ブチル−5−(アクリロイルオキシエトキシカル
ボニルエチル)フェニル}ベンゾトリアゾールなど。
【0032】3)サリチル酸系誘導体フェニルサリシレ
ート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オク
チルフェニルサリシレートなど。
【0033】4)シアノアクリレート系誘導体2−エチ
ルヘキシル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリ
レート、エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルア
クリレートなど。
【0034】4級アンモニウム塩基を結合した重合性ビ
ニル化合物は、分子中に3級アミノ基を有する共重合可
能な重合性ビニル化合物をモノマーとして、紫外線吸収
能を有する構造単位と結合した重合性ビニル化合物と共
重合させた後、アルキル化剤でこのアミノ基を4級化す
ることにより、あるいは予めモノマーの3級アミノ基を
アルキル化剤で4級アンモニウム塩としたもので、これ
を共重合することにより、紫外線吸収性カチオン化ポリ
マーに導入することができる。
【0035】分子中に3級アミノ基を有する共重合可能
な重合性ビニル化合物としては、例えば、N,N−ジメ
チルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジエチルア
ミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタ
クリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリ
レート、N,N−ジメチルアミノブチルメタクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,
N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−
ジメチルアミノエチルアクリルアミド、アクリロイルモ
ルホリン、N−2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキ
シプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−3−メタク
リロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル−N,N−ジ
エチルアミンなどが挙げられる。
【0036】上記3級アミノ基を有する重合性ビニル化
合物のアミノ基を4級アンモニウム塩とするアルキル化
剤としては、ベンジルクロライド、メチルクロライドな
どのハロゲン化アルキル類;ジメチル硫酸、ジエチル硫
酸などの硫酸エステル類などが挙げられ、またモノクロ
ル酢酸、β−プロピオラクトンなどと反応させて、ベタ
イン型の第4級アンモニウム基とすることもできる。
【0037】また、4級アンモニウム塩基を含有する重
合性ビニル化合物としては、例えば、グリシジルトリメ
チルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロ
キシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリエタノールアンモ
ニウムクロライド、グリシジルジメチルベンジルアンモ
ニウムクロライド、グリシジルジメチルブチルアンモニ
ウムクロライド、N−2−ヒドロキシ−3−アクリロイ
ルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウ
ムクロライド、N−メタクリロイルアミノエチル−N,
N,N−ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、N
−メタクリロオキシ−N,N,N−トリエチルアンモニ
ウムエチル硫酸などが挙げられる。
【0038】コロイド粒子100固形質量部に対する上
記のような紫外線吸収性カチオン化ポリマーの配合量
は、10〜70固形質量部であり、より好ましくは20
〜50固形質量部である。ここで、該紫外線吸収性カチ
オン化ポリマーの配合量が10固形質量部未満では、紫
外線吸収性カチオン化ポリマーのバインダー性が劣るた
め、光沢発現層の強度が低下し、十分な接着性が得られ
ないばかりか、光沢度も低下してしまうため好ましくな
い。更に耐水性、耐光性も低下する。又、70固形質量
部を越えるようになると紫外線吸収性カチオン化ポリマ
ーにより形成される空隙のない皮膜部分が多くなり過ぎ
るため、インク吸収性に劣り、印字濃度も低下する。
【0039】さらに、本発明の光沢発現層中には、水溶
性接着剤が添加される。水溶性接着剤の存在は、光沢発
現層とインク吸収層との界面の接着性を向上させるのみ
ならず、紫外線吸収性カチオン化ポリマーによるインク
吸収性低下を防ぎ、水性インクとの親和性の観点から画
像濃度向上に寄与すると考えられる。かかる水溶性接着
剤として、特にポリビニルピロリドン、ポリビニルアル
コール類及びセルロース誘導体がインク吸収性を上げて
画像濃度を向上させる点から好ましい。例えば、ポリビ
ニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、
シリル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコ
ール類、ポリビニルピロリドン(誘導体、共重合体を含
む)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース等のセルロース誘導体が印字濃度が
高く、好適に使用できる。配合量としては、紫外線吸収
性カチオン化ポリマーと水溶性接着剤の比率は10/1
〜1/1の範囲が好適である。水溶性接着剤の比率が高
いと耐水性低下を起こし、逆に紫外線吸収性カチオン化
ポリマーが高いとインク吸収性低下を起こして画像濃度
を低下させる。
【0040】又、本発明の光沢発現層中には、本発明の
効果を阻害しない範囲で、蛍光増白剤、酸化防止剤、界
面活性剤、滑剤、カチオン性色素定着剤、顔料分散剤、
増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡
剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、防腐剤、防バイ剤、
耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等の各種添
加剤を添加することもできる。
【0041】本発明における光沢発現層の塗工量は乾燥
固形分で1〜20g/m2、より好ましくは3〜10g
/m2である。光沢発現層は、上記のコロイド粒子及び
紫外線吸収性カチオン化ポリマー、水溶性接着剤を水に
溶解し、従来公知の塗工法を用いて塗工することができ
る。このような塗工法としては、例えば、ブレード方
式、エアードクター方式、スクイズ方式、エアーナイフ
方式、リバースロール方式、グラビアロール及びトラン
スファーロール方式、バー方式及びカーテン方式等を挙
げることができる。
【0042】〔インク吸収層〕本発明におけるICカー
ドのインク吸収層は、従来公知のインク吸収層をいずれ
も好適に用いることができるが、しかしながら、例え
ば、特開昭60−224578号公報、同60−234
879号公報等に提案されているような水溶性樹脂のみ
からなるか、或いは水溶性樹脂を主成分とするようなイ
ンク吸収層であるよりも、例えば、特開昭60−204
390号公報や特開平2−198889号公報等に提案
されているような、BET法による比表面積の大きな無
機顔料を主体としたインク吸収層が、インク吸収性、画
像の鮮鋭性、色再現性等の点から好ましい。
【0043】本発明のICカードのインク吸収層として
より好ましい、無機顔料を主体としたインク吸収層につ
いて以下に具体的に示す。ここで、無機顔料とは、BE
T法による比表面積が100m2/g以上であり、さら
に好ましくは100〜700m2/gの無機顔料であ
る。このような比表面積の無機顔料を使用することによ
り、高い印字濃度及び優れたインク吸収性を発現させる
ことができる。無機顔料のBET比表面積が100m2
/g未満であると、十分な印字濃度及びインク吸収性が
得られない。
【0044】このような無機顔料としては、従来公知の
白色顔料を1種以上を単独で、或いは混合して用いるこ
とができ、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カル
シウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、
サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸
カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コ
ロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、
水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライ
ト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム等が挙げられる。
【0045】本発明におけるICカードには、上記の無
機顔料の中でも、特に合成非晶質シリカを用いることが
好ましく、印画濃度に優れるICカードを得ることがで
きる。このような合成非晶質シリカとは、例えば、特開
昭57−157786号公報、同61−141584号
公報、同61−230979号公報、同62−2924
76号公報等に記されているような、ケイ酸のゲル化に
より、SiO2の三次元構造を形成させた、微多孔性、
不定形微粒子であり、その代表的な物性値範囲として
は、平均粒子径10nm〜20μm程度、ハンター白色
度90以上、細孔径10〜2000オングストローム程
度を有する。
【0046】このような合成非晶質シリカは、市販のも
のを好適に用いることができ、例えば、ミズカシルP−
526、ミズカシルP−801、ミズカシルNP−8、
ミズカシルP−802、ミズカシルP−802Y、ミズ
カシルC−212、ミズカシルP−73、ミズカシルP
−78A、ミズカシルP−78F、ミズカシルP−8
7、ミズカシルP−705、ミズカシルP−707、ミ
ズカシルP−707D、ミズカシルP−709、ミズカ
シルC−402、ミズカシルC−484(以上水沢化学
製)、トクシールU、トクシールUR、トクシールG
U、トクシールAL−1、トクシールGU−N、トクシ
ールN、トクシールNR、トクシールPR、ソーレック
ス、ファインシールE−50、ファインシールT−3
2、ファインシールX−37、ファインシールX−7
0、ファインシールRX−70ファインシールA、ファ
インシールB(以上、徳山ソーダ製)、カープレックス
FPS−101、カープレックスCS−7、カープレッ
クス80、カープレックスXR、カープレックス67
(以上、塩野義製薬製)、サイロイド63、サイロイド
65、サイロイド66、サイロイド77、サイロイド7
4、サイロイド79、サイロイド404、サイロイド6
20、サイロイド800、サイロイド150、サイロイ
ド244、サイロイド266(以上、富士シリシア化学
製)等が挙げられる。
【0047】本発明におけるインク吸収層には、上記の
ような無機顔料と併用して、カチオン性コロイド粒子を
添加することもできる。ここでカチオン性コロイド粒子
とは、光沢発現層を構成するカチオン性コロイド粒子と
同様なものであり、光沢発現層にて定着されず、インク
吸収層中に浸透してきた微量の色素を確実に定着させる
ことができる。
【0048】本発明におけるICカードのインク吸収層
において、上記のような無機顔料を支持体上に強固に固
定する目的から、必要に応じてバインダー樹脂を用いる
ことができる。好適に用いることのできるバインダー樹
脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、シラノー
ル変性ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、酸化澱粉、
エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイ
ン、ゼラチン、大豆蛋白、シリル変性ポリビニルアルコ
ール等;無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共
重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等
の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステ
ル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体、ア
クリル酸及びメタクリル酸の重合体又は共重合体等のア
クリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合
体等のビニル系重合体ラテックス;或いはこれらの各種
重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体による官
能基変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等
の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤;ポリメチルメタク
リレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブ
チラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接着剤を一種
以上、単独で或いは混合して用いることができる。この
他、公知の天然、或いは合成樹脂バインダーを単独で或
いは混合して用いることは特に限定されない。
【0049】ここで、本発明のインク吸収層において、
上記のような無機顔料100固形質量部に対するバイン
ンダー樹脂の配合量としては3〜70固形質量部、より
好ましくは5〜50固形質量部であり、3固形質量部未
満ではインク吸収層の塗層強度が不足し、又、70固形
質量部を超えるとインクジェット記録装置の種類によっ
てはインク吸収能が不足するため、インクが溢れ好まし
くない。
【0050】さらに、その他の添加剤として、カチオン
性色素定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消
泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着
色顔料、蛍光増白剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿
潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤及び酸化防止剤等を適宜
添加することもできる。
【0051】特に、インク中の色素のスルホン基、カル
ボキシル基、アミノ基等と不溶な塩を形成する2級アミ
ン、3級アミン、4級アンモニウム塩からなるカチオン
性色素定着剤を添加すると、インク吸収層にて良好に色
素が捕捉されるため、色彩性の向上や水の滴下、吸湿に
よるインクの流れだしや滲みだしを抑制することができ
るため好ましい。
【0052】本発明におけるICカードのインク吸収層
を支持体上に設ける方法としては、水又はアルコール等
の親水性有機溶剤、或いはこれらの混合溶媒を用いて、
例えば、従来公知のエアーナイフコーター、カーテンコ
ーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロー
ルコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコ
ーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレー
ドコーター、サイズプレス等の各種装置により支持体上
に塗工することができる。又、インク吸収層の塗工後に
は、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレ
ンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を用いて
平滑化処理を行うことができる。
【0053】本発明におけるICカードにおけるインク
吸収層の塗工量は特に制限はないが、1〜30g/m2
が好ましい。塗工量が1g/m2未満であると十分な印
字濃度及びインク吸収性が得られないため好ましくな
く、塗工量が30g/m2を超えると記録シートのカー
ル性が悪化するため好ましくない。又、インク吸収層は
ある一定の塗工量を数回に分けて塗設する事もできる。
【0054】ICカードの外形寸法及び厚さは、JIS
X6301に準拠している。外形寸法は、次の大小二つ
の長方形に囲まれ領域にそのすべての縁部が入るように
仕上げられる。大きい長方形の長辺85.72mm、短
辺54.03mm、小さい長方形の長辺85.47mm
、短辺53.92mm。また、厚さは、最大0.80
mm、最小0.68mmの範囲に入るように仕上げられ
る。
【0055】
【実施例】以下の実施例及び比較例においては、特に断
らない限り、部は質量部を、%は質量%を意味するもの
とする。なお、実施例に示す粒子径は、動的光散乱法に
より求めた平均粒子径である。
【0056】予め、紫外線吸収性カチオン化ポリマーに
ついて、下記にその調製例を示す。 調製例1 2−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキ
シ)フェニル]ベンゾトリアゾール30g、N,N−ジ
エチルアミノエチルアクリレート70g、エチルセロソ
ルブ100gを用い、紫外線吸収剤ポリマー水溶液を合
成した。続いて、モノクロル酢酸30gを30分間かけ
て滴下し、窒素雰囲気下、2時間反応を行なった。反応
終了後、室温まで冷却し、水で希釈し、調製例1の紫外
線吸収性カチオン化ポリマー水溶液(固形分20重量
%)を得た。
【0057】調製例2 2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシ)エ
トキシベンゾフェノン30g、N−2−ヒドロキシ−3
ーアクリロイルオキシプロピル−N,N−ジメチルアミ
ン70g、エチルセロソルブ100gを用い、調製例1
と同様にして紫外線吸収剤ポリマー水溶液を合成した。
続いて、メチルクロライド30gを30分間かけて滴下
し、窒素雰囲気下、2時間反応を行なった。反応終了
後、室温まで冷却し、水で希釈し、調製例2の紫外線吸
収性カチオン化ポリマー水溶液(固形分20重量%)を
得た。
【0058】調製例3 2−[2′−ヒドロキシ−5′−(メタクリロイルオキ
シ)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール30
g、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート70
g、エチルセロソルブ100gを用い、調製例1と同様
にして紫外線吸収剤ポリマー水溶液を合成した。続い
て、ベンジルクロライド30gを30分間かけて滴下
し、窒素雰囲気下、2時間反応を行なった。反応終了
後、室温まで冷却し、水で希釈し、調製例3の紫外線吸
収性カチオン化ポリマー水溶液(固形分20重量%)を
得た。
【0059】調製例4 2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシベンゾフェ
ノン30g、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル
アミド70g、エチルセロソルブ100gを、ジムロー
ト、滴下ロート、温度計、窒素導入管、攪拌装置を備え
たセパラブルフラスコに投入し、窒素導入管から窒素を
導入しながら、80℃まで昇温した。その後、少量のエ
チルセロソルブに溶解したアゾビスイソブチロニトリル
0.1gを4分割し、30分間で滴下した。滴下終了
後、窒素雰囲気下、2時間反応させて、紫外線吸収剤ポ
リマー水溶液を合成した。続いて、ジエチル硫酸30g
を30分間かけて滴下し、窒素雰囲気下、2時間反応を
行なった。反応終了後、室温まで冷却し、水で希釈し、
調製例4の紫外線吸収性カチオン化ポリマー水溶液(固
形分20重量%)を得た。
【0060】実施例1 下記の操作によりインク吸収層及び光沢発現層を有する
ICカードを作成した。 (1)インク吸収層の形成 厚さ125μmの白色PET上に、下記のインク吸収層
の塗被組成物の固形分濃度14%水溶液をエアーナイフ
コーターにより、乾燥塗工量10g/m2となるように
塗工、乾燥した。 〔インク吸収層塗被組成物〕 合成非晶質シリカ 100部 (比表面積60m2/g) ポリビニルニルアルコール 30部 カチオン性色素定着剤 30部
【0061】次いで、下記の光沢発現層の塗被組成物の
固形分濃度35%水溶液をロッドバーにより、乾燥塗布
量が7g/m2となるように塗工・乾燥して光沢発現層
を積層した。 〔光沢発現層塗被組成物〕 コロイド粒子 100部 (平均粒子径65nm) 2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール 3部 ポリビニルアルコール 30部 以上のようにしてインク吸収層及び光沢発現層を順次積
層したシートの他面にアンテナコイルを印刷法により作
成し、ICチップを接続してICモジュールを得た。次
に、別の、厚み125μmの白色PETフィルムを用意
し、インクジェット記録層側を金型の面に真空吸着固定
し、別の白色PETフィルムとの間にポリブチレンテレ
フタレート樹脂を射出し、その後金型を圧縮させて、厚
さ760μmとし、冷却後金型から取り出し、外形寸法
が、長辺85.6mm、短辺54.0mmのICカード
にした。
【0062】実施例2 下記の操作によりインク吸収層及び光沢発現層を有する
ICカードを作成した。 (1)インク吸収層の形成 厚さ125μmの白色PET上に、下記のインク吸収層
の塗被組成物の固形分濃度14%水溶液をエアーナイフ
コーターにより、乾燥塗工量10g/m2となるように
塗工、乾燥した。 〔インク吸収層塗被組成物〕 合成非晶質シリカ 100部 (比表面積60m2/g) ポリビニルニルアルコール 30部 カチオン性色素定着剤 30部
【0063】次いで、下記の光沢発現層の塗被組成物の
固形分濃度35%水溶液をロッドバーにより、乾燥塗布
量が7g/m2となるように塗工・乾燥して光沢発現層
を積層した。 〔光沢発現層塗被組成物〕 コロイド粒子 100部 (平均粒子径65nm) 調整例1で作成した紫外線吸収性カチオン化ポリマー 20部 ポリビニルアルコール 30部 以上のようにしてインク吸収層及び光沢発現層を順次積
層したシートの他面にアンテナコイルを印刷法により作
成し、ICチップを接続してICモジュールを得た。次
に、別の、厚み125μmの白色PETフィルムを用意
し、インクジェット記録層側を金型の面に真空吸着固定
し、別の白色PETフィルムとの間にポリブチレンテレ
フタレート樹脂を射出し、その後金型を圧縮させて、厚
さ760μmとし、冷却後金型から取り出し、外形寸法
が、長辺85.6mm、短辺54.0mmのICカード
にした。
【0064】実施例3 光沢発現層のコロイド粒子を、カチオン性の有機粒子
(平均粒子径:52nm、炭素−炭素二重結合を2個と
4級アンモニウム塩基を有する乳化剤により架橋された
ポリスチレン微粒子)とした以外は実施例2と同様にし
て作製し、実施例3のICカードを得た。
【0065】実施例4 光沢発現層のコロイド粒子を、カチオン性のコロイダル
シリカ(平均粒子径80nm)とした以外は実施例2と
同様にして作製し、実施例4のICカードを得た。
【0066】実施例5 光沢発現層が下記の塗被組成物であること以外は実施例
2と同様にして実施例5のICカードを得た。 〔光沢発現層塗被組成物〕 ポリスチレン系有機粒子 100部 (平均粒子径200nm) 調整例2で作成した紫外線吸収性カチオン化ポリマー 20部 ポリビニルピロリドン 30部
【0067】実施例6 光沢発現層が下記の塗被組成物であること以外は実施例
2と同様にして実施例6のICカードを得た。 〔光沢発現層塗被組成物〕 カチオン性の有機粒子 100部 (平均粒子径:52nm、炭素−炭素二重結合を2個と4級アンモニウム塩基を 有する乳化剤により架橋されたポリスチレン微粒子) 調整例3で作成した紫外線吸収性カチオン化ポリマー 20部 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 30部
【0068】実施例7 光沢発現層が下記の塗被組成物であること以外は実施例
2と同様にして実施例7のICカードを得た。 〔光沢発現層塗被組成物〕 ポリスチレン系有機粒子 100部 (平均粒子径200nm) 調整例4で作成した紫外線吸収性カチオン化ポリマー 20部 ポリビニルニルアルコール 30部
【0069】比較例1 光沢発現層は設けずに、実施例2のインク吸収層を、乾
燥塗工量で17g/m 2塗工したのみを、比較例1のI
Cカードとした。
【0070】比較例2 インク吸収層は設けずに、ICカード上に直接光沢発現
層を、乾燥塗工量で17g/m2塗工した以外は実施例
2と同様にして作製し、比較例2のICカードを得た。
【0071】比較例3 光沢発現層を、コロイド粒子を除いて紫外線吸収性カチ
オン化ポリマー及び水溶性接着剤のみからなる層とした
以外は、実施例2と同様にして作製し、比較例3のIC
カードを得た。
【0072】比較例4 光沢発現層を、水溶性接着剤を除いてコロイド粒子及び
紫外線吸収性カチオン化ポリマーのみからなる層とした
以外は、実施例2と同様にして作製し、比較例4のIC
カードを得た。
【0073】比較例5 光沢発現層を、紫外線吸収性カチオン化ポリマーを除い
て水溶性接着剤とコロイド粒子のみからなる層とした以
外は、実施例2と同様にして作製し、比較例5のICカ
ードを得た。
【0074】実施例1〜7及び比較例1〜5の評価は以
下に示す方法により行い、結果を表1にまとめて示し
た。
【0075】〈印字濃度〉各ICカードサンプルを、2
0℃、65%RHの環境下にて24時間の調湿した後、
インクジェットプリンター(MJ−700V2C、EP
SON製)を用いてブラックインクでベタ印字を行い、
印字部の光学反射濃度をマクベスRD−919により測
定した。
【0076】〈印字部の鏡面光沢度〉各ICカードサン
プルを、20℃、65%RHの環境下にて24時間の調
湿した後、インクジェットプリンター(MJ−700V
2C、EPSON製)を用いてブラックインクでベタ印
字を行ったときの、該光沢発現層表面の鏡面光沢度を測
定した。該光沢度はJIS−Z−8741に準じて、入
反射角度75度として、日本電色工業製、変角光沢度計
VGS−1001DPにて測定した。
【0077】<インク吸収性>インク吸収性および画像
の鮮明性は、重色ベタ印字部分の境界、例えば、赤印字
(マゼンタ+イエロー)と緑印字(シアン+イエロー)
の境界部分のインクのにじみ具合いを、目視で判定し
た。赤印字部分と緑印字部分が重ならず、分離している
場合を特性良好とし、重なりが大きくなって黒線状にな
る場合を特性不良とした。インク吸収性の悪いものは、
著しく画像品位(画像の鮮明性)を損なうため、他の特
性、例えば、画像濃度などが良くても、何等意味をなさ
ない。なお、評価基準として、Aは特性が良好、Bは実
用上問題ない範囲で良好、Cは実用上問題あり、Dは特
性が不良を示す。
【0078】<画像の耐光性>画像の耐光性について
は、インクジェットプリンター(MJ−700V2C、
EPSON製)を用いて、マゼンタインクのベタ印字を
行った。記録後のインクジェット記録シートを、キセノ
ンアークフェードメーター、アトラス製Ci−35fを
用い、ブラックパネル温度63℃、相対湿度65%RH
の環境下で30時間の光照射した前後のマゼンタインク
色の色差を測定した。色差は、L*a*b*(CIEに準
拠した表色方法)に従って、光照射前後の各インクジェ
ット記録シートの色を測定した結果を基に、下記数1で
規定することができる。色差が大きいほど、色劣化が生
じていることを示す。なお、測定は標準光Cとして、ミ
ノルタ製CR100を用いて行った。色差が1.0未満
であれば視覚上、色の違いを認識することはほとんどで
きない。
【0079】
【数1】 △E={(△L*)2+(△a*)2+(△b*)21/2 ここで、△Eは色差、△L*および△a*と△b*は、各
々光照射前後のL*およびa*とb*の差である。
【0080】<耐水性>耐水性は、ブラックインク、シ
アン、マゼンタ、イエロの各インクでベタ印字した記録
シートを流水中に10分間浸し、残存率(残存率=処理
後の光学濃度/原画像の光学濃度)を測定した。光学濃
度の残存率が90%以上であれば良好であり、85%で
も実用上問題のないレベルである。
【0081】
【表1】
【0082】表1の実施例1〜7が示したように、本発
明のICカードであれば、光沢、濃度及びインク吸収性
に優れ、更に画像耐水性及び耐光性が改良された。実施
例2のみ、上記の条件で印字した後に150℃の加熱ロ
ールで光沢発現層を加熱溶融した後に光沢発現層を加熱
溶融した後に評価した。実施例1は通常の紫外線吸収剤
を光沢発現層に使用したものである。実施例2は紫外線
吸収性カチオン化ポリマ−を使用したものであり、画像
の耐水性はより優れている。実施例2に対して光沢発現
層に有機粒子を用い、更に加熱ロールで処理した実施例
3は高光沢で耐水性に優れていた。一方、比較例1で
は、光沢発現層を設けないICカードであるため、光沢
性は全く望めない。比較例2では、インク吸収層を設け
ずに光沢発現層のみとしたため、光沢、耐光性は優れる
ものの、インク吸収性が不十分であるために印字濃度の
低下を起こした。比較例3では、光沢発現層にコロイダ
ル粒子を添加しなかったため、インク吸収性が劣り、印
字濃度が低かった。比較例4では水溶性接着剤が添加さ
れない為に印字濃度が劣った。比較例5では紫外線吸収
性カチオン化ポリマーが添加されない為に耐光性が劣っ
た。
【0083】以上から明かなように、本発明によれば、
光沢、印字濃度及びインク吸収性に優れ、印字画像の耐
水性及び耐光性が改良された高品質なICカードを得る
ことができる。
【0084】
【発明の効果】本発明では、従来の非接触式ICカード
で内部情報の表示を目視で確認でき、高光沢で印字濃度
が高く、インク吸収性に優れ、画像の耐水性、耐光性に
優れたインクジェット記録可能なICカードを提供出来
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/00 G06K 19/00 K G06K 19/077 B41J 3/04 101Z Fターム(参考) 2C005 MA12 2C056 EA04 EA13 FB01 2H086 BA13 BA33 BA34 BA35 BA38 4F100 AA20B AA20H AH03C AH03H AJ06C AK01C AK01H AK21B AK21C AK21H AK42A AL06C AL06H AR00B AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C CA07C CA23B CA23C DE01C DE01H GB90 JB07 JD14 JD14B JL09 JM10C JN21C YY00C 5B035 AA07 BA05 BB09 CA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面上にインク吸収層、光沢
    発現層を順次設けたICカードにおいて、該光沢発現層
    が、紫外線吸収剤及び水溶性接着剤と粒子径300nm
    以下の多孔質構造を有するコロイド粒子からなることを
    特徴とするICカード。
  2. 【請求項2】 紫外線吸収剤が4級アンモニウム塩基を
    結合した重合性ビニル化合物と紫外線吸収能を有する構
    造単位を結合した重合性ビニル化合物との共重合体から
    なる紫外線吸収性カチオン化ポリマーである請求項1記
    載のICカード。
  3. 【請求項3】 コロイド粒子が有機微粒子である請求項
    1又は2記載のICカード。
  4. 【請求項4】 水溶性接着剤が、ポリビニルピロリド
    ン、ポリビニルアルコール類及びセルロース誘導体より
    選ばれる水溶性接着剤である請求項1〜3記載のICカ
    ード。
  5. 【請求項5】 紫外線吸収能を有する構造単位が、2−
    ヒドロキシベンゾフェノン残基または2−ヒドロキシベ
    ンゾトリアゾール残基であることを特徴とする請求項2
    〜4記載のICカード。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2016522106A (ja) * 2013-05-31 2016-07-28 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 光吸収性化合物又は光安定化化合物を含む高分子電解質を交互積層自己集合させる方法及び物品

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