JP4285246B2 - インクジェット記録用紙の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録適性としての印字濃度、中間調印字濃度、ベタ印字部の均一性、インク乾燥性および印字のにじみに優れ、かつ、光沢度、目視外観、耐光性、耐ガス性およびキャスト操業性にも優れたインクジェット記録用紙の製造方法に関する。
インクジェットプリンタによる記録は、騒音が少なく、高速記録が可能であり、かつ、多色化が容易なために多方面で利用されている。インクジェット記録用紙としては、インク吸収性に富むように工夫された上質紙や、表面に多孔性顔料を塗工した塗工紙等が適用されている。ところで、これらの用紙はすべて表面光沢の低い、いわゆるマット調のインクジェット記録用紙が主体であるため、表面光沢の高い、優れた外観を持つインクジェット記録用紙が要望されている。一般に、表面光沢の高い用紙としては、表面に板状顔料を塗工し、さらに必要に応じてキャレンダー処理を施した高光沢を有する塗工紙、あるいは湿潤塗工層を、鏡面を有する加熱ドラム面に圧着、乾燥することにより、その鏡面を写し取ることによって得られる、いわゆるキャスト塗工紙が知られている。このキャスト塗工紙はスーパーキャレンダー仕上げされた通常の塗工紙に比較して高い表面光沢とより優れた表面平滑性を有し、優れた印刷効果が得られることから、高級印刷物等の用途に専ら利用されているが、インクジェット記録用紙に利用した場合、種々の難点を抱えている。
特開平7−89220号公報(特許文献1参照)には、顔料および接着剤を主成分とする記録層を設けた原紙上に、エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる40℃以上のガラス転移点を有する共重合体を主成分とする塗工液を塗工してキャスト塗工層を形成せしめ、前記キャスト塗工層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げることにより、優れた光沢とインク吸収性を兼ね備えるインクジェット記録用キャスト紙が得られることが記載されている。しかし、近年インクジェット記録の高速化、記録画像の高精細化、フルカラー化といった用途の拡大に伴い、さらに強光沢かつ高画質、高記録濃度の品質が望まれてきており、例えば銀塩方式の写真用印画紙に匹敵する様な光沢、記録品質が求められているが、このような要求を満たすには、不十分であった。
特開平11−180036号公報(特許文献2参照)には、顔料および接着剤を含有する下塗り層、前記下塗り層上に平均2次粒子径が10〜300nmのシリカ微細粒子、水性ポリウレタン樹脂を含有するキャスト層を設けたインクジェット記録用紙が記載されている。しかし、昨今のプリンタの技術進歩は著しく、従来のプリンタに比較して印字解像度が向上しているが、このようなプリンタに対応するためには中間調の再現性が重要であるがまだ不十分であった。
特開2001−10220号公報(特許文献3参照)には、顔料および接着剤を含有する下塗り層、前記下塗り層上に平均2次粒子径が1μm以下のシリカ微細粒子、カチオン性化合物および接着剤を含有するインク定着層下層、前記下層上に平均2次粒子径が1μm以下のシリカ微細粒子、カチオン性化合物および接着剤を含有するキャスト層を順次設けたインクジェット記録用紙に、接着剤として水性ポリウレタン樹脂を用いることが記載されている。しかし、このインクジェット記録用紙でも高解像度の印字に対応するには中間調の再現性がまだ不十分であった。
特開2001−260523号公報(特許文献4参照)には、インク受理層がガラス転移点(Tg)20℃以上の水性ポリウレタン樹脂を含有し、インク受理層上に光沢発現層を設け鏡面光沢仕上げすることが記載されている。しかしこのインクジェット記録層でも印字濃度、耐光性、耐ガス性をはじめとする印字保存性、熱湿環境下における耐印字にじみ性能が不十分であった。
特開平7−89220号公報(第2頁) 特開平11−180036号公報(第2、5および8頁) 特開2001−10220号公報(第2、6、7、9乃至13頁) 特開2001−260523号公報(第2頁)
本発明は、ベタ印字部の均一性、インク乾燥性、印字のにじみ、光沢度および目視外観等のインクジェット記録適性に優れ、かつ、中間調印字濃度、耐光性、耐ガス性およびキャスト操業性等にも優れたインクジェット記録用紙の製造方法を提供する。
本発明者は、上記の課題を解決するため、下記の構成を採用する。
すなわち、本発明は、
〔1〕基材と、前記基材上に、顔料および接着剤を含有する少なくとも1層の中間層、前記中間層上に顔料および接着剤を含有する光沢層、を設けたインクジェット記録用紙の製造方法において、
(1)前記中間層の顔料が、ヒュームドシリカを用いた、平均1次粒子径が3nm以上40nm以下、平均2次粒子径10nm以上1000nm以下であるカチオン性微細顔料であり、且つ、該カチオン性微細顔料は、シリカをカチオン性樹脂で処理したものであり、
(2)前記中間層の接着剤が、少なくとも1種の水性ポリウレタン樹脂を含有し且つ、前記微細顔料100質量部に対して10〜100質量部を含有し、
(3)前記中間層が、カチオン性微細顔料に、接着剤として水性ポリウレタン樹脂を加えた塗工液を塗工した層であり、
(4)前記光沢層の顔料が、平均粒子径3nm以上100nm以下のコロイダルシリカであり、
(5)前記光沢層が、コロイダルシリカと接着剤を含有する塗液を、光沢ロールに接するようにプレスロールでプレスして塗工され、乾燥された層であることを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法である。
本発明は、以下の態様を含む。
〔2〕前記カチオン性樹脂が、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合体の塩酸塩、ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合体および5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である〔1〕記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
〔3〕前記カチオン樹脂が、5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂である〔1〕又は〔2〕記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
〔4〕光沢層表面の20°光沢度(JIS−P8142)が45%以上である〔1〕〜〔3〕のいずれか一に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
〔5〕前記基材と前記中間層との間に、顔料および接着剤を含有する少なくとも1層の下塗り層を設けた〔1〕〜〔4〕のいずれか一に記載のインクジェット記録用紙の製造方法
本発明のインクジェット記録用紙は、インクジェット記録適性としての印字濃度、中間調印字濃度、ベタ印字部の均一性、インク乾燥性および印字のにじみに優れ、かつ、光沢度、目視外観、耐光性、耐ガス性、耐熱湿にじみおよびキャスト操業性に優れた極めて実用性の高いものである。
1.層構成について
本発明は、基材上に、顔料および接着剤を含有する少なくとも1層の中間層、前記中間層上に顔料および接着剤を含有する光沢層、を順次設ける。
中間層は、インクジェットインク成分中の着色剤すなわち染料を定着させる層である。光沢層は、インクジェットインクを速やかに通過させると共に、銀塩方式の写真用印画紙に匹敵する様な光沢を発現する層である。なお、基材と中間層との間に、必要に応じて、顔料および接着剤を含有する少なくとも1層の下塗り層を設けても良い。下塗り層は、インクジェットインク成分中の溶媒を速やかに吸収ための塗工層である。
2.基材について
本発明で用いる基材としては、特に限定されるものではなく、一般の塗工紙に使用される酸性紙、あるいは中性紙等の紙基材が適宜使用される。また透気性を有する樹脂シート類も用いることができる。紙基材は木材パルプと必要に応じ含有する顔料を主成分として構成される。
木材パルプは、各種化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を使用することができ、これらのパルプは、紙力、抄紙適性等を調整するために、叩解機により叩解度を調整できる。パルプの叩解度(フリーネス)は特に限定しないが、一般に250〜550ml(CSF:JIS P−8121)程度である。紙送り歯車の傷を軽減するには叩解度を進めるほうが望ましいが、用紙に記録した場合にインク中の水分によって起こる用紙のボコツキや印字のにじみは、叩解を進めないほうが良好な結果を得る場合が多い。従ってフリーネスは300〜500ml程度が好ましい。
顔料は、不透明性等を付与したり、インク吸収性を調整する目的で配合し、炭酸カルシウム、焼成カオリン、シリカ、酸化チタン等が使用できる。特に焼成カオリン、シリカ、ゼオライトは、インク中の溶媒を吸収するため、好適に使用される。この場合、配合量は1〜20質量%程度が好ましい。多すぎると紙力が低下するおそれがある。また、前述の紙送り歯車の傷も付き易くなる。従って灰分として3〜15質量%程度がさらに好ましい。
更に、助剤としてサイズ剤、定着剤、紙力増強剤、カチオン化剤、歩留り向上剤、染料、蛍光増白剤等を添加することができる。さらに、抄紙機のサイズプレス工程において、デンプン、ポリビニルアルコール類、カチオン樹脂等を塗工・含浸させ、表面強度、サイズ度等を調整できる。サイズ度(100g/mの紙として)は1〜200秒程度が好ましい。サイズ度が低いと、塗工時に皺が発生する等操業上問題となる場合があり、高いとインク吸収性が低下したり、印字後のカールやコックリングが著しくなる場合がある。より好ましいサイズ度の範囲は4〜120秒である。基材の坪量は、特に限定されないが、20〜400g/m程度である。
3.下塗り層について
下塗り層は、インクジェットインク成分中の溶媒を速やかに吸収ために、必要に応じて基材と中間層との間に設けられる層で、顔料と接着剤を主成分として含有する。
下塗り層に使用する顔料は、カオリン、クレー、焼成クレー、非晶質シリカ(無定形シリカともいう)、合成非晶質シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、合成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、ハイドロタルサイト、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、一般塗工紙製造分野で公知公用の各種顔料が1種もしくはそれ以上、併用することができる。これらの中でも、インク吸収性の高い無定形シリカ、アルミナ、ゼオライトを主成分として含有させるのが好ましい。
これらの顔料の平均粒子径(凝集顔料の場合は凝集粒子径)は1〜10μm程度が好ましく、より好ましくは2〜10μm、さらに好ましくは3〜8μmである。1μm未満であるとインク吸収速度向上の効果に乏しくなり、10μmを超えて大きいと光沢層を設けた後での平滑性や光沢が不十分となるおそれがある。ただし、インク吸収性を調整したり、下塗り層上に塗工する塗工液の浸透を制御する目的で、副成分として粒子径の小さい顔料を配合することができる。この様な顔料としてはコロイダルシリカ、アルミナゾルが挙げられる。
下塗り層に使用する接着剤としては、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールを含むポリビニルアルコール類、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス等一般に塗工紙用として用いられている従来公知の接着剤が単独、あるいは併用して用いられる。
下塗り層の顔料と接着剤の配合割合は、その種類にもよるが、一般に顔料100質量部に対し接着剤1〜100質量部、好ましくは2〜50質量部の範囲で調節される。
下塗り層には、インクジェット記録用インクの着色剤が通常はアニオン性であるため、必要に応じてインク中の着色剤成分を定着させる目的で、カチオン性化合物を配合しても良い。例えば、インクジェット記録用インクは、中間層および光沢層で定着するが、過剰のインクが浸透した場合や、経時的に、湿度や温度が作用してインクが中間層から基材へ移動するような場合、下塗り層でインクを捕捉するために、カチオン性化合物を配合するとよい。
カチオン性化合物としては、カチオン性樹脂や低分子カチオン性化合物(例えばカチオン性界面活性剤等)が例示できる。印字濃度向上の効果の点ではカチオン性樹脂が好ましく、水溶性樹脂あるいはエマルジョンとして使用できる。更にカチオン性樹脂を架橋等の手段により不溶化し粒子状の形態としたカチオン性有機顔料としても使用できる。このようなカチオン性有機顔料は、カチオン性樹脂を重合する際、多官能性モノマーを共重合し架橋樹脂とする、あるいは反応性の官能基(水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アセトアセチル基等)を有するカチオン性樹脂に必要に応じ架橋剤を添加し、熱、放射線等の手段により架橋樹脂としたものである。カチオン性化合物、特にカチオン性樹脂は接着剤としての役割を果たす場合もある。
このようなカチオン性化合物としては、例えば1)ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、2)第2級アミノ基、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、3)ポリビニルアミンおよびポリビニルアミジン類、4)ジシアンジアミド−ホルマリン共重合体に代表されるジシアン系カチオン性化合物、5)ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合体に代表されるポリアミン系カチオン性化合物、6)エピクロルヒドリン−ジメチルアミン共重合体、7)ジアリルジメチルアンモニウム−SO重縮合体、8)ジアリルアミン塩−SO重縮合体、9)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、10)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、11)アリルアミン塩の共重合体、12)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合体、13)アクリルアミド−ジアリルアミン共重合体、14)5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂等のカチオン性化合物等が挙げられ、単独あるいは併用することができる。
前記カチオン性化合物の中でも、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合体の塩酸塩およびジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合体は、印字濃度、印字の耐水性およびインク吸収性等のインクジェット記録適性や光沢性に優れ、好ましく用いられる。中でも、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体およびジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体は、より好ましく用いられる。
一般に、カチオン性化合物のカチオン当量は、カチオン性化合物の単位重量あたりのカチオン残基の数を示す値であり、通常、カチオン性化合物を形成する単量体中のカチオン残基の量に対応するが、重合による影響などがあるため、必ずしもこれに一致するものではない。下塗り層において使用するカチオン性化合物は、カチオン当量が4.0〜8.0m当量/gのものが好ましい。カチオン当量が4m当量/gより未満の場合は、インク中の染料を定着させる作用が弱く、ドットの周囲への染料の滲み出しを抑える効果が弱いため、耐水性が劣る場合があり、一方、カチオン当量が8m当量/gを超える場合は、インク中の染料を定着させる作用が低下するため好ましくない。この理由は必ずしも明らかではないが、カチオン性化合物そのものがインクの有無に依らず周囲の下塗層を構成する材料に固着されてしまうために、インクを受理した時点で、染料に対する定着能力が失われ易いことによるものと推測される。
尚、上記のカチオン性化合物のカチオン当量は、コロイド滴定法等によって測定された試料中のカチオン量と試料に含まれるカチオン性化合物の濃度から求めることができる。カチオン当量は、ポリビニル硫酸カリウム(PVSK)溶液を規定液、トルイジンブルーを指示薬とするコロイド滴定法により測定できる。この場合、指示薬の色が青色から赤紫色に変ったところを当量点とする。また指示薬を使わずに流動電位が0mVになったところを当量点とするイオン強度測定装置(例えばチャージアナライザII、製造:RANK BROTHERS LTD.)で測定できる。
前記顔料と前記カチオン性化合物の配合比は、質量比で顔料100質量部に対してカチオン性化合物1〜30質量部が好ましく、さらに好ましくは、3〜20質量部である。カチオン性化合物が1質量部より少ないと、耐水性向上の効果が得られにくく、30質量部より多いと、余分なカチオン性化合物が空隙を塞いでしまい、インク吸収性が阻害され、印字のにじみやムラが発生するおそれもある。カチオン性化合物は、印字に使用するインクジェット記録に使用するインクの種類により耐水性向上の効果に差がある場合があり、目的に応じて適宜使い分ける、或いは数種類のものを併用して使用することができる。
下塗り層中には、コロイダルシリカ及び/またはエチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる重合体樹脂、或いは、コロイダルシリカとエチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる重合体樹脂との複合体を含有させると、光沢がより発揮される。この理由は必ずしも明らかではないが、前記重合体樹脂或いは複合体の存在が、下塗り層のインク吸収性を維持したまま、中間層用塗工液の下塗り層への浸透を抑制するためと推定される。更にその理由は不明であるがキャスト方式により光沢層を設ける際に、鏡面ドラムからの離型性が向上する傾向がある。
エチレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる重合体樹脂としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等のアルキル基炭素数が1〜18個のアクリル酸エステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のアルキル基炭素数が1〜18個のメタクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、エチレン、ブタジエン等のエチレン性モノマーを重合して得られる重合体が挙げられる。なお、重合体は、必要に応じて2種類以上のエチレン性モノマーを併用した共重合体であっても良いし、さらに、これら重合体あるいは共重合体の置換誘導体でも良い。因みに、置換誘導体としては、例えばカルボキシル基化したもの、またはそれをアルカリ反応性にしたもの等が例示される。
コロイダルシリカとの複合化は、上記のエチレン性モノマーをシランカップリング剤等とコロイダルシリカの存在下で重合させ、Si−O−R結合(R:重合体成分)によって複合体にする、あるいは必要に応じシラノール基等で変性した重合体樹脂とコロイダルシリカを反応させ、Si−O−R結合(R:重合体成分)によって複合体にする方法が挙げられる。上記複合体の重合体成分のTg(ガラス転移点)は40℃以上が好ましく、50〜100℃の範囲がより望ましい。Tgが低いと乾燥の際に成膜が進みすぎるためか、インクの吸収が遅くなりにじみが発生するおそれがある。さらに、その理由は必ずしも明らかではないが、Tgが40℃以上の場合、キャスト方式により光沢層を設ける際の鏡面ドラムからの離型性がより向上する傾向がある。
その他、一般塗工紙の製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加できる。下塗り層中には、蛍光染料、着色剤を添加することもできる。
上記材料をもって構成される下塗り層用塗工液は、一般に固形分濃度を5〜50質量%程度に調整し、紙基材上に乾燥質量で2〜100g/m、好ましくは5〜50g/m程度、更に好ましくは10〜20g/m程度になるように塗工する。塗工量が少ないと、インク吸収性改良効果が充分に得られなかったり、光沢層を設けた際に光沢が十分に出ないおそれがあり、多いと、印字濃度が低下したり、光沢層用塗工層の強度が低下し粉落ちや傷が付き易くなる場合がある。
下塗り層用塗工液は、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、バーコーター、リップコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、スライドコーター等の各種公知公用の塗工装置により塗工、乾燥される。さらに、必要に応じて下塗り層の乾燥後にスーパーキャレンダー、ブラシ掛け等の平滑化処理を施すこともできる。
4.中間層について
本発明は、基材上、または基材上に設けた上記の顔料と接着剤を含有する下塗り層上に、中間層を有する。前記中間層は、シリカ、アルミノシリケートおよびアルミナからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、平均1次粒子径が3nm以上40nm以下であるカチオン性の微細顔料と、接着剤として水性ポリウレタン樹脂を含有する。中間層には、更にカチオン性化合物を含有させることが好ましい。本発明では、このような中間層を設けることにより、インクがより均一に吸収される結果、にじみが少なく均一な発色が得られ、発色ムラの無い優れた画像が得られる。
本発明で用いる水性ポリウレタン樹脂は、飽和脂肪族または脂環族ジイソシアネートなどのイソシアネート成分、およびポリオール成分を主原料として公知の方法により反応させて得られる、分子構造中にウレタン基を含有する高分子のうち熱可塑性を有する熱可塑性ポリウレタン樹脂であって、そのなかで、ポリエーテル系水性ポリウレタン樹脂、ポリエステル系水性ポリウレタン樹脂、ポリエステル−ポリエーテル系水性ポリウレタン樹脂、およびポリカーボネート系水性ポリウレタン樹脂が好ましい。
飽和脂肪族ジイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアナトオクタン等とこれらの異性体があげられる。脂環族ジイソシアネートとしては、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−シクロブタンジイソシアネート、1,3−および1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロキシリレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等とこれらの異性体があげられる。これらジイソシアネートは、単独で用いても、または2種類以上の併用でもよい。
ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、フェノールレジンポリオール、エポキシポリオール、ブタジエンポリオール、ポリエステル−ポリエーテルポリオール、アクリル、スチレン、ビニル付加および/または分散ポリマーポリオール、ウレア分散ポリオール、ポリカーボネートポリオール等があげられる。中でも、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステル−ポリエーテルポリオール、およびポリカーボネートポリオールが好ましく、具体的には、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ(1,6−ヘキサンアジペート)、ポリ−ε−カプロラクトン、ジエチレングリコール等のグリコールとジフェニルカーボネートおよびホスゲンとの反応によって得られる化合物等があげられる。
水性ポリウレタン樹脂は、水性媒体中に微粒子状に分散又は乳化しているものであって、その分散粒子の粒子径0.001〜20μm程度であり、その外観は透明な溶液、半透明のコロイダル分散液、及び、乳白色のエマルジョンである。本発明においてはこれらを一括して水性ポリウレタン樹脂と表現する。水性ポリウレタン樹脂は、乳化剤の存在下で高い機械的せん断力で強制乳化した強制乳化型と、分子鎖中にイオン性基等の親水性基を導入して親水性を賦与し、乳化剤の助力なしに水中に安定に分散し得るようにした自己乳化型と、さらに水中に溶解させた溶解型とに分類される。この内でも自己乳化型水性ポリウレタン樹脂が光沢、耐水性等に優れ、本発明に好ましく用いられる。自己乳化型水性ポリウレタン樹脂の中には、それに導入される親水性基の種類により、カチオン型(アミノ基等を導入)、アニオン型(カルボキシル基やスルフォン基等を導入)、ノニオン型(ポリエチレングリコール基等を導入)に分類される。この中では、三級アミノ基等のカチオン基を導入し、それを酸で中和または四級化したカチオン型の水性ポリウレタン樹脂(カチオン性水性ポリウレタン樹脂)が好ましい。水性ポリウレタン樹脂がカチオン性の場合、インク吸収性、印字濃度に特に優れた中間層が得られ、また、中間層に用いるカチオン性の微細顔料、特に無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子との混和性に優れている。
水性ポリウレタン樹脂のガラス転移点が−60℃以上の場合は、得られる中間層は、中間調印字濃度に優れている。このガラス転移点に格別の上限はないが、一般に150℃以下であることが好ましい。水性ポリウレタン樹脂のガラス転移点は、−60℃〜150℃の範囲が好ましく、上限は120℃以下の範囲がより好ましく、100℃以下が更に好ましく、80℃以下が特に好ましい。下限は−60℃以上が好ましく、−40℃以上がより好ましく、−20℃以上が特に好ましい。
中間層における水性ポリウレタン樹脂の配合量は、微細顔料100質量部に対し1〜200質量部であることが好ましいが、本発明は、より好ましくは10〜100質量部の範囲内に調節される。ここで水性ウレタン樹脂の配合量が1質量部未満であると、所望の効果が十分に得られず、中間層の強度が弱くなり、光沢層との密着性が悪くなり、粉落ちが発生することがある。またその配合量が200質量部より多くなると、得られる中間層のインク吸収性が低下し、所望のインクジェット記録適性が得られなくなることがある。
中間層には、上記した水性ポリウレタン樹脂以外に、水溶性樹脂、例えば、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、でんぷん、カルボキシルメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体等や、水分散性樹脂、例えばスチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体のラテックス、アクリル系重合体のラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体のラテックス等、及びその他一般に塗工紙分野で用いられる各種接着剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で含んでいてもよい。ただし、中間層中の全接着剤に対する水性ポリウレタン樹脂の配合比率は、所望の効果を維持するために、50質量%以上であることが望ましい。全接着剤に対する水性ポリウレタン樹脂の配合比率が50質量%未満になると、得られるインクジェット記録用紙の中間調印字濃度、耐光性および耐ガス性が低下することもある。
中間層に含有する微細顔料は、1次粒子が凝集した2次粒子である。微細顔料の平均2次粒子径は、好ましくは10nm以上1000nm以下であり、より好ましくは10nm以上800nm以下、更に好ましくは10nm以上500nm以下、なお好ましくは10nm以上300nm以下、最も好ましくは15nm以上150nm以下である。平均2次粒子径が1000nmを越えると、中間層の透明性が低下し、中間層中に定着された着色剤の発色性が低下し、所望とする印字濃度が得られない場合いがある。また、平均2次粒子径が10nm未満であると、インク吸収性が低下し、にじみ等が発生し、所望とする画像品位を得ることができないおそれがある。本発明で使用する微細顔料は、平均2次粒子径が10nm以上1000nm以下のものを使用する。
本発明の中間層には、2次粒子を構成する1次粒子の平均粒子径は3nm以上40nm以下のものを使用するが、好ましくは5nm以上30nm以下、さらに好ましくは7nm以上20nm以下である。中間層の顔料粒子径が小さいため透明性に優れ、発色濃度が極めて高い画像が得られる。なお、平均1次粒子径が3nm未満になると1次粒子間の空隙が著しく小さくなり、インク中の溶剤や着色剤を吸収する能力が低下し、所望とする画像品位を得ることができないおそれがある。また、平均1次粒子径が40nmを越えると、凝集した2次粒子が大きくなり、中間層の透明性が低下し、中間層中に定着された着色剤の発色性が低下し、所望とする印字濃度が得られないおそれがある。
微細顔料として好ましいのは、シリカ、アルミノシリケートおよびアルミナからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、この中で平均1次粒子径が3nm以上40nm以下のカチオン性の微細顔料を使用する。中でもシリカが好ましい。
シリカとしては、公知の湿式法シリカやヒュームドシリカ等が例示できる。
また、シリカとして、窒素吸着法による比表面積が300m/g〜1000m/gで、細孔容積が0.4ml/g〜2.0ml/gであるシリカ微粒子がコロイド状に分散した液をシード液とし、該シード液に対しアルカリの存在下、活性ケイ酸水溶液及び/又はアルコキシシランからなるフィード液を少量ずつ添加してシリカ微粒子を成長させて、窒素吸着法による比表面積が100m/g〜400m/g、平均二次粒子径が20nm〜300nm、かつ細孔容積が0.5ml/g〜2.0ml/gのシリカ微粒子がコロイド状に分散したシリカ微粒子分散液を用いても良い。例えば、特開平2001−354408号公報、特開2002−354408号公報などに記載されている方法で得ることが可能である。
更に、シリカとしてメソポーラスシリカも使用できる。メソポーラスシリカとは、1.5〜100nmに平均細孔径を有するシリカ多孔体である。また、アルミニウム、チタン、バナジウム、ホウ素、マンガン原子等を導入したメソポーラスシリカも使用できる。多孔体の物性としては特に限定されないが、BET比表面積(窒素吸着比表面積)は200〜1500m/gが好ましく、細孔容積としては0.5〜4cc/gが好ましい。メソポーラスシリカの合成方法は特に限定されないが、米国特許第3556725号明細書に記載されている、シリカのアルコキシドをシリカ源として、長鎖のアルキルを含む4級アンモニウム塩をテンプレートとした合成方法、特表平5−503499号公報等に記載されているアモルファスシリカ粉末やアルカリシリケート水溶液をシリカ源として、長鎖のアルキル基を有する4級アンモニウム塩、あるいはホスホニウム塩をテンプレートとする水熱合成法、特開平4−238810号公報等に記載されているシリカ源としてカネマイト等の層状ケイ酸塩を、長鎖のアルキルアンモニウムカチオン等をテンプレートとしてイオン交換法により合成する方法、更にドデシルアミン、ヘキサデシルアミン等のアミン、ノニオン系界面活性剤等をテンプレートとして、シリカ源として水ガラス等をイオン交換した活性シリカを用いて合成する方法などである。ナノポーラスシリカ前駆体からのテンプレートの除去方法としては高温で焼成する方法、有機溶媒で抽出する方法が挙げられる。
シリカの中でも特に好ましいのは、ヒュームドシリカであり、本発明はヒュームドシリカを使用する。
ヒュームドシリカは一般にアニオン性であるので、本発明では、ヒュームドシリカをカチオン性に改質したものを使用する。本発明はヒュームドシリカをカチオン性樹脂で処理した無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子の状態で用いる。
例えば、一般的に市販されている非晶質シリカ(数ミクロンの2次粒子径を有する)を機械的手段により強い力を与えて微細粒子に粉砕する際、粉砕処理前の非晶質シリカにカチオン性樹脂を一緒に混合分散してから機械的手段により分散・粉砕するか、あるいは微細化したシリカ2次粒子分散体に混合し、一旦増粘・凝集させた後、再度機械分散・粉砕する方法等をとることにより、前記特定の二次粒子径に調整することができる。このようにして処理した顔料は、カチオン性化合物が一部結合した構造となり、安定して分散したスラリーとなっている。このため、更に別途カチオン性化合物を追加配合したり、カチオン性の接着剤を配合しても凝集し難いという特徴を有する。
無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子に使用するカチオン性樹脂としては、例えば1)ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、2)第2級アミノ基、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、3)ポリビニルアミンおよびポリビニルアミジン類、4)ジシアンジアミド−ホルマリン共重合体に代表されるジシアン系カチオン性化合物、5)ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合体に代表されるポリアミン系カチオン性化合物、6)エピクロルヒドリン−ジメチルアミン共重合体、7)ジアリルジメチルアンモニウム−SO重縮合体、8)ジアリルアミン塩−SO重縮合体、9)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、10)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、11)アリルアミン塩の共重合体、12)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合体、13)アクリルアミド−ジアリルアミン共重合体、14)5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂等が挙げられ、単独あるいは併用することができる。
このカチオン性樹脂の中でも、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合体の塩酸塩、ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合体および5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂は、印字濃度、印字耐水性およびインク吸収性等のインクジェット記録適性や光沢性に優れ、好ましく用いられる。
前記カチオン性樹脂の重量平均分子量(以下、単に分子量と記す)は1万以上であることが好ましい。重量平均分子量が1万より小さいと、カチオン性複合微細粒子の製造のときに、顔料微粒子間に形成される空隙中に、カチオン樹脂が入り込みやすく、このため、得られた複合微細粒子のインク吸収性が不十分になることがある。また、カチオン性樹脂の重量平均分子量が50万より大きいと、その分散液の粒度が過度に高くなり、粉砕処理に必要な機械エネルギーが大きくなることがある。カチオン性樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1万〜50万であり、より好ましくは1万〜40万であり、更に好ましくは1万〜20万であり、さらに好ましくは1万〜10万である。
前記顔料と前記カチオン性樹脂の混合物、もしくは凝集物を分散あるいは粉砕するには、ホモミキサー、圧力式ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、マイクロフルイタイザー、アルティマイザー、ナノマイザー、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、サンドグラインダー、クレアミックス等が用いられる。
平均2次粒子径が1000nmを超える場合は、ホモミキサーなどの弱い機械力で処理すれば十分分散するが、平均2次粒子径を1000nm以下に粉砕するにはより強い機械力を加えることが効果的であり、圧力式分散方法を用いることが好ましい。
圧力式分散方法とは、原料粒子のスラリー状混合物をオリフィス中、高圧で連続的に通過させて高圧粉砕する方法であり、処理圧力は19.6×10〜343.2×10Pa(200〜3500kgf/cm)、より好ましくは49.0×10〜245.3×10Pa(500〜2500kgf/cm)、さらに好ましくは、98.1×10〜196.2×10Pa(1000〜2000kgf/cm)である。上記高圧粉砕により処理することで良好な分散あるいは粉砕が達成できる。さらに高圧でオリフィスを通過したスラリー状混合物を対向衝突させることによる分散、或いは粉砕方式を用いることがより好ましい。対向衝突による方法は、分散液を加圧することによって入口側に導き、分散液を二つの通路に分岐してさらに流路をオリフィスにより狭めることによって流速を加速して対向衝突させて粒子を衝突させて粉砕する。分散液を加速したり衝突させたりする部分を構成する材料としては、材料の摩耗を抑えるなどの理由からダイヤモンドが好ましく用いられる。
高圧粉砕機としては、圧力式ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、マイクロフルイタイザー、ナノマイザーが用いられ、特に高速流衝突型ホモジナイザーとしてマイクロフルイタイザー、ナノマイザ−が好ましい。
このようにして処理された無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子は、一般に固形分濃度が5〜20質量%程度の水分散体(スラリーあるいはコロイド粒子)として得られる。本発明でいう平均粒子径とは、電子顕微鏡(SEMとTEM)で観察した粒子径である(1万〜40万倍の電子顕微鏡写真を撮り、5cm四方中の粒子のマーチン径を測定し、平均したもの。「微粒子ハンドブック」(朝倉書店)のP52、1991年等に記載されている)。
中間層中の全顔料中における無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子の比率は、中間層の透明性を維持するために、50質量%以上が好ましい。全顔料中のカチオン性微細顔料の比率が50質量%未満になると中間層の透明性が低下し、印字濃度等の画像品位が低下する場合もある。
インクジェット記録用インクの着色剤は、通常アニオン性であるため、中間層には、インク中の着色剤成分を定着させる目的で、カチオン性化合物を配合することができる。
カチオン性化合物としては、カチオン性樹脂や低分子カチオン性化合物(例えばカチオン性界面活性剤等)が例示できる。印字濃度向上の効果の点ではカチオン性樹脂が好ましく、水溶性樹脂あるいはエマルジョンとして使用できる。更にカチオン性樹脂を架橋等の手段により不溶化し粒子状の形態としたカチオン性有機顔料としても使用できる。このようなカチオン性有機顔料は、カチオン性樹脂を重合する際、多官能性モノマーを共重合し架橋樹脂とする、あるいは反応性の官能基(水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アセトアセチル基等)を有するカチオン性樹脂に必要に応じ架橋剤を添加し、熱、放射線等の手段により架橋樹脂としたものである。カチオン性化合物、特にカチオン性樹脂は接着剤としての役割を果たす場合もある。
中間層に配合するカチオン性化合物としては、例えば1)ポリエチレンポリアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、2)第2級アミノ基、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル重合体、3)ポリビニルアミンおよびポリビニルアミジン類、4)ジシアンジアミド−ホルマリン共重合体に代表されるジシアン系カチオン性化合物、5)ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合体に代表されるポリアミン系カチオン性化合物、6)エピクロルヒドリン−ジメチルアミン共重合体、7)ジアリルジメチルアンモニウム−SO重縮合体、8)ジアリルアミン塩−SO重縮合体、9)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、10)ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、11)アリルアミン塩の共重合体、12)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合体、13)アクリルアミド−ジアリルアミン共重合体、14)5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂等のカチオン性化合物等が挙げられ、単独あるいは併用することができる。
前記カチオン性化合物の中でも、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合体の塩酸塩、ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合体および5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂は、印字濃度、印字耐水性およびインク吸収性等のインクジェット記録適性や光沢性に優れ、好ましく用いられる。なかでも、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体および5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂は、より好ましく用いられる。
前記微細顔料と前記カチオン性化合物の配合比は、質量比で顔料100質量部に対してカチオン性化合物1〜30質量部が好ましく、さらに好ましくは、3〜20質量部である。カチオン性化合物が1質量部より少ないと、印字濃度向上の効果が得られにくく、30質量部より多いと、余分なカチオン性化合物が空隙を塞いでしまい、インク吸収性が阻害され、画像のにじみやムラが発生するおそれもある。カチオン性化合物は、印字濃度向上に特に効果があるものや、印字耐水性向上に特に効果があるもの等が存在し、それぞれを目的に応じて適宜使い分ける、或いは数種類のものを併用して使用することができる。
尚、中間層には、カチオン性の微細顔料(無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子やカチオン性のアルミナ)、或いはカチオン性化合物を配合するので、接着剤として使用する水生ポリウレタン樹脂や、適宜併用できる接着剤はカチオン性若しくはノニオン性のものが、特にカチオン性のものが中間層塗工液の安定性が良いため好ましい。接着剤の配合量は、顔料100質量部に対し1〜200質量部、より好ましくは5〜100質量部の範囲で調節される。接着剤の量が少ないと、中間層の強度が弱くなり、粉落ちが発生する場合がある。逆に接着剤の量が多いと、インク吸収性が低下し、所望のインクジェット記録適性が得られなくなる場合がある。ここで、光沢層用塗工液中の接着剤の配合量(顔料100質量部に対する)を中間層より多くすると、表面の強度とインク吸収性のバランスに優れたものが得られ易く、好ましい。
中間層の塗工液を調製する場合、まずカチオン性の微細顔料(無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒)のスラリーを作成し、接着剤カチオン性化合物を配合するとよい。シリカとカチオン性化合物と接着剤を混合すると、凝集、増粘してしまい、均一な微細顔料が得られないばかりか、場合によると基材に塗工することすら困難になることがある。
好ましい塗工液の調製方法としては、平均一次粒子径が3nm以上40nm以下(好ましくは5nm以上30nm以下)のシリカ(好ましくはヒュームドシリカ)を水分散した後、カチオン性樹脂(好ましくは前記無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子の好適な材料として例示したもの)を添加し、凝集、増粘させる。これを、平均二次粒子径を10nm以上1000nm以下(好ましくは、10nm以上800nm以下、より好ましくは、10nm以上500nm以下、更に好ましくは10nm以上300nm以下)となるように粉砕、分散した後、水性ポリウレタン樹脂(好ましくはカチオン性水性ポリウレタン樹脂)を配合するとよい。
中間層の塗工液には、更に、耐候性助剤として、ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウム、ジルコニウム化合物等の水溶性金属塩、耐ガス性向上剤として1,2−ビス(ヒドロキシエチルチオ)エタン等のチオエーテル化合物を含有させることも可能である。更に、その他、一般塗工紙の製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、帯電防止剤、防腐剤、蛍光染料、着色剤等の各種助剤が適宜添加される。
中間層用塗布液を、基材上に、或いは下塗り層上に塗工する場合は、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、バーコーター、リップコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、スライドコーター等の各種公知の塗工装置が使用できる。中間層の塗工量は、乾燥固形分で1〜50g/mが好ましく、1〜30g/mがより好ましく、1〜10g/mがさらに好ましい。1g/m未満の場合は、印字の際にじみが発生しやすくなり、50g/mを越える場合は、印字濃度が不十分となり易い。
5.光沢層について
光沢層は、インクジェットインクを速やかに通過させると共に、銀塩方式の写真用印画紙に匹敵する様な光沢を発現する、コロイダルシリカと接着剤を含有する層である。コロイダルシリカの中でも、真球状アニオン性コロイダルシリカが好ましい。
前記コロイダルシリカの平均粒子径は、3nm以上100nm以下であり、5nm以上90nm以下が好ましく、10nm以上80nm以下がより好ましく、20nm以上70nm以下がさらに好ましい。平均粒子径が3nm未満の場合は、インクの吸収性が低下し、また、平均粒子径が100nmを超える場合は、光沢性および印字濃度が低下する。
光沢層の接着剤は、例えば、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、でんぷん、カルボキシルメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル系重合体エマルジョン、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン、アクリル系共重合体エマルジョン、スチレン−アクリル系共重合体エマルジョン、水性アクリル樹脂、水性ポリウレタン樹脂および水性ポリエステル樹脂等、その他一般に塗工紙分野で従来公知の各種接着剤が単独、あるいは併用して使用できる。
光沢層に使用される接着剤のガラス転移点は、−20℃以上が好ましく、より好ましくは40℃以上であり、得られる光沢層は、鏡面ドラムからの離型性に優れ、インクジェットプリンターのインクの吸収性も良好である。接着剤のガラス転移点は60℃以上であることがさらに好ましい。このガラス転移点に格別の上限はないが、一般に150℃以下であることが好ましい。150℃を超えると、鏡面ドラムからの離型性やインクの吸収性はいっそう優れたものになるが、逆に光沢が出にくくなり、また光沢層が脆くなるため、断裁時にダストが多くなったり、折り目から光沢層が欠けたりする、強度不足によるトラブルが発生する場合がある。したがって、ガラス転移点の異なる、2種類以上の接着剤を組み合わせることも、求められる特性によっては、しばしば効果的である。この理由は定かではないが、ガラス転移点の低い接着剤と高い接着剤が均一に混合されるのではなく、あたかも海/島構造を構成し、それぞれの接着剤の特徴を一層効果的に発揮するためと推測される。2種類以上の接着剤を組み合わせる場合、好ましくは少なくとも一方はガラス転移点−20℃以上の樹脂とする。
光沢層中の接着剤と顔料との組成比(固形分質量比)は、顔料100質量部に対して、好ましくは、3〜150質量部の範囲であり、より好ましくは、7〜100質量部の範囲であり、さらに好ましくは、10〜70質量部の範囲である。接着剤の比率が150質量部を超えると、印字濃度が低下する傾向があり、3質量部未満では光沢性が低下する傾向にある。
光沢層用塗工液を中間層上に塗工する場合、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、バーコーター、リップコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、スライドコーター等の各種公知の塗工装置が使用できる。
本発明において、光沢層はキャスト方式により形成された層である。キャスト方式とは、光沢層を、平滑性を有する鏡面ドラム(鏡面仕上げした金属、プラスチック、ガラス等のドラム)、鏡面仕上げした金属板、プラスチックシートやフィルム(フィルム転写キャスト法、フィルムキャスト法)、ガラス板等上で乾燥し、平滑面を光沢層上に写し取ることにより、平滑で光沢のある光沢層表面を得る方法である。鏡面ドラムを用いて光沢層を設ける方法としては、上記の光沢層用塗工液を中間層上に塗工して、光沢層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げる方法(ウェットキャスト法)、あるいは一旦乾燥後再湿潤した後、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げる方法(リウェットキャスト法)等が例示できる。また加熱された鏡面ドラムに直接光沢層用塗工液を塗工した後、基材側の中間層面に圧接、乾燥して仕上げる方法(プレキャスト法)も採用することができる。
尚、鏡面ドラムの表面温度は40〜200℃程度が好ましく、70〜150℃がより好ましい。40℃未満であると乾燥に時間がかかり、光沢が低下しやすく、生産性が著しく低下しやすい。200℃を超えて高いとインクジェット記録用紙表面が荒れたり光沢が低下する場合がある。
光沢層用塗工液を中間層上に塗工して、光沢層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げる場合、光沢層用塗工液の浸透を抑える目的で、光沢層用塗工液の不動化を促進する方法を採ることもできる。
この方法としては例えば、(1)中間層中に光沢層用塗工液の不動化を促進する様なゲル化剤を配合しておく、(2)中間層上に光沢層用塗工液の不動化を促進する様なゲル化剤を塗工・含浸させる、(3)光沢層用塗工液を塗工した後、光沢層用塗工液の不動化を促進する様なゲル化剤を表面に塗工・含浸させる、(4)光沢層用塗工液中に塗工液が乾燥する過程で不動化が促進されるようなゲル化剤を配合しておくことが挙げられる。この様なゲル化剤としては、光沢層用塗工液中の接着剤の架橋剤である、ほう酸、ぎ酸等およびそれらの塩、アルデヒド化合物、エポキシ化合物等が挙げられる。上記の方式の内、ウェットキャスト法を採用する場合、中間層上に光沢層用塗工液を塗工し、鏡面ドラム上に圧接し乾燥するまでの時間をなるべく短くした方が、光沢層用塗工液の浸透が抑えられるため、光沢が発現しやすい。さらに、中間層面が鏡面ドラムに圧接される直前に、圧接ロール(プレスロール)上の中間層面と鏡面ドラム間に光沢層用塗工液を付与して直ちに圧接する方式(ニップキャスト方式と称する)が、光沢層用塗工液の浸透が極力抑えられ、少ない塗工量で良好な光沢、印字品位が得られ易く、特に好ましい。本発明は、この光沢ロールに接するようにプレスロールでプレスして塗工する方法により、光沢層は形成される。
光沢層用塗工液中には白色度、粘度、流動性等を調節するために、一般の印刷用塗工紙やインクジェット用紙に使用されている顔料、消泡剤、着色剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、防腐剤及び分散剤、増粘剤等の各種助剤が適宜添加される。
また、光沢層用塗工液中には、鏡面ドラム等からの離型性を付与する目的で、離型剤を添加するのが好ましい。離型剤としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス類、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸カリウム、オレイン酸アンモミウム等の高級脂肪酸アルカリ塩類、レシチン、シリコーンオイル、シリコーンワックス等のシリコーン化合物、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素化合物が挙げられる。離型剤の配合量は、顔料100質量部に対し0.1〜50質量部、好ましくは0.3〜30質量部、より好ましくは0.5〜20質量部の範囲で調節される。ここで配合量が少ないと、離型性改善の効果が得られにくく、多いと逆に光沢が低下したり、インクのハジキや記録濃度の低下が生じる場合がある。
光沢層の塗工量は、乾燥固形分で0.1〜20g/m程度、好ましくは0.2〜10g/m、より好ましくは0.5〜5g/mである。ここで、0.1g/m未満では、十分な光沢が得られ難く、20g/mを越えて多いと、印字の際にじみが発生しやすくなったり、印字濃度が不十分となりやすい。光沢層をキャスト仕上げにより設けた後で、さらにスーパーキャレンダー等により平滑化処理を行うこともできる。
光沢層表面の20°光沢度(JIS−P8142)は、印画紙の風合いを付与するためには、30%以上が好ましく、35%以上がより好ましく、40%以上がさらに好ましく、45%以上が最も好ましい。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ質量部および質量%を示す。
[紙基材の作製]
木材パルプ(LBKP;ろ水度440mlCSF)100部、填料(炭酸カルシウム/タルク=75/25)15部、市販サイズ剤(サイズパインE−50、荒川化学社製)0.04部、硫酸バンド(北陸化成社製)0.45部、澱粉(リョウセイKH−1000、王子コーンスターチ社製)1.00部、歩留向上剤88ppmよりなる製紙材料を使用し、長網抄紙機にて坪量170g/mの紙基材を製造した。この紙基材のステキヒトサイズ度は140秒であった。また、厚さは195μmであった。
[カチオン性微細顔料の調製]
(カチオン性微細顔料A)
市販気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、平均1次粒子径15nm、比表面積300m/g、トクヤマ社製)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均2次粒子径80nmからなる10%分散液を調製した。前記分散液にカチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績社製)を10部(シリカ固形分100部に対して)添加し、顔料の凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を繰り返し、平均2次粒子径300nmからなる8%分散液を調製し、カチオン性微細顔料Aを得た(平均1次粒子径は15nmのまま)。
(カチオン性微細顔料B)
市販沈降法シリカ(商品名:ファインシールX−45、平均1次粒子径10nm、平均2次粒子径4.5μm、トクヤマ社製)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均2次粒子径80nmからなる10%分散液を調製した。前記分散液にカチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績社製)10部(シリカ固形分100部に対して)を添加し、顔料の凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を繰り返し、平均2次粒子径250nmからなる8%分散液を調製し、カチオン性微細顔料Bを得た(平均1次粒子径は10nmのまま)。
(カチオン性微細顔料C)
市販ゲル法シリカ(商品名:ニップジェルAZ600、平均1次粒子径10nm、比表面積300m/g、日本シリカ社製)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均2次粒子径80nmからなる10%分散液を調製した。前記分散液にカチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績社製)10部(シリカ固形分100部に対して)を添加し、顔料の凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を繰り返し、平均2次粒子径400nmからなる8%分散液を調製し、カチオン性微細顔料Cを得た(平均1次粒子径は10nmのまま)。
(カチオン性微細顔料D)
市販気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、平均1次粒子径15nm、比表面積300m/g、トクヤマ社製)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均2次粒子径80nmからなる10%分散液を調製した。前記分散液にカチオン性化合物として、5員環アミジン構造を有するカチオン性化合物(商品名:ハイマックスSC−700、分子量:30万、ハイモ社製)10部(シリカ固形分100部に対して)を添加し、顔料の凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を繰り返し、平均2次粒子径300nmからなる8%分散液を調製し、カチオン性微細顔料Dを得た(平均1次粒子径は15nmのまま)。
(カチオン性顔料A)
市販沈降法シリカ(商品名:ファインシールX−45、平均1次粒子径10nm、平均2次粒子径4.5μm、トクヤマ社製)をサンドグラインダーにより水分散粉砕し、平均2次粒子径1800nmからなる10%分散液を調製した。前記分散液にカチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績社製)10部を添加し、顔料の凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、粉砕分散し、平均2次粒子径18000nmからなる8%分散液を調製し、カチオン性顔料Aを得た(平均1次粒子径は10nmのまま)。
[シリカスラリーA]
合成非晶質シリカ(商品名:ファインシールX−45、平均2次粒子径4.5μm、平均1次粒子径10nm、トクヤマ社製)の水分散液を用い、圧力式ホモジナイザー(商品名:超高圧式ホモジナイザーGM−1、SMT社製)を用いて粉砕の操作を繰り返し(加圧49×10Pa)、シリカスラリーAを得た。処理後の分散液中のシリカの平均2次粒子径(平均凝集粒子径)は50nm、固形分濃度は12%であった(平均1次粒子径は15nmのまま)。
[シリカスラリーB]
合成非晶質シリカ(商品名:Nipsil LP、平均2次粒子径9μm、平均1次粒子径16nm、日本シリカ工業社製)の水分散液を用い、圧力式ホモジナイザー(商品名:超高圧式ホモジナイザーGM−1、SMT社製)を用いて粉砕の操作を繰り返し(加圧49×10Pa)、シリカスラリーBを得た。処理後の分散液中のシリカの平均2次粒子径は600nm、固形分濃度は12%であった(平均1次粒子径は16nmのまま)。
実施例1
紙基材上に、下記下塗り層用塗工液を、乾燥質量で9g/mになるように、エアーナイフコーターで塗工、乾燥した。次に、エアナイフコーター、乾燥装置を有するキャスト塗工装置を用い、先ず上記の下塗り層上に下記中間層用塗工液を、乾燥質量で4g/mになるように、エアーナイフコーターで塗工して、乾燥装置で乾燥した。続いて、下記光沢層用塗工液の塗工、乾燥が、光沢ロールに接するようにプレスロールでプレスしてなされ、インクジェット記録用紙を得た。このときの光沢層の塗工量は、固形分質量で2g/mであった。
[下塗り層用塗工液](部は固形分質量部を示す。)
合成非晶質シリカ(商品名:ファインシールX−30、トクヤマ社製、平均2次粒子径3.2μm)100部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA R1115、クラレ社製)20部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA145、クラレ社製)5部、蛍光染料(商品名:WhitexBPSH、住友化学社製)2部。
[中間層用塗工液](部は固形分質量部を示す)
カチオン性微細顔料A100部、水性ポリウレタン樹脂としてポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D、ガラス転移点:−12℃、第一工業製薬社製)40部からなる塗工液を調製した。
[光沢層用塗工液](部は固形分質量部を示す)
ガラス転移点100℃のアクリルエマルジョンとコロイダルシリカとの複合体エマルジョン(商品名:アクアブリッド906、ダイセル社製、アクリルエマルジョンとコロイダルシリカは質量比で20:80、コロイダルシリカの平均粒子径20〜30nm、エマルジョン粒子径40nm)100部、シリカスラリーA2.5部、カゼイン5部、増粘剤(商品名:ビスマルYK−1S、東邦化学工業社製)6部、離型剤(ステアリン酸)5部。
実施例2
実施例1において、中間層用塗工液で、水性ポリウレタン樹脂としてポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D)の代わりに、ポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D−2、ガラス転移点:43℃、第一工業製薬社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例3
実施例1において、中間層用塗工液で、水性ポリウレタン樹脂としてポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D)の代わりに、ポリエーテル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:スーパーフレックス600、ガラス転移点:70℃、第一工業製薬社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例4
実施例1において、中間層用塗工液で、水性ポリウレタン樹脂としてポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D)の代わりに、ポリカーボネート系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:スーパーフレックス650、ガラス転移点:−17℃、第一工業製薬社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
比較例1
実施例3において、中間層用塗工液で、カチオン性微細顔料Aの代わりに、カチオン性微細顔料Bを用いた以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
比較例2
実施例3において、中間層用塗工液で、カチオン性微細顔料Aの代わりに、カチオン性微細顔料Cを用いた以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例
実施例3において、中間層用塗工液で、カチオン性微細顔料Aの代わりに、カチオン性微細顔料Dを用いた以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例
実施例1において、中間層用塗工液で、カチオン性微細顔料Aの代わりに、カチオン性微細顔料Dを用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例
実施例4において、中間層用塗工液で、カチオン性微細顔料Aの代わりに、カチオン性微細顔料Dを用いた以外は、実施例4と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
比較例
実施例1において、中間層用塗工液で、ポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D)40部の代わりに、ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ社製)10部を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
比較例
実施例1において、中間層用塗工液で、ポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D)40部の代わりに、ポリビニルピロリドン(商品名:PVP K−90、BASF社製)10部を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
比較例
実施例1において、中間層用塗工液で、ポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D)40部の代わりに、でんぷん(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)10部を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
比較例
下記光沢層用塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
[光沢層用塗工液](部は固形分質量部を示す)
ガラス転移点100℃のアクリルエマルジョン(商品名:BL936、ライオン社製)20部、上記シリカスラリーB80部、上記シリカスラリーA2.5部、カゼイン5部、増粘剤(商品名:ビスマルYK−1S、東邦化学工業社製)6部、離型剤(ステアリン酸)5部。
比較例
下記中間層用塗工液および下記光沢層用塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
[中間層用塗工液](部は固形分質量部を示す)
シリカスラリーB100部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ社製)10部からなる塗工液を調製した。
[光沢層用塗工液](部は固形分質量部を示す)
ガラス転移点100℃のアクリルエマルジョンとコロイダルシリカとの複合体エマルジョン(商品名:アクアブリッド906、ダイセル社製、アクリルエマルジョンとコロイダルシリカは質量比で20:80、コロイダルシリカの平均粒子径20〜30nm、エマルジョンの粒子径は40nm)100部、前記シリカスラリーA2.5部、カゼイン5部、増粘剤(商品名:ビスマルYK−1S、東邦化学工業社製)6部、離型剤(ステアリン酸)5部、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績社製)10部。
比較例
紙基材上に、下記下塗り層用塗工液を、乾燥質量で15g/mになるように、エアーナイフコーターで塗工、乾燥した。次に、エアナイフコーター、乾燥装置、ロールコーターを有するキャスト塗工装置を用い、先ず上記の下塗り層上に下記中間層用塗工液を、乾燥質量で3g/mになるように、エアーナイフコーターで塗工して、乾燥装置で乾燥した。続いて、光沢層用塗工液を、上記中間層上に、ロールコーターで塗工し、直ちに、表面温度が100℃の鏡面ドラムに圧接し、乾燥後、離型させ、インクジェット記録用紙を得た。このときの光沢層の塗工量は、固形分質量で、2g/mであった。
[下塗り層用塗工液](固形分濃度20%、部は固形分質量部を示す。)
合成非晶質シリカ(商品名:ファインシールX−60、トクヤマ社製、平均2次粒子径6.0μm、平均1次粒子径15nm)80部、ゼオライト(商品名:トヨビルダー、トーソー社製、平均粒子径1.5μm)20部、シリル変性ポリビニルアルコール(商品名:R1130、クラレ社製)20部、ガラス転移点75℃のスチレン−2−メチルヘキシルアクリレート共重合体と粒子径30nmのコロイダルシリカとの複合体エマルジョン(共重合体とコロイダルシリカは質量比で40:60、エマルジョンの平均粒子径は80nm)40部、蛍光染料(WhitexBPSH;住友化学社製)2部。
[中間層用塗工液](固形分濃度13%、部は固形分質量部を示す)
シリカスラリーA100部、カチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績社製)10部、ポリエーテル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:スーパーフレックス600、第一工業製薬社製)30部
[光沢層用塗工液](固形分濃度10%、部は固形分質量部を示す)
シリカスラリーA100部、カチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績社製)25部、ポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D、第一工業製薬社製)60部、離型剤(ステアリン酸アミド)2部。
比較例
下記中間層用塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
[中間層用塗工液](部は固形分質量部を示す)
ゲル法シリカ(商品名:サイロジェットP612、平均1次粒子径10nm、平均2次粒子径7.5μm、グレースデビソン社製)100部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ社製)10部からなる塗工液を調製した。
比較例10
下記中間層用塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
[中間層用塗工液](部は固形分質量部を示す)
シリカスラリーA100部、水性ポリウレタン樹脂としてポリエーテル系水性ポリウレタン樹脂(商品名:スーパーフレックス600、ガラス転移温度:70℃、第一工業製薬社製)40部からなる塗工液を調製した。
比較例11
下記中間層用塗工液を用いた以外は、実施例と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
[中間層用塗工液](部は固形分質量部を示す)
ポリエーテル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:スーパーフレックス600)の代わりに、酢酸ビニル−エチレン系エマルジョン(商品名:スミカフレックスS−300、ガラス転移温度:8℃、住友化学工業製)を用いた以外は、実施例7と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
比較例12
実施例3において、中間層用塗工液で、カチオン性微細顔料Aの代わりに、カチオン性顔料Aを用いた以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
比較例13
実施例1の中間層用塗工液中の構成成分と同一の成分を同一配合量で含むが、混合順序を下記に示した中間層用塗工液の作製を試みたが、顔料、水性ウレタン樹脂、およびカチオン性化合物から成る凝集体を微細粉砕できなかった。
[中間層用塗工液](部は固形分質量部を示す)
市販気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、平均1次粒子径15nm、比表面積300m/g、トクヤマ社製)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均2次粒子径80nmからなる10%分散液を調製した。
前記分散液にカチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績社製)10部(シリカ固形分100部に対して)、および水性ポリウレタン樹脂としてポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D、ガラス転移点:−12℃、第一工業製薬社製)44部(シリカ固形分100部に対して)を添加し、シリカ、カチオン性化合物、および水性ポリウレタン樹脂の凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を試みたが、凝集が強固なためと考えられるが、微細粉砕することが出来なかった。
実施例および比較例で得られたインクジェット記録用紙のインクジェット記録適性としての印字濃度、中間調印字濃度、ベタ印字部の均一性、インク乾燥性および印字のにじみを評価した。また、光沢度、目視外観、耐光性、耐ガス性、耐熱湿にじみおよびキャスト操業性についても同時に以下に示す方法で評価した。評価結果は、表1に示した。
[インクジェット記録適性]
(ブラック印字濃度)
インクジェットプリンタPM950C(エプソン社製)を用いて、ブラックインクでベタ印字を行ない、印字部分の印字濃度をマクベス反射濃度計RD−914(マクベス社製)で測定。
(中間調印字濃度)
インクジェットプリンタPM950C(エプソン社製)を用いて、ブラックインク、シアンインクおよびマゼンタインクのそれぞれについて、濃度80%の印字を行ない、印字部分の印字濃度をマクベス反射濃度計RD−914(マクベス社製)で測定。
(ベタ印字部の均一性)
インクジェットプリンタPM950C(エプソン社製)を用いて、シアンインクとマゼンタインクの2色混合のベタ印字を行ない、印字ムラ(濃淡ムラ)を目視にて評価した。
○:印字ムラは全く認められず、優れたレベル。
△:印字ムラがややあり、実用上やや問題となるレベル。
×:印字ムラが著しく、実用上重大な問題となるレベル。
(インク乾燥性)
インクジェットプリンタPM950C(エプソン社製)を用いて、シアンインクとマゼンタインクの2色混合のベタ印字を行ない、ベタ印字部につきインク乾燥性を評価した。
○:印字直後に指で触れてもまったく汚れない。
△:印字直後に指で触れると若干汚れ、実用上やや問題となるレベル。
×:印字直後に指で触れると汚れが著しく、実用上重大な問題となるレベル。
(印字のにじみ)
インクジェットプリンタPM950C(エプソン社製)を用いて、混色黒(濃度80%)の印字を行ない、印字部分の境界から印字のにじみを目視で評価した。
○:印字のにじみは全く認められず、優れたレベル。
△:印字のにじみがややあり、実用上やや問題となるレベル。
×:印字のにじみが著しく、実用上重大な問題となるレベル。
[光沢度]
JIS−P8142に準じてインクジェット記録用紙表面の20°光沢を測定した。
[目視外観]
インクジェット記録用紙表面の光沢感、平滑感を目視により評価した。
◎:極めて優れる。
○:優れる。
△:やや劣る。
×:劣る。
[耐光性]
インクジェットプリンタPM950C(エプソン社製)を用いて印字を行なった。評価用画像は、「高繊維カラーディジタル標準画像データ(ISO/JIS−SCID)、日本規格協会発行」のN1A、ポートレートを使用した。この印字物をキセノン灯式FADE−O−METER(ATLAS ELECTRIC DEVICES Co.社製、モデル:CI35F)を用い、63℃、相対湿度50%の条件で50時間連続処理した。未処理の画像と比較し、耐光性のレベルを下記のように評価した。
○:殆ど退色しなかった。
△:退色し、色バランスが崩れているが、使用可能なレベル。
×:退色し、色バランスが大きく崩れている。使用不可能なレベル。
[耐ガス性]
インクジェットプリンタPM950C(エプソン社製)を用いて印字を行なった。評価用画像は、「高繊維カラーディジタル標準画像データ(ISO/JIS−SCID)、日本規格協会発行」のN1A、ポートレートを使用した。この印字物をプラスチックケース内に入れ、2.5ppmのオゾン濃度になるようにオゾンガスを充満して密閉し、4時間放置した。処理後の印字物を取り出し、未処理の画像と比較して、耐オゾン性のレベルを下記のように評価した。
◎:殆ど退色しなかった。
○:僅かに退色が認められた。
△:退色し、色バランスが崩れているが、使用可能なレベル。
×:退色し、色バランスが大きく崩れている。使用不可能なレベル。
[熱湿環境下における印字にじみの評価]
インクジェットプリンタPM950C(エプソン社製)を用いて印字を行なった。評価用画像は、「高繊維カラーディジタル標準画像データ(ISO/JIS−SCID)、日本規格協会発行」のN1A、ポートレートを使用した。この印字物を40℃90%RHの環境下で3日間放置後の印字にじみを目視で評価した。
◎:殆ど変化なかった。
○:若干の色変化が認められるが、にじみは発生せず細部まで確認できた。
△:色変化がはっきり認められ、細部がにじみで若干つぶれ気味になった。
×:全体ににじみが認められた。使用不可レベル。
[キャスト操業性]
◎:問題なく操業できた。
○:光沢ロールまたは鏡面ドラムの曇りが、やや発生するが問題なく操業できた。
△:低スピードではあるが、操業可能なレベル。
×:離型性不良により、ドラムピックが発生し、操業不可。
Figure 0004285246

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材上に、顔料および接着剤を含有する少なくとも1層の中間層、前記中間層上に顔料および接着剤を含有する光沢層、を順次設けインクジェット記録用紙の製造方法において、
    (1)前記中間層の顔料が、ヒュームドシリカを用いた、平均1次粒子径が3nm以上40nm以下、平均2次粒子径10nm以上1000nm以下であるカチオン性微細顔料であり、且つ、該カチオン性微細顔料は、シリカをカチオン性樹脂で処理したものであり、
    (2)前記中間層の接着剤が、少なくとも1種の水性ポリウレタン樹脂を含有し、且つ、前記微細顔料100質量部に対して10〜100質量部を含有し、
    (3)前記中間層が、カチオン性微細顔料に、接着剤として水性ポリウレタン樹脂を加えた塗工液を塗工した層であり、
    )前記光沢層の顔料が、平均粒子径3nm以上100nm以下のコロイダルシリカであり、
    (5)前記光沢層が、コロイダルシリカと接着剤を含有する塗液を、光沢ロールに接するようにプレスロールでプレスして塗工され、乾燥された層であることを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法
  2. 前記カチオン性樹脂が、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合体の塩酸塩、ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合体および5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
  3. 前記カチオン性樹脂が、5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂である請求項1又は2記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
  4. 光沢層表面の20°光沢度(JIS−P8142)が45%以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
  5. 前記基材と前記中間層との間に、顔料および接着剤を含有する少なくとも1層の下塗り層を設けた請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
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