JP4285246B2 - インクジェット記録用紙の製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、
〔1〕基材と、前記基材上に、顔料および接着剤を含有する少なくとも1層の中間層、前記中間層上に顔料および接着剤を含有する光沢層、を設けたインクジェット記録用紙の製造方法において、
(1)前記中間層の顔料が、ヒュームドシリカを用いた、平均1次粒子径が3nm以上40nm以下、平均2次粒子径10nm以上1000nm以下であるカチオン性微細顔料であり、且つ、該カチオン性微細顔料は、シリカをカチオン性樹脂で処理したものであり、
(2)前記中間層の接着剤が、少なくとも1種の水性ポリウレタン樹脂を含有し且つ、前記微細顔料100質量部に対して10〜100質量部を含有し、
(3)前記中間層が、カチオン性微細顔料に、接着剤として水性ポリウレタン樹脂を加えた塗工液を塗工した層であり、
(4)前記光沢層の顔料が、平均粒子径3nm以上100nm以下のコロイダルシリカであり、
(5)前記光沢層が、コロイダルシリカと接着剤を含有する塗液を、光沢ロールに接するようにプレスロールでプレスして塗工され、乾燥された層であることを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法である。
本発明は、基材上に、顔料および接着剤を含有する少なくとも1層の中間層、前記中間層上に顔料および接着剤を含有する光沢層、を順次設ける。
中間層は、インクジェットインク成分中の着色剤すなわち染料を定着させる層である。光沢層は、インクジェットインクを速やかに通過させると共に、銀塩方式の写真用印画紙に匹敵する様な光沢を発現する層である。なお、基材と中間層との間に、必要に応じて、顔料および接着剤を含有する少なくとも1層の下塗り層を設けても良い。下塗り層は、インクジェットインク成分中の溶媒を速やかに吸収ための塗工層である。
本発明で用いる基材としては、特に限定されるものではなく、一般の塗工紙に使用される酸性紙、あるいは中性紙等の紙基材が適宜使用される。また透気性を有する樹脂シート類も用いることができる。紙基材は木材パルプと必要に応じ含有する顔料を主成分として構成される。
下塗り層は、インクジェットインク成分中の溶媒を速やかに吸収ために、必要に応じて基材と中間層との間に設けられる層で、顔料と接着剤を主成分として含有する。
本発明は、基材上、または基材上に設けた上記の顔料と接着剤を含有する下塗り層上に、中間層を有する。前記中間層は、シリカ、アルミノシリケートおよびアルミナからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、平均1次粒子径が3nm以上40nm以下であるカチオン性の微細顔料と、接着剤として水性ポリウレタン樹脂を含有する。中間層には、更にカチオン性化合物を含有させることが好ましい。本発明では、このような中間層を設けることにより、インクがより均一に吸収される結果、にじみが少なく均一な発色が得られ、発色ムラの無い優れた画像が得られる。
また、シリカとして、窒素吸着法による比表面積が300m2/g〜1000m2/gで、細孔容積が0.4ml/g〜2.0ml/gであるシリカ微粒子がコロイド状に分散した液をシード液とし、該シード液に対しアルカリの存在下、活性ケイ酸水溶液及び/又はアルコキシシランからなるフィード液を少量ずつ添加してシリカ微粒子を成長させて、窒素吸着法による比表面積が100m2/g〜400m2/g、平均二次粒子径が20nm〜300nm、かつ細孔容積が0.5ml/g〜2.0ml/gのシリカ微粒子がコロイド状に分散したシリカ微粒子分散液を用いても良い。例えば、特開平2001−354408号公報、特開2002−354408号公報などに記載されている方法で得ることが可能である。
シリカの中でも特に好ましいのは、ヒュームドシリカであり、本発明はヒュームドシリカを使用する。
例えば、一般的に市販されている非晶質シリカ(数ミクロンの2次粒子径を有する)を機械的手段により強い力を与えて微細粒子に粉砕する際、粉砕処理前の非晶質シリカにカチオン性樹脂を一緒に混合分散してから機械的手段により分散・粉砕するか、あるいは微細化したシリカ2次粒子分散体に混合し、一旦増粘・凝集させた後、再度機械分散・粉砕する方法等をとることにより、前記特定の二次粒子径に調整することができる。このようにして処理した顔料は、カチオン性化合物が一部結合した構造となり、安定して分散したスラリーとなっている。このため、更に別途カチオン性化合物を追加配合したり、カチオン性の接着剤を配合しても凝集し難いという特徴を有する。
平均2次粒子径が1000nmを超える場合は、ホモミキサーなどの弱い機械力で処理すれば十分分散するが、平均2次粒子径を1000nm以下に粉砕するにはより強い機械力を加えることが効果的であり、圧力式分散方法を用いることが好ましい。
高圧粉砕機としては、圧力式ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、マイクロフルイタイザー、ナノマイザーが用いられ、特に高速流衝突型ホモジナイザーとしてマイクロフルイタイザー、ナノマイザ−が好ましい。
カチオン性化合物としては、カチオン性樹脂や低分子カチオン性化合物(例えばカチオン性界面活性剤等)が例示できる。印字濃度向上の効果の点ではカチオン性樹脂が好ましく、水溶性樹脂あるいはエマルジョンとして使用できる。更にカチオン性樹脂を架橋等の手段により不溶化し粒子状の形態としたカチオン性有機顔料としても使用できる。このようなカチオン性有機顔料は、カチオン性樹脂を重合する際、多官能性モノマーを共重合し架橋樹脂とする、あるいは反応性の官能基(水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アセトアセチル基等)を有するカチオン性樹脂に必要に応じ架橋剤を添加し、熱、放射線等の手段により架橋樹脂としたものである。カチオン性化合物、特にカチオン性樹脂は接着剤としての役割を果たす場合もある。
好ましい塗工液の調製方法としては、平均一次粒子径が3nm以上40nm以下(好ましくは5nm以上30nm以下)のシリカ(好ましくはヒュームドシリカ)を水分散した後、カチオン性樹脂(好ましくは前記無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子の好適な材料として例示したもの)を添加し、凝集、増粘させる。これを、平均二次粒子径を10nm以上1000nm以下(好ましくは、10nm以上800nm以下、より好ましくは、10nm以上500nm以下、更に好ましくは10nm以上300nm以下)となるように粉砕、分散した後、水性ポリウレタン樹脂(好ましくはカチオン性水性ポリウレタン樹脂)を配合するとよい。
光沢層は、インクジェットインクを速やかに通過させると共に、銀塩方式の写真用印画紙に匹敵する様な光沢を発現する、コロイダルシリカと接着剤を含有する層である。コロイダルシリカの中でも、真球状アニオン性コロイダルシリカが好ましい。
前記コロイダルシリカの平均粒子径は、3nm以上100nm以下であり、5nm以上90nm以下が好ましく、10nm以上80nm以下がより好ましく、20nm以上70nm以下がさらに好ましい。平均粒子径が3nm未満の場合は、インクの吸収性が低下し、また、平均粒子径が100nmを超える場合は、光沢性および印字濃度が低下する。
光沢層用塗工液を中間層上に塗工して、光沢層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げる場合、光沢層用塗工液の浸透を抑える目的で、光沢層用塗工液の不動化を促進する方法を採ることもできる。
この方法としては例えば、(1)中間層中に光沢層用塗工液の不動化を促進する様なゲル化剤を配合しておく、(2)中間層上に光沢層用塗工液の不動化を促進する様なゲル化剤を塗工・含浸させる、(3)光沢層用塗工液を塗工した後、光沢層用塗工液の不動化を促進する様なゲル化剤を表面に塗工・含浸させる、(4)光沢層用塗工液中に塗工液が乾燥する過程で不動化が促進されるようなゲル化剤を配合しておくことが挙げられる。この様なゲル化剤としては、光沢層用塗工液中の接着剤の架橋剤である、ほう酸、ぎ酸等およびそれらの塩、アルデヒド化合物、エポキシ化合物等が挙げられる。上記の方式の内、ウェットキャスト法を採用する場合、中間層上に光沢層用塗工液を塗工し、鏡面ドラム上に圧接し乾燥するまでの時間をなるべく短くした方が、光沢層用塗工液の浸透が抑えられるため、光沢が発現しやすい。さらに、中間層面が鏡面ドラムに圧接される直前に、圧接ロール(プレスロール)上の中間層面と鏡面ドラム間に光沢層用塗工液を付与して直ちに圧接する方式(ニップキャスト方式と称する)が、光沢層用塗工液の浸透が極力抑えられ、少ない塗工量で良好な光沢、印字品位が得られ易く、特に好ましい。本発明は、この光沢ロールに接するようにプレスロールでプレスして塗工する方法により、光沢層は形成される。
木材パルプ(LBKP;ろ水度440mlCSF)100部、填料(炭酸カルシウム/タルク=75/25)15部、市販サイズ剤(サイズパインE−50、荒川化学社製)0.04部、硫酸バンド(北陸化成社製)0.45部、澱粉(リョウセイKH−1000、王子コーンスターチ社製)1.00部、歩留向上剤88ppmよりなる製紙材料を使用し、長網抄紙機にて坪量170g/m2の紙基材を製造した。この紙基材のステキヒトサイズ度は140秒であった。また、厚さは195μmであった。
(カチオン性微細顔料A)
市販気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、平均1次粒子径15nm、比表面積300m2/g、トクヤマ社製)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均2次粒子径80nmからなる10%分散液を調製した。前記分散液にカチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績社製)を10部(シリカ固形分100部に対して)添加し、顔料の凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を繰り返し、平均2次粒子径300nmからなる8%分散液を調製し、カチオン性微細顔料Aを得た(平均1次粒子径は15nmのまま)。
市販沈降法シリカ(商品名:ファインシールX−45、平均1次粒子径10nm、平均2次粒子径4.5μm、トクヤマ社製)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均2次粒子径80nmからなる10%分散液を調製した。前記分散液にカチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績社製)10部(シリカ固形分100部に対して)を添加し、顔料の凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を繰り返し、平均2次粒子径250nmからなる8%分散液を調製し、カチオン性微細顔料Bを得た(平均1次粒子径は10nmのまま)。
市販ゲル法シリカ(商品名:ニップジェルAZ600、平均1次粒子径10nm、比表面積300m2/g、日本シリカ社製)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均2次粒子径80nmからなる10%分散液を調製した。前記分散液にカチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績社製)10部(シリカ固形分100部に対して)を添加し、顔料の凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を繰り返し、平均2次粒子径400nmからなる8%分散液を調製し、カチオン性微細顔料Cを得た(平均1次粒子径は10nmのまま)。
市販気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、平均1次粒子径15nm、比表面積300m2/g、トクヤマ社製)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均2次粒子径80nmからなる10%分散液を調製した。前記分散液にカチオン性化合物として、5員環アミジン構造を有するカチオン性化合物(商品名:ハイマックスSC−700、分子量:30万、ハイモ社製)10部(シリカ固形分100部に対して)を添加し、顔料の凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を繰り返し、平均2次粒子径300nmからなる8%分散液を調製し、カチオン性微細顔料Dを得た(平均1次粒子径は15nmのまま)。
市販沈降法シリカ(商品名:ファインシールX−45、平均1次粒子径10nm、平均2次粒子径4.5μm、トクヤマ社製)をサンドグラインダーにより水分散粉砕し、平均2次粒子径1800nmからなる10%分散液を調製した。前記分散液にカチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績社製)10部を添加し、顔料の凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、粉砕分散し、平均2次粒子径18000nmからなる8%分散液を調製し、カチオン性顔料Aを得た(平均1次粒子径は10nmのまま)。
合成非晶質シリカ(商品名:ファインシールX−45、平均2次粒子径4.5μm、平均1次粒子径10nm、トクヤマ社製)の水分散液を用い、圧力式ホモジナイザー(商品名:超高圧式ホモジナイザーGM−1、SMT社製)を用いて粉砕の操作を繰り返し(加圧49×106Pa)、シリカスラリーAを得た。処理後の分散液中のシリカの平均2次粒子径(平均凝集粒子径)は50nm、固形分濃度は12%であった(平均1次粒子径は15nmのまま)。
合成非晶質シリカ(商品名:Nipsil LP、平均2次粒子径9μm、平均1次粒子径16nm、日本シリカ工業社製)の水分散液を用い、圧力式ホモジナイザー(商品名:超高圧式ホモジナイザーGM−1、SMT社製)を用いて粉砕の操作を繰り返し(加圧49×106Pa)、シリカスラリーBを得た。処理後の分散液中のシリカの平均2次粒子径は600nm、固形分濃度は12%であった(平均1次粒子径は16nmのまま)。
紙基材上に、下記下塗り層用塗工液を、乾燥質量で9g/m2になるように、エアーナイフコーターで塗工、乾燥した。次に、エアナイフコーター、乾燥装置を有するキャスト塗工装置を用い、先ず上記の下塗り層上に下記中間層用塗工液を、乾燥質量で4g/m2になるように、エアーナイフコーターで塗工して、乾燥装置で乾燥した。続いて、下記光沢層用塗工液の塗工、乾燥が、光沢ロールに接するようにプレスロールでプレスしてなされ、インクジェット記録用紙を得た。このときの光沢層の塗工量は、固形分質量で2g/m2であった。
合成非晶質シリカ(商品名:ファインシールX−30、トクヤマ社製、平均2次粒子径3.2μm)100部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA R1115、クラレ社製)20部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA145、クラレ社製)5部、蛍光染料(商品名:WhitexBPSH、住友化学社製)2部。
[中間層用塗工液](部は固形分質量部を示す)
カチオン性微細顔料A100部、水性ポリウレタン樹脂としてポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D、ガラス転移点:−12℃、第一工業製薬社製)40部からなる塗工液を調製した。
ガラス転移点100℃のアクリルエマルジョンとコロイダルシリカとの複合体エマルジョン(商品名:アクアブリッド906、ダイセル社製、アクリルエマルジョンとコロイダルシリカは質量比で20:80、コロイダルシリカの平均粒子径20〜30nm、エマルジョン粒子径40nm)100部、シリカスラリーA2.5部、カゼイン5部、増粘剤(商品名:ビスマルYK−1S、東邦化学工業社製)6部、離型剤(ステアリン酸)5部。
実施例1において、中間層用塗工液で、水性ポリウレタン樹脂としてポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D)の代わりに、ポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D−2、ガラス転移点:43℃、第一工業製薬社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例1において、中間層用塗工液で、水性ポリウレタン樹脂としてポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D)の代わりに、ポリエーテル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:スーパーフレックス600、ガラス転移点:70℃、第一工業製薬社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例1において、中間層用塗工液で、水性ポリウレタン樹脂としてポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D)の代わりに、ポリカーボネート系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:スーパーフレックス650、ガラス転移点:−17℃、第一工業製薬社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例3において、中間層用塗工液で、カチオン性微細顔料Aの代わりに、カチオン性微細顔料Bを用いた以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例3において、中間層用塗工液で、カチオン性微細顔料Aの代わりに、カチオン性微細顔料Cを用いた以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例3において、中間層用塗工液で、カチオン性微細顔料Aの代わりに、カチオン性微細顔料Dを用いた以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例1において、中間層用塗工液で、カチオン性微細顔料Aの代わりに、カチオン性微細顔料Dを用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例7
実施例4において、中間層用塗工液で、カチオン性微細顔料Aの代わりに、カチオン性微細顔料Dを用いた以外は、実施例4と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例1において、中間層用塗工液で、ポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D)40部の代わりに、ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ社製)10部を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例1において、中間層用塗工液で、ポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D)40部の代わりに、ポリビニルピロリドン(商品名:PVP K−90、BASF社製)10部を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例1において、中間層用塗工液で、ポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D)40部の代わりに、でんぷん(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)10部を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
下記光沢層用塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
[光沢層用塗工液](部は固形分質量部を示す)
ガラス転移点100℃のアクリルエマルジョン(商品名:BL936、ライオン社製)20部、上記シリカスラリーB80部、上記シリカスラリーA2.5部、カゼイン5部、増粘剤(商品名:ビスマルYK−1S、東邦化学工業社製)6部、離型剤(ステアリン酸)5部。
下記中間層用塗工液および下記光沢層用塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
[中間層用塗工液](部は固形分質量部を示す)
シリカスラリーB100部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ社製)10部からなる塗工液を調製した。
[光沢層用塗工液](部は固形分質量部を示す)
ガラス転移点100℃のアクリルエマルジョンとコロイダルシリカとの複合体エマルジョン(商品名:アクアブリッド906、ダイセル社製、アクリルエマルジョンとコロイダルシリカは質量比で20:80、コロイダルシリカの平均粒子径20〜30nm、エマルジョンの粒子径は40nm)100部、前記シリカスラリーA2.5部、カゼイン5部、増粘剤(商品名:ビスマルYK−1S、東邦化学工業社製)6部、離型剤(ステアリン酸)5部、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績社製)10部。
紙基材上に、下記下塗り層用塗工液を、乾燥質量で15g/m2になるように、エアーナイフコーターで塗工、乾燥した。次に、エアナイフコーター、乾燥装置、ロールコーターを有するキャスト塗工装置を用い、先ず上記の下塗り層上に下記中間層用塗工液を、乾燥質量で3g/m2になるように、エアーナイフコーターで塗工して、乾燥装置で乾燥した。続いて、光沢層用塗工液を、上記中間層上に、ロールコーターで塗工し、直ちに、表面温度が100℃の鏡面ドラムに圧接し、乾燥後、離型させ、インクジェット記録用紙を得た。このときの光沢層の塗工量は、固形分質量で、2g/m2であった。
合成非晶質シリカ(商品名:ファインシールX−60、トクヤマ社製、平均2次粒子径6.0μm、平均1次粒子径15nm)80部、ゼオライト(商品名:トヨビルダー、トーソー社製、平均粒子径1.5μm)20部、シリル変性ポリビニルアルコール(商品名:R1130、クラレ社製)20部、ガラス転移点75℃のスチレン−2−メチルヘキシルアクリレート共重合体と粒子径30nmのコロイダルシリカとの複合体エマルジョン(共重合体とコロイダルシリカは質量比で40:60、エマルジョンの平均粒子径は80nm)40部、蛍光染料(WhitexBPSH;住友化学社製)2部。
[中間層用塗工液](固形分濃度13%、部は固形分質量部を示す)
シリカスラリーA100部、カチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績社製)10部、ポリエーテル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:スーパーフレックス600、第一工業製薬社製)30部
[光沢層用塗工液](固形分濃度10%、部は固形分質量部を示す)
シリカスラリーA100部、カチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績社製)25部、ポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D、第一工業製薬社製)60部、離型剤(ステアリン酸アミド)2部。
下記中間層用塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
[中間層用塗工液](部は固形分質量部を示す)
ゲル法シリカ(商品名:サイロジェットP612、平均1次粒子径10nm、平均2次粒子径7.5μm、グレースデビソン社製)100部、ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ社製)10部からなる塗工液を調製した。
下記中間層用塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
[中間層用塗工液](部は固形分質量部を示す)
シリカスラリーA100部、水性ポリウレタン樹脂としてポリエーテル系水性ポリウレタン樹脂(商品名:スーパーフレックス600、ガラス転移温度:70℃、第一工業製薬社製)40部からなる塗工液を調製した。
下記中間層用塗工液を用いた以外は、実施例5と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
[中間層用塗工液](部は固形分質量部を示す)
ポリエーテル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:スーパーフレックス600)の代わりに、酢酸ビニル−エチレン系エマルジョン(商品名:スミカフレックスS−300、ガラス転移温度:8℃、住友化学工業製)を用いた以外は、実施例7と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
比較例12
実施例3において、中間層用塗工液で、カチオン性微細顔料Aの代わりに、カチオン性顔料Aを用いた以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
実施例1の中間層用塗工液中の構成成分と同一の成分を同一配合量で含むが、混合順序を下記に示した中間層用塗工液の作製を試みたが、顔料、水性ウレタン樹脂、およびカチオン性化合物から成る凝集体を微細粉砕できなかった。
[中間層用塗工液](部は固形分質量部を示す)
市販気相法シリカ(商品名:レオロシールQS−30、平均1次粒子径15nm、比表面積300m2/g、トクヤマ社製)をサンドグラインダーにより水分散粉砕した後、ナノマイザー(商品名:ナノマイザー、ナノマイザー社製)を用いて、粉砕分散を繰り返し、分級後、平均2次粒子径80nmからなる10%分散液を調製した。
前記分散液にカチオン性化合物として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体(商品名:PAS−J−81、日東紡績社製)10部(シリカ固形分100部に対して)、および水性ポリウレタン樹脂としてポリエステル系カチオン性水性ポリウレタン樹脂(商品名:F−8570D、ガラス転移点:−12℃、第一工業製薬社製)44部(シリカ固形分100部に対して)を添加し、シリカ、カチオン性化合物、および水性ポリウレタン樹脂の凝集と、分散液の増粘を起こさせた後、再度ナノマイザーを用いて、粉砕分散を試みたが、凝集が強固なためと考えられるが、微細粉砕することが出来なかった。
(ブラック印字濃度)
インクジェットプリンタPM950C(エプソン社製)を用いて、ブラックインクでベタ印字を行ない、印字部分の印字濃度をマクベス反射濃度計RD−914(マクベス社製)で測定。
インクジェットプリンタPM950C(エプソン社製)を用いて、ブラックインク、シアンインクおよびマゼンタインクのそれぞれについて、濃度80%の印字を行ない、印字部分の印字濃度をマクベス反射濃度計RD−914(マクベス社製)で測定。
インクジェットプリンタPM950C(エプソン社製)を用いて、シアンインクとマゼンタインクの2色混合のベタ印字を行ない、印字ムラ(濃淡ムラ)を目視にて評価した。
○:印字ムラは全く認められず、優れたレベル。
△:印字ムラがややあり、実用上やや問題となるレベル。
×:印字ムラが著しく、実用上重大な問題となるレベル。
インクジェットプリンタPM950C(エプソン社製)を用いて、シアンインクとマゼンタインクの2色混合のベタ印字を行ない、ベタ印字部につきインク乾燥性を評価した。
○:印字直後に指で触れてもまったく汚れない。
△:印字直後に指で触れると若干汚れ、実用上やや問題となるレベル。
×:印字直後に指で触れると汚れが著しく、実用上重大な問題となるレベル。
インクジェットプリンタPM950C(エプソン社製)を用いて、混色黒(濃度80%)の印字を行ない、印字部分の境界から印字のにじみを目視で評価した。
○:印字のにじみは全く認められず、優れたレベル。
△:印字のにじみがややあり、実用上やや問題となるレベル。
×:印字のにじみが著しく、実用上重大な問題となるレベル。
JIS−P8142に準じてインクジェット記録用紙表面の20°光沢を測定した。
インクジェット記録用紙表面の光沢感、平滑感を目視により評価した。
◎:極めて優れる。
○:優れる。
△:やや劣る。
×:劣る。
インクジェットプリンタPM950C(エプソン社製)を用いて印字を行なった。評価用画像は、「高繊維カラーディジタル標準画像データ(ISO/JIS−SCID)、日本規格協会発行」のN1A、ポートレートを使用した。この印字物をキセノン灯式FADE−O−METER(ATLAS ELECTRIC DEVICES Co.社製、モデル:CI35F)を用い、63℃、相対湿度50%の条件で50時間連続処理した。未処理の画像と比較し、耐光性のレベルを下記のように評価した。
○:殆ど退色しなかった。
△:退色し、色バランスが崩れているが、使用可能なレベル。
×:退色し、色バランスが大きく崩れている。使用不可能なレベル。
インクジェットプリンタPM950C(エプソン社製)を用いて印字を行なった。評価用画像は、「高繊維カラーディジタル標準画像データ(ISO/JIS−SCID)、日本規格協会発行」のN1A、ポートレートを使用した。この印字物をプラスチックケース内に入れ、2.5ppmのオゾン濃度になるようにオゾンガスを充満して密閉し、4時間放置した。処理後の印字物を取り出し、未処理の画像と比較して、耐オゾン性のレベルを下記のように評価した。
◎:殆ど退色しなかった。
○:僅かに退色が認められた。
△:退色し、色バランスが崩れているが、使用可能なレベル。
×:退色し、色バランスが大きく崩れている。使用不可能なレベル。
インクジェットプリンタPM950C(エプソン社製)を用いて印字を行なった。評価用画像は、「高繊維カラーディジタル標準画像データ(ISO/JIS−SCID)、日本規格協会発行」のN1A、ポートレートを使用した。この印字物を40℃90%RHの環境下で3日間放置後の印字にじみを目視で評価した。
◎:殆ど変化なかった。
○:若干の色変化が認められるが、にじみは発生せず細部まで確認できた。
△:色変化がはっきり認められ、細部がにじみで若干つぶれ気味になった。
×:全体ににじみが認められた。使用不可レベル。
◎:問題なく操業できた。
○:光沢ロールまたは鏡面ドラムの曇りが、やや発生するが問題なく操業できた。
△:低スピードではあるが、操業可能なレベル。
×:離型性不良により、ドラムピックが発生し、操業不可。
Claims (5)
- 基材と、前記基材上に、顔料および接着剤を含有する少なくとも1層の中間層、前記中間層上に顔料および接着剤を含有する光沢層、を順次設けるインクジェット記録用紙の製造方法において、
(1)前記中間層の顔料が、ヒュームドシリカを用いた、平均1次粒子径が3nm以上40nm以下、平均2次粒子径10nm以上1000nm以下であるカチオン性微細顔料であり、且つ、該カチオン性微細顔料は、シリカをカチオン性樹脂で処理したものであり、
(2)前記中間層の接着剤が、少なくとも1種の水性ポリウレタン樹脂を含有し、且つ、前記微細顔料100質量部に対して10〜100質量部を含有し、
(3)前記中間層が、カチオン性微細顔料に、接着剤として水性ポリウレタン樹脂を加えた塗工液を塗工した層であり、
(4)前記光沢層の顔料が、平均粒子径3nm以上100nm以下のコロイダルシリカであり、
(5)前記光沢層が、コロイダルシリカと接着剤を含有する塗液を、光沢ロールに接するようにプレスロールでプレスして塗工され、乾燥された層であることを特徴とするインクジェット記録用紙の製造方法。 - 前記カチオン性樹脂が、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、アクリルアミド−ジアリルアミン共重合体の塩酸塩、ジシアンジアミド−ポリエチレンアミン共重合体および5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
- 前記カチオン性樹脂が、5員環アミジン構造を有するカチオン性樹脂である請求項1又は2記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
- 光沢層表面の20°光沢度(JIS−P8142)が45%以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
- 前記基材と前記中間層との間に、顔料および接着剤を含有する少なくとも1層の下塗り層を設けた請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録用紙の製造方法。
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