JP2000085242A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JP2000085242A
JP2000085242A JP10256472A JP25647298A JP2000085242A JP 2000085242 A JP2000085242 A JP 2000085242A JP 10256472 A JP10256472 A JP 10256472A JP 25647298 A JP25647298 A JP 25647298A JP 2000085242 A JP2000085242 A JP 2000085242A
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JP
Japan
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coating layer
ink jet
jet recording
cast
silica
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JP10256472A
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English (en)
Inventor
Masahiro Morie
正博 森江
Shinichi Asano
晋一 浅野
Shunichiro Mukoyoshi
俊一郎 向吉
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光沢性に極めて優れ、印字濃度、記録画質等の
インクジェット記録適性に優れたインクジェット記録用
紙を提供する。 【解決手段】基材に顔料および接着剤を含有するキャス
ト塗工層を設けたインクジェット記録用紙において、キ
ャスト塗工層中の前記顔料が、(1)1次粒子の平均粒
子径が3nm以上40nm以下で、2次粒子の平均粒子
径が10nm以上400nm以下であるシリカ微細粒子
および(2)平均粒子径が200nm以下のコロイダル
シリカを含有することを特徴とするインクジェット記録
用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用紙に関し、特に光沢に優れ、インクジェット記録適
性に優れたインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタによる記録は、
騒音が少なく、高速記録が可能であり、かつ、多色化が
容易なために多方面で利用されている。インクジェット
記録用紙としては、インク吸収性に富むように工夫され
た上質紙や、表面に多孔性顔料を塗工した塗工紙等が適
用されている。ところで、これらの用紙はすべて表面光
沢の低い、いわゆるマット調のインクジェット記録用紙
が主体であるため、表面光沢の高い、優れた外観を持つ
インクジェット記録用紙が要望されている。一般に、表
面光沢の高い用紙としては、表面に板状顔料を塗工し、
さらに必要に応じてキャレンダー処理を施した高光沢を
有する塗工紙、あるいは湿潤塗工層を鏡面を有する加熱
ドラム面に圧着、乾燥することにより、その鏡面を写し
取ることによって得られる、いわゆるキャスト塗工紙が
知られている。このキャスト塗工紙はスーパーキャレン
ダー仕上げされた通常の塗工紙に比較して高い表面光沢
とより優れた表面平滑性を有し、優れた印刷効果が得ら
れることから、高級印刷物等の用途に専ら利用されてい
るが、インクジェット記録用紙に利用した場合、種々の
難点を抱えている。
【0003】すなわち、一般に従来のキャスト塗工紙
は、例えばUS5275846号に開示されている。そ
の塗工層を構成する顔料組成物中の接着剤等の成膜性物
質がキャストコーターの鏡面ドラム表面を写し取ること
により高い光沢を得ている。他方、この成膜性物質の存
在によって塗工層の多孔性が失われ、インクジェット記
録時のインクの吸収を極端に低下させる等の問題を抱え
ている。そして、このインク吸収性を改善するには、キ
ャスト塗工層がインクを容易に吸収できるようにポーラ
スにしてやることが重要であり、そのためには成膜性を
減ずることが必要となるが、成膜性物質の量を減らすこ
とにより、結果として白紙光沢が低下する。以上の如
く、キャスト塗工紙の表面光沢とインクジェット記録適
性の両方を同時に満足させることは極めて困難であっ
た。上記問題を解決する方法として、顔料および接着剤
を主成分とする記録層を設けた原紙上に、エチレン性不
飽和結合を有するモノマーを重合させてなる40℃以上
のガラス転移点を有する共重合体組成物を主成分とする
塗工液を塗工してキャスト用塗工層を形成せしめ、該キ
ャスト用塗工層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ド
ラムに圧接、乾燥して仕上げることにより、優れた光沢
とインク吸収性を兼ね備えるインクジェット記録用キャ
スト紙が得られることを本発明者等は見出し、特開平7-
89220 号として提案した。ところが、近年インクジェッ
ト記録の高速化、記録画像の高精細化、フルカラー化と
いった用途の拡大に伴い、さらに強光沢かつ高画質、高
記録濃度の品質が望まれてきており、例えば銀塩方式の
写真用印画紙に匹敵する様な光沢、記録品質が求められ
ているが、このような要求を満たすには、先に提案した
技術を使用しても達成が困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光沢性に極
めて優れ、印字濃度、記録画質等のインクジェット記録
適性に優れたインクジェット記録用紙を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の態様を含
む。 [1]基材に顔料および接着剤を含有するキャスト塗工
層を設けたインクジェット記録用紙において、キャスト
塗工層中の前記顔料が、(1)1次粒子の平均粒子径が
3nm以上40nm以下で、2次粒子の平均粒子径が1
0nm以上400nm以下であるシリカ微細粒子および
(2)平均粒子径が200nm以下のコロイダルシリカ
を含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。 [2]基材とキャスト塗工層の間に、顔料および接着剤
を含有する下塗り層を少なくとも1層設けたことを特徴
とする[1]記載のインクジェット記録用紙。 [3]キャスト塗工層が、カチオン性化合物を含有する
ことを特徴とする[1]または[2]記載のインクジェ
ット記録用紙。 [4]下塗り層が、カチオン性化合物を含有せず、キャ
スト塗工層が、カチオン性化合物を含有することを特徴
とする[2]記載のインクジェット記録用紙。 [5]コロイダルシリカが、カチオン性コロイダルシリ
カであることを特徴とする[3][4]記載のインクジ
ェット記録用紙。 [6]キャスト塗工層が、基材にあるいは下塗り層を設
けた後キャスト塗工層用塗工液を塗工し、該キャスト塗
工層が湿潤状態にある間に、あるいは乾燥後再湿潤した
後、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げてな
ることを特徴とする[2]〜[5]記載のインクジェッ
ト記録用紙。 [7]下塗り層の顔料が、非晶質シリカ、アルミナ、ゼ
オライトの少なくとも一種を含有することを特徴とする
[2]〜[6]記載のインクジェット記録用紙。 [8]下塗り層が、エチレン性不飽和結合を有するモノ
マーを重合させてなる重合体樹脂とコロイダルシリカと
の複合体を含有することを特徴とする[2]〜[7]記
載のインクジェット記録用紙。 [9]基材上に顔料および接着剤を含有するキャスト塗
工層を設けるインクジェット記録用紙の製造方法におい
て、あるいは基材に顔料および接着剤を含有する下塗り
層を少なくとも1層設け、さらに該下塗り層上に顔料お
よび接着剤を含有するキャスト塗工層を設けるインクジ
ェット記録用紙の製造方法において、基材上にあるいは
該下塗り層を設け、次にキャスト塗工層用塗工液を塗工
し半乾燥した後、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥し
て仕上げるものであり、且つ該キャスト塗工層中の顔料
が(1)1次粒子の平均粒子径が3nm以上40nm以
下で、2次粒子の平均粒子径が10nm以上400nm
以下であるシリカ微細粒子および(2)平均粒子径が2
00nm以下の1次粒子よりなるコロイダルシリカを含
有することを特徴とするインクジェット記録用紙の製造
方法。 [10]半乾燥したキャスト塗工層用塗工液が、固形分
100重量部に対し水分を20〜400重量部含む
[9]記載の製造方法。 [11]キャスト塗工層中の顔料の50重量%以上が前
記シリカ微細粒子であり、5重量%以上50重量%以下
が前記コロイダルシリカである[1]または[2]記載
のインクジェット記録用紙。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いる基材としては、特
に限定されるものではなく、一般の塗工紙に使用される
酸性紙、あるいは中性紙等の紙基材が適宜使用される。
また透気性を有する樹脂シート類、合成紙も用いること
ができる。紙基材は木材パルプと必要に応じ顔料を主成
分として構成される。木材パルプは、各種化学パルプ、
機械パルプ、再生パルプ等を使用することができ、これ
らのパルプは、紙力、抄紙適性等を調整するために、叩
解機により叩解度を調整できる。パルプの叩解度(フリ
ーネス)は特に限定しないが、一般に250〜550m
l(CSF:JISP−8121)程度である。顔料は
不透明性等を付与したり、インク吸収性を調整する目的
で配合し、炭酸カルシウム、焼成カオリン、シリカ、酸
化チタン等が使用できる。この場合、配合量は1〜20
%程度が好ましい。多すぎると紙力が低下するおそれが
ある。助剤としてサイズ剤、定着剤、紙力増強剤、カチ
オン化剤、歩留り向上剤、染料、蛍光増白剤等を添加す
ることができる。さらに、抄紙機のサイズプレス工程に
おいて、デンプン、ポリビニルアルコール、カチオン樹
脂等を塗布・含浸させ、表面強度、サイズ度等を調整で
きる。サイズ度は1〜200秒程度が好ましい。サイズ
度が低いと、塗工時に皺が発生する等操業上問題となる
場合があり、高いとインク吸収性が低下したり、印字後
のカールやコックリングが著しくなる場合がある。基材
の坪量は、特に限定されないが、20〜400g/m2
程度である。
【0007】基材上には、直接キャスト塗工層を設けて
もよいが、インクの吸収容量、吸収速度を高める目的
で、下塗り層を設けるのが好ましい。基材上に設けられ
る下塗り層は、顔料と接着剤を主成分として構成され
る。 記録層中の顔料は、カオリン、クレー、焼成クレ
ー、非晶質シリカ(無定形シリカともいう)、合成非晶
質シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミ
ニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミ
ニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、合
成ゼオライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメ
クタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化
マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメ
ント、ハイドロタルサイト、尿素樹脂系プラスチックピ
グメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント
等、一般塗工紙製造分野で公知公用の各種顔料が1種も
しくはそれ以上、併用することが出来る。これらの中で
も、インク吸収性の高い無定形シリカ、アルミナ、ゼオ
ライトを主成分として使用するのが好ましい。
【0008】下塗り層接着剤としては、カゼイン、大豆
蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種
澱粉類、ポリビニルアルコール、カチオン性ポリビニル
アルコール、シリル変性ポリビニルアルコール等のポリ
ビニルアルコール類、カルボキシメチルセルロースやメ
チルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共
重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重
合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビ
ニル系重合体ラテックス、等一般に塗工紙用として用い
られている従来公知の接着剤が単独、あるいは併用して
用いられる。顔料と接着剤の配合割合は、その種類にも
よるが、一般に顔料100重量部に対し接着剤1〜10
0重量部、好ましくは2〜50重量部の範囲で調節され
る。その他、一般塗工紙の製造において使用される分散
剤、増粘剤、消泡剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤
が適宜添加される。下塗り層中には蛍光染料、着色剤を
添加することもできる。
【0009】下塗り層中には、インクジェット記録用イ
ンク中の染料成分を定着する目的で、カチオン性化合物
を配合することもできる。ただし、後で述べる様に、イ
ンク染料は下塗り層上に設けるキャスト塗工層にできる
だけ定着させた方が、印字(記録)濃度が高くなるため
好ましく、このためには、下塗り層中よりもキャスト塗
工層中にカチオン性化合物を多く配合するのが好まし
い。更に好ましくは、キャスト塗工層のみにカチオン性
化合物を配合し、下塗り層中にはカチオン性化合物が実
質的に存在しないのが良い。実質的に存在しないとは、
カチオン性界面活性剤等を助剤的に微量添加することは
除外される。キャスト塗工層のみにカチオン性化合物を
配合し、下塗り層中にはカチオン性化合物が実質的に存
在しない場合に、キャスト塗工層を設けた際の光沢が最
も発現し易い。
【0010】下塗り層中には、コロイダルシリカとエチ
レン性不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる重
合体樹脂との複合体を配合すると、キャスト塗工層を設
けた際の光沢がより発揮される。この理由は必ずしも明
らかではないが、前記複合体の存在が、下塗り層のイン
ク吸収性を維持したまま、キャスト塗工層用塗工組成物
の下塗り層への浸透を抑制するためと推定される。更に
その理由は不明であるがキャスト方式によりキャスト塗
工層を設けた場合のキャストドラムからの離型性が向上
する傾向がある。エチレン性不飽和結合を有するモノマ
ーを重合させてなる重合体樹脂としては、例えばメチル
アクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、2エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジル
アクリレート等のアルキル基炭素数が1〜18個のアク
リル酸エステル、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−
ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタク
リレート等のアルキル基炭素数が1〜18個のメタクリ
ル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、エチレン、ブタジ
エン等のエチレン性モノマーを重合して得られる重合体
が挙げられる。なお、重合体は、必要に応じて2種類以
上のエチレン性モノマーを併用した共重合体であっても
良いし、さらに、これら重合体あるいは共重合体の置換
誘導体でも良い。因みに、置換誘導体としては、例えば
カルボキシル基化したもの、またはそれをアルカリ反応
性にしたもの等が例示される。
【0011】コロイダルシリカとの複合化は、上記のエ
チレン性モノマーをシランカップリング剤等とコロイダ
ルシリカの存在下で重合させ、Si−O−R結合(R:
重合体成分)によって複合体にする、あるいは必要に応
じシラノール基等で変性した重合体樹脂とコロイダルシ
リカを反応させ、Si−O−R結合(R:重合体成分)
によって複合体にする方法が挙げられる。上記複合体の
重合体成分のTg(ガラス転移点)は特に限定しない
が、40℃以上が好ましく、50〜100℃の範囲がよ
り好ましい。Tgが低いと乾燥の際に成膜が進みすぎる
ためか、インクの吸収が遅くなりにじみが発生する場合
が生じる。さらに、その理由は不明であるが、Tgが4
0℃以上の場合、キャスト方式によりキャスト塗工層を
設けた場合のキャストドラムからの離型性がより向上す
る傾向がある。
【0012】上記材料をもって構成される下塗り層用組
成物は、一般に固形分濃度を5〜50重量%程度に調整
し、紙基材上に乾燥重量で2〜100g/m2 、好まし
くは5〜50g/m2 程度、更に好ましくは10〜20
g/m2 程度になるように塗工する。塗工量が少ない
と、インク吸収性が劣ったり、光沢層を設けた際に光沢
が十分に出なかったりする場合があり、多いと、印字濃
度が低下したり、塗工層の強度が低下し粉落ちや傷が付
き易くなる場合がある。下塗り層用組成物は、ブレード
コーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブ
ラシコーター、チャンプレックスコーター、バーコータ
ー、リップコーター、グラビアコーター、カーテンコー
ター等の各種公知公用の塗工装置により塗工、乾燥され
る。さらに、必要に応じて記録層の乾燥後にスーパーキ
ャレンダー、ブラシ掛け等の平滑化処理を施すこともで
きる。
【0013】本発明では、基材上にあるいは上記した顔
料と接着剤よりなる記録層上にさらにキャスト塗工層を
設ける。このキャスト塗工層は、顔料および接着剤を主
成分とする。顔料としては、(1)1次粒子の平均粒子
径が3nm以上40nm以下で、2次粒子の平均粒子径
が10nm以上400nm以下であるシリカ微細粒子お
よび、(2)平均粒子径が200nm以下のコロイダル
シリカを含有することを特徴とする。(1)のシリカ微
細粒子を使用することにより、印字品位(記録濃度、イ
ンク吸収性等)に優れ、ある程度光沢にも優れたものが
得られるが、(2)を併用することにより、印字品位を
低下させることなく極めて光沢に優れたものが得られ
る。まず、(1)のシリカ微細粒子について説明する。
本発明に用いるシリカ微細粒子の調整方法は特に限定す
るものではないが、例えば、一般的に市販されている合
成非晶質シリカ(例えば2次粒子径は数ミクロン程度の
もの)を機械的手段により強い力を与えて2次粒子径を
小さくすることにより得ることが出来る。この機械的手
段としては、超音波ホモジナイザー、圧力式ホモジナイ
ザー、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、
媒体攪拌ミル、ジェットミル、サンドグラインダー等が
あげられる。このようにして処理されたシリカ微細粒子
は、一般に固形分濃度が5〜20%程度の水分散体(ス
ラリーあるいはコロイド粒子)として得られる。本発明
でいう平均粒子径とは、電子顕微鏡(SEMとTEM)
で観察した粒子径である(1万〜40万倍の電子顕微鏡
写真を撮り、5cm四方中の粒子のマーチン径を測定
し、平均したもの。「微粒子ハンドブック」( 朝倉書
店) のP52、1991年等に記載されている。)。本
発明で用いるシリカ微細粒子(実質的に2次粒子が主
体)の平均粒子径は、10nm以上400nm以下であ
り、好ましくは、15nm以上150nm以下、より好
ましくは20nm以上100nm以下に調整される。シ
リカ微細粒子の2次粒子の平均粒子径が400nmを越
えると、キャスト塗工層の透明性が低下し、キャスト塗
工層中に定着された染料の発色性が低下し、所望とする
印字濃度が得られない。また、2次粒子の平均粒子径が
極めて小さいシリカ微細粒子を使用すると、インキ吸収
性が低下し、所望とする画像品位を得ることが出来な
い。
【0014】また、シリカ微細粒子の1次粒子の平均粒
径は、3nm以上40nm以下に調整する必要があり、
好ましくは5nm以上30nm以下、より好ましくは7
nm以上20nm以下である。1次粒子径の平均が3n
m未満になると1次粒子間の空隙が著しく小さくなり、
インキ中の溶剤やインキを吸収する能力が低下し、所望
とする画像品位を得ることが出来ない。また、1次粒子
径の平均が40nmを越えると、凝集した2次粒子が大
きくなり、キャスト塗工層の透明性が低下し、キャスト
塗工層中に定着された染料の発色性が低下し、所望とす
る印字濃度が得られない。
【0015】キャスト塗工層中の全顔料中におけるシリ
カ微細粒子の比率は、記録層の透明性、インク吸収性を
維持するために、50%以上が望ましい。全顔料中のシ
リカ微細粒子の比率が50%未満になると透明性が低下
する恐れがあり、印字濃度等の画像品位が低下する場合
もある。次に、(2)のコロイダルシリカについて説明
する。コロイダルシリカとは、一般に無水珪酸の超微粒
子(一次粒子)を水等の分散媒に分散せしめたコロイド
粒子のことを指す。コロイダルシリカは通常一次粒子の
単独分散体であるが、一次粒子が2 〜数10個線状に連結
したものの分散体である場合もある。コロイド溶液の分
散質の粒子径は一般に1nm〜100nmとされるが、
ここでは100nmを超えるもの(いわゆるシリカゾ
ル)も含めるものとする。尚、コロイダルシリカは一般
に真球状のものが多いが、鎖状あるいは数珠状等のもの
でも良く、特に限定しない。平均粒子径は200nm以
下である必要があり、好ましくは100nm以下、より
好ましくは50nm以下である。平均粒子径が200n
mを越えると、キャスト塗工層の透明性が低下し、キャ
スト塗工層中に定着された染料の発色性が低下し、所望
とする印字濃度が得られない。また、光沢向上の効果に
乏しく、逆に低下する場合も生じる。下記する様に、キ
ャスト塗工層にカチオン性化合物を配合する場合、コロ
イダルシリカとしてカチオン性コロイダルシリカを使用
するとカチオン性化合物との混和性に優れ好ましい。
尚、コロイダルシリカではない、通常の非晶質シリカ
は、一次粒子が3 次元的に多数集まり凝集体を形成して
おり、多孔構造になっている。キャスト塗工層中の全顔
料中におけるコロイダルシリカの比率は、5%以上50
%以下が望ましく、さらに好ましくは10%以上30%
以下である。5%未満では、光沢向上の効果に乏しく、
50%を超えて多いとインク吸収性が低下し、インクが
あふれたり滲んだりする場合が生じる。接着剤として
は、水溶性樹脂(例えばポリビニルアルコール、カチオ
ン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルア
ルコール等のポリビニルアルコール類、カゼイン、大豆
蛋白、合成蛋白質類、でんぷん、カルボキシルメチルセ
ルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体)、
スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート
−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテック
ス、スチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合
体ラテックス等の水分散性樹脂、水性アクリル樹脂、水
性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル樹脂等、その他
一般に塗工紙分野で公知公用の各種接着剤が単独あるい
は併用して使用される。接着剤の配合量は顔料100重
量部に対し1〜200重量部、より好ましくは10〜1
00重量部の範囲で調節される。ここで接着剤の量が少
ないと、塗工層の強度が弱くなり表面が傷つきやすくな
ったり、粉落ちが発生する場合がある。逆に接着剤の量
が多いと、インク吸収性が低下し、所望のインクジェッ
ト記録適性が得られなくなる場合がある。
【0016】キャスト塗工層には、インク中の染料成分
を定着させる目的で、カチオン性化合物を配合するのが
好ましい。配合の方法は、前記シリカ微細粒子に混合す
れば良いのだが、シリカ微細粒子は一般にアニオン性で
あり、混合の際凝集が起こる場合がある。この場合、一
般的に市販されている非晶質シリカ(数ミクロンの二次
粒子径を有する)を機械的手段により強い力を与えて微
細粒子にする際、処理前の非晶質シリカにカチオン性化
合物を一緒に混合分散してから機械的手段により分散・
粉砕するか、あるいは微細化したシリカ2次粒子分散体
にカチオン性化合物を混合し、一旦増粘・凝集させた
後、再度機械分散・粉砕して所望の凝集粒子径を調整す
る方法等をとることができる。
【0017】カチオン性化合物としては、カチオン性樹
脂や低分子カチオン性化合物(例えばカチオン性界面活
性剤等)が例示できる。印字濃度向上の効果の点ではカ
チオン性樹脂が好ましく、水溶性樹脂あるいはエマルジ
ョンとして使用できる。更にカチオン性樹脂を架橋等の
手段により不溶化し粒子状の形態としたカチオン性有機
顔料としても使用できる。このようなカチオン性有機顔
料は、カチオン性樹脂を重合する際、多官能性モノマー
を共重合し架橋樹脂とする、あるいは反応性の官能基
(水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アセトアセチル
基等)を有するカチオン性樹脂に必要に応じ架橋剤を添
加し、熱、放射線等の手段により架橋樹脂としたものが
例示できる。カチオン性化合物、特にカチオン性樹脂は
接着剤としての役割を果たす場合もある。
【0018】カチオン性樹脂は下記のものが例示でき
る。具体的には、1)ポリエチレンポリアミンやポリプ
ロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類
またはその誘導体、2)第2級アミン基や第3級アミン
基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、3)
ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン類、4)ジシア
ンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン
系カチオン樹脂、5)ジシアンジアミド−ジエチレント
リアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン樹
脂、6)エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合
物、7)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド−S
2 共重合物、8)ジアリルアミン塩−S02 共重合
物、9)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合
物、10)アリルアミン塩の重合物、11)ジアルキル
アミノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物、1
2)アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物等のカ
チオン性化合物。
【0019】カチオン性化合物は、さらに印字画像耐水
性を向上させる効果も有する。キャスト塗工層に配合す
るカチオン性化合物は特に限定しないが顔料100重量
部に対し、1〜100重量部、より好ましくは5〜50
重量部の範囲で使用することができる。配合量が少ない
と印字濃度向上の効果が得られにくく、多いと逆に印字
濃度が低下したり、画像のニジミが発生する恐れもあ
る。本発明でキャスト方式とは、塗工層を、平滑性を有
するキャストドラム(鏡面仕上げした金属、プラスチッ
ク、ガラス等のドラム)、鏡面仕上げした金属板、平滑
なプラスチックシートやフィルム、ガラス板等上で乾燥
し、平滑面を塗工層上に写し取ることにより、平滑で光
沢のある塗工層表面を得る方法である。平滑な面として
は、例えば表面粗さ(JIS B0601)Ra = 0.
5μm以下、より好ましくはRa = 0.05μm以下で
ある。キャスト塗工層を設ける方法としては、加熱した
鏡面ドラムを利用した製造法が好ましい態様であり、鏡
面ドラムの加熱温度は特に限定しないが、例えば40℃
〜150℃である。上記のキャスト塗工層用塗工液を基
材上または下塗り層上に塗工して、該塗工層が湿潤状態
にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上
げる方法(ウェットキャスト法)、あるいは一旦乾燥後
再湿潤した後加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕
上げる方法(リウェットキャスト法)等が例示できる。
一般にウェットキャスト法の方が光沢、インク吸収性に
優れるものとなり易く、リウェットキャスト法の方が生
産性に優れたものとなり易い。また加熱された鏡面ドラ
ムに直接キャスト塗工層用塗工液を塗工した後、下塗り
層を設けた基材の下塗り層面に圧接、乾燥して仕上げる
方法(プレキャスト法)も採用することができる。
【0020】さらに、上記のキャスト塗工層用塗工液を
基材上または下塗り層上に塗工して、このキャスト塗工
層をある程度乾燥し、半乾燥の状態にある間に、加熱さ
れた鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げると、均一な塗
工層が形成されやすく、印字濃度が高く、光沢の優れた
光沢層が得られ易いため特に好ましい。ここで半乾燥と
は、塗工層の流動性はほとんど無くなっているが、水分
は多く含んでいる状態を意味し、塗工層絶乾重量に対し
て20〜400%(即ち塗工層の絶乾重量100重量部
に対し20〜400重量部の水分を含む)程度とするの
が好ましく、より好ましくは50〜200%の範囲で調
整される。水分が少ないと鏡面ドラムに圧接した際の鏡
面の転写が不十分となり、十分に光沢が発揮されにく
い。多いと鏡面ドラムに圧接した際、塗工層が押しつぶ
され均一で十分な塗工量の塗工層が得られず、印字濃度
や光沢が不十分となり易い。さらに、塗工層が鏡面ドラ
ムに転移付着して光沢が低下したり、鏡面ドラムが汚れ
て操業上問題となるおそれが生じる。
【0021】キャスト塗工層用塗工液を基材上または下
塗り層上に塗工して、下塗り層が湿潤状態にある間に加
熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げる場合、均
一で十分な塗工量の塗工層を得る目的で、キャスト塗工
層用塗工液の不動化を促進する方法を採ることもでき
る。この方法としては例えば、(1)基材中または下塗
り層中にキャスト塗工層用塗工液の不動化を促進する様
なゲル化剤を配合しておく、(2)基材上または下塗り
層上にキャスト塗工層用塗工液の不動化を促進する様な
ゲル化剤を塗工・含浸させる、(3)キャスト塗工層用
塗工液を塗工した後、キャスト塗工層用塗工液の不動化
を促進する様なゲル化剤を表面に塗工・含浸させる、
(4)キャスト塗工層用塗工液中に塗工液が乾燥する過
程で不動化が促進されるようなゲル化剤を配合しておく
ことが挙げられる。この様なゲル化剤としては、キャス
ト塗工層用塗工液中の接着剤の架橋剤であるほう酸、ぎ
酸等およびそれらの塩、アルデヒド化合物、エポキシ化
合物等が挙げられる。キャスト塗工層用塗工組成物と同
様の組成物を、基材上または下塗り層上に塗工し乾燥ま
たは半乾燥した後、該塗工層上にさらにキャスト塗工層
用塗工組成物を塗工し、キャストドラム上で乾燥するこ
ともできる。
【0022】キャスト塗工層用塗工組成物中には白色
度、粘度、流動性等を調節するために、一般の印刷用塗
工紙やインクジェット用紙に使用されている顔料、消泡
剤、着色剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、防腐剤及び分散
剤、増粘剤等の各種助剤が適宜添加される。また、キャ
ストドラム等からの離型性を付与する目的で、離型剤を
添加することができる。前述したキャスト塗工層用塗工
液を下塗り層上に塗工する場合、ブレードコーター、エ
アーナイフコーター、ロールコーター、ブラシコータ
ー、チャンプレックスコーター、バーコーター、グラビ
アコーター等の各種公知の塗工装置が使用できる。キャ
スト塗工層の塗工量は、乾燥固形分で1〜30g/
2 、好ましくは1.5〜20g/m2 、より好ましく
は、3〜15g/m2 である。ここで、1g/m2 未満
では印字濃度や光沢が十分に出ない場合があり、30g
/m2 を越えて多いと効果は飽和し、乾燥に負担がかか
り操業性が低下する恐れがある。キャスト塗工層をキャ
スト仕上げにより設けた後で、さらにスーパーカレンダ
ー等により平滑化処理を行うこともできる。
【0023】本発明により、光沢およびインクジェット
記録適性に特に優れたインクジェット用紙が得られる理
由は、以下の如く考えられる。まず、印字品質を向上さ
せる理由について述べる。キャスト塗工層に使用するシ
リカ微細粒子の2次粒子径を小さくすると、キャスト塗
工層の透明性が増し、光沢層に保持されたインキの発色
が、より透明性の増したキャスト塗工層によって妨げら
れ難くなり、結果として、画像品位(印字濃度)が向上す
ると思われる。さらに、キャスト塗工層にカチオン性化
合物が含有される態様では、キャスト塗工層にインク中
の染料成分が選択的に定着されるため上記の効果がより
発現され好ましい。また、下塗り層の存在は、インクを
速やかに吸収する働きをするが、光沢層にカチオン性化
合物が含有され、且つ下塗り層中には実質的にカチオン
性化合物が含有されない態様では、キャスト塗工層はイ
ンク中の染料成分を選択的に定着し、下塗り層はインク
中の溶媒成分を速やかに吸収するためか、印字濃度と吸
収性に優れる。次に、光沢性が向上する理由について述
べる。キャスト塗工層はキャスト方式により設けるた
め、キャストドラムの平滑性が転写され、光沢に優れた
ものとなるのに加え、キャスト塗工層に使用するシリカ
微細粒子の2次粒子径が十分に小さいため、光の乱反射
が少なくキャスト塗工層表面の光沢は一層高いものとな
る。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ
重量部および重量%を示す。 「紙基材の作製」木材パルプ(LBKP;ろ水度500
mlCSF)100部、焼成カオリン(商品名:アンシ
レックス、エンゲルハードミネラル社製)10部、市販
サイズ剤0.05部、硫酸バンド1.5部、湿潤紙力剤
0.5部、澱粉0.75部よりなる製紙材料を使用し、
長網抄紙機にて坪量120g/m2 の紙基材を製造し
た。この紙基材のステキヒトサイズ度は10秒であっ
た。本発明の実施例、比較例ではすべてこの紙基材を用
いた。 「シリカ微細粒子の調製」 [シリカ微細粒子A]合成非晶質シリカ(トクヤマ社
製、商品名:ファインシールX−45、2次粒子径4.
5μm、1次粒子径15nm)の水分散液を用い、圧力
式ホモジナイザー(SMT社製、商品名:超高圧式ホモ
ジナイザーGM−1)を用いて粉砕の操作を繰り返した
(加圧500kg/cm2 )。処理後分散液中のシリカ
の平均2次粒子径は50nm、固形分濃度は12%であ
った(一次粒子径は15nmのまま)。 [シリカ微細粒子B]合成非晶質シリカ(日本シリカ工
業社製、商品名:Nipsil HD−2、2次粒子径
3μm、1次粒子径11nm)の水分散液を用い、圧力
式ホモジナイザー(SMT社製、商品名:超高圧式ホモ
ジナイザーGM−1)を用いて粉砕の操作を繰り返した
(加圧500kg/cm2 )。処理後の分散液中のシリ
カの平均2次粒子径は200nm、固形分濃度は12%
であった(1次粒子径は11nmのまま)。 [シリカ微細粒子C]合成非晶質シリカ(日本シリカ工
業社製、商品名:Nipsil LP、2次粒子径9μ
m、1次粒子径16nm)の水分散液を用い、圧力式ホ
モジナイザー(SMT社製、商品名:超高圧式ホモジナ
イザーGM−1)を用いて粉砕の操作を繰り返した(加
圧500kg/cm2 )。処理後の分散液中のシリカの
平均2次粒子径は500nm、固形分濃度は12%であ
った(1次粒子径は16nmのまま)。 「シリカ微細粒子とカチオン性化合物の混合」以下の実
施例、比較例で、上記したシリカ微細粒子A、Bまたは
Cとカチオン性化合物を混合する際は、両者を混合分散
後凝集が起こるが、さらに圧力式ホモジナイザー(SM
T社製、商品名:超高圧式ホモジナイザーGM−1)を
用いて粉砕し(加圧500kg/cm2 )、分散液中の
シリカの平均2次粒子径が、それぞれもとのシリカ微細
粒子の平均2次粒子径と同じになるまで処理した(一次
粒子径は粉砕分散してもかわらない)。
【0025】実施例1 紙基材上に、下記下塗り層用塗工液を、乾燥重量で12
g/m2 になるように、エアーナイフコーターで塗工、
乾燥した。次に、下記キャスト塗工層用塗工液を、上記
の下塗り層上にエアーナイフコーターで塗工し、冷風で
20秒乾燥し半乾燥状態にした後(塗工層絶乾固形分量
に対する水分率150%)、表面温度が100℃の鏡面
ドラムに圧接し、乾燥後、離型させ、光沢タイプのイン
クジェット記録用紙を得た。このときのキャスト塗工層
の塗工量は固形分重量で、6g/m2 であった。 [下塗り層用塗工液](固形分濃度17%、部は固形分
重量部を示す。) 合成非晶質シリカ(ファインシールX−45;トクヤマ
製、平均二次粒子径4.5μm、一次粒子径15nm)
80部、ゼオライト(トヨビルダー;トーソー製、平均
粒子径1.5μm)20部、シリル変性ポリビニルアル
コール(R1130;クラレ製)20部、ガラス転移点
75℃のスチレン−2メチルヘキシルアクリレート共重
合体と粒子径30nmのコロイダルシリカとの複合体エ
マルジョン(共重合体とコロイダルシリカは重量比で4
0:60、エマルジョンの粒子径は80nm)40部、
蛍光染料(WhitexBPSH;住友化学製)2部。
【0026】[キャスト塗工層用塗工液](固形分濃度
12%、部は固形分重量部を示す) シリカ微細粒子A80部、コロイダルシリカ(カチオン
性コロイダルシリカ;日産化学工業製、商品名;スノー
テックスAK、平均粒子径15nm)20部、ジアリル
ジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重
合体(カチオン性化合物:日東紡績社製、商品名;PA
S−J−81)10部、カチオン性水性ウレタン樹脂
(F−8564D;第一工業製薬製、Tg=73℃)2
5部、ステアリン酸アミド5部
【0027】実施例2 キャスト塗工層用塗工液において、シリカ微細粒子Aを
50部、コロイダルシリカ50部とした以外は、実施例
1と同様にして光沢タイプのインクジェット記録用紙を
得た。
【0028】実施例3 キャスト塗工層用塗工液において、シリカ微細粒子Aを
5部、コロイダルシリカ95部とした以外は、実施例1
と同様にして光沢タイプのインクジェット記録用紙を得
た。
【0029】実施例4 キャスト塗工層用塗工液において、シリカ微細粒子Aを
98部、コロイダルシリカ2部とした以外は、実施例1
と同様にして光沢タイプのインクジェット記録用紙を得
た。
【0030】実施例5 キャスト塗工層用塗工液において、シリカ微細粒子Aを
45部、コロイダルシリカ55部とした以外は、実施例
1と同様にして光沢タイプのインクジェット記録用紙を
得た。
【0031】実施例6 コロイダルシリカをアニオン性のコロイダルシリカであ
るスノーテックス30(日産化学工業製、平均粒子径1
5nm)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして光
沢タイプのインクジェット記録用紙を得た。
【0032】実施例7 コロイダルシリカをアニオン性のスノーテックスOL
(日産化学工業製、平均粒子径45nm)に置き換えた
以外は、実施例1と同様にして光沢タイプのインクジェ
ット記録用紙を得た。
【0033】実施例8 コロイダルシリカをアニオン性のコロイダルシリカであ
るスノーテックスZL(日産化学工業製、平均粒子径8
5nm)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして光
沢タイプのインクジェット記録用紙を得た。
【0034】実施例9 実施例1で用いたキャスト塗工層用塗工液において、シ
リカ微細粒子をAからBに変更した以外は、実施例1と
同様にして光沢タイプのインクジェット記録用紙を得
た。
【0035】比較例1 下記の光沢層用塗工液を使用した以外は、実施例1と同
様にして光沢タイプのインクジェット記録用紙を得た。
【0036】[キャスト塗工層用塗工液](固形分濃度
12%、部は固形分重量部を示す) シリカ微細粒子A100部、ジアリルジメチルアンモニ
ウムクロライド−アクリルアミド共重合体(カチオン性
化合物:日東紡績社製、商品名;PAS−J−81)1
0部、カチオン性水性ウレタン樹脂(F−8564D;
第一工業製薬製、Tg=73℃)25部、ステアリン酸
アミド5部
【0037】比較例2 実施例1で用いた光沢層用塗工液において、シリカ微細
粒子をAからCに変更した以外は、実施例1と同様にし
て光沢タイプのインクジェット記録用紙を得た。
【0038】比較例3 コロイダルシリカをアニオン性のコロイダルシリカであ
るMP−3040(日産化学工業製、平均粒子径300
nm)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして光沢
タイプのインクジェット記録用紙を得た。
【0039】比較例4 実施例1において下塗り層まで設けたものを用いた。
【0040】比較例5 紙基材をそのまま用いた。 比較例6 キャスト塗工層用塗工液において、シリカ微細粒子Aを
合成非晶質シリカ(ファインシールX−45;トクヤマ
製、平均二次粒子径4.5μm、一次粒子径15nm)
に変更した以外は、実施例1と同様にしてインクジェッ
ト記録用紙を得た。
【0041】この様にして得られたインクジェット記録
用紙のインクジェット記録適性、白紙光沢を表1にまと
めて示した。なお、上記の評価については下記の如き方
法で評価を行った。 [インクジェット記録適性]インクジェットプリンター
BJC420J(キヤノン(株)製)を用いて印字を行
なった。 (ベタ印字部の均一性)シアンインクとマゼンタインク
の2色混合のベタ印字部の印字ムラ(濃淡ムラ)を目視
にて評価した。 ○:印字ムラは見られず良好なレベル。 △:印字ムラがややあり、実用上やや問題となるレベ
ル。 ×:印字ムラが著しく、実用上重大な問題となるレベ
ル。 (印字ニジミ)ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー
の各色インクのベタ印字部を、境界部が互いに接する様
に印字し、境界でのニジミを目視にて評価した。 ○:ニジミは見られず良好なレベル。 ○−:ニジミが若干あるが、実用上問題とならないレベ
ル △:ニジミがやや目立ち、実用上やや問題となるレベ
ル。 ×:ニジミが著しく、実用上重大な問題となるレベル。 (インクの乾燥性)シアンインクとマゼンタインクの2
色混合のベタ印字部につきインクの乾燥性を評価した。 ○:印字直後に指で触れてもまったく汚れない。 △:印字直後に指で触れると若干汚れるものの、実用上
問題のないレベル。 ×:印字直後に指で触れると汚れる。 (インクジェット記録後の印字濃度)黒ベタ印字部分の
印字濃度をマクベスRD−914で測定。
【0042】〔光沢度〕JIS−P8142に準じて白
紙部の75°光沢を測定した。 〔目視外観〕光沢感、平滑感を目視により評価 ◎:極めて優れる。 ○:優れる。 △:やや劣る。 ×:劣る。
【0043】〔総合評価〕 印字品位、光沢を総合的に評価 5:極めて優れる。 4:優れる。 3:普通。 2:やや劣る。 1:劣る。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明は、インク乾燥性、外観、光沢性
に優れ、印字濃度、記録画質、ベタ均一性等のインクジ
ェット記録適性に優れたインクジェット記録用紙であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H086 BA12 BA33 BA34 BA45 BA46 4D075 AE03 CA35 CB04 DA04 DB18 DC27 EA02 EA35 EC03 EC11 EC53 EC54

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材に顔料および接着剤を含有するキャス
    ト塗工層を設けたインクジェット記録用紙において、キ
    ャスト塗工層中の前記顔料が、(1)1次粒子の平均粒
    子径が3nm以上40nm以下で、2次粒子の平均粒子
    径が10nm以上400nm以下であるシリカ微細粒子
    および(2)平均粒子径が200nm以下のコロイダル
    シリカを含有することを特徴とするインクジェット記録
    用紙。
  2. 【請求項2】基材とキャスト塗工層の間に、顔料および
    接着剤を含有する下塗り層を少なくとも1層設けたこと
    を特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】キャスト塗工層中の顔料の50重量%以上
    が前記シリカ微細粒子であり、5重量%以上50重量%
    以下が前記コロイダルシリカである請求項1または2記
    載のインクジェット記録用紙。
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