JPH1120301A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JPH1120301A
JPH1120301A JP9175460A JP17546097A JPH1120301A JP H1120301 A JPH1120301 A JP H1120301A JP 9175460 A JP9175460 A JP 9175460A JP 17546097 A JP17546097 A JP 17546097A JP H1120301 A JPH1120301 A JP H1120301A
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JP
Japan
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layer
calcium carbonate
gloss
ink
pigment
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JP9175460A
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English (en)
Inventor
Shinichi Asano
晋一 浅野
Masahiro Morie
正博 森江
Shiyunichirou Mukouyoshi
俊一郎 向吉
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】白紙部および印字部の光沢に優れ、印字濃度、
インク吸収性、記録画質等のインクジェット記録適性に
優れたインクジェット記録用紙を提供する。 【解決手段】基材上に顔料および接着剤を含有する記録
層を少なくとも1層設け、さらに該記録層上に樹脂およ
び顔料を含有する光沢層を設けたインクジェット記録用
紙において、光沢層の顔料が、一次粒子の平均粒子径が
0.05μm以下で、二次粒子の平均粒子径が0.5μ
m以下の微細炭酸カルシウムを含有することを特徴とす
るインクジェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録用紙に関し、特に白紙部および印字部の光沢に優れ、
インクジェット記録適性に優れたインクジェット記録用
紙に関する。
【従来の技術】
【0002】インクジェットプリンタによる記録は、騒
音が少なく、高速記録が可能であり、かつ、多色化が容
易なために多方面で利用されている。インクジェット記
録用紙としては、インキ吸収性に富むように工夫された
上質紙や、表面に多孔性顔料を塗工した塗工紙等が適用
されている。これらの用紙はすべて表面光沢の低い、い
わゆるマット調のインクジェット記録用紙が主体である
ため、表面光沢の高い、優れた外観を持つインクジェッ
ト記録用紙が要望されている。
【0003】一般に、表面光沢の高い用紙としては、表
面に板状顔料を塗工し、さらに必要に応じてキャレンダ
ー処理を施した光沢を有する塗工紙、あるいは湿潤塗工
層を鏡面を有する加熱ドラム面に圧着、乾燥することに
より、その鏡面を写し取ることによって得られる、いわ
ゆるキャスト塗工紙が知られている。このキャスト塗工
紙はスーパーキャレンダー仕上げされた通常の塗工紙に
比較して高い表面光沢とより優れた表面平滑性を有し、
優れた印刷効果が得られることから、高級印刷物等の用
途に専ら利用されているが、インクジェット記録用紙に
利用した場合、種々の難点を抱えている。すなわち、一
般に従来のキャスト塗工紙は、例えばUS527584
6号に開示されている。その塗工層を構成する顔料組成
物中の接着剤等の成膜性物質がキャストコーターの鏡面
ドラム表面を写し取ることにより高い光沢を得ている。
他方、この成膜性物質の存在によって塗工層の多孔性が
失われ、インクジェット記録時のインクの吸収を極端に
低下させる等の問題を抱えている。そして、このインク
吸収性を改善するには、キャスト塗工層がインクを容易
に吸収できるようにポーラスにしてやることが重要であ
り、そのためには成膜性を減ずることが必要となるが、
成膜性物質の量を減らすことにより、結果として白紙光
沢が低下する。以上の如く、キャスト塗工紙の表面光沢
とインクジェット記録適性の両方を同時に満足させるこ
とが極めて困難であった。
【0004】上記問題を解決する方法として、顔料およ
び接着剤を主成分とする下塗り層を設けた原紙上に、エ
チレン性不飽和結合を有するモノマーを重合させてなる
40℃以上のガラス転移点を有する共重合体樹脂を主成
分とする塗工液を塗工してキャスト用塗工層を形成せし
め、該キャスト用塗工層が湿潤状態にある間に加熱され
た鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げることにより、優
れた光沢とインク吸収性を兼ね備えるインクジェット記
録用キャスト紙が得られることを本発明者等は見出し、
特開平7-89220 号として提案した。ところで、近年イン
クジェット記録の高速化、記録画像の高精細化、フルカ
ラー化といった用途の拡大に伴い、さらに強光沢かつ高
画質、高記録濃度の品質が望まれてきており、例えば銀
塩方式の写真用印画紙に匹敵する様な光沢、記録品質が
求められているが、このような要求を満たすには、先に
提案した技術を使用しても達成が困難であるのが現状で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インクジェ
ット記録用紙に関し、特に白紙部および印字部の光沢に
優れ、印字濃度、インク吸収性、記録画質等のインクジ
ェット記録適性に優れたインクジェット記録用紙に関す
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の態様を含
む。 [1]基材上に顔料および接着剤を含有する記録層を少
なくとも1層設け、さらに該記録層上に樹脂および顔料
を含有する光沢層を設けたインクジェット記録用紙にお
いて、光沢層の顔料が、一次粒子の平均粒子径が0.0
5μm以下で、二次粒子の平均粒子径が0.5μm以下
の微細炭酸カルシウムを含有することを特徴とするイン
クジェット記録用紙。 [2]前記微細炭酸カルシウムのBET比表面積が30
2 /g以上であることを特徴とする[1]記載のイン
クジェット用紙。 [3]光沢層が前記微細炭酸カルシウムを全固形分中の
2重量%〜30重量%含有する[1]または[2]記載
のインクジェット用紙。 [4]光沢層が、光沢層用塗工液を塗工し、得られた塗
工層が湿潤状態にある間に、あるいは一旦乾燥し再湿潤
後、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げてな
ることを特徴とする請求項1、2または3記載のインク
ジェット記録用紙。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いる基材としては、特
に限定されるものではなく、一般の塗工紙に使用される
酸性紙、あるいは中性紙等の紙基材、合成紙、樹脂シー
トが適宜使用される。加熱した金属鏡面ドラムを押し付
けて光沢層を設ける方式のキャスト法で製造する態様で
は基材は蒸発する水分を透過させるために透気性のシー
ト類が好ましい。このような基材には、紙基材、透気性
を有する樹脂シートや合成紙が例示でき、特に紙基材が
好ましい。基材上に設ける記録層は、顔料と接着剤を主
成分として構成される。顔料としては、例えばカオリ
ン、クレー、焼成クレー、非晶質シリカ(無定形シリカ
ともいう)、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アル
ミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アル
ミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオライト、
セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイト、珪酸
マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、
珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂
系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラス
チックピグメント等、一般塗工紙製造分野で公知公用の
各種顔料が使用できるが、上記の顔料の中でも、塗工層
の構造をポーラスでインク吸収性の優れたものにする意
味で、非晶質シリカや酸化アルミニウム、ゼオライト、
合成スメクタイト等を少なくともその一部として使用す
るのが好ましい。
【0008】接着剤としては、カゼイン、大豆蛋白、合
成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、
ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコ
ール、シリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビ
ニルアルコール類、カルボキシメチルセルロースやメチ
ルセルロース等のセルロース誘導体等の水溶性接着剤、
スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート
−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテック
ス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体等のビニル系重合体ラテックス等の水分散性
接着剤、等一般に塗被紙用として用いられている従来公
知の接着剤が単独、あるいは併用して用いられる。なお
接着剤の配合量は限定しないが顔料100重量部に対
し、1〜100重量部、より好ましくは2〜50重量部
の範囲で調節される。ここで接着剤の量が少ないと、記
録層の強度が弱くなり表面が傷つきやすくなったり、粉
落ちが発生する場合がある。逆に接着剤の量が多いと、
インク吸収性が低下し、所望のインクジェット記録適性
が得られなくなる場合がある。
【0009】記録層には、カチオン性化合物を添加でき
る。これにより印字画像耐水性および印字濃度を向上さ
せることができる。カチオン性化合物は、顔料100重
量部に対し1〜100重量部、より好ましくは5〜50
重量部の範囲で使用することができる。配合量が少ない
と印字画像耐水性、印字濃度向上の効果が得られにく
く、多いと逆に印字濃度が低下したり、画像のニジミが
発生する場合がある。カチオン性化合物としては、カチ
オン性樹脂や低分子カチオン性化合物(例えばカチオン
性界面活性剤等)が挙げられる。印字濃度向上の効果の
点ではカチオン性樹脂が好ましく、水溶性樹脂あるいは
エマルジョンとして使用できる。更にカチオン性樹脂を
架橋等の手段により不溶化し粒子状の形態としたカチオ
ン性有機顔料としても使用できる。このようなカチオン
性顔料は、カチオン樹脂を重合する際、多官能性モノマ
ーを共重合し架橋樹脂とする、あるいは反応性の官能基
(水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アセトアセチル
基等)を有するカチオン樹脂に必要に応じ架橋剤を添加
し、熱、放射線等の手段により架橋樹脂としたものであ
る。カチオン性化合物、特にカチオン性樹脂は接着剤と
しての役割を果たす場合もある。
【0010】カチオン性樹脂は下記のものが例示でき
る。具体的には、1)ポリエチレンポリアミンやポリプ
ロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類
またはその誘導体、2)第2級アミン基や第3級アミン
基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、3)
ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン類、4)ジシア
ンジアミド−ホルマリン重縮合物、ジシアンジアミド-
ジエチレントリアミン重縮合物、ポリアルキレンポリア
ミン類とジシアンジアミドの共重合体等のジシアンジア
ミド系樹脂、5)エピクロルヒドリン−ジメチルアミン
付加重合物、6)ジメチルジアリルアンモニウムクロラ
イド−S02 共重合物、7)ジアリルアミン塩−S02
共重合物、8)ジメチルジアリルアンモニウムクロライ
ド重合物、9)アリルアミン塩の重合物、10)ジアル
キルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物、
11)アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物等の
カチオン性化合物。
【0011】その他、一般塗工紙の製造において使用さ
れる分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防
腐剤等の各種助剤が適宜添加される。上記材料をもって
構成される記録層用組成物は、一般に固形分濃度を5〜
65重量%程度に調整し、坪量が約20〜400g/m
2 程度の基材上に乾燥重量で1〜50g/m2 程度、好
ましくは2〜20g/m2 程度になるようにブレードコ
ーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラ
シコーター、チャンプレックスコーター、バーコータ
ー、グラビアコーター等の各種公知公用の塗工装置によ
り塗工、乾燥される。さらに、必要に応じて記録層の乾
燥後にスーパーキャレンダー、ブラシ掛け等の平滑化処
理を施すこともできる。
【0012】上記した顔料と接着剤よりなる記録層上に
さらに光沢層を設ける。この光沢層は、樹脂および微細
炭酸カルシウムを主成分として構成される。微細炭酸カ
ルシウムは、一次粒子径の平均粒子径が0.05μm以
下である。下限はないが例えば0.005μm程度であ
り、より好ましい範囲は0.01〜0.03μmであ
る。二次粒子径の平均粒子径は0.5μm以下であり、
下限は特にないが例えば0.04μmであり、好ましい
範囲は0.1〜0.3μmのものである。本発明で用い
る微細炭酸カルシウムは、例えば2次凝集した炭酸カル
シウムを微細化処理して得られる。炭酸カルシウムとし
ては、石灰石を焼成し、水を加えて得られた石灰乳に、
炭酸ガスを加えて得られる、一般的に軽質炭酸カルシウ
ムと呼ばれているものを使用する。一般的に炭酸カルシ
ウムは、立方形や紡錘形のカルサイト、柱状形のアラゴ
ナイト、粒状形のパテライトなどに分類される。
【0013】本発明で用いられる微細炭酸カルシウム
は、例えば上記軽質炭酸カルシウムを機械的手段で強い
力を与えることにより得ることが可能である。つまり、
breaking down法(塊状原料を細分化する
方法)によって得られる。機械的手段としては、超音波
ホモジナイザー、圧力式ホモジナイザー、ナノマイザ
ー、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒
体攪拌ミル、ジェットミル、ボールミル、サンドグライ
ンダー等による処理が挙げられる。得られる微細粒子は
コロイド粒子であってもスラリーであってもよい。ま
た、この時使用する微細炭酸カルシウムであるが、BE
T比表面積が30m 2 /g以上が好ましい。上限は特に
ないが、例えば800 m2 /g程度である。より好ましく
は60〜200m2 /gであり、インクジェット方式の
印字の際のインキの吸収性が向上する。微細炭酸カルシ
ウムの使用量は限定しないが、光沢層の全固形分に対
し、例えば2重量%〜30重量%である。少ないと、光
沢性や印字品位の向上が小さい場合がある。また、多く
ても逆に光沢性や印字品位が低下する場合がある。微細
炭酸カルシウム以外の顔料を配合することもでき、この
場合も透明性や光沢を低下させないために、粒径の小さ
い、例えば0.3μm程度以下のものを選択するのが好
ましい。このような顔料としては、コロイダルシリカ、
アルミナゾル、シリカゾル等が挙げられる。
【0014】樹脂としては、ポリビニルアルコール類、
水性ウレタン樹脂、エチレン性不飽和結合を有するモノ
マーを重合してなる重合体樹脂が例示できる。特にエチ
レン性不飽和結合を有するモノマー(以下エチレン性モ
ノマーという)を重合してなる重合体樹脂が好適に使用
され、この様な重合体としては、例えばメチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2エ
チルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレ
ート等のアルキル基炭素数が1〜18個のアクリル酸エ
ステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレー
ト等のアルキル基炭素数が1〜18個のメタクリル酸エ
ステル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、N
−メチロールアクリルアミド、エチレン、ブタジエン等
のエチレン性モノマーを重合して得られる重合体樹脂が
挙げられる。エチレン性不飽和結合を有するモノマーを
重合してなる重合体樹脂はガラス転移温度のコントロー
ルがし易く、コロイダルシリカとの複合化が容易に行え
る。
【0015】なお、重合体樹脂は、必要に応じて2種類
以上のエチレン性モノマーを併用した共重合体であって
も良いし、さらに、これら重合体あるいは共重合体の置
換誘導体でも良い。因みに、置換誘導体としては、例え
ばカルボキシル基化したもの、またはそれをアルカリ反
応性にしたもの等が例示される。また、上記のエチレン
性モノマーをコロイダルシリカの存在下で重合させ、S
i−O−R(R:重合体成分)結合によって複合体にな
った形、あるいは上記重合体または共重合体にSiOH
基等のコロイダルシリカと反応するような官能基を導入
しておき、コロイダルシリカと反応させて複合体になっ
た形で使用することも可能である。この複合体を使用し
た場合、光沢、インク吸収性に優れたものとなりやす
く、更に後述するキャスト方式を用いた際に、キャスト
ドラム(鏡面ドラム)からの剥離性に優れたものとなり
易い。
【0016】平滑にして鏡面とした金属ドラムを加熱し
て用いたキャスト法により光沢層を設ける態様では、上
記の共重合体樹脂は、そのガラス転移点が40℃以上の
ものが好ましい。上限は特にないが、例えば150℃で
あり、50〜100℃の範囲であるものがより好まし
い。ガラス転移点が低いと加熱・乾燥の際に成膜が進み
すぎ、表面の多孔性が低下する結果、インクの吸収速度
が低下するおそれが生じる。また、乾燥温度(キャスト
ドラム温度)が重要であり、乾燥温度が高すぎると成膜
が進みすぎ、表面の多孔性が低下する結果、インクの吸
収速度が低下し、逆に乾燥温度が低すぎると、光沢に乏
しくなる傾向が有り、生産性も低下する。乾燥温度(キ
ャストドラム温度)は、共重合体樹脂のガラス転移温度
のもよるが、50〜150℃程度であり、好ましくは7
0〜120℃程度である。光沢層はインクが速やかに通
過できるよう、光沢を阻害しない範囲で多孔性もしくは
通液性にするのが好ましい。このようにするためには、
光沢を落とさない範囲で、樹脂が完全に成膜しないよう
な乾燥条件を選択すると良い。
【0017】本発明では光沢層を設ける方法としては、
記録層上に上記の光沢層用塗工液を塗工して、乾燥後に
スーパーカレンダー等により平滑化処理を施すこともで
きる。ただし、該塗工層が湿潤状態にある間に加熱され
た鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げる方法(ウェット
キャスト方式)、あるいは該塗工層を一旦乾燥し再湿潤
後、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げる方
法(リウェットキャスト方式)が、優れた光沢とインク
吸収性を兼ね備えるインクジェット記録用紙が得られる
ため好ましい。加熱された鏡面ドラムに光沢層用塗工液
を直接塗工して、該塗工層がある程度湿潤状態にある間
に記録層を予め設けた基材に圧接、乾燥して仕上げる方
法(プレキャスト方式)を採用することもできる。さら
に、平滑なフィルムやシート上に光沢層用塗工液を塗工
して、該塗工層あるいは、貼り合せようとする記録層面
がある程度湿潤状態にある間に、基材に圧接、乾燥した
後平滑なフィルムやシートを圧着して剥離して仕上げる
方法(フィルム転写方式)を採用することもできる。
【0018】光沢層用塗工組成物中には、光沢層でのイ
ンク染料の定着性を向上させ印字濃度を上げる目的で、
カチオン性化合物を配合することもできる。カチオン性
化合物としては、記録層に添加できるものとして例示し
たものが使用できる。尚、光沢層用塗工組成物中には白
色度、粘度、流動性等を調節するために、一般の印刷用
塗工紙やインクジェット用紙に使用されている顔料、消
泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤及び分散剤、増粘剤
等の各種助剤が適宜添加される。前述した光沢層用塗工
液を記録層上に塗工する場合、ブレードコーター、エア
ーナイフコーター、ロールコーター、ブラシコーター、
チャンプレックスコーター、バーコーター、グラビアコ
ーター等の各種公知の塗工装置が使用できる。また、好
ましくは前述したように塗工層が湿潤状態にある間に、
あるいは一旦乾燥し再湿潤後加熱された鏡面ドラムに圧
接、乾燥してキャスト仕上げを行う。光沢層用塗工液の
塗工量は、乾燥固形分で0.2〜30g/m2 、好まし
くは1〜10g/m2 である。ここで、0.2g/m2
未満では光沢が十分に出ない場合があり、30g/m2
を越えて多いとインク乾燥性が劣ったり、記録濃度が低
下する恐れがある。 尚、上記のようにして光沢層を設
けた後で、さらにスーパーカレンダー等により平滑化処
理を行うこともできる。
【0019】本発明により、光沢およびインクジェット
記録適性に特に優れたインクジェット用紙が得られる理
由は、必ずしも明らかではないが、以下の如く考えられ
る。まず、印字品質を向上させる理由であるが、光沢層
に使用する超微細炭酸カルシウムの一次粒子径が小さい
ため、光沢層の透明性が増し、この光沢層の下層にある
記録層に保持されたインキの発色が、より透明性の増し
た光沢層によって妨げられ難くなるため、印字品位(印
字濃度)が向上すると思われる。その上、本発明で用い
る炭酸カルシウムは二次粒子の形を取っているため、顔
料自体に細孔が有り、この細孔を通して、インキ吸収を
行なえるため、インキの吸収性の低下が起こりにくく、
印字の吸収性低下等に起因する印字ムラや印字部の境界
にじみなどが起こりにくくなると考えられる。
【0020】次に、光沢性を向上させる理由としては、
光沢層中に炭酸カルシウムのような顔料があると、記録
層の上に光沢層を塗工する際、光沢層中の炭酸カルシウ
ムが記録層表面を覆い、光沢層の樹脂成分が記録層へ吸
収されにくくする効果が得られ、平滑性、光沢性が向上
すると考えられる。上記のような理由が考えられるた
め、微細化処理を施していない比較的粒子径の大きな炭
酸カルシウムや他の顔料を光沢層中に配合した場合、光
沢層の透明性を低下させ、印字品位を低下させてしまう
恐れがあるため添加する場合でも少量にすることが好ま
しい。また、比較的粒子径が小さく透明性が高い顔料と
して、コロイダルシリカ、アルミナゾル等が知られてい
るが、これらを光沢層中に配合したとしても、粒子その
ものが、二次粒子の形をとっていないためインクの吸収
性の向上効果が小さく、結果として、本発明の微細炭酸
カルシウムのような印字品位の向上効果が得られないと
考えられる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ
重量部および重量%を示す。 実施例1 顔料として非晶質シリカ( 一次粒子径15nm,2次粒子径5
μm 、商品名、ファインシールX−45 株トクヤマ
製) 50部、ゼオライト( 平均粒径1.5 μm 、商品名ト
ヨビルダー 株東ソー製) 50部、接着剤として、シリ
ル変性ポリビニルアルコール( R1130 クラレ株
製) 20部、カチオン性樹脂としてジシアンジアミド系
樹脂( ネオフィックスE117 日華化学株製) 10
部、分散剤として、ポリ燐酸ソーダ0.5部を添加し、
固形分濃度18%の記録層用塗工液を調成した。この記
録層用塗工液を、米坪100g/m2 の原紙の片面に、
乾燥重量で10g/m2 になるように、エアーナイフコ
ーターで塗工、乾燥した。一方、ガラス転移点75℃の
スチレン−2メチルヘキシルアクリレート共重合体とコ
ロイダルシリカの複合体(共重合体とコロイダルシリカ
は、重量比で50:50)100部、微細炭酸カルシウ
ム( 一次粒子径0.02μm、二次粒子径0.2μm、
BET比表面積100m2 /g サンプル名;CPL4
10−6米庄石灰工業株製) 20部、増粘・分散剤とし
てアルキルビニルエーテル・マレイン酸誘導体共重合体
5部、離型剤としてレシチン3部よりなる固形分濃度が
25%の光沢層用塗工液を調製した。この光沢層用塗工
液を上記の記録層上にロールコーターを用いて塗工した
後、ただちに表面温度が85℃の鏡面ドラムに圧接し、
乾燥後、離型させ、光沢タイプのインクジェット記録用
紙を得た。このときの光沢層の塗工量は固形分重量で、
8g/m2 であった。
【0022】実施例2 実施例1の光沢層用塗工液に用いる微細炭酸カルシウム
の量を100部にする以外は、実施例1と同様にして、
光沢タイプインクジェット用紙を得た。 実施例3 実施例1の光沢層用塗工液に用いる微細炭酸カルシウム
として、一次粒子径0.02μm、二次粒子径0.4μ
m、BET比表面積100m2 /gのものを使用する以
外は、実施例1と同様にして、光沢タイプインクジェッ
ト用紙を得た。
【0023】実施例4 実施例1の光沢層用塗工液に用いる微細炭酸カルシウム
として、一次粒子径0.05μm、二次粒子径0.2μ
m、BET比表面積50m2 /gの特徴を持つもの( サ
ンプル名CPL−404 米庄石灰工業株製) を使用す
る以外は、実施例1と同様にして、光沢タイプインクジ
ェット用紙を得た。
【0024】実施例5 顔料として非晶質シリカ(商品名、ファインシールX−
45 株トクヤマ製)50部、ゼオライト( 商品名トヨ
ビルダー 株東ソー製) 50部、接着剤として、シリル
変性ポリビニルアルコール( R1130 クラレ株製)
20部、カチオン性樹脂としてジシアンジアミド系樹脂
( ネオフィックスE117 日華化学株製) 10部、分
散剤として、ポリ燐酸ソーダ0.5部を添加し、固形分
濃度18%の記録層用塗工液を調成した。この記録層用
塗工液を、米坪100g/m2 の原紙の片面に、乾燥重
量で10g/m2 になるように、エアーナイフコーター
で塗工、乾燥した。一方、ガラス転移点75℃のスチレ
ン−2メチルヘキシルアクリレート共重合体とコロイダ
ルシリカの複合体(共重合体とコロイダルシリカは、重
量比で50:50)100部、微細炭酸カルシウム( 一
次粒子径0.02μm 、二次粒子径0.2μm 、BET
比表面積100m2 /g サンプル名;CPL410−
6米庄石灰工業株製) 20部、増粘・分散剤としてアル
キルビニルエーテル・マレイン酸誘導体共重合体5部、
離型剤としてレシチン3部よりなる固形分濃度が25%
の光沢層用塗工液を調製した。この光沢層用塗工液を上
記の記録層上に乾燥重量で8g/m2 になるようにグラ
ビアコーターで塗工した後、80℃で乾燥した。引き続
きスーパーカレンダー処理を施し、光沢タイプのインク
ジェット用紙を得た。
【0025】比較例1 実施例1の光沢層用塗工液に用いる微細炭酸カルシウム
の量を0部とする以外は、実施例1と同様にして、光沢
タイプインクジェット用紙を得た。 比較例2 実施例1の光沢層用塗工液に用いる微細炭酸カルシウム
として、一次粒子径0.06μm、二次粒子径0.2μ
m、BET比表面積100m2 /gの特徴を持つものを
使用する以外は、実施例1と同様にして、光沢タイプイ
ンクジェット用紙を得た。
【0026】比較例3 実施例1の光沢層用塗工液に用いる微細炭酸カルシウム
として、一次粒子径0.02μm、二次粒子径0.7μ
m、BET比表面積100m2 /gの特徴を持つものを
使用する以外は、実施例1と同様にして、光沢タイプイ
ンクジェット用紙を得た。 比較例4 実施例1の光沢層用塗工液に用いる微細炭酸カルシウム
の代わりに、炭酸カルシウム( 商品名ブリリアントS1
5 一次粒子径0.1μm、二次粒子径0.2μm、B
ET比表面積11.5m2 /g白石カルシウム株製) を
使用する以外は、実施例1と同様にして、光沢タイプイ
ンクジェット用紙を得た。
【0027】比較例5 実施例1の光沢層用塗工液に用いる微細炭酸カルシウム
の代わりに、コロイダルシリカ( 商品名ST−20L;
平均粒子径0.045μm(一次粒子の分散体)、日産
化学社製) を使用する以外は、実施例1と同様にして、
光沢タイプインクジェット用紙を得た。
【0028】この様にして得られたインクジェット記録
用紙のインクジェット記録適性、白紙光沢を表1にまと
めて示した。なお、上記の評価については下記の如き方
法で評価を行った。 [インクジェット記録適性]インクジェットプリンター
BJC600J(キヤノン(株)製)を用いて印字を行
なった。 (ベタ印字部の均一性)シアンインクとマゼンタインク
の2色混合のベタ印字部の印字ムラ(濃淡ムラ)を目視
にて評価した。 ○:印字ムラは見られず良好なレベル。 △:印字ムラはほとんど無く、実用上問題とならないレ
ベル。 ×:印字ムラが著しく、実用上重大な問題となるレベ
ル。
【0029】(インクの乾燥性)シアンインクとマゼン
タインクの2色混合のベタ印字部につきインクの乾燥性
を評価した。 ○:印字直後に指で触れてもまったく汚れない。 ×:印字直後に指で触れると汚れる。 (インクジェット記録後の印字濃度)黒ベタ印字部分の
印字濃度をマクベスRD−914で測定。 〔白紙光沢および印字光沢〕JIS−P8142に準じ
て白紙部および黒ベタ印字部の75°光沢を測定した。
【0030】
【表1】
【0031】
【本発明の効果】本発明は、インクジェット記録用紙に
関し、特に白紙部および印字部の光沢に優れ、印字濃
度、インク吸収性、記録画質等のインクジェット記録適
性に優れたインクジェット記録用紙である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に顔料および接着剤を含有する記録
    層を少なくとも1層設け、さらに該記録層上に樹脂およ
    び顔料を含有する光沢層を設けたインクジェット記録用
    紙において、光沢層の顔料が、一次粒子の平均粒子径が
    0.05μm以下で、二次粒子の平均粒子径が0.5μ
    m以下の微細炭酸カルシウムを含有することを特徴とす
    るインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】前記微細炭酸カルシウムのBET比表面積
    が30m2 /g以上であることを特徴とする請求項1記
    載のインクジェット用紙。
  3. 【請求項3】光沢層が前記微細炭酸カルシウムを全固形
    分中の2重量%〜30重量%含有する請求項1または2
    記載のインクジェット用紙。
  4. 【請求項4】光沢層が、光沢層用塗工液を塗工し、得ら
    れた塗工層が湿潤状態にある間に、あるいは一旦乾燥し
    再湿潤後、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上
    げてなることを特徴とする請求項1、2または3記載の
    インクジェット記録用紙。
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