JP2005212327A - インクジェット記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 支持体上に、顔料及び水系バインダー樹脂を含有するインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、前記顔料はコロイダルシリカと気相法シリカを含み、前記コロイダルシリカは一次粒子径が10nm以上50nm以下でかつ一次粒子径に対する二次粒子径の比が1.5から3.0であり、前記気相法シリカは比表面積が130m2/g〜300m2/gであり、かつ、前記インク受容層面の75度鏡面光沢度が50%以上である。インク受容層はキャストコート法によって支持体上に設けることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
従って本発明では銀塩写真並の高い光沢感を有し、かつ染料インクのみならす顔料インクでインクジェット記録を行った場合においても印字濃度の高いインクジェット記録媒体を得ることを目的とする。
従って、本発明の上記目的は支持体上に、少なくとも顔料及び水系バインダー樹脂を含有する塗工液を塗布してインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、前記顔料はコロイダルシリカと気相法シリカを含み、前記コロイダルシリカは一次粒子径が10nm以上50nm以下でかつ一次粒子径に対する二次粒子径の比が1.5から3.0であり、前記気相法シリカは比表面積が130m2/g〜300m2/gであり、かつ、前記インク受容層面の75度鏡面光沢度が50%以上であることを特徴とするインクジェット記録媒体によって達成された。
また、水系バインダーはポリビニルアルコール及び/又はその誘導体であることが好ましい。さらにインク受容層面の像鮮明度が20%以上であることが好ましく、インク受容層はキャストコート法によって支持体上に設けられることが好ましい。
本発明で使用される支持体としては紙、布、樹脂フィルム、樹脂被覆紙等のシート状のものを好ましく使用することができるが、好ましくは紙(塗工紙、未塗工紙等)を用いる。前記紙の原料パルプとして、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。また、 前記紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。また、紙中に填料を含有させると、紙の不透明度が向上する傾向があるため、填料を含有させることが好ましく、填料としては、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。
本発明におけるインク受容層は顔料と水系バインダー樹脂を主成分とし、顔料としては以下に示すコロイダルシリカと気相法シリカとを含有する。
なお、一次粒子径(BET法で測定)や二次粒子径(動的光散乱法で測定)はコロイダルシリカの製造条件によりコントロールできる。このようなコロイダルシリカとしては、扶桑化学工業社製の商品名クォートロンを上げることができる。
<実施例1>
叩解度285mlの広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)100部からなるパルプスラリ−にタルク10重量部、硫酸アルミニウム1.0重量部、合成サイズ剤0.1重量部、歩留向上剤0.02重量部を添加した支持体を抄紙機で抄紙するに際し、デンプンを両面に片面当り固形分で2.5g/m2となるように塗布して、坪量170g/m2の原紙を得た。この原紙に塗工液Aをブレードコーターで片面に塗工量が8g/m2となるように塗工して140℃で送風乾燥した。次いでさらに塗工液Aを塗工した面にロールコーターで塗工液Bを20g/m2塗工し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、凝固液Cを用いて、凝固させ、次いでプレスロールを介して加熱された鏡面仕上げ面に圧着して鏡面を写し取り、198g/m2のインクジェット記録媒体を得た。
塗工液B:顔料として、平均一次粒子径が15nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.7のコロイダルシリカ(クォートロンPL−1:扶桑化学工業社製の商品名)を50部、比表面積が130m2/gの気相法シリカ(アエロジル130:日本アエロジル株式会社製)を50部、バインダーとして重合度3500のポリビニールアルコール(PVA235:クラレ株式会社製の商品名)を5部、消泡剤0.2部を配合して濃度20%の塗工液を調整した。
凝固液C: 硼砂2%、ホウ酸2%(硼砂/ホウ酸の質量比=1/1、Na2B4O
7およびH3BO3換算で計算)、離型剤(FL−48C:東邦化学工業社製)0.2%を配合して凝固液を調整した。
実施例1において、塗工液Bの顔料として、平均一次粒子径が23nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.2のコロイダルシリカ(クォートロンPL−2:扶桑化学工業社製の商品名)を70部、比表面積が200m2/gの気相法シリカ(アエロジル200V:日本アエロジル株式会社製)を30部、バインダーとして重合度2600のポリビニールアルコール(MA26GP:信越化学株式会社製の商品名)を10部、消泡剤0.2部を配合して濃度22%の塗工液を調整した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
実施例2において、塗工液Bのバインダーとして、重合度1700のポリビニールアルコール(PVA617:クラレ株式会社製の商品名)を20部とした以外は実施例2と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
実施例1において、塗工液Bの顔料として、平均一次粒子径が23nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.2のコロイダルシリカ(クォートロンPL−2:扶桑化学工業社製の商品名)を60部、比表面積が200m2/gの気相法シリカ(アエロジル200V:日本アエロジル株式会社製)を40部、バインダーとして重合度500のポリビニールアルコール(PVA105:クラレ株式会社製の商品名)を15部、重合度2600のポリビニールアルコール(MA26GP:信越化学株式会社製の商品名)を15部、消泡剤0.2部を配合して濃度24%の塗工液を調整した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
実施例1において、塗工液Bの顔料として、平均一次粒子径が23nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.2のコロイダルシリカ(クォートロンPL−2:扶桑化学工業社製の商品名)を95部、比表面積が300m2/gの気相法シリカ(アエロジル300:日本アエロジル株式会社製)を5部、バインダーとして重合度2600のポリビニールアルコール(MA26GP:信越化学株式会社製の商品名)を5部、消泡剤0.2部を配合して濃度20%の塗工液を調整した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
実施例4において、塗工液Bの顔料として、平均一次粒子径が23nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.2のコロイダルシリカ(クォートロンPL−2:扶桑化学工業社製の商品名)を50部、比表面積が200m2/gの気相法シリカ(レオロシールQS−102:株式会社トクヤマ社製)を50部として濃度24%の塗工液を調整した以外は実施例4と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
実施例3において、比表面積が200m2/gの気相法シリカ(レオロシールQS−102:株式会社トクヤマ社製)を30部とした以外は実施例3と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
実施例1において、塗工液Aの塗工をせずに、次いで塗工液Bの顔料として、平均一次粒子径が35nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.0のコロイダルシリカ(クォートロンPL−3:扶桑化学工業社製の商品名)を50部、比表面積が300m2/gの気相法シリカ(アエロジル300:日本アエロジル株式会社製)を50部、バインダーとして重合度500のポリビニールアルコール(PVA105:クラレ株式会社製の商品名)を35部、消泡剤0.2部を配合して濃度22%の塗工液を調整し、塗工量を25g/m2として、実施例1と同様にして195g/m2のインクジェット記録媒体を得た。
実施例2において、塗工液Bの顔料として、平均一次粒子径が23nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.2のコロイダルシリカ(クォートロンPL−2:扶桑化学工業社製の商品名)を70部、比表面積が200m2/gの気相法シリカ(アエロジル200V:日本アエロジル株式会社製)を30部、バインダーとして重合度2600のポリビニールアルコール(MA26GP:信越化学株式会社製の商品名)を3部、消泡剤0.2部を配合して濃度23%の塗工液を調整した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
実施例7の塗工液Bにおいて:顔料として、平均一次粒子径が23nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.2のコロイダルシリカ(クォートロンPL−2:扶桑化学工業社製の商品名)を70部、比表面積が200m2/gの気相法シリカ(レオロシールQS−102:株式会社トクヤマ社製)を30部、バインダーとして重合度500のポリビニールアルコール(PVA105:クラレ株式会社製の商品名)を40部、消泡剤0.2部を配合して濃度24%の塗工液を調整した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
実施例1において塗工液Bを、顔料として、平均一次粒子径が23nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.2のコロイダルシリカ(クォートロンPL−2:扶桑化学工業社製の商品名)を100部、バインダーとして重合度500のポリビニールアルコール(PVA105:クラレ株式会社製の商品名)を5部、消泡剤0.2部を配合して濃度23%の塗工液を調整した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
実施例1において、塗工液Bの顔料として、比表面積が200m2/gの気相法シリカ(アエロジル200V:日本アエロジル株式会社製)を100部、バインダーとして重合度2600のポリビニールアルコール(MA26GP:信越化学株式会社製の商品名)を10部、消泡剤0.2部を配合して濃度12%の塗工液を調整した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
実施例3において、塗工液Bの顔料を、平均一次粒子径が52nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.2のコロイダルシリカ(クォートロンPL−5:扶桑化学工業社製の商品名)を70部、比表面積が200m2/gの気相法シリカ(アエロジル200V:日本アエロジル株式会社製)を30部、バインダーとして重合度1700のポリビニールアルコール(PVA617:クラレ株式会社製の商品名)を20部、消泡剤0.2部を配合して濃度23%の塗工液を調整した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
実施例3において、塗工液Bの顔料を、平均一次粒子径が70nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.2のコロイダルシリカ(クォートロンPL−7:扶桑化学工業社製の商品名)を70部、比表面積が200m2/gの気相法シリカ(アエロジル200V:日本アエロジル株式会社製)を30部、バインダーとして重合度1700のポリビニールアルコール(PVA617:クラレ株式会社製の商品名)を20部、消泡剤0.2部を配合して濃度23%の塗工液を調整した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
実施例2の塗工液Bにおいて、顔料として、平均一次粒子径が23nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.2のコロイダルシリカ(クォートロンPL−2:扶桑化学工業社製の商品名)を70部、比表面積が270m2/gの沈降法シリカ(ファインシールX−37:株式会社トクヤマ社製)を30部、バインダーとして重合度2600のポリビニールアルコール(MA26GP:信越化学株式会社製の商品名)を20部、消泡剤0.2部を配合して濃度24%の塗工液を調整した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
実施例2の塗工液Bにおいて、顔料として、平均一次粒子径が23nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.2のコロイダルシリカ(クォートロンPL−2:扶桑化学工業社製の商品名)を70部、比表面積が330m2/gのゲル法シリカ(ミズカシルP50:水沢化学株式会社製)を30部、バインダーとして重合度2600のポリビニールアルコール(MA26GP:信越化学株式会社製の商品名)を20部、消泡剤0.2部を配合して濃度24%の塗工液を調整した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
実施例1において、塗工液Bの顔料として、平均一次粒子径が35〜40nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.8〜5.0の数珠状のコロイダルシリカ(スノーテックスST−PS−M:日産化学工業社製の商品名)を70部、比表面積が200m2/gの気相法シリカ(レオロシールQS−102:株式会社トクヤマ社製)を30部、バインダーとして重合度2600のポリビニールアルコール(MA26GP:信越化学株式会社製の商品名)を10部、消泡剤0.2部を配合して濃度22%の塗工液を調整した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
比較例7おいて、塗工液Bの顔料として、平均一次粒子径が25nmで、二次粒子/一次粒子径の比が11.1の房状のコロイダルシリカ(スノーテックスST−PS−M:日産化学工業社製の商品名)を70部、比表面積が200m2/gの気相法シリカ(レオロシールQS−102:株式会社トクヤマ社製)を30部、バインダーとして重合度2600のポリビニールアルコール(MA26GP:信越化学株式会社製の商品名)を10部、消泡剤0.2部を配合して濃度22%の塗工液を調整した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
比較例7おいて、塗工液Bの顔料として、平均一次粒子径が10〜20nmの球状のコロイダルシリカ(スノーテックスST−30:日産化学工業社製の商品名)を70部、比表面積が200m2/gの気相法シリカ(レオロシールQS−102:株式会社トクヤマ社製)を30部、バインダーとして重合度2600のポリビニールアルコール(MA26GP:信越化学株式会社製の商品名)を10部、消泡剤0.2部を配合して濃度22%の塗工液を調整した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
(1)操業性
キャストコーターで塗工する際の、キャストドラム表面の汚れを目視で評価した
○:キャストドラム表面の汚れが無いもの
△:キャストドラム表面が僅か曇る
×:キャストドラム表面に塗工層の一部が付着している
キャストコート紙表面の光沢感を下記の基準で評価した。
△:75度鏡面光沢度が50%以上でかつ像鮮明度が20〜40%のもの
×:75度鏡面光沢度が50%以下で、像鮮明度が20%以下のもの
・JIS P8142に準じて、75度鏡面光沢度の測定:光沢度計(村上色彩技術研究所製、True GLOSS GM-26PRO)を用いて、75度鏡面光沢度を測定した。
・像鮮明度: JIS K7105に準じて、写像性測定器(型番:ICM−1DP、スガ試験機株式会社製)を用いて測定した。測定角度を60度、くし幅2mmの条件で、紙のMD方向を測定した。
記録試験は染料インクを用いたインクジェットプリンター(PM―950C:エプソン株式会社製の商品名)および顔料インクを用いたインクジェットプリンター(PM−4000PX:エプソン株式会社製の商品名)を用いて所定のパターンを記録し、下記の基準によって評価した。
a、インク吸収性(ブリーディング)
赤と緑の混色べた部の境界で滲みを目視で評価した。
○:色の境界部が明瞭に分かれているもの
△○:色の境界部で、若干滲みがあるもののうち滲みが小さいもの
△:色の境界部で、若干滲みがあるもののうち、滲みの程度が比較的大きいもの
×:色の境界部で、滲みが非常に大きいもの
b、鮮やかさ
記録画像部の鮮やかさを目視で評価した。
○:鮮やか
△:若干鮮やかさが劣る
×:鮮やかに見えない
a)一次粒子径の測定
試料の比表面積(窒素吸着法)を測定し、以下の(1)式に従い一次粒子径を計算により求めた。
d=6000/(ρ×S) (1)
但し、(1)式中、d:一次粒子径(nm)、ρ:シリカの密度(=2.2g/m3)、S:比表面積S(m2/g)を表す。
b)二次粒子径の測定
MALVERN INSTRUMENTS社製のZETASIZER 3000HSAを用いて測定した。
Claims (4)
- 支持体上に、少なくとも顔料及び水系バインダー樹脂を含有する塗工液を塗布してインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、前記顔料はコロイダルシリカと気相法シリカを含み、前記コロイダルシリカは一次粒子径が10nm以上50nm以下でかつ一次粒子径に対する二次粒子径の比が1.5から3.0であり、前記気相法シリカは比表面積が130m2/g〜300m2/gであり、かつ、前記インク受容層面の75度鏡面光沢度が50%以上であることを特徴とするインクジェット記録媒体。
- 前記水系バインダーはポリビニルアルコール及び/又はその誘導体であることを特徴とする請求項1に記載されたインクジェット記録媒体。
- インク受容層面の像鮮明度が20%以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載されたインクジェット記録媒体。
- インク受容層はキャストコート法によって支持体上に設けられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載されたインクジェット記録媒体。
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