JP2011213008A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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遼 丸門
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隆範 乙幡
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Tadashi Yoshida
正 吉田
Hiroshi Konyamoto
博 紺屋本
Akio Miyajima
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Abstract

【課題】 染料インク、顔料インクいずれを用いてもインクジェット記録品質に優れ、銀塩写真並の面感を有するインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】 透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含むインク受理層をキャストコート法により設け、顔料としてインク受理層の全顔料100質量部に対して、一次粒子径が3〜70nmのコロイダルシリカを45〜55質量部、凝集粒子の平均粒子径が1〜10μmであるゲル法シリカを15〜25質量部、凝集粒子の平均粒子径が1〜10μmである沈降法シリカを15〜20質量部含有させる。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録媒体に関し、特に光沢性に優れ、染料インクおよび顔料インクを搭載したプリンタでの印字に適するインクジェット記録用キャストコート紙に関する。
一般にインクジェット記録方式は、種々の機構によりインクの小滴を吐出し、記録用紙上に付着させることにより、ドットを形成し記録を行うものであるが、ドットインパクトタイプの記録方式に比べて騒音がなく、またフルカラー化が容易である上、高速印字が可能であるなどの利点がある。一方、インクジェット記録に使用されるインクは、通常直接染料や酸性染料などを用いた水性インクであるため乾燥性が悪いという欠点がある。また、顔料インクを用いたプリンタでは耐候性等の保存性に優れる一方で、インク受理層表面にクラックがある場合には著しく画質が劣るなどの欠点がある。
最近では高解像度のデジタルビデオ、デジタルカメラの普及により、これまでよりも高精細の画像を取り扱う機会が多くなり、これらのハードコピーをインクジェットプリンターで出力する機会が多くなっている。これに伴い記録媒体に対しても要求特性が多様化してきており、中でも銀塩写真並の光沢感を有する記録媒体の要望が高くなってきている。
このようなインクジェット記録方式に用いられるインクジェット記録用紙に要求される特性として、インク乾燥速度が速いこと、印字濃度が高いこと、インクの溢れや滲みがないこと、インクを吸収することにより用紙が波打ちしないこと、更にハードに記録されている画像と印刷された画像で色調が一致すること、等が挙げられる。これらの特性を満たした高画質のインクジェット記録用紙を、キャストコート法により製造する方法は既に提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3等)。
これらの製造方法は、何れも合成シリカを主成分とする顔料、及び結着剤とからなるインク受理層を、未乾燥の湿潤状態にあるうちに、加熱された鏡面仕上げ面に圧着して鏡面を写し取ると同時に乾燥させ、高光沢のキャストコート紙を得るものであるが、最表層の光沢感が低く、銀塩写真並の光沢感が得られていない。
特開昭62−95285号公報 特開昭63−264391号公報 特開平2−274587号公報
従って、本発明の目的は銀塩写真並みの光沢感を有すると共に、染料インク、顔料インクいずれを用いたインクジェット記録品質においても優れるインクジェット記録用キャストコート紙を提供することにある。
従って、上記の目的は以下の発明によって達成された。
本発明は、透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含むインク受理層をキャストコート法により設けたインクジェット用記録媒体であって、前記インク受理層の顔料として、一次粒子径が3〜70nmのコロイダルシリカをインク受理層の全顔料100質量部に対して45〜55質量部、凝集粒子の平均粒子径が1〜10μmであるゲル法シリカをインク受理層の全顔料100質量部に対して15〜25質量部、凝集粒子の平均粒子径が1〜10μmである沈降法シリカをインク受理層の顔料100質量部に対して15〜20質量部含有するインクジェット用記録媒体、である。
本発明によれば、連続操業性にも優れ、銀塩写真並の面感を有するインクジェット記録媒体を得ることができる。また、染料タイプインクを用いた場合においても、顔料タイプインクを用いた場合においても高画質の記録画像を得ることができる。
以下、本発明のインクジェット記録媒体の実施形態について説明する。本発明のインクジェット記録媒体は、透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含有するインク受理層を設けたものである。
(支持体)
本発明で使用される支持体としては透気性を有すれば、いずれのものも使用することができるが、好ましくは紙(塗工紙、未塗工紙等)を用いる。前記紙の原料パルプとして、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。また、前記紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。また、紙中に填料を含有させると、紙の不透明度が向上する傾向があるため、填料を含有させることが好ましく、填料としては、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。
(インク受理層の顔料)
本発明においてインク受理層には、ゲル法シリカ、沈降法シリカ、コロイダルシリカを必須で使用する。
本発明で用いられる前記ゲル法シリカ、沈降法シリカ、コロイダルシリカ、インクジェット記録した際のインク吸収性、発色性および光沢感を損なわない範囲でさらに他の顔料、例えばα型結晶のアルミナ、θ型結晶のアルミナ、合成シリカ、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、クレー、酸化亜鉛等を併用しても良い。
合成非晶質シリカはその製造法により、湿式法シリカと気相法シリカに大別できる。湿式法で製造された合成非晶質シリカ(以下、適宜「湿式法シリカ」という)は顔料の透明性に関しては気相法シリカに劣るが、ポリビニルアルコールと併用した場合の塗料安定性に優れる。さらに、内部空隙の無い気相法シリカに比べ、湿式法シリカは液への分散性が良好であり、塗料濃度を高くすることが可能である。そのため、インク受理層の顔料として、湿式法シリカを用いると、インク受理層中の顔料比率を高くしてインク受理層の吸収性を高くできるので、インク吸収性を向上できると共に染料インクの発色性を向上できると考えられる。湿式法シリカとしては、沈降法で製造した「沈降法シリカ」とゲル法で製造した「ゲル法シリカ」があるが、本発明においてはいずれも使用する。
1.ゲル法シリカ
本発明で使用するゲル法シリカは、その凝集粒子の平均粒子径が1〜10μmであることが必須で、高い光沢感を得るためには1〜5μmがより好ましい。平均粒子径が1μm以下ではインクの吸収性が低下し、10μm以上では面感が低下するためである。上記条件を満たすゲル法シリカとしては、例えば、サイロジェットP405(株式会社Grace-Davison製)、サイロイドC503(株式会社Grace-Davison製)、等が挙げられる。
2.沈降法シリカ
本発明で使用する沈降法シリカは、その凝集粒子の平均粒子径が1〜10μmであることが必須で、高い光沢感を得るためには1〜5μmがより好ましい。平均粒子径が1μm以下ではインクの吸収性が低下し、10μm以上では面感が低下するためである。上記条件を満たす沈降法シリカとしては、ファインシールE−50(株式会社トクヤマ製)、ファインシールX−37(株式会社トクヤマ製)、等が挙げられる。
3.コロイダルシリカ
本発明において使用するコロイダルシリカの一次粒子径は3〜70nmであることが必須で、好ましくは10〜50nmである。一次粒子径が3nm未満であると、顔料インクを用いたインクジェットプリンターで印字した場合にインク吸収性の低下が大きくなる。一次粒子径が70nmを超えると、粒子間の空隙が増えてインク受理層のインク吸収性は良好となるが、不透明性が増大するため、染料インクでインクジェット記録した際の発色性が低下する。上記条件を満たすコロイダルシリカとしては、クォートロンPL−2(扶桑化学工業社製)、クォートロンPL−3(扶桑化学工業社製)、等が挙げられる。
また、前記コロイダルシリカの二次粒子径に対する一次粒子径の比(二次粒子径/一次粒子径)を1.5〜3.0とすることが好ましい。上記比が1.5未満であると、顔料インク及び染料インクの発色性がいずれも著しく低下する。コロイダルシリカの一次粒子径及び二次粒子径はBET法や動的光散乱法等で測定できる。
上記した一次粒子径及び比を有するコロイダルシリカをインク受理層に含有させることにより、顔料インクの発色性を大きく向上することができる。二次粒子径及び比が上記範囲であれば、それぞれ二次粒子径及び/または比の異なる2種以上のコロイダルシリカを併用することもできる。
なお、本発明におけるコロイダルシリカの分散状態を顕微鏡で観察した場合、球状の単一コロイダルシリカ(二次粒子)が2〜3個連なった(凝集した)ものが多数観察される。このような凝集状態を便宜上、ピーナツ状と表す。そして、本発明におけるコロイダルシリカは、その分散状態を顕微鏡観察した場合に、球状の単一コロイダルシリカが少なくとも5個以上、通常は10個以上凝集したシリカ(房状又は鎖状のコロイダルシリカという)を含まない。但し、ここでいう「含まない」とは、その分散状態を顕微鏡観察した場合に、上記した房状又は鎖状のコロイダルシリカ、又は単一コロイダルシリカがまったく観察されないことをいうのでなく、これらのコロイダルシリカが観察されてもよいが、マクロ的な物性である上記比が1.5〜3.0であればよいものとする。ここで、上記したコロイダルシリカの二次粒子の連結個数を平均した値は、上記比にほぼ対応する。
前記コロイダルシリカは、アルコキシシランを原料としてゾルゲル法により合成し、合成条件によって二次粒子径(BET法粒子径)や二次粒子径(動的光散乱法粒子径)をコントロールすることが好ましい。
上記3種類のシリカ配合部数についてはインク受理層の全顔料100質量部に対して、ゲル法シリカが15〜30質量部、沈降法シリカ15〜20質量部、コロイダルシリカが45〜55質量部の範囲内であることが必須である。この範囲を満たさない場合は光沢感の低下、インクジェット印字の際の鮮やかさ、乾燥性に劣り、印刷ムラや一部のプリンタで黒べた部の色が緑味を帯びる問題が発生する。
4.気相法シリカ
さらに、本発明においては、インク受理層に気相法シリカを含有させることが好ましい。気相法シリカをインク受理層に含有させると、理由は明らかではないが、インク受理層のインクの濡れが良好となるため、ベタ印字した際のムラが改善される傾向にある。
気相法シリカは、乾式法シリカ、またはヒュームドシリカとも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって製造される。気相法シリカは、具体的には四塩化珪素などの揮発性シラン化合物の酸水素炎中における気相加水分解によって製造され、火炎の温度、酸素と水素の供給比率、及び原料の四塩化珪素供給量等の条件を変更することにより得られる。四塩化ケイ素の代わりに、メチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類を単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル株式会社からアエロジルとして市販され、株式会社トクヤマからレオロシールQSタイプとして市販されており、容易に入手することができる。
気相法シリカの平均二次粒径は5〜50nmであることが好ましい。また、比表面積(BET法による)が130m/g〜300m/gであると、インク受理層の透明性が高くなり、かつ塗料に配合した際の安定性が良好であるので好ましい。気相法シリカの比表面積が130m/gより小さい場合、インク受理層の不透明性が増し、インクジェットプリンターで印字した場合の印字濃度が低下する等の不具合を生じる場合がある。気相法シリカの比表面積が300m/gを越えると、インク受理層の透明性が良好となり、印字濃度が向上するが、塗料の安定性に劣る傾向にあり、塗工性が低下する場合がある。
(インク受理層の結着剤)
本発明のインク受理層は、結着剤として少なくとも1種類の水系結着剤(水溶性又は/及び水分散性の樹脂エマルジョン)を含む。特に部分鹸化及び/または完全鹸化のポリビニルアルコールを使用することが好ましい。ポリビニルアルコールの添加量としては顔料100質量部に対して3〜30質重量部が好ましい。さらにインクジェット記録した際のインク吸収性、発色性および光沢感を損なわない範囲で他の水系結着剤を配合することが可能である。例えば、ポリビニルピロリドン、ウレタン樹脂エマルジョン由来のウレタン樹脂、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、スチレン−アクリル樹脂及びその誘導体、スチレン−ブタジエン樹脂ラテックス、アクリル樹脂エマルジョン、酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル樹脂エマルジョン、尿素樹脂エマルジョン、アルキッド樹脂エマルジョン及びこれらの誘導体等があげられるが、特に限定されない。
(インク受理層の他の成分)
また、インク受理層には、上記した顔料と結着剤の他に、例えば、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、顔料分散剤、離型剤、発泡剤、pH調整剤、表面サイズ剤、着色染料、着色顔料、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤、防腐剤、耐水化剤、染料定着剤、界面活性剤、湿潤紙力増強剤、保水剤、カチオン性高分子電解質等を、本発明の効果を損なわない範囲内で適宜添加することができる。
(インク受理層の形成)
本発明で使用するインク受理層を形成する塗工液、処理液には、必要に応じて顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、カチオン性高分子電解質等を適宜添加することができる。
支持体上にインク受理層用塗工液を塗布する方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコータ等の公知の塗工機を用いた塗工する方法の中から適宜選択して使用することができる。処理液を塗布する方法としてはロール、スプレー、カーテン方式等があげられるが、特に限定されない。
インク受理層の塗工量は、支持体の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができるが、記録濃度及びインク吸収性を両立させる観点から、片面当たり、固形分換算で5〜30g/mであることが好ましい。さらに好ましい範囲は10〜25g/mである。塗工量が5g/m未満であると、支持体表面を十分に覆うことができないので、インク吸収性が不十分になる。一方、30g/mを超えると、鏡面ドラムからの剥離性が低下し塗工層が鏡面ドラムに付着するなどの問題を生じる。また、インク吸収性向上のために支持体とインク受理層の間にアンダー層を設けることが好ましい。
アンダー層の塗工量については片面当たり、固形分換算で5〜30g/mであることが好ましい。さらに好ましい範囲は8〜15g/mである。塗工量が5g/m未満であると、支持体表面を十分に覆うことができないので、インク吸収性が不十分になる。一方、30g/mを超えると、インク吸収性に優れるが、塗工層強度が低下や断裁時に紙粉が発生しやすいなどの問題が生じる。
本発明においては、インク受理層中の水系バインダーを凝固する作用を有する処理液を塗布した後の湿潤状態のインク受理層を、加熱した鏡面仕上げ面に圧着し乾燥することにより、インク受理層表面に光沢を付与する。処理液を塗布する際のインク受理層は、湿潤状態であっても乾燥状態であっても良いが、特に前者(インク受理層が湿潤状態である内に処理液を塗布する)の場合には鏡面仕上げ面を写し取り易く、表面の微小な凹凸を少なくすることができるので、銀塩写真並の光沢感を得易い。
インク受理層面に光沢を付与する方法としては、製造コストの点からキャストコーターを用いるキャストコート法が好適である。キャストコート法は、顔料と結着剤とを主成分とする塗工液を支持体上に塗工して塗工層を設け、塗工層をキャストドラムに圧着して光沢仕上げする方法であり、この光沢塗工層が上記インク受理層となる。
キャストコート法としては、(1)塗工層が湿潤状態にある間に、鏡面仕上げした加熱ドラムに塗工層を圧着して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦乾燥又は半乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに塗工層を圧着し乾燥するリウェット法、(3)湿潤状態の塗工層を凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに塗工層を圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)、の3種類がある。各方法の原理は、湿潤状態の塗工層を鏡面仕上げの面に押し当てて、塗工層表面に光沢を付与するという点では同様である。
本発明においては、インクジェット用記録媒体の最表面のインク受理層をキャストコート法で形成することによって、インク受理層に光沢を付与する。好ましくは、銀塩写真に匹敵する面感、光沢を付与することが可能であるという点で、ゲル化キャストコート法(凝固法)を用いる。
キャストコート法は、例えば、以下のようにして行う。まず、インク受理層となる塗工液を支持体に塗布する。次に、処理液を塗工層に塗布し、塗工層を湿潤状態にさせる。そして、湿潤状態の塗工層を、加熱した鏡面仕上げ面に圧着し乾燥することにより、インク受理層を形成し、その表面に光沢を付与する。処理液を塗布する際の塗工層は、湿潤状態であっても乾燥状態であってもよいが、特に湿潤状態とした場合には鏡面仕上げ面を写し取り易く、塗工層表面の微小な凹凸を少なくすることができるので、得られたインク受理層に銀塩写真並の光沢感を付与させ易くなる。処理液を塗布する方法としてはロール、スプレー、カーテン方式等があげられるが、特に限定されない。
次に、ゲル化キャスト法を用いる場合について説明する。この方法は、上記キャストコート法において、上記塗工層を塗布後、未乾燥の塗工層を凝固液によってゲル化させてから、加熱した鏡面仕上げ面に圧着、乾燥するものである。凝固液を塗布する際に塗工層が乾燥状態であると鏡面ドラム表面を写し取ることが難しく、得られたインク受理層表面に微小な凹凸が多くなり、銀塩写真並の光沢感を得難い。
凝固液としては、湿潤状態の塗工層中の水系バインダーを凝固する作用を持つもの、例えば、蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸等のカルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩等の各種の塩の溶液が用いられる。特に、水系バインダーとしてポリビニルアルコールを用いた場合には、凝固液としてホウ酸とホウ酸塩とを含有する液を用いることが好ましい。ホウ酸とホウ酸塩とを混合して用いることにより、凝固時の塗工層固さを適度なものとすることが容易となり、インク受理層に良好な光沢感を付与できる。凝固液を塗布する方法は、塗工層に塗布できる限り特に制限されず、公知の方法(例えば、ロール方式、スプレー方式、カーテン方式等)の中から適宜選択することができる。
また、上記インク受理層容塗工液及び/または凝固液には、必要に応じて剥離剤を添加することができる。剥離剤の融点は90〜150℃であることが好ましく、特に95〜120℃であることが好ましい。上記の温度範囲においては、剥離剤の融点が鏡面仕上げ面の温度とほぼ同等であるため、剥離剤としての能力が最大限に発揮される。剥離剤は上記特性を有していれば特に限定されるものではないが、ポリエチレン系のワックスエマルジョンを用いることが好ましい。
本発明においては上記インク受理層の下にさらに一層以上の層を設けることが可能である。
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。又、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。
[実施例1]
カナダ標準濾水度285mlの広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)100部からなるパルプスラリーにタルク10部、硫酸アルミニウム1.0部、合成サイズ剤0.1部、歩留向上剤0.02部を添加した。このパルプスラリーを抄紙機で抄紙するに際し、デンプンを両面に片面当り固形分で2.5g/mとなるように塗布して、坪量170g/mの原紙を得た。この原紙に塗工液Aをブレードコーターで片面に塗工量が10g/mとなるように塗工して140℃で送風乾燥した。次いでさらに塗工液Aを塗工した面にロールコーターで塗工液Bを15g/m塗工し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、凝固液Cを用いて、凝固させ、次いでプレスロールを介して加熱された鏡面仕上げ面に圧着して鏡面を写し取り、195g/mのインクジェット記録媒体を得た。
(塗工液A)
顔料として非晶質合成シリカ(商品名:ファインシールX−37B、株式会社トクヤマ社製)100部に、結着剤としてエチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン(商品名:AM−3100、昭和高分子株式会社製)30部及びポリビニルアルコール(商品名:PVA117、株式会社クラレ社製)5部、カチオン性インク定着剤(商品名:ポリフィックス700、昭和高分子株式会社製)5部、サイズ剤(商品名:ポリマロン360、荒川化学工業株式会社製)5部を混合して濃度25%の水性塗工液を調製した。
(塗工液B)
顔料として、一次粒子径が24nmで、二次粒子/一次粒子径の比が2.0のコロイダルシリカ(商品名:クォートロンPL−2、扶桑化学工業社製)を45部、比表面積が300m/gの気相法シリカA(商品名:アエロジル300、日本アエロジル株式会社製)を10部、二次凝集粒子径が4.6μmの沈降法シリカA(商品名:ファインシールE−50、株式会社トクヤマ製)を20部、凝集粒子径が5.0μmゲル法シリカを25部(商品名:サイロジェットP405、株式会社Grace-Davison製)、結着剤として重合度2600のポリビニルアルコール(商品名:MA26GP、信越化学株式会社製)を6部、重合度1700のポリビニルアルコール(商品名:クラレ617、クラレ株式会社製)6部、離型剤(商品名:FL−48C、東邦化学工業社製)を2部、消泡剤(商品名:デフォーマー480、サンノプコ株式会社製)0.2部を配合して濃度22%の塗工液を調整した。
(凝固液C)
ホウ砂/ホウ酸の配合比が1で、NaおよびHBO換算で濃度を4%とし、離型剤(商品名:FL−48C、東邦化学工業社製)0.2%を配合して凝固液を調整した。
[実施例2]
実施例1において、塗工液Bでコロイダルシリカを55部、気相法シリカAを15部、沈降法シリカAを15部、ゲル法シリカを15部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[比較例1]
実施例1において、塗工液Bでコロイダルシリカ(商品名:クォートロンPL−3、扶桑化学工業社製)を35部、沈降法シリカAを25部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[比較例2]
実施例1において、塗工液Bでコロイダルシリカを60部、ゲル法シリカを配合せず、沈降法シリカAを15部、凝集粒子径が2.6μmの沈降法シリカB(商品名:ファインシールX−37、株式会社トクヤマ製)を15部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[比較例3]
実施例1において、塗工液Aにおいてコロイダルシリカを60部、沈降法シリカAを配合せず、沈降シリカBを20部、気相法シリカAを配合せず、比表面積が200m/gの気相法シリカB(商品名:アエロジル200V、日本アエロジル株式会社製)、重合度1700のポリビニルアルコール(商品名:クラレ617、株式会社クラレ製)13部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[比較例4]
実施例1において、塗工液Bでコロイダルシリカを50部、気相法シリカAを5部、沈降法シリカAを10部、ゲル法シリカを35部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[比較例5]
実施例1において、気相法シリカAを20部、ゲル法シリカを10部とした以外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<評価>
実施例1〜2、比較例1〜5で作成したインクジェット記録媒体について下記の項目について評価を行った。
(1)面感
キャストコート紙表面の面感を目視で評価した。ここでの面感とは、評価サンプルに写り込んだ光に対する反射光の強度、すなわち「光沢」と、評価サンプルに写り込んだ像の「鮮明さ」を総合的に評価したものである。
◎:非常に面感が良い
○:面感が良い
△:曇ったような面感である
×:光沢感が低い
(2)光沢面の出来
キャストコート紙表面の荒れ、凹凸感を目視で評価した。
◎:荒れ、凹凸感がない
○:ほとんど荒れ、凹凸感がない
△:少し荒れ、凹凸感が見られる
×:荒れている、凹凸感が見られる
(3)インクジェット記録試験
記録試験は染料インクを用いたインクジェットプリンター(iP−3300:キヤノン株式会社製の商品名)および顔料インクを用いたインクジェットプリンター(G−930:エプソン株式会社製の商品名)を用いて所定のパターンを記録し、下記の基準によって評価した。
a)黒ベタ部色調
ハードに記録されている画像と印刷された画像で色調が一致しているか、赤、青、黄色のインクで印刷した黒べた部色調を目視観察することでで評価した。
○:黒い
△:少し緑がかっている
×:かなり緑がかっている
b)インク乾燥性(ブリーディング)
赤と緑の混色べた部の境界で滲みを目視で評価した。
○:色の境界部が明瞭に分かれている
△:色の境界部で、若干滲みがある
×:色の境界部で、滲みが大きい
c)鮮やかさ
記録画像部の鮮やかさを目視で評価した。
○:鮮やか
△:若干鮮やかさが劣る
×:鮮やかに見えない
d)印字のムラ
赤べた部のムラを目視で評価した。
○:ムラがない
△:若干のムラがある
×:ムラが大きい
Figure 2011213008
Figure 2011213008
表1に実施例1〜2、比較例1〜5で作成したインクジェット記録媒体のインク受理層に使用した顔料の配合部数を示した。表2から明らかなように、本願発明で規定した範囲内である実施例1、2のインクジェット記録用紙では、操業性、光沢感、黒べた部の色調、インク乾燥性、インクジェット印字の鮮やかさ、印刷のムラ全てにおいて高い評価を得られた。一方、コロイダルシリカが45質量部未満でゲル法シリカが25質量部を超えた比較例1、コロイダルシリカが55質量部を超えゲル法シリカを配合していない比較例2では操業性、光沢感、インク乾燥性、インクジェット印字の鮮やかさに優れるが、黒べた部の色調において劣った。コロイダルシリカが55質量部を超えゲル法シリカを配合していない比較例3では黒べた部の色調に優れるが、光沢感、インクジェット印字の鮮やかさ、インク乾燥性に劣った。ゲル法シリカが25質量部を超えた比較例4では印刷の際に若干のムラが発生し、鮮やかさにも若干劣った。ゲル法シリカが15資料部未満の比較例5ではインクジェット印字の鮮やかさが劣った。

Claims (2)

  1. 透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含むインク受理層をキャストコート法により設けたインクジェット用記録媒体であって、顔料として一次粒子径が3〜70nmのコロイダルシリカをインク受理層の全顔料100質量部に対して45〜55質量部、凝集粒子の平均粒子径が1〜10μmであるゲル法シリカをインク受理層の全顔料100質量部に対して15〜25質量部、凝集粒子の平均粒子径が1〜10μmである沈降法シリカをインク受理層の顔料100質量部に対して15〜20質量部含有するインクジェット用記録媒体。
  2. 前記インク受理層の顔料として、さらに比表面積が130〜300m/gである気相法シリカをインク受理層の全顔料100質量部に対して10〜15質量部含有する請求項1記載のインクジェット用記録媒体。
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