JP3788914B2 - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録媒体に関し、染料インクだけではなく、顔料インクを用いた印字にも適し、連続操業性にも優れると共に、銀塩写真用印画紙並の光沢感が得られるインクジェット記録媒体に関する。
【0002】
【従来技術】
一般にインクジェット記録方式は、種々の機構によりインクの小滴を吐出し、記録用紙上に付着させることによりドットを形成し記録を行うものであるが、ドットインパクトタイプの記録方式に比べて騒音がなく、またフルカラー化が容易である上、高速印字が可能であるなどの利点がある。一方、インクジェット記録に使用されるインクは、通常直接染料や酸性染料などを用いた水性インクであるため乾燥性が悪いという欠点がある。
【0003】
このようなインクジェット記録方式に用いられるインクジェット記録用紙に対して要求される特性としては、インク乾燥速度が速いこと、印字濃度が高いこと、インクの溢れや滲みがないこと、更に、インクを吸収することにより記録用紙が波打ちしないこと等が挙げられる。これらの特性を満たした高画質のインクジェット記録用紙を、キャストコート法により製造する方法は既に提案されている(特開昭62−95285号、同63−264391号、特開平2−274587号、同5−59694号各公報等)。
【0004】
これらの製造方法は、何れも合成シリカを主成分とする顔料、及び結着剤とからなる記録層を、未乾燥の湿潤状態にあるうちに、加熱された鏡面仕上げ面に圧着して鏡面を写し取ると同時に乾燥させ、高光沢のキャストコート紙を得るものであるが、このようにして形成させた最表層の光沢感は低く、銀塩写真用印画紙並の光沢感を得ることは出来なかった。
【0005】
一方、基紙の少なくとも一方の面に白色顔料等を添加したポリオレフィン被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆるRCペーパー)上に、ポリビニルアルコール、ゼラチン等の親水性バインダーと無機微粒子を含有する記録層を設けた銀塩写真調のインクジェット記録用紙が提案されている(特開平10−119423号公報、特開平11−20306号公報等)。しかしながら、これらのインクジェット記録用紙の場合には、透気性のない樹脂被覆紙を支持体として用いるため、記録層を塗布した後の乾燥に時間がかかり、生産性が極めて低いという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記の欠点を解決すべく鋭意検討した結果、平均重合度1,700〜2,800で平均鹸化度の異なる2種のポリビニルアルコールを含有する記録層を塗工し、未だ湿潤状態にある該記録層表面を、ポリビニルアルコールを凝固させる作用を持つ液で処理し、記録層が湿潤状態にあるうちに加熱された鏡面仕上げ面に圧接し乾燥することにより、極めて良好なインクジェット用記録媒体を効率良く得られること見いだし、本発明に到達した。
従って、本発明の目的は、インクジェット記録特性が良好であると共に生産性にも優れた、銀塩写真用印画紙並の光沢感を有するインクジェット記録媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記の目的は、透気性を有する支持体上に、アルミナ化合物と平均重合度が1,700〜2,800であるポリビニルアルコールを含有する記録層を設け、湿潤状態にある記録層上にポリビニルアルコールを凝固させる作用を持つ処理液を塗布した後、記録層が湿潤状態にある内に加熱した鏡面仕上げ面に記録層を圧着乾燥することにより、記録層表面に光沢を付与したインクジェット記録媒体であって、前記ポリビニルアルコールが、平均鹸化度86〜90のポリビニルアルコール(A)と平均鹸化度95〜98のポリビニルアルコール(B)を重量比でA:B=1:1〜5:1で混合した混合物であることを特徴とするインクジェット記録媒体によって達成された。また、処理液としては、ほう酸塩とほう酸を同時に含有するものを使用することが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
(支持体)
本発明で使用される透気性の支持体は公知のものの中から適宜選択して使用することができるが、好ましくは紙(塗工紙、未塗工紙等)を用いる。該紙の原料パルプとしては、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。尚、 前記紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。また、紙中に填料を含有させることによって紙の不透明度を向上させることができるため、填料を含有させることが好ましいが、この填料は、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料の中から適宜選択して使用することができる。
【0009】
(記録層)
本発明における記録層には、アルミナ化合物が含有される。本発明でいうアルミナ化合物とはアルミナまたはアルミナ水和物であり、例えば水酸化アルミニウム、アルミナゾル、粉末アルミナ、擬ベーマイト等をあげることができる。さらに、本発明の効果を損なわない程度に他の顔料、例えば合成シリカ、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、クレー、酸化亜鉛等を含有しても良い。アルミナ化合物の粒径やBET比表面積は必要に応じて適宜選択することが出来る。
【0010】
本発明における記録層には結着剤としてポリビニルアルコールが含有される。ポリビニルアルコールを用いると、記録層の透明度が向上し、銀塩写真用印画紙に近い光沢感が得られる上、印字濃度が向上し、鮮やかな記録画像を得ることができる。印字濃度の向上は、染料インクを用いた場合に顕著である。本発明は、特に平均鹸化度が86〜90のポリビニルアルコール(A)と平均鹸化度が95〜98のポリビニルアルコール(B)を重量比でA:B=1:1〜5:1で混合して使用する点に最大の特徴がある。
【0011】
ポリビニルアルコールの平均鹸化度は塗工液の安定性及び凝固処理した記録層の硬さに影響する。通常、平均鹸化度86〜90のポリビニルアルコール(A)や平均鹸化度95〜98のポリビニルアルコール(B)は部分鹸化PVAとよばれるが、平均鹸化度95〜98のポリビニルアルコール(B)は完全鹸化に近いことから中間鹸化PVAとも呼ばれる。
【0012】
平均鹸化度86〜90のポリビニルアルコール(A)のみを用いた場合には、インクジェット記録した際の記録濃度が高くなりにくく、平均鹸化度95〜98のポリビニルアルコール(B)だけを用いた場合には、塗工液の粘度が経時で高くなりやすい。従って本発明においては(A)及び(B)のPVAを混合するが、特に本発明においては、(A)と(B)の混合比(A/B)を1:1〜5:1とする。また、ポリビニルアルコールの平均重合度が低くなると、特に顔料インクの場合に、印字した際の発色性が劣る傾向となるため、ポリビニルアルコール(A)及び(B)としては、それぞれ平均重合度が1,700〜2,800のものが用いられる
【0013】
本発明の記録層には、ポリビニルアルコール以外の樹脂成分として、本発明の効果を損なわない程度に、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、スチレン−アクリル樹脂及びその誘導体、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、塩化ビニルエマルジョン、ウレタンエマルジョン、尿素エマルジョン、アルキッドエマルジョン及びこれらの誘導体等を配合しても良い。PVAは記録層の全樹脂成分中の70%以上、好ましくは80%以上となるように含有されていることが好ましい。また、記録層中の樹脂成分の配合量は、顔料100重量部に対して、5重量部〜30重量部であることが好ましいが、必要な塗工層強度が得られれば、特に限定されるものではない。
【0014】
(凝固液)
本発明においては、前記支持体上に上記の記録層を塗布・乾燥した後、該記録層中のポリビニルアルコールを凝固させることのできる処理液(以下凝固液ともいう)で処理する。この場合のポリビニルアルコールを凝固させる作用を持つ処理液としては、ポリビニルアルコールを凝固させる作用を持つ公知の化合物の中から適宜選択した化合物を含有する処理液を使用することができるが、本発明においては少なくとも、ほう酸とほう酸塩とを同時に含有する水溶液が好ましい。
【0015】
処理液中にほう酸塩を単独で用いた場合には、記録層中のポリビニルアルコールを過剰に凝固させるため、記録層が湿潤状態にあるうちに加熱された鏡面仕上げ面に圧接させた後乾燥させても、十分に鏡面を写し取ることが出来ないので良好な光沢面を得ることが出来ない。また。処理液中のほう酸塩濃度を下げても、ポリビニルアルコールの凝固の強さを制御することはできない。
【0016】
一方、凝固液中にほう酸を単独で用いた場合には、塗工層中のポリビニルアルコールの凝固が柔らかすぎるため、凝固液付与ロールに軟凝固の塗工層が付着し、良好な湿潤状態の記録層を得ることが出来ない。処理液中のほう酸濃度を上げるとポリビニルアルコールの凝固は強くなる傾向にあるが、ほう酸の溶解度が低いため所望の凝固状態を得ることができない。
【0017】
そこで、ほう酸とほう酸塩を混合して用いると適度な固さの凝固を得ることが容易となり、良好な光沢感を有するインクジェット記録媒体を得ることが出来る。また、ほう酸塩及びほう酸を混合した場合、ほう酸単独の場合よりも水に対するほう酸の溶解度が向上するので、ポリビニルアルコールの凝固状態を調整をしやすくなる。
【0018】
処理液中には、ほう酸塩とほう酸を、配合比(ほう酸塩/ほう酸)が0.25/1〜2/1となるように用いることが特に好ましい。ほう酸塩/ほう酸の配合比が0.25/1未満では、ほう酸の割合が多くなりすぎて、記録層中のポリビニルアルコールの凝固が柔らかすぎるため、凝固液付与ロールに軟凝固の塗工層が付着し、良好な湿潤状態の塗工層を得ることが出来ないことがある。一方、ほう酸塩/ほう酸の配合比が2/1を越えると、記録層中のポリビニルアルコールの凝固が固くなり過ぎるため、記録層表面の光沢感が低くなると共に光沢ムラを生じることがある。
【0019】
本発明で用いるほう酸塩とは、硼素原子を中心原子とする酸素酸の塩を意味し、例えばほう砂、オルトほう酸塩、二ほう酸塩、メタほう酸塩、五ほう酸塩、および八ほう酸塩があげられるが、特にこれらに限定されるものではない。コストの観点から、本発明においてはほう砂を用いることが好ましい。処理液中のほう酸塩及びほう酸の濃度は必要に応じて適宜調整することができる。処理液中のほう酸塩及びほう酸の濃度が高くなるとポリビニルアルコールの凝固が強くなり、記録層の光沢が劣る傾向になると共に凝固液中に結晶が析出し易くなるので、凝固液の安定性が悪くなる。
【0020】
(剥離剤)
記録層および凝固液には、必要に応じて剥離剤を添加することが出来る。添加する剥離剤は、融点が加熱した鏡面仕上げ面の表面温度とほぼ同じ温度である場合に、剥離剤としての能力が最大限に発揮される。剥離剤の融点は90〜150℃であることが好ましく、特に95〜120℃であることが好ましい。剥離剤は上記特性を有していれば特に限定されるものではない。
【0021】
本発明で使用する記録層用塗工液及び凝固液には、必要に応じて顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、カチオン性高分子電解質等を適宜添加することができる。
【0022】
本発明においては、塗工して湿潤状態にある記録層中のポリビニルアルコールを凝固させる作用を持つ処理液(凝固液)を塗布した後、湿潤状態にある記録層を加熱された鏡面に圧着し、光沢を付与する(例えば凝固キャストコート法)。処理液を塗布する際の記録層が乾燥状態である(例えばリウェットキャストコート法)と、鏡面仕上げ面の表面を写し取ることが難しく、表面の微小な凹凸が多くなるので銀塩写真用印画紙並の光沢感を得にくい。
【0023】
支持体上に記録層を設ける方法は、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター等の公知の塗工機を用いる方法の中から適宜選択して使用することができる。また、凝固液は湿潤状態の記録層に塗布することのできる公知のいずれの方法(例えばロール、スプレー、カーテン方式等)を用いることもできる。
【0024】
記録層の塗工量は、原紙の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができるが、記録濃度及びインク吸収性を両立させる観点から、片面当たり、固形分換算で5〜30g/m2であることが好ましく、特に、生産性をも加味すると10〜25g/m2であることが好ましい。30g/m2を超えると、鏡面仕上げ面からの剥離性が低下し記録層が鏡面仕上げ面に付着するなどの問題を生じる。塗工量を多く必要とする場合には、支持体と記録層との間にアンダー層を設けても良い。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。又、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。
【0026】
実施例1.
叩解度285mlの広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)100部からなるパルプに、タルク10部、硫酸アルミニウム1.0部及び合成サイズ剤0.1部、歩留向上剤0.02部を添加したパルプスラリーから支持体を抄紙機で抄紙した。この場合、少なくとも片面に、ゲートロール装置を用いて片面当りの塗工量が固形分で2.5g/m2となるようにデンプンを塗工すると同時に、一方の面に下記の塗工液Aを、ブレード方式で乾燥塗工量7g/m2となるように塗工して、坪量190g/m2のインクジェット記録媒体用原紙を得た。
【0027】
この原紙に、下記の塗工液Bを、乾燥塗工量が20g/m2となるようにロールコーターを用いて塗工し、塗工された記録層が湿潤状態にあるうちに、凝固液Cを用いて凝固させ、次いでプレスロールを介して105℃に加熱した鏡面ドラムに圧着して鏡面を写し取り、210g/m2のインクジェット記録媒体を得た。このときの記録層の乾燥時間は20秒であった。
【0028】
塗工液A:顔料として、合成シリカ(ファインシールX−37:株式会社トクヤマ社製)100部にラテックス(LX438C:住友化学工業株式会社製の商品名)5部及びポリビニールアルコール(PVA117:株式会社クラレ社製の商品名)20部、及びサイズ剤(ポリマロン360:荒川化学工業株式会社製の商品名)5部を配合して濃度20%の水性塗工液を調製した。
【0029】
塗工液B:顔料として、高純度アルミナ(UA5805:昭和電工株式会社製の商品名)50部と高純度アルミナ(AKP−G015:住友化学工業株式会社製の商品名)50部、バインダーとして平均鹸化度88.0、平均重合度1700のポリビニールアルコールA(デンカポバールB−17:電気化学工業株式会社製の商品名)と、平均鹸化度95.5、平均重合度2400のポリビニールアルコールB(PVA624:株式会社クラレ製の商品名)とを重量比でA:B=1:1となるように混合した樹脂を10部、並びに消泡剤0.2部を配合して濃度28%の塗工液を調整した。
【0030】
凝固液C:ほう砂/ほう酸の配合比を、0.25/1、Na247およびH3BO3換算での濃度を4%とし、離型剤(FL−48C:東邦化学工業株式会社製)0.2%(対液)を配合して凝固液を調整した。
【0031】
実施例2.
塗工液Bのバインダーとして、平均鹸化度88.0、平均重合度2400のポリビニールアルコールA(クラレ224:株式会社クラレ製の商品名)と平均鹸化度98.0、平均重合度2200のポリビニールアルコールB(AH−22:日本合成化学株式会社製の商品名)とを重量比でA:B=3:1となるように混合した樹脂を8部を使用変更したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。
【0032】
実施例3.
塗工液Bのバインダーとして、平均鹸化度88.0、平均重合度2400ポリビニールアルコールA(デンカポバールB−24:電気化学工業株式会社製の商品名)と、平均鹸化度97.0、平均重合度2300のポリビニールアルコールB(MA23:信越化学工業株式会社製の商品名)とを重量比でA:B=5:2となるように混合した樹脂を5部を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。
【0033】
実施例4.
塗工液Bのバインダーとして、平均鹸化度87.8、平均重合度1700のポリビニールアルコールA(GH−17:日本合成化学株式会社製の商品名)と、平均鹸化度95.0、平均重合度1700のポリビニールアルコールB(PVA617:株式会社クラレ製の商品名)とを重量比でA:B=10:2となるように混合した樹脂20部を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。
【0034】
実施例5.
塗工液Bのバインダーとして、平均鹸化度88.0、平均重合度2,000のポリビニールアルコールA(デンカポバールB−20:電気化学工業株式会社の商品名)と平均鹸化度97.9、平均重合度2,600のポリビニールアルコールB(AH−26:日本合成化学株式会社製の商品名)とを重量比でA:B=1:1となるように混合した樹脂5部を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。
【0035】
実施例6.
塗工液Bのバインダーとして、平均鹸化度87.8、平均重合度1700のポリビニールアルコールA(GH17:日本合成化学株式会社製の商品名)と平均鹸化度97.0、平均重合度2300のポリビニールアルコールB(MA23:信越化学工業株式会社製の商品名)とを重量比でA:B=2:1となるように混合した樹脂23部を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。
【0036】
比較例1.
塗工液Bのバインダーとして、平均鹸化度88.0、平均重合度1700のポリビニールアルコールA(デンカポバールB−17:電気化学工業株式会社製の商品名)と平均鹸化度95.5、平均重合度2400のポリビニールアルコールB(PVA624:株式会社クラレ社製の商品名)とを重量比でA:B=1:2となるように混合した樹脂10部を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。
【0037】
比較例2.
塗工液Bのバインダーとして、平均鹸化度87.8、平均重合度1700のポリビニールアルコールA(GH−17:日本合成化学株式会社製の商品名)と平均鹸化度97.9、平均重合度2600のポリビニールアルコールB(AH−26:日本合成化学株式会社製の商品名)とを重量比でA:B=13:2となるように混合した樹脂10部を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。
【0038】
比較例3.
塗工液Bのバインダーとして、平均鹸化度87.8、平均重合度1700のポリビニールアルコールA(GH−17:日本合成化学株式会社製の商品名)と平均鹸化度99.4、平均重合度2600のポリビニールアルコールB(NH−26:日本合成化学株式会社製の商品名)とを重量比でA:B=1:1となるように混合した樹脂10部を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてとインクジェット用記録媒体を得た。
【0039】
比較例4.
塗工液Bのバインダーとして、平均鹸化度99.4.以上、平均重合度1700のポリビニールアルコールB(デンカポバールK−17C:電気化学工業株式会社製の商品名)を単独で樹脂10部を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてとインクジェット用記録媒体を得た。
【0040】
実施例1〜6及び比較例1〜4で得られたインクジェット用記録媒体の塗工操業性及び光沢感の評価並びにインクジェット記録試験を以下の方法で行った。結果は表1にまとめた通りである。各評価項目とも△以上であれば問題なく使用できる。
【0041】
(1)塗工操業性
(a)塗工性:キャストコーターで塗工する際の、凝固液付与ロールの汚れを目視で評価した。
○ 凝固液付与ロールの汚れが無いもの
△ 凝固液付与ロール表面に凝固が不十分なため塗工層が僅かに転移した
× 凝固液付与ロール表面に凝固が不十分なため塗工層が多く転移した
(b)塗工液粘度安定性:
○ 30分以上放置しても問題なく塗工できる
× 30分以上放置するとゲル化がおこり、塗工不能となる
【0042】
(2)光沢感
キャストコート紙表面の光沢感を目視で評価した。
○ 透明感の高い光沢感のもの
△ 曇ったような光沢感のもの
× 光沢感が低いまたは塗工ムラがあるもの
【0043】
(3)インクジェット記録試験
記録試験はインクジェットプリンター(MC−2000:セイコーエプソン株式会社製の商品名(顔料インク使用))を用いて所定のパターンを記録し、下記の基準によって評価した。
(a)インク吸収性(ブリーディング)
色の異なる混色べた部の境界で滲みを目視で評価した。
○ 色の境界部が明瞭に分かれているもの
△ 色の境界部で、若干滲みがあるもの
× 色の境界部で、滲みが大きいもの
(b)鮮やかさ
記録画像部の鮮やかさを目視で評価した。
○ 鮮やか
△ 若干鮮やかさが劣る
× 鮮やかに見えない
【0044】
【表1】
Figure 0003788914
【0045】
表1から明らかなように、実施例1〜6で得られたインクジェット記録媒体は、塗工液粘度安定性、塗工性、印字適性、光沢度ともにバランスがとれ良好であった。尚、平均重合度が低いポリビニルアルコールが配合されると、印字の鮮やかさが若干劣り、また、配合量が多いと塗工性、光沢感、インク吸収性が劣る傾向にある。更に、平均鹸化度が98を超えるポリビニルアルコールを用いた場合は、塗工液粘度安定性が非常に悪くなり、このポリビニルアルコールのみを用いる場合は塗工不能となった。

Claims (2)

  1. 透気性を有する支持体上に、アルミナ化合物と平均重合度が1,700〜2,800であるポリビニルアルコールを含有する記録層を設け、湿潤状態にある記録層上にポリビニルアルコールを凝固させる作用を持つ処理液を塗布した後、記録層が湿潤状態にある内に加熱した鏡面仕上げ面に記録層を圧着乾燥することにより、記録層表面に光沢を付与したインクジェット記録媒体であって、前記ポリビニルアルコールが、平均鹸化度86〜90のポリビニルアルコール(A)と平均鹸化度95〜98のポリビニルアルコール(B)を重量比でA:B=1:1〜5:1で混合した混合物であることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 前記処理液が、少なくともほう酸およびほう酸塩を含む処理液であることを特徴とする、請求項1に記載されたインクジェット記録媒体。
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