JP2010083042A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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武志 飯森
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Abstract

【課題】 染料インク、顔料インクいずれを用いたインクジェット記録においてもインクジェット記録特性が良好であると共に、生産性の良い銀塩写真並の面感を有するインクジェット記録媒体を提供する。
【解決手段】 透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、少なくとも顔料及び結着剤を含有するインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、前記インク受容層に含有する顔料として平均二次粒子径が1.0μm〜3.0μmで、アスペクト比が25〜35である鱗片状シリカを、全顔料分100重量部に対して5重量部以上30重量部以下の範囲で含有させる。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録媒体に関し、特に光沢性に優れ、染料インクおよび顔料インクを搭載したプリンタでの印字に適するインクジェット記録用キャストコート紙に関する。
一般にインクジェット記録方式は、種々の機構によりインクの小滴を吐出し、記録用紙上に付着させることにより、ドットを形成し記録を行うものであるが、ドットインパクトタイプの記録方式に比べて騒音がなく、またフルカラー化が容易である上、高速印字が可能であるなどの利点がある。一方、インクジェット記録に使用されるインクは、通常直接染料や酸性染料などを用いた水性インクであるため乾燥性が悪いという欠点がある。また、顔料インクを用いたプリンタでは耐候性等の保存性に優れる一方で、インク受容層表面にクラックがある場合には著しく画質が劣るなどの欠点がある。
最近では高解像度のデジタルビデオ、デジタルカメラの普及により、これまでよりも高精細の画像を取り扱う機会が多くなり、これらのハードコピーをインクジェットプリンターで出力する機会が多くなっている。これに伴い記録媒体に対しても要求特性が多様化してきており、中でも銀塩写真並の光沢感を有する記録媒体の要望が高くなってきている。
このようなインクジェット記録方式に用いられるインクジェット記録用紙に要求される特性として、インク乾燥速度が速いこと、印字濃度が高いこと、インクの溢れや滲みがないこと、更に、インクを吸収することにより用紙が波打ちしないこと等が挙げられる。これらの特性を満たした高画質のインクジェット記録用紙を、キャストコート法により製造する方法は既に提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3等)。
これらの製造方法は、何れも合成シリカを主成分とする顔料、及び結着剤とからなるインク受容層を、未乾燥の湿潤状態にあるうちに、加熱された鏡面仕上げ面に圧着して鏡面を写し取ると同時に乾燥させ、高光沢のキャストコート紙を得るものであるが、最表層の光沢感が低く、銀塩写真並の光沢感が得られていない。
また、インク受理層中に鱗片状シリカを好ましくは顔料の合計に対して50〜80重量%含有するマット調インクジェット記録シートが提案されている(特許文献4)。
特開昭62−95285号公報 特開昭63−264391号公報 特開平2−274587号公報 特開2005−280092号公報
従って、本発明の目的は、染料インク、顔料インクいずれを用いたインクジェット記録においてもインクジェット記録特性が良好であると共に、銀塩写真並の光沢感を有するインクジェット記録用キャストコート紙を提供することにある。
本発明者らは、特定の鱗片状シリカを含有するインク受容層表面を、水系バインダを凝固する作用を持つ液で処理した後、インク吸収層が湿潤状態のうちに、加熱された鏡面ドラムにプレスロールを介して圧接させ、乾燥することにより、染料及び顔料インクを用いたインクジェット記録特性が良好であると共に、銀塩写真並の光沢感を有するインクジェット記録用キャストコート紙を生産性良く得られることを見い出した。
従って、上記の目的は以下の発明によって達成された。
本発明は、(1)透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、少なくとも顔料及び結着剤を含有するインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、前記インク受容層に含有する顔料として平均二次粒子径が1.0μm〜3.0μmで、アスペクト比が25〜35である鱗片状シリカを、全顔料分100重量部に対して5重量部以上30重量部以下の範囲で含有する含有することを特徴とするインクジェット記録媒体。
(2)前記インク受容層上に水系バインダを凝固する作用を持つ処理液を塗布した後、前記インク受容層が湿潤状態にある内に、加熱した鏡面に前記インク受容層を圧着して乾燥することで、インク受容層に光沢を付与した(1)に記載されたインクジェット記録媒体、である。
本発明によれば、連続操業性にも優れ、銀塩写真並の面感を有するインクジェット記録媒体を得ることができる。また、染料タイプインクを用いた場合においても、顔料タイプインクを用いた場合においても高画質の記録画像を得ることができる。
以下、本発明のインクジェット記録媒体の実施形態について説明する。本発明のインクジェット記録媒体は、透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び水系バインダを含有するインク受容層を設けたものである。
(支持体)
本発明で使用される支持体としては透気性を有すれば、いずれのものを使用することができるが、好ましくは紙(塗工紙、未塗工紙等)を用いる。前記紙の原料パルプとして、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。また、前記紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。また、紙中に填料を含有させると、紙の不透明度が向上する傾向があるため、填料を含有させることが好ましく、填料としては、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。
(インク受容層の顔料)
本発明におけるインク受容層には顔料として鱗片状シリカを含有することが特徴である。本発明でいう鱗片状シリカとはシリカヒドロゲル、活性ケイ酸または含水ケイ酸のいずれかを、アルカリ金属塩の存在下で水熱処理し、鱗片状シリカの薄片である二次粒子が互いに面間が並行となるように配向し、複数枚が重なった二次粒子である。このようにして製造された鱗片状シリカは粉砕・分散され、所望の粒子径、粒度分布範囲に調整される。
本発明では加熱した鏡面ドラム表面の鏡面を写し取ることから鱗片状シリカの平均二次粒子径は1.0μm〜3.0μmが必要である。より好ましくは1.5μm程度が最も好ましい。平均二次粒子径が上記範囲内である場合には、染料インクや顔料インクを用いた場合においても高い画質が得られ、且つ非常に良好な光沢感のインクジェット記録媒体を得ることができる。一方、平均二次粒子径が1.0μmよりも小さい場合には光沢感の良好な記録媒体が得にくい。一方、平均二次粒子径が3.0μmを超えた場合には、加熱した鏡面ドラム表面の鏡面を写し取ることが困難となり、面感は劣る。また、アスペクト比としては25〜35であることが必要である。アスペクト比が25より小さい場合には光沢感の向上が得られにくい。またアスペクト比が35を超える場合には、光沢感は向上するが塗料の流動性が劣り、塗工ムラや操業性低下の原因となる。このような鱗片状シリカとしては、旭硝子エスアイテック株式会社製のサンラブリーLFS HN−150等が例示される。
本発明の発明において、鱗片状シリカの配合量としてはインク受容層中の全顔料分100重量部に対して5重量部から30重量部であることが必要であり、より好ましくは10重量部から15重量部である。前記鱗片状シリカの配合量が5重量部より少ない場合には、加熱した鏡面ドラム表面の鏡面を十分に写し取ることができないため、光沢感の向上効果はわずかである。一方、鱗片状シリカの配合量が30重量部より多い場合には、面感の向上はあるものの、染料インクを搭載したインクジェットプリンターで印字した際にインク発色性の低下が大きくなる。
本発明で用いられる鱗片状シリカ以外の顔料としては、さらに、沈降法シリカ、ゲル法シリカ、気相法シリカ、コロイダルシリカ等公知の顔料を用いることができる。また、インクジェット記録した際のインク吸収性、発色性および光沢感を損なわない範囲でさらに他の顔料、例えばα型結晶のアルミナ、θ型結晶のアルミナ、合成シリカ、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、クレー、酸化亜鉛等を併用しても良い。本発明のインク受容層に使用する顔料としては、コロイダルシリカと、湿式法で製造された合成非晶質シリカ、気相法で製造された合成非晶質シリカとを含有することが好ましく、以下にこれらについて説明する。
1.コロイダルシリカ
本発明において使用するコロイダルシリカの二次粒子径は5〜55nmが好ましく、さらに好ましくは10〜40nmである。二次粒子径が5nm未満であると、顔料インクを用いたインクジェットプリンターで印字した場合にインク発色性の低下が大きくなる。二次粒子径が55nmを超えると、粒子間の空隙が増えてインク受容層のインク吸収性は良好となるが、不透明性が増大するため、染料インクでインクジェット記録した際の発色性が低下する。
また、前記コロイダルシリカの二次粒子径に対する二次粒子径の比(二次粒子径/二次粒子径)を1.5〜3.0とすることが好ましい。上記比が1.5未満であると、顔料インク及び染料インクの発色性がいずれも著しく低下する。コロイダルシリカの二次粒子径及び二次粒子径はBET法や動的光散乱法等で測定できる。
上記した二次粒子径及び比を有するコロイダルシリカをインク受容層に含有させることにより、顔料インクの発色性を大きく向上することができる。二次粒子径及び比が上記範囲であれば、それぞれ二次粒子径及び/または比の異なる2種以上のコロイダルシリカを併用することもできる。
なお、本発明におけるコロイダルシリカの分散状態を顕微鏡で観察した場合、球状の単一コロイダルシリカ(二次粒子)が2〜3個連なった(凝集した)ものが多数観察される。このような凝集状態を便宜上、ピーナツ状と表す。そして、本発明におけるコロイダルシリカは、その分散状態を顕微鏡観察した場合に、球状の単一コロイダルシリカが少なくとも5個以上、通常は10個以上凝集したシリカ(房状又は鎖状のコロイダルシリカという)を含まない。但し、ここでいう「含まない」とは、その分散状態を顕微鏡観察した場合に、上記した房状又は鎖状のコロイダルシリカ、又は単一コロイダルシリカがまったく観察されないことをいうのでなく、これらのコロイダルシリカが観察されてもよいが、マクロ的な物性である上記比が1.5〜3.0であればよいものとする。ここで、上記したコロイダルシリカの二次粒子の連結個数を平均した値は、上記比にほぼ対応する。
前記コロイダルシリカは、アルコキシシランを原料としてゾルゲル法により合成し、合成条件によって二次粒子径(BET法粒子径)や二次粒子径(動的光散乱法粒子径)をコントロールすることが好ましい。本発明に使用できるコロイダルシリカとしては、扶桑化学工業社製の商品名クォートロンを挙げることができる。
2.湿式法で製造された合成非晶質シリカ
合成非晶質シリカはその製造法により、湿式法シリカと気相法シリカに大別できる。湿式法で製造された合成非晶質シリカ(以下、適宜「湿式法シリカ」という)は顔料の透明性に関しては気相法シリカに劣るが、ポリビニルアルコールと併用した場合の塗料安定性に優れる。さらに、内部空隙の無い気相法シリカに比べ、湿式法シリカは液への分散性が良好であり、塗料濃度を高くすることが可能である。そのため、インク受理層の顔料として、湿式法シリカを用いると、インク受容層中の顔料比率を高くしてインク受理層の吸収性を高くできるので、インク吸収性を向上できると共に染料インクの発色性を向上できると考えられる。
また、湿式法シリカとしては、ゲル法で製造した「ゲル法シリカ」と、沈降法で製造した「沈降法シリカ」とがある。インク受容層の顔料としては、ゲル法シリカと沈降法シリカのいずれを単独で用いてもよく、これらを併用してもよいが、沈降法シリカを用いるとインク吸収性がより向上するので好ましい。
高い光沢感を得るという点から、湿式法シリカの好ましい二次粒子径は1〜5μmである。また、BET比表面積は150〜500m/gであることが好ましい。比表面積が大きくなると発色性が低下する傾向にある。
3.気相法シリカ
さらに、本発明においては、インク受容層に気相法シリカを含有させることが好ましい。気相法シリカをインク受容層に含有させると、理由は明らかではないが、インク受容層のインクの濡れが良好となるため、ベタ印字した際のムラが改善される傾向にある。
気相法シリカは、乾式法シリカ、またはヒュームドシリカとも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって製造される。気相法シリカは、具体的には四塩化珪素などの揮発性シラン化合物の酸水素炎中における気相加水分解によって製造され、火炎の温度、酸素と水素の供給比率、及び原料の四塩化珪素供給量等の条件を変更することにより得られる。四塩化ケイ素の代わりに、メチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類を単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル株式会社からアエロジルとして市販され、株式会社トクヤマからレオロシールQSタイプとして市販されており、容易に入手することができる。
気相法シリカの平均二次粒径は5〜50nmであることが好ましい。また、比表面積(BET法による)が130m/g〜300m/gであると、インク受容層の透明性が高くなり、かつ塗料に配合した際の安定性が良好であるので好ましい。気相法シリカの比表面積が130m/gより小さい場合、インク受容層の不透明性が増し、インクジェットプリンターで印字した場合の印字濃度が低下する等の不具合を生じる場合がある。気相法シリカの比表面積が300m/gを越えると、インク受容層の透明性が良好となり、印字濃度が向上するが、塗料の安定性に劣る傾向にあり、塗工性が低下する場合がある。
(インク受容層の結着剤)
本発明のインク受容層は少なくとも1種類の結着剤を含み、結着剤としては水溶性樹脂及び/または水分散性の樹脂エマルジョンが好ましい。特に部分鹸化及び/または完全鹸化のポリビニルアルコールを使用することが好ましい。ポリビニルアルコールの添加量としては顔料100重量部に対して3重量部から30重量部が好ましい。さらにインクジェット記録した際のインク吸収性、発色性および光沢感を損なわない範囲で他の結着剤を配合することが可能である。例えば、ポリビニルピロリドン、ウレタン樹脂エマルジョン由来のウレタン樹脂、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、スチレン−アクリル樹脂及びその誘導体、スチレン−ブタジエン樹脂ラテックス、アクリル樹脂エマルジョン、酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル樹脂エマルジョン、尿素樹脂エマルジョン、アルキッド樹脂エマルジョン及びこれらの誘導体等があげられるが、特に限定されない。
(インク受容層の他の成分)
また、インク受容層には、上記した顔料と結着剤の他に、例えば、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、顔料分散剤、離型剤、発泡剤、pH調整剤、表面サイズ剤、着色染料、着色顔料、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤、防腐剤、耐水化剤、染料定着剤、界面活性剤、湿潤紙力増強剤、保水剤、カチオン性高分子電解質等を、本発明の効果を損なわない範囲内で適宜添加することができる。
(インク受容層の形成)
本発明で使用するインク受容層を形成する塗工液、処理液には、必要に応じて顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、カチオン性高分子電解質等を適宜添加することができる。
支持体上にインク受容層用塗工液を塗布する方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコータ等の公知の塗工機を用いた塗工する方法の中から適宜選択して使用することができる。処理液を塗布する方法としてはロール、スプレー、カーテン方式等があげられるが、特に限定されない。
インク受容層の塗工量は、支持体の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができるが、記録濃度及びインク吸収性を両立させる観点から、片面当たり、固形分換算で5〜30g/mであることが好ましい。さらに好ましい範囲は10〜25g/mである。塗工量が5g/m未満であると、支持体表面を十分に覆うことができないので、インク吸収性が不十分になる。一方、30g/mを超えると、鏡面ドラムからの剥離性が低下し塗工層が鏡面ドラムに付着するなどの問題を生じる。インク受容層の塗工量を多く必要とする場合には支持体とインク受容層の間にアンダー層を設けても良い。
本発明においては、インク受容層中の結着剤を凝固する作用を有する処理液を塗布した後の湿潤状態のインク受容層を、加熱した鏡面仕上げ面に圧着し乾燥することにより、インク受容層表面に光沢を付与する。処理液を塗布する際のインク受容層は、湿潤状態であっても乾燥状態であっても良いが、特に前者(インク受容層が湿潤状態である内に処理液を塗布する)の場合には鏡面仕上げ面を写し取り易く、表面の微小な凹凸を少なくすることができるので、銀塩写真並の光沢感を得易い。
インク受容層面に光沢を付与する方法としては、製造コストの点からキャストコーターを用いるキャストコート法が好適である。キャストコート法は、顔料と結着剤とを主成分とする塗工液を支持体上に塗工して塗工層を設け、塗工層をキャストドラムに圧着して光沢仕上げする方法であり、この光沢塗工層が上記インク受容層となる。
キャストコート法としては、(1)塗工層が湿潤状態にある間に、鏡面仕上げした加熱ドラムに塗工層を圧着して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦乾燥又は半乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに塗工層を圧着し乾燥するリウェット法、(3)湿潤状態の塗工層を凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに塗工層を圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)、の3種類がある。各方法の原理は、湿潤状態の塗工層を鏡面仕上げの面に押し当てて、塗工層表面に光沢を付与するという点では同様である。
本発明においては、インクジェット用記録媒体の最表面のインク受容層をキャストコート法で形成することによって、インク受容層に光沢を付与する。好ましくは、銀塩写真に匹敵する面感、光沢を付与することが可能であるという点で、ゲル化キャストコート法(凝固法)を用いる。
キャストコート法は、例えば、以下のようにして行う。まず、インク受容層となる塗工液を支持体に塗布する。次に、処理液を塗工層に塗布し、塗工層を湿潤状態にさせる。そして、湿潤状態の塗工層を、加熱した鏡面仕上げ面に圧着し乾燥することにより、インク受容層を形成し、その表面に光沢を付与する。処理液を塗布する際の塗工層は、湿潤状態であっても乾燥状態であってもよいが、特に湿潤状態とした場合には鏡面仕上げ面を写し取り易く、塗工層表面の微小な凹凸を少なくすることができるので、得られたインク受理層に銀塩写真並の光沢感を付与させ易くなる。処理液を塗布する方法としてはロール、スプレー、カーテン方式等があげられるが、特に限定されない。
次に、ゲル化キャスト法を用いる場合について説明する。この方法は、上記キャストコート法において、上記塗工層を塗布後、未乾燥の塗工層を凝固液によってゲル化させてから、加熱した鏡面仕上げ面に圧着、乾燥するものである。凝固液を塗布する際に塗工層が乾燥状態であると鏡面ドラム表面を写し取ることが難しく、得られたインク受容層表面に微小な凹凸が多くなり、銀塩写真並の光沢感を得難い。
凝固液としては、湿潤状態の塗工層中の結着剤を凝固する作用を持つもの、例えば、蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸等のカルシウム、亜鉛、マグネシウム等の各種の塩の溶液が用いられる。特に、結着剤としてポリビニルアルコールを用いた場合には、凝固液としてホウ酸とホウ酸塩とを含有する液を用いることが好ましい。ホウ酸とホウ酸塩とを混合して用いることにより、凝固時の塗工層固さを適度なものとすることが容易となり、インク受理層に良好な光沢感を付与できる。凝固液を塗布する方法は、塗工層に塗布できる限り特に制限されず、公知の方法(例えば、ロール方式、スプレー方式、カーテン方式等)の中から適宜選択することができる。
また、上記インク受容層容塗工液及び/または凝固液には、必要に応じて剥離剤を添加することができる。剥離剤の融点は90〜150℃であることが好ましく、特に95〜120℃であることが好ましい。上記の温度範囲においては、剥離剤の融点が鏡面仕上げ面の温度とほぼ同等であるため、剥離剤としての能力が最大限に発揮される。剥離剤は上記特性を有していれば特に限定されるものではないが、ポリエチレン系のワックスエマルジョンを用いることが好ましい。
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。又、特に断らない限り、以下に記載する「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を示す。
[実施例1]
叩解度285mlの広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)100部からなるパルプスラリ−にタルク10部、硫酸アルミニウム1.0部、合成サイズ剤0.1部、歩留向上剤0.02部を添加した支持体を抄紙機で抄紙するに際し、デンプンを両面に片面当り固形分で2.5g/mとなるように塗布して、坪量170g/mの原紙を得た。この原紙に塗工液Aをブレードコーターで片面に塗工量が8g/mとなるように塗工して140℃で送風乾燥した。次いでさらに塗工液Aを塗工した面にロールコーターで塗工液Bを15g/m塗工し、塗工層が湿潤状態にあるうちに、凝固液Cを用いて、凝固させ、次いでプレスロールを介して加熱された鏡面仕上げ面に圧着して鏡面を写し取ってインク受容層を形成し、193g/mのインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
・塗工液A:顔料として、合成シリカ(ファインシールX−37B:株式会社トクヤマ社製)100部、結着剤としてエチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン(AM−3100:昭和高分子株式会社製の商品名)30部及びポリビニルアルコール(PVA117:株式会社クラレ社製の商品名)5部、カチオン性インク定着剤(ポリフィックス700::昭和高分子株式会社製の商品名)5部、サイズ剤(ポリマロン360:荒川化学工業株式会社製の商品名)5部を混合して濃度25%の水性塗工液を調製した。
・塗工液B:顔料として平均二次粒子径が30nmで、二次粒子/二次粒子径の比が2.2のコロイダルシリカ(クォートロンPL−3:扶桑化学工業社製の商品名の商品名)を60部、比表面積が200m/gの気相法シリカ(アエロジル200V:日本アエロジル株式会社製の商品名)を25部、比表面積が270m/gの沈降法シリカ(ファインシールX37:株式会社トクヤマ製の商品名)を10部、粒子径が1.5μmの鱗片状シリカ(サンラブリーLFS HN−150:旭硝子エスアイテック株式会社製の商品名)を5部、結着剤として重合度2600のポリビニルアルコール(MA26GP:信越化学株式会社製の商品名)を6部、重合度1700のポリビニルアルコール(クラレ617:クラレ株式会社製の商品名)6部、離型剤(FL−48C:東邦化学工業社製の商品名)を2部、消泡剤(デフォーマー480:サンノプコ株式会社製の商品名)0.2部を配合して濃度22%の塗工液を調整した。
・凝固液C:ホウ砂/ホウ酸の配合比が1で、NaおよびHBO換算で濃度を4%とし、離型剤(FL−48C:東邦化学工業社製)0.2%を配合して凝固液を調整した。
[実施例2]
実施例1において、塗工液Bの鱗片状シリカ(サンラブリーLFS:旭硝子エスアイテック株式会社製の商品名)を15部、気相法シリカ(アエロジル200V:日本アエロジル株式会社製の商品名)を15部とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
[実施例3]
実施例1において、塗工液Bの鱗片状シリカ(サンラブリーLFS:旭硝子エスアイテック株式会社製)を30部、気相法シリカ(アエロジル200V:日本アエロジル株式会社製)を無配合とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
[比較例1]
実施例1において、塗工液Bの鱗片状シリカの配合を0にした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
[比較例2]
実施例1において、塗工液Bの鱗片状シリカの配合量を35部、コロイダルシリカ(クォートロンPL−3:扶桑化学工業社製の商品名)を55部とした以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
[比較例3]
実施例2において、鱗片状シリカの平均粒子径を5μmに変更した以外は実施例2と同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
実施例1〜3、比較例1〜3で得られたインクジェット記録用紙のキャスト塗工操業性、光沢感およびインクジェット記録試験は以下の方法で行った。結果は表1にまとめた通りである。
(1)操業性
キャストコーターで塗工する際の、キャストドラム表面の汚れを目視で評価した
○:キャストドラム表面の汚れが無いもの
△:キャストドラム表面が僅かに曇る
×:キャストドラム表面に塗工層の一部が付着している
(2)光沢感
キャストコート紙表面の光沢感を目視で評価した。
◎:非常に光沢感が高い
○:光沢感が高い
△:曇ったような光沢感である
×:光沢感が低いまたは塗工ムラがある
(3)インクジェット記録試験
記録試験は染料インクを用いたインクジェットプリンター(iP-4500:キヤノン株式会社製の商品名)および顔料インクを用いたインクジェットプリンター(G-930:エプソン株式会社製の商品名)を用いて所定のパターンを記録し、下記の基準によって評価した。
a)インク乾燥性(ブリーディング)
赤と緑の混色べた部の境界で滲みを目視で評価した。
○:色の境界部が明瞭に分かれている
△:色の境界部で、若干滲みがある
×:色の境界部で、滲みが大きい
b)鮮やかさ
記録画像部の鮮やかさを目視で評価した。
○:鮮やか
△:若干鮮やかさが劣る
×:鮮やかに見えない
(4)鱗片状シリカの平均粒径測定
分散剤(ヘキサメタリン酸ソーダ0.2重量%)を添加した純粋に、各顔料のスラリーを敵か混合して均一分散体とし、レーザー法粒度測定器(マルバーン社製 型番マスターサイザーS型)により粒度測定し、平均粒子径を求めた。
Figure 2010083042
表1から明らかなように、実施例1から3の本発明のインクジェット記録用紙では、操業性、光沢感、インクジェット印字の鮮やかさ、インク乾燥性全てにおいて高い評価を得られた。一方、鱗片状シリカを配合しない比較例1では光沢感が劣り、また、過剰に配合した比較例2では光沢感は向上するもののインクジェット印字での鮮やかさや、インク乾燥性が劣った。平均粒子径の大きい鱗片状シリカを用いた比較例3では光沢感の向上効果は得られなかった。

Claims (2)

  1. 透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、少なくとも顔料及び結着剤を含有するインク受容層を設けたインクジェット記録媒体であって、前記インク受容層に含有する顔料として平均二次粒子径が1.0μm〜3.0μmで、アスペクト比が25〜35である鱗片状シリカを、全顔料分100重量部に対して5重量部以上30重量部以下の範囲で含有することを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 前記インク受容層上に結着剤を凝固する作用を持つ処理液を塗布した後、前記インク受容層が湿潤状態にある内に、加熱した鏡面に前記インク受容層を圧着して乾燥することで、インク受容層に光沢を付与した請求項1に記載のインクジェット記録媒体。
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