JP4052516B2 - インクジェット記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はインク受容層を備えたインクジェット記録媒体及びその製造方法に関する。
近年、フルカラー化、高速化が容易で印字騒音が少ないことから、インクジェット記録方式が急速に普及している。この記録方式は、ノズルから記録媒体に向けてインク液滴を噴射させるものであり、安定した液滴を形成させるためインク中に多量の溶媒を含む。従って、良好な画質を得るためには、インク液滴を速やかに吸収する必要がある。
このような目的から、インクジェット記録媒体には、インクを吸収するためのインク受容層(記録層)が設けられている(例えば、特許文献1〜3参照)。インク受容層は、インクを瞬時かつ大量に吸収するための顔料、顔料を支持体上に結合させる結着剤を含み、又、インク定着剤や各種助剤を適宜含む。上記顔料としては、インクの吸収性、発色性の点からシリカが一般的である。
ところで、シリカは、乾式製造法によって得られる乾式シリカと、湿式製造法によって得られる湿式シリカとに分類され、さらに湿式シリカは、沈降法又はゲル法によるものに分類される。これらのシリカは、製造条件により多孔構造、比表面積、表面状態等をコントロールできるので、インク受容層の特性もシリカによって調整することができる。
一方、最近では高解像度のデジタルビデオ(カメラ)、スキャナーおよびパーソナルコンピューターの普及により画像データも高精細化しているが、インクジェットプリンターの高性能化により、これらの画像データを銀塩写真並の品質で出力(ハードコピー)できるようになっている。これに伴い、インクジェット記録媒体には、銀塩写真並の光沢感や、高画質特性が要求されている。
そして、高光沢のインクジェット記録用紙を得る技術として、いわゆるキャストコート法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。キャストコート法は、加熱した鏡面仕上げ面(鏡面ドラム)に、プレスロールを介して湿潤状態のインク受容層を圧接させて乾燥させるものである。このとき、ドラム表面の光沢面をインク受容層に写し取ることにより、良好な光沢面を得ることができる。
特開2001−10211号公報 特開2001−277712号公報 特開平11−240242号公報 特開平2−274587号公報
上記したように、インク受容層の顔料に用いるシリカの特性としては、インク吸収性に優れることが重要である。しかしながら、上記特許文献2記載の技術の場合、インク受容層中のシリカとして粒径1μm以下に粉砕したものを用いるが、粒径が小さいためにインク受容層が密になりすぎて、インク吸収性が低下する。特に、上記したキャストコート法でインク受容層を形成する場合に、インク吸収性の低下が顕著になる。又、特許文献3記載の技術の場合、インク受容層中に、粒径が5nm〜1μmのアルミノシリケートを用いるが、この場合はアルミナシリケートの粒径が小さいため、インク吸収性が低下する。
一方、上記顔料に用いるシリカを乾式法で製造した場合、シリカの一次粒子が単独で存在するためにチキソトロピー性が強くなり、塗工液に配合すると塗工液の粘性が高くなって塗工適性が劣る問題がある。又、湿式法シリカにおいても、ゲル法の場合は沈降法に比べてBET比表面積が大きくなる。そして、BET比表面積が大きいシリカに対し、湿式粉砕して粒径調整しようとしても、粉砕が進んでシリカの粒子径が小さくなるにつれ、スラリー粘度が高くなるため調整が困難となる。そのため、ゲル法シリカは、乾燥工程を経た粉体状で粉砕されて粒径調整(いわゆる乾式粉砕)されるが、かかる乾燥粉末は、搬送時に粉の飛散や汚れ等のハンドリング性低下が生じたり、塗工液に分散する際にも手間や労力を要する不具合がある。そのため、搬送時や分散時に乾燥していない湿式シリカの開発が要望されている。
さらに、インク吸収性を高めて画質を向上させるために塗工層(インク受容層)中のシリカ量を多くすると、インクジェット記録用紙の断裁や取扱い時に、塗工層が脱落して紙粉が発生するという問題がある。そして、この紙粉が記録用紙表面に付着すると、画像欠点が発生する。特に、キャストコート法を用いた場合、上記した粉落ち問題が顕著になる。又、上記粉落ちを防止するためにシリカ量を低減して結着剤の割合を多くすると、インク吸収性が低下する。
従って、本発明の第1の目的は、沈降法で製造したシリカを用いることで生産性の向上したインクジェット記録媒体及びその製造方法を提供することにある。又、本発明の第2の目的は、インクジェット記録品質、特にインク吸収性が良好であるとともに、粉落ち発生が少ないインクジェット記録媒体を提供することにある。
本発明者等は上記課題について鋭意検討した結果、気相法やゲル法を用いて製造したシリカは、通常200m/g以上のBET比表面積を有し、このようなシリカを粉砕して粒径を小さくすると、粘度が極端に高くなり、生産性を低下させることを見出した。又、シリカの粒径が小さくなると、塗工層が密になりすぎてインク吸収性が劣化する一方、シリカの粒径を大きくして吸油量を増やすと、シリカを含む塗工層の強度が低下するため、シリカの粒径には最適範囲があることを見出し、本発明に至った。
そこで、本発明者等は、特定のシリカを含有するアンダー層をインク受容層の下層に設けることで、粉落ち発生を解決できることを見出した。つまり、通常、インクジェット記録用紙を断裁する際、インク受容層の塗工ムラによって生じた塗工層の薄い(柔らかい)部分から亀裂が発生する。そのため、断裁切口は垂直面ではなく凹凸になり、凸部から塗工層が剥がれて紙粉が発生すると考えられる。
一方、上記した特定のシリカを用いると、アンダー層の強度が高くなる。この理由は、上記シリカの吸油量が高すぎずアンダー層の結着剤をあまり吸着しないため、その分、強度向上に寄与する有効な結着剤量が増えるためと考えられる。そして、強度の高いアンダー層がインク受容層を支持体上に担持しているため、インク受容層中の顔料の脱落が低減すると考えられる。
すなわち、本発明のインクジェット記録媒体は、支持体の少なくとも片面に、顔料と結着剤を含有するアンダー層を一層以上設け、該アンダー層の表面に顔料と結着剤を含むインク受容層を一層以上設け、前記アンダー層の顔料は、沈降法で製造された非晶質のシリカ原料を、乾燥工程を経ずに湿式粉砕法により平均粒子径が1.3〜2.3μmとなるよう処理したシリカを含み、かつ該シリカは、吸油量144ml/100g〜200ml/100gでBET比表面積が81〜200m /gであることを特徴とする。
前記インク受容層がキャストコート法により設けられていることが好ましい。
本発明のインクジェット記録媒体の製造方法は、沈降法で製造した非晶質のシリカ原料を、乾燥工程を経ずに湿式粉砕法により平均粒子径が1.3〜2.3μm、かつ吸油量144ml/100g〜200ml/100gでBET比表面積が81〜200m /gのシリカとなるように処理し、次に乾燥工程を経ずに、前記シリカを結着剤と混合して塗工液とし、支持体表面に該塗工液を塗工してアンダー層を形成し、該アンダー層の表面にインク受容層を形成することを特徴とする。
本発明によれば、インクジェット記録品質、特にインク吸収性が良好であるとともに、断裁時の粉落ち発生が少ないインクジェット記録媒体を得られる。特に、キャストコート法を用いたインクジェット記録媒体において粉落ち抑制効果が大きい。又、湿式シリカを用いることで、インクジェット記録媒体の生産性を向上できる。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明のインクジェット記録媒体は、支持体の少なくとも片面に、アンダー層とインク受容層とをこの順に設けたものである。
<支持体>
支持体としては、公知のものを適宜選択して使用することができるが、特に紙(塗工紙、未塗工紙等)を用いることが好ましい。紙の原料パルプとしては、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独または任意の割合で混合したものが挙げられる。紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。また、紙中に填料を含有させることによって、紙の不透明度を向上させることができる。上記填料は、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等、公知の填料の中から適宜選択して使用することができる。そして、紙中に上記填料、サイズ剤、他の添加剤等を添加し、抄紙機で抄造し乾燥するか、または抄造後、澱粉や高分子物質の水溶液などをサイズプレスし、乾燥してマシンカレンダーをかけることで、支持体を得ることができる。
<アンダー層>
アンダー層は、顔料と結着剤とを含有する。本発明においては、以下の顔料をアンダー層に含有させることで、インク吸収性を付与することができる。つまり、本発明においては、後述するインク受容層に顔料を含有させることでインク吸収性を確保するが、アンダー層中にも顔料を含むことでインク吸収性がさらに向上する。
[顔料]
顔料としては平均粒子径0.75〜3.5μmのシリカを含むものを用いる。このシリカは、好ましくは沈降法で製造された非晶質のシリカ原料を、乾燥工程を経ずに湿式粉砕法により平均粒子径を上記範囲に調整したものとする。このようにすると、シリカの製造工程中に乾燥工程がないため、工場等でオンサイト製造を行う場合、スラリー状のまま移送することができ、ハンドリング性に優れる。さらに、シリカが粉末でないため、塗工液への分散時の手間やコストの問題が少ない。そして、沈降法は、既に述べた乾式製造法やゲル法に比べ、製造設備が簡易で済み、粒径制御を目的とした湿式粉砕に適している。
又、シリカを湿式法で粉砕する理由は次の通りである。つまり、沈降法の場合、水中に分散したスラリーの状態でシリカが製造されるが、スラリーを脱水して副生成物や不純物等を除去した後、シリカが水和(含水)した状態で粉砕が行われる。しかし、この粉砕を乾式粉砕で行うと、加熱や減圧処理で水分を完全に除去する必要があり、乾燥エネルギーが大きくなる。又、乾式粉砕の場合、湿式粉砕のように溶媒中に分散した状態で粉砕をしないため、被粉砕物の凝集が起こりやすく、微細粒子の製造に不適である。
上記シリカの平均粒子径を0.75〜3.5μmとする。通常、凝集して高次構造をもつシリカを粉砕処理して粒径を小さくすると、シリカの内部細孔の一部が壊され、吸油量は低下するが、このとき、平均粒子径が0.75μm未満になると、アンダー層のインク吸収性が不充分となる。一方、平均粒子径が3.5μmを超えると、アンダー層の強度が低下する。これは、粉砕処理後のシリカの平均粒子径が小さくなると、吸油量が少なくなってシリカ表面に吸着される塗工液中の結着剤が少なくなり、その分、強度向上に寄与する有効な結着剤量(バインダー効率)が増え、アンダー層が密になる結果、インク吸収性が低下することが考えられる。逆に、シリカの平均粒子径が大きくなると吸油量が多くなり、塗工液中の結着剤がシリカ表面に吸着され、その分、強度向上に寄与する有効な結着剤量(バインダー効率)が減る結果、アンダー層の強度が低下することが考えられる。
上記した理由から、シリカの平均粒子径を0.75〜3.5μmとし、かつ、シリカの吸油量を好ましくは200ml/100g以下、より好ましくは100〜180ml/100gとする。又、本発明者らの検討により、吸油量が200ml/100gを超えると紙粉が増える傾向にあることが判明したことから、上記範囲を規定する。
なお、通常、インクジェット記録媒体の断裁はギロチンカッター等でなされる。ギロチンカッターは、例えば、片面が平面で他面が先端方向に向かって薄肉になっている断裁刃を有し、金属平盤上に重ね揃えた平版紙の上から断裁刃を降ろして断裁するようになっている。
又、シリカのBET比表面積を好ましくは200m/g以下、より好ましくは30〜180m/gとすると、塗工液のハンドリング性(生産性)が向上する。これは、シリカのBET比表面積が200m/gを超えると、シリカ分散液や、これを用いたアンダー層塗工液の粘度が高くなってハンドリング性が低下するためと考えられる。そして、このような不都合を防止するため、シリカ分散液濃度を約10%以下に低減すると、これを用いたアンダー層塗工液濃度も低くなり、塗工時の生産性が低下する。又、アンダー層塗工液濃度が低いと、塗工液の容積が増えるので、保存用タンク等を大きくしたり、液供給ポンプに負荷がかかる等の不具合が生じる。
以上のように、アンダー層塗工液濃度が高い方が塗工時の生産性(乾燥負荷の低減)の点から好ましく、一方で、シリカ分散液やアンダー層塗工液の粘度が低い方が塗工液のハンドリングや塗工面の仕上がりの点からは好ましいが、両立させることは難しい。本発明においてはシリカの吸油量及び/又はBET比表面積を上記範囲に規定することで、塗工液濃度等を適切な値にすることができる。
シリカの配合量は、アンダー層の質量に対し60〜80質量%、より好ましくは65〜75質量%含まれることが好ましい。シリカの配合量が80質量%を超えるとインク吸収性は向上するが、アンダー層の強度が低下し、該層の脱落による紙粉が発生し、ハンドリングが悪化する。顔料の配合量が60質量%未満であるとインク吸収性が悪化する。なお、以下に述べるその他の顔料を併用する場合は、顔料全体の量とする。
[その他の顔料]
アンダー層用の顔料としては、上記シリカに加え、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、サチンホワイト、二酸化チタン、モンモリロナイト、プラスチックピグメント等の顔料を単独使用又は2種以上併用してもよい。この場合、上記した顔料は、アンダー層の顔料全体に対し、好ましくは0〜80質量%、より好ましくは25〜75質量%とする。上記シリカ以外の顔料が80%を超えると吸収性が悪化する傾向にある。
[結着剤]
結着剤としては、例えばカゼイン、大豆蛋白や合成蛋白、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロール、ヒドロキシセルロース、スチレン/ブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、ポリウレタン等の中から選択される、単独もしくは2種以上を使用することができる。結着剤の配合量は、アンダー層の全体の顔料100質量部に対し、3〜50質量部であることが好ましく、5〜30質量部であるとさらに好ましい。結着剤の配合量が3質量部未満であると、顔料同士の結着力が小さくなってアンダー層強度が低下し、粉落ちが生じやすくなり。一方、配合量が50質量部を超えると顔料の配合割合が減少してインク吸収性が低下する傾向にある。
なお、既に述べたように、本発明においては前記シリカを用いるため、結着剤との吸着が少なく、結着剤の配合量を増やさなくとも、アンダー層の強度が向上する。例えば、通常、層強度を向上させるためには、結着剤を70質量部程度配合する必要があるが、このようにすると、インク吸収性が低下するだけでなく、層がもろくなって粉落ちも顕著になる不具合が生じる。
[その他の成分]
アンダー層には、さらに必要に応じ顔料分散剤、流動性改善剤、保水剤、染料定着剤、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤剤、カチオン性高分子電解質等などの各種の助剤を添加することもできる。
[塗工]
上記各成分を混合して塗工液とし、支持体表面に塗工、乾燥してアンダー層を形成する。上記したように、乾燥工程を経ずに粒径を調整したシリカを用いることで、この液(スラリー)をそのまま適当な濃度に薄め、結着剤や他の成分を配合して塗工液とすればよいので、シリカ粉体を扱う場合の飛散や汚れなどの問題がなく、又、粉体の再分散という工程を省略でき、塗工液調製が短時間で済み、水や攪拌に要するエネルギーを低減できる等、工業的メリットが大きくなる。塗工方法については後述する。
アンダー層の塗工量は、4〜20g/mであるのが好ましい。塗工量が4g/m未満であると、インク吸収性が充分でなく、ブリーディング発生の原因となり、20g/mを越えると、塗工量が余分であるため、生産性が悪化する。
<インク受容層>
アンダー層の表面には、顔料と結着剤を含むインク受容層が設けられる。
[顔料]
顔料は、インク受容層におけるインク吸収性を向上させるために必須の成分である。顔料としては、合成シリカ、アルミナやアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の無機顔料、及びプラスチックピグメント、尿素樹脂等の有機顔料を用いることができる。特に、インク吸収性、光沢性の点からアルミナ水和物が好ましく、さらにアルミナがより好ましい。アルミナやアルミナ水和物は、合成シリカと併用することが好ましい。
なお、アンダー層とインク受容層は違う顔料を使用する。

又、インク受容層中に顔料を配合しない場合、断裁時に紙粉は発生しないが、インク吸収性が低下するので、画像品質の高いインクジェット記録媒体が得られない。
[結着剤]
結着剤としては、従来の塗工紙に用いられる公知の結着剤を用いることができる。特に、ポリビニルアルコールを用いると、インク受容層の透明度が向上すると共に銀塩写真に匹敵する高光沢が得られ、さらに印字濃度が向上し、鮮やかな記録画像を得ることができる。ポリビニルアルコールの鹸化度、重合度は適宜選択できる。又、ポリビニルアルコールに加え、本発明の効果を損なわない範囲で他の結着剤、例えば酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、スチレン−アクリル樹脂及びその誘導体、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、塩化ビニルエマルジョン、ウレタンエマルジョン、尿素エマルジョン、アルキッドエマルジョン及びこれらの誘導体等を併用してもよい。
結着剤の配合量は、必要な層強度が得られる限り特に限定されないが、顔料100質量部に対し5〜30質量部とすることが好ましく、5〜20質量部とすることがより好ましい。配合量が5質量部未満であると層強度が低下しやすく、30質量部を超えると、顔料の配合割合が低下してインク吸収性が低下する傾向にある。
なお、結着剤としてポリビニルアルコールと、他の結着剤とを併用した場合、結着剤Z全体に対するポリビニルアルコールの割合を30質量%以上、特に50質量%以上とすることが好ましい。ポリビニルアルコールの割合が30質量%未満であると、白紙光沢が出にくい傾向にある。
[その他の成分]
インク受容層には、上記成分に加え、必要に応じて顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、カチオン性高分子電解質等を適宜添加することができる。
[塗工]
インク受容層の塗工量は、支持体の表面を覆い、かつ充分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができるが、印字濃度及びインク吸収性を両立させる観点から、片面当たり、固形分換算で5〜30g/mであることが好ましく、生産性を加味すると10〜25g/mであることが特に好ましい。塗工量が30g/mを超えると、後述する鏡面ドラムからの剥離性が低下し、塗工層が鏡面ドラムに付着するなどの問題を生じる。なお、インク受容層が顔料とポリビニルアルコールを含有する場合、従来は塗工量が10g/mを越えると断裁時に紙粉が発生するが、本発明によれば紙粉発生を抑制できるので、10g/mを越えて塗工することができる。
<アンダー層とインク受容層の塗工方法>
支持体上にアンダー層及びインク受容層を設ける方法としては、各種ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ゲートロールコータ、ショートドゥエルコーター、フレキソグラビアコーター、スプレーコーター、サイズプレス等の公知の塗工機を用いた方法の中から適宜選択できる。又、これら各種装置をオンマシンまたはオフマシンで使用すればよい。また、各層の塗工前後にマシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置で表面処理することも可能である。
<アンダー層とインク受容層の区別>
アンダー層とインク受容層は、インクジェット記録媒体の断面を電子顕微鏡などで観察することにより容易に判別できる。特にインク受容層がキャストコート法で設けられている場合、アンダー層に空隙が多く見られる一方、キャスト層(インク受容層)は空隙が少なくて顔料と結着剤の区別が無く均一層に見える。
<キャストコート>
本発明においては、好ましくはインク受容層をキャストコート法で形成することで、銀塩写真に匹敵する高光沢が得られる。キャストコート法は、加熱した鏡面仕上げ面(鏡面ドラム)に、プレスロールを介して湿潤状態のインク受容層を圧接させて乾燥させるものである。このとき、ドラム表面の光沢面をインク受容層に写し取ることにより、良好な光沢面を得ることができる。特に、インク受容層を凝固させる液(以下、「凝固液」という)を湿潤状態のインク受容層に塗布してから鏡面仕上げ面に圧着する、いわゆる「凝固キャストコート法」は、鏡面仕上げ面の写し取りが容易であり、インク受容層表面の微小な凹凸を低減できるので、銀塩写真並みの高光沢を得やすい。
一方、キャストコート法を用いてインク受容層表面を光沢化すると、通常のマット表面に比べ、断裁時の粉落ち、切り口のざらつきや毛羽立ちが目立ち易くなるが、上記したように、本発明によれば粉落ちを有効に防止することができる。
凝固キャスト法に用いる凝固剤(処理液)としては、例えば蟻酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸、炭酸等と、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、バリウム、鉛、カドミウム、アンモニウム等との塩、及びホウ砂、各種ホウ酸塩等が挙げられる。本発明においては、これらの中から選択された少なくとも1種を用いることができる。
特に、本発明において、インク受容層に結着剤としてポリビニルアルコールを含み、上記凝固液としてポリビニルアルコールを凝固させる処理液を用いた凝固キャストコート法を適用することが好ましい。上記処理液としては、ほう酸及びほう酸塩を共に含む液を挙げることができる。
ここで、ほう酸塩を単独で用いると、ほう酸塩とインク受容層中のポリビニルアルコールとの凝固作用が強すぎ、鏡面ドラム表面の光沢面をインク受容層に充分に写し取ることができず、良好な光沢面を得にくい。一方、ほう酸を単独で用いると、インク受容層中のポリビニルアルコールとほう酸との凝固作用が不充分となり、処理液を付与するロールに軟凝固のインク受容層が付着することがあり、インク受容層の凝固状態が良好になり難い。又、処理液中のほう酸濃度を高めて凝固作用を強くしようとしても、ほう酸の溶解度が低いため、濃度上昇に限界があり、所望の硬さに凝固させることは困難である。
以上の理由から、本発明においては、ほう酸塩及びほう酸を混合した処理液を用いることが好ましい。このようにすることにより、ポリビニルアルコールの凝固状態が調整しやすくなるので、良好な光沢感を有するインクジェット記録媒体を得ることが容易となる。
処理液中のほう酸塩とほう酸の配合比は、無水物換算後の質量比で、ほう酸塩/ほう酸=1/4〜2/1の間であることが好ましい。上記配合比が1/4未満の場合、ほう酸の割合が多くなりすぎてインク受容層中のポリビニルアルコールの凝固が不充分になり、処理液を付与するロールに軟凝固のインク受容層が付着し、良好な湿潤状態のインク受容層が得られないことがある。一方、上記配合比が2/1を越える場合、インク受容層中のポリビニルアルコールが硬く凝固しすぎ、鏡面ドラム表面の光沢面を写し取り難く、良好な光沢面が得にくくなることがある。
本発明で用いられるほう酸塩としては、ほう砂、オルトほう酸塩、二ほう酸塩、メタほう酸塩、五ほう酸塩、および八ほう酸塩等を挙げることができる。なお、ほう酸塩は特にこれらに限定されるものではないが、コスト、入手性等の観点からは、ほう砂を用いることが好ましい。処理液中のほう酸塩及びほう酸の濃度は必要に応じて適宜調整することができるが、処理液中のほう酸塩とほう酸の濃度の合計が、無水物換算で1〜8質量%の範囲であることが好ましい。ほう酸塩及びほう酸の濃度、特にほう酸塩の濃度が高すぎるとポリビニルアルコールの凝固が強くなりすぎ、白紙光沢度が低下する傾向にある。また、濃度が高いと処理液中にほう酸が析出しやすくなるので、処理液の安定性が悪くなる。
処理液には、必要に応じて顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、カチオン性高分子電解質等を適宜添加することができる。
又、インク受容層に処理液を塗布する方法は特に制限されず、公知の方法(例えばロール方式、スプレー方式、カーテン方式等)の中から適宜選択すればよい。
さらに、鏡面ドラムからのインク受容層の剥離を容易にするため、インク受容層用塗工液および処理液に、剥離剤を添加してもよい。ここで、剥離剤の融点は90〜150℃であることが好ましく、特に95〜120℃であることが好ましい。上記の範囲においては剥離剤の融点が鏡面仕上げの金属表面温度とほぼ同等となるため、剥離剤の剥離能が最大となる。
以下に、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、特に明示しない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
(支持体の製造)
叩解度285mlの広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)100部からなるパルプに、酸化チタン4部、カチオン澱粉(ケイト304L:日本エヌエスシー社製の製品名)0.4部、硫酸アルミニウム1.0部、合成サイズ剤0.1部、及び歩留向上剤0.02部を添加してパルプスラリーを調製し、このパルプスラリーに対し抄紙機を用いて抄紙し、支持体を得た。
(アンダー層の形成)
上記支持体の両面に、ゲートロール装置によって片面当りの乾燥塗工量が1.5g/mとなるようにデンプンを塗工し、その一方の面に、ブレード方式で下記の塗工液Aを乾燥塗工量が7g/mとなるように塗工し、アンダー層を形成した(この塗工紙の坪量180g/m
塗工液A:以下の第1工程〜第5工程により調製した。
1. 第1工程
反応容器(200L)中で、市販の3号珪酸ソーダ(SiO:20.0% 、NaO:9.5%)を水で希釈し、SiO換算で6.7重量%の希釈珪酸ソーダ溶液200Lを調製した。この珪酸ソーダ溶液を85℃に加熱したのち、中和当量の20%に相当する量の硫酸アルミニウム(Al分として濃度8重量%、以下「バンド」と称する)を200g/分の滴下速度で、粗大ゲルが発生しない充分な強撹拌下で添加し、その後、中和当量の20%に相当する量の硫酸(濃度98重量%)を同様に添加した。添加終了後、得られた部分中和液を攪拌下で熟成処理を行うと同時に、縦形サンドグラインダー(容量7.57L、直径1mmガラスビーズの充填率70%)により、粒径7μmを目標に循環粉砕処理した。この熟成及び粉砕処理を3時間行い、スラリーを得た。
2. 第2工程
上記スラリーを90℃に昇温し、第1工程で用いたのと同一濃度の硫酸を第1工程と同一条件で、中和当量の80%まで添加し、攪拌下で32分間熟成した。
3. 第3工程
熟成後のスラリーに、第1工程で用いたのと同一濃度の硫酸を第1工程と同一条件で、76g/分の添加速度で添加し、スラリーのpHを6に調節した。
4. 第4工程
pH調整後のスラリーを濾過、水洗し、純水にリパルプしてシリカスラリーを回収した。得られたシリカスラリーを、液状を示す濃度まで希釈し、横型サンドグラインダー(ビーズ径0.6〜0.8mmのガラスビーズ(東洋バロティーニ社製)の充填率80%)を用いて湿式粉砕を行い、最終的な平均粒径を2.3μmとした。
なお、第4工程終了後のシリカスラリーに含まれるシリカの平均粒子径、BET比表面積、吸油量を測定した。
平均粒子径:分散剤(ヘキサメタリン酸ソーダ0.2重量%)を添加した純水中に、上記スラリーを滴下、混合して均一分散体とした。この分散液につき、レーザー法粒度測定機(使用機器:マルバーン社製マスターサイザーS型)を使用して平均粒子径を測定した。
BET比表面積:スラリーを必要に応じてエタノール中に分散して固形分10%になるよう調整し、105℃にて乾燥した後、BET比表面積測定装置(ジェミニ2360型、Micromeritics社製)を用い、窒素吸着量からBET比表面積を求めた。
吸油量:スラリーを必要に応じてエタノール中に分散して固形分10%になるよう調整し、105℃にて乾燥した後、JIS K5101に準じ測定した。
5. 第5工程
このシリカスラリーを、2000rpmで20分間分散させた。さらに、シリカ固形分100部に対し、ポリビニルアルコール50部(PVA117、クラレ社製)、サイズ剤(ポリマロン360:荒川化学工業株式会社の製品名)5部を加え、B型粘度で500cps程度になるように濃度を調整し、塗工液Aを得た。
(インク受容層の形成)
上記アンダー層上に、下記塗工液Bを乾燥塗工量が20g/mとなるようにロールコーターで塗工してインク受容層とし、該層が湿潤状態にあるうちに、下記凝固液Cを用いてこの層を凝固させ、次いで、プレスロールを介し、105℃に加熱された鏡面ドラム表面にこの層を20秒間圧着して鏡面を写し取り、坪量200g/mのインクジェット記録媒体を得た。
塗工液B:顔料としてシリカ(サイロジェット703C:グレースジャパン株式会社の製品名、平均粒子径330nm)40部、高純度アルミナ(AKP−G015:住友化学工業株式会社の製品名、平均粒子径100nm以下)30部、高純度アルミナ(UA5605:昭和電工株式会社の製品名、平均粒子径2.8μm)30部、バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA224:株式会社クラレの製品名)13部、及び消泡剤0.2部を配合して、固形分濃度28%の塗工液を調製した。
凝固液C:ほう砂(無水物換算)4部、ほう酸4部、及び剥離剤(FL−48C:東邦化学工業社の製品名)0.25部を配合し、固形分濃度4.7%の凝固液を調製した。
なお、アンダー層およびインク受容層の塗工量は以下のように求めた。塗工層(アンダー層又はインク受容層)を設ける前のシート(アンダー層を測定する場合は支持体、インク受容層を測定する場合はアンダー層を設けた支持体)を23℃、50%RHの環境に4時間以上暴露後の質量をあらかじめ測定しておいた。次に、前記シート表面に塗工層を設け、23℃、50%RHの環境に4時間以上暴露後の質量を測定し、両者の質量差から塗工層の塗工量を求めた。
上記塗工液Aにおいて、ポリビニルアルコールの配合量を70部としたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
上記塗工液Aにおいて、ポリビニルアルコールの配合量を30部としたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
上記塗工液Aにおいて、第4工程の湿式粉砕をさらに充分に行って最終的な平均粒径を1.3μmとしたこと以外は実施例1と全く同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例1>
塗工液Aにおけるシリカスラリーの代わりに、市販のシリカ(ファインシールX−37B、トクヤマ社製、湿式粉砕、平均粒子径3.9μm)に水を加えた後、上記第5工程を施して固形分21%の塗工液A2を得、この塗工液A2によりアンダー層を塗工したこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例2>
塗工液Aにおけるシリカスラリーの代わりに、市販のシリカ(ミズカシルP−50、水澤化学工業社製、ゲル法で製造したシリカを乾式粉砕、平均粒子径10μm)に水を加えた後、上記第5工程を施して固形分21%の塗工液A3を得、この塗工液A3によりアンダー層を塗工したこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
<比較例3>
塗工液Aにおけるシリカスラリーの代わりに、市販のシリカ(ファインシールX−37B、トクヤマ社製、湿式粉砕、平均粒子径3.9μm)に水を加えた後、上記第5工程を施して固形分21%の塗工液A4を得、この塗工液A4によりアンダー層を塗工したこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録媒体を得た。但し、塗工液A4のポリビニルアルコールの配合量を70部とした。
<比較例4>
塗工液Aにおけるシリカスラリーの代わりに、市販のシリカ(ミズカシルP−50、水澤化学工業社製、ゲル法で製造したシリカを乾式粉砕、平均粒子径10μm)に水を加えた後、上記第5工程を施して固形分21%の塗工液A5を得、この塗工液A5によりアンダー層を塗工したこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録媒体を得た。但し、塗工液A5のポリビニルアルコールの配合量を70部とした。
<評価>
各実施例及び比較例のインクジェット記録媒体について、以下の評価を行った。
(1)表面強度
幅18mm、長さ10mmの透明粘着テープ (ニチバン製 商品名セロテープ)を23℃、50%RHの環境にてインク受容層表面に貼り、その上から2kgのゴムローラーを10往復し、接着した。この試料をテンシロン万能試験機(RTC−1210A、オリエンテック社製)を用いて300mm/分の速度で180度剥離を行い、剥離に要する荷重を表面強度として測定した。
(2)インク吸収性
インクジェットプリンター(PM−950C:セイコーエプソン株式会社の製品名(染料インク使用))を用い、レッド(マゼンタとイエローの混色)とグリーン(シアンとイエローの混色)のベタ画像が隣接するパターンを印字し、その境界部における滲み(ブリード)を下記の基準によって目視で評価した。レッドとグリーンの境界部の滲み(ブリード)は黒色となり、より厳密な評価ができる。
◎:境界部で滲みが全く認められない
○:境界部で滲みがほとんど認められない
△:境界部で滲みが多少認められる
×:境界部で滲みが著しく認められる
(3)断裁時の紙粉量
A4サイズのインクジェット記録媒体400枚を同方向に積み重ね、事前に恒温恒湿室にてJISP8127に定める紙中水分が6.5±0.1%となるよう調湿し、インク受容層側の面と反対面側から、平判断裁機(ポーラー製、型番115EMC)を用いて、幅方向に4回断裁した際の合計紙粉量を測定した(mg)。なお、断裁刃の刃種は高速度鋼であり、刃角21°、刃厚12.7mm、クランプ圧1.3tであった。当然ながら、紙粉量が少ない方がよい。又、紙粉量に応じて以下の基準により評価した。
○:紙粉量10mg未満
△:紙粉量10〜20mg
×:紙粉量20mg超
(4)生産性
各実施例及び比較例のインクジェット記録媒体を製造する際のアンダー層の塗工速度により、生産性を評価した。ここで、各インクジェット記録媒体は、上記実験条件の下、所定の塗工装置及びオンマシン乾燥装置を用いて製造されるが、アンダー層用塗工液の濃度が異なるため、充分な塗工量を確保し、適切な乾燥を行うためには塗工速度を変える必要がある。従って、各インクジェット記録媒体に応じて、乾燥不足等の問題が発生しない速度をそれぞれ設定した。
○:アンダー層の塗工速度が140m/分以上
×:アンダー層の塗工速度が140m/分未満
得られた結果を表1に示す。
表1から明らかなように、各実施例のインクジェット記録媒体の場合、表面強度が高く、そのため断裁時の紙粉量が少ないとともに、インク吸収性、生産性にも優れている。
一方、シリカを乾式粉砕し、シリカの平均粒径が3.5μmを超え、又、比表面積が200m/gを超えた比較例1の場合、表面強度が低下して断裁時の紙粉量が多くなるとともに、塗工液濃度が低下して生産性が低下した。又、シリカをゲル法で製造して乾式粉砕し、シリカの平均粒径が3.5μmを超え、又、比表面積が200m/gを超えた比較例2の場合も、断裁時の紙粉量が多くなるとともに、生産性が低下した。なお、比較例2の場合、シリカの吸油量が比較例1に比べて小さいため、表面強度はあまり低下せず、紙粉量が少なくなった。
又、比較例1,2に比べ、それぞれPVAの配合量が多い比較例3,4の場合、表面強度が増加して紙粉量は若干改善されたものの依然として紙粉量は多く、又、生産性も依然として低かった。これは、PVAを多くする程生産性は上がると予想されるが、PVAが多すぎると紙粉が増えるため、生産性を向上させる水準までPVAを配合することができないことに起因すると考えられる。

Claims (3)

  1. 支持体の少なくとも片面に、顔料と結着剤を含有するアンダー層を一層以上設け、該アンダー層の表面に顔料と結着剤を含むインク受容層を一層以上設けたインクジェット記録媒体であって、前記アンダー層の顔料は、沈降法で製造された非晶質のシリカ原料を、乾燥工程を経ずに湿式粉砕法により平均粒子径が1.3〜2.3μmとなるよう処理したシリカを含み、かつ該シリカは、吸油量144ml/100g〜200ml/100gでBET比表面積が81〜200m /gであることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 前記インク受容層がキャストコート法により設けられていることを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録媒体。
  3. 沈降法で製造した非晶質のシリカ原料を、乾燥工程を経ずに湿式粉砕法により平均粒子径が1.3〜2.3μm、かつ吸油量144ml/100g〜200ml/100gBET比表面積が81〜200m/gのシリカとなるように処理し、次に乾燥工程を経ずに、前記シリカを結着剤と混合して塗工液とし、支持体表面に該塗工液を塗工してアンダー層を形成し、該アンダー層の表面にインク受容層を形成することを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
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