JPH10287036A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JPH10287036A
JPH10287036A JP9093333A JP9333397A JPH10287036A JP H10287036 A JPH10287036 A JP H10287036A JP 9093333 A JP9093333 A JP 9093333A JP 9333397 A JP9333397 A JP 9333397A JP H10287036 A JPH10287036 A JP H10287036A
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JP
Japan
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ink
jet recording
recording sheet
ink jet
parts
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JP9093333A
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English (en)
Inventor
Naoyuki Ishiguro
尚之 石黒
Tetsuya Ashida
哲也 芦田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた印字特性を有するインクジェット記録用
シートを提供する。 【解決手段】支持体の少なくとも片面にゼラチンを含有
するインク受容層が塗設されたもので、ゼラチンとアク
リルエマルジョンを含有し、さらには該インク受容層に
コロイダルシリカ、シリコーンオイルまたは染料のハイ
ドロトロピー効果のある物質を含んでいることを特徴と
する。 【効果】高光沢を有し、画像の鮮明性、解像性と均一性
に優れ、さらに印字直後のインクの吸着性及び乾燥性に
優れ、また顔料インク適性にも優れたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として水性イン
クを使用するインクジェット記録用シートに関し、特に
画像の鮮明性、解像性と均一性に優れ、さらに印字直後
のインクの吸着性及び乾燥性に優れ、また顔料インク適
性にも優れたインクジェット記録用シートに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、騒音がなく、高
速印字が可能であり、端末プリンターなどに採用され近
年急速に普及している。また、複数個のインクノズルを
使用することにより、多色記録を行うことも容易であ
り、各種のインクジェット記録方式による多色インクジ
ェット記録が行われている。特にコンピューターにより
作成した文字や各種図形及び写真等の画像情報のハード
コピー作成装置として、複雑な画像を迅速で正確に形成
する事ができるインクジェットプリンターの利用が注目
されている。更に、これらコンピューターで作成した画
像情報をインクジェットプリンターにより透明な記録用
シートに記録し、これをOHP(オーバーヘッドプロジ
ェクター)等の原稿としても利用されている。また、近
年特に注目されているインクジェットプリンターの利用
分野としては、写真に近い画質が要求される印刷分野に
おけるカラー版下の用途やデザイン部門でのデザインイ
メージのアウトプットと大型のインクジェットプロッタ
ーを用いて簡便に作成することができる大判のポスタ
ー、ディスプレー、旗等である。さらに、近年デジタル
カメラに代表される様にデジタル写真画像が身近になり
これらの画像を安価なインクジェットプリンターで出力
する試みがなされており、写真専用のモードやインクを
具備したインクジェットプリンターも発売されてきてい
る。
【0003】インクジェット記録用のインクとしては、
安全性、記録特性の面から、主に水と多価アルコールを
主成分とするインクが使用され、インクの目詰り防止お
よび吐き出し特性向上等が図られている。
【0004】インクジェット記録方式に使用される記録
用シートとしては、従来、通常の紙やインクジェット記
録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポ
リビニルアルコール等の水溶性バインダーからなる多孔
質のインク吸収層を設けてなる記録用シートが使用され
てきた。
【0005】しかし、これら従来の記録用シートを高い
解像性と光沢が求められる版下原稿やデザイン原稿に用
いた場合にはいくつかの大きな問題点があった。すなわ
ち、これら記録シートを用いて印字すると、インクのに
じみが大きく、かつ光沢も低くとても使用に耐えるもの
ではなかった。また、これら従来の記録用シートを大型
のインクジェットプロッターに用いた場合には高い着色
濃度が求められるポスターの場合、多量に打ち込まれた
インクにより紙に波打ちが発生して見た目に醜いものに
なってしまうばかりでなく、発色濃度も低いものとなっ
てしまう。
【0006】さらに、OHP用に従来のインク吸収層を
用いた場合、たとえ透明な支持体を用いても、多孔質イ
ンク吸収層が光透過性を悪化させるという問題点があっ
た。また、インク吸収層の表面が非多孔質の場合には光
透過性は改良されるが、水性インク受容性が劣るため
に、画像記録印字後インクがシート表面に長時間残存
し、乾燥定着時間が長くなるという問題点があった。
【0007】このような問題点を解決するために、イン
ク受容性の高い透明なインク吸収層を設けた記録用シー
トが多数提案されている。例えば、特開昭60−168
651号ではポリビニルアルコールとポリアクリル酸系
水溶性高分子の使用が、特開昭60−262685号で
はヒドロキシエチルセルロースの使用が、特開昭61−
181679号ではカルボキシメチルセルロースとポリ
エチレンオキサイドの混合物の使用が、特開昭61−1
93879号では水溶性セルロースとポリビニルピロリ
ドンの混合物の使用が、特開昭62−263084号で
は特定pHのゼラチン水溶液から形成された受容層が、
また特開平1−146784号ではゼラチンと界面活性
剤の混合物の使用がそれぞれ提案されている。
【0008】さらには、2層以上のインク受容層を設け
てさらに高いインク吸収性を目指した記録用シートも多
数提案されている。例えば、特開昭60−224578
号では水溶性高分子物質の積層体の使用が、特開昭61
−12388号、特開昭61−35275号ではインク
保持層とインク透過層を有する被記録体が、特開昭62
−253483号ではインク輸送層とインク保持層を有
する被記録体が、特開昭63−115779号ではポリ
ビニルピロリドンとポリビニルブチラールからなる記録
シートが、特開平7−40646号ではポリビニルピロ
リドンとポリビニルアルコールを有する記録シートが、
特開平7−186521号では水溶性樹脂からなる層と
親水性樹脂と無機微粒子と充填剤からなる層で構成され
た記録シートがそれぞれ提案されている。
【0009】これら特許に記載された記録用シートは、
インクの受容性の改善はある程度はされているが、まだ
不十分であり、特にドットの再現性やインク吸収性さら
にはインク乾燥性は不十分なものであった。
【0010】また、最近黒のしまり、耐光性などを考慮
した顔料インクが登場してきたが、上記記載の水溶性高
分子バインダーだけでは顔料のひび割れ等の問題が生
じ、十分な特性が得られない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、インクジェット記録を行った場合に、高光沢でイン
クの受容性と、ドットの再現性が非常に高く、結果とし
て解像力と色再現性に優れた高画質のインクジェット記
録を与え、しかも乾燥性に優れたインクジェット記録用
シート、並びに顔料インク適性に優れたインクジェット
記録用シートを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成される。
【0013】1.支持体の少なくとも片面にインク受容
層を設けたインクジェット記録用シートにおいて、該イ
ンク受容層がゼラチンとアクリルエマルジョンを含んで
いることを特徴とするインクジェット記録用シート。
【0014】2.前記アクリルエマルジョンのガラス転
移温度が0℃以上であることを特徴とする前記1記載の
インクジェット記録用シート。
【0015】3.前記インクジェット記録シートにおい
て、該インク受容層が少なくとも1種以上の親水性ビニ
ルポリマーまたは水溶性セルロース誘導体を含んでいる
ことを特徴とする前記1記載のインクジェット記録シー
ト。
【0016】4.前記親水性ビニルポリマーがポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルピロリドン誘導体、ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミ
ド誘導体、ポリアクリル酸の中から選ばれることを特徴
とする前記3記載のインクジェット記録シート。
【0017】5.前記水溶性セルロース誘導体が、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、メチルセルロースの中から選ばれることを特徴とす
る前記3記載のインクジェット記録シート。
【0018】6.インク受容層がコロイダルシリカを含
有することを特徴とする前記1記載のインクジェット記
録シート。
【0019】7.インク受容層がシリコーンオイルを含
有することを特徴とする前記1記載のインクジェット記
録シート。
【0020】8.インクジェット受容層に染料のハイド
ロトロピー効果のある物質を含有することを特徴とする
前記1記載のインクジェット記録シート。
【0021】9.支持体が、紙の両面を樹脂で被覆して
なる樹脂被覆紙であることを特徴とする前記1〜8の何
れか1項記載のインクジェット記録用シート。
【0022】10.支持体が、ポリエチレンテレフタレ
ートからなるフィルムであることを特徴とする請求項1
〜8の何れか1項記載のインクジェット記録用シート。
【0023】11.樹脂が、ポリオレフィン樹脂である
ことを特徴とする前記9記載のインクジェット記録用シ
ート。
【0024】12.ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレ
ン樹脂であることを特徴とする前記11記載のインクジ
ェット記録用シート。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0026】本発明のアクリルエマルジョンは、主成分
がアクリル酸エステルモノマーの重合体であり、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレ
ート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オ
クチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリ
ルアクリレートなどのアクリル酸アルキルエステル類が
メインのモノマー単位が重合したものである。
【0027】また、アクリルエマルジョンは2種類以上
の共重合体であってもよい。共重合の相手としては、ア
クリル酸エステルモノマー、アクリル酸類、ビニルエス
テル類、オレフィン類、スチレン類、クロトン類、イタ
コン類、マレイン酸類、フマル酸類、アクリルアミド
類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルケトン
類、ビニル異節環化合物、グリスジルエステル類、不飽
和ニトリル類、多官能単量体、各種不飽和酸から選ばれ
る1種または2種以上を組み合わせたモノマー単位を挙
げることができるが、好ましくは、アクリル酸エステル
モノマー、アクリル酸類、スチレン類、イタコン類、マ
レイン酸類、フマル酸類である。さらに、好ましくはア
クリル酸エステルモノマー、アクリル酸類、イタコン
類、マレイン酸類、フマル酸類である。本発明の共重合
体の場合のアクリル酸エステルモノマーの組成比は、モ
ル比で50〜100%である。
【0028】エマルジョンの粒径は、一般的に接着性、
光沢、インクの受理性等に効いてくる。そのため、本発
明におけるアクリルエマルジョンの好ましい粒径として
は50nm〜800nmであり、さらに好ましくは100nm〜500nm
である。
【0029】ポリマーのガラス転移温度(以下Tgとい
う)は、ポリマーの構造の指標、つまり高分子鎖一本一
本の動き易さの目安として用いられる。ポリマーエマル
ジョンまたはポリマーラテックスにおいて、Tgはポリ
マーの最低造膜温度(MFT)、、受容層構成の膜強度
並びにポリマー組成等と関係がある。Tgが低すぎると
受容層内で造膜してしまいインク吸収性を低下させ、さ
らに膜強度を低下させる要因になる。共重合の相手が変
わればTgも変わり、またインク吸収性、インク受容性
並びにドット再現性に違いが現れる。本発明において、
これら諸々のことを考慮に入れると、好ましいアクリル
エマルジョンのTgは0℃〜120℃である。さらに好
ましくは20℃〜80℃である。
【0030】本発明に用いられるゼラチンとしては、動
物のコラーゲンを原料としたゼラチンであれば何れでも
使用できるが、豚皮、牛皮、牛骨を原料としたコラーゲ
ンを原料としたゼラチンが好ましい。さらにゼラチンの
種類としては特に制限はないが、石灰処理ゼラチン、酸
処理ゼラチン、ゼラチン誘導体(例えば特公昭38−4
854号、同昭39−5514号、同昭40−1223
7号、同昭42−26345号、米国特許第25257
53号、同第2594293号、同第2614928
号、同第2763639号、同第3118766号、同
第3132945号、同第3186846号、同第33
12553号、英国特許第861414号、同第103
3189号等に記載のゼラチン誘導体)を単独またはそ
れらを組み合わせて用いることができる。
【0031】本発明に用いられるゼラチンのゼリー強度
(PAGI法、ブルーム式ゼリー強度計による)として
は、150g以上、特に200g以上であることが好ま
しい。
【0032】本発明において、親水性ビニルポリマーは
インク受容性やドット再現性を向上させる目的でアクリ
ルエマルジョン及びゼラチンと併用することが好まし
い。併用される合成ポリマーとしては、例えば、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピ
リジニウムハライド、各種変性ポリビニルアルコール等
のビニルホルマールおよびその誘導体(特開昭60−1
45879号、同昭60−220750号、同昭61−
143177号、同昭61−235182号、同昭61
−235183号、同昭61−237681号、同昭6
1−261089号参照)、ポリアクリルアミド、ポリ
ジメチルアクリルアミド、ポリジメチルアミノアクリレ
ート、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル酸
共重合体塩、ポリメタクリル酸ソーダ、アクリル酸ビニ
ルアルコール共重合体塩等のアクリル基を含むポリマー
(特開昭60−168651号、同昭62ー9988号
参照)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリビニルエーテル(特開昭61−32787
号、同昭61−237680号、同昭61−27748
3号参照)等を挙げることができる。これら親水性ビニ
ルポリマーの中でインク受容性やドット再現性の点から
ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン誘導体、
ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、
ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミド誘導体、ポリ
アクリル酸の中から選ばれる少なくとも1種の合成ポリ
マーを併用することが好ましい。
【0033】本発明において、水溶性セルロース誘導体
もインク受容性、ドット再現性並びに印字部のベタ付き
防止を向上させる目的でアクリルエマルジョン及びゼラ
チンと併用することが好ましい。併用される水溶性セル
ロース誘導体としてはメチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース
等の水溶性セルロース誘導体を挙げることができる。こ
れら水溶性セルロース誘導体の中でもインク受容性やド
ット再現性さらには印字部のベタ付き防止性の点からカ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、メチルセルロース中から選ばれる少なくとも1種の
水溶性セルロース誘導体を併用することが好ましい。
【0034】本発明において、インク受容層に併用され
る親水性ビニルポリマーまたは水溶性セルロース誘導体
のゼラチンに対する割合(重量比)は、併用される親水
性ビニルポリマーまたは水溶性セルロース誘導体の種
類、分子量等により異なるが、インク受容性やドット再
現性を向上させるには、親水性ビニルポリマーまたは水
溶性セルロース誘導体/ゼラチン(重量比)を5/95
〜80/20にするのが好ましく、さらに好ましくは1
0/90〜70/30である。
【0035】本発明において、アクリルエマルジョンの
ゼラチンに対する比率(重量比)は併用される親水性ビ
ニルポリマー、水溶性セルロース誘導体の種類、分子
量、混合比(重量比)によって異なるが、インク受容
性、ドット再現性、乾燥性並びに顔料適性を向上させる
には、5〜200wt%であることが好ましい。さらに
好ましくは20〜100wt%である。
【0036】本発明において用いるコロイダルシリカは
インク受容性、ドット再現性はさることながら、顔料イ
ンク適性に大きな効果を示す。一般的なコロイダルシリ
カは無定形のマイナスに帯電したシリカ粒子である。顔
料インク適性を示す理由として、ゼラチン系にコロイダ
ルシリカを加えると膜がしまり、膜膨潤による顔料のひ
び割れを抑制するものと考えられる。
【0037】コロイダルシリカには、いろいろな粒径の
ものがあるが、表面光沢が有する受容層が得られるのに
好ましいものは、粒径が50nm以下のものである。
【0038】コロイダルシリカを受容層中に入れ過ぎる
と、受容層にクラックが発生してしまい、インクジェッ
ト記録シートとしての商品価値がなくなってしまう。そ
のため、受容層中に加えるコロイダルシリカの最適量が
存在し、本発明はそれを示すものである。好ましいコロ
イダルシリカの量は、ゼラチンに対する比率が5〜10
0wt%であり、さらに好ましくは10〜50wt%で
ある。
【0039】本発明において、シリコーンオイルはイン
ク受容性、ドット再現性に大きな効果を示す。過去のシ
リコーンオイルに関する記載は、画像形成方法に関する
ものである。例えば、特開平4−296561号公報で
は、シリコーンオイルを含浸した一対の定着ローラー間
に記録用紙を通過させて、そのシリコーンオイル付着面
にインクジェット記録画像を形成するもの。特開平8−
142500号公報では、シリコーン化合物とカチオン
性化合物をを含有した無色の液体組成を記録媒体に塗布
した後に、インクジェット記録により画像形成させる方
法が記載されている。しかし、本発明が対象とするゼラ
チンとアクリルエマルジョンの併用系にシリコーンオイ
ルをさらに含有させることによって、インク受容性及び
ドット再現性が向上することを示唆するものではない。
【0040】シリコーンオイルはシリコーン化合物で一
般的には親油性である。しかし、種々の変性を行うこと
により水溶性を発現することができる。
【0041】本発明で用いられるシリコーンオイルとし
ては、オイル、変性オイル、消泡剤、整泡剤、繊維処理
剤、塗料添加剤等のものがあり、好ましくは変性オイル
であり、さらに好ましくは変性シリコンオイルの中の水
溶性シリコーンオイルである。水溶性シリコーンオイル
としては、ポリエーテル変性シリコーンオイル、フッ素
変性シリコーンオイル、親水性特殊変性シリコーンオイ
ルなどがある。これらの中で特に好ましいものはポリエ
ーテル変性シリコーンオイルである。
【0042】ハイドロトロピー効果とは溶媒に分子状態
で溶解する物質を添加することにより、ある物質の溶解
度を増加させる現象をいう。インクジェットインクに対
し、ハイドロトロピー効果を示す物質としては、尿素、
アミノアセトアミド、p−トルエンスルホン酸塩等が挙
げられる。
【0043】本発明においてハイドロトロピー効果を示
す物質を加えることにより、ドット再現性に大きな効果
を示した。また、ドット再現性がハイドロトロピー効果
を示す物質の加える量により大きく影響される。ハイド
ロトロピー効果を示す物質を加える好ましい量として
は、0.001〜0.1g/m2であり、さらに好ましく
は0.01〜0.05g/m2である。
【0044】本発明において、インク受容層に含まれる
ゼラチンの塗布量としては、固形分として1〜10g/
m2が好ましい。インク受容層に含まれるゼラチンの量が
1g/m2未満ではインクの受容性が劣り印字性が悪化す
る。さらに、10g/m2を超えて多い場合には、インク
の受容性は向上するがひび割れ、カール等で問題が発生
する。
【0045】本発明において、インク受容層にはバイン
ダーに加えてドット再現性を向上させる目的で界面活性
剤を添加することができる。用いられる界面活性剤はア
ニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系のいず
れのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のも
のでもよい。1種もしくは2種以上界面活性剤をインク
受容層塗液中に添加するが、2種以上の界面活性剤を組
み合わせて使用する場合は、アニオン系のものとカチオ
ン系のものとを組み合わせて用いることは好ましくな
い。界面活性剤の添加量はインク受容層を構成するバイ
ンダー100gに対して0.001g〜5gが好まし
く、より好ましくは0.01〜3gである。
【0046】本発明において、インク受容層は、耐水
性、ドット再現性を向上させる目的で適当な硬膜剤で硬
膜することができる。硬膜剤の具体的な例としては、ホ
ルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド
系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケ
トン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒド
ロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米
国特許第3288775号記載の如き反応性のハロゲン
を有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第363
5718号記載の如き反応性のオレフィンをもつ化合
物、米国特許第2732316号記載の如きN−メチロ
ール化合物、米国特許第3103437号記載の如きイ
ソシアナート類、米国特許第3017280号、同第2
983611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特
許第3100704号記載の如きカルボジイミド系化合
物類、米国特許第3091537号記載の如きエポキシ
化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデ
ヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導
体、クロム明ばん、カリ明ばん、硫酸ジルコニウムの如
き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組
み合わせて用いることができる。硬膜剤の添加量はイン
ク受容層を構成するバインダー100gに対して0.0
1g〜10gが好ましく、より好ましくは0.1〜5g
である。
【0047】本発明において、更に、インク受容層には
上記の界面活性剤、硬膜剤の他に無機顔料、着色染料、
着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、
蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種
添加剤を添加することもできる。
【0048】本発明におけるインク受容層は一旦ゲル状
態にせしめた後、低温で乾燥する所謂コールドドライ法
により乾燥されるのが好ましい。これはゼラチンのゾ
ル、ゲル化現象を利用し、均斉な膜面を形成すべく、低
温で乾燥する方法である。乾燥の過程は、原崎勇次著
「コーティング工学」(昭和46年度、朝倉書店)、2
78〜281頁に記載されているように材料予熱期間、
単位時間当りの溶媒の蒸発量、即ち溶媒の蒸発速度が一
定である乾燥プロセスの恒率乾燥期間、その後に溶媒の
蒸発速度が徐々に低下して、蒸気がほとんどなくなる
(つまり、塗膜がほぼ外気の温湿条件下における平衡含
水率となる。)までの乾燥プロセスの減率乾燥期間の3
つのプロセスに分けられ、さらに必要により調湿期間を
設けることもある。通常は約5〜8%位の平衡含水率に
達した時乾燥完了となるが、乾燥行程中の膜面の温度
(この温度を表面湿球温度と称する)を低くすれば、均
斉な塗膜となり、良質のインク受容層となる。インク受
容層塗液を塗布した後、表面湿球温度が塗液のゲル化温
度以下で塗布層を冷却セット(ゲル化)し、その後も塗
液のゲル化温度以下の温度で受容層を徐々に乾燥させ
る。溶媒が蒸発し固形分濃度が上昇した後は、セット戻
りを起こさない程度に温度を上昇させて乾燥させてもよ
い。
【0049】本発明におけるインク受容層塗液の塗布方
法としては、通常用いられている塗布方法(例えば、ス
ライドリップ方式、カーテン方式、エクストルージョン
方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッ
ドバーコーティング方式等)が用いられるが、多層のイ
ンク受容層を一度に設けることができる点でスライドリ
ップ方式、カーテン方式が好ましい。
【0050】また、インク受容層は支持体の少なくとも
片面に設けられているが、カールを防止する目的で支持
体の両面に設けてもよい。
【0051】本発明において用いられる支持体として
は、透明な支持体も不透明な支持体も用いることができ
る。透明な支持体としては、従来公知のものがいずれも
使用でき、例えばポリエステル樹脂、ジアセテート樹
脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハ
ン、セルロイド等のフィルムもしくは板およびガラス板
等が挙げられる。
【0052】このような透明な支持体はその厚さが約1
0〜200μm程度のものであることが好ましい。
【0053】不透明な支持体としては、紙、塗工紙、合
成紙、樹脂被覆紙、顔料入り不透明フィルム、発砲フィ
ルム等の従来公知のものがいずれも使用できる。光沢、
平滑性の点から合成紙、樹脂被覆紙、各種フィルムがよ
り好ましいが、手触り感、高級感から写真用支持体に類
似の樹脂被覆紙がさらに好ましい。
【0054】本発明において好ましく用いられる、樹脂
被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用い
られている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写
真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好まし
い。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パ
ルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用
いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサ
イズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、
染料等の添加剤が配合される。
【0055】さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光
増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布さ
れていてもよい。
【0056】また、原紙の厚味に関しては特に制限はな
いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を
印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ま
しく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0057】樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィ
ン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレ
ン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上か
らなる共重合体およびこれらの混合物であり、各種の密
度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独
にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0058】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0059】本発明において好ましく用いられる支持体
である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン
樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる
押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂に
より被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場
合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に
用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を
照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙
に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理など
の活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受
容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢
面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられ
る。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の
点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢
面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロ
ナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができ
る。また、被覆樹脂層の厚味としては特に制限はない
が、一般に5〜50μmの厚味に表面または表裏両面に
コーティングされる。
【0060】本発明における支持体には帯電防止性、搬
送性、カール防止性などのために、各種のバックコート
層を塗設することができる。バックコート層には無機帯
電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテッ
クス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせ
て含有せしめることができる。
【0061】今回使用したアクリルエマルジョンは日本
合成ゴム(株)製(主にブチルアクリレート、エチルア
クリレート等のアクリル酸エステルモノマー並びにスチ
レンモノマーからなる)のAE134、AE816、A
E175、日本ゼオン(株)製(主にブチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、メチルメタアクリレートモノ
マー並びにスチレンモノマーからなる)のNipol
LX811、Nipol LX823、比較エマルジョ
ンはSBRラテックスとして日本合成ゴム(株)製JS
R0830、JSR0640、JSR0668、日本ゼ
オン(株)製Nipol LX603、Nipol LX
382、アクリロニトリル・ブタジエン系ラテックスと
して、日本ゼオン(株)製のNipol LX540、
Nipol LX1571を用いた。以下にこれらの諸
物性を示す。
【0062】
【表1】
【0063】また、コロイダルシリカは日産化学(株)
製のスノーテッXL、スノーテック20を用いた。スノ
ーテックスXL、スノーテックス20のそれぞれの粒径
は50nm、20nmであり、固形分濃度はそれぞれ2
0%である。
【0064】シリコーンオイルは信越化学工業(株)製
の変性シリコーンオイルの中の非反応性であるポリエー
テル変性シリコーンオイル、KF355A、KF618
を用いた。
【0065】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。な
お、部とあるのは重量部を意味する。
【0066】実施例1 下記に示した樹脂被覆紙支持体上に、下記に示すインク
受容層塗液をエアーナイフ方式により塗布量湿分で10
0g/m2塗布した後、直ちに10秒間冷却セットし、そ
れから徐々に温度が高い乾燥ゾーンを通過させ、表面湿
球温度が20℃以下になるように乾燥ゾーンの温湿度を
コントロールしてインクジェット記録シートを作製し
た。インク受容層塗液組成は、下記に示すとおりであ
る。
【0067】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 48部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 48部 アクリルエマルジョン AE134 4部
【0068】樹脂被覆紙:LBKP(50部)とLBS
P(50部)のパルプ配合からなる120g/m2の基紙
の表面に低密度ポリエチレン(70部)と高密度ポリエ
チレン(20部)と酸化チタン(10部)からなる樹脂
組成物を25g/m2塗布し、裏面に高密ポリエチレン
(50部)と低密度ポリエチレン(50部)からなる樹
脂組成物を25g/m2塗布してなる樹脂被覆紙。
【0069】実施例2 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0070】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 48部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 48部 アクリルエマルジョン AE816 4部
【0071】実施例3 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0072】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 48部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 48部 アクリルエマルジョン AE175 4部
【0073】実施例4 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0074】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 48.5部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 48.5部 アクリルエマルジョン LX811 3部
【0075】実施例5 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0076】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 49部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 49部 アクリルエマルジョン LX823 2部
【0077】実施例6 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0078】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 47.5部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 47.5部 アクリルエマルジョン LX823 2部 スノーテック20 3部
【0079】実施例7 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0080】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 47.5部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 47.5部 アクリルエマルジョン LX823 2部 スノーテックXL 3部
【0081】実施例8 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0082】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 47.5部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 47.5部 アクリルエマルジョン AE134 2部 スノーテック20 3部
【0083】実施例9 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0084】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 47.5部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 47.5部 アクリルエマルジョン AE134 2部 スノーテックXL 3部
【0085】実施例10 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0086】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 47.5部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 47.5部 アクリルエマルジョン AE816 2部 スノーテック20 3部
【0087】実施例11 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0088】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 47.5部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 47.5部 アクリルエマルジョン AE816 2部 スノーテックXL 3部
【0089】実施例12 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0090】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 47.5部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 47.5部 アクリルエマルジョン AE816 2部 p−トリエンスルホン酸Na(0.5%水溶液) 3部
【0091】実施例13 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0092】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 47.5部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 47.5部 アクリルエマルジョン AE134 2部 p−トリエンスルホン酸Na(0.5%水溶液) 3部
【0093】実施例14 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0094】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 47.5部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 47.5部 アクリルエマルジョン LX811 2部 p−トリエンスルホン酸Na(0.5%水溶液) 3部
【0095】実施例15 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0096】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 48.5部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 48部 アクリルエマルジョン LX811 2部 シリコーンオイルKF355A(1%水溶液) 1.5部
【0097】実施例16 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0098】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 48.5部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 48部 アクリルエマルジョン LX811 2部 シリコーンオイルKF618(1%水溶液) 1.5部
【0099】実施例17 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0100】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 48.5部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 48部 アクリルエマルジョン AE816 2部 シリコーンオイルKF355A(1%水溶液) 1.5部
【0101】実施例18 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0102】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 48.5部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 48部 アクリルエマルジョン AE816 2部 シリコーンオイルKF618(1%水溶液) 1.5部
【0103】実施例19 実施例1において支持体に用いた樹脂被覆紙を膜厚10
0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム支持体に
変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記
録シートを作製した。
【0104】実施例20 実施例6において支持体に用いた樹脂被覆紙を膜厚10
0μmのポリエチレンテレフタレートフィルム支持体に
変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記
録シートを作製した。
【0105】実施例21 実施例12において支持体に用いた樹脂被覆紙を膜厚1
00μmのポリエチレンテレフタレートフィルム支持体
に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット
記録シートを作製した。
【0106】実施例22 実施例15において支持体に用いた樹脂被覆紙を膜厚1
00μmのポリエチレンテレフタレートフィルム支持体
に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット
記録シートを作製した。
【0107】実施例23 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0108】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 48部 ポリビニルアルコールPVA117(8%水溶液) 48部 アクリルエマルジョン AE175 4部
【0109】実施例24 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0110】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 48部 ポリアクリルアミド(8%水溶液) 48部 アクリルエマルジョン AE175 4部
【0111】実施例25 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0112】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 48部 ポリアクリル酸アンモニウム塩(8%水溶液) 48部 アクリルエマルジョン AE175 4部
【0113】実施例26 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0114】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 48部 カルボキシメチルセルロース(8%水溶液) 48部 アクリルエマルジョン AE175 4部
【0115】実施例27 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0116】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 48部 メチルセルロース(8%水溶液) 48部 アクリルエマルジョン AE175 4部
【0117】実施例28 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0118】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 92部 アクリルエマルジョン AE175 8部
【0119】実施例29 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0120】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 92部 アクリルエマルジョン AE134 8部
【0121】実施例30 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は実
施例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0122】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 93部 アクリルエマルジョン LX811 7部
【0123】比較例1 実施例1において支持体に用いた樹脂被覆紙上に、下記
に示すインク受容層塗液をエクストルージョン法により
塗布量100g/m2塗布した後、直ちに10秒間冷却セ
ットし、それから徐々に温度が高い乾燥ゾーンを通過さ
せ、表面湿球温度が20℃以下になるように乾燥ゾーン
の温湿度をコントロールしてインクジェット記録シート
を作製した。インク受容層塗液組成は、下記に示すとお
りである。
【0124】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 49部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 49部 JSR0830 2部
【0125】比較例2 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は比
較例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0126】 塗液の組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 49部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 49部 JSR0640 2部
【0127】比較例3 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は比
較例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0128】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 49部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 49部 JSR0668 2部
【0129】比較例4 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は比
較例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0130】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 49部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 49部 LX603 2部
【0131】比較例5 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は比
較例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0132】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 49部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 48部 LX382 3部
【0133】比較例6 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は比
較例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0134】 塗液の組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 48部 ポリビニルピロリドンK−90(8%水溶液) 49部 LX540 3部
【0135】比較例7 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は比
較例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0136】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 49部 ポリビニルピロリドン(8%水溶液) 49部 LX1571 2部
【0137】比較例8 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は比
較例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0138】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(10%水溶液) 100部
【0139】比較例9 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は比
較例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0140】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 49部 ポリビニルアルコールPVA117(8%水溶液) 49部 LX1571 2部
【0141】比較例10 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は比
較例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0142】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 50部 ポリビニルアルコールPVA117(8%水溶液) 50部
【0143】比較例11 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は比
較例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0144】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 49部 カルボキシメチルセルロース(8%水溶液) 49部 LX1571 2部
【0145】比較例12 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は比
較例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0146】 塗液組成 石灰処理ゼラチン(8%水溶液) 50部 カルボキシメチルセルロース(8%水溶液) 50部
【0147】比較例13 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は比
較例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0148】 塗液組成 ポリアクリルアミド(8%水溶液) 92部 アクリルエマルジョン AE134 8部
【0149】比較例14 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は比
較例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0150】 塗液組成 ポリビニルアルコールPVA117(8%水溶液) 92部 アクリルエマルジョン AE134 8部
【0151】比較例15 インク受容層塗液組成を下記に示すようにした以外は比
較例1と同様にしてインクジェット記録シートを作製し
た。
【0152】 塗液組成 カルボキシメチルセルロース(8%水溶液) 92部 アクリルエマルジョン AE134 8部
【0153】上記の如くして得られた各シートについ
て、MJ−900C(EPSON社)インクジェットプ
リンター、Design Jet 850C(HP社)
を用いて評価画像を印字し、下記の品質試験を行い、結
果を表1に示した。尚、ドット再現性及びインク受容性
はベタ印字部ムラ及びにじみとして評価した。
【0154】ベタ印字部ムラ:Y、M、C、R、G、
B、K各色を濃度100%の設定で3cm×5cmの大
きさに出力し画像部を目視で観察し、各色の印字部に認
められるムラの有無を判定した。評価基準は以下の通り
である。
【0155】 ◎:問題点がなく非常に優れている。 ○:優れている。 △:使用が可能である。 ×:劣る。
【0156】にじみ:単色もしくは重色を連続で記録し
て、隣接する印字部が相互もしくは片方に流れ出しが生
じていないかを目視判定した。評価基準は以下の通りで
ある。
【0157】 ◎:問題点がなく非常に優れている。 ○:優れている。 △:使用が可能である。 ×:劣る。
【0158】印字部光沢:均一画像部ムラで用いた画像
と同一の画像を用いて各色の60度光沢を測定し平均値
を算出した。数値が高いほど光沢が高く好ましい。
【0159】顔料インク適性:Design Jet
850CでK色(顔料)を濃度100%の設定で3cm
×5cmの大きさに出力し画像部を目視で観察し、画像
部の印字性、ひび割れの有無を判定した。評価基準は下
記の通りである。
【0160】 ◎:問題点がなく非常に優れている。 ○:優れている。 △:使用が可能である。 ×:劣る。
【0161】
【表2】
【0162】
【表3】
【0163】表2及び3からも明らかなように、本発明
のインクジェット記録用シートはアクリルエマルジョン
を含有することにより、ベタ印字性、にじみ特性の向
上、更に、ハイドロトロピー効果物質、シリコーンオイ
ルを含有させることにより更なるにじみ、ベタ印字性の
特性向上が図られ、加えてコロイダルシリカの含有によ
り顔料インク適性が発現するという、いずれの評価項目
においても良好な結果が得られた。
【0164】
【発明の効果】本発明により、画像の鮮明性、解像性と
均一性に優れ、さらに印字直後のインクの吸着性及び乾
燥性に優れ、また顔料インク適性にも優れた高光沢のイ
ンクジェット記録用シートを提供できる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも片面にインク受容層
    を設けたインクジェット記録用シートにおいて、該イン
    ク受容層がゼラチンとアクリルエマルジョンを含んでい
    ることを特徴とするインクジェット記録用シート。
  2. 【請求項2】 前記アクリルエマルジョンのガラス転移
    温度が0℃以上であることを特徴とする請求項1記載の
    インクジェット記録用シート。
  3. 【請求項3】 前記インクジェット記録シートにおい
    て、該インク受容層が少なくとも1種以上の親水性ビニ
    ルポリマーまたは水溶性セルロース誘導体を含んでいる
    ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録シ
    ート。
  4. 【請求項4】 前記親水性ビニルポリマーがポリビニル
    ピロリドン、ポリビニルピロリドン誘導体、ポリビニル
    アルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミド
    誘導体、ポリアクリル酸の中から選ばれることを特徴と
    する請求項3記載のインクジェット記録シート。
  5. 【請求項5】 前記水溶性セルロース誘導体が、カルボ
    キシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、
    メチルセルロースの中から選ばれることを特徴とする請
    求項3記載のインクジェット記録シート。
  6. 【請求項6】 インク受容層がコロイダルシリカを含有
    することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記
    録シート。
  7. 【請求項7】 インク受容層がシリコーンオイルを含有
    することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記
    録シート。
  8. 【請求項8】 インクジェット受容層に染料のハイドロ
    トロピー効果のある物質を含有することを特徴とする請
    求項1記載のインクジェット記録シート。
  9. 【請求項9】 支持体が、紙の両面を樹脂で被覆してな
    る樹脂被覆紙であることを特徴とする請求項1〜8の何
    れか1項記載のインクジェット記録用シート。
  10. 【請求項10】 支持体が、ポリエチレンテレフタレー
    トからなるフィルムであることを特徴とする請求項1〜
    8の何れか1項記載のインクジェット記録用シート。
  11. 【請求項11】 樹脂が、ポリオレフィン樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項9記載のインクジェット記録用シ
    ート。
  12. 【請求項12】 ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレン
    樹脂であることを特徴とする請求項11記載のインクジ
    ェット記録用シート。
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