JP2002292993A - インクジェット記録シート - Google Patents

インクジェット記録シート

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JP2002292993A
JP2002292993A JP2001094006A JP2001094006A JP2002292993A JP 2002292993 A JP2002292993 A JP 2002292993A JP 2001094006 A JP2001094006 A JP 2001094006A JP 2001094006 A JP2001094006 A JP 2001094006A JP 2002292993 A JP2002292993 A JP 2002292993A
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ink
recording sheet
jet recording
ink jet
ciacid
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JP2001094006A
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English (en)
Inventor
Kenji Yabuta
健次 藪田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インク吸収性及び耐水性に優れ、更には再利用
性に優れたインクジェット記録シートを提供する。 【解決手段】支持体上に平均粒子径200nm以下の有
機ポリマー微粒子、1分子中に2個以上のエチレン性二
重結合を含有する放射線硬化性化合物を使用するインク
ジェット記録シート。有機ポリマー微粒子は架橋されて
いてアニオン性又はカチオン性であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インクを用い
て記録を行うインクジェット記録シートに関するもので
あり、インク吸収性及び耐水性に優れ、しかも再利用可
能なインクジェット記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、インクの微
小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙等の記録シ
ートに付着させ、画像・文字等の記録を行なうものであ
るが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融
通性が大きい、現像及び定着が不要等の特徴があり、漢
字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として、
種々の用途において急速に普及している。更に、多色イ
ンクジェット方式により形成される画像は、製版方式に
よる多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して遜
色のない記録を得ることが可能であり、作成部数が少な
くて済む用途では写真技術によるよりも安価であること
から、フルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつ
ある。
【0003】しかしながら、近年、オフィス及び家庭内
におけるプリンター及び複写機等の普及の増加に伴い、
ミスプリント及びミスコピーの量が増大し、本来は必要
でない紙(記録媒体)が大量に廃棄される状態を招来し
ており、廃棄物処理及び資源枯渇等の面から深刻な社会
問題となっている。又、高解像度ディスプレイ等が製品
化されているが、コスト及び大きさの面で普及には至っ
ていない。従って、所謂試しコピー及び試しプリントの
様に、一時的に記録画像を記録媒体上に保持し、その後
は任意の手段でその記録画像を消去することが出来、且
つ該記録媒体の再利用が可能な、多大の量の紙の廃棄を
防止し資源の有効利用を促進し得るインクジェット記録
シートが要求されていた。
【0004】これらの問題を解決するために、従来より
いくつかの提案がなされてきた。例えば、特開平8−3
24103号公報にはヒドロキシプロピルセルロ−ス、
特開平9−99605号公報にはポリビニルアセタール
をインク受理層のバインダーとして使用することで水洗
による再利用が可能になるとされている。しかしなが
ら、これらは親水性樹脂である為に耐水性が弱く再利用
の回数を重ねるとインク受理層の劣化を起こす問題があ
った。それに対して特開平8−258406号公報には
放射線架橋した親水性樹脂の使用が開示されているが再
利用可能な回数は増加するものの、放射線架橋によりイ
ンク吸収性が低下すると云う問題があった。
【0005】かかるインク吸収性を向上させる手段とし
ては、一般に、インクジェット記録シートは関しては、
多孔性無機顔料をインク受理層中に含有させることでイ
ンク吸収特性をコントロールすることが行われている。
しかし多孔性無機顔料表面は親水性である為に水性イン
クとのなじみが良い反面、水洗再生で繰り返し使用する
場合に耐水性及びインク除去性に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水性
インクによる印字において、インク吸収性及び耐水性に
優れ、更に再利用可能なインクジェット記録シートを得
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、インクジェ
ット記録シートについて、鋭意検討を重ねた結果、本発
明のインクジェット記録シートを発明するに至った。
【0008】即ち、本発明におけるインクジェット記録
シートは、支持体上に平均粒子径200nm以下の有機
ポリマ−微粒子及び1分子中に2個以上のエチレン性二
重結合を含有する放射線硬化性化合物よりなるインク受
理層を設けることを特徴とするものである。
【0009】本発明のインクジェット記録シートにおい
て、有機ポリマー微粒子は架橋されていて、しかもアニ
オン性又はカチオン性である平均粒子径200nm以下
の有機ポリマ−微粒子であることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインクジェット記
録シートについて、詳細に説明する。一般に、インクジ
ェット記録シートの特徴である良好なインク吸収性や染
料定着性を得るために、多孔性無機顔料を主成分とした
塗層を塗設する方法が採られている。しかし、該多孔性
無機顔料は、その表面が親水性である為に耐水性及びイ
ンク除去性に劣ると云う欠点があった。
【0011】本発明のインクジェット記録シートでは、
該記録シートのインク受理層に平均粒径200nm以下
の有機ポリマー微粒子と放射線硬化性化合物の組み合わ
せによりインク吸収性と耐水性という相反する特性をバ
ランスさせることが可能となるのみならず、水性インク
のインク除去性も改良され再利用可能なインクジェツト
記録シートを提供する事が出来た。
【0012】本発明に係る有機ポリマー微粒子は、平均
粒子径が、200nm以下と極めて小さい為、特に可視
光の低波長領域(400nm程度)の光を散乱させるこ
とがほとんどないことから、得られる画像の透明性も向
上しており、またインク受理層中に形成される微細な空
隙の故にインク吸収性に優れ、更に有機ポリマーの素材
の故に耐水性及び水性インクのインク除去性にも優れた
ものである。
【0013】上記平均粒子径200nm以下の有機ポリ
マー微粒子は、架橋されている事が好ましく、更にアニ
オン性又はカチオン性であることが好ましい。このよう
な有機ポリマー微粒子は、通常アクリル酸アルキルエス
テル、メタクリル酸アルキルエステル、スチレン及びス
チレン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種の
モノマーを、分子中に炭素−炭素二重結合を1個又は2
個以上(好ましくは2個以上)有する乳化剤を用いて乳
化重合することにより得ることができる。このような有
機ポリマー微粒子としては、特開平5−254251号
公報に記載されているミクロゲルを好適に使用すること
ができる。なお、この公報には、ミクロゲルを感熱記録
紙に使用することで耐スティッキング性や耐湿性が改良
される旨の記載がされているが、感熱記録は、本発明の
ようにインクを記録シートに噴射することにより印字す
るのではなく、加熱により印字するものであり、異なる
技術分野に属する。
【0014】アクリル酸アルキルエステルおよびメタク
リル酸アルキルエステルの例としては、アルキルの炭素
原子数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルが好ましく、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピ
ル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)ア
クリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸ステアリルを挙げることができる。スチレン
及びスチレン誘導体の例としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン及びビニルトルエンを挙げることができる。
【0015】上記モノマー以外に、上記モノマーと共重
合可能なモノマーを全モノマー量の50重量%以下の量
で使用しても良い。例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、無水マレイン、スチレンスルホン酸、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸のアニオン性ビ
ニルモノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよ
び第4級アンモニウム塩を有するビニルモノマー等のカ
チオン性ビニルモノマー;及び(メタ)アクリル酸2−
ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
プロピルおよび(メタ)アクリロイルオキシフォスフェ
ート等のノニオン性ビニルモノマーを挙げることができ
る。
【0016】上記モノマーに加えて更に、架橋性ビニル
モノマーを全モノマー量の5重量%以下の量で使用して
も良い。例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジビ
ニルベンゼン等の二官能性モノマー;1,3,5−トリ
アクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン及びトリア
リルイソシアヌレート等の三官能性モノマー;テトラメ
チロールメタンテトラアクリレート及びN,N,N′,
N′−テトラアリル−1,4−ジアミノブタン等の四官
能性モノマーを挙げることができる。
【0017】上記分子中に炭素−炭素二重結合を1個又
は2個以上(好ましくは2個以上)有する乳化剤の、そ
の炭素−炭素二重結合の例としては、(メタ)アリル
基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル
基、ビニル基、イソプロペニル基及び(メタ)アクリロ
イル基を挙げることができる。これらの中で(メタ)ア
クリロイル基が好ましい。上記乳化剤の、疎水基と共に
乳化作用を示すためのカチオン性基またはアニオン性基
(親水性基)を有している。カチオン性基は、インクの
色材を保持する機能が大きいため、インク受容層の耐水
性が向上するので好ましい。カチオン性基またはアニオ
ン性基(親水性基)としては、−COOH、−COO
M、−OSO3M、−N(R1)(R2)(R3)、−O
H、−PO(OM)2 、(−O)3P、(−O)2P(O
H)−、−OP(OH)2 、−OPO(OM)2 、(−
O)2PO(OM)、(−O)3PO及び−(OR)−
[但し、MはNaまたはKを表わし、R1、R2及びR3
はそれぞれ独立に水素原子、アルキル、アラルキル又は
ヒドロキシアルキルを表わし、そしてRはエチレンまた
はプロピレンを表わす]を挙げることができる。これら
の中で、−N(R1)(R2)(R3)[R1、R2及びR3
はそれぞれ独立に水素原子、アルキル又はヒドロキシア
ルキルを表わし、少なくとも1個の基はアルキル又はヒ
ドロキシアルキルである]で表されるカチオン性基が好
ましい。上記乳化剤は、通常の乳化剤の役割と重合性
(架橋性)モノマーの役割を担っており、したがって得
られる有機ポリマー微粒子の表面は上記のようなカチオ
ン性基またはアニオン性基が存在している。勿論有機ポ
リマー微粒子の内部に存在する場合もある。
【0018】乳化剤の例としては、上記炭素−炭素二重
結合を分子中に2個以上有するポリオキシエチレンアル
キルエーテルのスルホコハク酸エステル塩、上記炭素−
炭素二重結合を分子中に2個以上有するポリオキシエチ
レンアルキルエーテルの硫酸エステル塩、上記炭素−炭
素二重結合を分子中に2個以上有するポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテルのスルホコハク酸塩、上記
炭素−炭素二重結合を分子中に2個以上有するポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル
塩、酸性リン酸(メタ)アクリル酸エステル系分散剤、
オリゴエステル(メタ)アクリレートのリン酸エステル
もしくはそのアルカリ塩、及び親水性アルキレンオキサ
イド基を有するポリアルキレングリコール誘導体のオリ
ゴエステルポリ(メタ)アクリレートを挙げることがで
きる。これらの市販されている製品としては、KAYA
MER PM−2(日本化薬(株)製)、ニューフロン
ティアA−229E(第一工業製薬(株)製)、ニュー
フロンティアN−250Z(第一工業製薬(株)製)等
を挙げることができる。
【0019】上記分子中に炭素−炭素二重結合を2個以
上有する乳化剤を使用する場合は、分子中に炭素−炭素
二重結合を1個有する乳化剤を全乳化剤の60重量%以
下の割合で含んでいても良い。また、上記分子中に炭素
−炭素二重結合を1個又は2個以上有する乳化剤は、通
常のアニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、ノニオン性
乳化剤を含んでいても良い。上記分子中に炭素−炭素二
重結合を1個又は2個以上有する乳化剤の添加量は、前
記全モノマー量100重量部に対して、通常1〜20重
量部であり、3〜10重量部が好ましい。
【0020】本発明の有機ポリマー微粒子は、上記モノ
マーを用いて、公知の乳化重合法により得ることができ
る。例えば、反応容器に上記乳化剤及び水を投入し、こ
れに前記モノマーを加えて乳化した後、ラジカル重合開
始剤を加え、攪拌下に加温してモノマーを重合させるこ
とにより上記有機ポリマー微粒子を得ることができる。
ビニルモノマーの添加は、一括滴下、分割滴下のいずれ
でも良い。また、このようなモノマーの濃度は、最終的
に得られる反応液(分散液)中の固形分濃度が、通常2
0〜50重量%となるように、好ましくは30〜45重
量%となるように調整される。反応時のpHは3〜9の
範囲が好ましく、反応温度は、重合開始剤が活性化する
温度であれば良く、通常40〜90℃であり、50〜8
0℃が好ましい。反応時間は通常30分〜2時間であ
る。
【0021】上記ラジカル重合開始剤としては、過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水
素、水溶性のアゾ系の開始剤等の水溶性のラジカル重合
開始剤;あるいは上記過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウ
ム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤とを組み合わせたレ
ドックス系重合開始剤を挙げることができる。レドック
ス系重合開始剤が好ましい。ラジカル重合開始剤の添加
量は、全モノマー量の0.05〜5重量%が好ましく、
特に0.1〜3重量%が好ましい。また得られる有機ポ
リマー微粒子を透明性の超微粒子にするため、重合促進
剤として遷移金属イオンの存在下に上記重合を行なうこ
とが好ましい。このようにして得られる上記乳化剤によ
り有機ポリマー微粒子は、表面に上記乳化剤が重合によ
り粒子に結合した状態で存在しており、このため、その
表面にはアニオン性基、カチオン性基(親水性基)が存
在することになる。従って、インク中の染顔料をその表
面で容易に吸着することができ、アニオン性基、カチオ
ン性基等が有効に働くことができる。このような親水性
基は、使用する乳化剤の種類、量、そして反応方法によ
り有機ポリマー微粒子の内部にも存在することになる。
【0022】更に、本発明のインク受理層に適用される
有機ポリマー微粒子において、その表面にはアニオン性
基、カチオン性基(親水性基)が存在することにより、
電気的な相互作用によってインク中の染料成分をインク
受理層にて定着させることが可能となる。
【0023】本発明のインクジェット記録シートにおけ
る放射線硬化性化合物は、1分子中に2個以上のエチレ
ン性二重結合を含有し、且つ親水性であることが必須で
ある。ここで、エチレン性二重結合としては、ビニル
基、アクリロイル基、メタクリロイル基、脂環エポキシ
基等を挙げることができ、このような官能基を末端或い
は側鎖に有する不飽和ポリエステル、変性不飽和ポリエ
ステル、アクリル系ポリマー、アクリル系オリゴマー、
アクリル系モノマー、メタクリル系ポリマー、メタクリ
ル系オリゴマー、メタクリル系モノマーやビニル型不飽
和結合を有するポリマー、オリゴマー及びモノマー、エ
ポキシ化合物等を本発明における放射線硬化性化合物と
することができるが、特にアクリロイル基を有する化合
物が放射線硬化性に優れているため好ましい。又、上記
のような構造からなる放射線硬化性化合物が親水性を有
するためには、その分子中に、水酸基、カルボキシル
基、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩基等
の極性基、エチレンオキサイド、ジエチレンオキサイ
ド、モルホリン、ピロリドン等の親水性ユニットを含有
していることが必要である。ここで、放射線硬化性樹脂
化合物が、単官能である場合には、放射線硬化性化合物
の架橋が進行しづらいため、インク受理層の硬度が不十
分となり、印字の際の溶解・膨潤を完全に防止すること
ができず、インク受理層の耐水性の低下を招く。又、放
射線硬化性化合物が親水性でない場合には、インク吸収
性が著しく低下し、インク溢れ、滲み等が発生する。
【0024】このような放射線硬化性化合物は市販のも
のを好適に用いることができる。以下、上記の事項に該
当する代表的な市販の放射線硬化性化合物を例示する
が、もちろん本発明がこれに限定されるものではない。
【0025】カヤラッドPEG400DA、カヤラッド
R−167、PET−30、サートマーSR−230、
サートマーSR−268、サートマーSR−344、サ
ートマーSR−444(以上、日本化薬製、カヤラッド
及びサートマーシリーズ)、NKエステルA−200、
NKエステルA−400、NKエステルA−600、N
KエステルA−TMM−3、NKエステルA−TMM−
3L(以上、新中村化学製、NKエステルシリーズ)、
アロニックスM−240、アロニックスM−245、ア
ロニックスM−205、アロニックスM−210(以
上、東亜合成アロニックスシリーズ)、3EG−A、4
EG−A、9EG−A、BP−4EA、PE−3A(以
上、共栄社油脂化学工業製、ライトアクリレートシリー
ズ)、PE−200、PE−300、PE−400、E
P−22、BPE4、TMP−3、PET−3、C−1
615、C−1615M(以上、第一工業製薬製、ニュ
ーフロンティアシリーズ)
【0026】上記のような親水性の放射線硬化性化合物
中でも、分子中にエチレンオキサイドセグメントを含有
する該化合物が、インク吸収性の点から特に好ましい。
エチレンオキサイドセグメントは、その複数が連続した
セグメントでもかまわないし、他のセグメントを挟んで
構成されてもかまわない。
【0027】有機ポリマー微粒子100固形重量部に対
する放射線硬化性化合物の配合量は、10〜70固形重
量部であり、より好ましくは20〜50固形重量部であ
る。ここで、該放射線硬化性化合物の配合量が10固形
重量部未満では、放射線硬化性化合物のバインダー性が
劣るため、インク受理層の強度が低下し耐水性に劣るた
め好ましくない。又、70固形重量部を越えるようにな
ると放射線硬化性化合物により形成される空隙のない皮
膜部分が多くなり過ぎるため、インク吸収性に劣る。
【0028】さらに、本発明のインク受理層中には、1
分子中に2個以上のエチレン性二重結合を含有する親水
性の放射線硬化性化合物の硬化性を調整し、インク吸収
性を安定化させる目的から、本発明の効果を阻害しない
範囲で必要に応じて、単官能の親水性の放射線硬化性化
合物を添加することができる。単官能の親水性の放射線
硬化としては、市販のものを好適に用いることができ、
例えば、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイ
ルモルホリン、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル4級
塩、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩
化メチル4級塩(以上、興人製)、カヤラッドR−12
8H、カヤラッドR−564(以上、日本化薬製、カヤ
ラッドシリーズ)、アロニックスM−101、アロニッ
クスM−102、アロニクスM−114、アロニックス
M−150、アロニックスM−154、アロニックスM
−5300、アロニックスM−5400、アロニックス
M−5500、アロニックスM−5600、アロニック
スM−5700(以上、東亜合成製、アロニックスシリ
ーズ)、NKエステルAMP−10G、NKエステルA
MP−20G、NKエステルAMP−60G、NKエス
テルAMP−90G(以上、新中村化学工業製、NKエ
ステルシリーズ)等を挙げることができる。
【0029】又、本発明のインク受理層中には、本発明
の効果を阻害しない範囲で、蛍光増白剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、光安定化剤、ラジカル重合開始剤、界
面活性剤、滑剤、カチオン性色素定着剤、顔料分散剤、
増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡
剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、防腐剤、防バイ剤、
耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等の各種添
加剤を添加することもできる。ここで、インク受理層中
に添加する蛍光増白剤としては、特に制限はないが、耐
放射線性、耐候性等に優れるチオフェン骨格を含有する
蛍光増白剤が特に好ましく、又、記録された画像の保存
安定性を向上させるため、紫外線吸収剤を本発明のイン
ク受理層中に添加することが特に好ましく、このような
紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレー
ト、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−
オクチルフェニルサリチレート等のサリチル酸系紫外線
吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−ドデキシロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒ
ドロキシ−4,4′−メトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等
のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2′−ヒドロ
キシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−
ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−
tert−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′−
(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミド
メチル)−5′−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾー
ル、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テ
トラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール
−2−イル)フェノール〕等のベンゾトリアゾール系紫
外線吸収剤、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,
3′−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−
3,3′−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレ
ート系紫外線吸収剤等、及びこれらの水溶性化紫外線吸
収剤、エマルジョン化紫外線吸収剤等が代表的なものと
して挙げることができる。
【0030】本発明のインクジェット記録シートのイン
ク受理層中への紫外線吸収剤の配合量としては、各紫外
線吸収剤の紫外線吸収能力やインク受理層の塗工量等に
より適宜決定されるが、上記の有機ポリマー微粒子10
0固形重量部に対して0.01〜10%、より好ましく
は0.1〜5%である。
【0031】本発明のインクジェット記録シートにおけ
るインク受理層中の放射線硬化性化合物を硬化させる放
射線としては、一般には紫外線、α線、β線、γ線、X
線及び電子線等が挙げられるが、α線、β線、γ線又は
X線は人体への危険性の問題が付随するため、取扱いが
容易で工業的にもその利用が普及している紫外線や電子
線が有効である。
【0032】本発明において、電子線を使用する場合、
照射電子線量は0.1〜10Mrad程度の範囲が好ま
しい。ここで、0.1Mrad未満では十分な照射効果
が得られないため硬化が不十分であり、10Mradを
超えると、支持体を劣化させるために好ましくない。電
子線の照射方式としては、スキャニング方式、カーテン
ビーム方式等を用いることができ、電子線の加速電圧
は、100〜300KV程度が好ましい。なお、電子線
照射に際しては雰囲気の酸素濃度が高いと放射線硬化性
化合物の硬化が妨げられるため、窒素、ヘリウム、二酸
化炭素等の不活性ガスによる置換を行い、酸素濃度を6
00ppm以下、より好ましくは400ppm以下に抑
制した雰囲気中で照射するのが一般的である。
【0033】又、本発明において紫外線を使用する場合
には、接着層中に増感剤を配合する必要があるが、その
具体例としては、例えば、ジ又はトリクロロアセトフェ
ノンのようなアセトフェノン類、ベンゾフェノン、ミヒ
ラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキ
ルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチル
チウラムモノサルファイド、チオキサントン類、アゾ化
合物等があり、紫外線硬化性樹脂の重合反応タイプ、安
定性、及び紫外線照射装置との適合性等の観点から選ば
れる。増感剤の使用量は、紫外線硬化性化合物に対し
て、通常1〜5重量%程度である。又、増感剤にはハイ
ドロキノンのような貯蔵安定剤が併用される場合もあ
る。光源としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、
高圧水銀灯、キセノンランプ及びタングステンランプ等
が使用される。
【0034】本発明におけるインク受理層の塗工量は乾
燥固形分で1〜30g/m2、より好ましくは5〜20
g/m2ある。インク受理層は、上記の有機ポリマー微
粒子、放射線硬化性化合物を水或いは有機溶剤に溶解或
いは分散するか、又は、放射線硬化性化合物が希釈性モ
ノマー、オリゴマーとなる場合には無溶媒で、従来公知
の塗工法を用いて鏡面金属ロール或いは高光沢合成樹脂
フィルム上に塗工することができる。このような塗工法
としては、例えば、ブレード方式、エアードクター方
式、スクイズ方式、エアーナイフ方式、リバースロール
方式、グラビアロール及びトランスファーロール方式、
バー方式及びカーテン方式等を挙げることができる。
【0035】本発明で使用される支持体としては、LB
KP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RM
P、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パル
プ、DIP等の古紙パルプ、等の木材パルプと従来公知
の顔料を主成分として、バインダー及びサイズ剤や定着
剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各
種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄
紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置で製造された
原紙、更に原紙に、澱粉、ポリビニルアルコール等での
サイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それ
らの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャス
トコート紙等の塗工紙も含まれる。この様な原紙及び塗
工紙に、そのまま本発明に係る塗層を設けても良いし、
平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、
TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置
を使用しても良い。又、該支持体の坪量としては、通常
40〜200g/m2であるが、特に制限されるもので
はない。
【0036】又、支持体としては、上記の原紙上にポリ
オレフィン樹脂層を設けても良いし、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、ポ
リウレタン等の合成樹脂やこれらの混合物のフィルム材
や、該合成樹脂を繊維化して成型したシートへの適用も
可能である。水洗再生により多数回の繰り返し適性を求
められる用途には、これらの耐水性支持体の使用が好ま
しい。
【0037】本発明において特に好ましく用いられる支
持体としての樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限は
なく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好
ましくは例えば高密度、高平滑な原紙が好ましい。原紙
を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合
成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられ
る。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ
剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料
等の添加剤が配合される。
【0038】さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光
増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布さ
れていてもよい。
【0039】また、原紙の厚味に関しては特に制限はな
いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて平滑化
処理した表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は
30〜250g/m2が好ましい。
【0040】樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィ
ン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレ
ン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上か
らなる共重合体およびこれらの混合物であり、各種の密
度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独
にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0041】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0042】本発明において特に好ましく用いられる支
持体である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフ
ィン樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわ
ゆる押出コーティング法により製造され、樹脂により被
覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場合は、
グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に用いら
れるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を照射
し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙に被
覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活
性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受容層
が塗布される面(オモテ面)は、その用途に応じて光沢
面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられ
る。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の
点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢
面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロ
ナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができ
る。また、被覆樹脂層の厚味としては特に制限はない
が、一般に5〜50μmの厚味に表面または表裏両面に
コーティングされる。
【0043】本発明における支持体には帯電防止性、搬
送性、カール防止性などのために、各種のバックコート
層を塗設することができる。バックコート層には無機帯
電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテッ
クス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせ
て含有せしめることができる。
【0044】本発明に係るインク受理層を塗工又は含浸
する方法は、各種ブレードコータ、ロールコータ、エア
ーナイフコータ、バーコータ、ロッドブレードコータ、
カーテンコータ、ショートドウェルコータ、サイズプレ
ス等の各種装置をオンマシン或いはオフマシンで用いる
ことができる。又、塗工又は含浸後には、マシンカレン
ダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカ
レンダー等のカレンダー装置を用いて仕上げることも可
能である。
【0045】本発明で云う水性インクとは、下記の色
素、溶媒、その他の添加剤からなる記録液体であり、色
素としては、発色性、鮮明性、安定性などが良好な、例
えば、C.I.Direct Yellow 12、C.I.Direct Yellow 24、
C.I.Direct Yellow 26、C.I.Direct Yellow 44、C.I.Di
rect Yellow 86、C.I.Direct Yellow 98、C.I.Direct Y
ellow 100、C.I.Direct Yellow 142、C.I.Direct red
1、C.I.Direct red 4、C.I.Direct red 17、C.I.Direct
red 28、C.I.Direct red 83、C.I.Direct Orenge34、
C.I.Direct Orenge 39、C.I.Direct Orenge 44、C.I.Di
rect Orenge 46、C.I.Direct Orenge 60、C.I.Direct V
iolet 47、C.I.Direct Violet 48、C.I.Direct Blue
6、C.I.Direct Blue 22、C.I.Direct Blue 25、C.I.Dir
ect Blue 71、C.I.Direct Blue 86、C.I.Direct Blue 9
0、C.I.Direct Blue 106、C.I.DirectBlue 199、C.I.Di
rect Black 17、C.I.Direct Black 19、C.I.Direct Bla
ck 32、C.I.Direct Black 51、C.I.Direct Black 62、
C.I.Direct Black 71、C.I.Direct Black 108、C.I.Dir
ect Black 146、C.I.Direct Black 154などの直接染
料、C.I.Acid Yellow 11、C.I.Acid Yellow 17、C.I.Ac
id Yellow 23、C.I.Acid Yellow 25、C.I.Acid Yellow
29、C.I.Acid Yellow 42、C.I.Acid Yellow 49、C.I.Ac
id Yellow 61、C.I.Acid Yellow 71、C.I.Acid red1、
C.I.Acid red 6、C.I.Acid red 8、C.I.Acid red 32、
C.I.Acid red 37、C.I.Acidred 51、C.I.Acidred 52、
C.I.Acid red 80、C.I.Acid red 85、C.I.Acid red 8
7、C.I.Acid red92、C.I.Acid red 94、C.I.Acid red 1
15、C.I.Acid red 180、C.I.Acid red 256、C.I.Acid r
ed 317、C.I.Acid red 315、C.I.Acid Orenge 7、C.I.A
cidOrenge19、C.I.Acid Violet 49、C.I.Acid Blue 9、
C.I.Acid Blue 22、C.I.Acid Blue 40、C.I.Acid Blue
59、C.I.Acid Blue 93、C.I.Acid Blue 102、C.I.Acid
Blue104、C.I.Acid Blue 113、C.I.Acid Blue 117、C.
I.Acid Blue 120、C.I.AcidBlue167、C.I.Acid Blue 22
9、C.I.Acid Blue 234、C.I.Acid Blue 254、C.I.Acid
Black 2、C.I.Acid Black 7、C.I.Acid Black 24、C.I.
Acid Black 26、C.I.Acid Black31、C.I.Acid Black 5
2、C.I.Acid Black 63、C.I.Acid Black 112、C.I.Acid
Black118 などの酸性染料、その他にも塩基性染料、反
応性染料或は食品用色素などの水溶性染料あるいは、カ
ーボンブラックなどの顔料を用いることができる。
【0046】インクの溶媒としては、水および水溶性の
各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアル
コール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ルなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド
類;アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトンまた
はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサ
ンなどのエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1、2、6
−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレン
グリコール、ジエチレングリコールなどのアルキレン基
が2〜6個のアルキレングリコール類;グリセリン、エ
チレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級
アルキルエーテル類などが挙げられる。
【0047】上記の水溶性有機溶剤の中でも、特にジエ
チレングリコールなどの多価アルコール、トリエチレン
グリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノエチルエーテルなどの多価アルコールの低級アル
キルエーテルが好ましい。
【0048】インク中に添加されるその他の添加剤とし
ては、例えば、pH調節剤、金属封鎖剤、酸化防止剤、
防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面
活性剤、および防錆剤などが挙げられる。
【0049】インクの除去には水を用いればよいが、3
0℃以上の温水を用いれば、インクの除去に要する時間
を短縮でき、より効果的である。これは温度を高めるこ
とにより、分子運動が活発になり、水の浸透やインクの
溶出が促進されるためと考えられる。さらに、水は液体
でなくてもよく、高温の水蒸気を用いるのも好適な手法
である。水蒸気は気体であるため、表面層への侵入はさ
らに速くなると考えられる。水蒸気を用いる場合は、洗
い流す水がないため、高温の水蒸気を吹きかけながら、
布、紙、樹脂などで払拭するのが効果的である。
【0050】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。ま
た、実施例において示す「部」および「%」は、特に明
示しない限り重量部および重量%を示す。
【0051】実施例1 ポリエチレンで表面を被覆した紙(樹脂被覆紙)上にイ
ンク受理層の塗被組成物として、有機ポリマー微粒子と
して、カチオン性の有機ポリマー微粒子(平均粒子径:
52nm、炭素−炭素二重結合を2個と4級アンモニウ
ム塩基を有する乳化剤により架橋されたポリスチレン微
粒子、商品名「ミストパールC−150」、荒川化学工
業(株)製)100部、放射線硬化性化合物(日本化薬
製、PET−30、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート)30部の混合物を固形分濃度25%の水溶液に調
製し、ロッドバーにより、乾燥塗布量が10g/m2
なるように塗工・乾燥し、インク受理層面側から、加速
電圧150KV、照射線量2Mradの条件で電子線を
照射してインク受理層を硬化して実施例1のインクジェ
ット記録シートを得た。
【0052】実施例2 インク受理層の有機ポリマー微粒子をポリスチレン系有
機粒子(旭化成工業製、L8999、平均粒子径200
nm)とした以外は実施例1と同様にして実施例2のイ
ンクジェット記録シートを得た。
【0053】実施例3 インク受理層の放射線硬化性化合物を、ジエチレングリ
コールジアクリレート(日本化薬製、SR−230)と
した以外は実施例1と同様にして実施例3のインクジェ
ット記録シートを得た。
【0054】実施例4 75μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィル
ム(ダイヤホイルヘキスト製、PET−O300、ヘー
ズ値0.85%)上にインク受理層の塗被組成物とし
て、有機ポリマー微粒子として、カチオン性の有機ポリ
マ−微粒子(平均粒子径:52nm、炭素−炭素二重結
合を2個と4級アンモニウム塩基を有する乳化剤により
架橋されたポリスチレン微粒子、商品名「ミストパール
C−150」、荒川化学工業(株)製)100部、放射
線硬化性化合物(日本化薬製、PEG400DA、ポリ
エチレングリコール400ジアクリレート)40部、紫
外線硬化用開始剤(E.MERCK社製のダロキユア1
173)0.5部の混合物を固形分濃度35%の水溶液
に調製した後、ロッドバーにより、乾燥塗布量が15g
/m2となるように塗工・乾燥して、紫外線照射処理を
施して、実施例4のインクジェット記録シートを得た。
【0055】比較例1 インク受理層の有機ポリマー微粒子をカチオン性のコロ
イダルシリカ(日産化学工業製、ST−AK−ZL、平
均粒子径80nm)とした以外は実施例1と同様にして
比較例1のインクジェット記録シートを得た。
【0056】比較例2 インク受理層の有機ポリマー微粒子をポリメタクリル酸
メチル粒子(MR−7G、総研化学製、平均粒径7.0
μm)とした以外は実施例1と同様にして比較例2のイ
ンクジェット記録シートを得た。
【0057】比較例3 インク受理層を、有機ポリマー微粒子を除いた以外は、
実施例1と同様にして作製し、比較例3のインクジェッ
ト記録シートを得た。
【0058】比較例4 インク受理層の放射線硬化性化合物を、1分子中のエチ
レン性二重結合数が1個であるフェノキシポリエチレン
グリコールモノアクリレートとした以外は、実施例1と
同様にして比較例4のインクジェット記録シートを得
た。
【0059】比較例5 インク受理層の放射線硬化性化合物を親水性で放射線非
架橋性のヒドロキシプロピルセルロースとする以外は、
実施例1と同様にして比較例5のインクジェット記録シ
ートを得た。
【0060】上記の実施例1〜4および比較例1〜5の
各インクジェット記録シートの性能を調べるため、イン
クジエツトプリンタ(EPSON製、MJ−700V2
C)で、シアン、マゼンタ、イエロ―、ブラツクそれぞ
れのベタを印字し、下記の要領で、インク吸収性、イン
ク受理層表面の耐水性およびインク除去性の評価を行っ
た。結果は、下記の表1に示されるとおりであった。
【0061】<インク吸収性>各色ベタの印字終了後、
指で触れてもインク移りの無くなるまでの時間(分)を
計測し、その平均を求めた。2分以内なら良好であると
判断した。
【0062】<インク受理層表面の耐水性>各色ベタを
印字したインクジェット記録シートを、水に5分間浸漬
したのちのインク受理層表面の状態を観察した。耐水性
の評価基準として、インク受理層の表面がすべて溶出し
たものを×、一部溶出したものを△、すべて残っている
ものを○、とした。○が良好である。
【0063】<インク除去性>各色ベタを印字したイン
クジェット記録シートを、水道水中に1時間浸漬し、そ
の前後の各色ベタ印字部分の印字濃度をマクベス濃度計
(マクベス社製のRD915)により測定し、濃度の低
下率を求めた。90%以上なら良好である。
【0064】
【表1】
【0065】表1から明らかなように、支持体表面に平
均粒子径200nm以下の有機ポリマー微粒子を主体と
するインク受理層を設けた実施例1〜4は、インク吸収
性及び耐水性が優れているのみならず再利用性に優れ
る。しかし、インク受理層に微細な無機コロイド粒子を
用いた比較例1では耐水性及びインク除去性で劣り、平
均粒子径が7.0μmと大きいポリマー粒子を用いた比
較例2と、インク受理層中に有機ポリマー微粒子を用い
ない比較例3ではインク吸収性が悪かった。1分子中に
1個のエチレン性二重結合しか有しない放射線硬化性化
合物を用いた比較例4及び非架橋性の親水性樹脂を用い
た比較例5では耐水性に劣っており、更にインク受理層
が流出した為にインク除去性の評価は出来なかった。
【0066】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録シートは、
支持体上に平均粒子径200nm以下のポリマー微粒
子、1分子中に2個以上のエチレン性二重結合を含有す
る放射線硬化性化合物を使用することにより、インク吸
収性及び耐水性に優れ、再利用性に優れたインクジェッ
ト記録シートである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に平均粒子径200nm以下の
    有機ポリマー微粒子及び1分子中に2個以上のエチレン
    性二重結合を含有する放射線硬化性化合物よりなるイン
    ク受理層を設けたことを特徴とするインクジェット記録
    シート。
  2. 【請求項2】 有機ポリマー微粒子が架橋されていて、
    しかもアニオン性又はカチオン性である請求項1に記載
    のインクジェット記録シート。
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Cited By (3)

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JP2007090879A (ja) * 2005-09-01 2007-04-12 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 記録方法、再生可能記録用紙、着色インクおよび記録用紙の再生方法
JP2012232425A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Ricoh Co Ltd 被記録媒体
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