JP3201582B2 - インクジェット記録材料用の表面塗工剤 - Google Patents

インクジェット記録材料用の表面塗工剤

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JP3201582B2
JP3201582B2 JP28426596A JP28426596A JP3201582B2 JP 3201582 B2 JP3201582 B2 JP 3201582B2 JP 28426596 A JP28426596 A JP 28426596A JP 28426596 A JP28426596 A JP 28426596A JP 3201582 B2 JP3201582 B2 JP 3201582B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方式における記録材料の表面に塗工することにより、
前記記録材料に優れたインク受理性、光沢感、耐水性お
よび耐光性を付与することができ、高解像度で高品質な
画像が得られるインクジェット記録材料用の表面塗工剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、騒音が少な
く、高速記録、多色化、装置のコンパクト化が可能であ
ることから急速に普及している。そして、インクジェッ
ト記録装置の高速化、記録画像の高精細化およびフルカ
ラー化に伴い、記録材料に対する要求が、ますます厳し
いものになってきており、カラー写真に匹敵する程度の
高解像度、高品質の記録画像が得られる記録材料が切望
されている。
【0003】しかしながら、従来の記録材料で、このよ
うな要望を充分に満足するものはなかった。具体的に述
べると、インクジェット方式記録では、他の方式とは比
較にならない程の高速印刷と多色印刷が行われるため、
従来の記録材料では、インキの吸収性、同一箇所に複数
のインキが付着した際の発色性、色彩の鮮明度、精細性
等が不充分であり、満足される高画質な画像が得られな
い。また、記録画像の保存安定性において、耐水性や耐
光性についても充分であるとはいえない。
【0004】このような問題を解決するために、インク
の吸収性を高めた記録材料が提案されているが、この記
録材料では、平滑性および印刷光沢が低下するため、視
覚的イメージが悪く、前述の高い要求の全てを満足して
いるとはいえない。
【0005】この他に、従来から記録画像の品質向上を
目的に、紙等のシート状基体に薬剤を塗工する方法が、
数多く検討されている。例えば、微粒子合成シリカ、軽
質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の
顔料を使用する方法を代表的な例としてあげることがで
きるが、前述の高い要求を満足するには至っていない。
【0006】さらに、その他の薬剤についても数多く検
討されている。例えば、シート状基体の最表層のインク
吸収層に、特定のグラフトポリマーを配合する方法(特
開昭63−149183号公報)、特定のキャストコー
ト紙上に特定のポリビニルアルコールと架橋剤を含有す
る皮膜を形成する方法(特開平6−155892号公
報)、カチオン性のポリマーを使用する方法(特開昭6
2−174184号公報、特開昭64−8085号公
報、特開平7−242056号公報、特開平7−242
057号公報、特開平8−39927号公報、特開平8
−108618号公報)、多孔質樹脂粒子を使用する方
法(特開平7−1835号公報、特開平7−17203
7号公報)、アクリロニトリル−アクリル酸エステル系
共重合体を使用する方法(特開平8−50366号公
報)等がある。しかしながら、これらの技術は、いずれ
も前述の高い要求を満足できるレベルではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、インクジェット記録方式における記録材料の表
面に塗工することにより、前記記録材料に優れたインク
受理性、光沢感、耐水性および耐光性を付与することが
でき、高解像度で高品質な画像が得られるインクジェッ
ト記録材料用の表面塗工剤を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のインクジェット記録材料用の表面塗工剤
は、下記の(A)〜(C)の共重合成分が下記に示す割
合で共重合された共重合体であり、そのガラス転移温度
が30〜200℃の範囲である共重合体のエマルジョン
を主成分とする。 (A) スチレンおよびα−メチルスチレンの少なくと
も一方のモノマー:5〜80重量% (B) 前記の式(化1)で表されるアクリル酸アルキ
ルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの少な
くとも一方のモノマー:5〜90重量% (C) α,β不飽和カルボン酸およびその塩類の少な
くとも一方のモノマー:0.5〜30重量% 但し、前記(A)〜(C)の共重合成分の合計は100
重量%である。
【0009】このように、本発明の表面塗工剤は、特定
の共重体のエマルジョンを主成分とすることにより、前
記課題を解決するものである。なお、本発明において、
主成分とは、共重合体のエマルジョンのみ(100重量
%)の場合を含む趣旨である。
【0010】また、本発明のインクジェット記録材料用
の表面塗工剤において、供述の理由から、前記(A)〜
(C)の共重合成分に加え、下記の(D)の共重合成分
が下記に示す割合で共重合されていることが好ましい。 (D) (A)〜(C)の共重合成分と共重合可能なモ
ノマー:0を超え20重量%以下 但し、(A)〜
(D)の共重合成分の合計は100重量%である。
【0011】そして、本発明のインクジェット記録材料
用の表面塗工剤において、後述の理由から、共重合体の
エマルジョンに加え、造膜助剤を含有することは、本発
明の効果をさらに高める上で好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を詳しく説明す
る。本発明における共重合体のエマルジョンを構成する
上記の(A)〜(C)の共重合成分および必要に応じ使
用される前記(D)の共重合成分の種類と共重合比率
は、得られるインクジェット記録材料用の表面塗工剤と
しての性能を充分考慮して決定しなければならない。
【0013】前記(A)の共重合成分であるスチレンお
よびα−メチルスチレンの少なくとも一方のモノマーの
共重合比率は5〜80重量%であり、好ましくは15〜
65重量%である。5重量%未満では印刷光沢が不足
し、また80重量%を超えると記録画像の耐光性が不足
するからである。
【0014】前記(B)の共重合成分であるアクリル酸
アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステル
の少なくとも一方のモノマーとしては、例えばアクリル
酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メ
タクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブ
チル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2
エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラ
ウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリ
ル等があげられる。これらは、単独で使用しても、2種
類以上併用してよい。この(B)の共重合成分におい
て、インク受理性と光沢性をバランス良く向上させると
いう理由から、メタクリル酸アルキルエステルとアクリ
ル酸アルキルエステルとを併用することが特に好まし
い。この場合の併用比は、メタクリル酸アルキルエステ
ル(重量%)/アクリル酸アルキルエステル(重量%)
=95/5〜50/50の範囲である。
【0015】また、この(B)の共重合成分の共重合比
率は、5〜90重量%であり、好ましくは15〜80重
量%である。5重量%未満では記録画像の発色の鮮明性
が不足し、90重量%を超えると記録画像の精細度が低
下するからである。
【0016】前記(C)の共重合成分であるα,β不飽
和カルボン酸およびその塩類の少なくとも一つのモノマ
ーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、クロトン酸およびそれらのナト
リウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等があげられ
る。これらは、単独で使用しても、2種類以上併用して
よい。このなかでも、コストおよび基材への付着強度の
理由から、アクリル酸、メタクリル酸のナトリウム塩ま
たはアンモニウム塩が好ましい。
【0017】前記(C)の共重合成分の共重合比率は、
0.5〜30重量%であり、好ましくは2〜25重量%
である。0.5重量%未満では記録画像の発色の鮮明性
および精細度が不足し、30重量%を超えると耐水性が
不足するからである。
【0018】前記(D)の共重合成分は、本発明の効果
を阻害しない範囲で使用しても差し支えない。前記
(D)の共重合成分としては、例えば、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリル
アミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシ
ポリエチレングリコールメタクリレート、酢酸ビニル、
アクリロニトリル、メチレンビスアクリルアミド、ポリ
エチレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼ
ン、トリメチロールプロパントリアクリレート、スチレ
ンスルホン酸およびその塩類、2−アクリルアミド2−
メチルプロパンスルホン酸およびその塩類等を例示する
ことができる。
【0019】前記(D)の共重合成分の共重合比率は、
20重量%以下であり、好ましくは0.1〜15重量%
の範囲である。20重量%を超えると本発明の効果が充
分に得られないからである。
【0020】つぎに、本発明にかかる共重合体のエマル
ジョンは、そのガラス転移温度が30〜200℃の範囲
であり、好ましくは40〜180℃の範囲である。ガラ
ス転移温度が30℃未満では被覆層(塗膜)の熱的安定
性が不足し、塗工面同士を重ね合わせた時に融着等のト
ラブルを生じるので好ましくない。また、200℃を超
えると均質な被覆層(塗膜)を形成できないので好まし
くない。なお、このガラス転移温度の範囲に設定するた
めには、前記(A)〜(C)の共重合成分(必要に応じ
前記(D)成分も含む)の種類と共重合比率を上記の共
重合比率の範囲内で選択する必要がある。
【0021】つぎに、本発明にかかる共重合体のエマル
ジョンは、例えば、常法の乳化重合方法により20〜6
0重量%の濃度で製造できる。具体的には、水に乳化剤
を溶解し、前記(A)、(B)、(C)および必用に応
じて(D)の共重合成分を加えて乳化させ、ラジカル重
合開始剤を加えて同時反応により乳化重合を行う方法が
あげられる。この他、連続滴下、分割仕込み等の方法に
より、前記の共重合成分あるいはラジカル重合開始剤を
反応系に供給する方法があげられる。また、前記の共重
合成分を乳化剤を用いて乳化させた状態で、反応系に供
給する方法も可能である。なお、重合温度は40℃〜1
00℃の範囲が望ましい。
【0022】製造に使用する乳化剤は、特に制限するも
のではなく、公知の乳化剤が使用可能である。例えば、
高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ジアルキルスルホコハ
ク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジ
フェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシエチレン
アルキルアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポ
リオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル
硫酸エステル塩、アリルアルキルスルホサクシネート塩
等のアニオン性乳化剤があげられる。また、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエス
テル等のノニオン性乳化剤も使用可能である。また、ポ
リスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルアルコー
ルのスルホン化物、ポリエチレングリコール等の高分子
乳化剤も使用可能である。
【0023】製造に使用するラジカル重合開始剤は、特
に制限はされず、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過
硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過酸化物、これら
の過酸化物との組み合わせで通常使用される各種のレド
ックス開始剤、または、2,2−アゾビス(アミジノプ
ロパン)塩酸塩のようなアゾ系開始剤がいずれも使用可
能である。また、必用に応じて、ドデシルメルカプタ
ン、ジアルキルアミン、アリルアルコール等の分子量調
整剤を併用しても差し支えない。
【0024】本発明のインクジェット記録材料用の表面
塗工剤は、前記共重合体のエマルジョンを主成分とする
ものである。前記共重合体のエマルジョンの割合は、表
面塗工剤全体に対し、通常、10〜100重量%、好ま
しくは40〜100重量%である。そして、本発明のイ
ンクジェット記録材料用の表面塗工剤は、前記共重合体
のエマルジョンの他に、紙加工などで一般に使用されて
いる表面紙力剤、表面サイズ剤、帯電防止剤、粘度調節
剤、染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、防黴
剤、防滑剤等が配合されていてもよい。これらの添加剤
の配合割合は、前記共重合体のエマルジョンの機能を阻
害しない範囲であれば、特に制限されないが、表面塗工
剤全体に対し、通常、1〜50重量%、好ましくは5〜
40重量%である。
【0025】また、本発明の表面塗工剤を塗工して形成
される塗膜の表面は、通常、平滑であるが、この平滑性
をさらに高めるために造膜助剤を使用することが好まし
い。この造膜助剤としては、フタル酸エステル類に代表
される可塑剤や、2−ブトキシエタノール、プロピレン
グリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタ
ンジオールモノイソブチレート等があげられる。この造
膜助剤の配合割合は、表面塗工剤全体に対し、通常、
0.3〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲
である。
【0026】本発明の適用の対象となるシート状基体
は、インクジェット記録に適するものであれば特に制限
されず、天然パルプ紙、顔料塗工紙、合成紙が使用で
き、この他に、布や、ポリエチレンテレフタレート等の
プラスチックフィルムシートも使用できる。
【0027】本発明のインクジェット記録材料用の表面
塗工剤の塗工割合は、前記共重合体のエマルジョンのシ
ート状基体に対する割合で、通常、0.1〜25g/m
2 であり、好ましくは1〜20g/m2 である。また、
塗工方法は、従来方法を用いることが可能であり、エア
ードクターコーター、エアーナイフコーター、ブレード
コーター、ロールコーター、カーテンコーター、グラビ
アコーター、スプレー等を利用できる。なお、シート状
基体として、紙を使用する場合は、塗工に先立ち、シリ
カまたはアルミナを原紙に塗工し、この上に本発明の表
面塗工剤を塗工してもよい。
【0028】
【実施例】つぎに、実施例について比較例と併せて説明
する。なお、以下の実施例等において、特に言及する場
合を除き、「重量%」および「重量部」は、それぞれ
「%」および「部」と略記する。
【0029】まず、以下に示す製造例により共重合体の
エマルジョンを作製した。 (製造例1)撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロート
および窒素導入管を備えた装置に、脱イオン水490部
と下記に示す組成の単量体乳化物の内13部を仕込み、
窒素気流下で70℃まで加熱した。ついで、撹拌下で7
0℃に保ちながら、過硫酸アンモニウム2.3部を溶解
させた脱イオン水溶液10部を加えて重合反応を開始し
た。そして、70℃に保ちながら残りの単量体乳化物6
40部を2時間かけて滴下した。さらに同温度で1時間
保温して重合反応を完結させた。冷却後、10%水酸化
ナトリウムでpHを7.5に調整し、脱イオン水で希釈
して固形分濃度40%、ガラス転移温度70℃の共重合
体のエマルジョン(S−1)を得た。
【0030】 単量体乳化物(組成) 単量体 スチレン 165部 メタクリル酸メチル 165部 アクリル酸n−ブチル 77部 メタクリル酸 53部 乳化剤 ポリオキシエチレン(n=10)ノニルフェニルエーテル 硫酸エステルのナトリウム塩 21部 脱イオン水 バランス 計653部 (製造例2〜6)下記の表1に示す単量体組成に変えた
以外は、製造例1と同様の操作を行い、固形分濃度40
%の共重合体のエマルジョン(S−2〜S−6)を得
た。
【0031】(製造例7)乳化剤としてアリルラウリル
スルホサクシネートのナトリウム塩を使用し、単量体組
成を下記の表1に示す組成に変えた以外は製造例1と同
様の操作を行い、固形分濃度40%の共重合体のエマル
ジョン(S−7)を得た。
【0032】(製造例8)乳化剤としてポリオキシエチ
レン(n=10)アルキルプロペニルフェニルエーテル
硫酸エステルアンモニウム塩を使用し、単量体組成を下
記の表1に示す組成に変えた以外は製造例1と同様の操
作を行い、固形分濃度40%の共重合体のエマルジョン
(S−8)を得た。
【0033】(製造例9〜13)単量体の組成を下記の
表1に示す組成に変えた以外は製造例1と同様の操作を
行い、固形分濃度40%の共重合体のエマルジョン(H
−1〜H−5)を得た。なお、ここで製造した共重合体
のエマルジョンH−1〜H−5は、本発明の効果を示す
ための比較用である。
【0034】
【表1】
【0035】(実施例1〜8)前記製造例1〜8で合成
した各重合体のエマルジョン(S−1〜S−8)をその
まま表面塗工剤とした。
【0036】(実施例9〜10)製造例1で合成した共
重合体のエマルジョン(S−1)に、下記の表2に示す
造膜助剤を前記エマルジョンに対して有効分で5重量%
の割合で添加して混合し、この混合物を表面塗工剤とし
た。
【0037】(比較例1〜5)製造例9〜13で合成し
た共重合体のエマルジョン(H−1〜H−5)をそのま
ま表面塗工剤とした。
【0038】(比較例6)製造例13で合成した共重合
体のエマルジョン(H−5)に、下記の表2に示す造膜
助剤を前記エマルジョンに対して有効分で5重量%の割
合で添加して混合し、この混合物を表面塗工剤とした。
【0039】(比較例7)表面塗工剤を用いずに、後述
の方法により、原紙を用いて印刷と性能評価を行った。
【0040】このようにして得られた実施例1〜10、
比較例1〜6の表面塗工剤について、下記の方法により
塗工し印刷と性能評価をおこなった。この結果を、下記
の表2に示す。また、比較例7の結果も併せて下記の表
2に示す。 (塗工)坪量85g/m2 、ステヒキトサイズ度6秒の
紙に、各表面塗工剤をアプリケーターバーを用いて乾燥
固形分5g/m2 になるように塗工し、110℃、40
秒の条件で乾燥して試験紙を得た。 (印刷と性能評価)上記で得た試験紙に、インクジェッ
トプリンター(EPSON社製、MJ−800C)を用
いてフルカラー印刷し、以下の評価を行った。
【0041】(1)発色の鮮明度:記録画像の色彩、発
色の鮮やかさを目視により評価した。 ◎:色彩、発色の鮮やかさが優れており、色かすれがな
い。 ○:微かに色かすれがあるが、実用上問題がない。 △:若干、色彩や発色の鮮やかさが劣る。 ×:色かすれがあり、色彩や発色の鮮やかさが劣る。
【0042】(2)記録画像の精細度:記録画像のにじ
みの程度を目視により評価した。 ◎:にじみがない。 ○:微かに、にじみがあるが、実用上問題がない。 △:にじみが若干認められる。 ×:にじみが大きい。
【0043】(3)記録画像の耐水性:印刷した試験紙
を水中に15分間浸漬し、その後室温で乾燥して記録画
像のにじみ具合および変色の程度を目視により評価し
た。 ◎:にじみ、変色がない。 ○:微かに、にじみ、変色が認められるが実用上問題が
ない。 △:にじみ、変色が若干認められる。 ×:にじみ、変色が大きい。
【0044】(4)記録画像の耐光性:印刷した試験紙
をフェードテスターを用いて、60℃、24時間照射
し、記録画像の退色の程度を目視で判定した。 ◎:退色が認められない。 ○:微かに退色が認められるが実用上問題がない。 △:退色が若干認められる。 ×:退色の程度が大きい。
【0045】(5)光沢感:印刷した試験紙の光沢感を
目視で判定した。 ◎:光沢感が非常に高く優れている。 ○:光沢感がある程度高い。 △:光沢感があまりなく、やや劣っている。 ×:光沢感がなく、劣っている。
【0046】(6)視覚的イメージ:記録画像の美観的
なイメージについて、優れていると判断したものを○、
やや劣っていると判断したものを△、劣っていると判断
したものを×、として評価した。
【0047】
【表2】
【0048】前記表2に示すように、本発明にかかる特
定の共重合体のエマルジョンを主成分とする実施例1〜
10では、鮮明度、精細度、耐水性、耐光性、光沢感、
視覚的イメージのいずれの特性においても優れていた。
特に、造膜助剤を併用した実施例9、10では、より優
れた結果が得られた。これに対し、比較例の表面塗工
は、前記諸特性の全てを満足できるものはなかった。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明のインクジェット
記録材料用の表面塗工剤を使用することにより、記録材
料に優れたインク受理性、光沢感、耐水性および耐光性
を付与することができ、また得られる画像もカラー写真
に匹敵する程度の高解像度で高品質なものとなり、イン
クジェット記録方式の特性を充分に引き出すことができ
るようになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−95282(JP,A) 特開 平8−170300(JP,A) 特開 平10−76749(JP,A) 特開 昭57−187289(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(C)の共重合成分が下
    記に示す割合で共重合された共重合体であり、そのガラ
    ス転移温度が30〜200℃の範囲である共重合体のエ
    マルジョンを主成分とするインクジェット記録材料用の
    表面塗工剤。 (A) スチレンおよびα−メチルスチレンの少なくと
    も一方のモノマー:5〜80重量% (B) 下記の式(化1)で表されるアクリル酸アルキ
    ルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの少な
    くとも一方のモノマー:5〜90重量% 【化1】 (前記式において、R1 は、水素原子またはメチル基で
    あり、 R2 は、炭素数1〜22の飽和若しくは不飽和の直鎖状
    または分岐状の脂肪族炭化水素基である。) (C) α,β不飽和カルボン酸およびその塩類の少な
    くとも一方のモノマー:2〜25重量%但し、前記
    (A)〜(C)の共重合成分の合計は100重量%であ
    る。
  2. 【請求項2】 共重合成分(C)が、アクリル酸、メタ
    クリル酸およびそれらの塩類のうちから選ばれる少なく
    とも一つのモノマーである請求項1記載のインクジェッ
    ト記録材料用の表面塗工剤。
  3. 【請求項3】 下記の(A)〜(D)の共重合成分が下
    記に示す割合で共重合された共重合体であり、そのガラ
    ス転移温度が30〜200℃の範囲である共重合体のエ
    マルジョンを主成分とするインクジェット記録材料用の
    表面塗工剤。(A) スチレンおよびα−メチルスチレンの少なくと
    も一方のモノマー:5〜80重量% (B) 下記の式(化2)で表されるアクリル酸アルキ
    ルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステルの少な
    くとも一方のモノマー:5〜90重量% 【化2】 (前記式において、R1 は、水素原子またはメチル基で
    あり、 R2 は、炭素数1〜22の飽和若しくは不飽和の直鎖状
    または分岐状の脂肪族炭化水素基である。)(C) α,β不飽和カルボン酸およびその塩類の少な
    くとも一方のモノマー:2〜25重量% (D) (A)〜(C)の共重合成分と共重合可能なモ
    ノマー:0を超え20重量%以下但し、(A)〜(D)
    の共重合成分の合計は100重量%である。
  4. 【請求項4】 共重合体のエマルジョンに加え、造膜助
    剤を含有する請求項1からのいずれかに記載のインク
    ジェット記録材料用の表面塗工剤。
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