JP2630899B2 - 段ボール滑り防止剤、滑り防止層を有する段ボール箱の製造方法および滑り防止層を有する段ボール箱 - Google Patents

段ボール滑り防止剤、滑り防止層を有する段ボール箱の製造方法および滑り防止層を有する段ボール箱

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JP2630899B2
JP2630899B2 JP5070667A JP7066793A JP2630899B2 JP 2630899 B2 JP2630899 B2 JP 2630899B2 JP 5070667 A JP5070667 A JP 5070667A JP 7066793 A JP7066793 A JP 7066793A JP 2630899 B2 JP2630899 B2 JP 2630899B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は段ボールの滑りを防止す
る滑り防止剤、この滑り防止層を設置する段ボール箱の
製造方法および滑り防止層を有する段ボール箱に関す
る。
【0002】
【従来の技術】段ボールは通常次のようにして製造され
る。表ライナーに水性フレキソ印刷を行ない、次に印刷
面の保護と艶出しのためワニスが塗布される。ここまで
の工程で得られたライナーがプレプリントライナーと呼
ばれる。近年ワニスの塗布を省略したプレプリントライ
ナーも使用されるようになった。次にコルゲーターのシ
ングルフェサーで片面段ボールが作られ、ダブルフェサ
ーでプレプリントライナーと片面段ボールと貼り合わせ
てプレプリント段ボールが製造される。段ボールの欠点
の1つは表面が滑らかなため滑り易く、そのため積み重
ねると荷崩れを生じることである。そのためコロイダル
シルカをプレプリントライナーの上に塗布することが広
く行なわれて来た。コロイダルシリカは滑り防止効果は
大きいが水性フレキソ印刷面に直接塗布することが出来
なかった。それはフレキソ印刷インキが耐アルカリ性が
ないため、フレキソ印刷面にコロイダルシリカのような
アルカリ性物質を塗布すると印刷面が侵されてインキが
滲む問題があるからである。なおフレキソ印刷インキは
以前はアルコール系ビヒクルにアニリン染料を溶解した
インキが使用され、アニリンインキなどとも呼ばれた
が、現在は顔料をビヒクルに分散したインキが用いられ
ている。版材としてフレキシブルなゴムや合成樹脂の凸
版を用いるのでフレキソインキの名称が使用されてい
る。また特願昭63−282429号発明はアルコキシ
シリル基を有するビニル単量体共重合体エマルジョンを
用いた滑り止め剤を提案している。一方、コロイダルシ
リカはアルカリ性にすることにより安定化されているた
め中性とすると増粘、ゲル化、凝集が発生する。ところ
で近年工程短縮のためにワニスによる保護層の形成と滑
り防止層の形成を1工程で行なうことが要求されるよう
になった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】保護ワニス塗布を兼ね
た滑り防止剤に要求される性能は次の通りである。 (イ) 水性フレキソ印刷面を侵さないこと。 (ロ) 光沢があること。 (ハ) 滑り防止効果が大きいこと。 (ニ) 耐湿熱ブロッキング性が良いこと。 (ホ) 耐熱性があること。(ダブルフェサーで、プレ
プリントライナーと片面段ボールを貼り合わせる時、熱
がかかるため、200℃以上でもブロッキングしない必
要がある。) (ヘ) 表面耐摩耗性が良好なこと。 (ト) 塗工適性が良好なこと。本発明はワニス塗布と
滑り防止を一工程で行なうための特別の組成の滑り防止
剤を開発してこれ等の全ての問題を解決した。
【0004】
【課題を解決した手段】本発明は、 「1. ビニル単量体、アルコキシシリル基を有するビ
ニル単量体およびアリル基を2以上有する単量体を乳化
重合して得た共重合体を含有する水性エマルジョンに、
その固形分100重量部に対して、メタアルミン酸イオ
ンで表面処理されたコロイダルシリカ5〜200重量部
を配合し、pH8以下とした混合物を主材とする段ボー
ル用滑り防止剤。 2. アリル基を2以上有する単量体がジアリルフタレ
ートである、1項に記載された段ボール用滑り防止剤。 3. 水性エマルジョンに含有される共重合体が、ビニ
単量体80〜96重量部、アルコキシシリル基を有す
るビニル単量体2〜10重量部、アリル基を2以上有す
る単量体2〜10重量部とを乳化重合して得た共重合体
である、1項または2項に記載された段ボール用滑り防
止剤。 4. 水性エマルジョンに含有される共重合体が、重合
性乳化剤を用いて重合したものである、1項ないし3項
のいずれか1項に記載された段ボール用滑り防止剤。 5. 水性エマルジョンに含有される共重合体が、重合
性乳化剤と非重合性乳化剤を用いて重合したものてあ
る、1項ないし4項のいずれか1項に記載された段ボー
ル用滑り防止剤。 6. ビニルピロリドン−マレイン酸共重合体アルカル
塩増粘剤および/または水溶性ウレタン増粘剤により増
粘した、1項ないし5項のいずれか1項に記載された段
ボール用滑り防止剤。 7. 1項ないし6項のいずれか1項に記載された段ボ
ール滑り防止剤を水性フレキソ印刷した段ボールライナ
ーの印刷面に直接塗工、乾燥したライナーと片面段ボー
ルを貼り合わせた段ボールから段ボール箱を形成するこ
とを特徴とする滑り防止層を有する段ボール箱の製造方
法。 8. 水性フレキソ印刷面に、1項ないし6項のいずれ
か1項に記載された滑り防止剤を塗布して形成した滑り
防止層を有する段ボール箱。」に関する。
【0005】
【作用】本発明の第1の特徴は、シリカ表面をメタアル
ミン酸イオンで処理したコロイダルシリカを使用するこ
とである。このシリカは、シリカ粒子表面の一部にメタ
アルミン酸シリケートイオンが形成されているものであ
って、コロイダルシリカに水酸化アルミニウムをメタア
ルミン酸イオンの形で加え反応することによって製造さ
れる。コロイダルシリカ粒子表面のシラノール基は反応
性に富み、アルコール、フェノール、ケトンなどの水酸
基とも良く反応し、メタアルミン酸イオンとも下記式の
反応により、メタアルミン酸シリケートイオンが形成さ
れる。
【0006】
【化1】
【0007】一般のコロイダルシリカは、粒子の表面に
は−SiOH基及び−OHイオンが存在し、アルカリ
イオンにより電気二重層が形成され、粒子間の反発によ
り、安定化されている。この電荷バランスがくずれて、
粒子同志が接合すると増粘、ゲル化、凝集等が起こると
考えられている。本発明で用いるコロイダルシリカは中
性域でも安定で従来のものとは性質が全く相違する。
【0008】本発明は表面をメタアルミン酸イオンで処
理したコロイダルシリカを使用することにより前述の
「(イ)水性フレキソ印刷面を侵さないこと」の問題は
解したが、これだけでは他の問題は解決出来なかった。
このメタアルミン酸イオンで表面処理したコロイダルシ
ルカを単純に従来のコロイダルシリカに置き換えて使用
した場合、耐湿熱ブロッキング性、耐熱性が低下してし
まうのである。また、耐湿熱ブロッキング性、耐熱性の
低下を押さえるためにこの表面処理したコロイダルシリ
カの使用量を多くすれば耐湿熱ブロッキング性、耐熱性
は満足出来ますが、滑り防止効果や光沢が低下してしま
う。これらのことから、従来のコロイダルシリカを使用
した滑り防止剤のコロイダルシリカをこの表面処理した
コロイダルシリカに置き換えただけではワニス引きを兼
ねた滑り防止剤の性能を満足することが出来ないことが
わかった。
【0009】表面をメタアルミン酸イオンで処理したコ
ロイダルシリカの配合割合はエマルジョン固形分100
重量部に対し5〜200重量部である。5重量部以下で
は耐湿熱ブロッキング性および耐熱性が非常に低くな
り、200重量部以上では、滑り防止効果および光沢度
が低下する。滑り防止剤のpHは8以下である。8以上
では水性フレキソ印刷面を侵し、印刷面がにじんでしま
う。
【0010】本発明の第2の特徴は水性エマルジョンと
してアリル基を2以上含有する単量体を共重合したエマ
ルジョンを使用することである。前述の「(ロ)光沢が
あること〜(ホ)耐熱性があること」の性能は、例えば
前述のアルコキシシリル基を有するビニル単量体共重合
体エマルジョンを用いた特願昭63−282429号の
発明でも解決されている。ところが、アルコキシシリル
基を有するビニル単量体共重合体エマルジョンを用いて
も前述の「(イ)水性フレキソ印刷を侵さない」性能を
満足するためにメタアルミン酸イオンで表面処理したコ
ロイダルシリカを使用すると「(ニ)と(ホ)」の性能
が低下してしまうことがわかった。そして耐熱性の向上
するためにアルコキシシリル基を有するビニル単量体
量を多くすると段ボール表面への密着性が低下する。こ
のようにアルコキシシリル基を有するビニル単量体共重
合体エマルジョンでは滑り止め層の表面の耐摩耗性の問
題は解決出来なかった。本発明はアリル基を2以上含有
する単量体を共重合することによりこの問題を解決し
た。本発明により前述の「(ニ)と(ホ)」の性能も向
上するが、特に「(ヘ)の表面耐摩耗性」が大きく向上
し、250g/cm×200回の耐摩耗性試験で摩耗
は発生しなかった。
【0011】本発明の第3の特徴は、増粘剤としてビニ
ルピロリドン−マレイン酸共重合体のアルカリ塩および
/または水性ウレタン増粘剤を用いたことで、これ等の
増粘剤の使用により高速塗工時の粘度安定性が改善され
た。通常のコロイダルシリカでも、メタアルミン酸イオ
ンで表面処理したコロイタルシリカでも、水性エマルジ
ョンに配合すると粘度が低下するので、塗工剤としては
これを増粘して使用する必要がある。一般のアルカルサ
イドのコロイダルシリカを使用したものは、増粘のさい
にアルカリサイドで増粘効果がある増粘剤しか使用でき
ない欠点があり、経時後の安定性にも問題がある。メタ
アルミン酸イオンで表面処理したコロイダルシリカを使
用したものは、中性域で安定なので増粘剤の選択の問題
はない。塗工適性が特に問題となる場合は、ロールコー
ターにより高速で塗工される時で、高速塗工時の粘度安
定性が均一な塗工に必要となる。ポリビニルアルコール
やメチルセルロースなどの汎用の増粘剤は回転数による
粘度の変化が大きいチクソトロピックな粘性のたを示す
ロールコーターの高速運転中に粘度が低下し、均一な塗
工が出来なくなる問題がある。高速塗工時の粘度安定性
は、ビニルピロリドン−マレイン酸共重合体アルカリ塩
増粘剤および/または水溶性ウレタン増粘剤を使用する
ことにより良好となる。これらの増粘剤は、回転数によ
る粘度の変化が少ないニュートニアンな粘性で、ロール
コーターの高速運転中の粘度変化が少ないので、均一な
塗工ができ塗工適性に優れている。こうして「(ト)塗
工性が良好であることの問題」も解決された。
【0012】ビニルピロリドン−マレイン酸共重合体ア
ルカリ塩増粘剤としては、商品名ビスマルYK−1(東
邦化学社製)、水溶性ウレタン増粘剤としては、ボルチ
ゲルL65(ヘキストAG.社製)、アデカノールUH
472(旭電化工業社製)があげられる。
【0013】本発明で使用するビニル単量体としては、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリ
ルなどのアクリル酸エステル類;メタアクリル酸メチ
ル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチル、メ
タアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ラウ
リルなどのメタアクリル酸エステル類;アクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリル:スチレン、メチルスチレ
ン、クロルスチレン;などが適当である。そして、これ
らのうち、ガラス転移温度の高い単量体と低い単量体を
組合わせるのが特に良い。ことに、メタアクリル酸エス
テル系単量体が主として用いられる。また、スチレン−
アクリル系単量体でスチレンがリッチなものも好適に用
いられる。さらに、本発明においては前記の単量体に対
して、次に示す単量体を共重合させることができる。共
重合させる単量体としては、クロトン酸メチル、クロト
ン酸エチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチルな
どの、アクリル酸エステル類、メタアクリル酸エステル
類以外の不飽和カルボン酸エステル類あるいは不飽和多
価カルボン酸エステル類;酢酸ビニル、2プロピオン酸
ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、およ
び、ピパリン酸ビニルなどのビニルエステルおよびベオ
バ(シェル化学社の登録商標)などのα−位で分岐した
飽和カルボン酸のビニルエステルなどのビニルエステ
ル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、;エチレンなども使
用できる。
【0014】アリル基を2以上含有する単量体として
は、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、ト
リアリルイソシアヌレート、テトラアリルオキシエタン
等であり、ジアリルフタレートが最も好ましい。その使
用量は全単量体あたり2〜10重量%である。 本発明で
言うアルコキシシリル基は(RO) Si−、Rは
アルキル基、n+m=3、n≧1で示される基であっ
て、本発明に使用するアルコキシシリル基を有するビニ
ル単量体としては、γ−メタクリロオキシプロピルトリ
エトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどが挙げ
られる。その使用量は全単量体に対し2〜10重量%で
ある。
【0015】メタアルミン酸イオンで表面処理したコロ
イダルシリカとしては、アデライトAT−20A、アデ
ライトAT−30A(旭電化工業社製);カタロイド
SA(触媒化成工業社製);スノーテックス C(日産
化学工業社製);ルドックス AM(米国、デュポン社
製)等が使用される。乳化剤としては重合性乳化剤を使
用すると滑り防止剤の耐水性が向上する効果が奏され
る。重合性乳化剤に非重合性乳化剤を併用することも出
来る。
【0016】
【実施例】実施例1 酸性燐酸メタクリル酸エステル(重合性乳化剤)2重量
部の存在下で、スチレン24重量部、メタクリル酸メチ
ル20重量部、アクリル酸ブチル10重量部、アクリル
酸2−エチルヘキシル37重量部、γ−メタクリロオキ
シプロピルトリメトキシシラン3重量部、ジアリルフタ
レート3重量部、メタクリル酸3重量部からなる混合単
量体を乳化重合し、アンモニア水でpHを調整して得た
固形分含有量47重量%、粘度250センチポイズ、p
H6.5の水性分散液(固形分換算)70重量部に、
タアルミン酸イオンで表面処理されたコロイダルシリカ
(粒子径15〜20ナノメーター、固形分濃度30重量
%、pH9.5)(固形分換算)30重量部を加え、均
一に混合して段ボール用滑り防止剤を得た。段ボール用
滑り防止剤の固形分濃度は40重量%、粘度は100セ
ンチポイズ以下、pHは7.5であった。また、密閉容
器内で、70℃、14日以上放置後も異常は認められず
安定性の評価は後述する表1に示すように○であった。
【0017】実施例2〜4 実施例1において単量体の種類と量、乳化剤の種類と
量、メタアルミン酸イオンで表面処理されたコロイダル
シリカの量を表1のように変えて、実施例1と同様に操
作して段ボール用滑り防止剤を得た。段ボール用滑り防
止剤の固形分濃度、粘度、pHおよび安定性は表1の通
りであった。
【0018】比較例1 実施例1において単量体組成をジアリルフタレート3重
量部を使用せず、メタクリル酸メチルを23重量部とし
た以外は実施例1と同様の混合単量体を乳化重合しアン
モニア水でpHを調整して得た固形分含有量47重量
%、粘度300センチポイズ、pH9.5の水性分散液
(固形分換算)70重量部を使用し、実施例1において
使用したメタアルミン酸イオンで表面処理されたコロイ
ダルシリカの代わりに、コロイダルシリカ(メタアルミ
ン酸イオンで表面処理されていない。粒子径10〜15
ナノメーター、固形分濃度30重量%、pH9.5)
(固形分換算)30重量部を加え、均一に混合して組成
物を得た。組成物の固形分濃度、粘度、pHおよび安定
性は表1の通りであった。
【0019】比較例2 比較例1で使用した水性分散液と同じ組成でpHを6.
5に調整した水性分散液(固形分換算)70重量部に、
実施例1で使用したメタアルミン酸イオンで表面処理さ
れたコロイダルシリカ(固形分換算)30重量部を使用
し、均一に混合して組成物を得た。組成物の固形分濃
度、粘度、pHおよび安定性は表1の通りであった。
【0020】比較例3 比較例1で使用した水性分散液と同じ組成でpHを6.
5に調整した水性分散液(固形分換算)40重量部に、
実施例1で使用したメタアルミン酸イオンで表面処理さ
れたコロイダルシリカ(固形分換算)60重量部を使用
し、均一に混合して組成物を得た。組成物の固形分濃
度、粘度、pHおよび安定性は表1の通りであった。
【0021】比較例4 実施例1で使用したメタアルミン酸イオンで表面処理さ
れたコロイダルシリカの代わりに、コリダルシリカ(
タアルミン酸イオンで表面処理されていない。粒子径1
0〜15ナノメーター、固形分濃度30重量%、pH
9.5)に使用した以外は実施例1と同様に操作して組
成物を得た。この組成物のpH7.5であり、この組成
物を密閉容器内で、70℃、2日放置後にはゲル化して
しまい安定性は×であった。
【0022】比較例5 実施例1で使用した水性分散液と同じ組成でpHを9.
5に調整した水性分散液を使用し、実施例1使用した
タアルミン酸イオンで表面処理されたコロイダルシリカ
の代わりに、コロイダルシリカ(メタアルミン酸イオン
で表面処理されていない。粒子径10〜15ナノメータ
ー、固形分濃度30重量%、pH9.5)に使用した以
外は実施例1と同様に操作して組成物を得た。組成物の
固形分濃度、粘度、pHおよび安定性は表1の通りであ
った。
【0023】
【表1】
【0024】安定性 試料を密閉容器に入れ、50℃、3ヶ月放置し、経時後
の粘度変化を観察した。 ○……放置前の粘度と変化は認められなかった。 ×……放置前の粘度の50%以上の粘度変化が認められ
た。 表面処理 ○……処理した ×……処理しない 比較試験 実施例1〜4で得た段ボール用滑り防止剤および比較例
1〜5で得た組成物(但し、比較例4は安定性が悪かっ
たので使用しなかった。)について、下記の試験方法に
より、フレキソ印刷面の溶解性、光沢、滑り角度、耐熱
性、耐湿熱ブロッキング性、耐摩耗性を調べた。その結
果は表2の通りであった。
【0025】
【表2】
【0026】(試験方法) 前記の段ボール用滑り防止剤および組成物を段ボールラ
イナーの水性フレキソ印刷面に、バーコーターによって
塗布量(固形分)約5g/mになるように塗布し、1
00℃、1分で乾燥後、温度20℃、湿度60%RHの
恒温恒湿室中で24時間調湿して、次の如く試験した。 フレキソ印刷面の溶解性 水性フレキソ印刷面の状態を観察した。 ○……水性フレキソ印刷面に異常が認められなかった。 ×……水性フレキソ印刷面で水性フレキソインキが溶解
しにじみが認められた。 光沢 皮膜を形成した面の光沢を観察した。 ◎……水性フレキソ印刷面より著しく光沢が向上した。 ○……水性フレキソ印刷面より多少光沢が良くなかっ
た。 △……水性フレキソ印刷面の光沢とほとんど変わらなか
った。 滑り角度 ASTM法に準じてスリップテスターを使用し、温度2
0℃、湿度65%RHの条件下で塗工面/塗工面での滑
り角度を荷重200g、引張速度150mm/minで
測定した。 耐熱性 熱傾斜試験機を用いて加圧2Kg/cm、時間10秒
の条件で塗工面同士がブロッキングする限界温度を測定
した。 耐湿熱ブロッキング性 塗工面同士を重ね合わせ、荷重500g/cmをかけ
たまま温度50℃、湿度90%RHの恒温恒湿室中で、
24時間放置し、剥離を行い耐湿熱ブロッキング性を評
価した。 ○……剥離抵抗がない。 △……剥離抵抗はあるが、紙層剥離はない。 ×……紙層剥離をおこした。 耐摩耗性 学振型耐摩耗試験機を使用し、温度20℃、湿度65%
RHの状態で荷重250g/cmで200回および4
00回の摩耗性試験をおこない評価した。(試験は5回
おこなった。) ○……変化なし。 △……一部に紙むけが観察された。 ×……摩擦面全面に明らかな紙むけ現象がある。
【0027】実施例5 実施例2で得た段ボール用滑り防止剤(粘度100セン
チポイズ以下)100重量部に、増粘剤としてビスマル
YK−1(ビニルピロリドン−マレイン酸共重合体アル
カリ塩増粘剤:東邦化学社製)の15重量%水溶液0.
3重量部を加え均一に混合した。pHは7.5で粘度は
150センチポイズであった。
【0028】実施例6 実施例2で得た段ボール用滑り防止剤(粘度100セン
チポイズ以下)100重量部に、増粘剤としてアデカノ
ールUH472(水溶性ウレタン増粘剤:旭電化工業社
製)の15重量%水溶液2.0重量部を加え均一に混合
した。pHは7.5で粘度は250センチポイズであっ
た。
【0029】実施例7 実施例2で得た段ボール用滑り防止剤(粘度100セン
チポイズ以下)100重量部に、増粘剤としてビスマル
YK−1の15重量%水溶液1.0重量部を加え均一に
混合した。pHは7.5で粘度は500センチポイズで
あった。
【0030】比較例6 比較例5で得た組成物(粘度100センチポイズ以下)
100重量部に、増粘剤としてビスマルYK−1の15
重量%水溶液0.3重量部を加え均一に混合した。pH
は9.5で粘度は150センチポイズであった。
【0031】比較例7 比較例5で得た組成物(粘度100センチポイズ以下)
100重量部に、増粘剤としてビスマルYK−1の15
重量%水溶液1.0重量部を加え均一に混合した。pH
は9.5で粘度は500センチポイズであった。
【0032】比較試験 実施例5〜7と比較例6と7の増粘剤により増粘した組
成物の安定性と塗工性を試験した。試験結果は表3の通
りであった。
【0033】
【表3】
【0034】安定性 試料を密閉容器に入れ、50℃、3ヶ月放置し、経時後
の粘度変化を観察した。 ○……放置前の粘度と変化は認められなかった。 △……放置前の粘度の20%以上50%未満の粘度変化
が認められた。 ×……1放置前の粘度の50%以上の粘度変化が認めら
れた。 塗工性 高速シエアー下での粘度変化を観察した。 ○……粘度低下が認められなかった。 △……粘度低下が多少あった。 ×……粘度低下が大きかった。
【0035】
【発明の効果】本発明は段ボールのフレキソ印刷面を侵
すことがなく、塗工性が優れており耐熱性、耐摩耗性、
耐ブロッキング性が良好であり、優れた滑り防止効果を
奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 7/12 PSM C09D 7/12 PSM 143/04 PGL 143/04 PGL D21H 19/20 D21H 1/34 P 19/24 E 19/32 L

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル単量体、アルコキシシリル基を有
    するビニル単量体およびアリル基を2以上有する単量体
    を乳化重合して得た共重合体を含有する水性エマルジョ
    ンに、その固形分100重量部に対して、メタアルミン
    イオンで表面処理されたコロイダルシリカ5〜200
    重量部を配合し、pH8以下とした混合物を主材とする
    段ボール用滑り防止剤。
  2. 【請求項2】 アリル基を2以上有する単量体がジアリ
    ルフタレートである、請求項1に記載された段ボール用
    滑り防止剤。
  3. 【請求項3】 水性エマルジョンに含有される共重合体
    が、ビニル単量体80〜96重量部、アルコキシシリル
    基を有するビニル単量体2〜10重量部、アリル基を2
    以上有する単量体2〜10重量部とを乳化重合して得た
    共重合体である、請求項1または2に記載された段ボー
    ル用滑り防止剤。
  4. 【請求項4】 水性エマルジョンに含有される共重合体
    が、重合性乳化剤を用いて重合したものである、請求項
    1ないし3のいずれか1項に記載された段ボール用滑り
    防止剤。
  5. 【請求項5】 水性エマルジョンに含有される共重合体
    が、重合性乳化剤と非重合性乳化剤を用いて重合したも
    のである、請求項1ないし4のいずれか1項に記載され
    た段ボール用滑り防止剤。
  6. 【請求項6】 ビニルピロリドン−マレイン酸共重合体
    アルカル塩増粘剤および/または水溶性ウレタン増粘剤
    により増粘した、請求項1ないし5のいずれか1項に記
    載された段ボール用滑り防止剤。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    された段ボール滑り防止剤を水性フレキソ印刷した段ボ
    ールライナーの印刷面に直接塗工、乾燥したライナーと
    片面段ボールを貼り合わせた段ボールから段ボール箱を
    形成することを特徴とする滑り防止層を有する段ボール
    箱の製造方法。
  8. 【請求項8】 水性フレキソ印刷面に、請求項1ないし
    6のいずれか1項に記載された滑り防止剤を塗布して形
    成した滑り防止層を有する段ボール箱。
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