JP7062419B2 - 水性防滑剤組成物 - Google Patents

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本発明は、水性防滑剤組成物に関し、より詳しくは、薄膜においても、滑り角度が高く、且つ耐ブロッキング性が良好である水性防滑剤組成物に関する。
農産物、水産物、飲料品をはじめとする食料品、各種工業製品等は、段ボール箱に梱包され輸送に使用されている。これらの段ボール箱包装体は、通常積み重ねて輸送される。その際、段ボール箱の滑りによる荷崩れが発生し易く、非常に危険であり、大きな問題となっている。さらに、図柄を印刷インキにより印刷すると、さらに滑りやすくなってしまう。そこで、輸送時や積み上げ保管時の荷崩れ防止策として、図柄を印刷した後、段ボール箱の天面相当部と地面相当部に部分的に又は前面に防滑剤組成物を塗工し、段ボール箱に防滑性を付与する方法がとられている。この方式によれば、内容物が充填された段ボール箱をパレットに積み上げても、荷崩れなく簡便に輸送できる。
一般に防滑剤組成物は、粘着タイプと非粘着タイプが使用されている。粘着タイプの防滑剤組成物では、防滑性が高くなるほど、接触面でのブロッキングが発生しやすくなり、相反する性能である防滑性と耐ブロッキングを同時に満足することができなかった。一方、非粘着対応の防滑剤組成物では、初期の防滑性効果はあるが、積み替え作業等が繰り返し行われると、接触面同士がこすり合わされて防滑性効果が低下し、持続性に欠けるものであった。
これらの問題を解決するために、コロイダルシリカ含有複合エマルジョンを含有する水性防滑剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。
しかし、近年、より高い防滑性と高い耐ブロッキング性が要求されており、まだ不十分であった。また、近年、原単位削減を目的とする高線数化による印刷や段ボール原紙の低坪量化に伴って水性防滑剤を塗布した塗膜が薄膜化し、水性防滑剤による被膜の膜厚を低下した場合に、高い防滑性、高いブロッキング性を維持することが難しく、現状では高い防滑性及び高いブロッキング性を有する水性防滑剤組成物はなかった。
特開平07-304999号公報 特開平07-118573号公報 特開2002-105403号公報 特開2015-137123号公報
本発明が解決する課題は、薄膜においても滑り角度が高く、耐ブロッキング性が良好である水性防滑剤組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、下記の水性防滑剤組成物を使用することにより、薄膜においても、滑り角度が高く、且つ耐ブロッキング性が良好であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
1.コロイダルシリカ含有樹脂エマルジョン、コロイダルシリカ、水を含有し、下記(1)~(4)を満足する水性防滑剤組成物。
(1)水性防滑剤組成物から得られた被膜の歪エネルギーが8~20Nm/cm3
(2)コロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョンの樹脂部のガラス転移温度が-10℃~-45℃
(3)コロイダルシリカ含有樹脂中の樹脂:コロイダルシリカの質量比率が100:60~130
(4)コロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョンの平均粒子径が170nm以下
2.コロイダルシリカの平均粒子径が6~30nmである1に記載の水性防滑剤組成物。
3.水性防滑剤組成物中の固形分は45質量%以上である1又は2に記載の水性防滑剤組成物。
4.コロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョンの樹脂部の酸価は、0~30KOHmg/gの範囲である1~3のいずれかに記載の水性防滑剤組成物。
5.コロイダルシリカは、表面がアルミニウムで処理されているコロイダルシリカである1~4のいずれかに記載の水性防滑剤組成物。
6.水性防滑剤組成物中に、平均粒子径6~10μmのシリカ粒子を含有させる1~5のいずれかに記載の水性防滑剤組成物。
7.コロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョンが、コロイダルシリカを水中に分散させた中でエマルジョンを合成して得られるものである1~6のいずれかに記載の水性防滑剤組成物。
本発明の水性防滑剤組成物は、被膜にした際の膜厚を薄くしても、滑り角度が高く、且つ耐ブロッキング性が良好である水性防滑剤組成物を提供することができる。
よって、本発明による水性防滑剤組成物を塗布や印刷した表面は防滑性に優れた表面となるので、このような表面を有する容器等を、積み重ねた場合や、その状態で傾斜させた場合であっても、容易には滑ることがなく、かつブロッキングも防止できるという効果を両立させることが可能となった。
歪エネルギーの測定に使用する試験片の形状を示す図 歪エネルギーの測定に使用する力(引張荷重)と伸びの関係を表す曲線と、この曲線による面積を求める際の模式図
以下、本発明のコロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョン、コロイダルシリカ、水を含有する水性防滑剤組成物についてより詳しく説明する。
(水性防滑剤組成物)
本発明の水性防滑剤組成物は、対象物に塗布又は印刷、乾燥し、得られた被膜の歪エネルギーが8~20Nm/cm3、好ましくは、10~20Nm/cm3である。
被膜の歪エネルギーが、8Nm/cm3より小さいと滑り角度が低下する傾向にあり、20Nm/cm3より大きいとブロッキング性が低下する傾向にあるので好ましくない。
本発明中の被膜の歪エネルギーの測定方法は以下の通りである。
(1)ガラス等の任意の基板上に水性防滑剤組成物を塗布・乾燥し、これを剥離して、試験片形状として、図1に示す、JIS K 6251 引張 8号型 ダンベル状(但し、膜厚200μm)を作成する。
(2)次いで、各試験片を下記条件で引張り、その結果より歪エネルギーの値を求める。
引張試験機:メーカー:安田精機製作所 型式:LRX
延伸速度:30mm/min
温度:23℃ 湿度:50%
具体的には以下の通りである。
・試験機を上下チャックに固定し、一定速度で試験片の応力が低下又は規定の距離を移動するまで引張荷重を付加する。このとき、伸びの量とそのときに係る力(引張荷重)を測定する。
・負荷により試験片が延伸されると図2のような力(引張荷重)と伸びの関係を表す曲線が得られ、この面積を求めることによって目的とする歪エネルギーを算出する。
[コロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョン]
本発明のコロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョンは、好ましくは平均粒子径6~20nmのコロイダルシリカ、乳化剤、水の存在下でα、β-エチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られる、樹脂とコロイダルシリカとの複合樹脂エマルジョンである。
コロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョンに含有されるコロイダルシリカ含有樹脂粒子の平均粒子径は170nm以下、より好ましくは90~110nmの範囲であることが好ましい。平均粒子径が170nmを超えると防滑性が低下する傾向にある。
コロイダルシリカとしては、その粒子の表面が未処理のものでも良く、表面が処理されたものでもよい。処理されたものを採用する際には、その処理剤として、アルミニウム含有化合物で処理されたものを採用することが好ましい。
(コロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョンの樹脂部)
樹脂部としては、ラジカル重合可能なモノマーを重合して得られる、架橋前において、理論ガラス転移温度が-10℃~-45℃の、より好ましくは、-20℃~-40℃の共重合体樹脂からなる。また好ましくは酸価が30KOHmg/g以下、さらに好ましくは、15KOHmg/g以下、好ましくは酸価が0KOHmg/g以上の共重合体樹脂である。共重合体樹脂の理論ガラス転移温度が-10℃より高いと可塑性が低下する傾向にあり、一方-45℃より低いと耐ブロッキング性が低下する傾向にある。
また、酸価が30KOHmg/gより大きいと安定性が低下する可能性がある。
ラジカル重合可能なモノマーとしては、スチレン類モノマー、酸性モノマー、及び、(メタ)アクリル酸とその炭素数が1~18のアルキルエステル、アミドモノマー、アルコキシシランモノマー、水酸基含有モノマー等が挙げられる。
上記スチレン類モノマーとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
また、上記酸性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル等が挙げられる。酸性モノマーは、重合安定性及び得られるコロイダルシリカ含有複合樹脂エマルジョンの機械的安定性から、得られるコロイダルシリカ含有樹脂粒子の樹脂の酸価が0~30KOHmg/gとなるようにすることが好ましい。
また、上記(メタ)アクリル酸とその炭素数が1~18のアルキルエステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレ-ト、イソブチル(メタ)アクリレ-ト、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なかでも、得られる塗膜のタックの観点からガラス転移温度が低いモノマーを使用する場合は、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートをモノマーとして使用することが好ましい。このとき、ブチルアクリレートを使用して、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートを使用しない場合よりも、ブチルアクリレートを使用せず、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートを使用する場合のほうが、たとえ樹脂のガラス転移温度が同じであっても、より防滑性が向上する。
アミドモノマーとしては、N-メチロ-ル(メタ)アクリルアミド、N-ジメチロ-ル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アルコキシシランモノマーとしては、(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルプロピルジメトキシシラン等が例示できる。
水酸基含有モノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が例示できる。
好ましい共重合体樹脂としては、アミドモノマー、メチルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、メタクリル酸のラジカル重合可能なモノマーを重合させた共重合体が好ましい。
コロイダルシリカ含有樹脂エマルジョンの樹脂部中に、特に、アミドモノマー及び/又はアルコキシシランモノマーを共重合成分として導入することにより、コロイダルシリカが表面に吸着した樹脂エマルジョンが形成されると考えられる。
(ガラス転移温度)
ガラス転移温度は、以下のWoodの式により求められる理論ガラス転移温度である。
Woodの式
:1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+W3/Tg3+・・・+Wx/Tgx
(式中、Tg1~Tgxは共重合体を構成する単量体1、2、3、・・・、xのそれぞれの単独重合体のガラス転移温度、W1~Wxは単量体1、2、3、・・・、xのそれぞれの質量分率、Tgは理論ガラス転移温度を表す。ただし、Woodの式におけるガラス転移温度は絶対温度である。)
また、エマルジョン型の水性樹脂のガラス転移温度とは、乳化重合に利用される全てのエチレン性不飽和単量体を、コア部、シェル部と分けずに一度に共重合した時に得られる共重合体のガラス転移温度を表す。
(酸価)
共重合体1gを得るために理論上必要な各エチレン性不飽和単量体の量に対して、KOHの理論上の中和量を求め、その中和量の総和のmg数を共重合体の酸価(理論酸価)とみなす。また、酸価は、高分子乳化剤に由来するものであり、たとえば酸価100mgKOH/gの高分子乳化剤が、水性樹脂の固形分比率として10質量%含まれているときの酸価は10mgKOH/gとなる。
(乳化剤)
樹脂部を得るためのラジカル重合可能なモノマー等を溶媒中に分散させるための乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、反応性界面活性剤が好適に使用でき、具体的にはアニオン系界面活性剤として、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジオクチルスルホコハク酸アルカリ金属塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩類、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸アルカリ金属塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルフェニル硫酸アルカリ金属塩、ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、反応性界面活性剤としては、エチレン性不飽和二重結合を有する活性剤を用いることができ、アシッドホスホキシエチルメタクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリルのエチレンオキサイド付加物の末端スルホン酸アンモニウム塩などを使用することができる。
(重合開始剤)
樹脂部を得るためにコロイダルシリカを水中に分散させた状態で行う、乳化重合の重合開始剤としては、乳化重合で一般的に使用される重合開始剤のいずれも利用可能であるが、たとえば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩類、ベンゼンパーオキサイドなどの有機過酸化物類、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリルなどのアゾ系化合物類などをあげることができ、これらは単独または混合して使用することができる。
(平均粒子径が6~30nmのコロイダルシリカ)
本発明では上記のコロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョンと共に、使用されるコロイダルシリカとしては、平均粒子径が6~30nmのコロイダルシリカの水性分散体が使用できる。コロイダルシリカの平均粒子径が30nmより大きいと、得られる塗膜の透明性が低下する傾向となる。
コロイダルシリカとしては、塩基性領域にて安定化されているものが好ましい。具体的には微量のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルミニウムイオン、あるいはアミンの添加によって、表面処理されて、pH8~10にて安定化されたもの(日産化学工業社製、商品名:SFCM40、ST-CM30、ADEKA社製、商品名:AF30A0等)が挙げられる。このような処理によりコロイダルシリカ表面に、アルカリ金属、アンモニア、酸化アルミニウム、アミンが結合して、コロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョンを得る際に凝集をより効果的に防止することができる。
(架橋剤)
本発明におけるコロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョンの樹脂部を構成する共重合体は、架橋されていてもよい。このとき、架橋度(架橋率)は3~7%であることが好ましい。架橋度がこの範囲であれば、防滑性をさらに向上させることができる。
このとき使用できる架橋剤としては、アジリジン系、エポキシ系、オキサゾリン系、カルボジイミド系、金属キレート化合物、ヒドラジン系の各架橋剤を使用することができる。
(シリカ粒子)
さらに本発明の水性防滑剤組成物には、さらに高い滑り角度を得るために、コロイダルシリカ含有樹脂粒子のコロイダルシリカとは別に、平均粒子径6~10μmのシリカ粒子を水性防滑剤組成物の固形分中に、0.5~3.0質量%となるように含有させることができ、さらに好ましくは、0.7~1.5質量%である。0.5~3.0質量%の範囲で含有させることにより、防滑性をさらに向上させることができる。
このようなシリカ粒子を含有させることにより、印刷等により水性防滑剤組成物による被膜を形成後において、被膜表面に凹凸が生じ、それにより防滑性をさらに向上させることができる。
このとき、水性防滑剤組成物中のコロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョンの樹脂の質量:水性防滑剤組成物中の粒子径が6~20nmの遊離のコロイダルシリカの質量の比率が100:60~130、好ましくは80~120であることが好ましい。
コロイダルシリカの比率が、60より少ないとブロッキングが低下する傾向にあり、一方130より多いと滑り角度が低下する傾向にあり好ましくない。
(その他添加剤)
さらに本発明の水性防滑剤組成物には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、メトキシプロパノール、N-メチルピロリドンなどの水混和性溶剤、無機充填剤、ワックス、消泡剤、レべリング剤、増粘剤などの各種添加剤を添加することができる。
(製造方法)
本発明中のコロイダルシリカ含有樹脂エマルジョンは、水中に平均粒子径が6~20nmのコロイダルシリカ、共重合体を得るためのモノマー、及び乳化剤を分散させた後に重合開始剤を添加して、公知の乳化重合条件により重合をして得ることができる。
一般に、高速ミキサーなどの撹拌機を使用して、コロイダルシリカ含有複合樹脂エマルジョン、必要に応じて、粒子径6~10μmのシリカ粒子、各種添加剤を混合、分散させる方法が利用できる。
得られたコロイダルシリカ含有複合樹脂エマルジョンに、必要に応じて、シリカ粒子、その他の添加剤を配合して、水性防滑剤組成物とする。
(水性防滑剤組成物の使用方法)
本発明の水性防滑剤組成物により、印刷又は塗布等の手段により容器表面の一部又は全面に被膜を形成させる。
防滑剤組成物であるので防滑性が求められる対象、つまり段ボール箱、紙袋等の紙製素材、樹脂製箱、缶、袋等の樹脂製容器、荷作り用紐、ロープ、テープ等の材料、パレット等の、内容物を入れるための容器、輸送用の容器等の傾斜、重ねて保管、重ねた状態で移動されるような用途の容器や関連する材料、あるは、フォークリフトのフォーク部分、手袋、保管や輸送用の器具や部品等、防滑性を必要とする用途に使用できる。
本発明の水性防滑剤組成物を使用した紙容器の製造方法について説明する。
まず、本発明の水性防滑剤組成物の塗工方法としては、ロールコーター、バーコーターなどや、フレキソまたはグラビア方式による印刷機を使用して、被塗布物の全面または部分的に塗布・印刷することができる。また、本発明の水性防滑剤組成物を塗工できる被塗工体としては、ウェブ状の紙、カートン、段ボールや紙袋などの表面であり、印刷インキが印刷された印刷面に塗布・印刷することもできる。
<コロイダルシリカ含有複合樹脂エマルジョンの製造方法>
撹拌機、温度計、冷却管および滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、表1の割合となるように、イオン交換水、コロイダルシリカを仕込んで撹拌し、60℃に昇温した。メタクリル酸メチル/アクリル酸2-エチルヘキシル/メタクリル酸と過硫酸カリウムの混合物を滴下しながら、60~70℃で単量体が消失するまで反応させて、コロイダルシリカ含有複合エマルジョンを得た。
<水性防滑剤組成物の製造方法>
上記で得たコロイダルシリカ含有複合エマルジョンに必要に応じて平均粒子径が7μmのシリカを配合して、水性防滑剤組成物を得た。
水性防滑剤組成物を塗布する方法及び膜厚
0.1mmのメアバーを用いてKライナー(王子製紙社製)に、実施例1~10、比較例1~5の水性防滑剤組成物を塗工した後、防滑性、耐ブロッキング性の評価を行った。また、以下の試験方法により保存安定性、歪エネルギーの評価を行った。
滑り角度(防滑性)
0.1mmのメアバーを用いてKライナー(王子製紙社製、坪量120g/m)に、実施例1~10、比較例1~5の水性防滑剤組成物を塗工した実施例、比較例の試料につき、雰囲気温度23℃、湿度50%と雰囲気温度0℃、湿度30%の環境条件下、東洋精機製滑り角度試験機により滑り角度を測定した。
耐ブロッキング性
雰囲気温度40℃、湿度90%の環境条件下、防滑剤塗工面同士を5kg/25cm2の荷重をかけて24時間放置したのち、人力にて剥離させる際の感触を通じて、接触面の剥離状態を調べた。
評価基準
5:全く抵抗がない
4:弱い抵抗がある
3:抵抗がある
2:強い抵抗がある
1:接着しており剥離できない
歪エネルギー
(1)ガラス等の任意の基板上に水性防滑剤組成物を塗布・乾燥し、これを剥離して、試験片形状として、図1に示す、JIS K 6251 引張 8号型 ダンベル状(但し、膜厚200μm)を作成する。
(2)次いで、各試験片を下記条件で引張り、その結果より歪エネルギーの値を求める。
引張試験機:メーカー:安田精機製作所 型式:LRX
延伸速度:30mm/min
温度:23℃ 湿度:50%
試験機を上下チャックに固定し、一定速度で試験片の応力が低下又は規定の距離を移動するまで引張荷重を付加する。このとき、伸びの量とそのときに係る力(引張荷重)を測定する。
図2のような力(引張荷重)と伸びの関係を表す曲線を求め、さらにこの面積(歪エネルギー)を求めることによって目的とする歪エネルギーを算出する。
(コロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョンの粒径)
粒径は、マイクロトラック超微粒子粒度分析計、型式9340-UPA150で測定した。
Figure 0007062419000001
本発明に沿った例である実施例1~10によれば、0℃であっても、少なくとも42度の滑り角度を有し、23℃では少なくとも46度の滑り角度を有し、耐ブロッキング性に優れた水性防滑剤組成物であった。
これに対して、コロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョンの樹脂部のガラス転移温度が-50℃である比較例1によれば、23℃における滑り角度が39度と小さく、かつ耐ブロッキング性に劣ることとなった。また、コロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョンの樹脂部のガラス転移温度が0℃である比較例2によれば、0℃における滑り角度が38度と小さくなった。
比較例3に示すように、コロイダルシリカ含有樹脂中の樹脂:コロイダルシリカが100:50と、樹脂の量が本発明の範囲よりも多く、かつ歪エネルギーが20Nm/cm3を超えるときには、耐ブロッキング性に劣ることとなり、比較例4に示すように、コロイダルシリカ含有樹脂中の樹脂:コロイダルシリカが100:150と、コロイダルシリカの量が本発明中の範囲よりも多く、かつ歪エネルギーが8Nm/cm3未満のときには、滑り角度が小さく防滑性に劣っていた。
さらに比較例5に示すように、コロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョンの平均粒子径が170nmを超える場合には、歪エネルギーが9Nm/cm3と低下し、滑り角度が小さくなった。

Claims (6)

  1. コロイダルシリカ含有樹脂エマルジョン、コロイダルシリカ、水を含有し、下記(1)~(4)を満足する水性防滑剤組成物。
    (1)水性防滑剤組成物から得られた被膜の歪エネルギーが8~20Nm/cm
    (2)コロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョンの樹脂部のガラス転移温度が-10℃~-45℃
    (3)コロイダルシリカ含有樹脂中の樹脂:コロイダルシリカの質量比率が100:60~130
    (4)コロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョンの平均粒子径が170nm以下
    (コロイダルシリカ含有樹脂エマルジョンの樹脂が、ビニルアルコキシシランを原料とした場合を除く)
  2. コロイダルシリカの平均粒子径が6~30nmである請求項1に記載の水性防滑剤組成物。
  3. 水性防滑剤組成物中の固形分は45質量%以上である請求項1又は2に記載の水性防滑剤組成物。
  4. コロイダルシリカ含有樹脂粒子エマルジョンの樹脂部の酸価は、0~30KOHmg/gの範囲である請求項1~3のいずれかに記載の水性防滑剤組成物。
  5. コロイダルシリカは、表面がアルミニウムで処理されているコロイダルシリカである請求項1~4のいずれかに記載の水性防滑剤組成物。
  6. 水性防滑剤組成物中に、平均粒子径6~10μmのシリカ粒子を含有させる請求項1~5のいずれかに記載の水性防滑剤組成物。
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