JP2018044056A - 易接着層形成用樹脂組成物及び易接着性材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線硬化樹脂等の活性エネルギー線硬化樹脂によって形成される上塗り層との充分な密着性を示す易接着層を形成できる樹脂組成物を提供する。【解決手段】光重合開始能を持つ官能基を有するビニル系モノマーに由来するモノマー単位を含有するビニル系重合体を含む易接着層形成用樹脂組成物であり、ビニル系重合体における光重合開始能を持つ官能基を有するビニル系モノマーの含有量は、ビニル系重合体を構成するビニル系モノマーの全質量を基準として8〜95質量%である易接着層形成用樹脂組成物。【選択図】図1
Description
本発明は、易接着層形成用樹脂組成物及び易接着性材料に関する。
従来、包装材料、製版材料、表示材料、転写材料等の基材フィルムとして、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、トリアセチルセルロースフィルムなどの材料が用いられている。これら用途では、一般に、基材フィルム上に、ハードコート層のような上塗り層が形成される。しかしながら基材フィルムは、非反応性のものが多く、基材フィルムと上塗り層との密着性が不足する傾向があるため、基材フィルムの表面上に易接着層を予め設けてその密着性を補っていることがある。
上記の易接着層を設けて密着性を向上させる方法としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などの水性塗料を塗布後、延伸して塗膜層を形成する方法が知られている。(特許文献1−4参照)しかしながら、従来の方法では、十分な易接着性が得られない問題があった。
そこで、密着性向上のため、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムに樹脂成分を含有する塗液を塗布し乾燥後、延伸、熱処理を施して結晶配向を完了させる方法が広く採用されている。(特許文献5−6参照)しかしながら、被覆物である各種塗料やインキとの接着性は優れるものの積層膜と基材ポリエステルフィルムとの接着性が不十分となる場合が多い。
また、上記従来技術において、ポリエステル樹脂を積層した場合には、積層膜と基材ポリエステルフィルムとの接着性は良好となる反面、各種塗料やインキとの接着性に劣る傾向にある
また、上記従来技術において、ポリエステル樹脂を積層した場合には、積層膜と基材ポリエステルフィルムとの接着性は良好となる反面、各種塗料やインキとの接着性に劣る傾向にある
更に従来の易接着層では、上塗り層が紫外線硬化樹脂等の活性エネルギー線硬化樹脂であるときに、必ずしも充分な密着性が得られないという問題があった。
そこで、基材ポリエステルフィルムとの接着性を維持し、かつ上塗り層との高い密着性を有する易接着性材料が求められていた。
そこで、本発明は、紫外線硬化樹脂等の活性エネルギー線硬化樹脂によって形成される上塗り層との充分な密着性を示す易接着層を形成できる樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究したところ、光重合開始能を持つ官能基を有するビニル系モノマーを含むモノマー組成物を重合して得られるビニル系重合体を含有する樹脂組成物を用いることで、紫外線硬化樹脂等の活性エネルギー線硬化樹脂によって形成される上塗り層に対して充分な密着性を示す易接着層を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、光重合開始能を持つ官能基を有するビニル系モノマーに由来するモノマー単位を含有するビニル系重合体を含む易接着層形成用樹脂組成物、該易接着層形成用樹脂組成物を含むコーティング剤、及び、該易接着層形成用樹脂組成物を易接着層として備える易接着性材料に関するものである。
本発明によれば、紫外線硬化樹脂等の活性エネルギー線硬化樹脂を用いて形成される上塗り層に対して充分な密着性を示す易接着層を形成する樹脂組成物を提供することができる。いくつかの形態に係る樹脂組成物によって形成される易接着層は、耐ブロッキング性の点でも優れる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
本明細書において、「易接着層」は、基材の表面の接着力を補強し、上塗り層等の他の材料と基材との密着性を高める機能を有する層を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。(メタ)アクリレート等の他の類似の表現においても同様である。
<易接着形成用樹脂組成物>
本発明の易接着形成用樹脂組成物は、光重合開始能を持つ官能基を有するビニル系モノマーに由来するモノマー単位を含有するビニル系重合体を含有する。
本発明の易接着形成用樹脂組成物は、光重合開始能を持つ官能基を有するビニル系モノマーに由来するモノマー単位を含有するビニル系重合体を含有する。
光重合開始能を有する官能基としては、光重合開始能を有する官能基であれば特に制限されるものではなく、分子内開裂型のものでも水素引き抜き型のものでも用いることができる。これらの中でも、分子内開裂型のものがより好ましい。
分子内開裂型の光重合開始能を有する官能基としては、例えば、ベンゾフェノン骨格を有するもの、チオキサントン骨格を有するもの、ベンゾイン骨格を有するもの、ベンジルジメチルケタール骨格を有するもの、α−ヒドロキシアルキルフェノン骨格を有するもの、α−アミノアルキルフェノン骨格を有するもの、アシルホスフィンオキサイド骨格を有するもの、アルクルフェニルグリオキシレート骨格を有するもの、ジエトキシアセトフェノン骨格を有するもの等が挙げられる。
こうした光重合開始能を持つ官能基を有するビニル系モノマーを例示すると、具体的には、構造式で例示すると、下記の構造式を有するものが挙げられる。
前記ビニル系モノマーが有するビニル基(上記式中の「U」)は、(メタ)アクリロイル基が好ましい。前記ビニル系モノマーのより具体的な例としては、下記のビニル系モノマー(A−1)〜(A−6)が挙げられる。
上記のビニル系モノマーのほかに、4−(13−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキサトリデシル)−ベンゾフェノン、4−(13−メタクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキサトリデシル)−ベンゾフェノン等も挙げられる。
(A−1)〜(A−6)で表される化合物は、市販のものをそのまま用いても良いし、自ら合成しても良い。自ら合成する場合には、その合成方法については特に限定されるものではないが、例えば、A−1、A−2、A−3の化合物については、それぞれ下記の3つの方法が考えられる。
(化合物A−1の製造方法)
前記化合物A−1の製造方法としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のエステル化合物、または(メタ)アクリル酸の酸無水物と、後記のB−2で示す化合物とを酸存在下で反応させることによって、容易に合成することができる。この反応時に用いられる酸としては、例えば濃硫酸や塩酸、またはその水溶液等の強酸を使用することができる。また反応にはトルエン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、あるいはクロロホルム等のハロゲン系溶媒等を使用してもよい。
前記化合物A−1の製造方法としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のエステル化合物、または(メタ)アクリル酸の酸無水物と、後記のB−2で示す化合物とを酸存在下で反応させることによって、容易に合成することができる。この反応時に用いられる酸としては、例えば濃硫酸や塩酸、またはその水溶液等の強酸を使用することができる。また反応にはトルエン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、あるいはクロロホルム等のハロゲン系溶媒等を使用してもよい。
(化合物A−2の製造方法)
前記化合物A−2の製造方法としては、例えば、4−(メタクリロイルオキシ)安息香酸(下記C−1で示される化合物)、C−1化合物のエステル化物、またはC−1化合物の酸無水物などから選択されるアクリル酸類と、後記B−2で示す化合物とを酸存在下で反応させることによって、容易に合成することができる。この反応時に用いられる酸としては、例えば濃硫酸や塩酸、またはその水溶液等の強酸を使用することができる。また反応にはトルエン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、あるいはクロロホルム等のハロゲン系溶媒等を使用してもよい。
前記化合物A−2の製造方法としては、例えば、4−(メタクリロイルオキシ)安息香酸(下記C−1で示される化合物)、C−1化合物のエステル化物、またはC−1化合物の酸無水物などから選択されるアクリル酸類と、後記B−2で示す化合物とを酸存在下で反応させることによって、容易に合成することができる。この反応時に用いられる酸としては、例えば濃硫酸や塩酸、またはその水溶液等の強酸を使用することができる。また反応にはトルエン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、あるいはクロロホルム等のハロゲン系溶媒等を使用してもよい。
(化合物A−3の製造方法)
前記化合物A−3の製造方法としては、例えば、下記のB−1で示される化合物:(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートと、下記のB−2で示される化合物:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、とをウレタン化触媒存在下で反応させることによって容易に合成することができる。
前記化合物A−3の製造方法としては、例えば、下記のB−1で示される化合物:(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートと、下記のB−2で示される化合物:1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、とをウレタン化触媒存在下で反応させることによって容易に合成することができる。
この反応時に用いられるウレタン化触媒としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、オクチル酸錫又はステアリン酸錫など錫カルボン酸塩、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、6−(ジブチルアミノ)−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBA−DBU)、6−(2−ヒドロキシプロピル)−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(OH−DBU)、OH−DBUの水酸基をウレタン化等で変性した化合物、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5(DBN)及び1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)等のアミジン類、DBUのフェノール塩(商品名:サンアプロ株式会社製「U−CAT SA1」)、DBUのオクチル酸塩(商品名:サンアプロ株式会社製「U−CAT SA102」)、DBUのp−トルエンスルホン酸塩(商品名:サンアプロ株式会社製「U−CAT SA506」)、並びに、DBNのオクチル酸塩(商品名:サンアプロ株式会社製「U−CAT 1102」)等の強アルカリ触媒を使用してもよい。また反応にはトルエン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、あるいはクロロホルム等のハロゲン系溶媒等を使用してもよい。
光重合開始能を持つ官能基を有するビニル系モノマーのモノマー組成物中の含有量は、特に限定されるものではないが、ビニル系重合体を構成するビニル系モノマーの全質量を100質量%として基準とした場合、8〜95質量%であることが好ましい。さらに好ましくは15〜60質量%の範囲であり、特に好ましくは40〜65質量%の範囲である。
本発明のビニル系重合体は、前記光重合開始能を持つ官能基を有するビニル系モノマー以外のビニル系モノマー(以下、「その他のビニル系モノマー」とする)に由来するモノマー単位を含んでいてもよい。
その他のビニル系モノマーとしては、各種(メタ)アクリロイル系モノマー、カルボキシル基を有するビニル系モノマー、アルコキシシリル基を有するビニル系モノマー、オキサゾリン基を有するビニル系モノマー、ビニル芳香族モノマー、不飽和アルコール等を挙げることができる。その他のモノマーとしては、こうしたモノマーを1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリロイル系モノマーとしては、直鎖又は分岐状アルキル基含有(メタ)アクリロイルモノマー、脂環式アルキル基含有(メタ)アクリロイルモノマー、水酸基含有(メタ)アクリロイルモノマー、フッ素含有(メタ)アクリロイルモノマー、カルボニル基含有(メタ)アクリロイルモノマー、エポキシ基含有(メタ)アクリロイルモノマー、イソシアナト基含有(メタ)アクリロイルモノマー、酸化硬化性基含有(メタ)アクリロイルモノマー、アリル基含有(メタ)アクリロイルモノマー、アミノ基含有(メタ)アクリロイルモノマー、イソシアネート基含有(メタ)アクリロイルモノマー、エポキシ基含有(メタ)アクリロイルモノマー、多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。
アルキル基含有(メタ)アクリロイルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
脂環式アルキル基含有(メタ)アクリロイルモノマーとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
水酸基含有(メタ)アクリロイルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、ジヒドロジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。また、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン変性体や分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖含有(メタ)アクリレートを挙げることができる。
フッ素含有(メタ)アクリロイルモノマーとしては、例えば、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ノナフルオロブチル(メタ)アクリレート、ウンデカフルオロペンチル(メタ)アクリレート、トリデカフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、ペンタデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
カルボニル基含有(メタ)アクリロイルモノマーとしては、例えば、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
エポキシ基含有(メタ)アクリロイルモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
イソシアネート基含有(メタ)アクリロイルモノマーとしては、例えば、イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エチルイソシアネート、1,1−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等を挙げることができる。
酸化硬化性基含有(メタ)アクリロイルモノマーとしては、例えば、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
アリル基含有(メタ)アクリロイルモノマーとしては、例えば、アリル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
多官能(メタ)アクリロイルモノマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ハイパーブランチポリエステル(分岐型ポリエステル)多官能(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
アミノ基含有(メタ)アクリロイルモノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロ ピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート4級化物、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル塩、(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アク リルアミド、メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、メトキシブチル (メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、アリル(メタ)アクリルアミド、2−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジ−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチルヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチルヒドロキ シプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチルヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチルヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エチルヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチルヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−プロピルヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピルヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−プロピルヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルヒド ロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ダイアセトンアクリルアミド等を挙げることができる。
エポキシ基を有する(メタ)アクリロイルモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
カルボキシル基を有するビニル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、アトロパ酸、シトラコン酸、β−カルボキシエチルアクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、イタコン酸等を挙げることができる。
アルコキシシリル基を有するビニル系モノマーとしては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ジメトキシメチルシリルスチレン、トリエトキシシリルスチレン、ジエトキシメチルシリルスチレンなどを用いることができる。これらの化合物の中では、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランを用いることがより好ましい。アルコキシシリル基を有するビニル系モノマーとしては、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
オキサゾリン基を有するビニル系モノマーとしては、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、4−メチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、5−メチル−2−ビニル−2−オキサゾリン、4−エチル−2−ビニル−2−オキサゾリン等を挙げることができる。
ビニル芳香族モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロルスチレン、ビニルピリジン、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン及びその誘導体等を挙げることができる。
不飽和アルコールとしては、例えば、ビニルアルコール、アリルアルコール等を挙げることができる。
また、上記以外のビニル系モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルイソプロペニルケトン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、弗化ビニル、弗化ビニリデン、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、iso-ブチルビニルエーテル、エチレン、プロピレン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン等を挙げることができる。
以上のようなビニル系モノマーのほか、本発明のビニル系重合体は、下記一般式(1)で表されるビニル系モノマーに由来するモノマー単位を含んでいても良い。
式(1)中のR3は、水素原子又はメチル基を示す。R3は、メチル基であってもよい。R3がメチル基であると、易接着層の密着性及び耐ブロッキング性がより向上する傾向にある。
式(1)中のLは、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。Lは、例えば、エチレン基、n−ブチレン基、又はn−へキシレン基であってもよい。
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子又は一般式(2)で表される基を示す。R1及びR2は、互いに同一であっても異なっていてもよい。R1が水素原子で、R2が式(2)で表される基であってもよい。
一般式(2)中、R4は、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。
R4としての炭素数1〜10のアルキル基は、例えば、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であってもよい。R4としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ノニル基、及びデカニル基が挙げられる。
R4としての炭素数1〜10のアルキル基が有する置換基としては、例えば、オキシラニル基、オキセタニル基、テトラヒドロフリル基、及びテトラヒドロピラニル基等の飽和複素環式基が挙げられる。これらのうち、置換基は、テトラヒドロフリル基又はグリシジル基であってもよい。
一般式(2)で表される基は、典型的には、R1及びR2が水素原子である一般式(1)で表されるビニル系モノマーと、下記一般式(2B)で表されるアクリル酸エステルとのマイケル付加反応によって導入される。式(2B)中のR4は、それぞれ式(2)中のR4と同義である。マイケル付加反応は、トリシクロヘキシルホスフィン等の触媒存在下で行うことができる。
例えば、アクリル酸テトラヒドロフルフリルへのマイケル付加により導入された式(2)の基を有するビニル系モノマーは、下記式(11)で表される化合物である。
一般式(1)で表されるビニル系モノマーに由来するモノマー単位の含有量は、特に限定されるものではないが、ビニル系重合体を構成するビニル系モノマーの全質量を100質量%として基準とした場合、5〜50質量%である。このモノマー単位の含有量は、R1及びR2が水素原子である場合、50質量%以上又は60質量%以上であってもよい。また、このビニル系モノマー単位の含有量は、R1及びR2の少なくとも一方が一般式(2)で表される基である場合、10質量%以上であってもよく、50質量%以下又は40質量%以下であってもよい。
ビニル系重合体がこのようなビニル系モノマーに由来するモノマー単位を含むことにより、先に説明した光重合開始能を持つ官能基を有するビニル系モノマーの持つ効果と相まって、形成される易接着層により一層の高い密着性を付与することができる。
ビニル系重合体がこのようなビニル系モノマーに由来するモノマー単位を含むことにより、先に説明した光重合開始能を持つ官能基を有するビニル系モノマーの持つ効果と相まって、形成される易接着層により一層の高い密着性を付与することができる。
アセトアセトキシエチルメタクリレート又は、アセトアセトキシエチルメタクリレートとその他アクリル系モノマーとのマイケル付加体を使用してもよい。アセトアセトキシエチルメタクリレートは光重合開始能があり、密着性をより一層向上させることができる。
また上記モノマーは、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また上記モノマーは、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明のビニル系重合体のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されるものではないが、−30〜100℃の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、−10〜40℃の範囲であって、0〜25℃の範囲であることが特に好ましい。ビニル系重合体のガラス転移温度が0℃以上であると、得られる易接着層の耐ブロッキング性が向上する傾向にある。またビニル系重合体のガラス転移温度が25℃以下であると、塗布に適した樹脂組成物が得られる傾向にある。
なお、本明細書においては、ビニル系重合体のガラス転移温度Tgとは、JIS K−7121に従って測定を行い、その結果得られる値のことを示す。測定用試料としては、後述するビニル系重合体を含む樹脂組成物を常温で24時間凍結乾燥させたものを使用する。
本発明において、ビニル系重合体を得るための重合方法は、特に限定されるものではなく、それ自体既知の重合方法、例えばラジカル重合開始剤の存在下において、塊状重合法、溶液重合法、塊状重合後に懸濁重合を行なう塊状−懸濁二段重合法などを好適に使用することができるが、易接着層を形成する基材の性質に応じて適宜選択すれば良い。なかでも乳化重合、懸濁重合法を好適に使用することができる。
重合反応に用いられる溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール;水とアルコールとの混合溶媒が挙げられる。これら溶媒には、必要に応じて、乳化剤(界面活性剤)が含まれていてもよい。
前記乳化重合の際に使用可能な乳化剤としては、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等の陰イオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン性乳化剤等を使用することができる。
前記、乳化剤(界面活性剤)としては、反応性のものと非反応性のものを用いる事が出来る。例えば、一般に「反応性乳化剤」と称される重合性不飽和基を分子内に有する乳化剤を使用することが好ましく、例えばラテムルS−180[花王(株)製]、ラテムルPD−104[花王(株)製]、アクアロンHS−10[第一工業製薬(株)製]、アクアロンHS−20[第一工業製薬(株)製]、アクアロンKH−10[第一工業製薬(株)製]、アクアロンKH−1025[第一工業製薬(株)製]、アクアロンKH−05[第一工業製薬(株)製]、アクアロンRN−10[第一工業製薬(株)製]、アクアロンRN−20[第一工業製薬(株)製]、アクアロンER−10[第一工業製薬(株)製]、アクアロンER−20[第一工業製薬(株)製]、ニューフロンティアA−229E[第一工業製薬(株)製]、アデカリアソープSE−10[(株)ADEKA製]、アデカリアソープSE−20[(株)ADEKA製]、アデカリアソープSR−10N[(株)ADEKA製]、アデカリアソープSR−1025[(株)ADEKA製]、アデカリアソープSR−20N[(株)ADEKA製]等が挙げられる。
前記乳化重合の際に使用可能な重合開始剤としては、例えば2,2’,−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−アルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩等のアゾ系開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物系開始剤、芳香族カルボニル化合物等のカルボニル系開始剤、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組合せ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムとの組合せ等のレドックス系開始剤などが挙げられる。
前記重合開始剤の使用量は、得たいビニル系重合体の分子量に応じて適宜選択すれば良い。本発明においては、ビニル系モノマー全量100gに対して、例えば、0.1〜10.0gの範囲で使用することができる。
重合の際の重合温度に特に制限はないが、0〜240℃、好ましくは20〜200℃、更に好ましくは、25〜110℃であることができる。0℃未満の重合温度では重合速度が遅いために重合時間が長くなり製造効率が低下する場合がある。約200℃よりも高い重合温度では、ビニル系モノマーや合成したビニル系重合体が熱分解したりする場合がある。
重合時間としては、例えば、0.5〜48時間で範囲内であれば良い。
[その他の成分]
本発明の樹脂組成物は、ビニル系重合体以外の成分として、溶剤;顔料;粘度調整剤;光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の耐候剤;基材に対し密着性を与えるシランカップリング剤又はエポキシ化合物;造膜助剤;外部架橋剤;レベリング剤;消泡剤;滑剤;帯電防止剤;防カビ剤;防腐剤等を含有してもよい。
本発明の樹脂組成物は、ビニル系重合体以外の成分として、溶剤;顔料;粘度調整剤;光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の耐候剤;基材に対し密着性を与えるシランカップリング剤又はエポキシ化合物;造膜助剤;外部架橋剤;レベリング剤;消泡剤;滑剤;帯電防止剤;防カビ剤;防腐剤等を含有してもよい。
樹脂組成物が含有する溶剤としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶剤;トルエン等の芳香族炭化水素溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶剤が挙げられる。これらは単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。ビニル系重合体を合成する際に用いた溶媒をそのまま樹脂組成物の溶剤として、用いてもよい。
溶剤の含有量は、目的等に応じて適宜選択することができる。例えば、溶剤を含有する液状樹脂組成物に関して、溶剤以外の成分の割合が、樹脂組成物の全質量を基準として10〜90質量%であってもよい。
溶剤を含有する樹脂組成物を塗布液として用い、これを後述する基材の表面に塗布し、塗膜から溶剤を除去することにより、上述のビニル系重合体を含有する易接着層を形成することができる。
<易接着性材料>
図1は、易接着性材料の一実施形態を示す模式断面図である。図1に示す易接着性材料10は、対向する1対の主面を有する基材2と、基材2の一方の主面2aを覆う易接着層4とを備える。易接着層は、基材2の表面の少なくとも一部を覆っていればよい。例えば、主面2aの反対側の主面上にさらに易接着層が形成されていてもよい。
図1は、易接着性材料の一実施形態を示す模式断面図である。図1に示す易接着性材料10は、対向する1対の主面を有する基材2と、基材2の一方の主面2aを覆う易接着層4とを備える。易接着層は、基材2の表面の少なくとも一部を覆っていればよい。例えば、主面2aの反対側の主面上にさらに易接着層が形成されていてもよい。
易接着層4は、上述のビニル系重合体、及び必要によりその他の成分を含有する。この易接着層4上に、紫外線硬化樹脂等の活性エネルギー線硬化樹脂によって上塗り層を形成したときに、易接着層4と上塗り層との優れた密着性が得られる。
易接着層4の厚みは、特に制限されないが、その用途に応じて適宜選択することができる。易接着層4の厚みは、例えば、0.005〜5μm又は0.05〜2μmであってもよい。
易接着層4は、例えば、基材2の表面に、溶剤を含有する樹脂組成物(塗布液)を塗布して塗膜を形成し、塗膜から溶剤を除去する方法によって形成することができる。
塗布液の基材2への塗布は、ロールコート、コンマコート、グラビアコート、エアーナイフコート、ダイコート、バーコート、フローコート等の通常の方法により行うことができる。
塗膜から溶剤を除去するための温度(乾燥温度)は、例えば、50〜240℃であってもよい。乾燥時間は、1秒〜60分間であってもよい。乾燥後の易接着層4は、通常、溶剤を実質的に含有しないが、微量の溶剤が易接着層4中に残存していてもよい。
基材2としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム;トリアセチルセルロースフィルム;メラミン化粧板等の化粧合板;ケイ酸カルシウム板等が挙げられる。基材2は、ポリエステルフィルムであってよい。
基材2は、フィルム状又は板状であってもよく、その厚みは、特に制限されないが、例えば、100μm〜10mmであってもよい。また基材と上塗り層との密着性をより一層向上させる方法として、基材2の表面を予めサンドブラスト法や溶剤処理法等で、その表面を凹凸化処理、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線照射処理、酸化処理をしていてもよい。
易接着性材料10の形態は特に制限されない。例えば、基材がフィルムである場合、易接着性材料は、シート状又は巻芯にロール状に巻き取られていてもよい。基材と易接着層との間に、水性シーラー、目止め剤等により形成される他の層が更に設けられていてもよい。
易接着層4上に上塗り層を形成して、加工製品を得ることができる。上塗り層が紫外線硬化樹脂によって形成される場合に、本実施形態の易接着層による密着性向上が特に有用である。上塗り層としては、例えば、ハードコート層がある。
以下、本発明の内容を実施例及び比較例を用いてより詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
1.光重合開始能を持つ官能基を有するビニル系モノマー(以下、「中間モノマー」とする)の合成
(製造例1)
撹拌機、温度計及びコンデンサーを備えた300mLフラスコに1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:BASF社製「イルガキュア2959」)55g、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製「カレンズAOI」)36g、ジブチルスズジラウレート(商品名:堺化学工業株式会社製「TN−12」)0.04gを仕込み、80℃まで昇温した。そのまま液温100℃を超えない様に5時間熟成させた後、40℃まで冷却し、下記(化9)に示す中間モノマーAを得た。
撹拌機、温度計及びコンデンサーを備えた300mLフラスコに1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:BASF社製「イルガキュア2959」)55g、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(商品名:昭和電工株式会社製「カレンズAOI」)36g、ジブチルスズジラウレート(商品名:堺化学工業株式会社製「TN−12」)0.04gを仕込み、80℃まで昇温した。そのまま液温100℃を超えない様に5時間熟成させた後、40℃まで冷却し、下記(化9)に示す中間モノマーAを得た。
(製造例2)
撹拌機、温度計及び水抜き用分岐コンデンサーを備えた300mLフラスコに1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:BASF社製「イルガキュア2959」)55gとアクリル酸18gと硫酸3.6gとメチルイソブチルケトン(MIBK)8gを仕込み、120℃で6時間攪拌しながらエステル化反応を行った。6時間後反応させた後、反応物にMIBKを600g加えて分液ロートで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、さらにイオン交換水により洗浄3回行いエバポレーターで濃縮・濾過し、下記(化10)に示す中間モノマーBを得た。
撹拌機、温度計及び水抜き用分岐コンデンサーを備えた300mLフラスコに1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:BASF社製「イルガキュア2959」)55gとアクリル酸18gと硫酸3.6gとメチルイソブチルケトン(MIBK)8gを仕込み、120℃で6時間攪拌しながらエステル化反応を行った。6時間後反応させた後、反応物にMIBKを600g加えて分液ロートで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、さらにイオン交換水により洗浄3回行いエバポレーターで濃縮・濾過し、下記(化10)に示す中間モノマーBを得た。
(製造例3)
撹拌機、温度計及び水抜き用分岐コンデンサーを備えた300mLフラスコに1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:BASF社製「イルガキュア2959」)55g、4‐(メタクリロイルオキシ)安息香酸30.9gと硫酸4gとMIBK10gを仕込み、120℃で6時間攪拌しながらエステル化反応を行った。6時間後反応させた後、反応物にMIBKを600g加えて分液ロートで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、さらにイオン交換水により洗浄3回行いエバポレーターで濃縮・濾過し、下記(化11)に示す中間モノマーCを得た。
撹拌機、温度計及び水抜き用分岐コンデンサーを備えた300mLフラスコに1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:BASF社製「イルガキュア2959」)55g、4‐(メタクリロイルオキシ)安息香酸30.9gと硫酸4gとMIBK10gを仕込み、120℃で6時間攪拌しながらエステル化反応を行った。6時間後反応させた後、反応物にMIBKを600g加えて分液ロートで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、さらにイオン交換水により洗浄3回行いエバポレーターで濃縮・濾過し、下記(化11)に示す中間モノマーCを得た。
2.アクリル酸テトラヒドロフルフリル(THFA)で変性したメタクリル酸アセトアセトキシエチル(AAEM)(以下、「THFA変性AAEM」という)の合成
撹拌機、温度計及びコンデンサーを備えた300mLフラスコに、アクリル酸テトラヒドロフルフリル(THFA)100g及びトルエンにて濃度20%に希釈したトリシクロヘキシルホスフィン(商品名:北興化学工業株式会社製「TCHP」)8.4gを仕込み、80℃まで昇温した。この混合液にメタクリル酸アセトアセトキシエチル(AAEM)68.6gを100分かけて滴下した。滴下終了後、80℃で10時間熟成させて、THFAで変性したAAEM(以下、「THFA変性AAEM」という)を合成した。その後、30℃まで冷却し、THFA変性AAEM溶液を得た。その後、溶剤であるトルエンを留去し、下記(化12)に示すTHFA変性AAEMを得た。
撹拌機、温度計及びコンデンサーを備えた300mLフラスコに、アクリル酸テトラヒドロフルフリル(THFA)100g及びトルエンにて濃度20%に希釈したトリシクロヘキシルホスフィン(商品名:北興化学工業株式会社製「TCHP」)8.4gを仕込み、80℃まで昇温した。この混合液にメタクリル酸アセトアセトキシエチル(AAEM)68.6gを100分かけて滴下した。滴下終了後、80℃で10時間熟成させて、THFAで変性したAAEM(以下、「THFA変性AAEM」という)を合成した。その後、30℃まで冷却し、THFA変性AAEM溶液を得た。その後、溶剤であるトルエンを留去し、下記(化12)に示すTHFA変性AAEMを得た。
3.ビニル系重合体の合成
<実施例1>
撹拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた1000mLフラスコにイオン交換水 110gを仕込み、80℃まで昇温した。
別途、光重合開始能を持つ官能基を有するビニル系モノマーとして中間モノマーA8.5gと、その他のビニル系モノマーとしてメタクリル酸メチル45g、スチレン14g、アクリル酸2−エチルヘキシル30g、メタクリル酸2.5gと、重合開始剤である過硫酸アンモニウム(APS)0.5gと、乳化剤としてエーテルサルフェート型アンモニウム塩(商品名:株式会社アデカ製「SR−1025」)25gと、イオン交換水60gとを、ホモジナイザー(プライミクス株式会社製T.Kホモミキサー マーク2 2.5型)を用いて混合し、乳化物を作製した(ミセルの形成)。
この作製した乳化物を、先の1000mLフラスコ中のイオン交換水に2時間かけて滴下した。その後、さらに80℃で3時間熟成させて、乳化重合によりビニル系重合体を合成した。その後、この熟成混合物を30℃まで冷却し、25%アンモニア水で中和し、不揮発分(固形分)の濃度が35%となるように、イオン交換水を加えることで調整し、ビニル系重合体を含む樹脂組成物を得た。
<実施例1>
撹拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた1000mLフラスコにイオン交換水 110gを仕込み、80℃まで昇温した。
別途、光重合開始能を持つ官能基を有するビニル系モノマーとして中間モノマーA8.5gと、その他のビニル系モノマーとしてメタクリル酸メチル45g、スチレン14g、アクリル酸2−エチルヘキシル30g、メタクリル酸2.5gと、重合開始剤である過硫酸アンモニウム(APS)0.5gと、乳化剤としてエーテルサルフェート型アンモニウム塩(商品名:株式会社アデカ製「SR−1025」)25gと、イオン交換水60gとを、ホモジナイザー(プライミクス株式会社製T.Kホモミキサー マーク2 2.5型)を用いて混合し、乳化物を作製した(ミセルの形成)。
この作製した乳化物を、先の1000mLフラスコ中のイオン交換水に2時間かけて滴下した。その後、さらに80℃で3時間熟成させて、乳化重合によりビニル系重合体を合成した。その後、この熟成混合物を30℃まで冷却し、25%アンモニア水で中和し、不揮発分(固形分)の濃度が35%となるように、イオン交換水を加えることで調整し、ビニル系重合体を含む樹脂組成物を得た。
<実施例2〜8、比較例1及び比較例2>
表1に示した配合で各種のビニル系モノマーを使用し、実施例1と同様の方法で、実施例2〜8、比較例1及び比較例2の各種ビニル系重合体を含む樹脂組成物を得た。なお、比較例2では、ビニル系重合体を合成し、25%アンモニア水で中和後にイルガキュア2959を8.5g加えた。
表1に示した配合で各種のビニル系モノマーを使用し、実施例1と同様の方法で、実施例2〜8、比較例1及び比較例2の各種ビニル系重合体を含む樹脂組成物を得た。なお、比較例2では、ビニル系重合体を合成し、25%アンモニア水で中和後にイルガキュア2959を8.5g加えた。
4.評価
実施例1〜8及び比較例1、2で得られた各種の樹脂組成物100部に対し、200部の水を加えて希釈した。この希釈液を、バーコーター#3を用いてコロナ放電処理ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム上に塗布し、塗布したPETフィルムを130℃で2分間乾燥させて、易接着層を備える易接着性フィルムをそれぞれ得た。得られた易接着性フィルムの密着性、及び耐ブロッキング性について以下のように評価した。
実施例1〜8及び比較例1、2で得られた各種の樹脂組成物100部に対し、200部の水を加えて希釈した。この希釈液を、バーコーター#3を用いてコロナ放電処理ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム上に塗布し、塗布したPETフィルムを130℃で2分間乾燥させて、易接着層を備える易接着性フィルムをそれぞれ得た。得られた易接着性フィルムの密着性、及び耐ブロッキング性について以下のように評価した。
<密着性評価>
(密着試験1)
易接着性フィルムの易接着層上に、下記に示す紫外線硬化樹脂を厚さが3μmとなるように塗布し、これを高圧水銀灯で照射することで硬化させた。硬化樹脂に、100個の升目(碁盤目)状の切れ目を、1mm間隔のカッターガイドを用いて形成させた。硬化樹脂面にセロハンテープを貼り、硬化樹脂面から垂直方向にセロハンテープを剥がした。その後、硬化樹脂の剥離面を観察して、以下の基準に基づき密着性を評価した。表1にその結果を示す。
A:剥離面積が全体の5%未満
B:剥離面積が全体の5%以上15%未満
C:剥離面積が全体の15%以上25%未満
D:剥離面積が全体の25%以上35%未満
E:剥離面積が全体の35%以上
(紫外線硬化樹脂)
トリペンタエリスリトールアクリレート(商品名:大阪有機化学工業株式会社製「ビスコート#802」)50g、N−ビニルホルムアミド(商品名:荒川化学工業株式会社製「ビームセット770」)25g及び紫外線重合開始剤オキシフェニル酢酸、2-[2-オキソ-2-フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物(商品名:BASF社製「イルガキュア754」)3gからなる組成物
(密着試験1)
易接着性フィルムの易接着層上に、下記に示す紫外線硬化樹脂を厚さが3μmとなるように塗布し、これを高圧水銀灯で照射することで硬化させた。硬化樹脂に、100個の升目(碁盤目)状の切れ目を、1mm間隔のカッターガイドを用いて形成させた。硬化樹脂面にセロハンテープを貼り、硬化樹脂面から垂直方向にセロハンテープを剥がした。その後、硬化樹脂の剥離面を観察して、以下の基準に基づき密着性を評価した。表1にその結果を示す。
A:剥離面積が全体の5%未満
B:剥離面積が全体の5%以上15%未満
C:剥離面積が全体の15%以上25%未満
D:剥離面積が全体の25%以上35%未満
E:剥離面積が全体の35%以上
(紫外線硬化樹脂)
トリペンタエリスリトールアクリレート(商品名:大阪有機化学工業株式会社製「ビスコート#802」)50g、N−ビニルホルムアミド(商品名:荒川化学工業株式会社製「ビームセット770」)25g及び紫外線重合開始剤オキシフェニル酢酸、2-[2-オキソ-2-フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物(商品名:BASF社製「イルガキュア754」)3gからなる組成物
(密着試験2)
易接着性フィルムの易接着層上に、下記に示す紫外線硬化樹脂を厚さが3μmとなるように塗布した。その紫外線硬化樹脂を塗布した易接着性フィルムに、別の易接着性フィルムを重ね合せ(易接着面が紫外線硬化樹脂と接触するように)、ゴムローラーで圧着させた。その紫外線硬化樹脂を挟み込んだ易接着性フィルム(2枚重ね)を高圧水銀灯で照射して、紫外線硬化樹脂を硬化させた。次に硬化させたフィルムを20mm×100mm大きさで切り出して試験片とした。得られた試験片をオートグラフ(株式会社島津製作所製AGS−5KNX標準形)を用い、角度90°,剥離速度200mm/minの条件で剥離試験を行った。
得られた応力−ひずみ曲線より最大剥離強度を算出し、下記基準で評価を行った。表1にその結果を示す。
A:最大剥離強度が3.0N以上
B:最大剥離強度が2.0N以上3.0N未満
C:最大剥離強度が1.0N以上2.0N未満
D:最大剥離強度が0.5N以上1.0N未満
E:最大剥離強度が0.5N未満
(紫外線硬化樹脂)
ハイパーブランチ型ポリエステルアクリレートオリゴマー(商品名:サートマー社製「CN2304」)50g、N−ビニルホルムアミド(商品名:荒川化学工業株式会社製「ビームセット770」)25g及び紫外線重合開始剤オキシフェニル酢酸、2-[2-オキソ-2-フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物(商品名:BASF社製「イルガキュア754」)3gからなる組成物
易接着性フィルムの易接着層上に、下記に示す紫外線硬化樹脂を厚さが3μmとなるように塗布した。その紫外線硬化樹脂を塗布した易接着性フィルムに、別の易接着性フィルムを重ね合せ(易接着面が紫外線硬化樹脂と接触するように)、ゴムローラーで圧着させた。その紫外線硬化樹脂を挟み込んだ易接着性フィルム(2枚重ね)を高圧水銀灯で照射して、紫外線硬化樹脂を硬化させた。次に硬化させたフィルムを20mm×100mm大きさで切り出して試験片とした。得られた試験片をオートグラフ(株式会社島津製作所製AGS−5KNX標準形)を用い、角度90°,剥離速度200mm/minの条件で剥離試験を行った。
得られた応力−ひずみ曲線より最大剥離強度を算出し、下記基準で評価を行った。表1にその結果を示す。
A:最大剥離強度が3.0N以上
B:最大剥離強度が2.0N以上3.0N未満
C:最大剥離強度が1.0N以上2.0N未満
D:最大剥離強度が0.5N以上1.0N未満
E:最大剥離強度が0.5N未満
(紫外線硬化樹脂)
ハイパーブランチ型ポリエステルアクリレートオリゴマー(商品名:サートマー社製「CN2304」)50g、N−ビニルホルムアミド(商品名:荒川化学工業株式会社製「ビームセット770」)25g及び紫外線重合開始剤オキシフェニル酢酸、2-[2-オキソ-2-フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物(商品名:BASF社製「イルガキュア754」)3gからなる組成物
<耐ブロッキング性評価>
2枚の易接着性フィルムを用意し、1枚の易接着性フィルムの易接着層側ともう1枚の易接着性フィルムの非易接着層側(易接着層を形成していない面)とが密着するように重ねた。重ねられたフィルムに、40℃で24時間、0.5kgf/cm2の荷重を加えた。その後のブロッキングの有無を観察し、以下の基準で耐ブロッキング性を判定した。表1にその結果を示す。
A:ブロッキングが全く無い
B:若干のブロッキングは認められるものの、容易に引きはがすことができる
C:フィルムの全面的にブロッキングが認められ、引きはがすのに相当な力が必要
2枚の易接着性フィルムを用意し、1枚の易接着性フィルムの易接着層側ともう1枚の易接着性フィルムの非易接着層側(易接着層を形成していない面)とが密着するように重ねた。重ねられたフィルムに、40℃で24時間、0.5kgf/cm2の荷重を加えた。その後のブロッキングの有無を観察し、以下の基準で耐ブロッキング性を判定した。表1にその結果を示す。
A:ブロッキングが全く無い
B:若干のブロッキングは認められるものの、容易に引きはがすことができる
C:フィルムの全面的にブロッキングが認められ、引きはがすのに相当な力が必要
<粒径測定>
実施例及び比較例で得られた各種ビニル系重合体を含む樹脂組成物をイオン交換水にて希釈し、株式会社マルバルーン製「Zetasizer」を用い、25℃にて動的光散乱法にて、組成物に含まれるミセルの粒径の測定を行った。測定の結果、光強度分布よりキュムラント解析(ISO13321)を行い、得られたZ−Averageの値を平均粒子径として表1に記載した。
実施例及び比較例で得られた各種ビニル系重合体を含む樹脂組成物をイオン交換水にて希釈し、株式会社マルバルーン製「Zetasizer」を用い、25℃にて動的光散乱法にて、組成物に含まれるミセルの粒径の測定を行った。測定の結果、光強度分布よりキュムラント解析(ISO13321)を行い、得られたZ−Averageの値を平均粒子径として表1に記載した。
(実施例1〜8)
本発明の通りの樹脂組成物による実施例1〜8では、紫外性硬化樹脂によって形成される上塗り層に対して充分な密着性を示す易接着層を形成できることが確認された。光重合開始能を持つ官能基を有するビニル系モノマー(中間モノマー)を30部以上使用した実施例3〜8については、良好な結果となっており、その中でも特に45部以上使用した実施例4及び実施例5では特に良好な密着性能が得られることがわかった。中間モノマーとTHFA変性AAEMを併用した実施例6でも良好な密着性能が得られることがわかる。
本発明の通りの樹脂組成物による実施例1〜8では、紫外性硬化樹脂によって形成される上塗り層に対して充分な密着性を示す易接着層を形成できることが確認された。光重合開始能を持つ官能基を有するビニル系モノマー(中間モノマー)を30部以上使用した実施例3〜8については、良好な結果となっており、その中でも特に45部以上使用した実施例4及び実施例5では特に良好な密着性能が得られることがわかった。中間モノマーとTHFA変性AAEMを併用した実施例6でも良好な密着性能が得られることがわかる。
(比較例1及び比較例2)
中間モノマーを使用していない比較例1では十分な密着性を得られていない。また、中間モノマーを使用せずに、樹脂組成物中に光重合開始能を持つ官能基を有する化合物(イルガキュア2959)をそのまま添加混合した比較例2でも、十分な密着性を得ることはできていない。
中間モノマーを使用していない比較例1では十分な密着性を得られていない。また、中間モノマーを使用せずに、樹脂組成物中に光重合開始能を持つ官能基を有する化合物(イルガキュア2959)をそのまま添加混合した比較例2でも、十分な密着性を得ることはできていない。
2…基材、2a…主面、4…易接着層、10…易接着性材料。
Claims (8)
- 光重合開始能を持つ官能基を有するビニル系モノマーに由来するモノマー単位を含有するビニル系重合体を含む易接着層形成用樹脂組成物。
- 前記ビニル系重合体における前記光重合開始能を持つ官能基を有するビニル系モノマーの含有量は、前記ビニル系重合体を構成するビニル系モノマーの全質量を基準として8〜95質量%である、請求項1記載の易接着層形成用樹脂組成物。
- 前記光重合開始能を持つ官能基は、α−ヒドロキシアルキルフェノン骨格を有するものである、請求項1乃至2いずれかに記載の易接着層形成用樹脂組成物。
- 前記ビニル系重合体のガラス転移温度が−30〜100℃の範囲内である、請求項1乃至3いずれかに記載の易接着層形成用樹脂組成物。
- 下記一般式(1)で表されるビニル系モノマーに由来するモノマー単位をさらに含有するビニル系重合体を含む、請求項1乃至4いずれかに記載の易接着層形成用樹脂組成物。
れる基を示し、R3は、水素原子又はメチル基を示し、Lは、炭素数1〜6のアルキレン
基を示す。]
- 請求項1乃至5の何れかに記載された易接着層形成用樹脂組成物を有するコーティング剤。
- 基材と、前記基材の表面の少なくとも一部を覆う易接着層と、を備え、
前記易接着層が、請求項1乃至5のいずれかに記載の易接着層形成用樹脂組成物である、易接着性材料。 - 前記基材がポリエステルフィルムである、請求項7に記載の易接着性材料。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109705238A (zh) * | 2018-12-19 | 2019-05-03 | 江苏乘鹰新材料股份有限公司 | 一种低丙酮释放低迁移性光引发剂及其制备方法和应用 |
JPWO2019139069A1 (ja) * | 2018-01-15 | 2020-01-16 | 共栄社化学株式会社 | 不飽和基含有エステル化合物、重合体、熱硬化型樹脂組成物及び硬化膜 |
WO2020202434A1 (ja) * | 2019-04-01 | 2020-10-08 | 共栄社化学株式会社 | 熱硬化性樹脂組成物、塗膜形成方法及び硬化塗膜 |
JP2021095439A (ja) * | 2019-12-13 | 2021-06-24 | Kjケミカルズ株式会社 | 光重合開始性n−置換(メタ)アクリルアミド |
-
2016
- 2016-09-14 JP JP2016179055A patent/JP2018044056A/ja active Pending
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