JP5693944B2 - 成膜性を有する有機−無機複合体及びその製造方法 - Google Patents

成膜性を有する有機−無機複合体及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、成膜性を有する有機−無機複合体及びその製造方法に関する。また、本発明は、有機−無機複合体を用いたコーティング材、コーティング膜、成形体、光学部材及び光学材料に関する。
従来、高分子から形成された成形体の屈折率の制御は、硫黄原子、ハロゲン原子又はベンゼン環などの芳香族基を高分子中に導入する方法によって行われてきた。しかしながら、有機高分子のみを用いる屈折率の制御には限界があり、また、吸湿率、屈折率の温度依存性、複屈折率などの光学特性が低下するという問題もあった。
そこで、光学特性を維持しつつ屈折率を制御する手段として、無機粒子を高分子中に分散させる試みが近年盛んに行われている。この場合、物性的な偏りやバラツキが無く、見栄えのよい製品を提供するためには、無機粒子が高分子中に均一に分散している必要がある。
しかしながら、無機粒子は凝集しやすく、特にナノオーダーサイズの無機粒子はその傾向が顕著である。そのため、無機粒子を用いた方法の実用化は妨げられている。
また近年では、低屈折率のフィルムを含む成形体や、コーティング材を得るための手段として、中空粒子やフッ素系ポリマーを利用した素材が開発されている。
特許文献1には、中空シリカゾルとフッ素系ポリマーを混合し、UV硬化させる方法の記載がある。特許文献2には、pMMA修飾シリカと、フッ素含有ポリマーの混合物に関する記載がある。
特開2008−115329号公報 特開2006−257308号公報
本発明の主な目的は、良好な外観を有する、透明なコーティング膜や成形体を形成することが可能であるとともに、得られるコーティング膜や成形体の屈折率を容易に制御できる成膜性の有機−無機複合体を提供することにある。
本発明は、以下のものに関する。
[1]
(A)空隙率が5〜80%である無機酸化物粒子と、(B)ラジカル重合性モノマーの重合により形成され、分子量の分散度が2.3以下であり、前記無機酸化物粒子に結合しているポリマーと、を備え、成膜性を有する有機−無機複合体。
[2]
ガラス転移温度が、−10〜180℃である、[1]に記載の有機−無機複合体。
[3]
ハロゲン含有量が、当該有機−無機複合体の全質量を基準として0.001〜5質量%である、[1]又は[2]に記載の有機−無機複合体。
[4]
銅含有量が、当該有機−無機複合体の全質量を基準として0.2質量%以下である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
[5]
フッ素含有量が、当該有機−無機複合体の全質量を基準として0.1〜60質量%である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
[6]
前記無機酸化物粒子の平均粒径が1〜200nmである、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
[7]
前記無機酸化物粒子の円形度が0.5〜1である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
[8]
前記無機酸化物粒子が中空粒子である、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
[9]
前記無機酸化物粒子が中空シリカ粒子である、[8]に記載の有機−無機複合体。
[10]
前記無機酸化物粒子が、厚み1〜30nmの外殻を有する、[8]又は[9]に記載の有機−無機複合体。
[11]
前記無機酸化物粒子の屈折率が1.05〜1.4である、[1]〜[10]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
[12]
前記無機酸化物粒子の含有量が、当該有機−無機複合体の全質量を基準として2〜96質量%である、[1]〜[11]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
[13]
前記無機酸化物粒子の含有量が、当該有機−無機複合体の全体積を基準として1〜94体積%である、[1]〜[12]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
[14]
前記ラジカル重合性モノマーが、少なくとも1種のフッ素含有モノマーを含む、[1]〜[13]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
[15]
前記ラジカル重合性モノマーが、スチレン類、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル類から選択される少なくとも1種のモノマーを含む、[1]〜[14]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
[16]
前記ラジカル重合性モノマーが、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルを含み、前記ポリマーが前記アクリル酸エステルと前記メタクリル酸エステルとの共重合ポリマーである、[1]〜[15]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
[17]
前記ポリマーが、熱可塑性ポリマーである、[1]〜[16]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
[18]
前記ポリマーの分子量の分散度が1.0〜1.9である、[1]〜[17]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
[19]
前記ポリマーの数平均分子量が、5000〜200000g/molである、[1]〜[18]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
[20]
無機酸化物粒子と重合開始基を有するカップリング剤とを反応させて表面改質無機酸化物粒子を製造する工程と、前記重合開始基により開始されるリビングラジカル重合により、前記無機酸化物粒子に結合しているポリマーを形成させる工程と、を備える、[1]〜[19]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体の製造方法。
[21]
前記リビングラジカル重合が、原子移動ラジカル重合である、[20]に記載の有機−無機複合体の製造方法。
[22]
前記重合開始基がハロゲン原子を含む、[20]又は[21]に記載の有機−無機複合体の製造方法。
[23]
前記表面改質無機酸化物粒子のハロゲン含有量が0.02〜10質量%である、[22]に記載の有機−無機複合体の製造方法。
[24]
前記カップリング剤が、リン酸基、カルボキシ基、酸ハライド基、酸無水物基、イソシアネート基、グリシジル基、クロロシリル基及びアルコキシシリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、[20]〜[23]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体の製造方法。
[25]
前記官能基が、クロロシリル基又はアルコキシシリル基である、[24]に記載の有機−無機複合体の製造方法。
[26]
前記カップリング剤が、1個又は2個の前記官能基を有する、[25]に記載の有機−無機複合体の製造方法。
[27]
[1]〜[19]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体を含む、コーティング材。
[28]
有機溶媒を更に含む、[27]に記載のコーティング材。
[29]
固形分濃度が1〜70質量%である、[27]又は[28]に記載のコーティング材。
[30]
[27]〜[29]のいずれか1項に記載のコーティング材を含む、コーティング膜。
[31]
屈折率が1.05〜1.4である、[30]に記載のコーティング膜。
[32]
鉛筆硬度がHB以上である、[30]又は[31]に記載のコーティング膜。
[33]
水接触角が75°以上である、[30]〜[32]のいずれか1項に記載のコーティング膜。
[34]
油接触角が30°以上である、[30]〜[33]のいずれか1項に記載のコーティング膜。
[35]
[1]〜[19]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体を含む、成形体。
[36]
粒子分散度が0.6以下である、[35]に記載の成形体。
[37]
屈折率が1.05〜1.4である、[35]又は[36]に記載の成形体。
[38]
[30]〜[34]のいずれか1項に記載のコーティング膜、又は[35]〜[37]のいずれか1項に記載の成形体を備える光学部材。
[39]
[1]〜[19]のいずれか1項に記載の有機−無機複合体を含む、光学材料。
本発明によれば、良好な外観を有する透明な成形体を形成することが可能であるとともに、得られる成形体やコーティング膜の屈折率を容易に制御できる成膜性の有機−無機複合体が提供される。
無機酸化物粒子に結合したポリマーの分子量が揃っていることにより、粒子の凝集が抑制された良好な外観を有する成形体やコーティング膜が得られる。
本発明の成膜性の有機−無機複合体は、無機粒子に直接ポリマーをグラフトしているという点で、特許文献1の手法のように、無機粒子とグラフトしていないポリマーとを混合する場合と比べ、粒子の凝集を抑制しやすいという点で有利である。
なお、特許文献2には、ポリマーで表面修飾した中空シリカと、フッ素含有モノマー等のバインダー成分から構成される組成物の記載があるが、ポリマーで表面修飾した中空シリカのみでは成膜しておらず、バインダー成分が必須とされている。その結果、得られる低屈折率層の屈折率が、1.44〜1.46と、一般的な汎用ポリマーと大差なく、一般的な反射防止膜に要求される低屈折率層の性能(屈折率1.4以下)に到達していない。特許文献2に開示の手法では、中空シリカにグラフトされたポリマーの分子量分布が大きく広がり、且つ、残留触媒が多く残存してしまうために、最終商品の品質を損なう結果となるという点でも、特許文献2の方法は本発明とは異なる。
粒子の最大長及び最小幅の算出方法を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、本実施の形態)について詳細に説明する。尚、本発明は、本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態の有機−無機複合体は、(A)空隙率が5〜80%である無機酸化物粒子と、(B)ラジカル重合性モノマーの重合により形成されるポリマーとから構成される。この有機−無機複合体は、好ましくは、それ単独で成膜性を有する。ここでいう「成膜性」とは、モノマー等の他のバインダー成分と混合されることなく、単独でコーティング膜が形成できる性質を意味する。
[(A)空隙率が5〜80%である無機酸化物粒子]
無機酸化物粒子は、炭素以外の元素の酸化物である、無機酸化物から形成された粒子であれば、特に限定されるものではない。コーティング膜や成形体の透明性と屈折率制御の容易性の観点から、無機酸化物粒子は、中空粒子が好ましい。中空シリカ粒子又は多孔性シリカ粒子がさらに好ましい。これらの中でも、屈折率制御の観点から、中空シリカ粒子が好ましい。2種以上の無機酸化物粒子を組み合わせて使用することも可能である。
無機酸化物粒子の空隙率は、好ましくは5〜80%である。空隙率が5%未満であると、屈折率制御効果が小さく、80%を超えると粒子の強度が低くなり、成形体等に加工した際に破損の可能性がある。一方、空隙率が5〜80%であることにより、屈折率制御能に優れ、見栄えのよい成形体を得ることができる。同様の観点から、この空隙率は、より好ましくは10〜60%、更に好ましくは15〜40%である。空隙率は「空隙率(%)=(空隙部分の体積)/(粒子全体の体積)×100」で表され、空隙率の測定方法については後述の実施例において詳細に説明される。
無機酸化物粒子の大きさは特に限定されるものではないが、無機酸化物粒子の平均粒径(粒子の外径の平均値)、は好ましくは1〜200nmである。平均粒径が200nmより大きいと、有機−無機複合体を光学材料として使用したときに、光の散乱などの問題が発生し易くなる傾向があり、1nm未満であると、無機酸化物粒子を構成する物質固有の特性が変化する可能性がある。同様の観点から、無機酸化物粒子の平均粒径はより好ましくは2〜100nm、更に好ましくは10〜70nmである。特に、成膜性の有機−無機複合体、及び、それを利用したコーティング膜、成形体、光学材料等に透明性が要求される場合には、粒子の大きさが、レイリー散乱領域に入る必要があるため、無機酸化物粒子の平均粒径が2〜70nmであることが好ましく、10〜60nmであることが更に好ましい。無機酸化物粒子の平均粒径の測定方法は後述の実施例において詳細に説明される。
無機酸化物粒子の円形度は、0.5〜1である。円形度が0.5〜1であることにより、膜厚が薄いフィルムであっても、均一性を維持することができる。同様の観点から、この円形度は、より好ましくは0.7〜1、更に好ましくは0.85〜1である。円形度の測定方法については後述の実施例において詳細に説明される。
無機酸化物粒子の最大長L及び最小幅Dは、特に限定されるものではないが、L/D≦2を満たすことが好ましい。L/Dが2より小さい場合、より優れた光学特性が得られる。L/Dはより好ましくは1〜1.5、更に好ましくは1〜1.2である。L/Dの測定方法については後述の実施例において詳細に説明される。
無機酸化物粒子の形状や結晶形は、上記空隙率の範囲を満たすものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、球状、結晶状、鱗片状、柱状、管状、繊維状、中空状、多孔質状等、様々な形状であってよい。中でも、屈折率制御の観点から、管状粒子、中空粒子、多孔質粒子が好ましく、特に好ましくは、中空粒子である。中空粒子の中でも、入手のし易さの観点から、中空シリカ粒子が好ましい。
上記中空粒子の外殻厚みは特に限定されるものではないが、屈折率と成膜性のバランスの観点から、好ましくは1〜30nm、更に好ましくは5〜20nm、特に好ましくは7〜12nmである。
無機酸化物粒子の屈折率は、特に限定されるものではないが、屈折率制御効果が得られやすいことから、1.05〜1.4程度であることが好ましい。屈折率設計と成膜性のバランスの観点からは、無機酸化物粒子の屈折率は、より好ましくは1.1〜1.35、更に好ましくは1.15〜1.3である。
有機−無機複合体のガラス転移温度(以下、Tgという。)は、特に限定されるものではないが、べたつきを抑制しつつ、良好な成膜性を付与できるという理由から、−10〜180℃であることが好ましく、より好ましくは0〜160℃、更に好ましくは20〜150℃、特に好ましくは40〜120℃である。
有機−無機複合体のハロゲン含有量とは、臭素及び塩素の合計量を指す。このハロゲン含有量は特に限定されるものではないが、成膜性が良好であるという理由から、当該有機−無機複合体の全質量を基準として、0.001〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは、0.01〜2質量%、更に好ましくは0.1〜1質量%である。
有機−無機複合体の銅含有量は、特に限定されるものではないが、コーティング膜や成形体の着色を抑制するため、0.2質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以下、更に好ましくは0.02質量%以下、特に好ましくは0.005質量%以下である。
有機−無機複合体におけるフッ素含有量は、特に限定されるものではないが、汎用有機溶媒への分散性と、屈折率制御効果、撥水/撥油性、透明性とのバランスを考慮すると、当該有機−無機複合体の全質量を基準として0.1〜60質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜50質量%、更に好ましくは、5〜40質量%である。
有機−無機複合体における無機酸化物粒子の含有量は、特に限定されるものではないが、屈折率制御の観点から、好ましくは2〜96質量%、更に好ましくは5〜90質量%、特に好ましくは10〜85質量%である。また、屈折率制御と成膜性や成形性の観点から、無機酸化物粒子の含有量は、有機−無機複合体の全体積を基準として好ましくは1〜94体積%、更に好ましくは5〜85体積%、特に好ましくは10〜80体積%である。
[(B)ポリマー]
有機−無機複合体を構成するポリマーは、無機酸化物粒子の表面にカップリング剤((C)重合開始基を有するカップリング剤)を介して共有結合により結合している。このポリマーは、1種または2種以上のラジカル重合性モノマーをモノマー単位として含んでいる。有機−無機複合体は、異なるモノマー単位から構成される複数種のポリマーを含有していてよい。
上記ポリマーの重合形態は、特に限定されるものではないが、例えば、ホモポリマー、周期共重合ポリマー、ブロック共重合ポリマー、ランダム共重合ポリマー、グラジエント共重合ポリマー、テーパード共重合ポリマー又はグラフト共重合ポリマーが挙げられる。中でも、Tgや屈折率等の物性制御の観点から、共重合ポリマーが好ましい。
上記ポリマーは、熱分解抑制の観点から、アクリル酸エステルと、メタクリル酸エステルとの共重合ポリマーであることが好ましい。また上記ポリマーは、成形性や加工性に優れることから、熱可塑性ポリマーであることが望ましい。ここでいう、熱可塑性ポリマーとは、Tg又は融点まで加熱することで軟化し、成形が可能なポリマーを指し、熱可塑性を持たない硬化性ポリマーとは、明確に区別される。但し、一部に硬化性ポリマー(架橋性ポリマー)が共重合されたものであっても、熱可塑性ポリマーが主体であり、全体として熱可塑性を呈するものは、熱可塑性ポリマーとみなすことができる。
ラジカル重合性のモノマーは、原子移動ラジカル重合(以下、「ATRPと」いう。)、又は可逆的付加・脱離連鎖移動重合(以下、「RAFT」という)で重合可能であることが好ましい。
上記モノマーとしては、例えば、エチレン、「ブタ−1,3−ジエン、2−メチルブタ−1,3−ジエン、2−クロロブタ−1,3−ジエンのようなジエン類」、「スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、アセトキシスチレン、4−クロロメチルスチレン2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン、4−アミノスチレンなどのスチレン類」、「アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸トリメチルシリル、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸2,2,3,3,−テトラフルオロプロピル、アクリル酸1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル、アクリル酸1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル、アクリル酸1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル、アクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、アクリル酸1H,1H−ヘプタフルオロブチルなどのアクリル酸エステル類」、「メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸トリメチルシリル、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル、メタクリル酸1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル、メタクリル酸2,2,3,3,−テトラフルオロプロピル、メタクリル酸1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル、メタクリル酸1H,1H,7H−ドデカフルオロペンチルなどのメタクリル酸エステル類」、「アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−シクロプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの(メタ)アクリル酸誘導体」、「酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニルのようなビニルエステル類」、「ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類」、「ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾル、N−ビニルインドール、N-ビニルピロリドンなどのN-ビニル化合物」、「アリルアルコール、塩化アリル、酢酸アリル、塩化ビニル、塩化ビニリデンのようなアリル化合物」、「フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのフッ素アルキル基を有する化合物」、「アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等の官能性モノマー類」が挙げられる。中でも、コーティング膜や成形体の透明性を特に重視する場合は、スチレン類、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを選択することが好ましい。
上記モノマーの中でも、屈折率制御や撥水性/撥油性の付与の観点から、フッ素を含有するモノマーを少なくとも1種以上選択することが好ましく、入手が容易であることから、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸2,2,3,3,−テトラフルオロプロピル、アクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、アクリル酸1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、メタクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、及びメタクリル酸1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロイソプロピルが更に好ましい。
またフッ素を含有しないモノマーとしては、入手が容易であることから、スチレン類、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの使用が好ましく、中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル及びメタクリル酸ブチルから選ばれるモノマーが好ましい。
以下に、好ましいモノマーの具体例を化学式で示す。
Figure 0005693944
Figure 0005693944
Figure 0005693944
上記ポリマーの形状は、特に限定されるものではないが、例えば、鎖状、分岐鎖状、ラダー型、スター型が挙げられる。その他、任意の置換基等を導入し、分散性や相溶性を向上させることも可能である。
上記ポリマーの分子量は、特に限定されるものではないが、その数平均分子量(以下、「Mn」という。)は、好ましくは500〜500000g/mol、より好ましくは5000〜200000g/mol、更に好ましくは10000〜100000g/molである。Mnが500g/mol未満であると、無機酸化物粒子の凝集が起こり易くなる傾向があり、500000g/molを超えると、無機酸化物としての特性が発現されにくくなったり、有機−無機複合体の他の物質との相溶性が低下したりする傾向がある。
上記ポリマーの分子量の分散度は、質量平均分子量(以下、「Mw」という。)とMnより、下記式により求められる。
分子量の分散度=Mw/Mn
ここでいうMn及びMwは、後述の実施例において詳細に説明されるように、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される、ポリメタクリル酸メチル換算の値である。
本実施の形態において、分子量の分散度は2.3以下である。分子量の分散度が2.3以下であることにより、無機酸化物粒子の凝集が効果的に抑制される。分散性の観点からは、ポリマーの分子量(鎖長)が揃っていること、つまり、分子量の分散度が1に近い値であることが好ましい。係る観点から、分子量の分散度は、好ましくは1.0〜1.9、更に好ましくは1.0〜1.7、特に好ましくは1.0〜1.5である。
本実施の形態における、無機酸化物粒子に結合しているポリマーの量は、後述の方法で求められ、透明性維持の観点から、その量は好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。
[(C)重合開始基を有するカップリング剤]
本実施の形態における(C)カップリング剤は、無機物粒子表面と、上述のポリマーとを連結するために用いられる化合物である。このカップリング剤は、重合開始基と、無機酸化物粒子表面と反応して結合を生成する官能基とを有する化合物であれば、特に限定されるものではない。このときの無機酸化物粒子表面は、無機酸化物そのものから形成されていてもよいし、表面処理されていてもよい。ここでいう表面処理とは、化学反応、熱処理、光照射、プラズマ照射、放射線照射等により、無機酸化物粒子表面を官能基により修飾することである。
カップリング剤を、無機物表面と結合させる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、無機酸化物粒子表面の水酸基とカップリング剤とを反応させる方法や、無機物粒子表面の表面処理により導入された官能基とカップリング剤とを反応させる方法がある。無機酸化物粒子に結合したカップリング剤に、更にカップリング剤を反応させて、複数のカップリング剤を連結することも可能である。また、カップリング剤の種類によっては、水や触媒を併用してもよい。
カップリング剤が有する官能基は、特に制限はないが、例えば無機酸化物表面の水酸基との反応により結合を生成する場合には、リン酸基、カルボキシ基、酸ハライド基、酸無水物基、イソシアネート基、グリシジル基、クロロシリル基、アルコキシシリル基、シラノール基、アミノ基、ホスホニウム基及びスルホニウム基等が挙げられる。中でも、反応性と、酸残存量や着色とのバランスの観点から、好ましいのは、イソシアネート基、クロロシリル基、アルコキシシリル基及びシラノール基であり、更に好ましくは、クロロシリル基及びアルコキシシリル基である。中でも、反応性の観点から、クロロシリル基が特に好ましい。
カップリング剤の官能基数は、特に限定されるものではないが、副生成物の除去が容易であることから、一官能又は二官能であることが好ましく、特に好ましくは一官能である。
カップリング剤が有する重合開始基は、重合開始能を有する官能基であれば、特に限定されるものではない。例えば、後述のニトロキシド媒介ラジカル重合(以下、「NMP」という。)、原子移動ラジカル重合(以下、「ATRP」という。)、可逆的付加・脱離連鎖移動重合(以下、RAFTという。)に用いられる重合開始基が挙げられる。
NMPにおける重合開始基は、ニトロキシド基が結合している基であれば、特に限定されるものではない。
ATRPにおける重合開始基は、典型的には、ハロゲン原子を含む基である。ハロゲン原子の結合解離エネルギーが低いことが好ましい。例えば、3級炭素原子に結合したハロゲン原子、ビニル基、ビニリデン基及びフェニル基等の不飽和炭素−炭素結合に隣接する炭素原子に結合したハロゲン原子、カルボニル基、シアノ基及びスルホニル基等のヘテロ原子含有共役性基に直接結合するか又はこれらに隣接する原子に結合したハロゲン原子が導入された基が、好ましい構造として挙げられる。より具体的には、下記一般式(1)で表される有機ハロゲン化物基、及び、一般式(2)で表されるハロゲン化スルホニル基が好適である。
Figure 0005693944
式(1)及び(2)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよいアリル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、又は、置換基を有していてもよいアルキルアリール基を示し、Zはハロゲン原子を示す。
式(1)の重合開始基は、下記一般式(3)に示されるように、カルボニル基を有するものであってもよい。式(3)中、R、R及びZは、式(1)中のR、R及びZと同義である。
Figure 0005693944
式(3)の重合開始基の具体例を下記化学式に示す。
Figure 0005693944
RAFTにおける重合開始基は、RAFT剤として機能するイオウ原子を含有する基であれば、特に限定されるものではない。そのような重合開始基の例としては、トリチオカーボネート、ジチオエステル、チオアミド、チオカルバメート、ジチオカルバメート、チオウラン、チオ尿素、ジチオオキサミド、チオケトンおよびトリスルフィドが挙げられる。
好適なカップリング剤の具体例としては、以下のようなシラン化合物がある。
・3−(2−ブロモイソブチロキシ)プロピルジメチルクロロシラン(Cas番号:370870−81−8)
・プロピオン酸,2−ブロモ−2−メチル−,3−(ジクロロメチルシリル)プロピル エステル(Cas番号:1057260−39−5)
・プロピオン酸,2−ブロモ−2−メチル−,3−(トリクロロシリル)プロピル エステル(Cas番号:688359−84−4)
・3−(メトキシジメチルシリルプロピル)−2−ブロモ−2−メチルプロピオネート(Cas番号:531505−27−8)
・3−(ジメトキシメチルシリルプロピル)−2−ブロモ−2−メチルプロピオネート(Cas番号:1186667−60−6)
・3−(トリメトキシシリルプロピル)−2−ブロモ−2−メチルプロピオネート(Cas番号:314021−97−1)
・(3−(2−ブロモイソブチリル)プロピル)ジメチルエトキシシラン(Cas番号:265119−86−6)
・(3−(2−ブロモイソブチリル)プロピル)メチルジエトキシシラン(Cas番号:1186667−65−1)
・プロピオン酸,2−ブロモ−2−メチル−,3−(トリエトキシシリル)プロピル エステル(Cas番号:880339−31−1)
・プロピオン酸,2−ブロモ−,3−(クロロジメチルシリル)プロピル エステル(Cas番号:438001−36−6)
・プロピオン酸,2−ブロモ−,3−(トリクロロシリル)プロピル エステル(Cas番号:663174−64−9)
・プロピオン酸,2−ブロモ−,3−(メトキシジメチルシリル)プロピル エステル(Cas番号:861807−46−7)
・(3−(2−ブロモプロピオニル)プロピル)ジメチルエトキシシラン(Cas番号:265119−85−5)
・(3−(2−ブロモプロピオニル)プロピル)トリエトキシシラン(Cas番号:1233513−06−8)
[有機−無機複合体の製造方法]
本実施の形態に係る有機−無機複合体は、例えば、無機酸化物粒子と重合開始基を有するカップリング剤とを反応させて表面改質無機酸化物粒子を製造する工程と、重合開始基により開始されるリビングラジカル重合により、無機酸化物粒子に結合しているポリマーを形成させる工程と、を備える方法により得ることができる。
無機酸化物粒子とカップリング剤との反応により、無機酸化物粒子の表面にカップリング剤が導入された表面改質無機酸化物粒子が得られる。無機酸化物粒子とカップリング剤との反応は、これらが分散又は溶解する反応液中で行うことができる。必要により反応液を加熱してもよい。
表面改質無機酸化物粒子のハロゲン含有量とは、臭素と塩素の合計量を示す。このハロゲン含有量は、特に限定されるものではないが、成膜性維持の観点から、0.02〜10質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜4質量%、さらに好ましくは0.3〜2質量%、特に好ましくは0.5〜1.5質量%である。
生成するポリマーの分子量の分散度を小さくすることができる点で、リビングラジカル重合(以下、「LRP」という。)を選択することが好ましい。LRPとしては、NMP、ATRP及びRAFTがある。この中でも、重合開始剤の汎用度、適用可能なモノマーの種類の多さ、重合温度等の点から、ATRPが特に好ましい。
ラジカル重合の方式は特に限定されず、例えば、塊状重合法又は溶液重合法を選択できる。更に、生産性や安全性の観点から、懸濁重合、乳化重合、分散重合、シード重合等の方式を採用してもよい。
重合温度は、特に限定されるものではなく、重合方法やモノマー種に応じ、適宜、選択することができる。例えばATRPやRAFTの場合、重合温度は好ましくは−50℃〜200℃、更に好ましくは0℃〜150℃、特に好ましくは20℃〜130℃である。モノマーがアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを含む場合、50〜130℃で重合を行うと、比較的短時間で精密重合することができる。
重合反応は、無溶媒で行っても、溶媒存在下で行ってもよい。溶媒を使用する場合、表面改質無機酸化物粒子の分散性と、重合触媒の溶解性とが良好な溶媒が好ましい。溶媒は単独で用いても、複数種を組み合わせて使用してもよい。
溶媒の使用量は、特に限定されるものではないが、例えば、モノマー100質量部に対し、0〜2000質量部が好ましく、より好ましくは0〜1000質量部である。溶媒量が少ないと、反応速度が大きい傾向にあり有利であるが、モノマー種や重合条件によっては、重合溶液粘度が高くなる傾向にある。また、溶媒量が多いと、重合溶液粘度が低くなるが、反応速度が低下するため、適宜、配合比率を調整するのが好ましい。
重合反応は、無触媒で行っても、触媒を使用して行ってもよいが、生産性の観点から、触媒を使用することが好ましい。触媒の種類は、特に限定されるものではないが、重合方法やモノマー種等により、任意の触媒を適宜、使用すればよい。例えば、ATRPの場合、触媒の種類は、一般的に知られている各種のものの中から、重合方式等に応じて適宜選択すればよい。具体的には、例えば、Cu(0)、Cu、Cu2+、Fe、Fe2+、Fe3+、Ru2+又はRu3+を含む金属触媒を使用できる。中でも、分子量や分子量分布の高度な制御を達成する為には、特にCuを含む1価の銅化合物及び0価の銅が好ましい。その具体例としては、Cu(0)、CuCl、CuBr、CuBr、CuO等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、複数を組み合わせて使用してもよい。また、触媒の使用量は、重合開始基1モルに対して、通常0.01〜100モル、好ましくは0.01〜50モル、更に好ましくは0.01〜10モルである。
金属触媒は、通常、有機配位子と併用される。金属への配位原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、リン原子、硫黄原子等が挙げられる。中でも、窒素原子、リン原子が好ましい。有機配位子の具体例としては、2,2’−ビピリジン及びその誘導体、1,10−フェナントロリンおよびその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン(以下、PMDETAという。)、トリス(ジメチルアミノエチル)アミン(以下、Me6TRENという。)、トリス(2−ピリジルメチル)アミン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等が挙げられる。アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類の重合を行う場合は、PMDETA、Me6TREN、2,2’−ビピリジン及びその誘導体の1つである4,4’−ジ(5−ノニル)−2,2’−ジピリジン(以下、dNbpyという。)が好ましい。有機配位子の具体例を下記化学式に示す。
Figure 0005693944
金属触媒と有機配位子とは、別々に添加して重合系中で混合してもよいし、予め混合してからそれらを重合系中へ添加してもよい。特に、銅化合物を使用する場合は、前者の方法が好ましい。
重合反応において、上記に加え、添加剤を必要に応じて使用することができる。添加剤の種類としては、特に限定されるものではないが、例えば、分散剤・安定剤、乳化剤(界面活性剤)等が挙げられる。
分散剤・安定剤は、その機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、ポリヒドロキシスチレン、ポリスチレンスルホン酸、ビニルフェノール−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルフェノール−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリスチレン誘導体;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポチエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート等のポリ(メタ)アクリル酸誘導体;ポリメチルビニルエーテル、ポリエチルビニルエーテル、ポリブチルビニルエーテル、ポリイソブチルビニルエーテル等のポリビニルアルキルエーテル誘導体;セルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリ酢酸ビニル等のポリ酢酸ビニル誘導体; ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリ−2 −メチル−2−オキサゾリン等の含窒素ポリマー誘導体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル誘導体;ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン誘導体等の各種疎水性又は親水性の分散剤、安定剤が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、複数を組み合わせて使用してもよい。
乳化剤(界面活性剤)は、その機能を有するものであれば、特に限定されるものではないが、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン系乳化剤;アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アミンオキサイド等のカチオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のノニオン系乳化剤等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、複数を組み合わせて使用してもよい。
[コーティング材]
本実施の形態のコーティング材は、上述の有機−無機複合体を含み、コーティング膜を形成するために用いられる材料である。コーティング材の形態は、液体でも固体でもよく、溶媒、添加剤、可塑剤、油脂、乳化剤(界面活性剤)、カップリング剤、酸、アルカリ、モノマー、オリゴマー、ポリマー、顔料、染料、香料、色素等の有機−無機複合体以外の物質を含んでいてもよい。
後述の通りコーティングの手法は、特に限定されるものではないが、大面積にコーティング可能であることや設備コストの抑制が可能であるため、ウエットコート法を採用することが望ましい。そのためには、コーティング材は、上述の有機−無機複合体を溶媒に分散させた液体であることが好ましい。
ここで使用する溶媒は、特に限定されるものではないが、上述の有機−無機複合体の分散性が良好で、比較的安全性が高く、汎用的な有機溶媒が好ましい。これらの溶媒は、単独で用いても、複数を混合して使用しても構わない。成膜性と安全性の観点から、有機溶媒の蒸発速度は、酢酸ブチルを100とした場合に、好ましくは20〜600、更に好ましくは50〜200である。同様の観点から、有機溶媒の沸点は好ましくは75〜200℃、更に好ましくは90〜180℃である。
有機溶媒の具体例としては、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類、トルエン、アニソール等のベンゼン環を含む化合物、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、酢酸2−メトキシ−1−メチルエチル(PGMEA)等が挙げられる。
コーティング材における固形分濃度は、特に限定されるものではないが、分散性と成膜性のバランスから、コーティング材全体質量を基準として、好ましくは1〜70質量%、更に好ましくは5〜50質量%、特に好ましくは10〜20質量%である。固形分濃度は、有機−無機複合体をそのまま直接希釈して調整してもよいし、希薄溶液をエバポレーター等で濃縮して調製してもよい。
[コーティング膜]
本実施の形態のコーティング膜は、上述のコーティング材を、後述の手法でコーティングした膜であれば、特に限定されるものではないが、一般的には、基材(例えば、PETフィルム、TACフィルム、ガラス、金属、シリコンウエハ、LED、半導体、CD、DVD等)に、数nm〜数cmの厚みで形成した膜を指す。
コーティングの手法としては、「蒸着、スパッタリング、イオンプレーディング等のドライコーティング法」や、「印刷、スリットコート、バーコート、アプリケーター塗工、スピンコート、ブレードコート、エアナイフコート、グラビアコート、ロールコート、スプレーコート、ディップコート等のウエットコーティング法」等が、一般的に知られている。また上述の方法以外に、「フィルム成形、ラミネート成形、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、回転成形、押出成形、延伸成形等の成形加工法」を応用し、基材の上に、コーティング膜を形成する手法もある。これらの手法は、単独でも、複数を組み合わせて使用することも可能である。
本実施の形態に係るコーティング膜は、優れた透明性と光学特性を有しており、その指標である、全光線透過率は、特に限定されるものではないが、好ましくは86〜100%、より好ましくは88〜100%、更に好ましくは90〜100%である。同様に、ヘーズの値は、特に限定されるものではないが、好ましくは0〜5%、より好ましくは0〜3%、更に好ましくは0〜2%である。
本実施の形態に係るコーティング膜や成形体の屈折率は、特に限定されるものではないが、好ましくは1.05〜1.4、より好ましくは1.05〜1.37、更に好ましくは1.05〜1.35、特に好ましくは1.05〜1.28である。また、所望の屈折率を達成し易いことから、光学材料や光学部材として有用である。その代表例としては、反射防止膜やハードコート膜等がある。
本実施の形態に係るコーティング膜や成形体を、反射防止膜の低屈折率層として使用する場合、その屈折率は1.4以下であることが好ましい。更にその屈折率が1.28以下であると、高屈折率層が不要になるため、製造コストが抑制できる。
本実施の形態に係るコーティング膜の硬度は、特に限定されるものではないが、その鉛筆硬度は、好ましくはHB以上、さらに好ましくはF以上である。
本実施の形態に係わるコーティング膜の水接触角は、撥水性の指標であり、その値は特に限定されるものではないが、好ましくは75°以上、より好ましくは80°以上、さらに好ましくは90°以上である。接触角が75°以上であると、水性の汚れに対し、付着抑制効果や、良好な拭き取り性を発現するからである。この機能は、コーティング膜が最外層である場合に、特に有用である。
本実施の形態に係わるコーティング膜の油接触角は、撥水性の指標であり、その値は特に限定されるものではないが、好ましくは30°以上、より好ましくは45°以上、さらに好ましくは60°以上である。接触角が30°以上であると、油性の汚れに対し、付着抑制効果が発現するからである。特に接触角が60°以上であると、油性マジックのインクを弾くため、膜の上に字が正常に書けなくなり、その痕跡も容易に拭き取れるようになる。この機能は、コーティング膜が最外層である場合に、特に有用である。
[成形体]
本実施の形態の成形体は、上述の有機−無機複合体を所定の形状に成形したものである。成形方法は特に限定されないが、通常は、温度、圧力、光(可視光、紫外線、赤外線、近赤外線等)、電子線、プラズマ、衝撃波等の刺激を、有機−無機複合体に与え、所望の形状に成形するのが一般的である。例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、キャスト成形、スピンコート等、一般のポリマー材料の成形法を採用することができる。また、その形状も、何ら限定されるものではなく、例えば、ブロック状、ペレット状、板状、フィルム状等、様々な形態をとり得る。また成形時に、溶媒、添加剤、可塑剤、油脂、乳化剤(界面活性剤)、カップリング剤、酸、アルカリ、モノマー、オリゴマー、ポリマー、顔料、染料、香料、色素、火薬・爆薬、肥料、医薬品、医薬品添加物、医薬部外品、食品、食品添加物、調味料、無機粒子、硬化剤、硬化促進剤、酸発生剤、カチオン発生剤等を加えて成形用組成物を準備し、これを成形することは、何ら制限されない。
本実施の形態に係る成形体の粒子分散度は、成形体における無機酸化物粒子の分散状態を反映する値である。粒子分散度は、特に限定されるものではないが、成形体の透明性の観点から、望ましくは0.6以下、更に好ましくは0.5以下、特に好ましくは0.3以下である。粒子分散度は、走査透過電子顕微鏡等を用いて成形体を観察し、観察された像において隣り合う粒子間の重心間距離を測定し、その測定結果に基いて下記式により算出される。
粒子分散度=(隣り合う粒子間の重心間距離の平均偏差)/(隣り合う粒子間の重心間距離)
本実施の形態に係る成形体は、優れた透明性を有しており、また、所望の屈折率を達成し易いことから、光学部材として有用である。光学部材としては、レンズ、光導波路、光ディスク、反射防止膜及び導電膜等がある。
[光学材料]
本実施の形態に係る光学材料は、上述の有機−無機複合体を含有し、光学部材を形成するために用いられる。光学材料は、例えば、反射防止膜、コーティング材、ハードコート剤として好適に利用できる。
本実施の形態に係る、コーティング膜、成形体、光学部材及び光学材料は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各種有機樹脂、着色剤、レベリング剤、滑剤、界面活性剤、シリコーン系化合物、反応性希釈剤、非反応性希釈剤、酸化防止剤、光安定剤等を含有していてもよい。また、一般に樹脂用の添加剤(可塑剤、難燃剤、安定剤、帯電防止剤、耐衝撃強化剤、発泡剤、抗菌・防カビ剤、フィラー、防曇剤、架橋剤等)として供される物質を、配合しても差し支えない。他の物質が含まれていてもよい。他の物質としては、溶剤、油脂、油脂加工品、天然樹脂、合成樹脂、顔料、染料、色素、剥離剤、防腐剤、接着剤、脱臭剤、凝集剤、洗浄剤、脱臭剤、pH調整剤、感光材料、インク、電極、めっき液、触媒、樹脂改質剤、可塑剤、柔軟剤、農薬、殺虫剤、殺菌剤、医薬品原料、乳化剤・界面活性剤、防錆剤、金属化合物、フィラー、化粧品・医薬品原料、脱水剤、乾燥剤、不凍液、吸着剤、着色剤、ゴム、発泡剤、着色剤、研磨剤、離型剤、凝集剤、消泡剤、硬化剤、還元剤、フラックス剤、皮膜処理剤、鋳物原料、鉱物、酸・アルカリ、ショット剤、酸化防止剤、表面被覆剤、添加剤、酸化剤、火薬類、燃料、漂白剤、発光素子、香料、コンクリート、繊維(カーボンファイバー、アラミド繊維、ガラス繊維等)、ガラス、金属、賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、ゲル化剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、懸濁化剤、粘稠剤等が挙げられる。
有機樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂が挙げられる。
着色剤は、着色を目的に使用される物質であれば特に限定されず、例えば、フタロシアニン、アゾ、ジスアゾ、キナクリドン、アントラキノン、フラバントロン、ペリノン、ペリレン、ジオキサジン、縮合アゾ、アゾメチン系の各種有機系色素、酸化チタン、硫酸鉛、クロムエロー、ジンクエロー、クロムバーミリオン、弁殻、コバルト紫、紺青、群青、カーボンブラック、クロムグリーン、酸化クロム、コバルトグリーン等の無機顔料等が挙げられる。これらの着色剤は単独でも、複数を組み合わせて使用してもよい。
レベリング剤は、特に限定されず、例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリレート類からなる分子量4,000〜12,000のオリゴマー類、エポキシ化大豆脂肪酸、エポキシ化アビエチルアルコール、水添ひまし油、チタン系カップリング剤等が挙げられる。これらのレベリング剤は単独でも、複数を組み合わせて使用してもよい。
滑剤は、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸系滑剤、ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレイルアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の高級脂肪酸アミド系滑剤、硬化ひまし油、ブチルステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ペンタエリスリトール(モノ−,ジ−,トリ−,又はテトラ−)ステアレート等の高級脂肪酸エステル系滑剤、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール等のアルコール系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リシノール酸、ナフテン酸等のマグネシウム、カルシウム、カドミウム、バリウム、亜鉛、鉛等の金属塩である金属石鹸類、カルナウバロウ、カンデリラロウ、ミツロウ、モンタンロウ等の天然ワックス類等が挙げられる。これらの滑剤は単独でも、複数を組み合わせて使用してもよい。
界面活性剤は、その分子中に溶媒に対して親和性を持たない疎水基と、溶媒に対して親和性を持つ親媒基(通常は親水基)を持つ、両親媒性物質を指す。また、その種類は特に限定されるものではなく、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は単独でも、複数を組み合わせて使用してもよい。
シリコーン系化合物は、特に限定されず、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン縮合物、シリコーン部分縮合物、シリコーンオイル、シランカップリング剤、シリコーンオイル、ポリシロキサン等が挙げられ、その両末端、片末端、あるいは側鎖に有機基を導入して変性したものも含まれる。その変性の方法も特に限定されず、例えば、アミノ変性、エポキシ変性、脂環式エポキシ変性、カルビノール変性、メタクリル変性、ポリエーテル変性、メルカプト変性、カルボキシル変性、フェノール変性、シラノール変性、ポリエーテル変性、ポリエーテル・メトキシ変性、ジオール変性等が挙げられる。
反応性希釈剤は、特に限定されず、例えば、アルキルグリシジルエーテル、アルキルフェノールのモノグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1、6―ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アルカン酸グリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられ、非反応性希釈剤としては、特に限定されず、例えば、ベンジルアルコール、ブチルジグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の高沸点溶剤等が挙げられる。
酸化防止剤は、特に限定されず、例えば、トリフェニルホスフェート、フェニルイソデシルホスファイトなどの有機リン系酸化防止剤、ジステアリル−3,3’−チオジプロピネート等の有機イオウ系酸化防止剤、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール等のフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
光安定剤は、特に限定されず、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、シアノアクリルレート系、ニッケル系、トリアジン系等の紫外線吸収剤や、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。
本実施の形態に係る有機−無機複合体および成形体の用途は、光学用途に限定されるものではない。例えば、電子材料(碍子類、交流変圧器、開閉機器等の注型及び回路ユニット、各種部品のパッケージ、IC・LED・半導体等の封止材、発電器、モーター等の回転機コイル、巻線含浸、プリント配線基板、絶縁ボード、中型碍子類、コイル類、コネクター、ターミナル、各種ケース類、電気部品類等)、塗料(防蝕塗料、メンテナンス、船舶塗装、耐蝕ライニング、自動車・家電製品用プライマー、飲料・ビール缶、外面ラッカー、押出チューブ塗装、一般防蝕塗装、メンテナンス途装、木工製品用ラッカー、自動車用電着プライマー、その他工業用電着塗装、飲料・ビール缶内面ラッカー、コイルコーティング、ドラム・缶内面塗装、耐酸ライニング、ワイヤーエナメル、絶縁塗料、自動車用プライマー、各種金属製品の美装兼防蝕塗装、パイプ内外面塗装、電気部品絶縁塗装等)、複合材料(化学プラント用パイプ・タンク類、航空機材、自動車部材、各種スポーツ用品、炭素繊維複合材料、アラミド繊維複合材料等)、土木建築材料(床材、舗装材、メンブレン、滑り止め兼薄層舗装、コンクリート打ち継ぎ・かさ上げ、アンカー埋め込み接着、プレキャストコンクリート接合、タイル接着、コンクリート構造物の亀裂補修、台座のグラウト・レベリング、上下水道施設の防蝕・防水塗装、タンク類の耐蝕積層ライニング、鉄構造物の防蝕塗装、建築物外壁のマスチック塗装等)、接着剤(金属・ガラス・陶磁器・セメントコンクリート・木材・プラスチック等の同種又は異種材質の接着剤、自動車・鉄道車両・航空機等の組み立て用接着剤、プレハブ用複合パネル製造用接着剤等:一液型、二液型、シートタイプを含む。)、航空機・自動車・プラスチック成形の治工具(プレス型、ストレッチドダイ、マッチドダイ等樹脂型、真空成形・ブロー成型用モールド、マスターモデル、鋳物用パターン、積層治工具、各種検査用治工具等)、改質剤・安定剤(繊維の樹脂加工、ポリ塩化ビニル用安定剤、合成ゴムへの添加剤等)等として用いられ得る。
本実施の形態に係る有機−無機複合体、コーティング材、コーティング膜及び成形体は、基板材、ダイボンド材、チップコート材、積層板、光ファイバー、光導波路、光フィルター、電子部品用の接着剤、コート材、シール材、絶縁材、フォトレジスト、エンキャップ材、ポッティング材、光ディスクの光透過層や層間絶縁層、プリント配線板、積層板、導光板、反射防止膜等の用途にも利用可能である。
以下に本実施の形態をより具体的に説明した実施例を例示する。ただし、本発明はその要旨を超えない限りにおいて以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例における物性の評価は以下の手順で行った。
<無機酸化物粒子の空隙率、平均粒径、中空粒子の外殻厚み>
[平均粒径]
(1)0.1gの有機−無機複合体と、9.9gのクロロホルム(和光純薬工業株式会社製)をサンプル瓶にはかりとり、そこに回転子を入れた。内容物をスターラーで30分間攪拌した後、30分間超音波処理を施して、サンプル溶液を得た。
(2)上記サンプル溶液を、グリッド(応研商事株式会社製、「STEM100Cuグリッド」)に滴下し、風乾させて、有機−無機複合体の膜を形成させた。
(3)グリッド上の有機−無機複合体を、高分解能走査透過電子顕微鏡(以下、HR−STEMという。)(株式会社日立製作所製、「HD−2300A」)の透過モードで観察し、撮影を行った。但し、粒子の大きさや形状に応じ、任意の測定倍率を選択した。
(4)撮影されたHR−STEM像を、画像解析ソフト(旭化成エンジニアリング株式会社製、「A像くん」)によって処理し、粒子200個について、各々の粒子の外径の円相当径を求めた。本明細書において、「円相当径」とは、粒子の面積と等しい面積を有する円の直径を指す。
(5)200個の粒子の円相当径のうち、上位5%及び下位5%の数値を除去し、残り90%の平均値を求め、その値を「無機酸化物粒子の平均粒径」とした。
[中空粒子の外殻厚み]
(6)次いで、上記(1)〜(3)と同様の方法で得られた、HR−STEM像を、上記画像解析ソフトによって処理し、中空粒子200個について、各々の中空粒子の内径の円相当径を求めた。本明細書において、「円相当径」とは、粒子の面積と等しい面積を有する円の直径を指す。
(7)200個の粒子の円相当径のうち、上位5%及び下位5%の数値を除去し、残り90%の平均値を求め、その値を「中空粒子の平均内径」とした。
(8)上記で求めた、無機酸化物の平均粒径と、中空粒子の平均内径より、中空粒子の外殻厚みを以下の式に従って、算出した。
中空粒子の外殻厚み=(無機酸化物粒子の平均粒径−中空粒子の平均内径)/2 ・・・(6)
[空隙率]
(9)上記中空粒子の平均内径から、以下の式に従って、中空粒子の内腔半径aを求めた。
中空粒子の内腔半径a=中空粒子の平均内径/2 ・・・(7)
(10)上記無機酸化物粒子の平均粒径から、以下の式に従って、無機酸化物粒子の半径bを求めた。
無機酸化物粒子の半径b=無機酸化物粒子の平均粒径/2 ・・・(8)
(11)上記(9)〜(10)で求めた、中空粒子の内腔半径a、及び、無機酸化物粒子の半径bを、以下の式に代入し、無機酸化物粒子の空隙率を求めた。
空隙率(%)=(4πa/3)/(4πb/3)×100 ・・・(9)
<無機酸化物粒子の円形度>
(1)0.1gの有機−無機複合体と、9.9gのクロロホルム(和光純薬工業株式会社製)をサンプル瓶にはかりとり、そこに回転子を入れた。内容物をスターラーで30分間攪拌した後、30分間超音波処理を施して、サンプル溶液を得た。
(2)上記サンプル溶液を、グリッド(応研商事株式会社製、「STEM100Cuグリッド」)に滴下し、風乾させて、有機−無機複合体の膜を形成させた。
(3)グリッド上の有機−無機複合体を、HR−STEMの透過モードで観察し、撮影を行った。但し、粒子の大きさや形状に応じ、任意の測定倍率を選択した。
(4)撮影されたHR−STEM像を、上記画像解析ソフトによって処理し、粒子(粒子の外径)の「円相当径」と「周囲長」を算出した。算出された円相当径及び周囲長に基づき、下記式に従って、粒子200個各々の円形度を求めた。円形度が0.5以上である場合を「A」、円形度が0.5未満の場合を「B」と判定した。
円形度=(円相当径から求めた円周長)/(周囲長) ・・・(10)
ここで、(円相当径から求めた円周長)=(円相当径)×πである。
(5)200個の粒子の円形度のうち、上位5%及び下位5%の数値を除去し、残り90%の平均値を求め、その値を無機酸化物粒子の円形度とした。
<無機酸化物粒子のL/D>
(1)0.1gの有機−無機複合体と、9.9gのクロロホルム(和光純薬工業株式会社製)をサンプル瓶にはかりとり、そこに回転子を入れた。内容物をスターラーで30分間攪拌した後、30分間超音波処理を施して、サンプル溶液を得た。
(2)上記サンプル溶液を、グリッド(応研商事株式会社製、「STEM100Cuグリッド」)に滴下し、風乾させて、有機−無機複合体の膜を形成させた。
(3)グリッド上の有機−無機複合体を、HR−STEMの透過モードで観察し、撮影を行った。但し、粒子の大きさや形状に応じ、任意の測定倍率を選択した。
(4)上記HR−STEM像を、上記画像解析ソフトによって処理し、粒子200個各々の外径の、「最大長」及び「最小幅」を算出した。図1は、各粒子の最大長及び最小幅の算出方法を示す模式図である。図1に示されるように、「最大長」とは、HR−STEM像における粒子の周上の任意の2点間の距離の最大値を指し、「最小幅」とは、粒子が最大長を示す方向に対して垂直な方向における粒子の幅を指す。
(5)求められた最大長L及び最小幅Dを下記式に代入して、粒子200個各々のL/Dを求めた。
L/D=(最大長)/(最小幅) ・・・(11)
(6)200個の粒子のL/Dのうち、上位5%及び下位5%の数値を除去し、残り90%の平均値を求め、その値を無機酸化物粒子のL/Dとした。
<無機酸化物粒子の屈折率>
無機酸化物粒子の屈折率は、標準屈折液(Cargill社製)を使用して、以下の方法により求めた。但し、所望の屈折率の標準屈折液が入手出来ない場合は、屈折率既知の試薬で代用した。
(1)無機酸化物粒子の分散液をエバポレーターに採り、分散媒を蒸発させた。
(2)これを120℃の真空乾燥機で乾燥し、粉末にした。
(3)屈折率既知の標準屈折液を、2〜3滴ガラス板上に滴下し、これに上記粉末を混合した。
(4)上記(3)の操作を種々の標準屈折液で行い、混合液が透明になったときの標準屈折液の屈折率を無機酸化物粒子の屈折率とした。
<表面改質無機酸化物粒子のハロゲン含有量の測定>
表面改質無機酸化物粒子のハロゲン含有量を、燃焼処理及びそれに続くイオンクロマトグラフ法により、以下の手順で求めた。
(1)サンプルを酸素気流中で、石英燃焼管を使用して燃焼させ、発生したガスを、吸収液(3%過酸化水素水)に吸収させた。
(2)吸収液を適宜希釈し、吸収液中の臭素イオンと塩素イオンの量を、イオンクロマトグラフ(Daionex社製、「ICS−2000」)で、測定した。
(3)測定された臭素イオン及び塩素イオンの合計量から、表面改質無機酸化物の質量に対する、臭素イオン及び塩素イオンの合計量を、ハロゲン含有量として求めた。
<ポリマーの比重>
ASTM D792に準じて測定した。
<ポリマーの分子量及び分子量の分散度>
ポリマーの分子量及び分子量の分散度を、「分解法」又は「添加法」により求めた。成膜性有機−無機複合体が、トルエンに対して易分散の場合は「分解法」で測定を行い、難溶性の場合は「添加法」で測定した。
[分解法]
(前処理)
無機酸化物粒子に結合したポリマーの分子量測定のための前処理として、以下の手順に従って、有機−無機複合体に対してふっ化水素酸処理(以下、「HF処理」という。)を施した。
(1)テフロン(登録商標)製回転子を入れたテフロン(登録商標)製、又は、任意の樹脂製容器に、2mLのトルエン(和光純薬工業株式会社製)と、15mgの相間移動触媒(Aldrich社製、「Alquat336」)を加え、攪拌して、相間移動触媒がトルエンに溶解した溶液を得る。
(2)溶液に有機−無機複合体のサンプル200mgを加え、攪拌により溶解させる。
(3)得られた溶液に、更に、2mLのふっ化水素酸(和光純薬工業株式会社製、濃度:46〜48%)を加え、室温で24時間攪拌して、無機酸化物粒子からポリマーを分離する。
(4)上記溶液を、炭酸カルシウム(和光純薬工業株式会社製)の水溶液によって中和する。この時、相分離が悪い場合は、さらにトルエン2mLを加えて遠心分離した溶液を使用してもよい。
(分子量測定)
上記前処理で得られたサンプル溶液について、下記の条件によりゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定を行った。測定結果から、ポリメタクリル酸メチルスタンダード(創和科学株式会社製)を用いて作成した検量線に基づいて、メインピークのポリメタクリル酸メチル換算の数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)を求めた。
・装置:東ソー株式会社製、「HLC−8220GPC」
・検出器:RI検出器
・移動相:テトラヒドロフラン
・流量:0.35mL/分
・カラム:東ソー株式会社製の「TSKgel GMHXL」を2本連結したものを用いた。
・カラム温度:40℃
(分子量の分散度)
ポリメタクリル酸メチル換算の数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)を以下の式に代入して、ポリマーの分子量の分散度を求めた。分子量の分散度が1.9以下である場合を「A」、分子量の分散度が1.9を超える場合を「B」と判定した。
分子量の分散度=Mw/Mn ・・・(12)
[添加法]
以下の方法で前処理を行い、「分子量測定」と「分子量の分散度」は、上述の「分解法」と同様の方法で求めた。
(前処理)
以下の手順に従って、無機酸化物粒子に結合したポリマーの「分子量」と「分子量の分散度」を求めた。分子量測定用サンプルとして、実施例とは別に、重合開始剤を添加した状態で有機−無機複合体を合成し、重合開始剤の添加により副生するポリマーを測定し、これを無機酸化物粒子に結合したポリマーの「分子量」と「分子量の分散度」とみなした。
(1)分子量測定用サンプルの合成
(1−1)実施例と同様の方法で、有機−無機複合体の原料を配合した。
(1−2)上記溶液に、モノマー:重合開始剤=100:(0.01〜0.25)(mol比)となるように、重合開始剤を外割で加えた。重合開始剤は、実施例の重合液中の臭素含有量に対し、約10〜20%の臭素含有量となるように配合した。
・重合開始剤:2−ブロモイソ酪酸エチル(EBIB):Aldrich社製
(1−3)上記溶液に触媒溶液を加え、実施例と同様の方法で、測定用サンプル(有機−無機複合体と副正ポリマーの混合物)を重合した。
(1−4)フラスコを氷浴に浸して速やかに冷却してから、ヘキサンに投入して攪拌し、静置した。その後、上澄み液を廃棄した。
(1−5)残った沈殿物に、ヘキサンを再び加えて静置し、上澄み液を廃棄した。この操作を更に8回繰り返し、残った沈殿物を、実施例と同様の方法で乾燥した。
(2)上記(1)で得られた、分子量測定用サンプル1gに、10mLの溶媒(例えば、MIBK)を加え、24時間攪拌した。
(3)上記溶液に適量のTHFを加え、更に1時間攪拌した溶液を、遠心分離した。
(4)上述の「分解法」と同様の方法で、遠心分離後の上澄み液を測定し、「分子量」と「分子量の分散度」を求めた。
<有機−無機複合体の「無機酸化物に結合しているポリマー」の量>
(1)サンプル瓶に10gの有機−無機複合体をはかりとり、MIBKを加えて100mLとした後、回転子を入れて、内容物をスターラーで24時間攪拌した。
(2)別のサンプル瓶に、10mLの上記溶液をはかりとり、THFを加えて100mLに希釈後、回転子を入れて、内容物をスターラーで、更に24時間攪拌した。
(3)上記溶液を遠沈管に移し、遠心分離機で、6600rpmで30分間処理した。
(4)遠心分離後の上澄み液について、下記の条件によりゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定を行い、有機−無機複合体におけるフリーポリマーを測定した。測定結果から、ポリメタクリル酸メチルスタンダード(創和科学株式会社製)を用いて作成した検量線に基づいて、メインピークのポリメタクリル酸メチル換算の、ピークトップ分子量(Mp)を求めた。
・装置:東ソー株式会社製、「HLC−8220GPC」
・検出器:RI検出器
・移動相:テトラヒドロフラン
・流量:0.35mL/分
・カラム:東ソー株式会社製の「TSKgel GMHXL」を2本連結したものを用いた。
・カラム温度:40℃
(5)上記で得られた、Mp>800のピークを、フリーポリマーとして定量した。定量の際には、Mpが最も近い「定量標準物質」を下記から選択して検量線を作成し、定量標準物質換算で、有機−無機複合体中のフリーポリマーの量(質量%)を算出した。またピークが複数ある場合は、それらの合計量を求め、フリーポリマーの量(質量%)とした。
(5−1)定量標準物質:ポリメタクリル酸メチル(創和科学株式会社製)
・ポリメタクリル酸メチル「PMMA850(Mp=860)」
・ポリメタクリル酸メチル「PMMA2K(Mp=2,000)」
・ポリメタクリル酸メチル「PMMA7K(Mp=7,500)」
・ポリメタクリル酸メチル「PMMA11K(Mp=11,800)」
・ポリメタクリル酸メチル「PMMA21K(Mp=20,850)」
・ポリメタクリル酸メチル「PMMA30K(Mp=33,500)」
・ポリメタクリル酸メチル「PMMA45K(Mp=46,300)」
・ポリメタクリル酸メチル「PMMA85K(Mp=87,800)」
・ポリメタクリル酸メチル「PMMA110K(Mp=107,000)」
・ポリメタクリル酸メチル「PMMA135K(Mp=130,000)」
・ポリメタクリル酸メチル「PMMA135K(Mp=130,000)」
・ポリメタクリル酸メチル「PMMA190K(Mp=185,000)」
・ポリメタクリル酸メチル「PMMA225K(Mp=240,000)」
・ポリメタクリル酸メチル「PMMA320K(Mp=322,000)」
・ポリメタクリル酸メチル「PMMA680K(Mp=670,000)」
(6)有機−無機複合体中のポリマー量(無機酸化物に結合しているポリマー及びフリーポリマーの量)の測定
熱重量測定装置により、以下の条件で有機−無機複合体を加熱したときの質量減量(質量%)をn=3で測定し、その平均値を「有機−無機複合体中のポリマー量(無機酸化物に結合しているポリマー及びフリーポリマー)」とした。
・装置:株式会社島津製作所、「TGA−50」
・雰囲気:1%酸素含有窒素気流
・試料容器:アルミパン
・温度プログラム:25℃スタート→20℃/分で昇温→500℃に到達→500℃で1時間保持
(7)上記で得られた「フリーポリマーの量(質量%)」と、「有機−無機複合体中のポリマー量(無機酸化物に結合しているポリマー及びフリーポリマーの量)(質量%)」から、下記式に従って「無機酸化物に結合しているポリマーの量(質量%)」を算出した。
無機酸化物に結合しているポリマーの量(質量%)=(A−B)/A×100 ・・・(13)
ここで、A:有機−無機複合体中のポリマー量(無機酸化物に結合しているポリマー及びフリーポリマーの量)(質量%)、B:フリーポリマーの量(質量%)である。
<有機−無機複合体のTgの測定>
示差走査熱量測定装置(DSC)により、以下の条件で有機−無機複合体のTgを求めた。
・装置:PerkinElmer社製、「Diamond DSC」
・温度プログラム:−40℃スタート→20分間保持→20℃/分で昇温→200℃
<有機−無機複合体のハロゲン含有量の測定>
有機−無機複合体のハロゲン含有量は、前述の「表面改質無機酸化物粒子のハロゲン含有量の測定」と同様の方法で求めた。
<有機−無機複合体の銅含有量の測定>
酸分解及びそれに続くICP発光分析法により、以下の手順で、銅含有量を求めた。
(1)サンプルを、硫酸(和光純薬工業株式会社製)、硝酸(和光純薬工業株式会社製)、フッ化水素酸(和光純薬工業株式会社製)で分解した。
(2)更に、硝酸(1+2)で加温溶解を行った。
(3)上記溶液を希釈し、ICP発光分析装置(株式会社島津製作所製、「ICPS−8100」)で測定した。
<有機−無機複合体のフッ素含有量の測定>
燃焼処理及びそれに続くイオンクロマトグラフ法により、以下の手順で、フッ素含有量を求めた。
(1)サンプルを酸素気流下で、石英燃焼管を使用して燃焼させた。このとき、サンプルは必要に応じ、溶解及び/又は希釈してから使用してもよい。
(2)燃焼により発生したガスを、氷冷した吸収液(0.2%NaOH水溶液)に吸収させた。
(3)吸収液を適宜希釈し、吸収液中のフッ素イオンの量を、イオンクロマトグラフ(Daionex社製、「ICS−2000」)で、測定した。測定されたフッ素イオンの量から、有機−無機複合体の質量に対するフッ素イオンの量をフッ素含有量として求めた。
<有機−無機複合体の無機酸化物含有量の測定>
熱重量測定装置により、以下の条件で有機−無機複合体を加熱したときの質量減量を求めた。
・装置:株式会社島津製作所、「TGA−50」
・雰囲気:1%酸素含有窒素気流
・試料容器:アルミパン
・温度プログラム:25℃スタート→20℃/分で昇温→500℃に到達→500℃で1時間保持
測定をn=3で行い、それらの平均値を有機−無機複合体の無機酸化物含有量とした。質量%及び体積%の値を下記のように算出した。
(1)質量%
測定された質量減量(質量%)を以下の式に代入し、無機酸化物の含有量(質量%)を算出した。
無機酸化物含有量(質量%)=100−質量減量(質量%)
(2)体積%
(2−1)ポリマーの質量と体積の算出
測定された質量減量(mg)を、ポリマーの質量(mg)と見なし、その値を下記式に代入して、ポリマーの体積(μL)を算出した。
ポリマーの体積(μL)={ポリマーの質量(mg)}/{ポリマーの比重}
(2−2)無機酸化物の質量と体積の算出
測定された質量減量(mg)を下記式に代入して、無機酸化物の質量(mg)を算出した。
無機酸化物の質量(mg)=試料量(mg)−質量減量(mg)
無機酸化物の質量を下記式に代入して、無機酸化物の体積(μL)を算出した。
無機酸化物の体積(μL)={無機酸化物の質量(mg)}/{無機酸化物の密度(g/cm)}
(2−3)無機酸化物含有量(体積%)の算出
上記のようにして得られた値を下記式に代入して、無機酸化物含有量(体積%)を算出した。
Figure 0005693944
<コーティング材の作製>
有機−無機複合体に、任意の溶媒を加え、室温で24時間攪拌処理を行い、有機−無機複合体の溶媒分散液を調製したものを、コーティング材とした。尚、必要に応じ、超音波処理やエバポレーターによる濃縮処理を加えた。
<コーティング材の固形分濃度>
以下の手順で、コーティング材の固形分濃度を求めた。
(1)秤量瓶に、コーティング材をはかりとり、内容物の質量(質量A)を記録した。
(2)内容物の流動性が無くなるまで、窒素気流下で、上記秤量瓶を風乾した。
(3)上記秤量瓶を、105℃、真空下で、24時間乾燥させた後、デシケータ内で室温まで冷却した。
(4)秤量瓶の質量をはかり、内容物の質量(質量B)を記録した。
(5)以下の式により、固形分を求めた。
固形分(質量%)=(質量B)/(質量A)×100
<コーティング膜の作製>
以下の手順で、コーティング膜を作製した。
(1)上述のコーティング材を、適量、はかりとる。
(2)PETフィルム又はTACフィルムの上に、(1)のコーティング材を載せ、速やかにバーコーターで塗工した。但しバーコーターは、乾燥後のコーティング膜厚が3μm程度になるように、適宜選択した。
・PETフィルム:東洋紡績株式会社製、「コスモシャイン4100」(厚み100μm、全光線透過率90%、ヘーズ0.9%)
・TACフィルム:富士フィルム株式会社製(厚み80μm、全光線透過率93%、ヘーズ0.7%)
(3)1時間風乾後、100℃の防爆型送風乾燥機で、1時間乾燥したものを、コーティング膜とした。
<コーティング膜及び成形体の外観>
上記コーティング膜、及び後述の成形体を目視により観察し、粒子の凝集が実質的に見られない場合を合格(「A」)と判定し、粒子の凝集が見られた場合を「B」と判定した。
<屈折率測定>
屈折率測定装置を使用し、上記コーティング膜、及び後述の成形体の屈折率を下記条件で測定した。
・装置:Metricon社製、「MODEL 2010 PRISM COUPLER」
・モード:コーティング膜はシングルフィルムモード、成形体はバルクモードで測定
・測定波長:633nm
<全光線透過率及びヘーズの測定>
ヘーズメーター(日本電色工業株式会社製、「NDH 5000W」)を使用し、「JIS K7105:プラスチックの光学的特性試験方法」に準じて、コーティング膜の、全光線透過率とヘーズを測定した。
<鉛筆硬度の測定>
電動鉛筆引っかき硬度試験機(株式会社安田精機製作所製)を使用し、荷重500gで、「JIS K5600−5−4:塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法)」に準じて、コーティング膜の、鉛筆硬度を測定した。
<接触角の測定>
接触角計(協和界面科学株式会社製)を使用し、液滴法で、コーティング膜の水接触角(水に対する接触角)と、油接触角(n−ヘキサデカンに対する接触角)を測定した。
<コーティング膜の密着性>
コーティング膜の密着性を、「JIS K5600−5−4:塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)」に準じて評価した。
JISの分類法で、分類0と1は合格(「A」)と判定し、分類2〜5は不合格(「B」)と判定した。
<成形体の作製>
圧縮成形機を用いて、以下の条件で有機−無機複合体を真空熱プレスすることによって、厚み約50〜100μmの成形体を作製した。
・装置:株式会社神藤金属工業所製、「SFV−30」
・温度:100〜255℃、但し、特に問題が無い場合は、150℃で成形体を作製した。
<成形体の粒子分散度>
(1)成形体から超薄切片を作製した。
(2)上記超薄切片を、HR−STEMの走査モードで観察し、撮影を行った。但し、粒子の大きさや形状に応じ、任意の測定倍率を選択した。
(3)上記HR−STEM像を、上記画像解析ソフトで処理し、粒子500個について、重心間距離法により、下記式に従って、各々の粒子分散度を求め、その平均値を成形体の粒子分散度とした。粒子分散度が小さいほど、粒子がより均一に分散していることを意味し、粒子分散度≦0.6であると、物性のバラつきが抑制できる。
粒子分散度=(隣り合う粒子間の重心間距離の平均偏差)/(隣り合う粒子間の重心間距離) ・・・(14)
<原材料>
実施例及び比較例で使用した原材料の内容を以下の(1)〜(8)に示す。
(1)無機酸化物溶液
(1−1)中空シリカ粒子溶液−1
・製造メーカー:日揮触媒化成株式会社製
・20質量%中空シリカ粒子/MIBK溶液
・平均粒径48nm、外殻厚み8.5nm
・空隙率:27%
・無機酸化物粒子の屈折率:1.30
(1−2)中空シリカ粒子溶液−2
・製造メーカー:日揮触媒化成株式会社製
・中空シリカ粒子含有量:20質量%
・20質量%中空シリカ粒子/MIBK溶液
・平均粒径64nm、外殻厚み9nm
・空隙率:37%
・無機酸化物粒子の屈折率:1.25
(1−3)中空シリカ粒子溶液−3
・製造メーカー:日揮触媒化成株式会社製
・中空シリカ粒子含有量:20質量%
・20質量%中空シリカ粒子/イソプロピルアルコール溶液
・平均粒径60nm、外殻厚み10nm
・空隙率:30%
・無機酸化物粒子の屈折率:1.31
(1−4)SiO溶液
・商品名:日産化学工業株式会社製、「MIBK−ST」
・SiO含有量:31質量%
・空隙率:0%
・屈折率:1.45
(2)シラン化合物
(2−1)3−(2−ブロモイソブチロキシ)プロピルジメチルクロロシラン(以下、「BPS」という。)
公知の方法(特開2006−063042号公報等)を参考に、下記化学式(10)で表されるBPSを合成した。
Figure 0005693944
(2−2)(3−(2−ブロモイソブチリル)プロピル)ジメチルエトキシシラン(以下、「BIDS」という。)
公知の方法(特開2006−257308号公報)に従って、下記化学式(11)で表されるBIDSを合成した。
Figure 0005693944
(2−3)(3−(2−ブロモプロピオニル)プロピル)トリエトキシシラン(以下、「BPSH」という。)
公知の方法(特開2006−257308号公報)に従って、下記化学式(12)で表されるBPSHを合成した。
Figure 0005693944
(2−3)1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(以下、「HMDS」という。):東京化成工業株式会社製
(3)触媒
(3−1)臭化銅(I)(CuBr):和光純薬工業株式会社製
(3−2)臭化銅(II)(CuBr):和光純薬工業株式会社製
(4)配位子
(4−1)N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン(以下、「PMDETA」という。):Aldrich社製
(4−2)4,4’−ジ(5−ノニル)−2,2’−ジピリジン(以下、「dNbpy」という。):Aldrich社製
(5)モノマー
以下のモノマーは全て、アルミナカラムを通じて重合禁止剤を除去した後、1時間以上窒素バブリングして、脱酸素処理を行ってから使用した。アルミナカラムが使用できない場合は、蒸留等の公知の方法で、重合禁止剤を除去してもよい。
(5−1)メタクリル酸メチル(以下、「MMA」という。):東京化成工業株式会社製
(5−2)アクリル酸メチル(以下、「MA」という。):東京化成工業株式会社製
(5−3)アクリル酸エチル(以下、「EA」という。):東京化成工業株式会社製
(5−4)アクリル酸n−ブチル(以下、「nBA」という。):東京化成工業株式会社製
(5−5)メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル(以下、「TFEMA」という。):東京化成工業株式会社製
(5−6)アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル(以下、「TFEA」という。):東京化成工業株式会社製
(5−7)メタクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(以下、「PFPMA」という。):関東化学株式会社製
(5−8)メタクリル酸1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル(以下、(「HFIMA」という。):関東化学株式会社製
(5−9)メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下、「HEMA」という。):東京化成工業株式会社製
(6)溶剤等
(6−1)メタノール:和光純薬工業株式会社製
(6−2)メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」という。):和光純薬工業株式会社製
(6−3)メチルエチルケトン(以下、「MEK」という。):和光純薬工業株式会社製
(6−4)テトラヒドロフラン(以下、「THF」という。):和光純薬工業株式会社製
(6−5)ヘキサン:和光純薬工業株式会社製
(6−6)トルエン:和光純薬工業株式会社製
(6−7)シクロヘキサノン:和光純薬工業株式会社製
(7)メタノール−水混合溶液
(7−1)メタノール−水混合溶液−1:77容量%のメタノールと、23容量%のイオン交換水とを含む混合溶液
(7−2)メタノール−水混合溶液−2:80容量%のメタノールと、20容量%のイオン交換水とを含む混合溶液
(8)重合開始剤
(8−1)2−ブロモイソ酪酸エチル(以下、「EBIB」という。):Aldrich社製
(9)水酸化ナトリウム(以下、「NaOH」という。):和光純薬工業株式会社製
<表面改質無機酸化物粒子−1の合成(BPS改質中空シリカ粒子−1の合成)>
以下の手順に従って、BPS改質中空シリカ粒子−1(BPSが表面に結合した、中空シリカ粒子)を合成した。
(1)冷却管を接続し、回転子を入れた二口フラスコの内部を、窒素置換した。
(2)窒素下で、フラスコ内に86容量%の中空シリカ粒子溶液−1(平均粒径48nm)を導入し、更に、7容量%のBPSを導入し、攪拌を開始した。
(3)上記フラスコを85℃のオイルバスに浸し、攪拌しながら36時間反応を行った。
(4)反応液を室温まで冷却した後、窒素下で7容量%のHMDSを導入した。
(5)室温で2時間攪拌後、80℃で8時間攪拌して反応を行い、反応液を室温まで冷却した。
(6)反応液を遠沈管に移し、遠心分離機(株式会社久保田製作所製、型式:7700)を用いて、10000rpm、10℃で、30分間、遠心分離を行った。
(7)遠沈管内の上澄み液をメタノール−水混合溶液−1に投入し、混合した。
(8)上記溶液を遠沈管に移し、上記遠心分離機を用いて、10000rpm、10℃で、90分間、遠心分離を行った。
(9)遠心分離で得られた沈殿物に、少量のTHFを加えて攪拌し、溶解した。
(10)上記溶液をヘキサンに投入して攪拌し、静置した後、上澄み液を廃棄した。
(11)残った沈殿物にヘキサンを加えて攪拌し、静置した後、上澄み液を廃棄した。更にこの操作を10回繰り返した。
(12)上記沈殿物に窒素を吹きこみながら、一晩風乾することにより、液体を揮発させ、固形物を得た。
(13)上記固形物を、80℃、真空下で、24時間乾燥させて、BPS改質中空シリカ粒子−1(BPSが表面に結合した、中空シリカ粒子)を得た。
(14)BPS改質中空シリカ粒子−1のハロゲン含有量は1.0質量%であった。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
<表面改質無機酸化物粒子−2の合成(BPS改質中空シリカ粒子−2の合成)>
中空シリカ粒子溶液−1(平均粒径48nm)を89容量%、BPSを3.5容量%、HMDSを7.5容量%に、配合量を変更し、上記表面改質無機酸化物粒子−1の合成と同様の方法で、BPS改質中空シリカ粒子−2(BPSが表面に結合した、中空シリカ粒子)を合成した。BPS改質中空シリカ粒子−2のハロゲン含有量は、0.6質量%であった。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
<表面改質無機酸化物粒子−3の合成(BPS改質中空シリカ粒子−3の合成)>
中空シリカ粒子溶液−1(平均粒径48nm)を、中空シリカ粒子溶液−2(平均粒径64nm)に変更した以外は、上記表面改質無機酸化物粒子−1の合成と同様の方法で、BPS改質中空シリカ粒子−3(BPSが表面に結合した、中空シリカ粒子)を合成した。BPS改質中空シリカ粒子−3のハロゲン含有量は、1.2質量%であった。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
<表面改質無機酸化物粒子−4の合成(BIDS改質中空シリカ粒子−4の合成)>
以下の手順に従って、BIDS改質中空シリカ粒子−4(BIDSが表面に結合した、中空シリカ粒子)を合成した。
(1)冷却管を接続し、回転子を入れた二口フラスコの内部を、窒素置換した。
(2)窒素下で、フラスコ内に85容量%の中空シリカ粒子溶液−1(平均粒径48nm)を導入し、更に、15容量%のBIDSを導入し、攪拌を開始した。
(3)上記フラスコを85℃のオイルバスに浸し、攪拌しながら36時間反応を行った。
(4)反応液を室温まで冷却した後、反応液を遠沈管に移し、上記遠心分離機を用いて、10000rpm、10℃で、1時間、遠心分離した後、ヘキサンに投入し、攪拌した。
(5)上記溶液を静置後、上記遠心分離機で、任意の回転数で遠心分離を行い、上澄み液を廃棄した。
(6)残った沈殿物に、再度、ヘキサンを加え、(5)の操作を行った。
(7)更に、上記(5)〜(6)の操作を10回繰り返した。
(8)上記沈殿物に窒素を吹きこみながら、一晩風乾することにより、液体を揮発させ、固形物を得た。
(9)上記固形物を、80℃、真空下で、24時間乾燥させて、BIDS改質中空シリカ粒子を得た。
(10)BIDS改質中空シリカ粒子のハロゲン含有量は、0.4質量%であった。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
<表面改質無機酸化物粒子−5の合成(BPS改質シリカ粒子−5の合成)>
以下の手順に従って、BPS改質シリカ粒子(BPSが表面に結合した、シリカ粒子)を合成した。
(1)冷却管を接続し、回転子を入れた二口フラスコの内部を、窒素置換した。
(2)窒素下で、フラスコ内に88容量%のSiO溶液を導入し、更に、2容量%のBPSを導入し、攪拌を開始した。
(3)上記フラスコを85℃のオイルバスに浸し、攪拌しながら36時間反応を行った。
(4)反応液を室温まで冷却した後、窒素下で10容量%のHMDSを導入した。
(5)室温で2時間攪拌後、80℃で8時間攪拌して反応を行い、反応液を室温まで冷却した。
(6)反応液を遠沈管に移し、遠心分離機(株式会社久保田製作所製、型式:7700)を用いて、10000rpm、10℃で、30分間、遠心分離を行った。
(7)遠沈管内の上澄み液をメタノール−水混合溶液−2に投入、混合し、静置後、上澄み液を廃棄した。
(8)沈殿物に窒素を吹き込み、残留する液体を揮発させた後、少量のTHFを加え、攪拌により沈殿物をTHFに溶解させた。
(9)上記溶液をメタノールに投入して攪拌し、静置した後、上澄み液を廃棄した。
(10)残った沈殿物にメタノールを加えて攪拌し、静置した後、上澄み液を廃棄した。更にこの操作を10回繰り返した。
(11)上記沈殿物に窒素を吹きこみながら、一晩風乾することにより、液体を揮発させ、固形物を得た。
(12)上記固形物を、80℃、真空下で、24時間乾燥させて、BPS改質シリカ粒子を得た。
(13)BPS改質シリカ粒子のハロゲン含有量は、1.6質量%であった。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
[実施例1]
有機−無機複合体Aを、表1の配合に従って、以下の手順で製造した。各成分の濃度は、全成分の合計量を基準とした数値である。得られた有機−無機複合体Aの評価結果を表2に示す。
(1)回転子を入れたシュレンクフラスコに、CuBr及びCuBrを加え、フラスコ内部を真空処理してから窒素置換する操作を3回繰り返して、フラスコ内を脱酸素した後、少量のMIBKを窒素下で導入し、攪拌した。
(2)上記溶液に、PMDETAを加え、60℃で攪拌したものを、触媒溶液とした。
(3)冷却管を接続し、回転子を入れた別のシュレンクフラスコに、BPS改質中空シリカ粒子−1を投入した。
(4)シュレンクフラスコに冷却管を接続し、フラスコ内部を真空処理してから窒素置換する操作を3回繰り返して、フラスコ内を脱酸素した。
(5)フラスコに、窒素下で残りの溶媒(MIBK)を導入し、超音波洗浄機で10分間処理した後、更にモノマー(MMA、nBA)を導入し、80℃のオイスバスに浸し、攪拌した。
(6)更に、上記で調製した触媒溶液を、窒素下で導入後、反応液を2時間攪拌し、重合反応を行った。
(7)フラスコを氷浴に浸して速やかに冷却してから、メタノール(メタノールのみで固形分が析出しにくい場合は、更に水を加えても良い。)に投入して攪拌し、沈殿物が沈みにくい場合は、遠心分離で分離して、静置した。
(8)静置後、上澄み液を廃棄した後、残った沈殿物に、メタノールを再び加えて静置し、上澄み液を廃棄した。この操作を更に8回繰り返した。
(9)残った沈殿物に窒素を吹きこみながら、一晩風乾することにより、液体を揮発させ、固形物を得た。
(10)上記固形物を、真空下、80℃で24時間乾燥させて、有機−無機複合体Aを得た。
(11)有機−無機複合体AのTgを上述の方法で測定したところ、0℃であった。
(12)有機−無機複合体Aのハロゲン含有量を、上述の方法で測定したところ、0.5質量%であった。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
(13)有機−無機複合体Aの銅含有量を、上述の方法で測定したところ、0.02質量%であった。
(14)有機−無機複合体Aのフッ素含有量を、上述の方法で測定したところ、0質量%であった。
(15)有機−無機複合体Aを構成するポリマーの数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)を上述の方法で測定したところ、Mn=11,500、Mw=16,500であった。更に、分子量の分散度(Mw/Mn)を算出したところ、Mw/Mn=1.43(≦2.3)であり、鎖長が揃ったポリマー鎖が、無機酸化物粒子に結合していることがわかった。
(16)有機−無機複合体Aのフリーポリマー量を測定したところ、フリーポリマーは検出されず、無機酸化物に結合しているポリマーの量は100質量%であった。
(17)有機−無機複合体Aの無機酸化物粒子の平均粒径を求めたところ、48nmであった。
(18)有機−無機複合体Aの無機酸化物粒子(中空SiO)の空隙率は27%、外殻厚みは、8.5nmであった。
(19)有機−無機複合体Aの無機酸化物粒子の円形度を求めたところ、円形度=0.96(≧0.5)であった。
(20)有機−無機複合体Aの無機酸化物粒子のL/Dを求めたところ、L/D=1.08(≦2)であった。
(21)有機−無機複合体Aの無機酸化物含有量を上述の方法で測定したところ、無機酸化物含有量は、53質量%(2〜96質量%)及び42体積%(1〜94体積%)であった。
(22)10質量%となるように、有機−無機複合体AとMIBKを混合し、上述の方法でコーティング材を得た。
(23)上記コーティング材を使用し、上述の方法で、PETフィルムに、塗工、乾燥し、コーティング膜を得た。得られたコーティング膜の外観を目視で確認したところ、粒子の凝集は見られず、透明性を維持していた。
(24)コーティング膜の全光線透過率とヘーズを、上述の方法で測定したところ、全光線透過率は91%、ヘーズは0.7%であった。
(25)上述の方法でコーティング膜の屈折率を測定したところ、1.39であり、比較例2のSiO−g−p(MMA−co−BA)の屈折率1.46と比較して、顕著に低い値を示した。このことから、有機−無機複合体の形成により成形体の屈折率の制御ができることが判明した。
(26)更に、上述の方法で測定した、コーティング膜の鉛筆硬度はHであり、比較例5のpMMAのコーティング膜の鉛筆硬度(F)と比較しても、十分な強度であった。
(27)上述の方法で、コーティング膜の密着性を評価した結果、合格(「A」)であった。
(28)上述の方法で、コーティング膜の接触角を評価した結果、水接触角は68°、油接触角は15°であった。
(29)有機−無機複合体Aを上述の方法で成形して、成形体を得た。得られた成形体の外観を目視で確認したところ、粒子の凝集は見られず、透明性を維持していた。更に、上述の方法で成形体の屈折率を測定したところ、1.39であり、比較例2のSiO−g−p(MMA−co−BA)の屈折率1.46と比較して、顕著に低い値を示した。このことから、有機−無機複合体の形成により成形体の屈折率の制御ができることが判明した。
(30)上記成形体の粒子分散度を上述の方法で算出したところ、粒子分散度=0.14(≦0.6)であり、粒子の分散性が良好であることが確認された。
[実施例2]
有機−無機複合体Bを、表1の配合に従って、重合反応条件を、90℃、1.25時間とした以外は実施例1と同様の方法で、製造し、評価した。得られた有機−無機複合体Bの評価結果を表2に示す。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
有機−無機複合体Bを構成するポリマーの数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)を上述の方法で測定したところ、Mn=31,000、Mw=53,800、Mw/Mn=1.74(≦2.3)であり、鎖長が揃ったポリマー鎖が無機酸化物粒子に結合していることがわかった。
有機−無機複合体Bを使用し、上述の方法で、コーティング膜と成形体を得た。得られたコーティング膜と成形体の外観を目視で確認したところ、粒子の凝集は見られず、透明性を維持していた。更に、上述の方法で屈折率を測定したところ、1.39であり、比較例2のSiO−g−p(MMA−co−BA)の屈折率1.46と比較して、顕著に低い値を示した。このことから、有機−無機複合体の形成により、コーティング膜や成形体の屈折率の制御ができることが判明した。
[実施例3]
有機−無機複合体Cを、表1の配合に従って、重合反応条件を、90℃、25分とした以外は実施例1と同様の方法で、製造し、評価した。得られた有機−無機複合体Cの評価果を表2に示す。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
有機−無機複合体Cを構成するポリマーの分子量を測定したところ、Mn=53,000、Mw=85,900、Mw/Mn=1.62(≦2.3)であり、鎖長が揃ったポリマー鎖が無機酸化物粒子に結合していることがわかった。
有機−無機複合体Cを使用し、上述の方法で、コーティング膜と成形体を得た。得られたコーティング膜と成形体の外観を目視で確認したところ、粒子の凝集は見られず、透明性を維持していた。更に、上述の方法で屈折率を測定したところ、1.37であり、比較例2のSiO−g−p(MMA−co−BA)の屈折率1.46と比較して、顕著に低い値を示した。このことから、有機−無機複合体の形成により、コーティング膜や成形体の屈折率の制御ができることが判明した。
[実施例4]
有機−無機複合体Dを、表1の配合に従って、BPS改質中空シリカ粒子−1をBPS改質中空シリカ粒子−3に変更し、重合反応条件を、90℃、50分とした以外は実施例1と同様の方法で、製造し、評価した。得られた有機−無機複合体Dの評価結果を表2に示す。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
有機−無機複合体Dを構成するポリマーの分子量を測定したところ、Mn=13,800、Mw=25,500、Mw/Mn=1.85(≦2.3)であり、鎖長が揃ったポリマー鎖が無機酸化物粒子に結合していることがわかった。
有機−無機複合体Dを上述の方法で、コーティング膜と成形体を得た。得られたコーティング膜と成形体の外観を目視で確認したところ、粒子の凝集は見られず、透明性を維持していた。更に、上述の方法で成形体の屈折率を測定したところ、1.35であり、比較例2のSiO−g−p(MMA−co−BA)の屈折率1.46と比較して、顕著に低い値を示した。このことから、有機−無機複合体の形成により成形体の屈折率の制御ができることが判明した。
[実施例5]
有機−無機複合体Eを、表1の配合に従って、BPS改質中空SiO粒子−1をBPS改質中空SiO粒子−2に変更し、重合反応条件を、75℃、10分とした以外は実施例1と同様の方法で、製造し、評価した。得られた有機−無機複合体Eの評価結果を表2に示す。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
有機−無機複合体Eを構成するポリマーの分子量を測定したところ、Mn=14,800、Mw=24,800、Mw/Mn=1.68(≦2.3)であり、鎖長が揃ったポリマー鎖が無機酸化物粒子に結合していることがわかった。
有機−無機複合体Eを上述の方法でコーティング調製し、コーティング材を得た。この時、超音波処理を30分間実施した。更に上述の方法でコーティング膜を作製し、その外観を目視で確認したところ、粒子の凝集は見られず、透明性を維持していた。更に、上述の方法で屈折率を測定したところ、1.32であり、比較例2のSiO−g−p(MMA−co−BA)の屈折率1.46と比較して、顕著に低い値を示した。このことから、有機−無機複合体の形成によりコーティング膜の屈折率の制御ができることが判明した。
[実施例6]
有機−無機複合体Fを、表1の配合に従って、重合反応条件を、75℃、15分とした以外は実施例1と同様の方法で、製造し、評価した。得られた有機−無機複合体Fの評価結果を表2に示す。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
有機−無機複合体Fを構成するポリマーの分子量を測定したところ、Mn=13,900、Mw=23,500、Mw/Mn=1.69(≦2.3)であり、鎖長が揃ったポリマー鎖が無機酸化物粒子に結合していることがわかった。
有機−無機複合体Fを上述の方法で調製し、コーティング材を得た。この時、超音波処理を30分間実施した。更に上述の方法でコーティング膜を作製し、その外観を目視で確認したところ、粒子の凝集は見られず、透明性を維持していた。更に、上述の方法でコーティング膜の屈折率を測定したところ、1.37であり、比較例2のSiO−g−p(MMA−co−BA)の屈折率1.46と比較して、顕著に低い値を示した。このことから、有機−無機複合体の形成によりコーティング膜の屈折率の制御ができることが判明した。
[実施例7]
有機−無機複合体Gを、表1の配合に従って、重合反応条件を、60℃、12時間とした以外は実施例1と同様の方法で、製造し、評価した。得られた有機−無機複合体Gの評価結果を表2に示す。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
有機−無機複合体Gを構成するポリマーの分子量を測定したところ、Mn=26,500、Mw=37,100、Mw/Mn=1.40(≦2.3)であり、鎖長が揃ったポリマー鎖が無機酸化物粒子に結合していることがわかった。
有機−無機複合体Gを上述の方法で調製し、コーティング材を得た。この時、超音波処理を1時間実施した。更に上述の方法でコーティング膜と成形体を作製し、その外観を目視で確認したところ、粒子の凝集は見られず、透明性を維持していた。更に、上述の方法で成形体の屈折率を測定したところ、1.37であり、比較例2のSiO−g−p(MMA−co−BA)の屈折率1.46と比較して、顕著に低い値を示した。このことから、有機−無機複合体の形成によりコーティング膜や成形体の屈折率の制御ができることが判明した。
[実施例8]
有機−無機複合体Hを、表1の配合に従って、重合反応条件を、60℃、18時間とした以外は実施例1と同様の方法で、製造し、評価した。得られた有機−無機複合体Hの評価結果を表2に示す。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
有機−無機複合体Hを構成するポリマーの分子量を測定したところ、Mn=123,500、Mw=210000、Mw/Mn=1.70(≦2.3)であり、鎖長が揃ったポリマー鎖が無機酸化物粒子に結合していることがわかった。
有機−無機複合体Hを上述の方法で調製し、コーティング材を得た。この時、超音波処理を1時間実施した。更に上述の方法でコーティング膜と成形体を作製し、その外観を目視で確認したところ、粒子の凝集は見られず、透明性を維持していた。更に、上述の方法で成形体の屈折率を測定したところ、1.40であり、比較例2のSiO−g−p(MMA−co−BA)の屈折率1.46と比較して、顕著に低い値を示した。このことから、有機−無機複合体の形成によりコーティング膜や成形体の屈折率の制御ができることが判明した。
[実施例9]
表1の配合に従って、以下の手順で、有機−無機複合体Iを製造し、実施例1と同様の方法で評価した。
(1)触媒溶液を予め調製せず、冷却管を接続し、回転子を入れた別のシュレンクフラスコに、BPS改質中空シリカ粒子−2、触媒、配位子を投入した。
(2)シュレンクフラスコに冷却管を接続し、フラスコ内部を真空処理してから窒素置換する操作を3回繰り返して、フラスコ内を脱酸素した。
(3)フラスコに、窒素下でモノマーを導入して攪拌後、60℃で35分間重合反応を行った。
(4)以降の処理は、実施例1と同様の手順で行い、有機−無機複合体Iを得た。
得られた有機−無機複合体Iの評価結果を表2に示す。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
有機−無機複合体Hを構成するポリマーの分子量を測定したところ、Mn=9,200、Mw=11,100、Mw/Mn=1.21(≦2.3)であり、鎖長が揃ったポリマー鎖が無機酸化物粒子に結合していることがわかった。
有機−無機複合体Iを上述の方法で調製し、コーティング材を得た。更に上述の方法でコーティング膜を作製し、その外観を目視で確認したところ、粒子の凝集は見られず、透明性を維持していた。更に、上述の方法で成形体の屈折率を測定したところ、1.26であり、比較例2のSiO−g−p(MMA−co−BA)の屈折率1.46と比較して、顕著に低い値を示した。このことから、有機−無機複合体の形成によりコーティング膜の屈折率の制御ができることが判明した。
[実施例10]
表1の配合に従って、以下の手順で、有機−無機複合体Jを製造し、実施例1と同様の方法で評価した。
(1)重合反応条件を、60℃、20分間とした以外は、実施例1と同様の方法で重合反応を行った。
(2)フラスコを氷浴に浸して速やかに冷却してから、メタノールに投入して攪拌し、静置した。
(3)静置後、上澄み液を廃棄し、残った沈殿物を減圧ろ過しながら、メタノールで洗浄した。更に、ろ紙上に残った沈殿物を、減圧ろ過しながら、沸騰水で洗浄した。
(4)上記(3)の操作を8回繰り返した後、沈殿物を、実施例1と同様の方法で乾燥させて、有機−無機複合体Jを得た。
得られた有機−無機複合体Jの評価結果を表2に示す。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
有機−無機複合体Jを構成するポリマーの分子量を測定したところ、Mn=8,000、Mw=10,600、Mw/Mn=1.32(≦2.3)であり、鎖長が揃ったポリマー鎖が無機酸化物粒子に結合していることがわかった。
有機−無機複合体Jが、約5質量%濃度になるように、MIBKを加え、上述の方法で調製し、更にエバポレーターで濃縮し、コーティング材を得た。更に上述の方法でコーティング膜を作製し、その外観を目視で確認したところ、粒子の凝集は見られず、透明性を維持していた。更に、上述の方法で成形体の屈折率を測定したところ、1.22であり、比較例2のSiO−g−p(MMA−co−BA)の屈折率1.46と比較して、顕著に低い値を示した。このことから、有機−無機複合体の形成によりコーティング膜の屈折率の制御ができることが判明した。
[実施例11]
有機−無機複合体Kを、表1の配合に従って、重合反応条件を、60℃、25分とした以外は実施例1と同様の方法で、製造し、評価した。得られた有機−無機複合体Kの評価結果を表2に示す。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
有機−無機複合体Kを構成するポリマーの分子量を測定したところ、Mn=15,000、Mw=24,500、Mw/Mn=1.63(≦2.3)であり、鎖長が揃ったポリマー鎖が無機酸化物粒子に結合していることがわかった。
有機−無機複合体Kを上述の方法で調製し、コーティング材を得た。この時、超音波処理を30分間実施した。更に上述の方法でコーティング膜を作製し、その外観を目視で確認したところ、粒子の凝集は見られず、透明性を維持していた。更に、上述の方法で成形体の屈折率を測定したところ、1.31であり、比較例2のSiO−g−p(MMA−co−BA)の屈折率1.46と比較して、顕著に低い値を示した。このことから、有機−無機複合体の形成によりコーティング膜や成形体の屈折率の制御ができることが判明した。
[実施例12]
有機−無機複合体Lを、表1の配合に従って、重合反応条件を、60℃、20分とした以外は実施例1と同様の方法で、製造し、評価した。得られた有機−無機複合体Lの評価結果を表2に示す。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
有機−無機複合体Lを構成するポリマーの分子量を測定したところ、Mn=12,900、Mw=21,900、Mw/Mn=1.70(≦2.3)であり、鎖長が揃ったポリマー鎖が無機酸化物粒子に結合していることがわかった。
有機−無機複合体Lを、MIBKとMEKを1:1(mol比)で混合した溶媒を使用し、上述の方法で調製し、コーティング材を得た。この時、超音波処理を3時間実施した。更に上述の方法でコーティング膜を作製し、その外観を目視で確認したところ、粒子の凝集は見られず、透明性を維持していた。更に、上述の方法で成形体の屈折率を測定したところ、1.33であり、比較例2のSiO−g−p(MMA−co−BA)の屈折率1.46と比較して、顕著に低い値を示した。このことから、有機−無機複合体の形成によりコーティング膜や成形体の屈折率の制御ができることが判明した。
[比較例1]
表1の配合に従って、以下の手順で、無機酸化物粒子を配合せずに重合反応を行い、p(MMA−co−BA)を合成した。得られたp(MMA−co−BA)を、実施例1と同様の方法で評価した。評価結果を表2に示す。
(1)回転子を入れたシュレンクフラスコに、CuBr及びCuBrを加え、フラスコ内部を真空処理してから窒素置換する操作を3回繰り返して、フラスコ内を脱酸素した後、少量のMIBKを窒素下で導入し、攪拌した。
(2)上記溶液に、PMDETAを加え、60℃で攪拌したものを、触媒溶液とした。
(3)回転子を入れたシュレンクフラスコを、内部を真空処理してから窒素置換する操作を3回繰り返して、フラスコ内を脱酸素した後、少量のMIBKとEBIBを窒素下で導入し、攪拌したものを、重合開始剤溶液とした。
(4)回転子を入れた、別のシュレンクフラスコに、冷却管を接続し、フラスコ内部を真空処理してから窒素置換する操作を3回繰り返して、フラスコ内を脱酸素した。
(5)フラスコに、窒素下で残りの溶媒とモノマーを導入し、80℃のオイスバスに浸し、攪拌した。
(6)更に、上記で調製した触媒溶液と重合開始剤溶液を、窒素下で導入後、反応液を10時間攪拌し、重合反応を行った。
(7)フラスコを氷浴に浸して速やかに冷却してから、メタノールに投入して攪拌し、静置した。その後、上澄み液を廃棄した。
(8)残った沈殿物に、メタノールを再び加えて静置し、上澄み液を廃棄した。この操作を更に8回繰り返した。
(9)残った沈殿物に窒素を吹きこみながら、一晩風乾することにより、液体を揮発させ、固形物を得た。
(10)上記固形物を、真空下、80℃で24時間乾燥させて、p(MMA−co−BA)を得た。
(11)更に、実施例1と同じ手順で評価を行った。ただし、p(MMA−co−BA)の分子量は、HF処理を省略し、GPCで測定した。その結果、Mn=82,000、Mw=105,000、Mw/Mn=1.28(≦2.3)であり、鎖長が揃ったポリマー鎖が形成されていることがわかった。
(12)上記、BPS改質中空シリカ粒子−1と、上記で得られたp(MMA−co−BA)を、53:47の質量比で混合したものと、回転子を、還流管を接続した丸底フラスコに入れた。
(13)更に、窒素下で、適量のTHFを加え、60℃で30分間、攪拌した。
(14)上記溶液を、室温まで冷却後、メタノールに投入して攪拌し、静置した。その後、上澄み液を廃棄した。
(15)残った沈殿物に、メタノールを再び加えて静置し、上澄み液を廃棄した。この操作を更に8回繰り返した。
(16)残った沈殿物に窒素を吹きこみながら、一晩風乾することにより、液体を揮発させ、固形物を得た。
(17)上記固形物を、真空下、80℃で24時間乾燥させて、有機−無機複合体αを得た。
(18)有機−無機複合体αの無機酸化物粒子の平均粒径、無機酸化物粒子(中空シリカ粒子)の空隙率、外殻厚み、円形度、L/Dを測定しようと試みたが、凝集により、測定不能であった。但し、実施例1と同じBPS改質シリカ粒子−1を使用していることから、同等の形状であると推定される。
(19)有機−無機複合体αのTgを上述の方法で測定したところ、−12〜8℃の間でバラつきがあり、正確な値が得られなかった。
(20)有機−無機複合体αのハロゲン含有量を、上述の方法で測定したところ、0.2〜0.8質量%の間でバラつきがあり、正確な値が得られなかった。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
(21)有機−無機複合体αの無機酸化物含有量を、上述の方法で測定したところ、無機酸化物含有量が、44〜60質量%でばらついており、正確な値が求められなかった。
(22)上記有機−無機複合体αを、上述の方法で調製し、コーティング膜と成形体を得た。得られたコーティング膜と成形体の外観を目視で確認したところ、部分的に粒子の凝集が見られ、透明性が維持できなかった。
(23)また、上述の方法で、コーティング膜の全光線透過率とヘーズを測定したが、バラつきが大きく、正確な測定ができなかった。
(24)更に、上述の方法で、コーティング膜と成形体の屈折率を測定したところ、1.43〜1.39の間でばらついており、無機化合物粒子が均一に分散していないことがわかった。
(25)成形体の粒子分散度を上述の方法で算出したところ、粒子分散度=0.73(>0.6)であり、粒子の分散性が不良であることが確認された。
[比較例2]
有機−無機複合体βを、表1の配合に従って、BPS改質中空シリカ粒子−1をBPS改質シリカ粒子に変更し、重合時間を、1時間とした以外は、実施例1と同様の方法で、製造し、評価した。得られた有機−無機複合体βの評価結果を表2に示す。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
有機−無機複合体βを構成するポリマーの数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)を上述の方法で測定したところ、Mn=8500、Mw=14000、Mw/Mn=1.65(≦2.3)であり、鎖長が揃ったポリマー鎖が無機酸化物粒子に結合していることがわかった。
有機−無機複合体βを上述の方法で調製し、コーティング膜と成形体を得た。得られたコーティング膜と成形体の外観を目視で確認したところ、粒子の凝集は見られず、透明性を維持していた。更に、上述の方法で成形体の屈折率を測定したところ、1.46と市販ポリマーと同等の屈折率となり、実施例に見られるような、屈折率制御効果は見られなかった。
[比較例3]
以下の手順に従って、有機−無機複合体γを製造し、実施例1と同様の方法で評価した。得られた有機−無機複合体γの評価結果を表2に示す。
(1)冷却管を接続し、回転子を入れた二口フラスコの内部を、窒素置換した。
(2)窒素下で、フラスコ内に92.4質量%の中空シリカ粒子溶液−3(平均粒径60nm)を導入し、更に、5.6質量%のBPSHと、0.3質量%のイソプロポキシアルミニウムエチルアセテートを加え、攪拌混合した。
(3)次に1.7質量%のイオン交換水を導入し、60℃で、10時間、攪拌した。
(4)反応液を室温まで冷却した後、反応液を遠沈管に移し、遠心分離機を用いて、10000rpm、10℃で、1時間、遠心分離した後、上澄み液を廃棄した。
(5)残った沈殿物に、シクロヘキサノンを加えて精製を行い、この操作を5回繰り返した。
(6)精製後、シクロヘキサノンを追加して、固形分濃度を30質量%としたものを、中空シリカ粒子溶液−4とした。
(7)シュレンクフラスコに、7.8質量%の上記中空シリカ粒子溶液−4、12.9質量%のトルエン、0.3質量%のCuBr、1.6質量%のdNbpyを導入し、攪拌混合した。
(8)上記容器を密閉後、冷却脱気と窒素置換を3回繰り返し、容器内を窒素置換した。
(9)更に窒素下で、77.5質量%のMMAを導入し、60℃で、8時間反応した。
(10)上記溶液を室温まで冷却後、ヘキサンに投入し、静置後、上澄み液を廃棄した。更に、この操作を3回繰り返し、精製を行った。
(11)残った沈殿物に窒素を吹きこみながら、一晩風乾することにより、液体を揮発させ、固形物を得た。
(12)上記固形物を、真空下、80℃で24時間乾燥させて、有機−無機複合体γを得たが、緑〜茶色に着色していた。
(13)有機−無機複合体γのTgを上述の方法で測定したところ、101℃であった。
(14)有機−無機複合体γのハロゲン含有量を、上述の方法で測定したところ、0.04質量%であり、塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
(15)有機−無機複合体γの銅含有量を、上述の方法で測定したところ、0.93質量%と非常に高く、これが着色の原因と推定された。
(16)有機−無機複合体γを構成するポリマーの数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)を上述の方法で測定したところ、メインピークが2つの山に分かれて観測された。Mn=108200、Mw=296500、Mw/Mn=2.74(>2.3)であり、ポリマー鎖長の揃ったポリマーが重合されていないことがわかった。更に、Mn>1000000以上の部分に、カップリング剤の加水分解縮合物と思われる高分子量体の大きなピークが発現した。
(17)有機−無機複合体γにおける、無機酸化物に結合しているポリマーの量は、5892質量%の間でバラつき、正確な値が得られなかった。
(18)有機−無機複合体γの無機酸化物粒子の平均粒径を求めたところ、60nmであった。
(19)有機−無機複合体γの無機酸化物粒子(中空SiO)の空隙率は30%、外殻厚みは、10nmであった。
(20)有機−無機複合体γの無機酸化物粒子の円形度を求めたところ、円形度=0.94(≧0.5)であった。
(21)有機−無機複合体γの無機酸化物粒子のL/Dを求めたところ、L/D=1.12(≦2)であった。
(20)有機−無機複合体γの無機酸化物含有量を、上述の方法で測定したところ、無機酸化物含有量は10質量%(2〜96質量%)及び7体積%(1〜94体積%)であった。
(22)10質量%となるように、有機−無機複合体γとMIBKを混合し、上述の方法でコーティング材を得た。
(23)上記コーティング材を使用し、上述の方法で、PETフィルムに、塗工、乾燥し、コーティング膜を得た。得られたコーティング膜の外観を目視で確認したところ、やや粒子の凝集が見られ、微白濁を呈しており、黄〜褐色の着色が見られた。
(24)コーティング膜の全光線透過率とヘーズを、上述の方法で測定したところ、全光線透過率は90〜92%、ヘーズは0.7〜3.8%とバラつきが見られた。
(24)有機−無機複合体γを、255℃で成形して、成形体を得た。得られた成形体の外観を目視で確認したところ、濃い茶色に着色しており外観不良であった。また部分的に、目視で確認できる粒子の凝集が見られた。
(25)更に、上述の方法で、コーティング膜と成形体の屈折率を測定したところ、1.47であり、比較例2のSiO−g−p(MMA−co−BA)の屈折率1.46よりも屈折率が高く、市販の汎用ポリマーと同程度の屈折率しか発現しないことがわかった。
[比較例4]
モノマーとしてMMAの代わりにHEMAを使用し、溶媒としてトルエンの代わりにMEKを使用し、重合温度を70℃とした以外は、比較例3と同じ方法で、有機−無機複合体δを製造し、実施例1と同様の方法で評価した。得られた有機−無機複合体δの評価結果を表2に示す。塩素は検出されなかったため、臭素含有量をハロゲン含有量として示した。
有機−無機複合体δを構成するポリマーの分子量を測定したところ、Mn=120,900、Mw=354,200、Mw/Mn=2.93(>2.3)であり、ポリマー鎖長の揃ったポリマーが重合されていないことがわかった。更に、Mn>1,000,000以上の部分に、カップリング剤の加水分解縮合物と思われる高分子量体の大きなピークが発現した。
有機−無機複合体δを、以下に示す溶媒に各々分散させ、コーティング材を作製し、コーティング膜を作製したが、コーティング膜は全て白濁し、測定ができなかった。
・アセトン(和光純薬工業株式会社製)
・MEK(和光純薬工業株式会社製)
・MIBK(和光純薬工業株式会社製)
・MIBK:MEK混合溶媒(1:3〜3:1、比率はmol比)
・トルエン(和光純薬工業株式会社製)
・アニソール(和光純薬工業株式会社製)
・酢酸ブチル(和光純薬工業株式会社製)
・酢酸2−メトキシ−1−メチルエチル(和光純薬工業株式会社製)
[比較例4]
実施例1の有機−無機複合体Aの代わりに、ポリ(メタクリル酸メチル)(Aldrich社製、以下、pMMAという。)を使用して、コーティング膜を作製し、実施例1と同様の方法で評価した。評価結果を表2に示す。コーティング膜は透明性を有するものの、屈折率は1.49であった。
[比較例5]
実施例1の有機−無機複合体Aの代わりに、上述の「中空シリカ粒子溶液−1」「表面改質無機酸化物−1(BPS改質中空シリカ粒子−1)」を使用して、コーティング膜を作製し、実施例1と同様の方法で評価した。評価結果を表2に示す。
コーティング膜の透明性が不十分であり、ヘーズが7.2%と高い値を示した。またコーティング膜表面に軽く触れると、粉状のものが剥離したため、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製)を使用して、100倍で観察したところ、全面にひび割れが発生しており、正常に成膜できていないことがわかった。更に鉛筆硬度を測定したところ7B未満であり、密着性も不良であった。その他の評価項目は、コーティング膜の成膜不良のため、測定不能であった。
[比較例6]
実施例1の有機−無機複合体Aの代わりに、上述の「表面改質無機酸化物−1(BPS改質中空シリカ粒子−1)」を使用して、コーティング膜を作製し、実施例1と同様の方法で評価した。評価結果を表2に示す。
コーティング膜は、透部分的に白濁し、ヘーズが9.1%と高い値を示した。またコーティング膜表面に軽く触れると、粉状のものが剥離したため、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製)を使用して、100倍で観察したところ、全面にひび割れが発生しており、正常に成膜できていないことがわかった。更に鉛筆硬度を測定したところ7B未満であり、密着性も不良であった。その他の評価項目は、コーティング膜の成膜不良のため、測定不能であった。
Figure 0005693944
Figure 0005693944
表2における総合判定について、外観の判定が合格であるコーティング膜又は成形体が正常に成形できた場合を「A」、コーティング膜又は成形体の外観が合格でないか、または評価用のコーティング膜又は成形体が成形できなかった場合を「B」と表記した。表1に示される実験結果から、無機酸化物粒子の表面にポリマー鎖を結合することにより、成形体における粒子の凝集を抑制しながら、成形体の屈折率の制御が可能な有機−無機複合体を製造可能であることが明らかとなった。更に、得られた成形体は透明性を維持しつつ、且つ、屈折率の制御が可能であることがわかった。
本実施の形態に係る有機−無機複合体及び成形体は、例えば、光学材料やコーティング材として有用なものである。

Claims (38)

  1. (A)空隙率が5〜80%であり、平均粒径が1〜200nmである無機酸化物粒子と、
    (B)ラジカル重合性モノマーの重合により形成され、分子量の分散度が2.3以下であり、前記無機酸化物粒子に結合しているポリマーと、を備え、成膜性を有する有機−無機複合体。
  2. ガラス転移温度が、−10〜180℃である、請求項1に記載の有機−無機複合体。
  3. ハロゲン含有量が、当該有機−無機複合体の全質量を基準として0.001〜5質量%である、請求項1又は2に記載の有機−無機複合体。
  4. 銅含有量が、当該有機−無機複合体の全質量を基準として0.2質量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
  5. フッ素含有量が、当該有機−無機複合体の全質量を基準として0.1〜60質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
  6. 前記無機酸化物粒子の円形度が0.5〜1である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
  7. 前記無機酸化物粒子が中空粒子である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
  8. 前記無機酸化物粒子が中空シリカ粒子である、請求項7に記載の有機−無機複合体。
  9. 前記無機酸化物粒子が、厚み1〜30nmの外殻を有する、請求項7又は8に記載の有機−無機複合体。
  10. 前記無機酸化物粒子の屈折率が1.05〜1.4である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
  11. 前記無機酸化物粒子の含有量が、当該有機−無機複合体の全質量を基準として2〜96質量%である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
  12. 前記無機酸化物粒子の含有量が、当該有機−無機複合体の全体積を基準として1〜94体積%である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
  13. 前記ラジカル重合性モノマーが、少なくとも1種のフッ素含有モノマーを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
  14. 前記ラジカル重合性モノマーが、スチレン類、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選択される少なくとも1種のモノマーを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
  15. 前記ラジカル重合性モノマーが、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルを含み、前記ポリマーが前記アクリル酸エステルと前記メタクリル酸エステルとの共重合ポリマーである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
  16. 前記ポリマーが、熱可塑性ポリマーである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
  17. 前記ポリマーの分子量の分散度が1.0〜1.9である、請求項1〜16のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
  18. 前記ポリマーの数平均分子量が、5000〜200000g/molである、請求項1〜17のいずれか1項に記載の有機−無機複合体。
  19. 無機酸化物粒子と重合開始基を有するカップリング剤とを反応させて表面改質無機酸化物粒子を製造する工程と、
    前記重合開始基により開始されるリビングラジカル重合により、前記無機酸化物粒子に結合しているポリマーを形成させる工程と、
    を備える、請求項1〜18のいずれか1項に記載の有機−無機複合体の製造方法。
  20. 前記リビングラジカル重合が、原子移動ラジカル重合である、請求項19に記載の有機−無機複合体の製造方法。
  21. 前記重合開始基がハロゲン原子を含む、請求項19又は20に記載の有機−無機複合体の製造方法。
  22. 前記表面改質無機酸化物粒子のハロゲン含有量が0.02〜10質量%である、請求項21に記載の有機−無機複合体の製造方法。
  23. 前記カップリング剤が、リン酸基、カルボキシ基、酸ハライド基、酸無水物基、イソシアネート基、グリシジル基、クロロシリル基及びアルコキシシリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、請求項19〜22のいずれか1項に記載の有機−無機複合体の製造方法。
  24. 前記官能基が、クロロシリル基又はアルコキシシリル基である、請求項23に記載の有機−無機複合体の製造方法。
  25. 前記カップリング剤が、1個又は2個の前記官能基を有する、請求項24に記載の有機−無機複合体の製造方法。
  26. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の有機−無機複合体を含む、コーティング材。
  27. 有機溶媒を更に含む、請求項26に記載のコーティング材。
  28. 固形分濃度が1〜70質量%である、請求項26又は27に記載のコーティング材。
  29. 請求項26〜28のいずれか1項に記載のコーティング材を含む、コーティング膜。
  30. 屈折率が1.05〜1.4である、請求項29に記載のコーティング膜。
  31. 鉛筆硬度がHB以上である、請求項29又は30に記載のコーティング膜。
  32. 水接触角が75°以上である、請求項29〜31のいずれか1項に記載のコーティング膜。
  33. 油接触角が30°以上である、請求項29〜32のいずれか1項に記載のコーティング膜。
  34. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の有機−無機複合体を含む、成形体。
  35. 粒子分散度が0.6以下である、請求項34に記載の成形体。
  36. 屈折率が1.05〜1.4である、請求項34又は35に記載の成形体。
  37. 請求項2933のいずれか1項に記載のコーティング膜、又は請求項34〜36のいずれか1項に記載の成形体を備える光学部材。
  38. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の有機−無機複合体を含む、光学材料。
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