JPH06248199A - 段ボール滑り防止剤、滑り防止層を有する段ボール箱の製造方法および滑り防止層を有する段ボール箱 - Google Patents

段ボール滑り防止剤、滑り防止層を有する段ボール箱の製造方法および滑り防止層を有する段ボール箱

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JPH06248199A
JPH06248199A JP5070667A JP7066793A JPH06248199A JP H06248199 A JPH06248199 A JP H06248199A JP 5070667 A JP5070667 A JP 5070667A JP 7066793 A JP7066793 A JP 7066793A JP H06248199 A JPH06248199 A JP H06248199A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 段ボールの印刷面に塗布して滑りを防止する
滑り防止剤と、滑り防止層を有する段ボール箱とその製
造方法を提供する。 【構成】 α、βエチレン性不飽和単量体、ビニルシラ
ンおよびアリル基を2以上有する単量体を乳化重合して
得た共重合体を含有する水性エマルジョンに、その固形
分100重量部に対して、アルミネートイオンで表面処
理されたコロイダルシリカ5〜200重量部を配合し、
pH8以下とした混合物を主材とする段ボール用滑り防
止剤と、この防止剤を印刷面に塗工した滑り防止層を有
する段ボール箱と、滑り防止剤を塗工する段ボール箱の
製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は段ボールの滑りを防止す
る滑り防止剤、この滑り防止層を設置する段ボール箱の
製造方法および滑り防止層を有する段ボール箱に関す
る。
【0002】
【従来の技術】段ボールは通常次のようにして製造され
る。表ライナーに水性フレキソ印刷を行ない、次に印刷
面の保護と艷出しのためワニスが塗布される。ここまで
の工程で得られたライナーがプレプリントライナーと呼
ばれる。近年ワニスの塗布を省略したプレプリントライ
ナーも使用されるようになった。次にコルゲーターのシ
ングルフェサーで片面段ボールが作られ、ダブルフェサ
ーでプレプリントライナーと片面段ボールと貼り合わせ
てプレプリント段ボールが製造される。段ボールの欠点
の1つは表面が滑らかなため滑り易く、そのため積み重
ねると荷崩れを生じることである。そのためコロイダル
シルカをプレプリントライナーの上に塗布することが広
く行なわれて来た。コロイダルシリカは滑り防止効果は
大きいが水性フレキソ印刷面に直接塗布することが出来
なかった。それはフレキソ印刷インキが耐アルカリ性が
ないため、フレキソ印刷面にコロイダルシリカのような
アルカリ性物質を塗布すると印刷面が侵されてインキが
滲む問題があるからである。なおフレキソ印刷インキは
以前はアルコール系ビヒクルにアニリン染料を溶解した
インキが使用され、アニリンインキなどとも呼ばれた
が、現在は顔料をビヒクルに分散したインキが用いられ
ている。版材としてフレキシブルなゴムや合成樹脂の凸
版を用いるのでフレキソインキの名称が使用されてい
る。また特願昭63−282429号発明はビニルシラ
ン共重合体エマルジョンを用いた滑り止め剤を提案して
いる。一方、コロイダルシリカはアルカリ性にすること
により安定化されているため中性とすると増粘、ゲル
化、凝集が発生する。ところで近年工程短縮のためにワ
ニスによる保護層の形成と滑り防止層の形成を1工程で
行なうことが要求されるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】保護ワニス塗布を兼ね
た滑り防止剤に要求される性能は次の通りである。 (イ) 水性フレキソ印刷面を侵さないこと。 (ロ) 光沢があること。 (ハ) 滑り防止効果が大きいこと。 (ニ) 耐湿熱ブロッキング性が良いこと。 (ホ) 耐熱性があること。(ダブルフェサーで、プレ
プリントライナーと片面段ボールを貼り合わせる時、熱
がかかるため、200℃以上でもブロッキングしない必
要がある。) (ヘ) 表面耐摩耗性が良好なこと。 (ト) 塗工適性が良好なこと。 本発明はワニス塗布と滑り防止を一工程で行なうための
特別の組成の滑り防止剤を開発してこれ等の全ての問題
を解決した。
【0004】
【課題を解決した手段】本発明は、 「1. α、βエチレン性不飽和単量体、ビニルシラン
およびアリル基を2以上有する単量体を乳化重合して得
た共重合体を含有する水性エマルジョンに、その固形分
100重量部に対して、アルミネートイオンで表面処理
されたコロイダルシリカ5〜200重量部を配合し、p
H8以下とした混合物を主材とする段ボール用滑り防止
剤。 2. アリル基を2以上有する単量体がジアリルフタレ
ートである、1項に記載された段ボール用滑り防止剤。 3. 水性エマルジョンに含有される共重合体が、α、
βエチレン性不飽和単量体80〜96重量部、ビニルシ
ラン2〜10重量部、アリル基を2以上有する単量体2
〜10重量部とを乳化重合して得た共重合体である、1
項または2項に記載された段ボール用滑り防止剤。 4. 水性エマルジョンに含有される共重合体が、重合
性乳化剤を用いて重合したものである、1項ないし3項
のいずれか1項に記載された段ボール用滑り防止剤。 5. 水性エマルジョンに含有される共重合体が、重合
性乳化剤と非重合性乳化剤を用いて重合したものであ
る、1項ないし4項のいずれか1項に記載された段ボー
ル用滑り防止剤。 6. ポリビニルピロリドン−マレイン酸共重合体アル
カル塩系増粘剤および/または水溶性ウレタン系増粘剤
により増粘した、1項ないし5項のいずれか1項に記載
された段ボール用滑り防止剤。 7. 1項ないし6項のいずれか1項に記載された段ボ
ール滑り防止剤を水性フレキソ印刷した段ボールライナ
ーの印刷面に直接塗工、乾燥したライナーと片面段ボー
ルを貼り合わせた段ボールから段ボール箱を形成するこ
とを特徴とする滑り防止層を有する段ボール箱の製造方
法。 8. 水性フレキソ印刷面に、1項ないし6項のいずれ
か1項に記載された滑り防止剤を塗布して形成した滑り
防止層を有する段ボール箱。」に関する。
【0005】
【作用】本発明の第1の特徴は、シリカ表面をアルミネ
ートイオンで処理したコロイダルシリカを使用すること
である。このシリカは、シリカ粒子表面の一部にアルミ
ノシリケートイオンが形成されているものであって、コ
ロイダルシリカに水酸化アルミニウムをアルミネートイ
オンの形で加え反応することによって製造される。コロ
イダルシリカ粒子表面のシラノール基は反応性に富み、
アルコール、フェノール、ケトンなどの水酸基とも良く
反応し、アルミネートイオンとも下記式の反応により、
アルミノシリケイトイオンが形成される。
【0006】
【化1】
【0007】一般のコロイダルシリカは、粒子の表面に
は−SiOH基及び−OHイオンが存在し、アルカリ
イオンにより電気二重層が形成され、粒子間の反発によ
り、安定化されている。この電荷バランスがくずれて、
粒子同志が接合すると増粘、ゲル化、凝集等が起こると
考えられている。本発明で用いるコロイダルシリカは中
性域でも安定で従来のものとは性質が全く相違する。
【0008】本発明は表面をアルミネートイオンで処理
したコロイダルシリカを使用することにより前述の
「(イ)水性フレキソ印刷面を侵さないこと」の問題は
解したが、これだけでは他の問題は解決出来なかった。
このアルミネートイオンで表面処理したコロイダルシル
カを単純に従来のコロイダルシリカに置き換えて使用し
た場合、耐湿熱ブロッキング性、耐熱性が低下してしま
うのである。また、耐湿熱ブロッキング性、耐熱性の低
下を押さえるためにこの表面処理したコロイダルシリカ
の使用量を多くすれば耐湿熱ブロッキング性、耐熱性は
満足出来ますが、滑り防止効果や光沢が低下してしま
う。これらのことから、従来のコロイダルシリカを使用
した滑り防止剤のコロイダルシリカをこの表面処理した
コロイダルシリカに置き換えただけではワニス引きを兼
ねた滑り防止剤の性能を満足することが出来ないことが
わかった。
【0009】表面をアルミネートイオンで処理したコロ
イダルシリカの配合割合はエマルジョン固形分100重
量部に対し5〜200重量部である。5重量部以下では
耐湿熱ブロッキング性および耐熱性が非常に低くなり、
200重量部以上では、滑り防止効果および光沢度が低
下する。滑り防止剤のpHは8以下である。8以上では
水性フレキソ印刷面を侵し、印刷面がにじんでしまう。
【0010】本発明の第2の特徴は水性エマルジョンと
してアリル基を2以上含有する単量体を共重合したエマ
ルジョンを使用することである。前述の「(ロ)光沢が
あること〜(ホ)耐熱性があること」の性能は、例えば
前述のビニルシラン共重合体エマルジョンを用いた特願
昭63−282429号の発明でも解決されている。と
ころが、ビニルシラン共重合体エマルジョンを用いても
前述の「(イ)水性フレキソ印刷を侵さない」性能を満
足するためにアルミネートイオンで表面処理したコロイ
ダルシリカを使用すると「(ニ)と(ホ)」の性能が低
下してしまうことがわかった。そして耐熱性の向上する
ためにビニルシランの量を多くすると段ボール表面への
密着性が低下する。このようにビニルシラン共重合体エ
マルジョンでは滑り止め層の表面の耐摩耗性の問題は解
決出来なかった。本発明はアリル基を2以上含有する単
量体を共重合することによりこの問題を解決した。本発
明により前述の「(ニ)と(ホ)」の性能も向上する
が、特に「(ヘ)の表面耐摩耗性」が大きく向上し、2
50g/cm×200回の耐摩耗性試験で摩耗は発生
しなかった。
【0011】本発明の第3の特徴は、増粘剤としてポリ
ビニルピロリドン−マレイン酸共重合体のアルカリ塩お
よび/または水性ウレタン系増粘剤を用いたことで、こ
れ等の増粘剤の使用により高速塗工時の粘度安定性が改
善された。通常のコロイダルシリカでも、アルミネート
イオンで表面処理したコロイダルシリカでも、水性エマ
ルジョンに配合すると粘度が低下するので、塗工剤とし
てはこれを増粘して使用する必要がある。一般のアルカ
ルサイドのコロイダルシリカを使用したものは、増粘の
さいにアルカリサイドで増粘効果がある増粘剤しか使用
できない欠点があり、経時後の安定性にも問題がある。
アルミネートイオンで表面処理したコロイダルシリカを
使用したものは、中性域で安定なので増粘剤の選択の問
題はない。塗工適性が特に問題となる場合は、ロールコ
ーターにより高速で塗工される時で、高速塗工時の粘度
安定性が均一な塗工に必要となる。ポリビニルアルコー
ルやメチルセルロースなどの汎用の増粘剤は回転数によ
る粘度の変化が大きいチクソトロピックな粘性のたを示
すロールコーターの高速運転中に粘度が低下し、均一な
塗工が出来なくなる問題がある。高速塗工時の粘度安定
性は、ポリビニルピロリドン−マレイン酸共重合体アル
カリ塩系増粘剤および/または水溶性ウレタン系増粘剤
を使用することにより良好となる。これらの増粘剤は、
回転数による粘度の変化が少ないニュートニアンな粘性
で、ロールコーターの高速運転中の粘度変化が少ないの
で、均一な塗工ができ塗工適性に優れている。こうして
「(ト)塗工性が良好であることの問題」も解決され
た。
【0012】ポリビニルピロリドン−マレイン酸共重合
体アルカリ塩系増粘剤としては、商品名ビスマルYK−
1(東邦化学社製)、水溶性ウレタン系増粘剤として
は、ボルチゲルL65(ヘキストAG.社製)、アデカ
ノールUH472(旭電化工業社製)があげられる。本
発明で使用するα、βエチレン性不飽和単量体として
は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラ
ウリルなどのアクリル酸エステル類;メタアクリル酸メ
チル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチル、
メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタアクリル酸ラウリルなどのメタアクリル
酸エステル類;アクリロニトリル、メタアクリロニトリ
ル;スチレン、メチルスチレン、クロルスチレン;など
が適当である。そして、これらのうち、ガラス転移温度
の高い単量体と低い単量体を組合わせるのが特に良い。
ことに、メタアクリル酸エステル系単量体が主として用
いられる。また、スチレン−アクリル系単量体でスチレ
ンがリッチなものも好適に用いられる。
【0013】さらに、本発明においては前記の単量体に
対して、次に示す単量体を共重合させることが出来る。
共重合させる単量体としては、クロトン酸メチル、クロ
トン酸エチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチル
などの、アクリル酸エステル類、メタアクリル酸エステ
ル類以外の不飽和カルボン酸エステル類あるいは不飽和
多価カルボン酸エステル類;酢酸ビニル、2プロピオン
酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、お
よび、ピパリン酸ビニルやベオバ(シェル化学社の登録
商標)などのα−位で分岐した飽和カルボン酸のビニル
エステルなどのビニルエステル類;塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、;エチレンなどの1種または2種以上であ
る。
【0014】また、前記のα、βエチレン性不飽和単量
体には、20重量%以下において、官能基を有するα、
βエチレン性不飽和単量体を併用することも出来る。ア
リル基を2以上含有する単量体としては、ジアリルフタ
レート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシア
ヌレート、テトラアリルオキシエタン等であり、ジアリ
ルフタレートが最も好ましい。
【0015】アルミネートイオンで表面処理したコロイ
ダルシリカとしては、アデライトAT−20A、アデラ
イトAT−30A(旭電化工業社製);カタロイド S
A(触媒化成工業社製);スノーテックス C(日産化
学工業社製);ルドックスAM(米国、デュポン社製)
等が使用される。乳化剤としては重合性乳化剤を使用す
ると滑り防止剤の耐水性が向上する効果が奏される。重
合性乳化剤に非重合性乳化剤を併用することも出来る。
【0016】
【実施例】
実施例1 酸性燐酸メタクリル酸エステル(重合性乳化剤)2重量
部の存在下で、スチレン24重量部、メタクリル酸メチ
ル20重量部、アクリル酸ブチル10重量部、アクリル
酸2−エチルヘキシル37重量部、γーメタクリロオキ
シブロピルトリメトキシシラン3重量部、ジアリルフタ
レート3重量部、メタクリル酸3重量部からなる混合単
量体を乳化重合し、アンモニア水でpHを調整して得た
固形分含有量47重量%、粘度250センチポイズ、p
H6.5の水性分散液(固形分換算)70重量部に、ア
ルミネートイオンで表面処理されたコロイダルシリカ
(粒子径15〜20ナノメーター、固形分濃度30重量
%、pH9.5)(固形分換算)30重量部を加え、均
一に混合して段ボール用滑り防止剤を得た。段ボール用
滑り防止剤の固形分濃度は40重量%、粘度は100セ
ンチポイズ以下、pHは7.5であった。また、密閉容
器内で、70℃、14日以上放置後も異常は認められず
安定性の評価は後述する表1に示すようにであった。
【0017】実施例2〜4 実施例1において単量体の種類と量、乳化剤の種類と
量、アルミネートイオンで表面処理されたコロイダルシ
リカの量を表1の用に変えて、実施例1と同様に操作し
て段ボール用滑り防止剤を得た。段ボール用滑り防止剤
の固形分濃度、粘度、pHおよび安定性は表1の通りで
あった。
【0018】比較例1 実施例1において単量体組成をジアリルフタレート3重
量部を使用せず、メタクリル酸メチルを23垂量部とし
た以外は実施例1と同様の混合単量体を乳化重合しアン
モニア水でpHを調整して得た固形分含有量47重量
%、粘度300センチポイズ、pH9.5の水性分散液
(固形分換算)70重量部を使用し、実施例1において
使用したアルミネートイオンで表面処理されたコロイダ
ルシリカの代わりに、コロイダルシリカ(アルミネート
イオンで表面処理されていない。粒子径10〜15ナノ
メーター、固形分濃度30重量%、pH9.5)(固形
分換算)30重量部を加え、均一に混合して組成物を得
た。組成物の固形分濃度、粘度、pHおよび安定性は表
1の通りであった。
【0019】比較例2 比較例1で使用した水性分散液と同じ組成でpHを6.
5に調整した水性分散液(固形分換算)70重量部に、
実施例1で使用したアルミネートイオンで表面処理され
たコロイダルシリカ(固形分換算)30重量部を使用
し、均一に混合して組成物を得た。組成物の固形分濃
度、粘度、pHおよび安定性は表1の通りであった。
【0020】比較例3 比較例1で使用した水性分散液と同じ組成でpHを6.
5に調整した水性分散液(固形分換算)40重量部に、
実施例1で使用したアルミネートイオンで表面処理され
たコロイダルシリカ(固形分換算)60重量部を使用
し、均一に混合して組成物を得た。組成物の固形分濃
度、粘度、pHおよび安定性は表1の通りであった。
【0021】比較例4 実施例1で使用したアルミネートイオンで表面処理され
たコロイダルシリカの代わりに、コリダルシリカ(アル
ミネートイオンで表面処理されていない。粒子径10〜
15ナノメーター、固形分濃度30重量%、pH9.
5)に使用した以外は実施例1と同様に操作して組成物
を得た。この組成物のpH7.5であり、この組成物を
密閉容器内で、70℃、2日放置後にはゲル化してしま
い安定性は×であった。
【0022】比較例5 実施例1で使用した水性分散液と同じ組成でpHを9.
5に調整した水性分散液を使用し、実施例1使用したア
ルミネートイオンで表面処理されたコロイダルシリカの
代わりに、コロイダルシリカ(アルミネートイオンで表
面処理されていない。粒子径10〜15ナノメーター、
固形分濃度30重量%、pH9.5)に使用した以外は
実施例1と同様に操作して組成物を得た。組成物の固形
分濃度、粘度、pHおよび安定性は表1の通りであっ
た。
【0023】
【表1】
【0024】安定性 試料を密閉容器に入れ、50℃、3ヶ月放置し、経時後
の粘度変化を観察した。 ○……放置前の粘度と変化は認められなかった。 ×……放置前の粘度の50%以上の粘度変化が認められ
た。 表面処理 ○……処理した ×……処理しない 比較試験 実施例1〜4で得た段ボール用滑り防止剤および比較例
1〜5で得た組成物(但し、比較例4は安定性が悪かっ
たので使用しなかった。)について、下記の試験方法に
より、フレキソ印刷面の溶解性、光沢、滑り角度、耐熱
性、耐湿熱ブロッキング性、耐摩耗性を調べた。その結
果は表2の通りであった。
【0025】
【表2】
【0026】(試験方法)前記の段ボール用滑り防止剤
および組成物を段ボールライナーの水性フレキソ印刷面
に、バーコーターによって塗布量(固形分)約5g/m
になるように塗布し、100℃、1分で乾燥後、温度
20℃、湿度60%RHの恒温恒湿室中で24時間調湿
して、次の如く試験した。 フレキソ印刷面の溶解性 水性フレキソ印刷面の状態を観察した。 ○……水性フレキソ印刷面に異常が認められなかった。 ×……水性フレキソ印刷面で水性フレキソインキが溶解
しにじみが認められた。 光沢 皮膜を形成した面の光沢を観察した。 ◎……水性フレキソ印刷面より著しく光沢が向上した。 ○……水性フレキソ印刷面より多少光沢が良くなかっ
た。 △……水性フレキソ印刷面の光沢とほとんど変わらなか
った。 滑り角度 ASTM法に準じてスリップテスターを使用し、温度2
0℃、湿度65%RHの条件下で塗工面/塗工面での滑
り角度を荷重200g、引張速度150mm/minで
測定した。 耐熱性 熱傾斜試験機を用いて加圧2Kg/cm、時間10秒
の条件で塗工面同士がブロッキングする限界温度を測定
した。 耐湿熱ブロッキング性 塗工面同士を重ね合わせ、荷重500g/cmをかけ
たまま温度50℃、湿度90%RHの恒温恒湿室中で、
24時間放置し、剥離を行い耐湿熱ブロッキング性を評
価した。 ○……剥離抵抗がない。 △……剥離抵抗はあるが、紙層剥離はない。 ×……紙層剥離をおこした。 耐摩耗性 学振型耐摩耗試験機を使用し、温度20℃、湿度65%
RHの状態で荷垂250g/cmで200回および4
00回の摩耗性試験をおこない評価した。(試験は5回
おこなった。) ○……変化なし。 △……一部に紙むけが観察された。 ×……摩擦面全面に明らかな紙むけ現象がある。
【0027】実施例5 実施例2で得た段ボール用滑り防止剤(粘度100セン
チポイズ以下)100重量部に、増粘剤としてビスマル
YK−1(ポリビニルピロリドン−マレイン酸共重合体
アルカリ塩系増粘剤:東邦化学社製)の15重量%水溶
液0.3重量部を加え均一に混合した。pHは7.5で
粘度は150センチポイズであった。
【0028】実施例6 実施例2で得た段ボール用滑り防止剤(粘度100セン
チポイズ以下)100重量部に、増粘剤としてアデカノ
ールUH472(水溶性ウレタン系増粘剤:旭電化工業
社製)の15重量%水溶液2.0重量部を加え均一に混
合した。pHは7.5で粘度は250センチポイズであ
った。
【0029】実施例7 実施例2で得た段ボール用滑り防止剤(粘度100セン
チポイズ以下)100重量部に、増粘剤としてビスマル
YK−1の15重量%水溶液1.0重量部を加え均一に
混合した。pHは7.5で粘度は500センチポイズで
あった。
【0030】比較例6 比較例5で得た組成物(粘度100センチポイズ以下)
100重量部に、増粘剤としてビスマルYK−1の15
重量%水溶液0.3重量部を加え均一に混合した。pH
は9.5で粘度は150センチポイズであった。
【0031】比較例7 比較例5で得た組成物(粘度100センチポイズ以下)
100重量部に、増粘剤としてビスマルYK−1の15
重葦%水溶液1.0重量部を加え均一に混合した。pH
は9.5で粘度は500センチポイズであった。
【0032】比較試験 実施例5〜7と比較例6と7の増粘剤により増粘した組
成物の安定性と塗工性を試験した。試験結果は表3の通
りであった。
【0033】
【表3】
【0034】安定性 試料を密閉容器に入れ、50℃、3ヶ月放置し、経時後
の粘度変化を観察した。 ○……放置前の粘度と変化は認められなかった。 △……放置前の粘度の20%以上50%未満の粘度変化
が認められた。 ×……放置前の粘度の50%以上の粘度変化が認められ
た。 塗工性 高速シエアー下での粘度変化を観察した。 ○……粘度低下が認められなかった。 △……粘度低下が多少あった。 ×……粘度低下が大きかった。
【0035】
【発明の効果】本発明は段ボールのフレキソ印刷面を侵
すことがなく、塗工性が優れており耐熱性、耐摩耗性、
耐ブロッキング性が良好であり、優れた滑り防止効果を
奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 143/04 PGL 7921−4J

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α、βエチレン性不飽和単量体、ビニル
    シランおよびアリル基を2以上有する単量体を乳化重合
    して得た共重合体を含有する水性エマルジョンに、その
    固形分100重量部に対して、アルミネートイオンで表
    面処理されたコロイダルシリカ5〜200重量部を配合
    し、pH8以下とした混合物を主材とする段ボール用滑
    り防止剤。
  2. 【請求項2】 アリル基を2以上有する単量体がジアリ
    ルフタレートである、請求項1に記載された段ボール用
    滑り防止剤。
  3. 【請求項3】 水性エマルジョンに含有される共重合体
    が、α、βエチレン性不飽和単量体80〜96重量部、
    ビニルシラン2〜10重量部、アリル基を2以上有する
    単量体2〜10重量部とを乳化重合して得た共重合体で
    ある、請求項1または2に記載された段ボール用滑り防
    止剤。
  4. 【請求項4】 水性エマルジョンに含有される共重合体
    が、重合性乳化剤を用いて重合したものである、請求項
    1ないし3のいずれか1項に記載された段ボール用滑り
    防止剤。
  5. 【請求項5】 水性エマルジョンに含有される共重合体
    が、重合性乳化剤と非重合性乳化剤を用いて重合したも
    のである、請求項1ないし4のいずれか1項に記載され
    た段ボール用滑り防止剤。
  6. 【請求項6】 ポリビニルピロリドン−マレイン酸共重
    合体アルカル塩系増粘剤および/または水溶性ウレタン
    系増粘剤により増粘した、請求項1ないし5のいずれか
    1項に記載された段ボール用滑り防止剤。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    された段ボール滑り防止剤を水性フレキソ印刷した段ボ
    ールライナーの印刷面に直接塗工、乾燥したライナーと
    片面段ボールを貼り合わせた段ボールから段ボール箱を
    形成することを特徴とする滑り防止層を有する段ボール
    箱の製造方法。
  8. 【請求項8】 水性フレキソ印刷面に、請求項1ないし
    6のいずれか1項に記載された滑り防止剤を塗布して形
    成した滑り防止層を有する段ボール箱。
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JP2019099672A (ja) * 2017-12-01 2019-06-24 サカタインクス株式会社 水性防滑剤組成物

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