JPH08269898A - オフセット印刷塗工紙用共重合体ラテックス - Google Patents

オフセット印刷塗工紙用共重合体ラテックス

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JPH08269898A
JPH08269898A JP9814095A JP9814095A JPH08269898A JP H08269898 A JPH08269898 A JP H08269898A JP 9814095 A JP9814095 A JP 9814095A JP 9814095 A JP9814095 A JP 9814095A JP H08269898 A JPH08269898 A JP H08269898A
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copolymer
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Kouji Shiho
浩司 志保
Takashi Morita
隆 森田
Shinichiro Iwanaga
伸一郎 岩永
Shigeru Niigae
滋 新ヶ江
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Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗工作業性に優れ、かつ、表面強度、印刷光
沢、剛度等の印刷適性に優れた、オフセット印刷塗工紙
用共重合体ラテックスを提供する。 【構成】 オフセット印刷塗工紙用共重合体ラテックス
は、(a)脂肪族共役ジエン系単量体単位40〜70重
量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体単位
0.5〜10重量%、および(c)これらと共重合可能
な他の単量体単位20〜59.5重量%からなる共重合
体ラテックスであって、かつ共重合体のヤング率が1Kg
/mm2以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オフセット印刷塗工紙
用共重合体ラテックスに関し、更に詳しくは、塗工操業
性に優れ、かつ表面強度、剛度等の印刷適性のバランス
が優れた塗工紙を与えるオフセット印刷塗工紙用共重合
体ラテックスに関する。
【0002】
【技術の背景】従来より、顔料と水性バインダーとを主
体とした紙塗工用組成物を紙に塗工し、印刷適性に優れ
た塗工紙が製造されている。共重合体ラテックスは、そ
の優れた接着強度から、紙塗工用組成物の主バインダー
として使用されている。
【0003】近年、印刷の高級化、高速化にともない、
塗工紙に要求される性能も厳しくなってきており、表面
強度、耐水性、剛度、インキ転移性、印刷光沢や耐ブリ
スター性などの改良が要求されるようになった。更に、
近年はコスト低減の目的からバインダー量を低減する要
求が高まっており、このためより少量の添加量でも十分
な表面強度を示すバインダーが求められている。
【0004】また、塗工紙の製造そのものも高速化して
おり、塗工操業性の改良、特に主な障害であるロール汚
れ性の改良、すなわち共重合体ラテックスの粘着性の低
減(べとつき防止性)も強く要求されている。
【0005】共重合体ラテックスに対しては、前記の性
質、特に表面強度の改良が求められ、そのために、例え
ば共重合体のゲル含量を調製する方法や共重合体組成を
調整するなどの改良方法が提案されている。しかし、表
面強度と他の特性とは互いに背反することが多く、全て
の特性をバランスよく高いレベルにすることは非常に困
難である。
【0006】例えば、接着強度を改良する目的で共役ジ
エン系単量体単位の量を増やして共重合体を低くする方
法が試みられていたが、この方法では耐水性、剛度なら
びにべとつき防止性の特性低下が著しい。逆に、ガラス
転移点を高くすると、耐水性、剛度の点は良好である
が、接着強度及び印刷光沢の低下が著しい。また、官能
基を有する単量体を多量に用いる方法では、接着強度は
改良されるが、ラテックスの粘度が異常に高くなるので
作業性が著しく低下し、かつ共重合体ラテックスの製造
コストが高くなる。
【0007】このように、これらの何れの方法も、いず
れかの特性の改良が達成されたとしても、全ての特性に
対する要求を満たすことはできず、ますます厳しくなる
印刷における諸要求を満たすことはできないのが現状で
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の技術
的背景のもとになされたものであり、その目的は、塗工
紙の表面強度が大幅に改良され、かつ耐水性、剛度、イ
ンキ乾燥性、印刷光沢に優れ、しかもべとつき防止性が
改善されて塗工操業性に優れたオフセット印刷塗工紙、
特にオフセット枚葉印刷塗工紙用に好適な共重合体ラテ
ックスを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のオフ
セット印刷塗工紙用共重合体ラテックスは、(a)脂肪
族共役ジエン系単量体単位40〜70重量%、(b)エ
チレン系不飽和カルボン酸単量体単位0.5〜10重量
%、および(c)これらと共重合可能な他の単量体単位
20〜59.5重量%からなる共重合体ラテックスであ
って、かつ共重合体のヤング率が1Kg/mm2以上であるこ
とを特徴とする。
【0010】本発明において、単量体単位とは、単量体
がラジカル重合した後の構造(残基)を示す。
【0011】本発明の重合体に使用される(a)脂肪族
共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、イ
ソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、クロロプ
レン等が挙げられるが、特に好ましくは1,3−ブタジ
エンである。これらの(a)脂肪族共役ジエン系単量体
単位は、1種単独で、あるいは2種以上を併用すること
ができる。
【0012】かかる(a)脂肪族共役ジエン系単量体
は、得られる共重合体に適度な柔軟性と伸びを与え、耐
衝撃性を付与するために必須の成分であり、その使用割
合は全単量体の40〜70重量%、好ましくは40〜6
5重量%である。(a)成分が40重量%未満である
と、得られる共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が改良
されない。また、(a)成分が70重量%を越えると、
共重合体が軟らかくなり過ぎ、べとつき防止性、剛度が
劣る。
【0013】(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体
としては、例えばイタコン酸、アクリル酸、メタクリル
酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられる。
【0014】(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体
は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することもで
きる。
【0015】かかる(b)エチレン系不飽和カルボン酸
単量体の使用量は、全単量体の0.5〜10重量%、好
ましくは1〜5重量%である。(b)成分が10重量%
を越えると、得られる共重合体ラテックスの粘度が高く
なり過ぎ、その取扱いが難しくなり、作業性が低下し、
実用性に欠けるものとなる。また、(b)成分が0.5
重量%未満では得られる共重合体ラテックスの機械的、
化学的安定性に劣る。
【0016】(c)共重合可能な他のビニル系単量体と
しては、芳香族ビニル化合物、アルキル(メタ)アクリ
レート、シアン化ビニル化合物、酢酸ビニル、アクリル
アミド系化合物,N−メチロールアクリルアミド等が挙
げられる。
【0017】これらの(c)共重合可能な他のビニル単
量体のうち、芳香族ビニル化合物としては、例えばスチ
レン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、クロルスチレン等が挙げられ、特にスチレ
ンが好ましい。
【0018】アルキル(メタ)アクリレートとしては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)
アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステア
リル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリ
レート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、グリ
シジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート等が挙げられ、このうち特にメチ
ル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0019】シアン化ビニル化合物としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられ、このうち
特にアクリロニトリルが好ましい。
【0020】アクリルアミド系化合物としては、アクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリルアミド等が挙げられる。
【0021】これら(c)共重合可能な他のビニル単量
体は単独で用いても良いし、2種以上を併用してもかま
わない。
【0022】(c)共重合可能な他のビニル単量体の使
用割合は全単量体の20〜59.5%、好ましくは25
〜50重量%である。(c)成分が59.5重量%を越
えると共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が劣る。
【0023】(c)成分のうち、特にシアン化ビニル化
合物は、好ましくは全単量体の3〜40重量%、より好
ましくは5〜30重量%の割合で使用される。
【0024】また、本発明の共重合体ラテックスは、ヤ
ング率が1kg/mm2以上、好ましくは2〜50kg/mm2であ
る。ヤング率が比較的高い前記範囲にあることによっ
て、高い接着強度を示すとともに、剛度、耐水強度等の
物性に優れ、さらにはべとつき防止性が高く操業性に優
れる。ヤング率が1kg/mm2未満であるとオフセット枚葉
印刷塗工に必要なレベルの接着性およびべとつき防止性
が劣る。また、ヤング率が50kg/mm2を越えると共重合
体が硬くなり過ぎ接着強度が低下する傾向があり好まし
くない。
【0025】本発明の共重合体ラテックスの粒子径は、
通常、50〜350nm、好ましくは70〜350n
m、さらに好ましくは70〜250nmである。
【0026】本発明の共重合体ラテックスの最低造膜温
度は、好ましくは0〜60℃であり、より好ましくは5
〜50℃、さらに好ましくは10〜40℃である。最低
造膜温度が0℃未満ではべとつき防止性が劣り、60℃
を超えると接着強度が劣る。
【0027】本発明で使用される単量体を乳化重合する
に際しては、公知の方法で、水性媒体中で乳化剤、重合
開始剤、分子量調節剤などを用いて製造することができ
る。
【0028】ここで、乳化剤としては、アニオン性界面
活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが
単独で、あるいは2種以上を併用して使用できる。
【0029】ここで、アニオン性界面活性剤としては、
例えば高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレング
リコールアルキルエーテルの硫酸エステルなどが挙げら
れる。
【0030】ノニオン性界面活性剤としては、通常のポ
リエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキル
エーテル型、アルキルフェニルエーテル型などが用いら
れる。
【0031】両性界面活性剤としては、アニオン部分と
してカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐
酸エステル塩を、カチオン部分としてはアミン塩、第4
級アンモニュウム塩を持つものが挙げられ、具体的には
ラウリルベタイン、ステアリルベタインなどのベタイン
類、ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニ
ン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ
(アミノエチル)グリシン、などのアミノ酸タイプのも
のなどが用いられる。
【0032】重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、
過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性重合
開始剤、過酸化ベンゾイル、ラウリルパーオキサイド、
2,2’−アゾビスイソブチルニトリルなどの油溶性重
合開始剤、還元剤との組み合わせによるレドックス系重
合開始剤などが、それぞれ単独であるいは組み合わせで
使用できる。
【0033】分子量調節剤、キレート化剤、無機電解質
なども公知のものが使用できる。
【0034】分子量調節剤としては、クロロホルム、四
臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類、n−ヘキシルメ
ルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシル
メルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコ
ール酸などのメルカプタン類、ジメチルキサントゲンジ
サルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルフィ
ドなどのキサントゲン類、ターピノーレン、α−メチル
スチレンダイマーなど通常の乳化重合で使用可能なもの
を全て使用できる。
【0035】重合方法としては、好ましくは、シード重
合と同様に、あらかじめ(共)重合体部分Aを別の重合
容器で重合し、その所定量を添加した後、共重合体部分
Bを重合する方法、あるいは(共)重合体部分Aと共重
合体部分Bとを同一重合容器で少なくとも2段の多段階
で重合する方法などが採られる。
【0036】単量体混合物を仕込む方法としては、単量
体混合物を全量一括で仕込む方法、単量体混合物の一部
を重合した後、その残りを連続的にあるいは断続的に添
加する方法、あるいは単量体混合物を重合の始めから連
続的に添加する方法などを採ることができる。また、こ
れらの仕込み方法を組み合わせることもできる。
【0037】重合温度は、通常、20〜80℃、好まし
くは20〜75℃である。
【0038】本発明における共重合体ラテックスが用い
られる紙塗工用組成物は、無機あるいは有機顔料に、上
記重合体ラテックス、さらに必要に応じて他のバインダ
ー、種々の助剤を配合して使用される。上記重合体ラテ
ックスの配合量は、顔料100重量部に対して共重合体
ラテックス1〜30重量部(固形分として)、好ましく
は3〜25重量部である。共重合体ラテックスが1重量
部未満であると、接着強度が著しく低下し、一方、30
重量部を越えるとインク乾燥性の低下が著しい。
【0039】前記無機顔料としては、クレー、硫酸バリ
ウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、
タルク、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛等が、また有機
顔料としてはポリスチレンラテックス、尿素ホルマリン
樹脂等を挙げることができる。これらは目的に応じて、
単独でも、あるいは2種以上組み合わせても使用するこ
とができる。
【0040】本発明の共重合体ラテックスを用いたオフ
セット印刷用紙塗工組成物には、顔料接着剤として、上
記共重合体ラテックスに加えて、カゼイン、カゼイン変
性物、澱粉、澱粉変性物、ポリビニルアルコール、カル
ボキシメチルセルロース等の水溶性物質を必要に応じて
組み合わせて使用できる。
【0041】本発明の共重合体ラテックスを用いたオフ
セット印刷用紙塗工組成物においては、一般に使用され
る種々の配合剤、例えば、耐水性改良剤、顔料分散剤、
粘度調節剤、着色顔料、粘度調節剤、蛍光染料およびp
H調節剤を任意に配合することができる。
【0042】本発明の共重合体ラテックスは、オフセッ
ト印刷用、特にオフセット枚葉印刷用に好適に使用され
るが、その他、オフセット輪転印刷用としても使用する
ことができる。
【0043】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に
制約されるものではない。なお、実施例において割合を
示す「部」および「%」はそれぞれ重量部および重量%
を意味するものである。
【0044】(実施例1〜3)攪拌機を備え、温度調節
可能なオートクレーブ中に、水200部、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.3部、過硫酸カリウム0.
4部、重亜硫酸ナトリウム0.2部、および表1に示し
た第1段目の成分を一括して仕込み、60℃で1時間反
応させた後、第2段目の成分を65℃で7時間にわたっ
て連続的に添加して重合を継続させた。続いて、第3段
目の成分を1.5時間にわたって連続的に添加して重合
を継続させ、さらに第3段目の連続添加終了後、7時
間、70℃で反応させた。最終的な重合転化率は98〜
99%であった。
【0045】
【表1】
【0046】得られた共重合体ラテックスについて、ヤ
ング率、ラテックス粒子径およびトルエン不溶分を以下
の方法で求めた。その結果を表2に示す。
【0047】a.ヤング率の測定 共重合体ラテックスのヤング率は以下のようにして測定
した。得られた共重合体ラテックスをガラス板上でフィ
ルムの厚さが0.2mmになるように室温で乾燥し、フィル
ム化した。得られたフィルムを25℃で島津製作所製オ
ートグラフAG−500Bを用いて、引っ張り速度10
mm/分でヤング率を測定した。
【0048】b.ラテックス粒子径 得られた共重合体ラテックスの平均粒子径は、コールタ
ー社製のサブミクロンアナライザー(モデルN4)で、
常法により求めた。
【0049】c.トルエン不溶分 共重合体ラテックスのトルエン不溶分は以下のようにし
て測定した。共重合体ラテックスをpH8.0に調製し
た後、イソプロパノールで凝固し、この凝固物を洗浄、
乾燥した後、所定量(約0.03g)の試料を所定量
(100ml)のトルエンに20時間浸漬する。その
後、120メッシュの金網で濾過し、得られる残存固形
分の仕込の全固形分に対する重量%を求める。
【0050】
【表2】
【0051】(比較例1)攪拌機を備え、温度調節可能
なオートクレーブ中に、水200部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム0.3部、過硫酸カリウム0.4
部、重亜硫酸ナトリウム0.2部、および表3に示した
第1段目の成分を一括して仕込み、60℃で1時間反応
させた後、第2段目の成分を65℃で7時間にわたって
連続的に添加して重合を継続させた。続いて第3段目の
成分を1.5時間にわたって連続的に添加して重合を継
続させ、さらに第3段目の連続添加終了後、7時間、7
0℃で反応させた。最終的な重合転化率は98.5%で
あった。
【0052】
【表3】
【0053】得られた共重合体ラテックスについて実施
例1〜3と同様にラテックス粒子径、トルエン不溶分お
よびヤング率を求めた。結果を表2に示す。
【0054】(紙塗工用組成物の調整)実施例1〜3お
よび比較例1で製造した共重合体ラテックスを用いて、
下記の処方によりオフセット印刷用の紙塗工用組成物を
調製した。 配合 カオリンクレー 70.0部 炭酸カルシウム 30.0部 分散剤 0.2部 水酸化ナトリウム 0.1部 澱粉 4.0部 ラテックス(固形分として) 10.0部 水 全固形分が60%と
なるように適当量添加 この紙塗工用組成物を塗被原紙上に、塗工量が片面1
8.0±0.5g/m2となるように、電動式ブレード
コーター(熊谷理機工業製)で塗工し、150℃の電気
式熱風乾燥機にて15秒間乾燥した。得られた塗工紙を
温度23℃、湿度50%の恒温恒湿槽に1昼夜放置し、
その後、線圧100kg/cm,ロール温度50℃の条
件でスーパーカレンダー処理を4回行った。得られた塗
工紙の性能評価は以下の方法により行った。
【0055】1)ドライピック強度 RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で
判定し、5段階で評価した。ピッキング現象の少ないも
のほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示
した。
【0056】2)ウェットピック強度 RI印刷機を用いて、塗工紙表面を吸水ロールで湿して
から、RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を
肉眼で判定し、5段階で評価した。ピッキング現象の少
ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均
値で示した。
【0057】3)印刷光沢 RI印刷機を用いてオフセット用インキをベタ塗りし、
村上式光沢計を使用して60度の角度で測定した。
【0058】4)剛度 JIS P8143に準じて自動クラーク剛度試験機
(熊谷理機工業製)を用いて測定した。
【0059】5)べとつき防止性 ラテックスをポリエチレンテレフタレートフィルム上に
No.18ロッドにより塗布し、120℃で30秒間、
乾燥し、皮膜を形成させる。この皮膜と黒羅紗紙を合わ
せて、ベンチスーパーカレンダーにより線圧200kg
/m,温度70℃の条件下で圧着させる。両者をひきは
がして、黒羅紗紙のラテックスへの転写の程度を目視で
5段階で評価する。転写の少ないものほど高得点とし
た。数値は測定回数6回の平均値で示した。
【0060】上記の評価方法で評価した結果を表2に示
した。実施例1〜3は本発明の範囲の共重合体ラテック
スを用いたオフセット印刷用の紙塗工用組成物であり、
本発明の目的のもの、すなわち接着強度(ドライピック
強度、ウェットピック強度)に優れ、かつ印刷光沢、剛
度、べとつき防止性の全般にわたって優れたものが得ら
れた。これに対して、比較例1では共重合体のヤング率
がかなり小さすぎて、特に接着強度に劣っていた。
【0061】(実施例4〜6)攪拌機を備え、温度調節
可能なオートクレーブ中に、水150部、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.3部および表4に示した
第1成分を一括して仕込み、35℃で8時間反応させ、
重合転化率が70%になった時点でN,N'−ジメチルヒ
ドロキシルアミン0.1部を添加して重合を停止させ
た。続いてスチームストリッピングにより未反応単量体
を除去し、冷却後固形分を25%に調整した。
【0062】攪拌機を備え、温度調整の可能なオートク
レーブ中に、前段で得られた調整後のラテックス120
部(固形分として30部)、水60部、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム0.3部、過硫酸カリウム1.0
部および表4に示した第2成分を仕込み、65℃で10
時間反応させた。最終的な重合転化率は98〜99%で
あった。
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】実施例4〜6で製造した共重合体ラテック
スを用いて、実施例1〜3と同様にして塗工紙物性を評
価した。結果は表5に示した。これらのオフセット印刷
用の紙塗工用組成物は、接着強度に優れ、かつ印刷光
沢、剛度、べとつき防止性に優れていた。
【0066】(比較例2)攪拌機を備え、温度調節可能
なオートクレーブ中に、水150部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム0.3部および表6に示した第1
成分を一括して仕込み、35℃で8時間反応させ、重合
転化率が70%になった時点でN,N'−ジメチルヒドロ
キシルアミン0.1部を添加して重合を停止させた。続
いてスチームストリッピングにより未反応単量体を除去
し、冷却後固形分を25%に調整した。
【0067】この調整後のラテックス120部(固形分
として30部)、水60部、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム0.3部、過硫酸カリウム1.0部および表
6に示した第2成分を仕込み、65℃で10時間反応さ
せ、最終的な重合転化率は98.5%であった。
【0068】
【表6】
【0069】(実施例7〜9)攪拌機を備え、温度調節
可能なオートクレーブ中に、水200部、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウム1.
0部、重亜硫酸ナトリウム0.5部、および表7に示し
た第1段目の成分を一括して仕込み、45℃で3時間反
応させ、重合転化率が60%以上であることを確認し
た。その後、続いて第2段目の成分を一括添加して70
℃にて10時間反応させた。最終的な重合転化率は98
〜99%であった。
【0070】
【表7】
【0071】実施例7〜9で製造した共重合体ラテック
スを用いて、実施例1〜3と同様にして塗工紙物性を評
価した。結果は表8に示した。実施例7〜9で得られた
共重合体ラテックスを用いたオフセット印刷用の紙塗工
用組成物は、接着強度に優れ、かつ印刷光沢、剛度、べ
とつき防止性に優れていた。
【0072】
【表8】
【0073】(比較例3)攪拌機を備え、温度調節可能
なオートクレーブ中に、水200部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウム1.0
部、重亜硫酸ナトリウム0.5部、および表9に示した
第1段目の成分を一括して仕込み、45℃で3時間反応
させ、重合転化率が60%以上であることを確認後、続
いて第2段目の成分を一括添加して70℃にて10時間
反応させた。最終的な重合転化率は98.5%であっ
た。
【0074】得られたラテックスの粒子径、トルエン不
溶分およびヤング率を表8に示す。さらに、実施例1〜
3と同様に紙塗工用組成物、および塗工紙を作製し、実
施例1〜3と同様に塗工紙の性能評価を行った。結果を
表8に示す。
【0075】
【表9】
【0076】実施例1から9は本発明の範囲の共重合体
ラテックスを用いたオフセット印刷用塗工組成物であ
り、本発明の目的のもの、すなわち接着強度に優れ、か
つ印刷光沢、剛度、べとつき防止性に優れたものが得ら
れた。
【0077】
【発明の効果】本発明のオフセット印刷塗工用共重合体
ラテックスは、比較的高いヤング率を有し、変形速度の
大きい衝撃的な変形に対して高い耐性を示し、このため
に高い接着強度を示すとともに、剛度、耐水強度等の他
の物性を高いレベルで維持することができ、べとつき防
止性が高く塗工操業性に優れるものである。
フロントページの続き (72)発明者 新ヶ江 滋 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)脂肪族共役ジエン系単量体単位4
    0〜70重量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単
    量体単位0.5〜10重量%、および(c)これらと共
    重合可能な他の単量体単位20〜59.5重量%からな
    る共重合体ラテックスであって、かつ共重合体のヤング
    率が1Kg/mm2以上であることを特徴とするオフセット印
    刷塗工紙用共重合体ラテックス。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記共重合体ラテックスは、オフセット枚葉印刷塗工紙
    用として用いられることを特徴とするオフセット印刷塗
    工紙用共重合体ラテックス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010205722A (ja) * 2009-02-03 2010-09-16 Nippon A&L Inc 非水電解液二次電池電極用バインダー。
JP5440172B2 (ja) * 2007-10-17 2014-03-12 王子ホールディングス株式会社 工程剥離シートおよび合成皮革の製造方法
JP2017125276A (ja) * 2016-01-14 2017-07-20 日本エイアンドエル株式会社 紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法

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