JP3991234B2 - 共重合体ラテックス - Google Patents

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本発明は、共重合体ラテックスに関し、更に詳しくは、塗工操業性に優れ、かつ、印刷光沢、表面平滑性、表面強度等の印刷適性に優れ、更に広い印刷速度範囲にわたって上記の優れた印刷適性を有する塗工紙を得ることができる紙塗工用組成物のバインダーとして有用な共重合体ラテックスに関する。
従来より、顔料と水性バインダーとを主体とした紙塗工用組成物を紙に塗工し、印刷適性に優れた塗工紙が製造されている。共重合体ラテックスは、その優れた接着強度から、紙塗工用組成物の主バインダーとして使用されている。
近年、印刷の高級化、高速化にともない、塗工紙に要求される性能も厳しくなってきており、表面強度、耐水性、インキ転移性および印刷光沢などの改良が要求されるようになった。これと同時に、近年はコスト低減の目的からバインダー量を低減する要求が高まっており、このためより少量の添加量でも十分な表面強度を示すバインダーが求められている。
また、印刷速度の高速化技術の進展に伴い、要求される印刷速度の範囲が広がってきている。従来の共重合体ラテックスでは適用可能な印刷速度範囲が狭いので、印刷速度に対応してその速度に適した共重合ラテックスを個別的に選択する必要があり、製造コストの面と操業性の面で大きな負担となっている。このことから広い印刷速度範囲にわたって適用できる共重合体ラテックスの登場が望まれている。
更に、塗工紙の製造そのものも高速化しており、塗工操業性の改良、特に主な障害であるロール汚れ性の改良、すなわち共重合体ラテックスの粘着性の低減(べとつき防止性)も要求されている。
共重合体ラテックスに対しては、前記の性質、特に表面強度の改良が求められ、そのために、例えば共重合体のゲル含量を調整する方法や共重合体組成を調整するなどの改良方法が提案されている。しかし、表面強度と他の特性とは互いに背反することが多く、全ての特性をバランスよく高いレベルにすることは非常に困難である。
例えば、接着強度を改良する目的で共役ジエン系単量体の量を増やして共重合体のガラス転移温度を低くする方法が試みられていたが、この方法では耐水性、およびべとつき防止性の特性低下が著しい。逆に、ガラス転移温度を高くすると、耐水性の点は良好であるが、接着強度および印刷光沢の低下が著しい。また、官能基を有する単量体を多量に用いる方法では、接着強度は改良されるが、ラテックスの粘度が異常に高くなるので作業性が著しく低下し、かつ共重合体ラテックスの製造コストが高くなる。
このように、これらの何れの方法も、いずれかの特性の改良が達成されたとしても、全ての特性に対する要求を満たすことはできず、ますます厳しくなる印刷における諸要求を満たすことはできないのが現状である。
本発明は、前述の技術的背景のもとになされたものであり、その目的は、塗工紙の表面強度が大幅に改良され、かつ耐水性、印刷光沢に優れ、しかもべとつき防止性が改善されて塗工操業性に優れ、さらに、広い印刷速度範囲にわたって上記の優れた印刷適性を有する共重合体ラテックスを提供することにある。
すなわち、本発明は、(a)脂肪族共役ジエン系単量体 20〜80重量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.5〜10重量%、および(c)単量体(a)および単量体(b)と共重合可能な他の単量体 10〜79.5重量%からなる単量体を乳化重合して得られる共重合体ラテックスであって、共重合体のガラス転移温度は−100〜60℃の範囲に少なくとも1点存在し、転移領域の温度幅は20℃以上であり、かつ、共重合体は、下記(式1)を満たすことを特徴とする共重合体ラテックスに関する。
(式1)
−0.1≦(logE2−logE1)/(T2−T1)≦−0.01
(式1)において、T1は共重合体のガラス状領域と転移領域との境界温度、
T2は転移領域とゴム状領域との境界温度、
E1およびE2はそれぞれ温度T1およびT2での共重合体の弾性率を示す。
本発明の共重合体ラテックスは、転移領域の温度幅が20℃以上あり、かつ上記(式1)を満たすことにより目的とする性能が得られる。すなわち、本発明の共重合体ラテックスの共重合体は、温度に対する弾性率の勾配が緩やかであるため広い温度範囲において弾性率の変化が小さい。その結果、本発明の共重合体ラテックスを例えば紙塗工用組成物に用いた場合には、広範な印刷速度範囲において適用が可能な塗工紙を得ることができる。そして、この塗工紙は、高速印刷における、変形速度の極めて大きい衝撃的な変形に対して高い耐性を有する。
また、本発明の共重合体ラテックスの共重合体は、転移領域において、温度に対する弾性率の対数の微分係数が−0.1以上−0.01以下の範囲にある温度範囲が連続して20℃以上存在することにより、前記作用効果がより確実に達成される。
本発明の共重合体ラテックスは、紙塗工用組成物に用いた場合に、広い印刷速度範囲にわたって上記の優れた印刷適性を有し、紙塗工用、特に、オフセット印刷用さらに好ましくはシートオフセット印刷用およびウエッブオフセット印刷用に好適に使用され得る。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の共重合体ラテックスの製造に使用される(a)脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、好ましくは1,3−ブタジエンである。これらの(a)脂肪族共役ジエン系単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
かかる(a)脂肪族共役ジエン系単量体は、得られる重合体に適度な柔軟性と伸びを与え、耐衝撃性を付与するために必須の成分であり、その使用割合は全単量体に対して20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%である。この(a)成分が20重量%未満であると、共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が改良されない。一方、(a)成分が80重量%を越えるとべとつき防止性が悪化する。
前記(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、例えばイタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。これらの(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することもできる。
かかる(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体の使用量は、全単量体に対して0.5〜10重量%、好ましくは0.8〜8重量%であり、更に好ましくは1〜5重量%である。(b)成分が0.5重量%未満では、重合時のラテックスの安定性が悪く、多量の凝固物の発生を招く。一方(b)成分が10重量%を超えると、ラテックス粘度が大きく上昇し、作業性が悪化する。
また、前記(c)単量体(a)および単量体(b)と共重合可能な他のビニル系単量体としては芳香族ビニル化合物、アルキル(メタ)アクリレート、シアン化ビニル化合物、酢酸ビニル、アクリルアミド系化合物、N−メチロールアクリルアミドなどが挙げられる。
これらのうち、芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレンなどが挙げられ、特にスチレンが好ましい。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、特にメチルメタアクリレートが好ましい。
シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、特にアクリロニトリルが好ましい。
さらにアクリルアミド系化合物としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
これら(c)成分は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもかまわない。
(c)成分は、共重合体に、主として目的に応じた適度なガラス転移温度を与えるために使用するものであり、その使用割合は10〜79.5重量%、好ましくは25〜69重量%である。(c)成分が79.5重量%を超えると、共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が劣る。
本発明の共重合体ラテックスは、前述した単量体成分(a)、(b)および(c)を乳化重合して得られ、共重合体のガラス転移温度は−100〜60℃、好ましくは−50〜40℃の範囲に少なくとも1点存在し、転移領域の温度幅は20℃以上、好ましくは25℃以上、さらに好ましくは30℃以上であり、かつ、共重合体は、下記(式1)を満たす。
(式1)
−0.1≦(logE2−logE1)/(T2−T1)≦−0.01
(式1)において、T1は共重合体のガラス状領域と転移領域との境界温度、
T2は転移領域とゴム状領域との境界温度、
E1およびE2はそれぞれ温度T1およびT2での共重合体の弾性率を示す。
上記(式1)において表されている数値範囲のうち、好ましい範囲は−0.09以上−0.015以下であり、より好ましくは−0.08以上−0.02以下である。
ガラス転移温度が60℃を越えると接着強度が劣り、−100℃未満であるとべとつき防止性が低下する。
転移領域の温度幅が20℃未満であると、広範な印刷速度範囲において、前記印刷適性を高いレベルに維持することができないため、十分な印刷速度範囲を確保できない。それと同時に、塗工紙の表面強度および耐衝撃性が低下し、高速印刷における変形速度の極めて大きい衝撃的な変形に対して耐えられない。
前記(式1)で示される、共重合体ラテックスの温度に対する弾性率の変化の割合が−0.1未満であると、弾性率の変化が大きくなりすぎ、印刷速度の変化による前記印刷適性の変化の度合いが大きくなり、その結果、広範な印刷速度範囲に適用できなくなる。一方、その値が−0.01を越えると、接着強度および印刷光沢の低下が著しい。
また、本発明の共重合体ラテックスの共重合体は、転移領域において、温度に対する弾性率の対数の微分係数が−0.1以上−0.01以下、好ましくは−0.09以上−0.015以下、より好ましくは−0.08以上−0.02以下の範囲にある温度範囲が連続して20℃以上、好ましくは30℃以上存在することにより、前記作用効果をより確実に達成することができる。
さらに、本発明の共重合体ラテックスを紙塗工用共重合体ラテックスとして用いた時は、オフセット印刷に好適である。このオフセット印刷用の共重合体ラテックスのうち、共重合体のガラス転移温度が−80〜50℃の範囲に存在し、かつ転移領域の温度幅が25℃以上である共重合体ラテックスは、シートオフセット印刷に有益であり、また、共重合体のガラス転移温度が−90〜45℃の範囲に存在し、かつ転移領域の温度幅が25℃以上である共重合体ラテックスは、ウエッブオフセット印刷に有用である。
本発明で使用される単量体を乳化重合するに際しては、水性媒体中で乳化剤、重合開始剤、分子量調節剤などを用いて製造することができる。
ここで、乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが単独で、あるいは2種以上を併用して使用できる。
ここで、アニオン性界面活性剤としては、例えば高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの硫酸エステルなどが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型などが用いられる。
両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐酸エステル塩を、カチオン部分としてはアミン塩、第4級アンモニウム塩を持つものが挙げられ、具体的にはラウリルベタイン、ステアリルベタインなどのベタイン類、ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシン、などのアミノ酸タイプのものなどが用いられる。
重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性重合開始剤、過酸化ベンゾイル、ラウリルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルなどの油溶性重合開始剤、還元剤との組み合わせによるレドックス系重合開始剤などが、それぞれ単独であるいは組み合わせで使用できる。
分子量調節剤、キレート化剤、無機電解質なども公知のものが使用できる。
分子量調節剤としては、クロロホルム、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸などのメルカプタン類、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルフィドなどのキサントゲン類、ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー、1,1−ジフェニルエチレンなど通常の乳化重合で使用可能なものを全て使用できる。
重合方法としては、例えば単量体の一部を重合した後、その残りを連続的にあるいは断続的に添加する方法、あるいは単量体を重合の始めから連続的に添加する方法などが望ましい。また、これらの重合方法を組み合わせることもできる。
重合温度は、通常、好ましくは10〜90℃、より好ましくは20〜80℃である。重合時間は、通常10〜20時間である。
本発明の共重合体ラテックスが用いられる紙塗工用組成物は、無機あるいは有機顔料に、前記共重合体ラテックス、さらに必要に応じて他のバインダー、種々の助剤を配合して使用される。前記共重合体ラテックスの配合量は、通常、顔料100重量部に対して共重合体ラテックス1〜30重量部(固形分として)、好ましくは3〜25重量部である。共重合体ラテックスが1重量部未満であると、接着強度が著しく低下し、一方30重量部を超えるとインク乾燥性の低下が著しい。
前記無機顔料としてはクレー、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、タルク、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛等が、また有機顔料としてはポリスチレンラテックス、尿素ホルマリン樹脂などを挙げることができる。これらは目的に応じて、単独でも、あるいは2種以上組み合わせても使用することができる。
本発明の共重合体ラテックスからなる紙塗工用組成物、特にオフセット印刷用の紙塗工用組成物においては、顔料接着剤として好適に使用される。また、この紙塗工用組成物は、前記共重合体ラテックスに加えて、カゼイン、カゼイン変性物、澱粉、澱粉変性物、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性物質を必要に応じて組み合わせて使用できる。
また、その紙塗工用組成物においては、一般に使用されている種々の配合剤、例えば、耐水性改良剤、顔料分散剤、粘度調節剤、着色顔料、蛍光染料およびpH調節剤を任意に配合することができる。
さらに、その紙塗工用組成物は、シートオフセット印刷用紙およびウエッブオフセット印刷用紙に好適に使用されるが、その他、凸版印刷、グラビア印刷などの各種印刷用紙および紙のコーティング剤に使用することができる。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。なお、実施例において割合を示す「部」および「%」はそれぞれ重量部および重量%を意味する。
[実施例1]
(共重合体ラテックスの製造)
撹拌機を備え、温度調節の可能なオートクレーブ中に水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウム1.0部、重亜硫酸ナトリウム0.5部を仕込み、次いで表1に示した1段目成分を一括して仕込み、60℃で1時間反応させた。重合転化率は20%であった。その後、別の容器に仕込んでおいた表1に示した2段目成分の混合物を65℃で7時間にわたって連続的に添加して重合を継続させ、さらに連続添加終了後6時間にわたって70℃で反応させた。最終的な重合転化率は約99%であった。
得られた共重合体ラテックスについて、ガラス転移温度、ラテックス粒子径、トルエン不溶分および弾性率を以下の方法で求めた。その結果を表2に示す。
a.ガラス転移温度
得られた共重合体ラテックスを100℃で20時間真空乾燥を行い、フィルムを作製した。この乾燥フィルムを示差走査熱量計(DSC:デュポン社製)を用いて測定した。
b.ラテックス粒子径
得られた共重合体ラテックスの平均粒子径は、コールター社製のサブミクロンアナライザー(モデルN4)で、常法により求めた。
c.トルエン不溶分
得られた共重合体ラテックスのトルエン不溶分は以下のようにして測定した。共重合体ラテックスをpH8.0に調整した後、イソプロパノールで凝固し、この凝固物を洗浄、乾燥した後、所定量(約0.03g)の試料を所定量(100ml)のトルエンに20時間浸漬する。その後、120メッシュの金網で濾過し、得られる残存固形分の仕込の全固形分に対する重量%を求めた。
d.弾性率
得られた共重合体ラテックスを30℃で48時間真空乾燥を行い、フィルムを作製した。この乾燥フィルムをPolymer Laboratories社製DMTA(DYNAMIC MECHANICAL THERMAL ANALIZER)を用いて、−100℃〜100℃の温度領域の弾性率を測定した(測定周波数1Hz、昇温スピード3℃/分)。実施例1について求めた温度−弾性率(対数)曲線を図1に示す。図1から転移領域において常に温度に対する弾性率の微分係数が−0.1以上−0.01以下の範囲に存在することが解る。
[実施例2,3]
実施例1と同様にして、撹拌機を備え、温度調節の可能なオートクレーブ中に水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウム1.0部、重亜硫酸ナトリウム0.5部を仕込み、次いで表1に示した1段目成分を一括して仕込み、60℃で1時間反応させた。重合転化率は25〜30%であった。その後、別の容器に仕込んでおいた表1に示した2段目成分の混合物を65℃で7時間にわたって連続的に添加して重合を継続させ、さらに連続添加終了後6時間にわたって70℃で反応させた。
得られた共重合体ラテックスの特性を実施例1と同様にして測定し、その結果を表2に示す。また、実施例1と同様に求めた共重合体の温度−弾性率(対数)曲線を測定した。その結果を図2に示す。さらに、紙塗工用組成物、および塗工紙を作製し、実施例1と同様に塗工紙の性能評価を行った。その結果を表2に示す。
(紙塗工用組成物の調製)
実施例1〜3で製造した共重合体ラテックスを用いて、下記の処方によりオフセット印刷用の紙塗工用組成物を調製した。
配合;
カオリンクレー 70.0部
炭酸カルシウム 30.0部
分散剤 0.2部
水酸化ナトリウム 0.1部
澱粉 4.0部
ラテックス(固形分として) 10.0部
水 全固形分が60%となるように適当量添加
この紙塗工用組成物を塗被原紙上に、塗工量が片面18.0±0.5g/mとなるように、電動式ブレードコーター(熊谷理機工業製)で塗工し、150℃の電気式熱風乾燥機にて15秒間乾燥した。得られた塗工紙を温度23℃、湿度50%の恒温恒湿槽に1昼夜放置し、その後、線圧100kg/cm,ロール温度50℃の条件でスーパーカレンダー処理を4回行った。得られた塗工紙の性能評価は以下の方法により行った。
1)ドライピック強度
RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階で評価した。ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示した。
なお、この測定において、1000m/分の印刷速度の測定法を(A)法、100m/の印刷速度の測定法を(B)法と表す。
2)ウェットピック強度
RI印刷機を用いて、塗工紙表面を吸水ロールで湿してから、RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階で評価した。ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示した。
なお、この測定において、1000m/分の印刷速度の測定法を(A)法、100m/の印刷速度の測定法を(B)法と表す。
3)印刷光沢
RI印刷機を用いてオフセット用インキをベタ塗りし、村上式光沢計を使用して60度の角度で測定した。
4)べとつき防止性
ラテックスをポリエチレンテレフタレートフィルム上にNo.18ロッドにより塗布し、120℃で30秒間、乾燥し、皮膜を形成させる。この皮膜と黒羅紗紙を合わせて、ベンチスーパーカレンダーにより線圧200kg/cm,温度70℃の条件下で圧着させる。両者をひきはがして、黒羅紗紙のラテックスへの転写の程度を目視で5段階で評価する。転写の少ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示した。
前記の評価方法で評価した結果を表2に示した。
(比較例1,2)
実施例1と同様にして、撹拌機を備え、温度調節の可能なオートクレーブ中に水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウム1.0部、重亜硫酸ナトリウム0.5部を仕込み、次いで、表1に示した比較例の1段目成分を60℃で8時間にわたって連続的に添加して重合を継続させ、さらに6時間にわたって、70℃で反応させた。
得られた共重合体ラテックスの特性を実施例1と同様にして測定し、その結果を表2に示す。また、実施例1と同様に求めた共重合体の温度−弾性率(対数)曲線を測定した。その結果を図1に示す。さらに、比較例1,2で製造した共重合体ラテックスをバインダーとした紙塗工用組成物、および塗工紙を作製し、実施例1と同様に塗工紙の性能評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0003991234
Figure 0003991234
実施例1、比較例1,2における温度と弾性率の対数との関係を表したグラフであり、横軸に温度、縦軸に弾性率の対数を示す。 実施例2,3における温度と弾性率の対数との関係を表したグラフであり、横軸に温度、縦軸に弾性率の対数を示す。

Claims (7)

  1. (a)脂肪族共役ジエン系単量体 20〜80重量%、
    (b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量%、および
    (c)単量体(a)および単量体(b)と共重合可能な他の単量体10〜79.5重量%からなる単量体を乳化重合して得られる共重合体ラテックスであって、
    共重合体のガラス転移温度は−100〜60℃の範囲に少なくとも1点存在し、
    前記共重合体の転移領域の温度幅は30℃以上であり、
    前記共重合体は、転移領域において、温度に対する弾性率の対数の微分係数が−0.1以上−0.015以下の範囲にある温度範囲が連続して30℃以上存在し、かつ、
    前記共重合体は、下記(式1)を満たすことを特徴とする共重合体ラテックス。
    (式1)
    −0.1≦(logE2−logE1)/(T2−T1)≦−0.015
    (式1)において、T1は共重合体のガラス状領域と転移領域との境界温度、
    T2は転移領域とゴム状領域との境界温度、
    E1およびE2はそれぞれ温度T1およびT2での共重合体の弾性率を示す。
  2. 請求項1において、
    前記共重合体は、転移領域において、温度に対する弾性率の対数の微分係数が−0.09以上−0.015以下の範囲にあることを特徴とする共重合体ラテックス。
  3. 請求項1において、
    前記共重合体は、転移領域において、温度に対する弾性率の対数の微分係数が−0.08以上−0.02以下の範囲にあることを特徴とする共重合体ラテックス。
  4. 請求項1からのいずれかにおいて、
    前記共重合体ラテックスは、紙塗工用組成物のバインダーとして用いられることを特徴とする共重合体ラテックス。
  5. 含量100重量部に対して、請求項1からのいずれかに記載の共重合体ラテックスを1〜30重量部(固形分として)配合されることを特徴とする紙塗工用組成物。
  6. シートオフセット印刷用である請求項記載の紙塗工等組成物。
  7. ウエップオフセット印刷用である請求項記載の紙塗工用組成物。
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