JPH11189627A - 共重合体ラテックス - Google Patents

共重合体ラテックス

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JPH11189627A
JPH11189627A JP36778197A JP36778197A JPH11189627A JP H11189627 A JPH11189627 A JP H11189627A JP 36778197 A JP36778197 A JP 36778197A JP 36778197 A JP36778197 A JP 36778197A JP H11189627 A JPH11189627 A JP H11189627A
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JP
Japan
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copolymer
temperature
copolymer latex
monomer
range
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JP36778197A
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English (en)
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Ichiro Kajiwara
一郎 梶原
Osamu Ishikawa
理 石川
Katsuhiko Tsuruoka
勝彦 鶴岡
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Original Assignee
JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗工紙の表面強度が大幅に改良され、かつ耐
水性、インク乾燥性、印刷光沢に優れ、しかもべとつき
防止性が改善されて塗工操業性に優れ、更に広い印刷速
度範囲にわたって上記の優れた印刷適性を有する共重合
体ラテックスを提供する。 【解決手段】 共重合体ラテックスは、(a)脂肪族共
役ジエン系単量体 20〜80重量%、(b)エチレン
系不飽和カルボン酸単量体 0.5〜10重量%、およ
び(c)単量体(a)および単量体(b)と共重合可能
な他の単量体 10〜79.5重量%からなる単量体を
乳化重合して得られる。共重合体のガラス転移温度は−
100〜60℃の範囲に少なくとも1点存在し、転移領
域の温度幅は20℃以上であり、かつ共重合体は下記
(式1)を満たす。 (式1) −0.1≦(logE2−logE1)/(T2−T
1)≦−0.01 (式1)において、T1は共重合体のガラス状領域と転
移領域との境界温度、T2は転移領域とゴム状領域との
境界温度、E1およびE2はそれぞれ温度T1、T2で
の共重合体の弾性率を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共重合体ラテック
スに関し、更に詳しくは、塗工操業性に優れ、かつ、印
刷光沢、表面平滑性、表面強度等の印刷適性に優れ、更
に広い印刷速度範囲にわたって上記の優れた印刷適性を
有する塗工紙を得ることができる紙塗工用組成物のバイ
ンダーとして有用な共重合体ラテックスに関する。
【0002】
【背景技術】従来より、顔料と水性バインダーとを主体
とした紙塗工用組成物を紙に塗工し、印刷適性に優れた
塗工紙が製造されている。共重合体ラテックスは、その
優れた接着強度から、紙塗工用組成物の主バインダーと
して使用されている。
【0003】近年、印刷の高級化、高速化にともない、
塗工紙に要求される性能も厳しくなってきており、表面
強度、耐水性、インキ転移性および印刷光沢などの改良
が要求されるようになった。これと同時に、近年はコス
ト低減の目的からバインダー量を低減する要求が高まっ
ており、このためより少量の添加量でも十分な表面強度
を示すバインダーが求められている。
【0004】また、印刷速度の高速化技術の進展に伴
い、要求される印刷速度の範囲が広がってきている。従
来の共重合体ラテックスでは適用可能な印刷速度範囲が
狭いので、印刷速度に対応してその速度に適した共重合
ラテックスを個別的に選択する必要があり、製造コスト
の面と操業性の面で大きな負担となっている。このこと
から広い印刷速度範囲にわたって適用できる共重合体ラ
ッテクスの登場が望まれている。
【0005】更に、塗工紙の製造そのものも高速化して
おり、塗工操業性の改良、特に主な障害であるロール汚
れ性の改良、すなわち共重合体ラテックスの粘着性の低
減(べとつき防止性)も要求されている。
【0006】共重合体ラテックスに対しては、前記の性
質、特に表面強度の改良が求められ、そのために、例え
ば共重合体のゲル含量を調製する方法や共重合体組成を
調整するなどの改良方法が提案されている。しかし、表
面強度と他の特性とは互いに背反することが多く、全て
の特性をバランスよく高いレベルにすることは非常に困
難である。
【0007】例えば、接着強度を改良する目的で共役ジ
エン系単量体の量を増やして共重合体のガラス転移温度
を低くする方法が試みられていたが、この方法では耐水
性、およびべとつき防止性の特性低下が著しい。逆に、
ガラス転移温度を高くすると、耐水性の点は良好である
が、接着強度および印刷光沢の低下が著しい。また、官
能基を有する単量体を多量に用いる方法では、接着強度
は改良されるが、ラテックスの粘度が異常に高くなるの
で作業性が著しく低下し、かつ共重合体ラテックスの製
造コストが高くなる。
【0008】このように、これらの何れの方法も、いず
れかの特性の改良が達成されたとしても、全ての特性に
対する要求を満たすことはできず、ますます厳しくなる
印刷における諸要求を満たすことはできないのが現状で
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の技術
的背景のもとになされたものであり、その目的は、塗工
紙の表面強度が大幅に改良され、かつ耐水性、インキ乾
燥性、印刷光沢に優れ、しかもべとつき防止性が改善さ
れて塗工操業性に優れ、さらに、広い印刷速度範囲にわ
たって上記の優れた印刷適性を有する共重合体ラテック
スを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(a)脂肪族共役ジエン系単量体 20〜80重量%、
(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.5〜1
0重量%、および(c)単量体(a)および単量体
(b)と共重合可能な他の単量体 10〜79.5重量
%からなる単量体を乳化重合して得られる共重合体ラテ
ックスであって、共重合体のガラス転移温度は−100
〜60℃の範囲に少なくとも1点存在し、転移領域の温
度幅は20℃以上であり、かつ、共重合体は、下記(式
1)を満たすことを特徴とする共重合体ラテックスに関
する。
【0011】(式1) −0.1≦(logE2−logE1)/(T2−T
1)≦−0.01 (式1)において、T1は共重合体のガラス状領域と転
移領域との境界温度、T2は転移領域とゴム状領域との
境界温度、E1およびE2はそれぞれ温度T1およびT
2での共重合体の弾性率を示す。
【0012】本発明の共重合体ラテックスは、転移領域
の温度幅が20℃以上あり、かつ上記(式1)を満たす
ことにより目的とする性能が得られる。すなわち、本発
明の共重合体ラテックスの共重合体は、温度に対する弾
性率の勾配が緩やかであるため広い温度範囲において弾
性率の変化が小さい。その結果、本発明の共重合体ラテ
ックスを例えば紙塗工用組成物に用いた場合には、広範
な印刷速度範囲において適用が可能な塗工紙を得ること
ができる。そして、この塗工紙は、高速印刷における、
変形速度の極めて大きい衝撃的な変形に対して高い耐性
を有する。
【0013】また、本発明の共重合体ラッテクスの共重
合体は、転移領域において、温度に対する弾性率の対数
の微分係数が−0.1以上−0.01以下の範囲にある
温度範囲が連続して20℃以上存在することにより、前
記作用効果がより確実に達成される。
【0014】本発明の共重合体ラテックスは、紙塗工用
組成物に用いた場合に、広い印刷速度範囲にわたって上
記の優れた印刷適性を有し、紙塗工用、特に、オフセッ
ト印刷用さらに好ましくはシートオフセット印刷用およ
びウエッブオフセット印刷用に好適に使用され得る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳細
に説明する。
【0016】本発明の共重合体ラテックスの製造に使用
される(a)脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,
3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブ
タジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、好ましく
は1,3−ブタジエンである。これらの(a)脂肪族共
役ジエン系単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を
併用することができる。
【0017】かかる(a)脂肪族共役ジエン系単量体
は、得られる重合体に適度な柔軟性と伸びを与え、耐衝
撃性を付与するために必須の成分であり、その使用割合
は全単量体に対して20〜80重量%、好ましくは30
〜70重量%である。この(a)成分が20重量%未満
であると、共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が改良さ
れない。一方、(a)成分が80重量%を越えるとべと
つき防止性が悪化する。
【0018】前記(b)エチレン系不飽和カルボン酸単
量体としては、例えばイタコン酸、アクリル酸、メタク
リル酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。これ
らの(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体は、1種
単独で、あるいは2種以上を併用することもできる。
【0019】かかる(b)エチレン系不飽和カルボン酸
単量体の使用量は、全単量体に対して0.5〜10重量
%、好ましくは0.8〜8重量%であり、更に好ましく
は1〜5重量%である。(b)成分が0.5重量%未満
では、重合時のラテックスの安定性が悪く、多量の凝固
物の発生を招く。一方(b)成分が10重量%を超える
と、ラテックス粘度が大きく上昇し、作業性が悪化す
る。
【0020】また、前記(c)単量体(a)および単量
体(b)と共重合可能な他のビニル系単量体としては芳
香族ビニル化合物、アルキル(メタ)アクリレート、シ
アン化ビニル化合物、酢酸ビニル、アクリルアミド系化
合物、N−メチロールアクリルアミドなどが挙げられ
る。
【0021】これらのうち、芳香族ビニル化合物として
は、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、ビニルトルエン、クロルスチレンなどが挙げ
られ、特にスチレンが好ましい。
【0022】アルキル(メタ)アクリレートとしては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)
アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステア
リル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アク
リレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレートなど
が挙げられ、特にメチルメタアクリレートが好ましい。
【0023】シアン化ビニル化合物としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、特にア
クリロニトリルが好ましい。
【0024】さらにアクリルアミド系化合物としては、
アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチル
アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミドなどが挙げられる。
【0025】これら(c)成分は単独で用いてもよい
し、2種以上を併用してもかまわない。
【0026】(c)成分は、共重合体に、主として目的
に応じた適度なガラス転移温度を与えるために使用する
ものであり、その使用割合は10〜79.5重量%、好
ましくは25〜69重量%である。(c)成分が79.
5重量%を超えると、共重合体が硬くなり過ぎ、接着強
度が劣る。
【0027】本発明の共重合体ラテックスは、前述した
単量体成分(a)、(b)および(c)を乳化重合して
得られ、共重合体のガラス転移温度は−100〜60
℃、好ましくは−50〜40℃の範囲に少なくとも1点
存在し、転移領域の温度幅は20℃以上、好ましくは2
5℃以上、さらに好ましくは30℃以上であり、かつ、
共重合体は、下記(式1)を満たす。
【0028】(式1) −0.1≦(logE2−logE1)/(T2−T
1)≦−0.01 (式1)において、T1は共重合体のガラス状領域と転
移領域との境界温度、T2は転移領域とゴム状領域との
境界温度、E1およびE2はそれぞれ温度T1およびT
2での共重合体の弾性率を示す。
【0029】上記(式1)において表されている数値範
囲のうち、好ましい範囲は−0.09以上−0.015
以下であり、より好ましくは−0.08以上−0.02
以下である。
【0030】ガラス転移温度が60℃を越えると接着強
度が劣り、−100℃未満であるとべとつき防止性が低
下する。
【0031】転移領域の温度幅が20℃未満であると、
広範な印刷速度範囲において、前記印刷適性を高いレベ
ルに維持することができないため、十分な印刷速度範囲
を確保できない。それと同時に、塗工紙の表面強度およ
び耐衝撃性が低下し、高速印刷における変形速度の極め
て大きい衝撃的な変形に対して耐えられない。
【0032】前記(式1)で示される、共重合体ラテッ
クスの温度に対する弾性率の変化の割合が−0.1未満
であると、弾性率の変化が大きくなりすぎ、印刷速度の
変化による前記印刷適性の変化の度合いが大きくなり、
その結果、広範な印刷速度範囲に適用できなくなる。一
方、その値が−0.01を越えると、接着強度および印
刷光沢の低下が著しい。
【0033】また、本発明の共重合体ラッテクスの共重
合体は、転移領域において、温度に対する弾性率の対数
の微分係数が−0.1以上−0.01以下、好ましくは
−0.09以上−0.015以下、より好ましくは−
0.08以上−0.02以下の範囲にある温度範囲が連
続して20℃以上、好ましくは30℃以上存在すること
により、前記作用効果をより確実に達成することができ
る。
【0034】さらに、本発明の共重合体ラテックスを紙
塗工用共重合体ラテックスとして用いた時は、オフセッ
ト印刷に好適である。このオフセット印刷用の共重合体
ラテックスのうち、共重合体のガラス転移温度が−80
〜50℃の範囲に存在し、かつ転移領域の温度幅が25
℃以上である共重合体ラテックスは、シートオフセット
印刷に有益であり、また、共重合体のガラス転移温度が
−90〜45℃の範囲に存在し、かつ転移領域の温度幅
が25℃以上である共重合体ラテックスは、ウエッブオ
フセット印刷に有用である。
【0035】本発明で使用される単量体を乳化重合する
に際しては、水性媒体中で乳化剤、重合開始剤、分子量
調節剤などを用いて製造することができる。
【0036】ここで、乳化剤としては、アニオン性界面
活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが
単独で、あるいは2種以上を併用して使用できる。
【0037】ここで、アニオン性界面活性剤としては、
例えば高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレング
リコールアルキルエーテルの硫酸エステルなどが挙げら
れる。
【0038】ノニオン性界面活性剤としては、通常のポ
リエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキル
エーテル型、アルキルフェニルエーテル型などが用いら
れる。
【0039】両性界面活性剤としては、アニオン部分と
してカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐
酸エステル塩を、カチオン部分としてはアミン塩、第4
級アンモニウム塩を持つものが挙げられ、具体的にはラ
ウリルベタイン、ステアリルベタインなどのベタイン
類、ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニ
ン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ
(アミノエチル)グリシン、などのアミノ酸タイプのも
のなどが用いられる。
【0040】重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、
過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性重合
開始剤、過酸化ベンゾイル、ラウリルパーオキサイド、
2,2’−アゾビスイソブチルニトリルなどの油溶性重
合開始剤、還元剤との組み合わせによるレドックス系重
合開始剤などが、それぞれ単独であるいは組み合わせで
使用できる。
【0041】分子量調節剤、キレート化剤、無機電解質
なども公知のものが使用できる。
【0042】分子量調節剤としては、クロロホルム、四
臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類、n−ヘキシルメ
ルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシル
メルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコ
ール酸などのメルカプタン類、ジメチルキサントゲンジ
サルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルフィ
ドなどのキサントゲン類、ターピノーレン、α−メチル
スチレンダイマー、1,1−ジフェニルエチレンなど通
常の乳化重合で使用可能なものを全て使用できる。
【0043】重合方法としては、例えば単量体の一部を
重合した後、その残りを連続的にあるいは断続的に添加
する方法、あるいは単量体を重合の始めから連続的に添
加する方法などが望ましい。また、これらの重合方法を
組み合わせることもできる。
【0044】重合温度は、通常、好ましくは10〜90
℃、より好ましくは20〜80℃である。重合時間は、
通常10〜20時間である。
【0045】本発明の共重合体ラテックスが用いられる
紙塗工用組成物は、無機あるいは有機顔料に、前記共重
合体ラテックス、さらに必要に応じて他のバインダー、
種々の助剤を配合して使用される。前記共重合体ラテッ
クスの配合量は、通常、顔料100重量部に対して共重
合体ラテックス1〜30重量部(固形分として)、好ま
しくは3〜25重量部である。共重合体ラテックスが1
重量部未満であると、接着強度が著しく低下し、一方3
0重量部を超えるとインク乾燥性の低下が著しい。
【0046】前記無機顔料としてはクレー、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、タ
ルク、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛等が、また有機顔
料としてはポリスチレンラテックス、尿素ホルマリン樹
脂などを挙げることができる。これらは目的に応じて、
単独でも、あるいは2種以上組み合わせても使用するこ
とができる。
【0047】本発明の共重合体ラテックスからなる紙塗
工用組成物、特にオフセット印刷用の紙塗工用組成物に
おいては、顔料接着剤として好適に使用される。また、
この紙塗工用組成物は、前記共重合体ラテックスに加え
て、カゼイン、カゼイン変性物、澱粉、澱粉変性物、ポ
リビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなど
の水溶性物質を必要に応じて組み合わせて使用できる。
【0048】また、その紙塗工用組成物においては、一
般に使用されている種々の配合剤、例えば、耐水性改良
剤、顔料分散剤、粘度調節剤、着色顔料、蛍光染料およ
びpH調節剤を任意に配合することができる。
【0049】さらに、その紙塗工用組成物は、シートオ
フセット印刷用紙およびウエッブオフセット印刷用紙に
好適に使用されるが、その他、凸版印刷、グラビア印刷
などの各種印刷用紙および紙のコーティング剤に使用す
ることができる。
【0050】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の
実施例に制約されるものではない。なお、実施例におい
て割合を示す「部」および「%」はそれぞれ重量部およ
び重量%を意味する。
【0051】(実施例1) (共重合体ラテックスの製造)攪拌機を備え、温度調節
の可能なオートクレーブ中に水200部、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウム
1.0部、重亜硫酸ナトリウム0.5部を仕込み、次い
で表1に示した1段目成分を一括して仕込み、60℃で
1時間反応させた。重合転化率は20%であった。その
後、別の容器に仕込んでおいた表1に示した2段目成分
の混合物を65℃で7時間にわたって連続的に添加して
重合を継続させ、さらに連続添加終了後6時間にわたっ
て70℃で反応させた。最終的な重合転化率は約99%
であった。
【0052】得られた共重合体ラテックスについて、ガ
ラス転移温度、ラテックス粒子径、トルエン不溶分およ
び弾性率を以下の方法で求めた。その結果を表2に示
す。
【0053】a.ガラス転移温度 得られた共重合体ラテックスを100℃で20時間真空
乾燥を行い、フィルムを作製した。この乾燥フィルムを
示差走査熱量計(DSC:デュポン社製)を用いてAS
TM法に準じて測定した。
【0054】b.ラテックス粒子径 得られた共重合体ラテックスの平均粒子径は、コールタ
ー社製のサブミクロンアナライザー(モデルN4)で、
常法により求めた。
【0055】c.トルエン不溶分 得られた共重合体ラテックスのトルエン不溶分は以下の
ようにして測定した。共重合体ラテックスをpH8.0
に調製した後、イソプロパノールで凝固し、この凝固物
を洗浄、乾燥した後、所定量(約0.03g)の試料を
所定量(100ml)のトルエンに20時間浸漬する。
その後、120メッシュの金網で濾過し、得られる残存
固形分の仕込の全固形分に対する重量%を求めた。
【0056】d.弾性率 得られた共重合体ラテックスを30℃で48時間真空乾
燥を行い、フィルムを作製した。この乾燥フィルムをPo
lymer Laboratories社製DMTA(DYNAMIC MECHANICAL
THERMAL ANALIZER)を用いて、−100℃〜100℃
の温度領域の弾性率を測定した(測定周波数1Hz、昇
温スピード3℃/分)。実施例1について求めた温度−
弾性率(対数)曲線を図1に示す。図1から転移領域に
おいて常に温度に対する弾性率の微分係数が−0.1以
上−0.01以下の範囲に存在することが解る。
【0057】(実施例2,3)実施例1と同様にして、
攪拌機を備え、温度調節の可能なオートクレーブ中に水
200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.
5部、過硫酸カリウム1.0部、重亜硫酸ナトリウム
0.5部を仕込み、次いで表1に示した1段目成分を一
括して仕込み、60℃で1時間反応させた。重合転化率
は25〜30%であった。その後、別の容器に仕込んで
おいた表1に示した2段目成分の混合物を65℃で7時
間にわたって連続的に添加して重合を継続させ、さらに
連続添加終了後6時間にわたって70℃で反応させた。
【0058】得られた共重合体ラテックスの特性を実施
例1と同様にして測定し、その結果を表2に示す。ま
た、実施例1と同様に求めた共重合体の温度−弾性率
(対数)曲線を測定した。その結果を図2に示す。さら
に、紙塗工用組成物、および塗工紙を作製し、実施例1
と同様に塗工紙の性能評価を行った。その結果を表2に
示す。
【0059】(紙塗工用組成物の調整)実施例1〜3で
製造した共重合体ラテックスを用いて、下記の処方によ
りオフセット印刷用の紙塗工用組成物を調製した。 配合; カオリンクレー 70.0部 炭酸カルシウム 30.0部 分散剤 0.2部 水酸化ナトリウム 0.1部 澱粉 4.0部 ラテックス(固形分として) 10.0部 水 全固形分が60%となるように適当量添加 この紙塗工用組成物を塗被原紙上に、塗工量が片面1
8.0±0.5g/m2となるように、電動式ブレード
コーター(熊谷理機工業製)で塗工し、150℃の電気
式熱風乾燥機にて15秒間乾燥した。得られた塗工紙を
温度23℃、湿度50%の恒温恒湿槽に1昼夜放置し、
その後、線圧100kg/cm,ロール温度50℃の条
件でスーパーカレンダー処理を4回行った。得られた塗
工紙の性能評価は以下の方法により行った。
【0060】1)ドライピック強度 RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で
判定し、5段階で評価した。ピッキング現象の少ないも
のほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示
した。
【0061】なお、この測定において、1000m/分
の印刷速度の測定法を(A)法、100m/minの印
刷速度の測定法を(B)法と表す。
【0062】2)ウェットピック強度 RI印刷機を用いて、塗工紙表面を吸水ロールで湿して
から、RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を
肉眼で判定し、5段階で評価した。ピッキング現象の少
ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均
値で示した。
【0063】なお、この測定において、1000m/分
の印刷速度の測定法を(A)法、100m/minの印
刷速度の測定法を(B)法と表す。
【0064】3)印刷光沢 RI印刷機を用いてオフセット用インキをベタ塗りし、
村上式光沢計を使用して60度の角度で測定した。
【0065】4)べとつき防止性 ラテックスをポリエチレンテレフタレートフィルム上に
No.18ロッドにより塗布し、120℃で30秒間、
乾燥し、皮膜を形成させる。この皮膜と黒羅紗紙を合わ
せて、ベンチスーパーカレンダーにより線圧200kg
/m,温度70℃の条件下で圧着させる。両者をひきは
がして、黒羅紗紙のラテックスへの転写の程度を目視で
5段階で評価する。転写の少ないものほど高得点とし
た。数値は測定回数6回の平均値で示した。
【0066】前記の評価方法で評価した結果を表2に示
した。
【0067】(比較例1,2)実施例1と同様にして、
攪拌機を備え、温度調節の可能なオートクレーブ中に水
200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.
5部、過硫酸カリウム1.0部、重亜硫酸ナトリウム
0.5部を仕込み、次いで、表1に示した比較例の1段
目成分を60℃で8時間にわたって連続的に添加して重
合を継続させ、さらに6時間にわたって、70℃で反応
させた。
【0068】得られた共重合体ラテックスの特性を実施
例1と同様にして測定し、その結果を表2に示す。ま
た、実施例1と同様に求めた共重合体の温度−弾性率
(対数)曲線を測定した。その結果を図1に示す。さら
に、比較例1,2で製造した共重合体ラテックスをバイ
ンダーとした紙塗工用組成物、および塗工紙を作製し、
実施例1と同様に塗工紙の性能評価を行った。その結果
を表2に示す。
【0069】
【表1】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、比較例1,2における温度と弾性率
の対数との関係を表したグラフであり、横軸に温度、縦
軸に弾性率の対数を示す。
【図2】実施例2,3における温度と弾性率の対数との
関係を表したグラフであり、横軸に温度、縦軸に弾性率
の対数を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 222:02)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)脂肪族共役ジエン系単量体 20〜
    80重量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体
    0.5〜10重量%、および(c)単量体(a)およ
    び単量体(b)と共重合可能な他の単量体 10〜7
    9.5重量%からなる単量体を乳化重合して得られる共
    重合体ラテックスであって、共重合体のガラス転移温度
    は−100〜60℃の範囲に少なくとも1点存在し、転
    移領域の温度幅は20℃以上であり、かつ、共重合体
    は、下記(式1)を満たすことを特徴とする共重合体ラ
    ッテクス。 (式1) −0.1≦(logE2−logE1)/(T2−T
    1)≦−0.01 (式1)において、T1は共重合体のガラス状領域と転
    移領域との境界温度、T2は転移領域とゴム状領域との
    境界温度、E1およびE2はそれぞれ温度T1およびT
    2での共重合体の弾性率を示す。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記共重合体は、転移領域において、温度に対する弾性
    率の対数の微分係数が−0.1以上−0.01以下の範
    囲にある温度範囲が連続して20℃以上存在することを
    特徴とする共重合体ラテックス。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、 前記共重合体ラテックスは、紙塗工用組成物のバインダ
    ーとして用いられることを特徴とする共重合体ラテック
    ス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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