JP3605981B2 - 共重合体ラテックスおよび紙塗工用組成物 - Google Patents

共重合体ラテックスおよび紙塗工用組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙塗工用組成物の構成成分として好適な共重合体ラテックスおよびこれを用いた紙塗工用組成物に関し、さらに詳しくは、塗工作業性に優れるとともに、表面強度、耐水強度、インク受容性等にも優れた塗工紙を与えることのできる共重合体ラテックスおよび該共重合体ラテックスを用いた紙塗工用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、顔料と水性バインダーとを主体とする紙塗工用組成物を紙に塗工し、印刷適性に優れた塗工紙が製造されており、該紙塗工用組成物の主バインダーとしては、その優れた接着強度から、一般に共重合体ラテックスが使用されている。
近年、印刷物の高級化や印刷プロセスの高速化の流れに伴い、塗工紙に要求される性能も厳しくなってきており、今日では表面強度、耐水強度、インク受容性、印刷光沢、耐ブリスター性等に優れた塗工紙が要求されるようになっている。また、塗工紙の製造プロセスそのものも高速化しており、塗工作業性の観点から、紙塗工用組成物から形成される塗膜の耐水性および低粘着性(ベトツキ防止性)が強く要求されている。
しかしながら、これらの要求特性は互いに背反する性質がほとんどであり、すべての特性をバランスよく高いレベルで確保することは極めて困難である。
例えば、接着強度を改良する目的で、脂肪族共役ジエン系単量体の含有量を増加させ、得られる共重合体のガラス転移点を低くする方法が試みられているが、この方法では、耐水性およびベトツキ防止性の特性低下が著しい。また、逆にガラス転移点を高くすると、耐水性およびベトツキ防止性の点では良好であるが、接着強度および印刷光沢の特性低下が著しい。
このように、従来の紙塗工用組成物では、塗工紙および塗膜について何れかの特性が改良されたとしても、それらの幅広い特性に対する前記諸要求を満たすのは困難であるのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の技術的背景のもとになされたものであり、その課題は、塗工作業性に優れ、かつ表面強度、耐水強度、インク受容性等にも優れた塗工紙を与えることができる共重合体ラテックスおよび該共重合体ラテックスを用いた紙塗工用組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、第一に、
(a)脂肪族共役ジエン系単量体20〜70重量%、(b)エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.5〜7重量%および(c)他の共重合可能なビニル系単量体3〜73重量%からなる単量体混合物の共重合体を乳化剤により乳化分散してなる共重合体ラテックスにおいて、前記乳化剤が下記式(1)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸塩を全乳化剤成分中に50〜95重量%含有することを特徴とする共重合体ラテックス、
【0005】
【化1】
【0006】
(式中、Rは炭素数3〜6のアルキル基を示し、RはそれとRとの合計炭素数が9〜13となるアルキル基を示し、MはK、NaまたはNHを示す。)からなる。
【0007】
本発明の要旨は、第二に、
前記共重合体ラテックスを含有することを特徴とする紙塗工用組成物、
からなる。
【0008】
以下、本発明について詳述する。
脂肪族共役ジエン系単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等を挙げることができ、特に1,3−ブタジエンが好ましい。これらの脂肪族共役ジエン系単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
この脂肪族共役ジエン系単量体は、得られる共重合体ラテックスに適度な柔軟性と伸びを与えるために必須の成分であり、その使用割合は、共重合体ラテックスを製造する際の全単量体の20〜70重量%、好ましくは25〜65重量%である。脂肪族共役ジエン系単量体の使用割合が、全単量体の20重量%未満では、塗膜の柔軟性と伸びに劣り、一方全単量体の70重量%を越えると、塗膜の耐水強度に劣るものとなる。
また、エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、イタコン酸、フマル酸が好ましい。これらのエチレン性不飽和カルボン酸単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体の使用割合は、共重合体ラテックスを製造する際の全単量体の0.5〜7重量%、好ましくは1〜6.5重量%である。エチレン系不飽和カルボン酸単量体の使用割合が、0.5重量%未満では、重合時のラテックスの安定性が低下し、凝固物が生成し易くなり、また得られるラテックスの機械的安定性や化学的安定性に劣り、一方7重量部を越えると、得られるラテックスの粘度が高くなり過ぎ、その取り扱いが難しくなり、塗工作業性が低下し、実用性に欠けるものとなる。
【0009】
前記脂肪族共役ジエン系単量体およびエチレン系不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他のビニル系単量体としては、例えば、芳香族ビニル系単量体、置換もしくは非置換のアルキル(メタ)アクリレート類、シアン化ビニル系単量体、酢酸ビニル等を挙げることができる。
これらのうち、芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等を挙げることができ、特にスチレンが好ましい。
また、置換もしくは非置換のアルキル(メタ)アクリレート類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、特にメチルメタクリレートが好ましい。
さらに、シアン化ビニル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等を挙げることができ、特にアクリロニトリルが好ましい。
これらの共重合可能な他のビニル系単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0010】
本発明で使用される乳化剤は、前記式(1)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸塩(以下、「乳化剤(1)」という。)を全乳化剤成分中に特定割合で含有していることを特徴としている。
式(1)において、Rの炭素数3〜6のアルキル基としては、例えば、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等を挙げることができる。
また、RのRとの合計炭素数が9〜13となるアルキル基としては、例えば、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
また、Mとしては、特にNaが好ましい。
乳化剤(1)としては、特に
【0011】
【化2】
Figure 0003605981
【0012】
【化3】
Figure 0003605981
【0013】
【化4】
Figure 0003605981
【0014】
【化5】
Figure 0003605981
【0015】
が好ましい。
また、乳化剤(1)と共に使用される他の乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができる。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、乳化剤(1)以外のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、高級アルコールの硫酸エステル塩類、脂肪族スルホン酸塩類、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの硫酸エステル塩類等を挙げることができる。
前記ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコールのアルキルエステル類、ポリエチレングリコールのアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールのアルキルフェニルエーテル類等を挙げることができる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐酸エステル塩等の構造をもち、またカチオン部分としてアミン塩、第4級アンモニウム塩等の構造をもつものを挙げることができ、具体的にはラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のベタイン類;ラウリルーβ−アラニン、ステアリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシン等のアミノ酸類等が用いられる。これらの他の乳化剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における全乳化剤成分中の乳化剤(1)の含有率は、50〜95重量%、好ましくは55〜85重量%である。乳化剤(1)の含有率が、50重量%未満では、共重合体の耐水性に劣り、一方95重量%を越えると、塗膜のインク受容性と塗工用組成物の洗浄性が大きく低下するものとなる。
【0016】
本発明の共重合体ラテックスは、(a)脂肪族共役ジエン系単量体20〜70重量%、(b)エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.5〜7重量%および(c)他の共重合可能なビニル系単量体3〜73重量%からなる単量体混合物の共重合体を乳化剤により乳化分散してなる共重合体ラテックスからなるが、かかる共重合体ラテックスは、好ましくは、前記(a)成分、(b)成分および(c)成分からなる単量体混合物を、乳化剤(1)を前記特定割合で含有する乳化剤および重合開始剤の存在下、場合により公知の分子量調節剤、キレート化剤、無機電解質等の共存下で、乳化重合することにより製造される。
前記重合開始剤としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、2、2’ーアゾビスイソビチロニトリル等の油溶性開始剤;酸化剤と還元剤との組み合わせによるレドックス系開始剤等が、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせで使用することができる。
前記分子量調節剤としては、例えば、クロロホルム、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジ−i−プロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲン類;αーメチルスチレンダイマー等の通常の乳化重合に用いられるものが、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における乳化重合に際しては、反応容器に単量体混合物の全量を一括して仕込む方法、単量体混合物を重合の進行に伴って連続的にまたは断続的に仕込む方法、単量体混合物の一部を仕込んで重合を開始したのち、残りの単量体混合物を一括してまたは連続的にもしくは断続的に仕込んで重合する方法等のいずれの方法でもよい。これらの場合、連続的にあるいは断続的に添加される単量体混合物の組成は同一であっても変化させてもよい。
乳化重合の重合温度は、通常、5〜85℃、好ましくは20〜80℃であり、重合時間は、通常、10〜30時間である。また、乳化重合における最終的な重合転化率は、90%以上が好ましい。
本発明の共重合体ラテックスの粒子径は、通常、50〜350nm、好ましくは70〜300nmである。
【0017】
次に、本発明における、前記共重合体ラテックスを含有する紙塗工用組成物は、通常、前記共重合体ラテックスを、無機顔料および/または有機顔料と共に、さらに必要に応じて他のバインダー、助剤等を配合し、混合して調製される。
本発明の紙塗工用組成物における前記共重合体ラテックスの含有量(固形分として)は、顔料100重量部に対して、通常、1〜30重量部、好ましくは3〜25重量部である。共重合体ラテックスの含有量が1重量部未満では、塗膜の接着強度が著しく低下し、一方30重量部を越えると、塗膜のインク乾燥性の低下が著しい。
前記無機顔料としては、例えば、クレー、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、酸化亜鉛等を挙げることができ、また有機顔料としては、例えば、ポリスチレン粒子、尿素ホルマリン樹脂等を挙げることができる。これらの顔料は、目的に応じて、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記他のバインダーとしては、例えば、カゼイン、カゼイン変性物、澱粉、澱粉変性物、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶性物質を、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
さらに、前記助剤としては、一般に使用される種々のラテックス用配合剤、例えば、耐水性改良剤、顔料分散剤、粘度調節剤、蛍光染料、pH調節剤等を挙げることができる。
本発明の紙塗工用組成物は、特にオフセット印刷用紙に対する塗工剤として好適に使用することができる他、凸版印刷、グラビヤ印刷等の他の各種印刷用紙に対する塗工剤や、一般用紙の塗工剤、カーペット裏打ち剤、接着剤、一般用塗料等としても使用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。なお、実施例および比較例における「部」および「%」は、ともに重量基準である。
【実施例】
実施例1
〈共重合体ラテックスの製造〉
内容積10リットルのオートクレーブに、水150部、過硫酸カリウム1部、重亜硫酸ナトリウム0.5部、単量体混合物としてブタジエン40部、スチレン37部、メチルメタクリレート10部、アクリロニトリル10部、イタコン酸1部およびフマル酸2部、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン1部およびα−メチルスチレンダイマー1.5部、乳化剤(1)として前記式(2)、式(3)、式(4)あるいは式(5)で表される各アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの混合物からなり、構成比率が式(2)/式(3)/式(4)/式(5)=20/20/30/30である乳化剤(以下、「乳化剤(1a)」という。)0.6部、他の乳化剤として下記式(6)あるいは式(7)で表される各アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの混合物からなり、構成比率が式(6)/式(7)=20/80である乳化剤(以下、「乳化剤(b)」という。)0.2部およびラウリン酸ナトリウム0.2部を一括して仕込み、65℃で20時間重合させて、表1に示す共重合体ラテックスを製造した。この場合の最終的な重合転化率は98%であった。
この共重合体ラテックスを、共重合体ラテックス(A1)とする。
【0019】
【化6】
Figure 0003605981
【0020】
【化7】
Figure 0003605981
【0021】
共重合体ラテックス(A1)について、粒子径およびトルエン不溶分を下記のようにして測定した。
粒子径:
コールター社製のサブミクロンアナライザー(モデルN4)を用いて、常法により測定した。
トルエン不溶分:
共重合体ラテックス(A1)をpH8.0に調整したのち、i−プロパノールで凝固させた。次いで、この凝固物を洗浄、乾燥したのち、所定量(約0.03g)の試料を所定量(100ミリリットル)のトルエン中に20時間浸漬した。その後、試料を120メッシュの金網でろ過し、得られた残存固形分の仕込み全固形分に対する割合を求めた。
以上の結果を、表1に示す。
【0022】
実施例2
〈共重合体ラテックスの製造〉
内容積10リットルのオートクレーブに、水150部、過硫酸カリウム1部、重亜硫酸ナトリウム0.5部、単量体混合物(初期添加分)としてブタジエン25部、スチレン7部、アクリロニトリル10部、イタコン酸0.5部およびアクリル酸0.5部、分子量調節剤(初期添加分)としてt−ドデシルメルカプタン0.3部、乳化剤(1)(初期添加分)として乳化剤(1a)0.6部、他の乳化剤(初期添加分)として乳化剤(b)0.4部を一括して仕込み、45℃で6時間重合させた。次いで、重合転化率が70%以上であることを確認したのち、単量体混合物(後添加分)としてブタジエン20部、スチレン19.5部、アクリロニトリル10部、メチルメタクリレート6部、アクリル酸0.5部およびイタコン酸1部、分子量調節剤(後添加分)としてtードデシルメルカプタン0.4部およびαーメチルスチレンダイマー0.5部を、60℃で7時間にわたって連続的に添加しつつ重合を継続させ、さらに連続添加終了後6時間にわたって70℃で重合させた。この場合の最終的な重合転化率は99%であった。
この共重合体ラテックスを、共重合体ラテックス(A2)とする。
共重合体ラテックス(A2)の粒子径およびトルエン不溶分を、実施例1と同様にして測定した。
以上の結果を、表1に示す。
【0023】
実施例3〜4
〈共重合体ラテックスの製造〉
表1に示す単量体混合物(初期添加分および後添加分)、分子量調節剤(初期添加分および後添加分)並びに乳化剤成分(初期添加分および後添加分)を用いた以外は、実施例2と同様にして、共重合体ラテックスを製造した。これらの場合の最終的な重合転化率はともに98%であった。
これらの共重合体ラテックスを、それぞれ共重合体ラテックス(A3)、共重合体ラテックス(A4)とする。
共重合体ラテックス(A3)および(A4)の粒子径およびトルエン不溶分を、実施例1と同様にして測定した。
以上の結果を、表1に示す。
【0024】
実施例5
〈共重合体ラテックスの製造〉
内容積10リットルのオートクレーブに、水100部、過硫酸カリウム1部、重亜硫酸ナトリウム0.5部、単量体混合物(初期添加分)としてブタジエン3部、スチレン2部、メチルメタクリレート2部およびアクリロニトリル2部、分子量調節剤(初期添加分)としてtードデシルメルカプタン0.1部、乳化剤(1)(初期添加分)として乳化剤(1a)0.6部、他の乳化剤として乳化剤(b)0.3部およびラウリン酸ナトリウム0.1部を一括して仕込み、65℃で2時間重合させた。次いで、重合転化率が90%以上であることを確認したのち、単量体混合物(後添加分)としてブタジエン41部、スチレン27部、アクリロニトリル14部、メタクリル酸メチル6部、アクリル酸1.5部およびイタコン酸1.5部、分子量調節剤(後添加分)としてtードデシルメルカプタン0.7 部およびαーメチルスチレンダイマー1.5部を、75℃で5時間にわたって連続的に添加して重合を継続させ、さらに連続添加終了後5時間にわたって75℃で重合させた。この場合の重合転化率は98%であった。
この共重合体ラテックスを、共重合体ラテックス(A5)とする。
共重合体ラテックス(A5)の粒子径およびトルエン不溶分を、実施例1と同様にして測定した。
以上の結果を、表1に示す。
【0025】
実施例6
〈共重合体ラテックスの製造〉
表1に示す単量体混合物(初期添加分および後添加分)、分子量調節剤(初期添加分および後添加分)並びに乳化剤成分(初期添加分および後添加分)を用いた以外は、実施例5と同様にして、共重合体ラテックスを製造した。この場合の最終的な重合転化率は99%であった。
この共重合体ラテックスを、共重合体ラテックス(A6)とする。
共重合体ラテックス(A6)の粒子径およびトルエン不溶分を、実施例1と同様にして測定した。
以上の結果を、表1に示す。
【0026】
実施例7〜12
〈紙塗工用組成物の調製と評価〉
実施例1〜6で製造した各共重合体ラテックスを用いて、下記の配合処方により、各オフセット印刷用紙塗工用組成物を調製した。
Figure 0003605981
各オフセット印刷用紙塗工用組成物を塗被原紙上に、塗工量が片面18.0±0.5g/mとなるように、電動式ブレードコーター(熊谷理器(株)製)を用いて塗工したのち、150℃の電気式熱風乾燥機にて15秒間乾燥した。次いで、得られた各塗工紙を温度23℃、湿度50%の恒温恒湿槽内に一昼夜放置したのち、線圧100kg/cm、ロール温度50℃の条件によるスーパーカレンダー処理を4回行った。得られた各塗工紙の性能評価を、下記の方法により行った。
1)ドライピック強度
RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を、肉眼にて5段階で評価した。ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。数値は、5段階評価を6回行ったときの平均値で示した。
2)ウエットピック強度
RI印刷機を用いて、各塗工紙の表面を吸水ロールで湿らしてから、RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を、肉眼にて5段階で評価した。ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。数値は、5段階評価を6回行ったときの平均値で示した。
3)インク受容性
RI印刷機を用いて、各塗工紙の表面に、水を付着させたゴムロールで水を付与したのち、オフセット用墨インクで印刷し、インクの濃さを濃度計(大日本スクリーン(株)製)により測定した。インク濃度値が大きいものほど、インク受容性に優れている。
4)ベトツキ防止性
各共重合体ラテックスをマイラーフィルムに、ワイヤーバーを用いて塗工したのち、140℃で30秒間乾燥して、塗膜を形成させた。この塗膜と黒羅紗紙を合わせて、線圧200kg/cm、ロール温度35℃の条件で、カレンダーに通して圧着させたのち、黒羅紗紙をマイラーフィルムより剥離させ、黒羅紗紙繊維のラテックスフィルム上への転移の程度を、肉眼にて5段階で評価した。転移の少ないものほど高得点とした。数値は、5段階評価を6回行ったときの平均値で示した。
5)紙塗工用組成物の洗浄性
各紙塗工用組成物をマイラーフィルムに、ワイヤーバーを用いて塗工したのち、100℃で10秒間乾燥して、塗膜を形成させた。次いで、マイラーフィルムを水中に浸漬し、10分後の状態を、肉眼にて5段階で評価した。溶解部分の面積が大きいものほど高得点とした。数値は、5段階評価を6回行ったときの平均値で示した。
各塗工紙の評価結果を、表2に示す。
【0027】
比較例1〜5
〈共重合体ラテックスの製造〉
比較例1は、表3に示す単量体混合物、分子量調節剤および乳化剤成分を用いた以外は、実施例1と同様にして、共重合体ラテックスを製造し、また比較例2〜5は、単量体混合物(初期添加分および後添加分)、分子量調節剤(初期添加分および後添加分)並びに乳化剤成分(初期添加分および後添加分)を用いた以外は、実施例2と同様にして、各共重合体ラテックスを製造した。これらの場合の最終的な重合転化率は97〜99%であった。これらの比較例は、乳化剤(1)の含有量が、全乳化剤成分中の50〜95重量%の範囲外である。
得られた共重合体ラテックスを、順次共重合体ラテックス(B1)〜(B5)とする。
共重合体ラテックス(B1)〜(B5)の粒子径およびトルエン不溶分を、実施例1と同様にして測定した。
以上の結果を、表3に示す。
【0028】
比較例6〜10
〈紙塗工用組成物の調製と評価〉
比較例1〜5で製造した各共重合体ラテックスを用い、実施例7〜12と同様にして、各オフセット印刷用紙塗工用組成物を調製したのち、各塗工紙を得て、性能評価を行った。
評価結果を表4に示す。
その結果、比較例6〜10では、乳化剤(1)を全乳化剤成分中の50〜95重量%の範囲で含有していないため、得られた各塗工紙は何れも、ドライピック強度、ウエットピック強度、インク受容性、ベトツキ防止性に劣り、かつ各紙塗工用組成物は何れも洗浄性に劣っている。
【0029】
【表1】
Figure 0003605981
【0030】
【表2】
Figure 0003605981
【0031】
【表3】
Figure 0003605981
【0032】
【表4】
Figure 0003605981
【0033】
【発明の効果】
本発明の共重合体ラテックスは、紙塗工用組成物の構成成分として極めて好適に使用することができる。
また、本発明の紙塗工用組成物は、従来の紙塗工用組成物では達成出来なかった、高度の表面強度、耐水強度、インク受容性、ベトツキ防止性および洗浄性を示し、当該技術分野で要求される幅広い特性について、優れた性能バランスを有するものであり、極めて工業的価値の高いものである。

Claims (2)

  1. (a)脂肪族共役ジエン系単量体20〜70重量%、(b)エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.5〜7重量%および(c)他の共重合可能なビニル系単量体3〜73重量%からなる単量体混合物の共重合体を乳化剤により乳化分散してなる共重合体ラテックスにおいて、前記乳化剤が下記式(1)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸塩を全乳化剤成分中に50〜95重量%含有することを特徴とする共重合体ラテックス。
    Figure 0003605981
    (式中、Rは炭素数3〜6のアルキル基を示し、RはそれとRとの合計炭素数が9〜13となるアルキル基を示し、MはK、NaまたはNHを示す。)
  2. 請求項1に記載の共重合体ラテックスを含有することを特徴とする紙塗工用組成物。
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