JP4868828B2 - 共重合体ラテックス組成物、印刷紙塗被用塗料組成物、及び印刷用塗工紙 - Google Patents

共重合体ラテックス組成物、印刷紙塗被用塗料組成物、及び印刷用塗工紙 Download PDF

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本発明は、紙塗工における顔料バインダーに用いられる共重合体ラテックス組成物、その共重合体ラテックス組成物を使用した印刷塗被紙用組成物及び該印刷塗被紙用組成物が塗工処理された印刷用塗工紙に関するものである。更に詳しくは、高い接着強度(ピック強度及び湿潤ピック強度)、実機印刷適性、塗工操業性を有し、かつ優れた生産性をも有する共重合体ラテックス組成物、印刷塗被紙用組成物及び該印刷塗被紙用組成物が塗工処理された印刷用塗工紙に関するものである。
共重合体ラテックス及びその組成物は、紙塗工における顔料バインダー、カーペットバッキング剤、各種接着剤および粘着剤、繊維結合剤ならびに塗料など広範な用途に用いられてきた。これらの用途に用いられる共重合体ラテックス及びその組成物には、基材や配合される顔料などに対する優れた接着力が要求される。
塗工紙は、抄造された紙の表面の平滑性を高め、光沢や印刷適性を向上させる目的で、原紙にカオリンクレー、炭酸カルシウム、サチンホワイト、タルク、酸化チタンなどの無機顔料およびプラスチック顔料などの有機顔料を塗布したものであり、これらの顔料のバインダーとしてジエン系共重合体ラテックスが一般的に用いられている。顔料バインダーとして用いられる共重合体ラテックスの性質は、これを利用した塗工紙の表面強度に大きな影響を及ぼすことが知られている。
近年、カラー印刷された雑誌類やパンフレット、広告等の需要の増大に伴い、印刷速度の高速化が進められており、特にインクのタックによる紙の表面の破壊に対する抵抗性(いわゆるピック強度及び湿潤ピック強度)の改善が以前にも増して要求されるようになった。加えて印刷速度の高速化によって、印刷機のロール上に紙粉等の異物が堆積し、印刷物の品質を低下させる弊害(いわゆるパイリングトラブル)の発生も解決すべき課題となっている。また、塗工紙を生産する製紙メーカーにとっては、製品のコストダウンが主要課題の1つでもあり、共重合体ラテックスの使用割合を減らす事が要求され、この観点でも共重合体ラテックスの持つ性能としての接着強度(ピック強度及び湿潤ピック強度)の改善が望まれている。
一方、塗工紙の生産においても、生産能力および生産性の向上のため塗工速度の高速化が進められ、ここでも塗工操業性に影響を与える共重合体ラテックスへの品質要求は高まっている。塗工紙の製造は、先に述べた共重合体ラテックスを主バインダーとする塗工液が、原紙にフラッデドニップロールやジェットファウンテン方式によってアプリケートされ、ブレード等によって余分な塗工液が掻き取られ、塗工液の所定量を塗布し、乾燥するのが一般的な方法である。塗工紙は表裏両面に印刷されることが多く、このため塗工紙の生産では、原紙の片面(おもて面)に塗布乾燥後、もう一方の面(裏面)に同様な方法で処理が行われる。
このブレードによる計量の際に塗工紙はブレードとバッキングロールとの間で高いシェアーと圧力を受け、特に裏面塗工時におもて面の塗工層表層部分がバッキングロールに転移する、いわゆるバッキングロール汚れを発生することがあり、汚れの発生が著しくなると原紙の紙切れや頻繁な研磨によるロール洗浄の必要が生じ、生産性が低下する。この塗工操業性の改良には、ロールへの転移を少なくするためには共重合体ラテックスの粘着性を低減させることが有用である。すなわち、共重合体ラテックスの耐湿潤ベタツキ性を低減させることが有効である。
また、共重合体ラテックスを商業生産する製造メーカーにとっては、製品の生産性を向上させる事が大きな課題である。一般に共重合体ラテックスの生産時には、機械的なせん断力等によって分散安定性が損なわれる事に起因し、共重合体の一部が凝集して凝固物が発生するが、これを除去する必要があり、共重合体ラテックスを濾過してこれを実施する。この濾過に要する時間を短縮する事により、生産性を向上させる事が有効である。
以上のような塗工紙の品質向上や塗工紙生産の操業上の問題解決、及び共重合体ラテックスの生産性改良を目的として、共重合体ラテックスについては様々な改良がなされてきた。例えば、ピック強度を改良する目的で共役ジエン系単量体の組成比率を上げて共重合体のガラス転移温度を低くする方法がある。しかし、この方法では白紙光沢の低下および耐湿潤ベタツキ性が低下する問題点が残る。
また、例えば、特定の単量体組成で二段もしくは多段で重合を行う共重合体ラテックスの改良が多数提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7)。しかしながらこれらの発明では、塗工紙のピック強度、湿潤ピック強度の向上とバッキングロール汚れ特性の向上を両立させる手段としていずれも不十分なものであった。またこれらの発明では、塗工紙のパイリング適性を充分なレベルに引き上げる事は不能であり、共重合体ラテックスの生産性を向上させる効果についても有してはいない。
更にパイリングトラブルの防止技術については、キャスト塗工紙用に、メチルメタクリレートの含有量の多いスチレンブタジエン共重合体ラテックスを使用する方法(特許文献8)が開示されている。また、感熱記録材料用のアンダーコート用に、特定の化合物の存在下で得られた特定の範囲のガラス転移温度を有する共重合体ラテックスが開示されている(特許文献9)。しかし、いずれの発明でも前述の問題点は解決できない。
また、共重合体ラテックスの生産性を向上させるため、共重合体ラテックスの濾過に要する時間を短縮する観点から、重合工程で発生する凝固物の量を低減させる方法が開示されている(特許文献10、特許文献11)。しかし、実際には凝固物の量を低減させる事だけでは、濾過に要する時間を大幅に改良(短縮)する事は不能であり、また、濾過を行わずに共重合体ラテックスを紙塗被紙用組成物に用いる事は、凝固物の存在量が微小であったとしても、塗工紙の製造工程において塗工紙上にストリーク、スクラッチが発生する懸念が残るため、事実上不可能である。そのため、従来とは異なる観点での、濾過に要する時間短縮の改良が望まれている。
特公昭62−58371号公報 特公昭62−31116号公報 特公昭64−2716号公報 特公昭60−19927号公報 特開平4−41502号公報 特開平5−272094号公報 特開平7−247327号公報 特開平5−239799号公報 特開2005−103941号公報 特開平5−9336号公報 特開2000−262877号公報
本発明は、以上のような状況から、塗工紙のピック強度と湿潤ピック強度を向上させ、印刷時のパイリング適性をも向上させ、更に耐湿潤ベタツキ性に優れてバッキングロール汚れの抑制効果をも有し、且つ製品生産性の高い共重合体ラテックス組成物を提供することを課題とする。好ましくは、該共重合体ラテックス組成物を使用した印刷紙塗被用塗料組成物、印刷用塗工紙を提供する事を目的とする。
本発明者は、上述の問題点を解決するために鋭意検討した結果、共重合体ラテックスに関し、出発原料である単量体組成を特定範囲に限定すると共に多段重合法を行い、かつ特定の分散剤を添加して共重合体ラテックス組成物とし、エチレン系不飽和カルボン酸に関して、共重合体ラテックス粒子の表層及び共重合体ラテックス組成物の水相への分配に着目し、鋭意検討した結果、本発明に至った。
即ち本発明は、下記の通りである。
[1]共重合体ラテックス(α)を主として含む固相部分と、分散剤(β)を含む水相部分とからなる塗工紙用共重合体ラテックス組成物であって、
共重合体ラテックス(α)は、(a)共役ジエン系単量体25〜60質量%、(b)二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を含むエチレン系不飽和カルボン酸単量体1.5〜7質量%、(c)シアン化ビニル単量体10〜30質量%、および(d)その他共重合可能な単量体3〜63.5質量%(但し(a)+(b)+(c)+(d)=100質量%)から成る単量体組成物を、少なくとも二段の重合工程を経る乳化重合によって得られるものであり、
前記(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体に含まれる二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体は、その80質量%以上が他の単量体とは別途独立して水溶液として乳化重合の系内に添加されるものであり、その添加開始時期は前記重合工程の第二段以降で、系内の単量体の転化率が65〜95質量%の範囲になった時点から、且つ重合工程の第二段以降の単量体混合物の0〜25質量%を乳化重合の系内に添加した時点とし、
前記分散剤(β)は、ポリアクリル酸及びその金属塩、ピロリン酸及びその金属塩、ヘキサメタリン酸及びその金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種のものであり、
さらに、前記固相部分の表面カルボン酸量(X)と、前記水相部分の水中カルボン酸量(Y)とが、下記式(1)を満たすことを特徴とする共重合体ラテックス組成物の製造方法
0.3<(X)/((X)+(Y))<0.7 ・・・・・(1)
[2]前記共重合体ラテックス(α)は、前記の少なくとも二段の重合工程の各重合段において用いられる単量体混合物(但し第二重合段以降で使用される二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を除く)から得られる共重合体の溶解度パラメーター(SP値)の、前重合段における値に対する直後の重合段における増分が、0.01以上0.8以下のものであることを特徴とする請求項1に記載の塗工紙用共重合体ラテックス組成物の製造方法
本発明の共重合体ラテックス組成物によれば、塗工紙のピック強度及び湿潤ピック強度向上と耐湿潤ベタツキ性向上の両立が図れる。その結果、共重合体ラテックスを含む印刷紙塗被用塗料組成物を用いた塗工工程での操業性、特にバッキングロール汚れトラブルを抑制でき、かつ印刷用塗工紙に極めて優れたピック強度と湿潤ピック強度を付与でき、印刷時のパイリングトラブルを防止する事ができる。更には共重合体ラテックス組成物の生産において、極めて高い製品生産性を実現する事が可能となる。
以下、本発明について、特にその好ましい実施の形態を中心に、具体的に説明する。本発明の塗工紙用共重合体ラテックス組成物は、共重合体ラテックス(α)を主として含む固相部分と、分散剤(β)を含む水相部分とからなる。ここで、固相部分とは、水分散性で後述の遠心分離法により沈降する部分を言う。ここで、共重合体ラテックスを主として含むとは、固相部分の水以外の成分(以下、固相成分ということがある)の50質量%以上が、前述の単量体(a)〜(d)を出発原料とする共重合体粒子であることを意味する。
また、水相部分とは、後述の遠心分離法により沈降しない水溶液の状態の部分を言う。水相部分は、分散剤(β)を含み、その他に未反応のモノマー、水溶性のオリゴマー及び共重合体粒子に結合・吸着しない乳化剤のような低分子量の成分を含む。
まず、共重合体ラテックス組成物を構成する主成分となる、共重合体ラテックス(α)について説明する。共重合体ラテックス(α)は、(a)共役ジエン系単量体25〜60質量%、(b)二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を含むエチレン系不飽和カルボン酸単量体1.5〜7質量%、(c)シアン化ビニル単量体10〜30質量%、および(d)その他共重合可能な単量体3〜63.5質量%(但し(a)+(b)+(c)+(d)=100質量%)から成る単量体を、少なくとも二段の重合工程を経る乳化重合によって得られる。以下、これらに付いて順次説明する。
共重合体ラテックス(α)の原料の1つである(a)共役ジエン系単量体は、共重合体に柔軟性を与え、ピック強度、衝撃吸収性を与えるために必須の成分であり、該共重合体を構成する全単量体を100質量%とした場合、25〜60質量%、好ましくは30〜55質量%、最も好ましくは32〜50質量%の割合で用いられる。この単量体の使用量を上記範囲に設定する事により、共重合体に適度の柔軟性と弾性を付与してピック強度を向上させ、更には耐湿潤ベタツキ性を向上させる事ができる。使用される共役ジエン系単量体の好ましい例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどがあげられ、これらは1種または2種以上が組み合わせて用いられる。
また、原料の1つである(b)二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を必須成分とするエチレン系不飽和カルボン酸単量体は、共重合体ラテックスに必要な分散安定性を与え、ピック強度を高めるための必須成分であり、該共重合体を構成する全単量体を100質量%とした場合、全単量体に対し1.5〜7質量%、好ましくは2〜6質量%、更に好ましくは2.5〜5質量%の割合で用いられる。この単量体の使用量を上記範囲に設定する事により、共重合体ラテックス及びその組成物の耐湿潤ベタツキ性を良好(べたつかない)に保つ事が可能になり、塗工工程におけるさまざまな問題発生を回避する事ができる。また共重合体ラテックス組成物の粘度を取り扱いに支障をきたさない適度な範囲に調整する事が可能である。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体の好ましい例としては、アクリル酸、メタクリル酸等の一塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体などがあげられ、これらは1種または2種以上が組み合わせて用いられる。
ここで重要な事は、二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を必須成分として使用することであり、一塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体との組合せで使用しても構わないが、使用するエチレン系不飽和カルボン酸単量体の全質量に対し、少なくとも40質量%以上、好ましくは50質量%以上、最も好ましくは55質量%以上が二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体であることである。二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の使用割合をこの範囲に定める事により、耐湿潤ベタツキ性を良好なレベルに調整する事が可能になる。
また、原料の1つである(c)シアン化ビニル単量体は、耐湿潤ベタツキ性の向上に必須の成分であり、該共重合体を構成する全単量体を100質量%とした場合、全単量体に対し10〜30質量%、好ましくは13〜25質量%、更に好ましくは15〜22質量%の割合で用いられる。この単量体の使用量を上記範囲に設定する事により、耐湿潤ベタツキ性を向上させる効果が得られ、かつ共重合体ラテックスの重合安定性を低下させる事がない。シアン化ビニル単量体の好ましい例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどがあげられ、これらは1種または2種以上が組み合わせて用いられる。
また、他の原料として(d)上記単量体と共重合可能な他の単量体を含む。この共重合可能な他の単量体を適宜選択することにより、共重合体ラテックス及びその組成物にさまざまな特性を付与できる。共重合可能な他の単量体の好ましい例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸アルキルエステル類、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのヒドロキシアルキルエステル類、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチルなどのアミノアルキルエステル類、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンなどのピリジン類、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどのグリシジルエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、グリシジルメタクリルアミド、N,N−ブトキシメチルアクリルアミドなどのアミド類、酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル類、p−スチレンスルホン酸及びそのナトリウム塩などがあげられ、これらは1種または2種以上が組み合わせて用いればよい。
この(d)共重合可能な単量体は、共重合体ラテックス(α)を構成する全単量体を100質量%とした場合、全単量体に対し3〜63.5質量%、好ましくは23〜50.5質量%の割合で用いられる。この単量体を上記範囲で使用する事で、好適な接着強度が発現する。
共重合体ラテックス(α)の製造法は、従来商業的に用いられている乳化重合法の装置を使用して行われるものであるが、少なくとも二段の重合工程を含む多段重合法を取る事が必要であり、これにより目的の課題が達成される。多段重合法とは、例えば特開2002−226524号公報に開示されている如く、組成の異なる複数の単量体混合物を準備し、重合反応の進行に伴って系内に添加する単量体混合物の組成を、重合反応の途中で変化させる重合法である。
共重合体ラテックス(α)を得る為には、多段重合を行うに当たり、各重合段の単量体混合物の組成が重要である。重合反応における時系列的な観点で整理した場合、最初の工程を第一重合段、これに続く工程を第二重合段、(更にこれに続く第三重合段以降が存在しても良い)と定義した場合に、各重合段における単量体混合物から得られる共重合体のガラス転移温度については、より後段の重合段ほど高いTgの得られる単量体混合物の組成にする事が望ましい。また第一重合段で用いる単量体混合物の量と、第二重合段以降の各重合段で用いられる単量体混合物合計量との質量比は、40:60〜80:20の範囲に入る事が好ましく、より好ましくは45:55〜65:35の範囲に入る事である。この範囲に入ることで共重合体ラテックス(α)及びその組成物のピック強度・湿潤ピック強度と耐湿潤ベタツキ性を高める事ができる。最も好ましい範囲は、55:45〜62:38の範囲である。
また、各重合段において用いられる単量体混合物(但し第二重合段以降で使用される二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を除く)から得られる共重合体の溶解度パラメーター(SP値)に関して、ある重合段で用いられる単量体混合物組成から得られる共重合体のSP値を基準として、その重合段の直後の重合段で用いられる単量体混合物組成から得られる共重合体のSP値の増分(以下ΔSP値と定義する。)が0.01以上0.8以下の範囲に入る様、各重合重合段の単量体混合物組成が調整される事が好ましい。つまり、隣接する重合段の各SP値がこの差を有していることが好ましい。このΔSP値が0.01以上0.8以下の範囲に入る事によって、耐湿潤ベタツキ性とピック強度、湿潤ピック強度、パイリング適性のいずれにも優れる共重合体ラテックス(α)及びその組成物が得られる。ΔSP値のより好ましい範囲は、0.1以上0.6以下、更に好ましい範囲は0.2以上0.5以下である。各重合段のSP値の調整は、単量体混合物を構成する単量体の種類と量で実施可能であるが、特に、SP値が低い(a)共役ジエン系単量体と、SP値が高い(c)シアン化ビニル単量体の使用量割合が重要な因子である。
更に、カルボン酸の使用方法をある特定の条件下に限定することが好ましい。前述の様に、出発原料として二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を使用する事が必須条件であるが、この二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体については、重合開始時点で系内に存在する量と重合開始後に系内に後添加する量との比、および系内に後添加するタイミングが重要である。
即ち、二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体量の少なくとも60質量%以上は、第二重合段以降で、かつその時点までに系内に添加された単量体の重合転化率が65〜95質量%の範囲になったいずれかの時点から系内に後添加を開始する事が好ましく、この条件が満たされる事によって、得られる共重合体ラテックス(α)及びその組成物は良好な耐湿潤ベタツキ性を有し、この共重合体ラテックス組成物を使用した印刷紙塗被用塗料組成物は良好な塗工操業性を有する。また二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の反応転化率を適性な範囲まで引き上げる事が同時に可能となる。系内に後添加される二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体量割合のより好ましい範囲は80質量%以上であり、最も好ましくは90質量%以上である。この工程で使用される二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の量は、使用する全単量体を100質量部とした場合に、1.5〜3.5質量部に入る事が好ましい。系内に後添加する二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の割合、及び量がこの範囲にはいる事で、共重合体ラテックス(α)及びその組成物は高い耐湿潤ベタツキ性を有する。
後添加される二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の系内への後添加開始時期は、その時点までに系内に添加された他の単量体の重合転化率が70〜90質量%になった時点から、系内に後添加開始される事がより好ましい。
系内に後添加される二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の例としては、イタコン酸、フマル酸等が挙げられるが、得られる共重合体ラテックス(α)及びその組成物のピック強度・湿潤ピック強度の観点、及び取り扱いの容易性の観点から、イタコン酸が最も好ましい。また、後添加される二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の添加方法については、第二重合段以降の単量体混合物中に(必要なら予め乳化して)混合する方法、単量体混合物とは別途、単独で系内に添加する方法等があるが、得られる共重合体ラテックス(α)及びその組成物の耐湿潤ベタツキ性を良好なレベルにする為に、或いは他の単量体の重合転化率が適切となる時点から添加を開始する為には、二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を単独で水溶液化し、他の単量体混合物とは別途独立して系内に添加する事が好ましい。後添加する二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の水溶液濃度は5〜30質量%、好ましくは10〜20質量%の範囲にあることが、量産設備での効率を考慮すると好ましい。また系内に添加される前に二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の変質や重合を抑制し、系内に添加された後の系内の温度を安定化させる為には、この水溶液の温度は、30〜80℃、好ましくは40〜65℃の範囲にある事が好ましい。
系内に後添加する二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体の添加に要する時間は、後添加開始から45〜120分をかけて全量を系内に添加する事が好ましく、この範囲の時間で系内に後添加することにより、得られる共重合体ラテックス(α)及びその組成物の耐湿潤ベタツキ性が優れる。
共重合体ラテックス(α)を製造するに当たっては、上述した特定の方法以外については制限は特になく、水性媒体中で界面活性剤の存在下、ラジカル開始剤により重合を行うなどの方法を用いることができる。
使用する乳化剤についても特に制限はなく、従来公知のアニオン、カチオン、両性および非イオン性の界面活性剤を用いることができる。好ましい界面活性剤の例としては、脂肪族セッケン、ロジン酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩などのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマーなどのノニオン性界面活性剤があげられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いられる。使用される界面活性剤の量は、単量体100質量部当たり、0.3〜2.0質量部である事が好ましい。
ラジカル開始剤は、熱または還元剤の存在下でラジカル分解して単量体の付加重合を開始させるものであり、無機系開始剤、有機系開始剤のいずれも使用することが可能である。好ましい例としてはペルオキソニ硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物などがあり、具体的にはペルオキソニ硫酸カリウム、ペルオキソニ硫酸ナトリウム、ペルオキソニ硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスブチロニトリル、クメンハイドロパーオキサイドなどがあげられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。また酸性亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸やその塩、エリソルビン酸やその塩、ロンガリットなどの還元剤を重合開始剤と組み合わせて用いる、いわゆるレドックス重合法を用いることもできる。
共重合体ラテックス(α)を製造する場合、ラジカル重合において通常用いられる公知の連鎖移動剤を用いることが可能である。連鎖移動剤の好ましい例としては、核置換α−メチルスチレンの二量体のひとつであるα−メチルスチレンダイマー、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタンなどのメルカプタン類、テトラメチルチウラジウムジスルフィド、テトラエチルチウラジウムジスルフィドなどのジスルフィド類、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化誘導体、2−エチルヘキシルチオグリコレートなどがあげられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。連鎖移動剤の添加方法にも特に制限はなく、一括添加、回分添加、連続添加など公知の添加方法が用いられる。
共重合体ラテックス(α)を製造する場合の重合温度は、特に制約はなく、通常40〜100℃の範囲で行う事が一般的であるが、生産効率と、得られる共重合体ラテックス(α)及びその組成物のピック強度等の品質の観点からは、重合開始時から単量体混合物の添加終了時までの期間においては、55〜85℃の範囲が好ましく、より好ましくは60〜80℃の範囲である。また全単量体を重合系内に添加終了後に、各単量体の重合転化率を引き上げる為に、重合温度を上げる方法(いわゆるクッキング工程)を設ける事も可能であり、この工程の重合温度は80〜100℃の範囲にある事が好ましい。
共重合体ラテックス(α)を製造する場合の重合固形分濃度は、生産効率と、乳化重合時の粒子径制御の観点から、35〜60質量%、更に好ましくは40〜50質量%である。ここにいう固形分濃度とは、乾燥により得られた固形分質量の、元の共重合体ラテックス質量に対する割合を言う。
共重合体ラテックス(α)を製造する方法に関しては、乳化重合の系内に各重合段の単量体混合物を添加する手段については特に制約はない。単量体混合物の一部を一括して予め乳化重合系内に仕込み重合した後、残りの単量体混合物を連続的もしくは間欠的に仕込む方法、あるいは単量体混合物を各重合段の最初から連続的または間欠的に仕込む方法を採りうるものであり、これらの重合方法を組み合わせて重合してもよいが、商業生産ベースにおいて、発生する重合熱の除去の観点から、製品の生産性を考慮した場合に、特に第二重合段以降については連続的に系内に添加する方法が好ましい。
共重合体ラテックス(α)の製造に際しては、粒子径の調整のため公知のシード重合法を用いることも可能であり、シードを作製後同一反応系内で共重合体ラテックスの重合を行うインターナルシード法、別途作製したシードを用いるエクスターナルシード法などの方法を適宜選択して用いることができる。
上記のようにして得られた共重合体ラテックス(α)のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されるものではないが、塗工紙用途におけるピック強度・湿潤ピック強度とラテックスの耐湿潤ベタツキ性を両立させる観点から、−20℃〜+40℃で有ることが好ましく、より好ましくは−15℃〜+35℃、さらに好ましくは−10〜+30℃の範囲にあることである。Tgは1種類の共重合体ラテックスにおいて1点だけに限定されず、複数のTgを有していても良い。
また、共重合体ラテックス(α)の粒子径は、50〜150nmであることが好ましい。より好ましくは60〜110nmにあることが好適である。この範囲の粒子径に設定する事により、ラテックスの粘度を好適な範囲に調整する事が可能であり、作業性を低下せしめない。更には、ピック強度・湿潤ピック強度の低下や塗料粘度上昇発生を抑制させる事ができる。
また、共重合体ラテックス(α)のゲル分率(トルエン不溶分)は、70〜98質量%にあることが好ましく、更に好ましくは80〜97質量%、最も好ましくは88〜96質量%の範囲にあることである。この範囲にゲル分率を調整する事によって、共重合体ラテックス及びその組成物の耐湿潤ベタツキ性と塗工紙のピック強度を同時に向上させる事ができる。
次に、共重合体ラテックス組成物を構成する2番目の成分である、分散剤(β)について具体的に説明する。分散剤(β)としては、ポリアクリル酸及びその金属塩、ピロリン酸及びその金属塩、ヘキサメタリン酸及びその金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが必要である。このような特定の分散剤(β)を用いることにより、共重合体ラテックス組成物の耐湿潤ベタツキ性を向上させ、且つ共重合体ラテックス組成物の濾過に要する時間を短縮させることが可能となる。中でも、ポリアクリル酸及びその金属塩が好ましく、最も好ましいものはポリアクリル酸ナトリウムである。ポリアクリル酸ナトリウムを用いる場合は、平均分子量が1000〜10000程度のものを用いるのが望ましい。また、分散剤(β)の添加量としては、共重合体ラテックス(α)の固形分100質量部当たり、0.2〜3質量部とするのが、耐湿潤ベタツキ性、湿潤ピック強度向上、及び濾過に要する時間短縮の観点から好ましい。最も好ましい範囲は、0.4〜1.5質量部である。
共重合体ラテックス組成物は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の存在部位に関して、特定の条件を満たしていることが必要である。ここにいうエチレン性不飽和カルボン酸には、共重合体ラテックスを製造する際の原料して直接使用されたもの、反応の副産物として生成するもの、及び分散剤等の各種添加剤に含まれるか又はこれより反応により生成するもの、が含まれる。これらのエチレン系不飽和カルボン酸単量体に関して、共重合体ラテックス組成物中で共重合体ラテックスの粒子表面に結合して存在する量、すなわち表面カルボン酸量(X)と、共重合体ラテックス組成物の水相中に存在する量、すなわち水中カルボン酸量(Y)との比が特定の範囲に入る事が必要である。即ち、(X)と(Y)に関して下記式(1)を満たす事が必要である。
0.3<(X)/((X)+(Y))<0.7 ・・・・・(1)
尚、(X)、(Y)の値は、共重合体ラテックス組成物の固形分1g当たりの酸量(meq/g)を示している。ここで、固形分とは、共重合体ラテックスから水及びその他揮発成分を除去した残りの成分をいう。
上記式を満たす事により、共重合体ラテックス組成物はピック強度、湿潤ピック強度、パイリング適性、耐湿潤ベタツキ性について良好な性能を有し、かつ該共重合体ラテックスを使用した印刷紙塗被用塗料組成物は良好な塗工操業性を有する事が可能になる。更には共重合体ラテックス組成物の濾過に要する時間を劇的に短縮する事が可能になり、製品生産性が大きく向上する。この理由は定かではないが、共重合体ラテックス組成物の粘度低減が図れること、及び粘着性の抑制により濾過装置に設置された各種のメッシュの孔の目詰まりが起こりにくくなる事が要因と考える。
(X)/((X)+(Y))の値は、好ましくは0.4以上0.6以下の範囲に入ることである。この(X)/((X)+(Y))の値は、共重合体ラテックスの原材料として使用するエチレン系不飽和カルボン酸単量体の種類と量、重合開始剤量や連鎖移動剤量の調整による重合反応速度の制御、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の添加方法、添加する分散剤の種類と量、及び添加条件等の手段により、適宜所望の範囲に調整する事が可能である。
共重合体ラテックス組成物には、必要に応じて公知の各種重合調整剤を用いることができる。これらはたとえばpH調整剤、キレート剤などであり、pH調整剤の好ましい例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムなどがあげられ、キレート剤の好ましい例としてはエチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどがあげられる。
共重合体ラテックス組成物の、最終製品としての固形分濃度についても特に制限はなく、通常固形分濃度は30〜60質量%の範囲に希釈もしくは濃縮して調製される。
共重合体ラテックス組成物には、その効果を損ねない限り、必要に応じて各種添加剤を添加すること、あるいは他のラテックスを混合して用いることが可能であり、例えば分散剤以外にも、消泡剤、老化防止剤、耐水化剤、殺菌剤、印刷適性剤、滑剤などを添加すること、アルカリ感応型ラテックス、有機顔料などを混合して用いることもできる。ここで脂肪酸エステルの共重合体からなる滑剤を添加すると、耐湿潤ベタツキ性の効果がより高まる。
次に、前述の共重合体ラテックス組成物を紙塗工用塗料のバインダーとして用いることにより印刷紙塗被用塗料組成物が得られる。これは、通常行われている実施態様で製造することができる。すなわち、分散剤を溶解させた水中に、カオリンクレー、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク等の無機顔料、プラスチックピグメントやバインダーピグメントとして知られる有機顔料、澱粉、カゼイン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子、増粘剤、染料、消泡剤、防腐剤、耐水化剤、滑剤、印刷適性向上剤、保水剤等の各種添加剤とともに共重合体ラテックス組成物を添加して混合し、均一な分散液(印刷紙塗被用塗料組成物)とする態様である。
ここで、共重合体ラテックス組成物は、紙塗被用塗料組成物を構成する顔料については、その平均粒子径が小さいものを主として用いた場合に、特に顕著なピック強度の改良効果を発現する。即ち、カオリンクレーについては、2μm以下の粒子が90質量%以上であるもの、炭酸カルシウムについては2μm以下の粒子が90質量%以上である顔料を用いる場合に、その効果がより顕著となるのである。
顔料と共重合体ラテックス組成物との使用割合は、組成物の使用目的によって適宜決定することが出来るが、顔料100質量部に対して共重合体ラテックス組成物3〜30質量部を用いる事が好ましい。そして、この印刷紙塗被用塗料組成物は、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーターなどを用いる通常の方法によって原紙に塗工することができるが、ブレードコーターを用いる事が好ましい。塗工形態も原紙に対し片面、又は表裏の両面に塗工されうるものであり、また片面当たりの塗工回数についても1回であるシングル塗工の他、2回の塗工工程を行ういわゆるダブル塗工に供する事もできる。この場合、共重合体ラテックス組成物はその下塗り用顔料組成物、及び上塗り用顔料組成物のいずれにも用いる事ができる。
次に、前述の印刷紙塗被用塗料組成物を用いて、表面に塗工処理して印刷用塗工紙を得ることができる。この印刷用塗工紙は、オフセット枚葉式印刷用紙、オフセット輪転式印刷用紙、グラビア式印刷用紙、凸版式印刷用紙等の各種印刷用紙及び板紙、ダンボール用紙、包装紙等に好適に用いられるが、特にオフセット枚葉式印刷用紙及びオフセット輪転式印刷用紙に用いられる事が望ましい。
更に、上述の共重合体ラテックス組成物は、紙のコーティング剤、カーペットバッキング剤、その他接着剤、各種塗料にも用いる事ができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例の具体的態様に限定されるものではない。
[各物性の評価方法]
(1)ピック強度:
RI印刷試験機(明製作所製)を用いて、印刷インク(T&K TOKA社製SDスーパーデラックス50紅B;タック18)(商品名)0.4ccを1回刷りし、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の台紙に裏取りし、その状態を観察した。評価は10点評価法とし、ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。
(2)湿潤ピック強度:
RI印刷試験機(明製作所製)を用いてスリーブロールで塗工紙表面に給水し、その直後に印刷インク(T&K TOKA社製SDスーパーデラックス50紅B;タック15)0.4cc1回刷りし、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の台紙に裏取りし、その状態を観察した。評価は10点評価法とし、ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。
(3)塗工紙のパイリング適性:
RI印刷試験機(明製作所製)を用いて、印刷インク(東洋インキ製造株式会社製 TK ハイエコー藍M)0.4ccを20回重ね刷りし、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の台紙に裏取りし、その状態を観察した。評価は10点評価法とし、ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。
(4)系内に添加された単量体混合物の重合転化率:
反応の任意時間で重合槽から取り出したサンプルを熱風乾燥機中で130℃で1時間乾燥し、乾燥前質量と乾燥後質量から固形分濃度(%)を求める。次に、下記式(2)により重合転化率を求める。
重合転化率(%)=100×(固形分濃度−不揮発分濃度)/揮発分濃度・・(2)
ここに、不揮発分濃度とは、サンプル採取時までに反応系内に添加した単量体混合物中の開始剤、乳化剤、カルボン酸などの揮発しない成分の質量割合(%)の合計値であり、揮発分濃度とは、サンプル採取時までに反応系内に添加した単量体混合物中のブタジエン、スチレンなどの揮発成分の質量割合(%)の合計値である。
(5)共重合体ラテックスの粒子径:
動的光散乱法により、光散乱光度計(シーエヌウッド社製、モデル6000)を用いて、初期角度45度−測定角度135度で測定した。
(6)共重合体ラテックス組成物の固相部分の表面カルボン酸量、および水相部分の水中カルボン酸量:
○共重合体ラテックス組成物の固相部分の表面の全酸量および水相部分の水中カルボン酸量の合計量
固形分濃度既知の共重合体ラテックス組成物5gを秤量し、蒸留水を添加して総量が50gになるように希釈する。この希釈された共重合体ラテックス組成物を、自動滴定装置(平沼産業社製:COM−980)にセットし、攪拌を開始する。次いで共重合体ラテックス組成物のpHが2以下になるまで、1規定の硫酸を添加する(この操作により、過硫酸塩等の強酸の影響が排除され、エチレン系不飽和カルボン酸の量だけを検出する事が可能になる)。次いで0.5規定の水酸化カリウム水溶液を用いて電位差滴定を行い、滴定値に対する電位の値をプロットし、2つの変曲点間の滴定量から、共重合体ラテックス組成物の固形分1g当たりの酸量(meq/g)を算出する。この値を(Z)とする。
○固相部分の表面カルボン酸量
初めに共重合体ラテックス組成物の水相に含まれる水以外の成分(水相成分)を除去する操作を行う。固形分濃度既知の共重合体ラテックス組成物の適量を秤量し、ノニオン系界面活性剤(日本乳化剤社製:ニューコール506)(商品名)の1%水溶液を添加して、共重合体ラテックス組成物の固形分濃度が5%になるまで希釈する。遠心分離機(日立工機社製:CR26H)を使用し、26,000rpmで2時間、遠心分離を行い、共重合体ラテックス組成物を粒子層と水相とに分離する。この操作で沈降した成分を採取し、上記のノニオン系界面活性剤水溶液を添加し、振とう機で再分散させる。これらの遠心分離と再分散の処理を繰返し、3回目の再分散には、ノニオン系界面活性剤水溶液ではなく、蒸留水を用いて行う。水相成分が除去され、再分散された共重合体ラテックスに、イオン交換樹脂(三菱化成製:DIAION SK1B)(商品名)を5g添加し5分間攪拌したのち、濾過にてイオン交換樹脂を除去する。この操作(イオン交換樹脂添加/除去)を、共重合体ラテックスのpHが変化しなくなるまで繰返し、前述の遠心分離/再分散の処理、及びイオン交換の処理により、元の共重合体ラテックス組成物中の水相成分が完全に除去されて、再分散された共重合体ラテックスが得られる。得られたこの共重合体ラテックスの固形分濃度を測定しておく。
続いて上記処理により得られた共重合体ラテックス15gを秤量し、蒸留水を用いて総量が50gになるよう希釈する。これを自動滴定装置(平沼産業社製:COM−980)にセットし、攪拌を開始し、0.1規定の水酸化カリウム水溶液を使用して電導度滴定を行う。滴定量の増加に従って電位が上昇し始める点が存在するが、この点までに添加された水酸化カリウム水溶液の量から、共重合体ラテックスの固相部分の表面のカルボン酸に限定されない全酸量が求まり、これを、共重合体ラテックスの固形分1g当たりの酸量(meq/g)、Xaとする。
次いで上記測定とは別に、同じく水相成分を除去して得られた固形分濃度既知の共重合体ラテックス15gを秤量し、蒸留水を用いて総量が50gになるよう希釈する。これを自動滴定装置(平沼産業社製:COM−980)にセットし、攪拌を開始し、0.01規定の水酸化ナトリウム水溶液を用いて電位差滴定を行う。水酸化ナトリウムの添加量に応じて電位が変化し、この変曲点を終点とする。終点までに要した水酸化ナトリウム量から、共重合体ラテックスの固相部分の表面の強酸量が求まり、(meq/g)、これを(Xb)とするが、この値はエチレン系不飽和カルボン酸単量体に由来するものではなく、共重合に際し使用された過硫酸塩等によるものである。
従って、共重合体ラテックスの固相部分の表面カルボン酸量(X)は前述の(Xa)から(Xb)を差し引いた値であり、共重合体ラテックス組成物の水相成分の水中カルボン酸量(Y)は、(Z)から(X)を差し引いた値を指す。
(7)共重合体ラテックス組成物の耐湿潤ベタツキ性:
共重合体ラテックス組成物を、No.12のワイヤーバーでマイラーフィルムに塗布して130℃で30秒乾燥した。このフィルムを30℃の水中に5秒間浸漬させた後、黒ラシャ紙と重ね合わせ、温度60℃、線圧19600N/mのスーパーカレンダーを通過させた後、黒ラシャ紙を剥離する。この黒ラシャ紙繊維のラテックスフィルムのベタツキによる転移状態を目視評価した。評価は10点評価法で行ない、転移の少ないものほど高得点とした。
(8)共重合体ラテックス組成物中の凝固物量:
固形分濃度を50%に調整した共重合体ラテックス組成物を1000ml採取し、予め質量を測定しておいた200メッシュのステンレス製金網を通過させて凝固物を分離する。次にこの凝固物の付着した金網を130℃で60分間乾燥させ、揮発分を除去し、再度質量を測定する。この値から、前述の作業前の金網の質量を差引く事により、共重合体ラテックス組成物中の凝固物量(g/L)が求まる。
(9)各重合段における単量体混合物から得られる共重合体のSP値:
Robert F.Fedorsが規定する方法により、各々の単量体化合物構造と単量体組成から算出した。(POLYMER ENGINNEERING AND SCIENCE,1974,Vol.14,No.2,147−154page参照)
(10)共重合体ラテックス組成物の粘度:
共重合体ラテックス組成物の固形分濃度を50%に調整し、B型粘度計を用いて25℃の環境下で測定した。
(11)二塩基酸の最終反応転化率:
共重合体ラテックス中に残留する各二塩基酸の量を液体クロマトグラフィーを用いて測定し、原料としての使用量との対比で算出した。
(12)共重合体ラテックス組成物の濾過に要する時間:
初めに、固形分濃度を50質量%に調整した共重合体ラテックス組成物を30m3準備した。ラテックス温度による影響を排除する為、試験に用いた共重合体ラテックス組成物の温度は全て28℃に調整してから実施した。濾過装置は全ての試験において特開平9−194529号公報に記載された円筒型遠心分離法濾過装置を用いた。該公報の実施例1と同じく、濾材については、材質:ナイロン66、糸の太さ50μm、編み方:一本編み、メッシュは200メッシュのものを使用した。また、回転軸の角度は22度、回転数は600rpmに固定し、流量については各共重合体ラテックス組成物について、濾材を通らずに外部に漏れてしまう事のないような最大量に調整して実施し、準備した30m3の共重合体ラテックス組成物が全て濾過装置を通過するのに必要な時間を測定した。この必要な時間が短いほど、製品生産性が高い。
[実施例1]
○共重合体ラテックスAの製造
攪はん機と内部温度調整用の温水ジャケット、及び各種原材料の定量添加設備を備えた、量産用の耐圧反応器に、重合初期の原料として水114質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4質量部、α―メチルスチレンダイマー0.4質量部、およびシードラテックスとして平均粒子径20nmのポリスチレンラテックス0.5質量部を含む重合初期原料を一括して仕込み、65℃にて充分に攪拌した。次いで、第一重合段用として調製しておいたスチレン13.5質量部、ブタジエン29質量部、メタクリル酸メチル1.4質量部、アクリロニトリル12質量部、ヒドロキシエチルアクリレート0.8質量部、アクリル酸0.8質量部、t−ドデシルメルカプタン0.05質量部、α―メチルスチレンダイマー0.8質量部から成る単量体及び連鎖移動剤混合物の内、12質量%をこの耐圧反応容器内に一括して仕込み、攪拌混合後、濃度30質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液0.6質量部(固形分換算)を耐圧容器内に5分間かけて添加して重合反応を開始させた。
ペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液の添加終了後から10分後、残りの第一重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物(第一重合段用の内88質量%に相当)をこの耐圧容器内に添加開始し、3時間20分で連続的に添加を行った。一方、この残りの第一重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加と同時に、水17質量部、水酸化ナトリウム0.1質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.7質量部、及びペルオキソ二硫酸ナトリウム0.6質量部からなる水系混合物の添加を開始し、3時間10分かけて連続的に添加し、重合反応を加速させた。
第一重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加が終了した時点で、直ちに第二重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加を開始した。この第二重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物は、スチレン11.8質量部、ブタジエン15質量部、メタクリル酸メチル1.4質量部、アクリロニトリル10.3質量部、ヒドロキシエチルアクリレート0.7質量部、アクリル酸0.8質量部、t−ドデシルメルカプタン0.05質量部、α―メチルスチレンダイマー0.7質量部から成るものであり、2時間で連続的にこの耐圧容器内に添加し、重合反応を継続させた。
第二重合段の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加開始時期から30分後に、イタコン酸2.5質量部を含む固形分濃度15質量%の50℃のイタコン酸水溶液について、この耐圧容器への添加を開始し、60分かけて全量を添加した。イタコン酸水溶液の添加開始時点での、容器内の単量体混合物の重合転化率は、73質量%であった。
第二重合段の単量体混合物の添加終了後、耐圧容器内の温度を65℃に保ったまま30分間反応を継続し、その後60分間かけて95℃に昇温させ、95℃の状態で30分間重合反応を継続させて各単量体の重合転化率を高めた。後添加したイタコン酸の最終的な反応転化率は、97質量%であった。
この共重合体ラテックスには、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムを添加してpHを6.0以上に調整し、スチームストリッピング法で未反応の単量体を除去した後、水酸化ナトリウムを用いてpHを8.0に調整し、濃縮設備を用いて固形分濃度を54質量%に調整した。なお、これらの製造条件を表1にまとめた。
○共重合体ラテックス組成物の調製
この共重合体ラテックスの固形分100質量部に、ポリアクリル酸ナトリウム(東亜合成株式会社製、商品名アロンT−50、平均分子量6000のもの)を固形分換算で1質量部添加し、充分に攪拌混合した。この時の共重合体ラテックス組成物の温度は30℃であった。最後にこの共重合体ラテックス組成物を、前述の濾過装置及び条件でフィルターを通過させて濾過し、濾過時間を測定すると共に、各物性評価に用いた。この共重合体ラテックス組成物を組成物Aとする。共重合体ラテックス組成物Aの各物性の評価結果を表3に記載した。濾過時間は短く、優れた耐湿潤ベタツキ性が得られた。
○印刷紙塗被用組成物の調製
次に、この共重合体ラテックス組成物Aと以下の構成材料とを使用し、均一に混合して印刷紙塗被用組成物を調製した。尚、以下の配合(質量部)は、水を除いて、全て固形分に換算した値である。
カオリンクレー 60質量部
重質炭酸カルシウム 40質量部
ポリアクリル酸ナトリウム 0.2質量部
水酸化ナトリウム 0.1質量部
酸化でんぷん 2.0質量部
共重合体ラテックス組成物A 10質量部
水(塗工液の全固形分濃度が66質量%となるように添加)
なお、カオリンクレーとしては、カオファイン(米国、THIELE KAOLIN社製;粒子径2μm以下の割合=95質量%以上)(商品名)、重質炭酸カルシウムとしてはカービタル97(ECC社製;粒子径2μm以下の割合=97質量%以上)(商品名)、ポリアクリル酸ナトリウムとしてはアロンT−50(東亞合成株式会社製)(商品名)および酸化でんぷんとしてはマーメイド210(敷島スターチ社製)(商品名)をそれぞれ使用した。
次に、このようにして得られた印刷紙塗被用塗料組成物を、塗工量が片面13g/m2になるように坪量74g/m2の塗工原紙にブレードコーターで塗工し、乾燥した後、ロール温度50℃、線圧150kg/cmでスーパーカレンダー処理を行い塗工紙を得た。得られた塗工紙を印刷試験に用いた。この塗工紙のピック強度を評価した。結果を表3に記載した。優れたピック強度、湿潤ピック強度、パイリング適性が得られ、優れた耐湿潤ベタツキ性と両立させることができた。
[実施例2]
○共重合体ラテックスの製造
実施例1と同一の耐圧反応容器に、重合初期の原料として水100質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.2質量部、及びα―メチルスチレンダイマー0.4質量部を含む重合初期原料を一括して仕込み、70℃にて十分に攪拌した。次いで、第一重合段用として調製しておいたスチレン25質量部、ブタジエン22.7質量部、メタクリル酸メチル1.2質量部、アクリロニトリル8質量部、ヒドロキシエチルアクリレート0.6質量部、t−ドデシルメルカプタン0.1質量部、α―メチルスチレンダイマー0.6質量部から成る単量体及び連鎖移動剤混合物の内、15質量%をこの耐圧反応容器内に一括して仕込み、攪拌混合後、濃度30質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液0.4質量部(固形分換算)を耐圧容器内に5分間かけて添加して重合反応を開始させた。ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液の添加終了時点から10分後、残りの第一重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物をこの耐圧容器内に添加開始し、2時間50分で連続的に添加を行った。一方、この残りの第一重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加開始時の10分後より、水17質量部、水酸化ナトリウム0.1質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.7質量部、及びペルオキソ二硫酸ナトリウム1質量部からなる水系混合物の添加を開始し、3時間40分かけて連続的に添加し、重合反応を加速させた。
第一重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加が終了した時点から、1時間後に第二重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加を開始した。この系においては、第一重合段と第二重合段との間に、系内に単量体及び連鎖移動剤を添加しないインターバル時間を設け、第一重合段の重合転化率を高めた。この第二重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物は、スチレン16.8質量部、ブタジエン12.8質量部、メタクリル酸メチル2質量部、アクリロニトリル7質量部、ヒドロキシエチルアクリレート1質量部、t−ドデシルメルカプタン0.2質量部、α―メチルスチレンダイマー0.8質量部、アクリル酸0.4質量部から成るものであり、2時間で連続的にこの耐圧容器内に添加し、重合反応を継続させた。
一方第二重合段の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加開始時点と同時に、イタコン酸2.5質量部を含む固形分濃度15質量%の、50℃のイタコン酸水溶液について、この耐圧容器への添加を開始し、60分かけて全量を添加した。添加開始時点での容器内の単量体混合物の重合転化率は、78.3質量%であった。
第二重合段の単量体混合物の添加終了後、耐圧容器内の温度を、60分かけて95℃にまで昇温させ、更に30分間重合反応を継続させて各単量体の重合転化率を高めた。後添加したイタコン酸の最終的な反応転化率は、98.0%であった。
この共重合体ラテックスには、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムを添加してpHを6.0以上に調整し、スチームストリッピング法で未反応の単量体を除去した後、水酸化ナトリウムを用いてpHを8.0に調整し、最後に実施例1と同じく濃縮装置を用いて固形分濃度を53質量%に調整した。これらの製造条件を表1にまとめた。
○共重合体ラテックス組成物の調製
この共重合体ラテックスの固形分100質量部に、ポリアクリル酸ナトリウム(東亜合成株式会社製、商品名:アロンA−210、平均分子量2000のもの)を固形分換算で0.5質量部添加し、充分に攪拌混合した。この時の共重合体ラテックス組成物の液温は40℃であった。最後にこの共重合体ラテックス組成物を、前述の濾過装置及び条件でフィルターを通過させて濾過し、濾過時間を測定すると共に、各物性評価に用いた。この共重合体ラテックス組成物をBとする。共重合体ラテックス組成物Bの各物性の評価結果を表3に記載した。濾過時間は短く、優れた耐湿潤ベタツキ性が得られた。
次に、共重合体ラテックス組成物Aに代えて上記で得られた共重合体ラテックス組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷紙塗被用組成物と塗工紙を得た。この評価結果を表3に記載した。優れたピック強度、湿潤ピック強度が得られ、優れた耐湿潤ベタツキ性と両立させることができた。
[実施例3]
○共重合体ラテックスの製造
実施例1と同一の耐圧反応容器に、重合初期の原料として水130質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.4質量部、α―メチルスチレンダイマー0.4質量部、フマル酸0.1質量部、および平均粒子径20nmのポリスチレン系共重合体のシードラテックス0.5質量部を含む重合初期原料を一括して仕込み、60℃にて充分に攪拌した。次いで、第一重合段用として調製しておいたスチレン24.8質量部、ブタジエン19.2質量部、メタクリル酸メチル2質量部、アクリロニトリル8質量部、ヒドロキシエチルアクリレート2質量部、t−ドデシルメルカプタン0.06質量部、α―メチルスチレンダイマー0.6質量部、メタアクリル酸1質量部から成る単量体及び連鎖移動剤混合物の内、10質量%をこの耐圧反応容器内に一括して仕込み、攪拌混合後、濃度30質量%に調整された水溶液状のペルオキソ二硫酸ナトリウム0.6質量部(固形分換算)を耐圧容器内に5分間で添加して重合反応を開始させた。ペルオキソ二硫酸ナトリウムの添加終了後から25分後、残りの第一重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物をこの耐圧容器内に添加開始し、3時間30分で連続的に添加を行った。一方、この残りの第一重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加開始からから10分後より、水10質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.7質量部、及びペルオキソ二硫酸ナトリウム0.4質量部からなる水系混合物の添加を開始し、3時間10分かけて連続的に添加し、重合反応を加速させた。
第一重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加が終了した時点から、耐圧容器内の温度を65℃に昇温させ、第二重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加を開始した。この第二重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物は、スチレン20質量部、ブタジエン10質量部、メタクリル酸メチル1質量部、アクリロニトリル7質量部、ヒドロキシエチルアクリレート1質量部、メタアクリル酸1質量部、t−ドデシルメルカプタン0.05質量部、α―メチルスチレンダイマー0.5質量部から成るものであり、2時間で連続的にこの耐圧容器内に添加し、重合反応を継続させた
一方、第二重合段の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加開始時点から30分後に、イタコン酸2.5質量部を含む固形分濃度15質量%の、55℃のイタコン酸水溶液について、この耐圧容器への添加を開始し、90分かけて全量を添加した。イタコン酸水溶液添加開始時点での、容器内の単量体混合物の重合転化率は、70.3質量%であった。
第二重合段の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加終了後、温度を65℃に保ったまま重合反応を進めた後、60分かけて耐圧容器内の温度を95℃に昇温させ、95℃のまま30分間重合反応を継続させて各単量体の重合転化率を高めた。後添加したイタコン酸の最終的な反応転化率は、97.6%であった。
この共重合体ラテックスには、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムを添加してpHを6.0以上に調整し、スチームストリッピング法で未反応の単量体を除去した後、水酸化ナトリウムを用いてpHを8,0に調整し、実施例1と同じく濃縮装置を用いて固形分濃度を54%になるまで濃縮した。これらの製造条件を表1にまとめた。
○共重合体ラテックス組成物の調製
この共重合体ラテックスの固形分100質量部に、ポリアクリル酸ナトリウム(東亜合成株式会社製、商品名:アロンT−50、平均分子量6000のもの)を固形分換算で1.5質量部添加し、充分に攪拌混合した。この時の共重合体ラテックス組成物の液温は50℃であった。最後にこの共重合体ラテックス組成物を、前述の濾過装置及び条件でフィルターを通過させて濾過し、濾過時間を測定すると共に、各物性評価に用いた。この共重合体ラテックス組成物をCとする。共重合体ラテックス組成物Cの各物性の評価結果を表2に記載した。濾過時間は短く、特に優れた耐湿潤ベタツキ性が得られた。共重合体ラテックスCの各物性の評価結果を表3に記載した。
次に、共重合体ラテックス組成物Aに代えて上記で得られた共重合体ラテックス組成物Cを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷紙塗被用組成物と塗工紙を得た。この評価結果を表3に記載した。優れたピック強度が得られ、優れた耐湿潤ベタツキ性と両立させることができた。
[実施例4]
○共重合体ラテックスの製造
実施例1と同一の耐圧反応容器に、重合初期の原料として水90質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.1質量部、及びα―メチルスチレンダイマー0.3質量部を含む重合初期原料を一括して仕込み、75℃にて十分に攪拌した。次いで、第一重合段用として調製しておいたスチレン16質量部、ブタジエン27質量部、メタクリル酸メチル6質量部、アクリロニトリル8質量部、t−ドデシルメルカプタン0.3質量部、α―メチルスチレンダイマー0.6質量部から成る単量体及び連鎖移動剤混合物の内、17質量%をこの耐圧反応容器内に一括して仕込み、攪拌混合後、濃度30質量%のペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液0.3質量部(固形分換算)を耐圧容器内に5分間かけて添加して重合反応を開始させた。ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液の添加終了時点から10分後、残りの第一重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物をこの耐圧容器内に添加開始し、3時間20分で連続的に添加を行った。一方、この残りの第一重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加開始時の10分後より、水20質量部、水酸化ナトリウム0.1質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.4質量部、及びペルオキソ二硫酸ナトリウム1.1質量部からなる水系混合物の添加を開始し、4時間10分かけて連続的に添加し、重合反応を加速させた。
第一重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加が終了した時点から1時間後に、耐圧反応器の内温を80℃に昇温し、第二重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加を開始した。この系においても実施例2と同じく、第一重合段と第二重合段との間に、系内に単量体及び連鎖移動剤を添加しないインターバル時間を設け、第一重合段の重合転化率を高めた。この第二重合段用の単量体及び連鎖移動剤混合物は、スチレン16質量部、ブタジエン14質量部、メタクリル酸メチル2質量部、アクリロニトリル7質量部、ヒドロキシエチルアクリレート1質量部、t−ドデシルメルカプタン0.2質量部、α―メチルスチレンダイマー0.8質量部から成るものであり、2時間で連続的にこの耐圧容器内に添加し、重合反応を継続させた。
一方、第二重合段の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加開始時点と同時に、イタコン酸3質量部を含む固形分濃度15%の、50℃のイタコン酸水溶液について、この耐圧容器への添加を開始し、60分かけて全量を添加した。添加開始時点での容器内の単量体混合物の重合転化率は、85.8質量%であった。
第二重合段の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加終了後、耐圧容器内の温度を、40分かけて95℃にまで昇温させ、更に40分間重合反応を継続させて各単量体の重合転化率を高めた。後添加したイタコン酸の最終的な反応転化率は、96.5%であった。
この共重合体ラテックスには、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムを添加してpHを6.0以上に調整し、スチームストリッピング法で未反応の単量体を除去した後、水酸化ナトリウムを用いてpHを8,0に調整し、最後に実施例1と同じく濃縮装置を用いて固形分濃度を53質量%に調整した。
○共重合体ラテックス組成物の調製
この共重合体ラテックスの固形分100質量部に、ポリアクリル酸ナトリウム(東亜合成株式会社製、商品名:アロンT−50、平均分子量6000のものを固形分換算で0.5質量部添加し、充分に攪拌混合した。この時の共重合体ラテックス組成物の液温は40℃であった。最後にこの共重合体ラテックス組成物を、前述の濾過装置及び条件でフィルターを通過させて濾過し、濾過時間を測定すると共に、各物性評価に用いた。この共重合体ラテックス組成物をDとする。共重合体ラテックス組成物Dの各物性の評価結果を表3に記載した。濾過時間は短く、優れた耐湿潤ベタツキ性が得られた。
次に、共重合体ラテックス組成物Aに代えて上記で得られた共重合体ラテックス組成物Dを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷紙塗被用組成物と塗工紙を得た。この評価結果を表3に記載した。優れたピック強度、湿潤ピック強度が得られ、優れた耐湿潤ベタツキ性と両立させることができた。
[実施例5〜
共重合体ラテックスを製造する各工程の原料組成、重合温度、後添加する二塩基性不飽和カルボン酸の量と種類、後添加する二塩基性不飽和カルボン酸の開始時点での他の単量体の重合転化率、共重合体ラテックスに添加する分散剤の種類と量、添加時の温度を表1に示す通りに変更する以外は、実施例4と全く同様の方法で共重合体ラテックス組成物Eを得た。この共重合体ラテックス組成物E、及びこれを用いた塗工紙の各物性の評価結果を表3に記載した。優れたピック強度と耐湿潤ベタツキ性が得られ、濾過時間も短かった。(実施例5)。次に実施例4と全く同様の条件で共重合体ラテックスを製造し、この共重合体ラテックス100質量部に対し60℃の状態で、表2で示す如く、分散剤としてヘキサメタリン酸ナトリウム(HMA)(太洋化学工業株式会社製)を2.0質量部(固形分換算)添加し、共重合体ラテックス組成物Fを得た。評価結果を表4に示した。優れたピック強度、湿潤ピック強度が得られた。(実施例6)
比較例1]
表2に示したように、耐圧容器(重合反応系)内に後添加するイタコン酸水溶液の添加開始時期に関して、第二重合段の単量体混合物の添加開始時期から60分後に変更した結果、(X)/((X)+(Y))=0.28に変更した事以外は、全て実施例2と同様の操作を行い、共重合体ラテックス組成物Hを得た。共重合体ラテックス組成物Kの各物性の評価結果を表4に記載した。耐湿潤ベタツキ性が劣り、濾過に長時間時間を要する結果となった。
次に、共重合体ラテックス組成物Aに代えて上記で得られた共重合体ラテックス組成物Hを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷紙塗被用組成物と塗工紙を得た。この評価結果を表4に記載した。ピック強度、湿潤ピック強度、パイリング適性に劣る結果となった。
[比較例2]
表2に記載した如く、二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸の使用方法に関し変更した結果、(X)/((X)+(Y))=0.74に変更した以外は、全て実施例1と同様の操作を行い、共重合体ラテックス組成物Iを得た。共重合体ラテックス組成物Iの各物性の評価結果を表4に記載した。耐湿潤ベタツキ性が劣り、濾過に長時間を要する結果となった。
次に、共重合体ラテックス組成物Aに代えて上記で得られた共重合体ラテックス組成物Iを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷紙塗被用組成物と塗工紙を得た。この評価結果を表4に記載した。ピック強度、湿潤ピック強度も劣る結果となった。
[比較例3]
実施例1で製造した共重合体ラテックスに、分散剤を添加せずそのままバインダとした。この時、(X)/((X)+(Y))=0.76となり、耐湿潤ベタツキ性が劣る結果となり、濾過に極めて長時間を要する結果となった。これを共重合体ラテックス組成物Jとする。
次に、共重合体ラテックス組成物Aに代えて上記で得られた共重合体ラテックス組成物Jを用いた以外は、実施例1と同様にして印刷紙塗被用組成物と塗工紙を得た。この評価結果を表4に記載した。ピック強度、湿潤ピック強度、パイリング適性も劣る結果となった。
Figure 0004868828
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Claims (2)

  1. 共重合体ラテックス(α)を主として含む固相部分と、分散剤(β)を含む水相部分とからなる塗工紙用共重合体ラテックス組成物であって、
    共重合体ラテックス(α)は、(a)共役ジエン系単量体25〜60質量%、(b)二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を含むエチレン系不飽和カルボン酸単量体1.5〜7質量%、(c)シアン化ビニル単量体10〜30質量%、および(d)その他共重合可能な単量体3〜63.5質量%(但し(a)+(b)+(c)+(d)=100質量%)から成る単量体組成物を、少なくとも二段の重合工程を経る乳化重合によって得られるものであり、
    前記(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体に含まれる二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体は、その80質量%以上が他の単量体とは別途独立して水溶液として乳化重合の系内に添加されるものであり、その添加開始時期は前記重合工程の第二段以降で、系内の単量体の転化率が65〜95質量%の範囲になった時点から、且つ重合工程の第二段以降の単量体混合物の0〜25質量%を乳化重合の系内に添加した時点とし、
    前記分散剤(β)は、ポリアクリル酸及びその金属塩、ピロリン酸及びその金属塩、ヘキサメタリン酸及びその金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種のものであり、
    さらに、前記固相部分の表面カルボン酸量(X)と、前記水相部分の水中カルボン酸量(Y)とが、下記式(1)を満たすことを特徴とする共重合体ラテックス組成物の製造方法
    0.3<(X)/((X)+(Y))<0.7 ・・・・・(1)
  2. 前記共重合体ラテックス(α)は、前記の少なくとも二段の重合工程の各重合段において用いられる単量体混合物(但し第二重合段以降で使用される二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体を除く)から得られる共重合体の溶解度パラメーター(SP値)の、前重合段における値に対する直後の重合段における増分が、0.01以上0.8以下のものであることを特徴とする請求項1に記載の塗工紙用共重合体ラテックス組成物の製造方法
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