JP5503205B2 - 紙塗工用共重合体ラテックス及び紙塗工用組成物 - Google Patents

紙塗工用共重合体ラテックス及び紙塗工用組成物 Download PDF

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Description

本発明は、紙塗工用共重合体ラテックス及び紙塗工用組成物に関するものである。詳しくは、高炭酸カルシウム処方である紙塗工用組成物にバインダーとして使用される共重合体ラテックスであり、塗工紙製造工程での塗工操業性に優れ、かつ塗工紙の印刷時強度に優れた共重合体ラテックス及び該紙塗工用共重合体ラテックスを含有してなる高炭酸カルシウム配合の紙塗工用組成物に関するものである。
近年、塗工紙は、その印刷効果が高い等の理由から、非常に数多くの印刷物に利用されている。季刊、月間紙等の定期刊行物の中にも、全ての頁に塗工紙が使用される場合もかなり増えている。特に、メールオーダービジネスにおけるダイレクトメールや商品カタログ等においては、そのほとんどが全ての頁に塗工紙を使用している。
一般に紙塗工用組成物は、クレーや炭酸カルシウムなどの白色顔料を水に分散した顔料分散液、顔料同士および顔料を原紙に接着固定するためのバインダー、およびその他の添加剤によって構成される水性塗料である。バインダーとしてはスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスに代表されるような合成エマルションバインダーやデンプン、カゼインに代表されるような天然バインダーが使用される。その中でもスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスは、品質設計の自由度が大きく、今日では紙塗工用組成物に最も適したバインダーとして広く使用されており、スチレン−ブタジエン系共重合体ラテックスの性能が紙塗工用組成物の性能や塗工紙作成時の操業性あるいは最終的な塗工紙製品の表面強度、印刷光沢などの品質に影響することが知られている。
一方、近年においては、顔料コストの高騰から顔料の低コスト化が行われ、高価なカオリンから安価な炭酸カルシウムへの配合比率が増しており、このような高炭酸カルシウム処方に適した紙塗工用組成物が求められている。とりわけ高炭酸カルシウム配合処方においては、白紙光沢の低下を炭酸カルシウム顔料の粒度を細かくすることで対策するケースが多く、それに伴い低下する印刷時強度をラテックスの性能向上によりカバーするなどラテックスが塗工紙に及ぼす影響はますます重要視されている。また、紙塗工用組成物中の炭酸カルシウム配合比率が増えると、組成物の安定性が損なわれ凝集物の発生など操業汚れが懸念されるため、組成物の機械的安定性の改良や、汚れが付着しても簡単に洗い流す事のできる組成物の再分散性の向上などが塗工操業性において重要な課題となっている。
特開2006−152484号公報(特許文献1)では、全顔料100質量%中に重質炭酸カルシウムを60%以上含有し、且つバインダーは、共重合体からなるコア部70〜95質量部と、共重合体からなるシェル部30〜5質量部とを備え、光散乱法による平均粒子径150nm以下のコア-シェル型共重合体を含有する共重合体ラテックスを含むことにより、印刷光沢が良好でかつインキセット、インキ乾燥性が良好な艶消し塗工紙を提供する艶消し塗工紙用組成物が紹介されている。また、特開平11−50390号公報(特許文献2)では、ブレードコーターで塗被し、該顔料として平均粒子径が0.1〜0.4μmの重質炭酸カルシウムを30〜100質量%含有せしめ、かつ該接着剤として平均粒子径が0.15〜0.30μmの共重合体ラテックスを全顔料に対して、固形分対比で5〜20質量%使用してなる印刷用塗被紙で光沢ムラが殆ど無い高品質に仕上がる技術が紹介されている。
しかし、これらの様々な改良技術は、未だ高炭酸カルシウムを含有する紙塗工用組成物に要求される性能を十分に満足するレベルには至っておらず、特にラテックスについて更なる改良が強く求められていた。
特開2006−152484号公報 特開平11−50390号公報
本発明は、紙塗工用組成物中の顔料に占める炭酸カルシウム配合比率が多くても紙塗工用組成物の機械的安定性が良好で、かつ再分散性にも優れることにより塗工操業性に優れ、また印刷時強度が良好な塗工紙が得られる共重合体ラテックスを提供することを目的とするものである。
全顔料100重量%中炭酸カルシウムを90重量%以上含有する紙塗工用組成物においてバインダーとして使用される共重合体ラテックスであり、脂肪族共役ジエン系単量体35〜65重量%、シアン化ビニル単量体10〜40重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体4.5〜10重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜50.5重量%(単量体合計100重量%)を乳化重合して得られる共重合体ラテックスで、エチレン系不飽和カルボン酸単量体として1塩基酸と2塩基酸の重量比率(1塩基酸/2塩基酸)が0.01以上〜0.5未満の範囲にあり、かつ、数平均粒子径が60〜150nmであることを特徴とする共重合体ラテックスを提供するものである。
本発明により、炭酸カルシウムの配合比率の高い塗工液による塗工紙作成時の塗工操業性に優れ、かつ塗工紙の印刷時強度に優れた紙塗工用共重合体ラテックスが得られるものであり、高炭酸カルシウム配合処方の紙塗工用バインダーとして有用である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明における脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン類などが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特に1,3−ブタジエンの使用が好ましい。
シアン化ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリルなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの使用が好ましい。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの1塩基酸または2塩基酸(無水物)を挙げられ、これらを上記請求項の範囲で使用することができる。
上記脂肪族共役ジエン系単量体、シアン化ビニル単量体およびエチレン系不飽和カルボン酸単量体と共重合可能な他の単量体としては、アルケニル芳香族単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体、不飽和カルボン酸アミド単量体等が挙げられる。
アルケニル芳香族単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、ビニルトルエンおよびジビニルベンゼン等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にスチレンの使用が好ましい。
不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジメチルイタコネート、モノメチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にメチルメタクリレートの使用が好ましい。
ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロキシエチルマレエート、ビス(2−ヒドロキシエチル)マレエート、2−ヒドロキシエチルメチルフマレートなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にβ−ヒドロキシエチルアクリレートの使用が好ましい。
不飽和カルボン酸アミド単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどが挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。特にアクリルアミドまたはメタクリルアミドの使用が好ましい。
上記の単量体組成は、脂肪族共役ジエン系単量体35〜65重量%、シアン化ビニル単量体10〜40重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体4.5〜10重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜50.5重量%(単量体合計100重量%)を乳化重合して得られる共重合体ラテックスで、エチレン系不飽和カルボン酸単量体として、1塩基酸と2塩基酸の重量比率(1塩基酸/2塩基酸)が0.01以上〜0.5未満の範囲であることが必要である。
脂肪族共役ジエン系単量体が35重量%未満では塗工紙の印刷時の強度が劣り、また65重量%を超えるとラテックスフィルムのベタツキ性(粘着性)が劣り、塗工紙作成時の塗工操業性、特にバッキングロール等へ付着しやすくなるなど、悪影響を及ぼすことから好ましくない。好ましくは40〜60重量%である。
シアン化ビニル単量体が10重量%未満では塗工紙の印刷光沢の発現性が悪くなり、また40重量%を超えると塗工紙の印刷時強度が低下して好ましくない。
エチレン系不飽和カルボン酸単量体が4.5重量%未満では紙塗工用組成物の機械的安定性および塗工紙の印刷時強度が劣り、また10重量%を超えるとラテックス自身の粘度が高くなりすぎ、送液ポンプによるラテックスの輸送搬送性が劣るなど取り扱い性が悪化するため好ましくない。
また、エチレン系不飽和カルボン酸単量体として、1塩基酸と2塩基酸の重量比率(1塩基酸/2塩基酸)が0.01未満では塗料の再分散性が劣り、0.5を超えると塗工紙の印刷時の強度発現性が劣り好ましくない。好ましくは0.1以上0.5未満、さらに好ましくは0.2以上0.5未満である。
共重合可能な他の単量体が50.5重量%を超えると塗工紙の表面強度が低下するため好ましくない。
本発明において、上記の単量体を乳化重合するに際しては、一段重合、二段重合、多段階重合、シード重合、パワーフィード重合法等何れを採用してもよいが、エチレン系不飽和カルボン酸単量体は重合の初期に一括添加されることが好ましい。
また、乳化重合においては、常用の乳化剤、連鎖移動剤、重合開始剤、炭化水素系溶剤、電解質、重合促進剤、キレート剤等を使用することができる。
乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸塩、非イオン性界面活性剤の硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤あるいはポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型等のノニオン性界面活性剤を1種又は2種以上併用して使用することができる。
連鎖移動剤としては、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物、ターピノレンや、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物、α−メチルスチレンダイマー、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上使用することができる。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤、レドックス系重合開始剤、過酸化ベンゾイル等の油溶性重合開始剤を適宜用いることができる。特に水溶性重合開始剤の使用が好ましい。
また、重合に際して、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロヘキセン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などの炭化水素化合物を使用しても良い。
本発明の共重合体ラテックスの数平均粒子径は60〜150nmであることが必要である。数平均粒子径が60nm未満では白紙光沢が劣り、また150nmを超えると必要な塗工紙の印刷時強度が得られず好ましくない。
また、ゲル含有量についても特に制限はないが10〜100重量%、好ましくは20〜98重量%である。
本発明の共重合体ラテックスを使用する紙塗工用組成物は、炭酸カルシウムを90重量%以上含有する顔料を使用するものであるが、その他の顔料として、例えば、カオリンクレー、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、サチンホワイトなどの無機顔料、あるいはポリスチレンラテックスのような有機顔料をそれぞれ単独または混合して使用することもできる。
また、紙塗工用組成物中の共重合体ラテックスの含有量は顔料100重量部(固形分)に対して2〜20重量部(固形分)を使用することが好ましい。共重合体ラテックスの含有量が2重量部以下では顔料を充分に接着できず好ましくなく、20重量部を超えると不透明度や白紙光沢が低下して好ましくない。
また、必要に応じて澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉等の変性澱粉、大豆蛋白、カゼインなどの天然バインダー、あるいはポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性合成バインダーなどを使用しても差し支えない。さらに、ポリ酢酸ビニルラテックス、アクリル系ラテックスなどの合成ラテックス等を本発明の共重合体ラテックスと併用してもよい。
本発明の共重合体ラテックスを用いて紙塗工用組成物を調整する際には、さらにその他の助剤、例えば分散剤(ピロリン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなど)、消泡剤(ポリグリコール、脂肪酸エステル、リン酸エステル、シリコーンオイルなど)、レベリング剤(ロート油、ジシアンジアミド、尿素など)、防腐剤、離型剤(ステアリン酸カルシウム、パラフィンエマルジョンなど)、蛍光染料、カラー保水性向上剤(アルギン酸ナトリウムなど)を必要に応じて添加しても良い。
さらに、紙塗工用組成物を塗工用紙へ塗布する方法には、公知の技術、例えばエアナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーターなどのいずれの塗工機を使用しても差し支えない。また、塗工後、表面を乾燥し、カレンダーリングなどにより仕上げる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。なお実施例中、割合を示す部および%は特に断りのない限り重量基準によるものである。また実施例における諸物性の評価は次の方法に拠った。
共重合体ラテックスのゲル含有量の測定
室温雰囲気にてラテックスフィルムを作成する。その後ラテックスフィルムを約1g秤量し、これを400ccのトルエンに入れ48時間膨潤溶解させる。その後、これを300メッシュの金網で濾過し、金網に捕捉されたトルエン不溶部を乾燥後秤量し、この重量のはじめのラテックスフィルムの重量に占める割合をゲル含有量として重量%で算出した。
共重合体ラテックスの数平均粒子径の測定
共重合体ラテックスの数平均粒子径を動的光散乱法により測定した。尚、測定に際しては、LPA−3000/3100(大塚電子製)を使用した。
ラテックスフィルムのベタツキ性試験
バッキングロール等へのラテックスの付着しやすさの目安として、ラテックスフィルムのベタツキ性(粘着性)について試験を行った。ポリエステルフィルムに各々の共重合体ラテックスを塗布量12g/m2で塗工し、120℃オーブン中で1分間乾燥後、1cm幅の短冊状に切り黒色台紙上に下記の重合にて得られたラテックスA〜Kの11種類のクリアフィルムを並べて貼り付ける。
その上に、濾紙を重ねてRI印刷機を用いロ−ル間を通し圧着する。その後、濾紙を剥がした後の、濾紙の繊維の各クリアフィルム表面上への付着状態を見て、各クリアフィルムのベタツキ性を比較した。繊維の付着の少ないベタツキ性に優れるものを◎、繊維の付着が多くベタツキの劣るものを×とし、下記のとおり目視にて相対的に評価した。
(優)◎ > ○ > △ > ×(劣)
紙塗工用組成物の機械的安定性の評価
紙塗工用組成物の固形分濃度を40重量%に調整し、200メッシュ金網にてろ過した試料(約50g)をマロン式機械的安定性試験機を用いて機械的せん断を与え、試験後の凝集物を200メッシュ金網で捕集して濾過残渣とした。その後金網上の濾過残渣を十分に乾燥して凝集物量(乾燥重量)を測定し、以下の式より凝集物割合(%)を算出し、4段階評価した。
凝集物量(乾燥重量)
凝集物割合(%)=――――――――――――――――――――×100
試料重量(湿潤重量)×固形分濃度(40%)
◎・・・0.001%未満 (非常に良い)
○・・・0.001%以上0.01%未満( 良い )
△・・・0.01%以上0.1%未満 (少し悪い)
×・・・0.1%以上 (非常に悪い)
紙塗工用組成物の再分散性の評価
NBR黒ゴム板上に各組成物サンプルを並べて#6ワイヤーバーにて塗布し60℃熱風循環式オーブンにて3分間乾燥させた後、30℃の流水で1分間洗浄してNBR黒ゴム板上に残った組成物の皮膜を目視にて観察した。皮膜の付着の少ない再分散性に優れるものを◎、皮膜の付着の多い再分散性に劣るものを×とし、下記のとおり目視にて相対的に評価した。
(優)◎ > ○ > △ > ×(劣)
塗工紙のドライピック強度の評価
RI印刷機で各塗工紙試料を同時に印刷した際のピッキングの程度を肉眼で判定し、5級(優)から1級(劣)まで相対的に評価した。
ラテックスの粘度の測定及び評価
共重合体ラテックスの固形分を50%に調整した際のラテックスの粘度を、JIS K6838の測定方法に準じて測定した。その結果から、下記のとおり4段階で評価した。
◎:300mPa・s未満
○:300mPa・s以上〜700mPa・s未満
△:700mPa・s以上〜2000mPa・s未満
×:2000mPa・s以上
共重合体ラテックス(A、I、J)の作製
耐圧製の重合反応器に、重合水120部、過硫酸カリウム0.9部を仕込み、十分攪拌した後、表1および表2に示す各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を開始し、最終重合転化率が95%を越えた時点で重合を終了した。
次いで、これら共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムを用いてpHを8に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックスA、I、Jを得た。
共重合体ラテックス(B〜H、K)の作製
耐圧製の重合反応器に、重合水120部、過硫酸カリウム0.9部を仕込み、十分攪拌した後、表1および表2に示す1段目の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を開始した。重合転化率が70%を越えた時点で、次いで2段目の各単量体および他の化合物を加えて70℃にて重合を行い、最終転化率が97%を超えた時点で重合を終了した。
次いで、これら共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムを用いてpHを8に調整し、水蒸気蒸留により未反応単量体および他の低沸点化合物を除去し、共重合体ラテックスB〜H及びKを得た。
紙塗工用組成物の作製と評価
下記に示した配合処方1、2に従って共重合体ラテックスA〜E、およびF〜Kを用い、NaOHでpH9.5に調整し、紙塗工用組成物を作製した。
(紙塗工用組成物の配合処方)
配合処方1
重質炭酸カルシウム 100部
変性デンプン 2部
共重合体ラテックス 7部
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
固形分濃度 67%

配合処方2
カオリン 40部
重質炭酸カルシウム 60部
変性デンプン 2部
共重合体ラテックス 7部
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
固形分濃度 67%
塗工紙の作製と評価
塗工原紙(坪量55g/m2)に、上記の紙塗工用組成物を片面あたりの塗被量が10g/m2となるようにワイヤーバーを用いて塗工し乾燥した後、線圧60kg/cm、温度50℃の条件でカレンダー処理を行って塗工紙を得た。得られた塗工紙を各試験に供して評価し、その結果を表1および表2に示した。

表1、2に示すとおり、本発明による共重合体ラテックスA〜Eはいずれもラテックスフィルムのベタツキ性が良好でラテックス粘度も低く、かつこれら共重合体ラテックスを使用した高炭酸カルシウム配合の紙塗工用組成物はいずれも機械的安定性や再分散性に優れ、得られた塗工紙のドライピック強度も良好である。
比較例1は、エチレン性不飽和カルボン酸単量体として1塩基酸と2塩基酸の重量比率(1塩基酸/2塩基酸)が0.5を超え、塗工紙のドライピック強度が劣る。
比較例2は、1塩基酸と2塩基酸の重量比率(1塩基酸/2塩基酸)が0.01未満であり、紙塗工用組成物の再分散性が劣る。
比較例3では、エチレン性不飽和カルボン酸単量体が4.5重量%未満であり、紙塗工用組成物の機械的安定性と塗工紙のドライピック強度が大きく劣る。
比較例4は、脂肪族共役ジエン系単量体が35重量%未満であり、ベタツキ性は良好であるものの塗工紙のドライピック強度が劣っている。脂肪族共役ジエン系単量体が65重量%以上である比較例5においては、ラテックスフィルムのベタツキ性が劣る。
比較例6は、共重合体ラテックスの数平均粒子径が150nmを超えており、塗工紙のドライピック強度が劣る。
上記のとおり、本発明の共重合体ラテックスは、ラテックスフィルムのベタツキ性に優れ、該共重合体ラテックスを使用した高炭酸カルシウム配合の紙塗工用組成物は機械的安定性や再分散性が良好であり、かつ印刷時強度に優れた塗工紙が得られることから、高炭酸カルシウム配合処方の紙塗工用組成物用バインダーとして有用である。

Claims (2)

  1. 全顔料100重量%中炭酸カルシウムを90重量%以上含有する紙塗工用組成物においてバインダーとして使用される共重合体ラテックスであり、脂肪族共役ジエン系単量体35〜65重量%、シアン化ビニル単量体10〜40重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体4.5〜10重量%およびこれらと共重合可能な他の単量体0〜50.5重量%(単量体合計100重量%)を乳化重合して得られる共重合体ラテックスで、エチレン系不飽和カルボン酸単量体として1塩基酸と2塩基酸の重量比率(1塩基酸/2塩基酸)が0.01以上〜0.5未満の範囲にあり、かつ、数平均粒子径が60〜150nmであることを特徴とする共重合体ラテックス。
  2. 請求項1に記載の共重合体ラテックスを用い、該ラテックスが顔料100重量部(固形分)に対して2〜20重量部(固形分)であり、かつ、全顔料100重量%中に占める炭酸カルシウムの配合量が90重量%以上である紙塗工用組成物。
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