JP2005256235A - 紙塗工用組成物及び塗工紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗工紙製造時の操業性(耐ロール汚れ性)、および古紙や損紙として再利用し易く、かつ、強度、印刷光沢、耐ブリスター性が良好で、特に枚葉オフセット用あるいは輪転オフセット印刷用に好適な紙塗工用組成物を提供する。
【解決手段】
(A)顔料100質量部に対して、(B)(a)脂肪族共役ジエン単量体35〜60質量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜7質量%、(c)シアン化ビニル単量体5〜30質量%、及び(d)これらの単量体と共重合可能な他の単量体5〜59.5質量%からなる単量体(但し、(a)+(b)+(c)+(d)=100質量%)を乳化重合して得られ、ゲル含有量が85%以上、重量平均粒子径(Dw)が60〜90nmの共重合体ラテックスを含むバインダーが固形分量で4〜10質量部含有する紙塗工用組成物を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、紙塗工用組成物に関する。更に詳しくは、塗工紙製造時の操業性(耐ロール汚れ性)、および古紙や損紙として再利用し易く、かつ、強度、印刷光沢、耐ブリスター性が良好で、特に枚葉オフセット用あるいは輪転オフセット印刷用に好適な紙塗工用組成物に関する。
紙の外観や印刷適性を改良するために、一般的に、カオリンや炭酸カルシウム等の白色顔料と水性バインダーを主成分とする組成物が塗工される。この塗工された紙、すなわち塗工紙は、今日広く使用されている。近年、カラー印刷された雑誌類やパンフレット、広告等の需要の増大に伴い、印刷速度の高速化が進められており、特にインクのタックによる紙の表面の破壊に対する抵抗性(いわゆるドライピック強度)や湿し水が塗布された際のピック強度(ウエットピック強度)の向上が以前にも増して要求されるようになった。またこれに伴ってインクの乾燥条件も厳しくなったため、塗工紙の内部に残存する水分が加熱乾燥時に蒸発する際の蒸気圧によって、塗工紙の表面にひぶくれを生じさせるいわゆるブリスター発生に対する抵抗性(耐ブリスター性)に対する要求も厳しさを増している。ドライ強度の向上とウエット強度および耐ブリスター性の向上は、一般に相反する特性であり、一方が向上すると他方が低下する関係にあるため、これらの物性を高度にバランスさせることが求められている。
また、塗工紙の製造そのものも高速化しており、塗工操業性の改良、特に主な障害であるロール汚れ性の改良、すなわち共重合体ラテックスの粘着性の低減(耐ロール汚れ性)も強く要求されている。さらに、昨今、資源やエネルギー等の節約乃至有効利用が叫ばれている。この観点から、塗工紙を製造する際に生じる損紙からパルプを回収・離解し再利用していることが多く、この工程でパルプ回収を妨げないことが求められている。
塗工紙製造時に発生する損紙、古紙再利用の観点から、バインダー使用量を少なくすることが望ましい。バインダー量の少ない方が、再利用に当たっての離解時に、繊維から脱着するラテックス量が少なく、ホワイトピッチを生じる可能性が小さいからである。近年、抄紙工程で、ホワイトピッチ等の粘着物質が、古紙の利用が多くなってきたこともあり問題となっている。ホワイトピッチ等の粘着物質の起こす典型的な問題は、原紙の引き裂き、穴あけ、しみなどである。なお、強度や印刷光沢を低下させずにバインダー量を少なくすることは、コスト面からも強く望まれている。
バインダー量を少なくすると強度や印刷光沢が低下する。強度を上げるためには共重合体ラテックスのゲル含有量を高く調整する方法や、共役ジエン系単量体の量を増やして共重合体ガラス転移点を低くする方法があるが、前者では、耐ブリスター性が低下し、後者では耐水生、剛性、および耐ロール汚れ性が低下する。
以上のような塗工紙の品質や塗工紙の生産に関わる問題のため、共重合体ラテックスについても様々な改良がなされてきた。例えば特許文献1には、特定の組成の単量体で少なくとも2つのガラス転移温度を有することを特徴とする紙塗工用共重合体ラテックスについて開示されている。この共重合体ラテックスでは、表面強度と耐ブリスター性および耐ベタツキ性とのバランスは良好であると記載されている。又、特許文献2には、ゲル含有量80%以上のラテックスを用いて強度と耐ブリスター性および塗工時の耐ロール汚れ性を向上させたとの記載がある。しかし、しかしこれらの文献にはいずれもラテックス使用量や全バインダー使用量の低下を考慮した記載はなく、粒子径に着目した記載もなく、また、損紙利用や古紙利用に関係する記載もない。
特開平7−324112号公報 特開2000−154496号公報
本発明者らが解決しようとする課題は、ドライピック強度とウエットピック強度(以下単に「強度」と記載する場合がある)、印刷光沢、耐ブリスター性が良好で、かつ、塗工紙製造時の操業性(耐ロール汚れ性)、および古紙や損紙として再利用時にホワイトピッチの抑制(耐ホワイトピッチ性)に優れた、紙用塗工組成物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定のゲル含有量、平均粒子径、単量体組成を有する共重合体ラテックスをバインダー成分として配合した塗工紙用組成物を使用すれば、上記の課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の紙塗工用組成物とそれを用いた塗工紙が提供される。
[1](A)顔料100質量部に対して、(B)(a)脂肪族共役ジエン単量体35〜58質量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜7質量%、(c)シアン化ビニル単量体5〜30質量%、及び(d)これらの単量体と共重合可能な他の単量体5〜59.5質量%からなる単量体(但し、(a)+(b)+(c)+(d)=100質量%)を乳化重合して得られ、ゲル含有量が85〜98%、重量平均粒子径(Dw)が60〜90nmの共重合体ラテックス(固形分)を5〜9質量部、かつ該共重合体ラテックス含むバインダー量が固形分で12質量部以下であることを特徴とする紙塗工用組成物。
[2]バインダーが上記共重合体ラテックスと他のバインダーとからなり、バインダーに含有される上記共重合体ラテックス(固形分)の割合は50〜90質量%であることを特徴とする[1]の記載の紙塗工用組成物。
[3]他のバインダーが澱粉であることを特徴とする[2]の記載の紙塗工用組成物。
[4]上記共重合体ラテックスが、少なくとも2つのガラス転移点を有しており、−70〜0℃の範囲に少なくとも1点存在し、かつ、示差走査熱量計によって得られる示差走査熱量曲線において、転移領域の最低温度と最高温度の温度差が10℃以上あることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の紙塗工用組成物。
[5]上記共重合体ラテックスの重合体粒子の粒子径分布(Dw/Dn)が1.0〜1.3であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の紙塗工用組成物。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の組成物を用いた枚葉オフセット用あるいは輪転オフセット用塗工紙。
ゲル含有量が極めて高く、かつ、平均粒子径が特定の範囲の上記単量体組成のラテックスを、上記の割合で配合した塗工用組成物を使用すれば、塗工紙製造時の操業性が良好で、かつ、強度、印刷光沢、耐ブリスター性も良好な、また、古紙や損紙として再利用時にホワイトピッチが問題になりにくいオフセット印刷用紙を得ることが可能である。
以下、本発明を詳しく説明する。
1、共重合体ラテックス
本発明の紙塗工用組成物に配合する共重合体ラテックスに使用される(a)脂肪族共役ジエン単量体(以下「(a)成分」ともいう)としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、好ましくは1,3−ブタジエンである。これらの脂肪族共役ジエン単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。かかる脂肪族共役ジエン単量体は、得られる重合体に適度な柔軟性と伸びを与え、耐衝撃性を付与するために必須の成分であり、その使用割合は全単量体に対して35〜58質量%、好ましくは40〜55質量%である。この(a)成分が35質量%未満であると、共重合体が硬くなり過ぎ、充分な強度が得られない。一方、(a)成分が質量%を58質量%越えると粘着性が高くなり、操業性が悪化する。
(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体(以下「(b)成分」ともいう)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などが挙げられる。これらのエチレン系不飽和カルボン酸単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を使用することができる。かかるエチレン系不飽和カルボン酸単量体の使用量は、全単量体に対して0.5〜7質量%、好ましくは1〜5質量%である。(b)成分が0.5質量%未満では、重合時のラテックスの安定性が悪く、また、塗工液の機械的安定性も悪化する。一方(b)成分が7質量%を超えると、塗工液粘度が高くなりすぎ塗工に支障をきたす。
(c)シアン化ビニル単量体(以下「(c)成分」ともいう)は、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、特にアクリロニトリルが好ましい。シアン化ビニル単量体の使用量は、5質量%から30質量%であり、好ましくは、10質量%〜25質量%である。5質量%未満だと印刷光沢発現性が低下し、30質量%を超えるとインキ転移性が低下する。
(d)上記単量体(a)〜(c)と共重合可能な単量体としては、芳香族系ビニル単量体が、第一に挙げられ、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレンなどがあるが、特にスチレンが好ましい。第二にエチレン系不飽和カルボン酸エステル単量体挙げられ、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、特にメチルメタアクリレートが好ましい。エチレン系不飽和カルボン酸エステル単量体を使用する場合は0〜7質量%であり、望ましくは、0〜4質量%である。7質量%を越えるとウエットピック強度が低下し、損紙離解時に繊維から遊離するラテックスが多くなり、ホワイトピッチを生じ易くなる傾向にある。
その他、酢酸ビニル、アクリルアミド系化合物、N−メチロールアクリルアミドなどが使用される。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもかまわない。(d)成分は、共重合体に、主として目的に応じた適度なガラス転移温度を与えるために使用するものであり、その使用量は5〜59.5質量%である。
本発明に用いられる共重合体ラテックスは、前述した単量体成分(a)、(b),(c)および(d)を乳化重合して得られ、共重合体のゲル含有量は85〜98%、望ましくは90〜96%である。ゲル含有量が85%未満であると充分な強度が得られない。また、85%未満にすると粘着性が増し操業性が低下する。一方、98%を超えてもやはり充分な
強度が得られなくなる。
また、この共重合体ラテックスは、少なくとも2つのガラス転移点を有しており、−70〜0℃の範囲に少なくとも1点存在し、かつ、示差走査熱量計によって得られる示差走査熱量曲線において、転移領域の最低温度と最高温度の温度差が10℃以上あることが好ましい。
更に、この共重合体ラテックスの重量粒子径は、60〜90nm、望ましくは70〜90nmである。60nm未満であると、平滑性が低下し、インキ転移性、印刷光沢等の印刷適性が低下する。また、90nmを超えると充分な接着強度が得られなくなり、ドライピック強度、ウエットピック強度が低下する。
また、この共重合体ラテックスの重合体粒子の粒子径分布(Dw/Dn)は、好ましくは1.0〜1.3である。
本発明で使用される単量体を乳化重合するに際しては、水性媒体中で乳化剤、重合開始剤、分子量調節剤などを用いて製造することができる。ここで、乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが単独で、あるいは2種以上を併用して使用できる。ここで、アニオン性界面活性剤としては、例えば高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの硫酸エステルなどが挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型などが用いられる。両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐酸エステル塩を、カチオン部分としてはアミン塩、第4級アンモニウム塩を持つものが挙げられ、具体的にはラウリルベタイン、ステアリルベタインなどのベタイン類、ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシン、などのアミノ酸タイプのものなどが用いられる。
重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性重合開始剤、過酸化ベンゾイル、ラウリルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルなどの油溶性重合開始剤、還元剤との組み合わせによるレドックス系重合開始剤などが、それぞれ単独であるいは組み合わせで使用できる。
分子量調節剤、キレート化剤、無機電解質なども公知のものが使用できる。分子量調節剤としては、クロロホルム、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸などのメルカプタン類、ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイドなどのキサントゲン類、ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー、1,1−ジフェニルエチレンなど通常の乳化重合で使用可能なものを全て使用できる。
重合方法としては、単量体の一部を重合した後、その残りを連続的にあるいは断続的に添加する方法、あるいは単量体を重合のはじめから連続的に添加する方法が挙げられる。
重合温度は、通常、好ましくは20〜85℃、より好ましくは25〜80℃である。重合時間は、通常10〜30時間である。
2、塗工組成物
本発明の紙塗工用組成物は、無機あるいは有機顔料に、上記共重合体ラテックスと他のバインダーと併用して使用される。上記共重合体ラテックスは固形分で顔料100質量部に対して5〜9質量部、好ましくは6〜8質量部である。全バインダーの総量は固形分で12質量部以下、好ましくは10質量部以下、より好ましくは9質量部以下である。12質量部を越えると耐ブリスター性が低下する。また、上記共重合体ラテックスの配合量は、全バインダー量に対して共重合体ラテックス50〜90質量%(固形分)、好ましくは60〜85質量%である。共重合体ラテックスが50質量%未満であると、強度が著しく低下し印刷時にピッキングを生じる。一方、90質量%を超えると耐ブリスター性が悪化するとともに、損紙、古紙として再利用時に脱着するラテックス量が増加し、耐ホワイトピッチ性が悪くなる。
他のバインダーとしては、澱粉、酸化澱粉、大豆蛋白、カゼインなどの天然バインダー、あるいはポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルラテックス、アクリル系ラテックスなどの合成ラテックス、カルボキシメチルセルロース等の水溶性物質を挙げることができる。好ましくは澱粉である。
上記無機顔料としてはカオリン、炭酸カルシウムが好適に使用され、硫酸バリウム、酸化チタン、サチンホワイト、タルク、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛等が、また有機顔料としてはポリスチレンラテックス、尿素ホルマリン樹脂などを用いることができる。これらは目的に応じて、単独でも、あるいは2種以上組み合わせても使用することができる。
顔料として、好ましくは炭酸カルシウムを主成分するものであり、全顔料中の炭酸カルシウムの好ましい使用割合は、30〜100質量%、より好ましくは40〜100質量%、特に好ましくは50〜100質量%である。炭酸カルシウム以外の顔料の好ましい使用割合は、0〜70質量%、より好ましくは0〜60質量%、特に好ましくは0〜50質量%である。ここで両者の合計量は100質量%である。炭酸カルシウムの使用割合が上記の範囲であると、耐ブリスター性と強度の物性バランスが一段と向上する。
本発明の紙塗工用組成物には、さらにピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどの分散剤を配合することができる。分散剤の配合量は顔料100質量部に対して0.1〜1質量部である。
また、本発明の紙塗工用組成物には、さらに一般に使用されている種々の助剤、例えば、消泡剤(ポリグリコール、脂肪酸エステル、リン酸エステル、シリコンオイルなど)、レベリング剤(ロート油、ジシアンジアミド、尿素など)、防腐剤、耐水化剤(ホルマリン、ヘキサミン、メラミン樹脂、尿素樹脂、グリオキサルなど)、離型剤(ステアリン酸カルシウム、パラフィンエマルジョンなど)、螢光染料、カラー保持性向上剤(カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど)、pH調節剤などを必要に応じて配合することができる。
本発明の紙塗工用組成物は、従来公知の方法によって、例えばエアーナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、アプリケーターなどを用いて塗布することができる。
本発明の紙塗工用組成物は、その優れた性能から、枚葉オフセット用あるいは輪転オフセット印刷紙用の塗工組成物として極めて有用である。その他、凸版印刷、グラビア印刷などの各種印刷用紙のコーティング剤としても有用である。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、実施例において割合を示す「部」および「%」はそれぞれ質量部および質量%を意味する。
1、共重合体ラテックスの製造
(共重合体ラテックスL1の製造)
攪拌機を備え、温度調節の可能なオートクレーブ中に、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8部、過硫酸カリウム1.0部、重亜硫酸ナトリウム0.5部、及び1段目成分として、1,3−ブタジエン25部、スチレン15部及びt−ドデシルメルカプタン0.2部を一括して仕込み、45℃で6時間反応させ、重合転化率が70%以上であることを確認した(1段目の重合)。その後、2段目成分として、1,3―ブタジエン15部、スチレン40部、アクリロニトリル15部、メチルメタアクリレート2部、イタコン酸2部、アクリル酸1部を7時間にわたって連続的に添加しながら60℃で重合を継続した。連続添加終了後も更に70℃で6時間反応させ(2段目の重合)、共重合体からなる粒子を含む共重合体ラテックスL1を得た。最終的な重合転化率は99%であった。得られた共重合体ラテックスL1についてゲル含有量、重量平均粒子径、粒子径分布、ガラス転移点を以下の方法で求めた。その結果を表1に示す。
(1)ゲル含有量
共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムによりpH8.0に調整した後、イソプロパノールで凝固し、この凝固物を蒸留水により洗浄、乾燥した。その後、所定量(約0.03g)の試料を所定量(100ml)のトルエンに、25℃で、20時間浸漬した。次いで、この溶液を120メッシュの金網で濾過し、得られる残存固形分の質量を測定し、処理前の全固形分に対する割合を求めた。
(2)重量平均粒子径(Dw)
大塚電子社製のレーザー粒径解析システムLPA3100を用いて常法により求めた。(3)粒子径分布(Dw/Dn)
大塚電子社製のレーザー粒径解析システムLPA3100を用いて重量平均粒子径(Dw)及び数平均粒子径Dnを求め、Dw/Dnを算出した。
(4)ガラス転移点
共重合体ラテックスを130℃で30分加熱乾燥を行い、フィルムを作製した。この乾燥フィルムを示差熱量計(セイコー電子社製DSC−220C)を用いて、昇温速度15℃/分の条件で測定した。
(共重合体ラテックスL2〜L9の製造)
実施例1と同様にして共重合体ラテックスL2〜L9を製造した。最終的な重合転化率は98〜99%であった。得られた共重合体ラテックスについて、上記と同様にしてゲル含有量、重量平均粒子径、粒子径分布、ガラス転移点を求めた。その結果を単量体組成と共に表1に示した。
Figure 2005256235
2.紙塗工用組成物の調整
上記で製造した共重合体ラテックスL1〜L9と、下記成分(1)〜(5)とを用いて、表2の処方により、塗工用組成物を調整した。
(1)カオリンクレー;商品名「ミラグロス」、エンゲルハード社製
(2)炭酸カルシウム;商品名「ファイマテック90」、ファイマテック社製。
(3)分散剤;ポリアクリル酸系分散剤、商品名「アロンT−40」、東亜合成社製。
(4)水酸化ナトリウム;商品名「水酸化ナトリウム1級」、和光純薬社製。
(5)澱粉;商品名「MS4600」、日本食品工業社製。
3.塗工紙の製造及び評価
上記で得た紙塗工用組成物を用い、ラボブレードコーターによる塗工を実施し、各種評価を行った。
上記紙塗工用組成物を、塗工原紙(80.5g/m)上に、塗工量が片面13.5±0.5g/mとなるように塗工し200℃の熱風で20秒間乾燥した。その後、同条件で裏面を塗工した。この塗工紙を温度23℃、湿度50%の恒温恒湿槽に1昼夜放置した。次いで、線圧100kg/cm,ロール温度50℃の条件でスーパーカレンダー処理を4回行い、オフセット印刷用塗工紙を得た。得られた塗工紙の紙質・印刷適性としてドライピック強度、ウエットピック強度、白紙光沢、印刷光沢等の評価を行った。
また、塗工紙製造時の操業性(耐ロール汚れ性)に関する評価は、ラテックス粘着性の評価を行った。
さらに、塗工紙の再利用時のホワイトピッチ抑制(耐ホワイトピッチ性)は、離解時のラテックス脱着量を求め評価した。脱着量が少ないとホワイトピッチの問題が起き難い。
(1)ドライピック強度
RI印刷機(明製作所社製)で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階評価した。ピッキングの全く起きていない場合を5、ピッキングが多いものほど低得点にした。
(2)ウェットピック強度
上記RI印刷機を用いて、塗工紙表面を吸水ロールで湿してから、RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階評価した。得点のつけ方は上記と同様である。
(3)吸水着肉性
オフセット印刷時の湿し水がついた後のインキ受理性を評価するために、吸水着肉性のテストを実施した。RI印刷機を用いて、塗工紙表面を吸水ロールで湿してから、RI印刷機でピッキングを起こさない条件で印刷し、印刷後のインキ濃度を測定した。そして、インキ濃度の最も高いものを5とし低いものほど低得点とした。
(4)印刷光沢
上記RI印刷機を用いて、オフセット用インキを塗工紙にベタ刷りした後、村上式光沢度計により60度の角度で光沢度を測定した。
(5)白紙光沢
未印刷の塗工紙を村上式光沢度計により、入射角75度および反射角75度で光沢度を測定した。
(6)耐ブリスター性
両面印刷塗工紙を調湿(約6%)した後、加熱したオイルバスに投入し、ブリスターが発生する最低温度を求めた。
(7)耐ロール汚れ性
共重合体ラテックスをポリエチレンテレフタレートフィルム上にコーティング用ロッドを用いて塗布し、120℃で30秒間、乾燥し、10g/mの皮膜を形成させた。その後、この皮膜と黒羅紗紙を合わせて、ラボスーパーカレンダーにより、線圧200Kg/m、温度70℃の条件で圧着した。次いで、両者をひき剥がして黒羅紗紙の重合体皮膜への付着の程度を、目視で5段階評価した。付着の少ないものほど高得点にした。
(8)耐ホワイトピッチ性
離解機に水1000gと両面塗工紙15gを入れ、40℃で10分間離解する。その後300メッシュの金網で濾過する。濾液を静置し、上澄み液を一定量採取し固形分を測定する。次に、その上済み液を乾固し、共重合体の含有割合を熱分解ガスクロマトグラフィーで求める。これらの操作から脱着量を求め、下記指標で評価した。
○:脱着量が少なく、今までにホワイトピッチの問題がなく長期間使用されている製品の脱着量に近いか、それより少ない。
×:脱着量が多く、過去、ホワイトピッチが問題になったことがしばしばある製品の脱着量に近いか、それより多い。
△:上記2つの中間の脱着量で、過去、ホワイトピッチが問題になったこともある製品の脱着量に近い。
実施例1〜4は、ゲル含有量が極めて高く、平均粒子径が本発明の範囲内の上記組成の共重合体ラテックスを所定量使用したため、強度、印刷光沢、耐ブリスター性が良好で、かつ、塗工紙製造時の操業性(耐ロール汚れ性)が良く、古紙や損紙として再利用時にホワイトピッチが問題になりにくいオフ輪印刷紙用塗工紙が得られた。
Figure 2005256235
Figure 2005256235
比較例1は、共重合体ラテックスのゲル含有量が本発明の範囲よりも低いため、ドライピック強度が低い。比較例2は共重合体ラテックスの平均粒子径が本発明の範囲よりも大きいためウエットピック強度が弱い。一方比較例3は共重合体ラテックスの平均粒子径が本発明の範囲よりも小さいため白紙光沢、印刷光沢が低い。比較例4は共重合体ラテックスのアクリロニトリル量が本発明の範囲よりも少ないため、印刷光沢が低い。比較例5は共重合体ラテックスのブタジエン量が本発明の範囲よりも多いため、粘着性大で操業性が悪い。比較例6は本発明の共重合体ラテックス量が本発明の範囲よりも多いため、耐ブリスター性が悪く、耐ホワイトピッチに劣り、ホワイトピッチ生成の可能性が高い。比較例7は本発明の共重合体ラテックス量が本発明の範囲よりも少ないため、ドライピック強度、ウエットピック強度が弱い。比較例8は全バインダー量が本発明の範囲よりも多いため、耐ブリスター性が良くない。
本発明によって得られる紙塗工用組成物は、強度、耐ブリスター性、印刷光沢の二律背反する性質が両立し、かつ、塗工操業性(耐ロール汚れ性)に優れ、古紙や損紙として再利用し易く、特に枚葉オフセット用あるいは輪転オフセット用として極めて工業的価値が高い。


Claims (6)

  1. (A)顔料100質量部に対して、(B)(a)脂肪族共役ジエン単量体35〜58質量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜7質量%、(c)シアン化ビニル単量体5〜30質量%、及び(d)これらの単量体と共重合可能な他の単量体5〜59.5質量%からなる単量体(但し、(a)+(b)+(c)+(d)=100質量%)を乳化重合して得られ、ゲル含有量が85〜98%、重量平均粒子径(Dw)が60〜90nmの共重合体ラテックス(固形分)を5〜9質量部、かつ該共重合体ラテックスを含むバインダー量が固形分で12質量部以下であることを特徴とする紙塗工用組成物。
  2. バインダーが上記共重合体ラテックスと他のバインダーとからなり、バインダーに含有される上記共重合体ラテックス(固形分)の割合は50〜90質量%であることを特徴とする請求項1の記載の紙塗工用組成物。
  3. 他のバインダーが澱粉であることを特徴とする請求項2の記載の紙塗工用組成物。
  4. 上記共重合体ラテックスが、少なくとも2つのガラス転移点を有しており、−70〜0℃の範囲に少なくとも1点存在し、かつ、示差走査熱量計によって得られる示差走査熱量曲線において、転移領域の最低温度と最高温度の温度差が10℃以上あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紙塗工用組成物。
  5. 上記共重合体ラテックスの重合体粒子の粒子径分布(Dw/Dn)が1.0〜1.3であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紙塗工用組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の組成物を用いた枚葉オフセット用あるいは輪転オフセット用塗工紙。

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