JP5946233B2 - 紙塗工用組成物の製造方法及び塗工紙の製造方法 - Google Patents
紙塗工用組成物の製造方法及び塗工紙の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5946233B2 JP5946233B2 JP2009006106A JP2009006106A JP5946233B2 JP 5946233 B2 JP5946233 B2 JP 5946233B2 JP 2009006106 A JP2009006106 A JP 2009006106A JP 2009006106 A JP2009006106 A JP 2009006106A JP 5946233 B2 JP5946233 B2 JP 5946233B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- paper
- monomer
- pigment
- coating composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Paper (AREA)
Description
特許文献1には、カオリン、クレー、炭酸カルシウム等の顔料100質量部に対して、重合度が500〜3,000のポリビニルアルコールを0.1質量部以上2.0質量部未満、及び、デンプンを2.0質量部未満含有する、塗工性及び耐ブリスター性に優れた紙塗工液が開示されている。
また、特許文献2には、カオリン、炭酸カルシウム等の顔料と、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス及びデンプンを含むバインダーと、平均重合度が30〜7,000、ケン化度30〜100モル%及びアニオン化変性度0.5〜20モル%の水溶性アニオン化変性ポリビニルアルコールとを含有する、流動性及び保水性に優れた紙塗工液が開示されている。
また、デンプンを含有しない紙塗工液を用いると、得られる塗工紙の印刷強度が十分でない場合があった。そして、流動性、保水性及び塗工性を低下させることなく、白紙光沢、印刷光沢及び印刷強度に優れた塗工紙を得るために、ラテックス、粘度調節剤等の最適化が求められていた。
本発明は以下のとおりである。
1.[A]顔料、[B]ポリビニルアルコール、及び、[C]脂肪族共役ジエン系共重合体粒子、を含有する、オフセット印刷用紙用の紙塗工用組成物の製造方法であって、
前記紙塗工用組成物はデンプンを含有せず、
前記顔料[A]は、炭酸カルシウムを含み、該炭酸カルシウムの含有量は、該顔料[A]100質量%に対して50〜100質量%であり、
前記ポリビニルアルコール[B]は、JIS K6726に準じて測定される、濃度4質量%の水溶液の粘度が、温度20℃において20mPa・s以下であり、且つ、該ポリビニルアルコール[B]の含有量は、前記顔料[A]100質量部に対して0.2〜5.0質量部であり、
前記脂肪族共役ジエン系共重合体粒子[C]は、脂肪族共役ジエン単量体[c1]30〜65質量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体[c2]1〜8質量%及びこれらの単量体と共重合可能な他の単量体[c3]27〜69質量%(但し、前記単量体[c1]、[c2]及び[c3]の合計は100質量%である。)を重合して得られるコア・シェル型の共重合体の粒子であり、
該脂肪族共役ジエン系共重合体粒子[C]のpH7.5における平均粒子径は60〜180nmであり、且つ、該脂肪族共役ジエン系共重合体粒子[C]の含有量は、前記顔料[A]100質量部に対して4〜12質量部であり、
前記顔料[A]、前記ポリビニルアルコール[B]及び前記脂肪族共役ジエン系共重合体粒子[C]を混合する混合工程と、その後、pHを8.0〜10.5に調整するpH調整工程を備えることを特徴とする紙塗工用組成物の製造方法。
2.AA−GWRによる加圧脱水量(5μmフィルター加圧1.5kg)が100g/m2以下である請求項1に記載の紙塗工用組成物の製造方法。
3.上記炭酸カルシウムは、粒子径が2μm以下の炭酸カルシウムを95質量%以上含む請求項1又は2に記載の紙塗工用組成物の製造方法。
4.上記顔料[A]が中空の有機顔料を含み、上記有機顔料の含有量は、上記顔料[A]100質量%に対して10質量%以下である請求項1乃至3のいずれかに記載の紙塗工用組成物の製造方法。
5.上記1乃至4のいずれかに記載の紙塗工用組成物の製造方法から得られた紙塗工用組成物を原紙に塗工する塗工工程を備えることを特徴とする塗工紙(オフセット印刷用紙)の製造方法。
上記顔料[A]に含まれる炭酸カルシウムが、粒子径が2μm以下の炭酸カルシウムを95質量%以上含む場合には、印刷強度が特に優れるオフセット印刷用紙の製造に好適である。
また、上記顔料[A]が、中空の有機顔料を、所定割合をもって含む場合には、白紙光沢及び印刷光沢が特に優れるオフセット印刷用紙の製造に好適である。
尚、本発明の紙塗工用組成物の製造方法により得られる紙塗工用組成物は、通常、液状の組成物であり、その媒体は、主として水である。
上記炭酸カルシウムの粒子径は、組成物の高速流動性に優れ、印刷強度及び白紙光沢に優れた塗工紙が得られることから、通常、2μm以下、好ましくは0.1〜1.5μmである。この粒子径が大きすぎると、塗料の高速流動性が低下し、実機での高速塗工に適さない場合がある。また、物理的に凹凸が増すこととなり、組成物中の水分が原紙にしみ込み易くなる場合がある。その結果、保水性が低下すると共に、塗工紙の表面で光が乱反射し白紙光沢の低下を招く場合がある。更に、顔料同士の接着点が減ることでバインダーが有効に機能せず、塗工層強度が低下すると共に印刷強度も低下する。尚、上記粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定された値である。
本発明において、上記炭酸カルシウムは、得られる塗工紙の印刷強度が特に優れることから、粒子径が2μm以下の炭酸カルシウムの含有割合が高いことが好ましい。その場合の含有割合は、炭酸カルシウムの全量に対して、好ましくは95質量%以上、より好ましくは100質量%である。
本発明においては、得られる塗工紙の白紙光沢及び印刷光沢が特に優れることから、中空の有機顔料が好ましい。この場合、平坦性に優れた塗工層が得られることから、この有機顔料の平均粒子径は、好ましくは0.5〜2.0μm、より好ましくは0.6〜1.7μm、更に好ましくは0.7〜1.5μmである。
また、上記顔料[A]が、中空の有機顔料を含む場合、その含有割合は、上記顔料[A]100質量%に対して、10質量%以下であり、好ましくは1〜9質量%、より好ましくは2〜8質量%である。この含有割合とすることにより、得られる塗工紙の白紙光沢及び印刷光沢が特に優れる。
また、上記ポリビニルアルコール[B]のけん化度は、好ましくは85モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上である。このけん化度が85モル%以上であれば、塗工性に優れた粘度を有する組成物とすることができ、塗料の保水性、及び、得られる塗工紙の印刷強度に優れる。
尚、上記ポリビニルアルコール[B]は、変性されたポリビニルアルコールであってもよい。
上記単量体[c1]の含有量は、上記単量体[c1]、[c2]及び[c3]の合計100質量%に対して、30〜65質量%であり、好ましくは30〜60質量%である。上記単量体[c1]の含有量が上記範囲にあると、共重合体粒子[C]が適度な硬度を有し、塗工後のべとつきが抑制され、原紙及び顔料[A]への接着性に優れる。
上記単量体[c2]の含有量は、上記単量体[c1]、[c2]及び[c3]の合計100質量%に対して、1〜8質量%であり、好ましくは1〜6質量%である。上記単量体[c2]の含有量が上記範囲にあると、共重合体粒子[C]の機械的安定性及び化学的安定性に優れ、塗工性に優れる。尚、上記含有量が多すぎると、紙塗工用組成物の粘度が高くなり、作業性が低下する場合がある。
合がある。
ビニルエステル単量体としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。これらは、単独で用いてよいし2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
尚、上記含有量が多すぎると、印刷強度及び印刷光沢が低下する場合がある。
上記単量体[c3]が、シアン化ビニル単量体を含む場合、その割合は、上記含有量27〜69質量%のうち、好ましくは10〜40質量%である。この範囲であると、印刷光沢に特に優れた塗工紙を得ることができる。
尚、他の単量体は、シアン化ビニル単量体を含むことが好ましい。その場合、他の単量体の含有量0〜70質量%のうち、好ましくは10〜40質量%である。上記シアン化ビニル単量体の含有割合が10質量%未満であると、インク溶剤の吸収が高くなりすぎて、印刷光沢が低下する場合がある。一方、上記含有割合が40質量%を超えると、コア部が硬くなりすぎて、接着強度が低下する場合がある。
また、上記単量体成分(i)中のコア部用第2単量体及びコア部用第3単量体の割合は、特に限定されない。コア部用第1単量体、コア部用第2単量体及びコア部用第3単量体に含まれる各単量体組成は、同一であってよいし異なってもよい。
上記アニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム;アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム;アルキル硫酸ナトリウム;ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物;ジアルキルスルホコハク酸塩;脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム等の脂肪酸石鹸等が挙げられる。
上記重合開始剤は、単独で用いてよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
上記単量体成分(i)の重合に際し、上記分子量調節剤を用いる場合、その使用量は、上記単量体成分(i)100質量部に対して、通常、0.1〜2.0質量部である。
尚、他の単量体は、シアン化ビニル単量体を含むことが好ましい。その場合、他の単量体の含有量30〜70質量%のうち、上限は、好ましくは70質量%、より好ましくは60質量%、更に好ましくは50質量%である。上記含有割合が高すぎると、シェル部が硬くなりすぎて、接着強度が低下する場合がある。
また、上記コア・シェル型共重合体粒子において、コア部及びシェル部の質量比は、これらの合計を100質量%とした場合に、それぞれ、好ましくは50〜95質量%及び5〜50質量%、より好ましくは50〜85質量%及び15〜50質量%である。コア部の質量割合が低すぎると、得られる塗工紙において、印刷強度が低下したり、インク溶剤の吸収が高くなりすぎて、印刷光沢が低下する場合がある。一方、上記割合が高すぎると、インク溶剤との親和性が低下し、印刷光沢が低下する場合がある。
尚、上記共重合体粒子[C]の平均粒子径は、光散乱法により測定することができる。
顔料分散剤としては、アルキルアミンリン酸塩、アルキルピリジニウムクロライド、アルキルポリエーテルサルフェート、アルキルアリルスルホネート,アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルフェノールポリエチレンエーテル、アリルスルホン酸縮合物、高級アルコールスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホサクシネート、ジアルキルサクシネート、脂肪酸アミド誘導体硫酸エステル、親油性ポリエステル、繊維素グリコールソルビタンモノステアレート、セチルアルコール硫酸エステルナトリウム、ソルビタンアルキレート、ソルビタンエステル、第4級アンモニウム、トリメチルステアリルアンモニウムクロライド、ナフタレンホルマリン縮合物ジナフチルメタスルホネート、ひまし油硫酸化油、ビスナフタレンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリエチレングリコールオレイルエーテル、ポリエチレングリコールエクテル、ポリエチレングリコールアルキルアリルエーテルスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、β−ナフタレンスルホン酸ナトリウム縮合物、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム等が挙げられる。
消泡剤としては、ポリグリコール、脂肪酸エステル、リン酸エステル、シリコーンオイル等が挙げられる。
pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等が挙げられる。
他のバインダーとしては、カゼイン、大豆蛋白、他のポリビニルアルコール、他の脂肪族共役ジエン系重合体、酢酸ビニル系重合体、アクリル系重合体等が挙げられる。
本発明の製造方法により得られる紙塗工用組成物が、他のバインダーを含有する場合には、上記共重合体粒子[C]100質量部に対して、通常、40質量部以下、好ましくは0〜20質量部である。
本発明の製造方法により得られる紙塗工用組成物の固形分濃度は、好ましくは50〜70質量%、より好ましくは60〜70質量%である。また、pHは8.0〜10.5である。
また、上記紙塗工用組成物の塗工量は、得られる塗工紙の用途等により、適宜、選択されるが、通常、絶乾塗工量が6.0〜25.0g/m2の範囲となるように、上記紙塗工用組成物の固形分濃度及び粘度、塗工工程における塗工速度等が調整される。
下記の実施例及び比較例で用いた各紙塗工用組成物の調製に用いた原料成分を以下に示す。
1−1.顔料
(1)重質炭酸カルシウム(A1)
イメリス社製「カービタル90」(商品名)を用いた。粒子径2μm以下の粒子の割合は90%である。
(2)重質炭酸カルシウム(A2)
イメリス社製「カービタル97」(商品名)を用いた。粒子径2μm以下の粒子の割合は97%である。
(3)クレー(A3)
エンゲルハード社製「ミラグロスJP」(商品名)を用いた。
(4)中空有機顔料(A4)
JSR社製「AE852」(商品名)を用いた。
(1)ポリビニルアルコール(B1)
日本合成化学社製「ゴーセノール NL−05」(商品名)を用いた。JIS K6726に準じて測定した、濃度4%の水溶液の粘度(20℃)は4.6〜6.0mPa・sである。
(2)ポリビニルアルコール(B2)
日本合成化学社製「ゴーセノール NH−20」(商品名)を用いた。JIS K6726に準じて測定した、濃度4%の水溶液の粘度(20℃)は35〜43mPa・sである。
(3)カルボキシメチルセルロース(B3)
第一工業製薬社製「セロゲンPR」(商品名)を用いた。
(4)アルカリ増粘型合成保水剤(B4)
サンノプコ社製「SN924」(商品名)を用いた。
(1)ラテックス(C1)
以下の要領で、コア・シェル型の脂肪族共役ジエン系共重合体粒子を含むラテックスを製造した。
撹拌機及び温度調節機を備える耐圧反応容器に、コア部形成用の1段目成分として、水99部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8部、アクリル酸0.5部、1,3−ブタジエン6.0部、スチレン3.6部、アクリロニトリル2.5部、過硫酸カリウム1.4部、亜硫酸水素ナトリウム0.2部及び硫酸第一鉄7水塩0.01部を仕込み、窒素ガスで重合系内を置換した。その後、原料成分の温度を40℃まで昇温し、原料成分を撹拌しながら、この温度で1.5時間重合を行った。次いで、アクリル酸0.5部、イタコン酸0.2部、1,3−ブタジエン21.0部、スチレン9.9部、アクリロニトリル10.0部、α−メチルスチレンダイマー0.6部、及び、下記構成を有する還元剤水溶液(表1)の1/5量からなる、コア部形成用の2段目成分を、6時間かけて重合系内に連続的に添加し、重合を進めた。その後、イタコン酸0.2部、1,3−ブタジエン10.0部、スチレン8.0部、アクリロニトリル4.0部、及び、還元剤水溶液(表1)の1/5量からなる、コア部形成用の3段目成分を、2時間かけて重合系内に連続的に添加し、重合を進めた。
次に、重合溶液の温度を55℃に昇温し、アクリル酸1.0部、イタコン酸0.6部、1,3−ブタジエン3.0部、スチレン12.0部、アクリロニトリル4.0部、tert−ドデシルメルカプタン0.3部、及び、還元剤水溶液(表1)の2/5量からなる、シェル部形成用成分を、2時間かけて上記重合溶液に連続的に添加し、重合を継続した。そして、残り1/5量の還元剤水溶液(表1)を2時間かけて連続的に添加し、重合を完結させ、コア・シェル型の脂肪族共役ジエン系共重合体粒子を含むラテックスを得た。最終的な重合転化率は98%であった。
その後、得られたラテックスに、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムを添加し、pH7.5(常温推算値)に調整した。そして、水蒸気を吹き込んで未反応単量体を除去し、更に、加熱水蒸気蒸留によって、平均粒子径が75nmであり、ゲル含量が88%であるコア・シェル型の脂肪族共役ジエン系共重合体粒子を50%含むラテックス(C1)を得た(表1参照)。
水20部に亜硫酸水素ナトリウム0.6部を溶解させてなる水溶液を還元剤として用いた(表1)。
表1に示す成分を用いた以外は、上記ラテックス(C1)と同様にして、平均粒子径が150nmであり、ゲル含量が95%であるコア・シェル型の脂肪族共役ジエン系共重合体粒子を50%含むラテックス(C2)を得た(表1参照)。
(3)ラテックス(C3)
表1に示す成分を用いた以外は、上記ラテックス(C1)と同様にして、平均粒子径が200nmであり、ゲル含量が93%であるコア・シェル型の脂肪族共役ジエン系共重合体粒子を50%含むラテックス(C3)を得た(表1参照)。
(4)ラテックス(C4)
表1に示す成分を用いた以外は、上記ラテックス(C1)と同様にして、平均粒子径が100nmであり、ゲル含量が93%であるコア・シェル型の脂肪族共役ジエン系共重合体粒子を50%含むラテックス(C4)を得た(表1参照)。
(5)デンプン(C5)
王子コーンスターチ社製「王子エースA」(商品名)を用いた。
・平均粒子径
大塚電子社製粒子径測定装置「FPAR−1000」(型式名)を用いて、常法により測定した。
・ゲル含有量
ラテックスを、常温でpH8.0に調整した後、イソプロパノールで重合体成分を凝固した。次いで、得られた凝固物を洗浄、乾燥し、0.03gの試料を100mlのトルエンに25℃、20時間浸漬させた。その後、トルエン溶液を120メッシュの金網で濾過した。そして、金網上の残存物を乾燥、秤量し、トルエン浸漬前の質量に対する比率を算出した。
重質炭酸カルシウム(A1)70部と、クレー(A3)30部と、ポリビニルアルコール(B1)1.5部と、ラテックス(C1)7部と、塩基性成分として水酸化ナトリウム0.1部とを、SMT社製コーレス分散機を用いて混合し、固形分濃度66%、pH8.5の紙塗工用組成物を製造した。
得られた紙塗工用組成物について、各種物性測定を行い、その結果を表2に示した。
・BF粘度(B−VIS)
TOKIMEC社製ブルックフィールド粘度計「デジタル粘度計」(商品名)を用い、紙塗工用組成物を調製した直後、温度23℃で、60回転における見掛け粘度を、測定開始から1分後に測定した。
・ハイシェア粘度(H−VIS)
熊谷理機工業社製ハーキュレスハイシェアー回転粘度計「ハイシェアビスコメーター」(商品名)を用いて、回転体(ボブF)により、回転数0〜8000rpm、上昇下降時間(sweep time)10秒及び温度23℃の条件で、紙塗工用組成物の見掛け粘度を測定した。
・加圧脱水量(AA−GWR)
室温23℃、湿度55%一定の雰囲気下で加圧脱水法に従い、リテンションメーターであるAA−GWR(カルテック社製)を用いて、塗工液5.0CC、圧力1.5バール、加圧時間30秒の条件で塗工液の濾紙への脱水量を測定した。値が小さいほど保水性が良いことを示す。
得られたオフセット印刷用紙について、各種評価を行い、その結果を表2に併記した。
・白紙光沢
村上式光沢計を用いて、光沢度を75度の角度で測定した。数字が大きいほど、白紙光沢が良好であることを示す。
・印刷光沢
RI印刷機を用いて、T&K社製オフセット印刷用墨インキ「FujionG墨」(商品名)0.5CCをロールで均一に練った後、30rpmの印刷速度で印刷した。そして、24時間後、村上式光沢計を使用して60度の角度で測定した。数字が大きい程、光沢が高いことを示す。
・印刷強度
RI印刷機を用いて、東洋インキ社製試験用インキ「タックグレード15」(商品名)0.5CCをロールで均一に練った後、60rpmの印刷速度で3回印刷した。このときの塗工層のピッキング発生状態を肉眼で判定した。
◎:ピッキングが印刷面(1cm2)に全く発生しなかった。
○:ピッキングが印刷面(1cm2)に10個以下の割合で発生した。
△:ピッキングが印刷面(1cm2)に15個以下の割合で発生した。
×:ピッキングが印刷面(1cm2)に15個より多く発生した。
表2及び表3に示す成分を用いた以外は、実験例1と同様にして紙塗工用組成物を製造し、各種評価を行った。その結果を表2及び表3に併記した。尚、比較例6の紙塗工用組成物は、BF粘度(B−VIS)が高くなり過ぎて塗工ができず、塗工紙の評価ができなかった。
Claims (5)
- [A]顔料、
[B]ポリビニルアルコール、及び、
[C]脂肪族共役ジエン系共重合体粒子、
を含有する、オフセット印刷用紙用の紙塗工用組成物の製造方法であって、
前記紙塗工用組成物はデンプンを含有せず、
前記顔料[A]は、炭酸カルシウムを含み、該炭酸カルシウムの含有量は、該顔料[A]100質量%に対して50〜100質量%であり、
前記ポリビニルアルコール[B]は、JIS K6726に準じて測定される、濃度4質量%の水溶液の粘度が、温度20℃において20mPa・s以下であり、且つ、該ポリビニルアルコール[B]の含有量は、前記顔料[A]100質量部に対して0.2〜5.0質量部であり、
前記脂肪族共役ジエン系共重合体粒子[C]は、脂肪族共役ジエン単量体[c1]30〜65質量%、エチレン性不飽和カルボン酸単量体[c2]1〜8質量%及びこれらの単量体と共重合可能な他の単量体[c3]27〜69質量%(但し、前記単量体[c1]、[c2]及び[c3]の合計は100質量%である。)を重合して得られるコア・シェル型の共重合体の粒子であり、
該脂肪族共役ジエン系共重合体粒子[C]のpH7.5における平均粒子径は60〜180nmであり、且つ、該脂肪族共役ジエン系共重合体粒子[C]の含有量は、前記顔料[A]100質量部に対して4〜12質量部であり、
前記顔料[A]、前記ポリビニルアルコール[B]及び前記脂肪族共役ジエン系共重合体粒子[C]を混合する混合工程と、その後、pHを8.0〜10.5に調整するpH調整工程を備えることを特徴とする紙塗工用組成物の製造方法。 - AA−GWRによる加圧脱水量(5μmフィルター加圧1.5kg)が100g/m2以下である請求項1に記載の紙塗工用組成物の製造方法。
- 前記炭酸カルシウムは、粒子径が2μm以下の炭酸カルシウムを95質量%以上含む請求項1又は2に記載の紙塗工用組成物の製造方法。
- 前記顔料[A]が中空の有機顔料を含み、該有機顔料の含有量は、該顔料[A]100質量%に対して10質量%以下である請求項1乃至3のいずれかに記載の紙塗工用組成物の製造方法。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の紙塗工用組成物の製造方法により得られた紙塗工用組成物を原紙に塗工する塗工工程を備えることを特徴とする塗工紙の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009006106A JP5946233B2 (ja) | 2009-01-14 | 2009-01-14 | 紙塗工用組成物の製造方法及び塗工紙の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009006106A JP5946233B2 (ja) | 2009-01-14 | 2009-01-14 | 紙塗工用組成物の製造方法及び塗工紙の製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015030050A Division JP2015092041A (ja) | 2015-02-18 | 2015-02-18 | 紙塗工用組成物及びそれを用いて得られた塗工紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010163708A JP2010163708A (ja) | 2010-07-29 |
JP5946233B2 true JP5946233B2 (ja) | 2016-07-05 |
Family
ID=42580085
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009006106A Active JP5946233B2 (ja) | 2009-01-14 | 2009-01-14 | 紙塗工用組成物の製造方法及び塗工紙の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5946233B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012117174A (ja) * | 2010-12-02 | 2012-06-21 | Oji Paper Co Ltd | コールドセット用オフセット印刷用紙 |
JP5682460B2 (ja) * | 2011-06-07 | 2015-03-11 | 王子ホールディングス株式会社 | 印刷用塗工紙の製造方法 |
Family Cites Families (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5464114A (en) * | 1977-10-28 | 1979-05-23 | Asahi Dow Ltd | Paper coating composition |
JP2801919B2 (ja) * | 1989-03-15 | 1998-09-21 | 旭化成工業株式会社 | 共重合体ラテックス |
DE19601245A1 (de) * | 1996-01-16 | 1997-07-17 | Haindl Papier Gmbh | Rollendruckpapier mit Coldset-Eignung und Verfahren zu dessen Herstellung |
JP3082188B2 (ja) * | 1996-05-14 | 2000-08-28 | 日本製紙株式会社 | オフセット印刷用光沢塗被紙の製造方法及び光沢塗被紙 |
EP0937179A1 (en) * | 1996-11-08 | 1999-08-25 | S.D. Warren Services Company | Coated printing paper and method of manufacture |
JPH11279991A (ja) * | 1998-03-31 | 1999-10-12 | Nippon Paper Industries Co Ltd | オフセット印刷用塗工紙及びその製造方法 |
JP2000045198A (ja) * | 1998-07-28 | 2000-02-15 | Michio Shoji | コート紙 |
JP2000336593A (ja) * | 1999-05-31 | 2000-12-05 | Nippon Paper Industries Co Ltd | 印刷用塗工紙 |
US6414065B1 (en) * | 1999-11-05 | 2002-07-02 | Celanese International Corporation | Multifunctional poly(vinyl alcohol) binder for fine particle size calcium carbonate pigment |
JP4669210B2 (ja) * | 2003-06-04 | 2011-04-13 | 日本合成化学工業株式会社 | 印刷用基材に用いられるコーティング剤組成物 |
JP2006152484A (ja) * | 2004-11-29 | 2006-06-15 | Jsr Corp | 艶消し塗工紙用組成物及び艶消し塗工紙 |
JP2007046189A (ja) * | 2005-08-10 | 2007-02-22 | Nippon Paper Industries Co Ltd | 印刷用塗工紙 |
JP2007092246A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 印刷用塗工紙 |
SE530020C2 (sv) * | 2006-06-15 | 2008-02-12 | Holmen Ab | Förfarande för stabilisering av vitheten hos i ytbehandlingslim/smet för papper ingående fluroescerande vitmedel (FWA) och hos av detta/dessa formade ytbehandlingsskikt |
JP2008231299A (ja) * | 2007-03-22 | 2008-10-02 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 共重合体ラテックス、紙塗工剤、及び共重合体ラテックスの製造方法 |
-
2009
- 2009-01-14 JP JP2009006106A patent/JP5946233B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010163708A (ja) | 2010-07-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1639031A1 (en) | Method of manufacture of styrene-butadiene latexes | |
JP2007162166A (ja) | 塗工板紙用組成物および塗工板紙 | |
JP5946233B2 (ja) | 紙塗工用組成物の製造方法及び塗工紙の製造方法 | |
JPH11217409A (ja) | 共重合体ラテックス | |
JP2006152484A (ja) | 艶消し塗工紙用組成物及び艶消し塗工紙 | |
JP5288544B2 (ja) | 多層塗工紙 | |
JP4583026B2 (ja) | 白板紙用重合体ラテックス | |
JP3931715B2 (ja) | 共重合体ラテックスの製造方法 | |
JPH10204218A (ja) | 共重合体ラテックスおよび紙塗工用組成物 | |
JP2016166443A (ja) | オフセット印刷用紙 | |
JP3475571B2 (ja) | オフセット印刷塗工紙用共重合体ラテックスの製造方法 | |
JP2004091965A (ja) | 紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法 | |
JP2015092041A (ja) | 紙塗工用組成物及びそれを用いて得られた塗工紙 | |
JPH10245450A (ja) | 共重合体ラテックスおよび紙塗工用組成物 | |
JP5347216B2 (ja) | 共重合体ラテックス及びその製造方法 | |
JP2003277546A (ja) | 共重合体ラテックス | |
JP2005314834A (ja) | 塗工紙の製造方法及び塗工用組成物 | |
JP2005256235A (ja) | 紙塗工用組成物及び塗工紙 | |
JPH07316212A (ja) | 紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法及び紙塗工用組成物 | |
JP2005139309A (ja) | 紙塗工用共重合体ラテックス | |
JP3475572B2 (ja) | オフセット印刷塗工紙用共重合体ラテックスの製造方法 | |
JP2003277544A (ja) | 共重合体ラテックス | |
JP2006052365A (ja) | 共重合体ラテックス、共重合体ラテックスの製造方法、紙塗工用組成物及び塗工紙 | |
JP2003277545A (ja) | 共重合体ラテックス | |
JP3832594B2 (ja) | 紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110913 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20111219 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121113 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130514 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130628 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140318 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20140613 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20150106 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160106 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160531 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5946233 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |