JP2000045198A - コート紙 - Google Patents

コート紙

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JP2000045198A
JP2000045198A JP10226610A JP22661098A JP2000045198A JP 2000045198 A JP2000045198 A JP 2000045198A JP 10226610 A JP10226610 A JP 10226610A JP 22661098 A JP22661098 A JP 22661098A JP 2000045198 A JP2000045198 A JP 2000045198A
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resin
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unsaturated carboxylic
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JP10226610A
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Michio Shoji
陸夫 東海林
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SHOJI MICHIO
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SHOJI MICHIO
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は耐水化剤の配合なしに耐水性に
優れた水溶性ないし水分散性の接着剤を用いたコート紙
を提供することにある。さらに条件の選択によっては調
湿機能にもすぐれ、カールのしにくいコート紙の提供も
可能とすることである。 【構成】顔料を紙に塗布加工したコート紙において、不
飽和カルボン酸含有量が8−32重量%のエチレン・不
飽和カルボン酸共重合体の不飽和カルボン酸成分がpH
7.0以上になるようにアルカリ中和された水分散性の
樹脂を顔料100重量部に対して0.5重量部以上25
重量部以下を配合して塗工したことを特徴としたコート
紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコート紙の組成物に特徴
をもったものであり、さらに詳しくは、従来の水性接着
剤にくらべて接着力が強く、耐水性に優れているために
耐水化剤の配合は不要となり、コート紙の、とくにオフ
セット印刷適性が高く、コート紙の生産においては顔料
と接着剤を配合したスラリーは従来以上の高濃度が可能
になるために、コーターの乾燥負荷が軽減されて塗工速
度が上げられ、生産性が向上する利点を有するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のコート紙はカオリンや、炭酸カル
シュームなどの顔料と接着剤からなるスラリーを塗布乾
燥し、カレンダー加工などの必要な工程を施して得られ
るものである。スラリーの接着剤には酸化デンプン、燐
酸エステル化デンプンなどの種々の変性デンプンやカゼ
イン、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性天然高
分子樹脂、PVAなどの水溶性合成高分子樹脂(これら
水溶性接着剤を以下A成分と言う)とスチレン−ブタヂ
エン系樹脂、酢酸ヴィニル樹脂、エチレン−酢酸ヴィニ
ル樹脂、アクリル酸やメタアクリル酸のメチル、エチ
ル、あるいはブチルなどのエステル系樹脂などの乳化状
ラテックス(これら乳化状ラテックス接着剤を以下B成
分と言う)が配合使用されている。A成分は保護コロイ
ド機能を有することから高速塗工の安定のための必須成
分になっており、しかし単独配合では皮膜が固いために
カレンダーでの光沢付与や、印刷光沢などが不十分であ
り、A、B両成分は適宜量配合使用されるのが普通であ
る。代表的例としては顔料100重量部にたいしてA,
B合わせて12−20重量部配合され、A/Bは(20
−50)%/(80−50)%といった具合である。
【0003】接着剤のA,B成分の外にとくにA成分の
改質剤としての成分(以下C成分と言う)が一般には必
須的に配合される。コート紙の代表的印刷方式であるオ
フセット印刷においては、湿し水の影響下でのインキ受
理性、ウエットピックや、ウエットラブなどの耐水性、
高速輪転印刷での耐ブリスター性の特性が要求される。
これらの特性改善に配合される従来からのC成分はメラ
ミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド
樹脂、またはポリアミドポリ尿素−ホルムアルデヒド樹
脂などの耐水化剤や、印刷適正向上剤である。そしてこ
のC成分はA成分が完璧でさえあれば基本的には添加使
用する必要のない成分であるにもかかわらず添加使用せ
ざるをえなかった。にもかかわらず、従来のこうした耐
水化剤の効果は不十分であり、加えてスラリーの安定性
を妨げたり、塗工時にホルマリン臭を発散させて作業環
境を悪化させるなど問題の残る部分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は耐水化
剤の配合なしに耐水性に優れた水溶性ないし水分散性の
接着剤を用いたコート紙を提供することにある。さらに
条件の選択によっては調湿機能にもすぐれ、カールのし
にくいコート紙の提供も可能とすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は下記の
手段により画期的に課題が解決されるのである。それ
は、顔料を紙に塗布加工したコート紙において、不飽和
カルボン酸含有量が8−32重量%のエチレン・不飽和
カルボン酸共重合体の不飽和カルボン酸成分がpH7.
0以上になるようにアルカリ中和された水分散性の樹脂
を顔料100重量部に対して0.5重量部以上25重量
部以下を配合して塗工することである。
【0006】
【発明の実施の態様】以下、本発明についてさらに詳細
に説明する。本発明で使用される樹脂は不飽和カルボン
酸含有量が8−32重量%、好ましくは12−26%の
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体である。ここに不
飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、フマル酸、マレイン酸やフマル酸のモノア
ルキルエステル、無水マレイン酸などを例示することが
できるが、とくにアクリル酸およびメタクリル酸が好ま
しい。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体にはまた、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ヴィニル
エステル、あるいはグリシヂルアクリレートやグリシヂ
ルメタクリレートのような第三の単量体が共重合された
ものであってもよい。
【0007】上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体
における不飽和カルボン酸含有量が8重量%未満のもの
を用いると、良好な水性分散液が得られない。また不飽
和カルボン酸含有量が32%を超えると耐水性が不十分
である。
【0008】エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の分
子量は小さすぎると接着強度が低くなりすぎ、耐水性も
低下する。一方分子量が高すぎると良好な水性分散液が
得られないばかりか、経時的に粘度が上昇してゲル化し
やすく、スラリーの濃度を上げる有利さが軽減されてし
まう。分子量はJIS−K−6760に規定された19
0℃で荷重2160gのメルトフローレート(MFRと
記載)で示すと10−800g/分、とくに15−40
0g/分のものを使用するのが好ましい。このようなエ
チレン・不飽和カルボン酸共重合体は、高圧法ポリエチ
レンと同様に、高温、高圧下のラジカル共重合によって
製造することができる。
【0009】本発明で使用されるエチレン・不飽和カル
ボン酸共重合体はアルカリで中和されて使用される。リ
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム,マグネシ
ウム、亜鉛などのアルカリ金属イオン、アンモニア、ア
ミン類などのアルカリであればとくに限定はされない
が、中和後の水分散液のpHは7.0以上、好ましくは
8.0−10に中和されていることが液の安定性上、必
須要因である。7.0未満では凝固しやすく、不安定で
ある。アルカリ金属イオンは例えば水酸化ナトリウムと
アンモニア水という具合に2種以上の組み合わせでも構
わない。不飽和カルボン酸の量に応じて中和アルカリ量
は増減して最終pHを8.5−9.5に調製するのが望
ましい。
【0010】しかし、本発明のもっとも特徴ある特性は
水酸化カリウムで中和した場合の吸湿特性の利用であ
る。水酸化カリウム中和のエチレン・不飽和カルボン酸
共重合体は、吸湿性が著しく高いことが知られており
(特開昭60−240704号、特開平3−10695
4号)、この特性は従来の接着剤A成分にはなかったこ
とである。この特性を利用すれば、コート紙のカールが
起こりにくく、また静電気の発生が押さえられて枚葉紙
印刷などでの走行性問題を起こさなくなる。
【0011】一例をアルカリ中和水性分散体樹脂を12
0℃前後で乾燥して得られる乾燥フィルムの吸湿性とし
て示す。吸湿度は絶乾状態から65%RH,20℃に1
時間放置した後の重量増加率であらわした。エチレン・
不飽和カルボン酸共重合体樹脂には三井デユポン社製
「ニュクレルN1560」(不飽和カルボン酸;メタク
リル酸15%、MFR60)を使用した。中和には固形
状、純分85%の水酸化カリウムを使用した。 水酸化カリウム量(対樹脂重量比) 8% 10% 12% pH 8.8 9.5 12.0 吸湿度 4.1% 10.1% 14.6 なお、水酸化ナトリウムを10%対樹脂用いて中和をし
た場合はpH10.0で、吸湿度は3.8%であった。
それゆえ吸湿性が必要でない場合は水酸化ナトリウム
や、アンモニア水での中和が好ましい。なお参考まで
に、王子ナショナル社製「王子エースA」の酸化デンプ
ン糊液の乾燥フィルムは同様の吸湿条件では2.7%で
あった。
【0012】本発明に使用するエチレン・不飽和カルボ
ン酸共重合体樹脂のアルカリ中和による水分散液は例え
ば次のようにして得られる。すなわち、溶解容器はオー
トクレーブや、加圧乳化機を使用して樹脂の融点以上、
たとえば好ましくは100℃以上の温度で 樹脂 100部 固形KOH 不飽和カルボン酸量に応じて8−26部 水 390部(各重量比) が20−60分攪拌溶解されて20%前後の固形分濃度
の透明ないし半透明の水分散液が得られる。
【0013】かくして得られた接着剤A成分の水分散液
は顔料、例えば、カオリンや、炭酸カルシウムの水分散
液と混ぜられる。ところでかかる顔料を攪拌して水分散
するにさいしては、顔料が単一粒子まで分散する分散剤
として0.2部前後の分子量数千のポリアクリル酸Na
を使用するのが好ましい。例えば住友化学社の「DS1
0」である。本発明の例えば、ポリエチレンとアクリル
酸またはメタクリル酸のランダム共重合体樹脂で酸成分
が20%前後でNaまたはK塩という場合は脂肪酸石鹸
の高分子体とみることもでき、顔料の分散効果にプラス
に作用するであろうことが容易に考えられる。事実、本
発明のA成分には顔料分散液との混合で全くのショック
はなく、したがってよくありがちな顔料分散液とA成分
の混合時におこる粘度上昇はないのである。
【0014】本発明の樹脂は最適範囲のものであれば水
分散液の20℃・800cps以下の粘度での固形分濃
度は20%以上が可能である。それにたいして酸化デン
プン系は10%以下である。この差は共に混和時の粘度
的ショックがないとして所定の粘度にそろえた最終のス
ラリー濃度に影響する。表−1に示した実施例と比較例
の同一顔料にたいするA成分の違いによるスラリーの総
固形分濃度は実施例1,3,4が63−65%の範囲に
あるのにたいして酸化デンプンを用いた比較例1は56
%以下である。
【0015】このことは比較例1の水分は44%、実施
例1,3,4の水分は36%というスラリー中水分のち
がいを意味する。したがって乾燥負荷では36%/44
%=0.82、およそ18%は軽減されるという計算に
なり、これは同じ乾燥設備能力では18%前後の生産速
度の向上を可能とすることを意味している。さらに高濃
度効果は塗布流動斑の軽減につながり、A,B成分の原
紙への過度な浸透と表面へのマイグレーシヨン減少をも
たらすので、品質面でも向上するのである。
【0016】本発明樹脂は保護コロイド能のある水分散
性透明樹脂であることからここまでA成分として説明し
てきたが、一方ではポリエチレン樹脂の一種であること
から皮膜の形成性はデンプン以上であり、インクの保持
力も強い。それゆえB成分の置き換えも可能である。
【0017】コート紙は45−120g/m2の原紙重
量に片面(乾燥重量で)2.5−25g/m2、両面で
5−50g/m2の塗工を行うのが普通である。この塗
布量の内、本発明のA成分はB成分も置き換える場合を
入れて顔料100重量部にたいして0.5−25重量
部、好ましくは1.5−6重量部の配合である。0.5
重量部以下ではその特徴発揮が不十分であり、また、2
5重量部以上では接着剤が多すぎてインキの吸収性を妨
げてしまう。
【0018】本発明樹脂はコート紙の原紙製造過程での
いわゆるサイズプレスもしくはロールコーターなどによ
るプレコートにも有利に適用できる。それ自体が撥水性
を持った皮膜形成性のある強力な接着剤であるからサイ
ズ効果と表面強度、とくにベッセルピックの改善が従来
のデンプン/サイズ剤処方より効果が大きいのである。
このようなプレコートには例えば酸化デンプン5重量部
と本発明樹脂0.5重量部と組み合わせるなどして全体
で0.5−4.0g/m2が、好適には1.5−3.0
g/m2の表面サイズ剤が含浸もしくは塗布される。原
紙は酸性抄紙でも中性抄紙でもどちらにも効果が発揮で
きる。
【0019】本発明の特筆すべき効果は、従来実用され
ているA成分は熱可塑性樹脂ではなかったのに対し、本
発明の樹脂は融点が88−98℃近辺にある熱可塑性で
あることである。よって塗工後のスーパーカレンダー加
工では熱ロールでの可塑化効果が大きいために従来より
も低いロール圧力による平滑、光沢付けができ、その結
果、不透明度と剛度を今まで以上に低下させることなく
高い光沢が得られるのである。
【0020】
【発明の効果】1.本発明は耐水化剤の配合なしに耐水
性に優れたコート紙を提供する。 2.従来以上の高い光沢度、平滑度、不透明度および剛
度をもったコート紙が得られる。 3.コーターでの乾燥負荷が軽減され、生産速度の向上
になる。 4.発明の樹脂は撥水性を持った皮膜形成性のある強力
な接着剤であるから、ロールコーターなどによるプレコ
ートにも有利に適用でき、サイズ度と表面強度を大きく
上げる。 5.発明の樹脂が水酸化カリウムで中和された場合は調
湿機能にもすぐれ、カールのしにくい、帯電しにくいコ
ート紙になる。
【0021】実施例と比較例のスラリー配合は表−1
に、それらの塗工後のコート紙物性と評価は表−2にま
とめた。
【実施例1】容量100L、攪拌機つきのSUS314
製オートクレーブに樹脂固形分濃度が22%になるよう
に下記配合で仕込みをした。 蒸留水 70.7L 三井デユポン社製「ニュクレルTF7121」 20kg (エチレン84%、アクリル酸 16%、 MFR35、融点94℃) 水酸化カリウム (純度 85%、対樹脂14%) 280g 720rpmの回転数で攪拌しながら内温120℃に昇
温し、その温度で30分間攪拌を継続した後、室温まで
冷却してオートクレーブから水分散液を取り出した。水
分散A液は透明でpH9.8、固形分濃度22.0%、
20℃の粘度は310cpsであった。実施例と比較例
は表−1のように配合してコート紙用のスラリーを調製
した。カオリンはエンゲルハード社製「Ultra W
hite90」を、炭酸カルシウムは白石カルシウム社
製の「ハイドロカーブ60」を60/40に配合して使
用し、これらの分散剤には住友化学社製の「スミレーズ
レジンDS10」を0.16重量部用いて分散液をそれ
ぞれ調製した。「Ultra White90」は6
8.0%濃度、「ハイドロカーブ60」は78.0%濃
度であった。表−1のごとくB成分に住友化学社製SB
Rラテックス「SN307」を配合、そしてC成分の耐
水化剤は添加しなかった。配合したスラリーはpH9.
6,粘度1690cps、総固形分濃度は63.2%で
あった。
【0022】すべての実施例と比較例はゲートロールコ
ーターで酸化デンプン5重量部と本発明樹脂、実施例1
の樹脂0.5重量部と組み合わせた液を全体で2.5g
/m2塗布された中性抄紙の平均米坪量63.0g/m2
の上質原紙を用いた。ブレードコーターでこの配合スラ
リーを平均、片面11.0g/m2、両面で22.0g
/m2塗工した。実施例1の塗工速度は1250m/分
であったが、塗工斑やストリークの発生もなく問題はな
かった。ついで12段スーパーカレンダーに通した。チ
ルドロールの平均温度は62℃で平均線圧は160kg
/cmであった。「ニュクレルTF7121」の水酸化
カリウム中和樹脂のコート紙中の含有量は、計算上は2
2.0g/m2x(4部/116部)=0.76g/m2
である。表−2に実施例と比較例の塗工状況、コート紙
の物性と評価を記載した。
【0023】
【実施例2】塗工速度を1450m/分に上げたほかは
実施例1と全く同じであった。乾燥条件は変えなかった
が、乾燥不足の現象はみられず、塗工安定性には問題が
なく、ストリークの発生も問題はなかった。
【0024】
【実施例3】実施例1の「ニュクレルTF7121」を
同じく三井デユポン社製の「ニュクレルN1560」
(エチレン85%、メタクリル酸15%、MFR60、
融点93℃)に、および水酸化カリウムは対樹脂14%
から10%に替えた外は実施例1と同じ条件で中和して
透明でpH9.9、固形分濃度22.0%、20℃の粘
度は520cpsの水分散A液を得た。表−1のごとく
配合したスラリーはpH9.8,粘度1720cps、
総固形分濃度は64.3%であった。C成分の耐水化剤
は添加しなかった。塗工安定性には問題がなく、ストリ
ークの発生も問題はなかった。
【0025】
【実施例4】実施例1で使用した「ニュクレルTF71
21」の水酸化カリウム中和水分散液のかわりに、第3
の単量体としてグリシヂルメタクリレートをもったエチ
レン・アクリル酸共重合体のアルカリ中和品である三井
化学社製の「ケミパールSE65X」(固形分濃度26
%、pH10,粘度100cps、最低製膜温度86
℃)を用いたほかは実施例1と同様の条件で塗工した。
表−1のごとく配合したスラリーはpH9.9,粘度1
700cps、総固形分濃度は64.7%であった。C
成分の耐水化剤は添加しなかった。塗工安定性には多少
問題があり、ストリークの発生もやや多かったが、これ
らは現状のレベルであった。
【0026】
【比較例1】A成分には従来処方の代表的な酸化デンプ
ンを用いる場合を比較例とした。酸化デンプンは王子ナ
ショナル社製の「王子エースA」で、定法により、煮沸
糊化させて10%液を得て表−1のごとく配合した。C
成分の耐水化剤は住友化学社製「スミレーズレジン71
0」を用いたが、これは特殊ポリアミンポリ尿素系樹脂
である。以上の配合したスラリーはpH9.0,粘度1
730cps、総固形分濃度は55.7%であった。実
施例1のスラリーをこのスラリーに替えたこと、スーパ
ーカレンダーの線圧を200kg/cmに上げたこと以
外は実施例1と同じ条件で塗工した。塗工安定性には多
少問題があり、ストリークの発生もやや多かった。
【0027】
【比較例2】 実施例1の「ニュクレルTF7121」
をエチレン65%、アクリル酸35%、MFR50のエ
チレンアクリル酸共重合体に替え、水酸化カリウムを対
樹脂28%添加した外は実施例1と同じ条件でで中和し
た水分散A液を得た。水分散A液は透明でpH9.0、
固形分濃度22.0%、20℃の粘度は620cpsで
あった。表−1のごとく配合したスラリーはpH9.
2,粘度1700cps、総固形分濃度は63.4%で
あった。C成分の耐水化剤は添加しなかった。塗工安定
性、ストリークの発生ともに問題がなかった。
【0028】
【比較例3】 実施例1の「ニュクレルTF7121」
をエチレン80%、アクリル酸20%、MFR1000
のエチレンアクリル酸共重合体に替え、水酸化カリウム
を水酸化ナトリウム(対樹脂18%添加)に替えた外は
実施例1と同じ条件で中和して水分散A液を得た。水分
散A液は透明でpH9.7、固形分濃度30.0%、2
0℃の粘度は420cpsであった。表−1のごとく配
合したスラリーはpH9.2,粘度1750cps、総
固形分濃度は65.1%であった。C成分の耐水化剤は
添加しなかった。塗工安定性には多少問題があり、スト
リークの発生もやや多かった。
【0029】
【比較例4】 比較例1のコーター塗工速度1250m
/分を1450m/分に上げたが、乾燥不十分と塗工安
定性に問題があって満足な塗工ができなかった。
【0030】
【比較例5】 実施例1の「ニュクレルTF7121」
をダウケミカル日本社製の「プリマコール3330」
(エチレン93.5%、アクリル酸6.5%、MFR
5.5)に替えて実施例1と同じオートクレーブ条件で
水酸化カリウム中和による水分散化をおこなったが、p
H10.8までpHを上げ、かつ溶解時間も2時間にし
てもなお実施例1,3、4、比較例2,3のような透明
な水分散液に溶解することができず、本目的には応用で
きなかった。
【0031】
【試験方法】光沢度 JIS−P8142,75度鏡
面光沢度試験方法、F/W両面平均値。平滑度 測定ヘッド有効直径32mm、クランププラ
テンがハードバッキングのリング状の空気漏れから求め
るPPS(パーカー・プリント・サーフ)法、測定圧力
20kg/cm2。F/W両面の平均値。 剛度 JIS−P8143,紙の自重曲げ法による
こわさ試験方法(クラーク法)、T,Y 両方向につき測定、cm3/100のそれぞれの値を乗
じて平方根の値で平均値とみなす。 不透明度 JIS-P8138、紙の不透明度試験方
法。スガ試験機使用。 吸湿速度 サンプルサイズは10cm x 10cm
の大きさで、絶乾にしたサンプルを65%RHでの10
分間放置し、その重量と絶乾重量との比で吸湿水分率と
する。片面塗工のカール性 サンプルサイズは30cm x
30cmの大きさで、65%RHでの60分後のカー
ル具合を観察。耐水性1 ウエットラブ法 コート面に蒸留水を約0.1cc滴下し、指先で7回摩
擦して黒い紙に指先の溶出分を移行させて乾燥させ、溶
出量を肉眼で判定。判定基準;(劣)▲~△~○~◎
(優) 耐水性2 ウエットピック法 明製作所製RI試験機を使用してコート面を給水ロール
で湿潤させたあと印刷し、紙むけ状態を肉眼で観察して
判定。判定基準;(劣)▲~△~○~◎(優)印刷時表面強度(IGT法) JIS P 8129 法に準拠。 インク受理性 明製作所製RI試験機を使用してコート面を給水ロール
で湿潤させたあと印刷し、インクの受理性を肉眼で観察
して判定。判定基準;(劣)▲~△~○~◎(優)
【0032】表−2から明らかなように、本発明のコー
ト紙は耐水化剤を添加しなくても強い耐水強度を発揮す
る。さらに熱可塑性の樹脂であるためにスーパーカレン
ダーでの平滑化効果、光沢出し効果が大きいためにカレ
ンダーの圧力を下げて生産できる。これは剛度と不透明
度の物性に有利になる。また、カルボン酸イオンの多い
樹脂であることから、顔料や紙繊維にたいする接着力が
従来のデンプンなどよりは強いこと、保護コロイド能が
あるために少量配合でも塗工安定性があること、そして
樹脂の粘度が低くて顔料との相溶性があるために高濃度
スラリーが可能となり、乾燥負荷が軽減されて生産速度
を上げられる。さらに吸湿特性が静電気発生をおさえる
ためにコート紙の枚葉印刷などでの走行安定性がよく、
片面塗工品でもカールしにくいために軽量の片面コート
紙を可能とする。このように本発明の効果ははかりしれ
ないほど大きい。
【0033】
【表−1】
【0034】
【表−2】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料を紙に塗布加工したコート紙におい
    て、不飽和カルボン酸含有量が8−32重量%のエチレ
    ン・不飽和カルボン酸共重合体の不飽和カルボン酸成分
    がpH7.0以上になるようにアルカリ中和された水分
    散性の樹脂を顔料100重量部に対して0.5重量部以
    上25重量部以下を配合して塗工したことを特徴とした
    コート紙。
JP10226610A 1998-07-28 1998-07-28 コート紙 Pending JP2000045198A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005516134A (ja) * 2002-01-29 2005-06-02 メッツォ ペーパー インコーポレイテッド 塗工若しくは未塗工繊維ウェブ処理装置
JP2010163708A (ja) * 2009-01-14 2010-07-29 Jsr Corp 紙塗工用組成物及びそれを用いて得られた塗工紙
US7955668B2 (en) 2006-10-12 2011-06-07 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Media sheet
WO2022113988A1 (ja) * 2020-11-26 2022-06-02 王子ホールディングス株式会社 耐水性紙、食品容器、紙コップ、及び紙蓋、並びに耐水性紙の製造方法

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