JPH06280197A - 塗被紙の製造方法 - Google Patents

塗被紙の製造方法

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JPH06280197A
JPH06280197A JP7005193A JP7005193A JPH06280197A JP H06280197 A JPH06280197 A JP H06280197A JP 7005193 A JP7005193 A JP 7005193A JP 7005193 A JP7005193 A JP 7005193A JP H06280197 A JPH06280197 A JP H06280197A
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calcium carbonate
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JP7005193A
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English (en)
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Nobuyasu Sasakuri
暢康 笹栗
Takashi Ibayashi
尚 伊林
Soichi Saji
聡一 佐治
Minoru Yoshida
実 吉田
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】原紙上に塗被組成物を複層に設けてなる塗被紙
の製造方法であり、特にブレードコータを用いて複層塗
工する場合の塗工操業性、および印刷適性(平滑性)に
優れた塗被紙の製造方法を提供する。 【構成】原紙上に、顔料と接着剤を主成分とする塗被組
成物をブレ−ドコータにより、下塗り/上塗りの複層に
設けてなる塗被紙の製造方法であって、特に下塗り層の
顔料が、2μm以下の粒子を90重量%以上含有し、か
つ平均粒子径が1μm未満である重質炭酸カルシウムを
70〜90重量部、および10μm以下の粒子を90重
量%以上含有し、かつ平均粒子径が1〜4μmである重
質炭酸カルシウムの30〜10重量部からなり、さらに
ブレードコータで塗工するときの下塗り層用塗被組成物
の濃度が62〜72重量%である塗被紙の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗被組成物を複層に設
けてなる塗被紙の製造方法に関し、特にブレードコータ
を用いて複層塗工する場合の塗工操業性、および印刷適
性に優れた塗被紙の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷物のビジュアル化、カラー
化、高級化指向に伴い、特に印刷用塗被紙の場合、塗被
面の平滑性の向上が要望されている。そのため、最近で
は原紙上に塗被組成物をブレードコータで複層に設ける
ことによって、塗被層面の平滑性の向上を図っている。
【0003】即ち、先ず原紙に下塗り層を設けることに
より、原紙の凹凸を十分に被覆し、次いで、上塗り層を
設けることにより、原紙に直接上塗り層用塗被組成物を
塗工する方式よりも平滑性に優れた塗被紙が得られる。
しかしながら、下塗り層の塗被面が平滑になればなる
程、上塗り層を設けた後の塗被面は平滑な面となるが、
一方においては、ブレードコータで上塗り層を塗被する
際にストリークやスクラッチがそれだけ多発し易いとい
う難点が有る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き実状より、
本発明は、原紙上に下塗り/上塗り塗被層を設けるに際
し、両層ともにブレード塗工により設けるものであり、
特に上塗り塗被層を下塗り層に重ねる際に、ストリーク
やスクラッチの発生を効果的に抑え、かつ高平滑性を有
し印刷適性に優れた塗被紙の製造方法を提供するもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、原紙上に、顔
料と接着剤を主成分とする塗被組成物をブレ−ドコータ
により、下塗り/上塗りの複層に設けてなる塗被紙の製
造方法において、下塗り層の顔料が、2μm以下の粒子
を90重量%以上含有し、かつ平均粒子径が1μm未満
である重質炭酸カルシウムを70〜90重量部、および
10μm以下の粒子を90重量%以上含有し、かつ平均
粒子径が1〜4μmである重質炭酸カルシウムの30〜
10重量部からなり、さらにブレードコータで塗工する
ときの下塗り層用塗被組成物の濃度が62〜72重量%
であることを特徴とする塗被紙の製造方法である。
【0006】
【作用】一般に、ブレードコータは、高速塗工適性や塗
工面の平滑性に優れ、コート量が広い範囲で精度よく調
節でき、かつ高粘度や高濃度の塗料を塗工できる等、多
くの利点を有しているために、アート紙、コート紙、軽
量コート紙等の塗被紙の製造に幅広く利用されている。
しかしながら、ブレードコータによる操業は塗被層面に
ストリークやスクラッチ等が発生し易いといった難点が
ある。ストリークの発生原因としては、塗料中に含まれ
ている異物がブレード下を通過する際に原紙のボイド
(凹部)に吸収されずにブレード先端部に詰まり、その
異物によりストリークやスクラッチ等が発生するものと
推定される。
【0007】因みに、下塗り層用塗被組成物(以下、塗
料と呼称する)の顔料が微粒な重質炭酸カルシウムだけ
の場合、ブレード塗工すると下塗り層の塗被面は比較的
平滑で緻密な層を形成し、上塗り層塗被後も平滑性に優
れた面を形成させることはできるが、反面下塗り塗被層
面上のボイドが小さくなり、結果的に上塗り層用塗料中
に含まれる異物を効率良く吸収する能力が低下しストリ
ークが発生し易くなる。他方、下塗り層用の顔料として
粗大な重質炭酸カルシウムだけを使用した場合には、微
粒な重質炭酸カルシウムを使用した場合に比べ、平滑性
が相当に劣り、結果的に上塗り層を設けた後の塗被面の
平滑性も劣り、品質の劣るものとなる。一方、下塗り層
面上のボイドが大きくなるために、上塗り層用塗料に含
まれる異物を吸収する能力が生じるようになり、ストリ
ークやスクラッチ等の発生を抑制する効果は優れるもの
である。
【0008】本発明者らは、ブレード塗工で二層に設け
てなる塗被紙の製造に際し、難点であるストリークやス
クラッチの発生について、特に上塗り層用塗料を塗被す
る際にストリークやスクラッチの発生を抑制し、かつ高
平滑な塗被面を得るための方法について鋭意研究を行っ
た。その結果、下塗り層用塗料の顔料として、特定の粒
径を持つ2種類の重質炭酸カルシウムを含有する下塗り
層用塗料をブレード塗工した後に、上塗り層用塗料をブ
レード塗工すると、ストリークやスクラッチ等の条跡ト
ラブルが極めて効果的に解消され、かつ本発明が所望と
する高品質の塗被紙が極めて効果的に得られることを見
出したのである。
【0009】即ち、本発明は下塗り層用塗料に配合する
顔料として、2μm以下の粒子を90重量%以上含有
し、かつ平均粒子径が1μm未満である重質炭酸カルシ
ウムを70〜90重量部と、10μm以下の粒子を90
重量%以上含有し、かつ平均粒子径が1〜4μmである
重質炭酸カルシウムを30〜10重量部配合してなる重
質炭酸カルシウムを使用し、さらに、該塗料の固形分濃
度を62〜72重量%としてブレード塗工による塗被紙
の製造方法を提案するものである。なお、本発明におけ
る重質炭酸カルシウムの平均粒子径および特定粒子径範
囲における含有量はセディグラフ5000−01(島津
製作所製)を用いて測定したものである。
【0010】而して、下塗り層用塗料に顔料として用い
る重質炭酸カルシウムが、2μm以下の粒子を90重量
%以上−平均粒子径が1μm未満である重質炭酸カルシ
ウムの配合量が70重量部未満、一方、10μm以下の
粒子を90重量%以上−平均粒子径が1〜4μmである
重質炭酸カルシウムの配合量が30重量部を越える場合
には、その上に上塗り層用塗料をブレード塗工すること
により、ストリーク等の条跡トラブルは起こり難いが、
本発明が所望とする高平滑性を有する塗被面を得ること
ができない。他方、2μm以下の粒子を90重量%以上
−平均粒子径が1μm未満である重質炭酸カルシウムの
配合量が90重量部を越え、10μm以下の粒子を90
重量%以上−平均粒子径が1〜4μmである重質炭酸カ
ルシウムの配合量が10重量部未満の場合には、高平滑
性は得られるが、その上に上塗り層用塗料をブレード塗
工するとストリークが発生し易くなる。
【0011】また、10μm以下の粒子を90重量%以
上−平均粒子径が1〜4μmである重質炭酸カルシウム
が特定の範囲内にある場合でも、他方の重質炭酸カルシ
ウムにおいて、平均粒子径が1μm未満で、2μm以下
の粒子含有率が90重量%未満である場合、または2μ
m以下の粒子が90重量%以上−その平均粒子径が1μ
m以上であると、ストリークは発生し難くなるが、所望
とする平滑性が得られない。さらに、2μm以下の粒子
を90重量%以上−平均粒子径が1μm未満である重質
炭酸カルシウムが特定の範囲内にある場合でも、他方の
重質炭酸カルシウムにおいて、平均粒子径は1〜4μm
で、10μm以下の粒子含有率が90重量%未満の場
合、または、10μm以下の粒子が90重量%以上−そ
の平均粒子径が4μmを越える場合には、ストリーク発
生に対する抑制効果はさらに改善されるが、所望とする
平滑性が得られない。同様に、2μm以下の粒子が90
重量%以上−かつ平均粒子径が1μm未満である重質炭
酸カルシウムが特定量配合されていても、他方の重質炭
酸カルシウムにおいて、10μm以下の粒子が90重量
%以上−その平均粒子径が1μm未満の場合には、所望
する平滑性は得られるが、ストリークが発生し易くな
る。一方、2μm以下の粒子が90重量%以上−その平
均粒子径が1μm以上で、10μm以下の粒子が90重
量%以上−その平均粒子径が1μm未満の場合には、所
望する平滑性が得られず、ストリークが発生し易くなっ
た。
【0012】なお、顔料として本発明で特定する範囲に
ある顔料を使用した下塗り層用塗料をロールコータ、ロ
ッドコータ、あるいはエアーナイフコータを用いて塗工
した塗被層上に上塗り層用塗料をブレード塗工した場
合、ストリークの発生は少ないが、本発明が所望とする
平滑性を得ることができない。
【0013】近年、重質炭酸カルシウムは、湿式粉砕法
により1μm以下の粒子含有率が80重量%以上含有さ
れるような微粒子化が工業的に生産可能となった。な
お、重質炭酸カルシウムはカオリンと対比し、光沢度、
平滑性、およびインキ保持特性等では劣るものの、白色
度、表面強度、および塗料の流動性等については優れて
いる。
【0014】本発明においては、この重質炭酸カルシウ
ムのもつ流動特性と、上記の如き特定の粒子径をもつ重
質炭酸カルシウムとを組合わせることによって平滑性に
優れ、かつストリークが殆ど発生しない塗被紙が初めて
達成されたものである。
【0015】本発明では、他の重要な要素として、下塗
り層用塗料の濃度がある。即ち、特定の重質炭酸カルシ
ウムを顔料に使用した下塗り層用塗料の濃度として62
〜72重量%、より好ましくは66〜72重量%に特定
するものである。因みに、62重量%未満の場合には、
塗料の原紙への浸透が大きくなり過ぎ、原紙の被覆性が
悪く、所望とする平滑性を得ることができない。他方、
72重量%を越えると塗料の粘度が高くなり過ぎ、塗工
が困難となり易い。従って、本発明においては、重質炭
酸カルシウムが特定されるような組成を満たしても、そ
の塗料濃度が上記で特定されるような範囲を外れると所
期の効果を発揮することができず、本発明が所望とする
高品質の塗被紙を得ることができない。
【0016】本発明は下塗り層用塗料の顔料が全量重質
炭酸カルシウムという配合からなり、その流動特性を有
効に利用し、高濃度塗工を可能としているものである
が、この高濃度塗工による利点としては種々有る。例え
ば、塗料中に占める水分量が少なくなるため、乾燥に要
するエネルギー量が節約でき、同一乾燥能力では、より
高速塗工が可能となる。さらに、従来の塗工と比較する
と、塗料の不動化が速いため塗料の原紙への浸透が抑え
られ、塗被組成物による原紙の被覆度が高くなり、それ
だけ、微塗工紙から高級塗被紙に亘って幅広く高品質の
塗被紙を効率良く得ることができる。
【0017】なお、上塗り層用塗料については、特に限
定されるものではなく、目的とする塗被紙の品質設計に
応じて、適宜配合を選択できるものである。即ち、塗料
構成としては、一般に塗工紙分野で使用されている顔料
および接着剤を主成分とする塗料が用いられる。因み
に、顔料としては、例えばカオリン、焼成カオリン、重
質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、水酸化アルミ
ニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、サチンホワイト等の無
機顔料、さらにプラスチックピグメント等の有機顔料等
が例示できる。また、接着剤としては、例えば酸化澱
粉、陽性澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、ポリビニル
アルコール等の合成樹脂接着剤、カゼイン、大豆蛋白、
合成蛋白等の蛋白類等の水溶性接着剤、さらに、スチレ
ン−ブタジエン共重合体等の供役ジエン系共重合体ラテ
ックス、アクリル酸エステルの重合体または共重合体等
のアクリル系共重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル
重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいは、これ
らの各種重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基
含有単量体で変性したアルカリ溶解性、アルカリ膨潤性
あるいはアルカリ非溶解性の重合体ラテックス等の合成
樹脂重合体等が例示できる。
【0018】本発明にかかる下塗り層用塗料の調製方法
としては、既述した特定の重質炭酸カルシウムを塗工紙
分野で一般に使用される分散機、例えばコーレスの如き
分散機を用いて、スラリー化し、その中に上記した如き
接着剤の一種または二種以上を適宜配合し、混合分散し
て塗料として仕上げられる。勿論、この塗料調製に際し
ては、必要に応じて消泡剤、着色剤、離型剤、流動変性
剤等の各種助剤が適宜配合される。なお、顔料と接着剤
の配合比は特に限定されるものではないが、一般に固形
分対比で顔料に対し、接着剤5〜50重量%程度の範囲
で調節される。かくして調製された下塗り層用塗料は、
固形分濃度として62〜72重量%、より好ましくは6
6〜72重量%に調整されて、ブレード塗工用塗料とし
て用いられる。
【0019】なお、ここで使用される原紙としては特に
限定されるものではなく、一般に米坪が30〜400g
/m2 程度のものが適宜選択して使用される。勿論、原
紙の抄造条件についても、特に限定されるものではな
く、抄紙機としては、例えば長網マシン、ツインワイヤ
ーマシン、丸網マシン、多層丸網マシン等が適宜利用さ
れる。また、抄紙方式として、酸性抄紙、中性抄紙、弱
アルカリ性抄紙等のいずれの方式でもよい。さらに、高
歩留りパルプを含む中性原紙、古紙回収パルプを配合し
た原紙等も適宜使用できる。
【0020】塗工方式は、既述したように、ブレードコ
ータを用いて複層塗工を行うものであるが、従来のエア
ーナイフコータ、ロッドコータ、ロールコータで、本発
明で特定したような下塗り層用塗料を形成させ、その上
にブレード塗工を行っても、所望の優れた塗被紙を得る
ことはできない。
【0021】湿潤塗被層を乾燥する方法としては、従来
から知られている蒸気加熱、熱風加熱、ガスヒータ加
熱、高周波加熱、電気ヒータ加熱、赤外線ヒータ加熱、
レーザ加熱、電子線加熱等の各種乾燥方式が適宜採用で
きる。
【0022】かくして得られた塗被紙はキャレンダを用
いて平滑化処理が行われるが、キャレンダ圧力、ニップ
数については特に限定されるものではなく、要求される
品質に応じて適宜選択される。上記キャレンダとして
は、スーパーキャレンダ、グロスキャレンダ、ソフトコ
ンパクトキャレンダ等の各種キャレンダがオンマシンや
オフマシンの形態で使用される。なお、ここでいうオン
マシンキャレンダは抄紙機に限らず、塗工機に組み込ま
れたオンマシンキャレンダも含まれる。
【0023】
【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体
的に説明するが、勿論それらに限定されるものではな
い。なお、例中の部および%は特に断らない限り、それ
ぞれ重量部および重量%を示す。
【0024】実施例1 下塗り層用顔料として、2μm以下の粒子を92%含有
し、平均粒子径が0.7μmの重質炭酸カルシウム73
部と、10μm以下の粒子を95%含有し、平均粒子径
が1.5μmの重質炭酸カルシウム27部を使用し、分
散剤として顔料に対し、ポリアクリル酸ソーダ0.2%
を添加し、コーレス分散機を用いて分散し、固形分80
%の顔料スラリーを調成した。このスラリーに接着剤と
して、酸化澱粉を10部、スチレン−ブタジエン共重合
体ラテックス4部(固形分換算)を加え、さらに水を加
えて固形分濃度が66%の下塗り層用塗料を調製した。
【0025】この塗料を米坪70g/m2 の上質原紙
に、片面当たり乾燥重量で10g/m 2 になるようにブ
レードコーターで両面塗工を行い、120℃の熱風乾燥
機で乾燥して、水分6%の両面下塗り層を設けた塗被紙
を得た。次に、上塗り層用顔料として、UW−90(カ
オリン)60部、TP123CS(軽質炭酸カルシウ
ム)20部、FMT−90(重質炭酸カルシウム)20
部を使用し、分散剤として顔料に対しポリアクリル酸ソ
ーダ0.2%を添加し、水を加えて、コーレス分散機を
用いて分散し、顔料スラリーを調成した。このスラリー
に接着剤として、酸化澱粉を3部、スチレン−ブタジエ
ン共重合体ラテックス8部を加え、さらに水を加えて固
形分濃度が65%の上塗り層用塗料を得た。この塗料を
上記で得た下塗り層を設けた塗被紙に片面当たり乾燥重
量が10g/m2 になるようにブレードコーターで両面
塗工を行い、120℃の熱風乾燥機で乾燥して、水分6
%の両面塗被紙を得た。このようにして得られた両面塗
被紙を金属ロールと弾性ロールで構成されるキャレンダ
ーに通紙し、平滑化処理した。このときの上塗り層塗被
中のストリーク発生状況及び得られた塗被紙の平滑性に
ついての評価を目視にて行い、その結果を表1に示し
た。
【0026】実施例2 実施例1において、下塗り層用顔料として、2μm以下
の粒子を92%含有し、平均粒子径が0.7μmの重質
炭酸カルシウムを87部、10μm以下の粒子を95%
含有し、平均粒子径が1.5μmの重質炭酸カルシウム
を13部とした以外は、実施例1と同様にして塗被紙を
得た。得られた塗被紙の品質結果を表1に示した。
【0027】実施例3 実施例1において、下塗り層用顔料の10μm以下の粒
子を95%含有する重質炭酸カルシウムにおいて、その
平均粒子径が3.5μmのものを用いた以外は、実施例
1と同様にして塗被紙を得た。得られた塗被紙の品質結
果を表1に示した。
【0028】実施例4 実施例2において、下塗り層用顔料の10μm以下の粒
子を95%含有する重質炭酸カルシウムにおいて、その
平均粒子径を3.5μmとした以外は、実施例2と同様
にして塗被紙を得た。得られた塗被紙の品質結果を表1
に示した。
【0029】実施例5 実施例1において、下塗り層用顔料として、2μm以下
の粒子を92%含有し、平均粒子径が0.7μmの重質
炭酸カルシウムを80部、10μm以下の粒子を95%
含有する重質炭酸カルシウムにおいて、その平均粒子径
が2.5μmであり、かつその配合部数を20部とし、
さらに下塗り層用塗料の固形分濃度を64%とそれぞれ
変更した以外は、実施例1と同様にして塗被紙を得た。
得られた塗被紙の品質結果を表1に示した。
【0030】実施例6 実施例5において、下塗り層用塗料の固形分濃度を70
%とした以外は、実施例5と同様にして塗被紙を得た。
得られた塗被紙の品質結果を表1に示した。
【0031】比較例1 実施例5において、重質炭酸カルシウムとして、2μm
以下の粒子含有率を85%、その平均粒子径が0.5μ
mである重質炭酸カルシウムを用い、下塗り層用塗料の
固形分濃度を66%とした以外は、実施例5と同様にし
て塗被紙を得た。得られた塗被紙の品質結果を表1に示
した。
【0032】比較例2 実施例5において、2μm以下の粒子含有率が92%で
ある重質炭酸カルシウムの平均粒子径を1.5μmと
し、下塗り層用塗料の固形分濃度を66%とした以外
は、実施例5と同様にして塗被紙を得た。得られた塗被
紙の品質結果を表1に示した。
【0033】比較例3 実施例5において、2μm以下の粒子を92%含有し、
平均粒子径0.7μmの重質炭酸カルシウムの配合部数
を65部、10μm以下の粒子を95%含有し、平均粒
子径2.5μmの重質炭酸カルシウムの配合部数を35
部とし、下塗り層用塗料の固形分濃度を66%とした以
外は、実施例5と同様にして塗被紙を得た。得られた塗
被紙の品質結果を表1に示した。
【0034】比較例4 実施例5において、2μm以下の粒子を92%含有し、
平均粒子径0.7μmの重質炭酸カルシウムの配合部数
を95部、10μm以下の粒子を95%含有し、平均粒
子径2.5μmの重質炭酸カルシウムの配合部数を5部
とし、下塗り層用塗料の固形分濃度を66%とした以外
は、実施例5と同様にして塗被紙を得た。得られた塗被
紙の品質結果を表1に示した。
【0035】比較例5 実施例5において、10μm以下の粒子含有率を85
%、その平均粒子径を3μmとし、下塗り層用塗料の固
形分濃度を66%とした以外は、実施例5と同様にして
塗被紙を得た。得られた塗被紙の品質結果を表1に示し
た。
【0036】比較例6 実施例5において、10μm以下の粒子含有率を92
%、その平均粒子径を0.8μmとし、下塗り層用塗料
の固形分濃度を66%とした以外は、実施例5と同様に
して塗被紙を得た。得られた塗被紙の品質結果を表1に
示した。
【0037】比較例7 実施例5において、10μm以下の粒子含有率を97
%、その平均粒子径を4.3μmとし、下塗り層用塗料
の固形分濃度を66%とした以外は、実施例5と同様に
して塗被紙を得た。得られた塗被紙の品質結果を表1に
示した。
【0038】比較例8 実施例5において、2μm以下の粒子を92%含有する
重質炭酸カルシウムの平均粒子径を1.3μm、10μ
m以下の粒子を95%含有する重質炭酸カルシウムの平
均粒子径を0.9μmとし、下塗り層用塗料の固形分濃
度を66%とした以外は、実施例5と同様にして塗被紙
を得た。得られた塗被紙の品質結果を表1に示した。
【0039】比較例9 実施例5において、下塗り層用塗料の固形分濃度を60
%とした以外は、実施例5と同様にして塗被紙を得た。
得られた塗被紙の品質結果を表1に示した。
【0040】比較例10 実施例1において、下塗り層用塗料を原紙へ塗工するに
あたり、塗工装置としてブレードコータの代わりにロー
ルコータを使用した以外は、実施例1と同様にして塗被
紙を得た。得られた塗被紙の品質結果を表1に示した。
【0041】比較例11 実施例1において、下塗り層用塗料を原紙へ塗工するに
あたり、塗工装置としてブレードコータの代わりにロッ
ドコータを使用し、下塗り層用塗料の固形分濃度を50
%にした以外は、実施例1と同様にして塗被紙を得た。
得られた塗被紙の品質結果を表1に示した。
【0042】比較例12 実施例1において、下塗り層用塗料を原紙へ塗工するに
あたり、塗工装置としてブレードコータの代わりにエア
ーナイフコータを使用し、下塗り層用塗料の固形分濃度
を50%にした以外は、実施例1と同様にして塗被紙を
得た。得られた塗被紙の品質結果を表1に示した。
【0043】なお、各実施例および比較例における操業
時の観察(評価)および得られた塗被紙の品質評価を下
記の如き方法によって行い、得られた結果を表1および
表2に示した。
【0044】〔評価方法〕 (重質炭酸カルシウムの平均粒子径);セディグラフ5
000−01(島津製作所製)を用いて測定した。
【0045】 (塗被紙の平滑性);目視により評価した。 ◎ : 非常に優れている ○ : 優れている △ : やや劣る × : 劣る
【0046】(ストリーク評価);上塗り層塗料をブレ
ードコータで塗工時、目視観察、およびストリーク検出
器による測定より総合的に判定した。即ち、上塗り層塗
料の総塗被長さに対する発生したストリークの長さの割
合、およびストリーク発生頻度等を勘案して総合的に判
定した。因みに、下塗り層を設けていない原紙へ直接ブ
レード塗工した場合のストリーク発生率はおよそ0.0
1〜0.2%の範囲であった。 ◎ : ストリーク発生率が0.1%未満 ○ : ストリーク発生率が0.1%以上,0.2%未
満 △ : ストリーク発生率が0.2%以上,0.4%未
満 × : ストリーク発生率が0.4%以上
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】表2に示した結果から明らかなように、
本発明の方法(実施例)により、ブレードコータを用い
て得られた塗被紙は、ストリークの発生率が極めて低
く、かつ平滑性に優れるものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 実 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 神崎 製紙株式会社神崎工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙上に、顔料と接着剤を主成分とする塗
    被組成物をブレ−ドコータにより、下塗り/上塗りの複
    層に設けてなる塗被紙の製造方法において、下塗り層の
    顔料が、2μm以下の粒子を90重量%以上含有し、か
    つ平均粒子径が1μm未満である重質炭酸カルシウムを
    70〜90重量部、および10μm以下の粒子を90重
    量%以上含有し、かつ平均粒子径が1〜4μmである重
    質炭酸カルシウムの30〜10重量部からなり、さらに
    ブレードコータで塗工するときの下塗り層用塗被組成物
    の濃度が62〜72重量%であることを特徴とする塗被
    紙の製造方法。
  2. 【請求項2】下塗り層用塗被組成物の濃度が66〜72
    重量%である請求項1記載の塗被紙の製造方法。
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