JP2004091965A - 紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)脂肪族共役ジエン10〜80重量%、(b)エチレン性不飽和カルボン酸0.5〜10重量%および(c)他の共重合可能なビニル系単量体10〜89.5重量%からなる単量体混合物を乳化剤を用いて乳化重合してなる紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法において、前記乳化剤成分が下記「(1)デシルベンゼンスルホン酸塩1〜15重量%、(2)ウンデシルベンゼンスルホン酸塩10〜50重量%、(3)ドデシルベンゼンスルホン酸塩10〜50重量%、(4)トリデシルベンゼンスルホン酸塩5〜40重量%、(5)テトラデシルベンゼンスルホン酸塩0〜10重量%、(6)その他の乳化剤0〜20重量%」の割合にて構成されている紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法に関する。さらに詳しくは、高速塗工適性に優れると共に、白紙光沢、表面強度にも優れた塗工紙を与えることのできる紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、顔料と水性バインダーとを主体とする紙塗工用組成物を紙に塗工し、印刷適性に優れた塗工紙が製造されている。該紙塗工用組成物の主バインダーとしては、一般に共重合体ラテックスが使用されている。近年、塗工紙の需要の増加及び生産性の改善の為に、製造プロセスそのものも高速化しており、各配合物の分散安定性や流動性が良いことは勿論、特にブレード塗工時における高せん断下の良好な流動性が求められている。更に、印刷プロセスの高速化の流れに伴い、塗工作業性の観点からも要求される性能が厳しくなっており、表面強度に優れた塗工紙が要求されるようになっている。また、印刷物の高級化に伴い、塗工紙の光沢についても要求が厳しくなっており、高い白紙光沢を有する塗工紙が要求されるようになってきている。
しかしながら、従来の紙塗工用組成物では、求められている要求に十分に応えることが出来なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、配合物の高速塗工適性に優れ、かつ表面強度、白紙光沢にも優れた塗工紙を与えることができる紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)脂肪族共役ジエン系単量体10〜80重量%、(b)エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量%および(c)他の共重合可能なビニル系単量体10〜89.5重量%からなる単量体混合物を乳化剤を用いて乳化重合してなる紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法において、前記乳化剤成分が下記の割合にて構成されていることを特徴とする紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法を提供するものである。
(1)デシルベンゼンスルホン酸塩1〜15重量%、
(2)ウンデシルベンゼンスルホン酸塩10〜50重量%、
(3)ドデシルベンゼンスルホン酸塩10〜50重量%、
(4)トリデシルベンゼンスルホン酸塩5〜40重量%、
(5)テトラデシルベンゼンスルホン酸塩0〜10重量%
(6)その他の乳化剤0〜20重量%
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明の紙塗工用共重合体ラテックス(以下、単に共重合体ラテックスと記す。)を構成する(a)脂肪族共役ジエン系単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等を挙げることができ、特に1,3−ブタジエンが好ましい。これらの脂肪族共役ジエン系単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
該脂肪族共役ジエン系単量体の使用割合は、共重合体ラテックスを製造する際の全単量体の10〜80重量%、好ましくは25〜70重量%である。脂肪族共役ジエン系単量体の使用割合が10重量%未満では得られる塗工紙の表面強度が低下し、また80重量%を越えると得られる塗工紙の耐水強度が低下するため好ましくない。
【0006】
本発明の共重合体ラテックスを構成する(b)エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、イタコン酸、フマル酸が好ましい。これらのエチレン性不飽和カルボン酸単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。該エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用割合は、共重合体ラテックスを製造する際の全単量体の0.5〜10重量%、好ましくは1〜6重量%である。エチレン系不飽和カルボン酸単量体の使用割合が0.5重量%未満では配合物の機械的安定性が低下し、また10重量部を越えると配合物の高せん断下での流動性が低下するため好ましくない。
【0007】
本発明の共重合体ラテックスを構成する(c)他の共重合可能なビニル系単量体としては、例えば、芳香族ビニル系単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体、シアン化ビニル系単量体、アミド基含有不飽和単量体、さらには酢酸ビニル等を挙げることができる。これらのうち、芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等を挙げることができ、特にスチレンが好ましい。不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができ、特にメチルメタクリレートが好ましい。シアン化ビニル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等を挙げることができ、特にアクリロニトリルが好ましい。アミド基含有不飽和単量体としては、例えばアクリルアミド、メタアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のエチレン系不飽和カルボン酸アミドおよびそのN−置換化合物が挙げられ、特に、メタアクリルアミドが好適に使用される。これらの共重合可能な他のビニル系単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。他の共重合可能なビニル系単量体(c)の使用割合としては共重合体ラテックスを製造する際の全単量体の10〜89.5重量%である。他の共重合可能なビニル系単量体の全単量体に対する使用割合が10重量%未満では得られる塗工紙の耐水強度が低下し、また89.5重量%を越えると得られる塗工紙の表面強度が低下するため好ましくない。
【0008】
本発明における上記共重合体ラテックスを乳化重合する際に使用される乳化剤は、下記成分の割合にて構成されてなる乳化剤である。
(1)デシルベンゼンスルホン酸塩1〜15重量%、
(2)ウンデシルベンゼンスルホン酸塩10〜50重量%、
(3)ドデシルベンゼンスルホン酸塩10〜50重量%、
(4)トリデシルベンゼンスルホン酸塩5〜40重量%、
(5)テトラデシルベンゼンスルホン酸塩0〜10重量%
(6)その他の乳化剤0〜20重量%
上記乳化剤成分のうち、(6)その他の乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができる。前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)以外のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、高級アルコールの硫酸エステル塩類、脂肪族スルホン酸塩類、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの硫酸エステル塩類等を挙げることができる。前記ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコールのアルキルエステル類、ポリエチレングリコールのアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールのアルキルフェニルエーテル類等を挙げることができる。前記両性界面活性剤としては、例えば、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐酸エステル塩等の構造をもち、またカチオン部分としてアミン塩、第4級アンモニウム塩等の構造をもつものを挙げることができ、具体的にはラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のベタイン類;ラウリルーβ−アラニン、ステアリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシン等のアミノ酸類等が用いられる。これらの他の乳化剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明にて使用する乳化剤成分の組成割合が上記の範囲外では、配合物の高速塗工適性と得られる塗工紙の白紙光沢のバランスが低下するため好ましくない。
なお、本発明において使用される乳化剤(全量)の使用量については特に制限はないが、単量体混合物100重量部に対して0.2〜5重量部であることが好ましい。
【0009】
本発明の共重合体ラテックスは、(a)脂肪族共役ジエン系単量体10〜80重量%、(b)エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量%および(c)他の共重合可能なビニル系単量体10〜89.5重量%からなる単量体混合物を上記特定組成の乳化剤により乳化分散して乳化重合することにより得られるが、好ましくは、前記(a)成分、(b)成分および(c)成分からなる単量体混合物を、上記特定組成の乳化剤および重合開始剤の存在下、また必要に応じて公知の分子量調節剤、キレート化剤、無機電解質等の共存下で乳化重合することにより製造することができる。
該重合開始剤としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤;過酸化ベンゾイル、クメンヒドロパーオキシド、過酸化ラウリル、2、2’ーアゾビスイソビチロニトリル等の油溶性開始剤;酸化剤と還元剤との組み合わせによるレドックス系開始剤等あげられ、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせで使用することができる。
該分子量調節剤としては、例えば、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタンなどのメルカプタン類、ジメチルキサントゲンサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイドなどのキサントゲン化合物、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレンなどの化合物や、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、α−ベンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニトリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニルエーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0010】
また、上記乳化重合に際しては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロへキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチルシクロへキセン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などの炭化水素化合物を使用しても良く、これらのうち特にシクロヘキセンが好適である。
【0011】
さらに、本発明における乳化重合に際しては、反応容器に単量体混合物の全量を一括して仕込む方法、単量体混合物を重合の進行に伴って連続的にまたは断続的に仕込む方法、単量体混合物の一部を仕込んで重合を開始したのち、残りの単量体混合物を一括してまたは連続的にもしくは断続的に仕込んで重合する方法等のいずれの方法を採用してもよい。
これらの場合、連続的にあるいは断続的に添加される単量体混合物の組成は同一であっても変化させてもよい。
また、乳化重合時の重合温度としては、通常、5〜85℃、好ましくは20〜80℃であり、乳化重合における最終重合転化率は90%以上、好ましくは95%以上である。
本発明における共重合体ラテックスの平均粒子径には特に制限はないが、通常、50〜350nm、好ましくは70〜300nmである。また共重合体ラテックスのゲル含有量にも特に制限はないが、5〜100重量%、好ましくは10〜95重量%である。
【0012】
本発明における上記共重合体ラテックスは、通常、無機顔料および/または有機顔料と共に、さらに必要に応じて他のバインダー、助剤等を混合して紙塗工用組成物として調製される。該紙塗工用組成物における前記共重合体ラテックスの含有量(固形分換算)は、顔料100重量部に対して、通常、1〜30重量部、好ましくは3〜25重量部である。共重合体ラテックスの含有量が1重量部未満では、塗膜の接着強度が著しく低下し、一方30重量部を越えると、塗膜のインク乾燥性の低下が著しくなるため好ましくない。
該無機顔料としては、例えば、クレー、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、酸化亜鉛等を挙げることができ、また有機顔料としては、例えば、ポリスチレン粒子、尿素ホルマリン樹脂等を挙げることができる。これらの顔料は、目的に応じて、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、該他のバインダーとしては、例えば、カゼイン、カゼイン変性物、澱粉、澱粉変性物、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶性物質を、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
さらに、該助剤としては、例えば、耐水性改良剤、顔料分散剤、粘度調節剤、蛍光染料、pH調節剤等を挙げることができる。
本発明における上記共重合体ラテックスを含有する紙塗工用組成物は、例えばオフセット印刷、凸版印刷、グラビア印刷等、その他の各種印刷用紙に対する塗料として、さらに一般用紙の塗料として好適に使用することができる。
【0013】
【実施例】
以下、実施例にて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。なお実施例中、割合を示す部および%は特に断りのない限り重量基準によるものである。
【0014】
〔実施例1〕
−共重合体ラテックス(a−1)の製造−
内容積20リットルのオートクレーブに、水120部、過硫酸カリウム1部、単量体混合物としてブタジエン7部、スチレン3部、メチルメタクリレート2部、アクリロニトリル2部、イタコン酸2部およびアクリル酸1部、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.1部、さらにシクロヘキセン8部、乳化剤として(1)デシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.042部、(2)ウンデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.252部、(3)ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.224部、(4)トリデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.175部、(5)テトラデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.007重量部(乳化剤としての重量割合は(1)デシルベンゼンスルホン酸ソーダ6重量%、(2)ウンデシルベンゼンスルホン酸ソーダ36重量%、(3)ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ32重量%、(4)トリデシルベンゼンスルホン酸ソーダ25重量%、(5)テトラデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1重量%の比率になる)を一括して仕込み、65℃で1時間重合させた後に、ブタジエン35部、スチレン19部、メチルメタクリレート13部、アクリロニトリル13部と連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン0.7部を70℃で、6時間連続添加した後に最終転化率が98%になるまで重合を継続した。その後に水酸化ナトリウム水溶液でpH=7まで中和し、水蒸気蒸留で、残留している単量体等を除いて、共重合体ラテックス(a−1)を得た。
【0015】
〔実施例2〜5〕
−共重合体ラテックス(a−2)〜(a−5)の製造−
表1に示す単量体混合物(初期添加分と連続添加分)、分子量調節剤(初期添加分と連続添加分)、シクロヘキセン(初期添加分と連続添加分)及び乳化剤(初期添加分)を用いた以外は実施例1と同様にして、共重合体ラテックス(a−2)〜(a−5)を得た。
なお、表中“/”を挟んで左側が「初期添加分」、右側が「連続添加分」を示す。
【0016】
〔実施例6〕
−共重合体ラテックス(a−6)の製造−
内容積20リットルのオートクレーブに、水120部、過硫酸カリウム1部、単量体混合物としてブタジエン7部、スチレン6部、2−ヒドロキシエチルアクリレート3部、フマル酸2部およびアクリル酸1部、及びシクロヘキセン3部、乳化剤として(1)デシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.018部、(2)ウンデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.108部、(3)ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.096部、(4)トリデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.075部、(5)テトラデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.003重量部を一括して仕込み、65℃で1時間重合させた後に、ブタジエン28部、スチレン53部、と分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.5部、及び(1)デシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.018部、(2)ウンデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.108部、(3)ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.096部、(4)トリデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.075部、(5)テトラデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.003重量部(乳化剤としての重量割合は(1)デシルベンゼンスルホン酸ソーダ6重量%、(2)ウンデシルベンゼンスルホン酸ソーダ36重量%、(3)ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ32重量%、(4)トリデシルベンゼンスルホン酸ソーダ25重量%、(5)テトラデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1重量%の比率になる)と水20部の混合物を70℃で、7時間連続添加した後に最終転化率が98%になるまで重合を継続した。その後に水酸化ナトリウム水溶液でpH=7まで中和し、水蒸気蒸留で、残留している単量体等を除いて、共重合体ラテックス(a−6)を得た。
【0017】
〔実施例7〕
−共重合体ラテックス(a−7)の製造−
内容積20リットルのオートクレーブに、水120部、過硫酸カリウム1部、単量体混合物としてブタジエン7部、スチレン1.5部、アクリロニトリル1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート1部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1部、フマル酸2.5部、及び分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.1部、さらにシクロヘキセン4部、乳化剤として(1)デシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.067部、(2)ウンデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.413部、(3)ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.36部、(4)トリデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.28部、(5)テトラデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.013重量部(乳化剤としての重量割合は(1)デシルベンゼンスルホン酸ソーダ5重量%、(2)ウンデシルベンゼンスルホン酸ソーダ31重量%、(3)ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ27重量%、(4)トリデシルベンゼンスルホン酸ソーダ21重量%、(5)テトラデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1重量%、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ソーダ15重量%の比率になる)を一括して仕込み、60℃で1時間重合させた後に、ブタジエン63部、スチレン14部、アクリロニトリル9部、t−ドデシルメルカプタン0.9部とドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ソーダ0.2部と水20部の混合物を70℃で、8時間連続添加した後に最終転化率が98%になるまで重合を継続した。その後に水酸化ナトリウム水溶液でpH=7まで中和し、水蒸気蒸留で、残留している単量体等を除いて、共重合体ラテックス(a−7)を得た。
【0018】
上記共重合体ラテックスについて、その平均粒子径およびゲル含有量を下記のようにして測定した。
平均粒子径:大塚電子社製のLPA−3000/3100を用いて粒子径を測定した。
ゲル含有量:共重合体ラテックス(A−1)をpH8.0に調整したのち、ガラス板上で85℃で4時間乾燥させて、フィルムを作成する。約1gを精秤して(Aグラム)トルエン400ccに2日間浸漬した。その後、300メッシュの金網でろ過し、乾燥してトルエンに不溶な重量を得る(Bグラム)。次式により、ゲル含有量を算出した。
ゲル含有量(%)=(B/A)×100
【0019】
−紙塗工用組成物の調製と評価−
実施例1〜7で製造した各共重合体ラテックスを用いて、下記の配合処方により、各紙塗工用組成物を調製した。
<配合処方>
共重合体ラテックス(固形分換算) 12.0部
1級カオリン 40.0部
2級カオリン 30.0部
重質炭酸カルシウム 30.0部
燐酸エステル化デンプン 3.0部
水 全固形分が65%となる量
市販の熱風塗工乾燥機MLC−100S型を用いて、坪量が64g/m2の塗工原紙の片面に得られた紙塗工用組成物を下記の条件で塗工し、片面塗工紙を得た。
塗工条件:塗工速度46m/min.でブレード塗工した。
乾燥条件:塗工から0.5秒後に、150℃の乾燥炉内で温度190℃、風速36m/sec.の熱風により5秒間乾燥した。
得られた各塗工紙を、相対湿度65%、温度20℃の条件で一昼夜調湿した後、線圧70kg/cm、温度60℃、通紙速度7m/min.、4回通紙の条件でスーパーカレンダー処理した。得られた各塗工紙、および各紙塗工用組成物の性能評価を、下記の方法により行った。
【0020】
1)紙塗工用組成物の高速塗工適性
市販のハーキュレス粘度計を用いて、紙塗工用組成物の高せん断粘度を測定した。測定にはボブFを使用し、ボブ回転数8000rpmにおける見掛け粘度を求めた。低い方が高速塗工適性が良好である。
2)白紙光沢
JIS P−8142に準拠し測定した。数値が大きい方が白紙光沢が高い。
3)ドライピック強度
RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を、肉眼にて5段階で評価した。ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。数値は、5段階評価を6回行ったときの平均値で示した。
【0021】
〔比較例1〜7〕
表2に示す単量体混合物(初期添加分と連続添加分)、分子量調節剤(初期添加分と連続添加分)、シクロヘキセン(初期添加分と連続添加分)及び乳化剤(初期添加分)を用いた以外は実施例1と同様にして、共重合体ラテックス(b−1)〜(b−7)を得た。
なお、表中“/”を挟んで左側が「初期添加分」、右側が「連続添加分」を示す。
【0022】
−紙塗工用組成物の調製と評価−
比較例1〜7で製造した各共重合体ラテックスを、実施例1〜7と同様にして、各紙塗工用組成物を調製したのち、各塗工紙を得て、性能評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】
本発明の製造方法にて得られた紙塗工用共重合体ラテックスを使用することにより、高速塗工適性に優れた紙塗工用組成物が得られ、かつ白紙光沢および表面強度に優れた塗工紙を得ることができ、極めて工業的価値が高いものである。
Claims (1)
- (a)脂肪族共役ジエン系単量体10〜80重量%、(b)エチレン性不飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量%および(c)他の共重合可能なビニル系単量体10〜89.5重量%からなる単量体混合物を乳化剤を用いて乳化重合してなる紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法において、前記乳化剤成分が下記の割合にて構成されていることを特徴とする紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法。
(1)デシルベンゼンスルホン酸塩1〜15重量%、
(2)ウンデシルベンゼンスルホン酸塩10〜50重量%、
(3)ドデシルベンゼンスルホン酸塩10〜50重量%、
(4)トリデシルベンゼンスルホン酸塩5〜40重量%、
(5)テトラデシルベンゼンスルホン酸塩0〜10重量%
(6)その他の乳化剤0〜20重量%
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JP2002254045A JP4125078B2 (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法 |
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