JP3475572B2 - オフセット印刷塗工紙用共重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents

オフセット印刷塗工紙用共重合体ラテックスの製造方法

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JP3475572B2
JP3475572B2 JP09814195A JP9814195A JP3475572B2 JP 3475572 B2 JP3475572 B2 JP 3475572B2 JP 09814195 A JP09814195 A JP 09814195A JP 9814195 A JP9814195 A JP 9814195A JP 3475572 B2 JP3475572 B2 JP 3475572B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オフセット印刷塗工紙
用共重合体ラテックスに関し、更に詳しくは、塗工操業
性に優れ、かつ表面強度、剛度等の印刷適性のバランス
が優れた塗工紙を与えるオフセット印刷塗工紙用共重合
体ラテックスに関する。
【0002】
【技術の背景】従来より、顔料と水性バインダーとを主
体とした紙塗工用組成物を紙に塗工し、印刷適性に優れ
た塗工紙が製造されている。共重合体ラテックスは、そ
の優れた接着強度から、紙塗工用組成物の主バインダー
として使用されている。
【0003】近年、印刷の高級化、高速化にともない、
塗工紙に要求される性能も厳しくなってきており、表面
強度、耐水性、剛度、インキ転移性、印刷光沢や耐ブリ
スター性などの改良が要求されるようになった。特にオ
フセット輪転印刷での高速印刷化には、高温高速乾燥が
必要であり、そのため、いわゆる「火ぶくれ(ブリスタ
ー)」が発生しやすくなる。このブリスターが発生する
と印刷物の商品価値が著しく損なわれることになり、塗
工紙の品質の中でも特に耐ブリスター性の向上が強く求
められている。
【0004】更に、近年はコスト低減の目的からバイン
ダー量を低減する要求が高まっており、このためより少
量の添加量でも十分な表面強度を示すバインダーが求め
られている。
【0005】また、塗工紙の製造そのものも高速化して
おり、塗工操業性の改良、特に主な障害であるロール汚
れ性の改良、すなわち共重合体ラテックスの粘着性の低
減(べとつき防止性)も強く要求されている。
【0006】さらに、共重合体ラテックスに対しては、
前記の性質、特に接着強度の改良が求められている。と
ころが従来の技術では、接着強度を改良する目的で、共
役ジエン系単量体の量を増やし、共重合体を低くする方
法が採られていたが、この方法では耐水性や剛度、べと
つき防止性の低下が著しい。また、同様の目的で、トル
エン不溶分を高くする方法も採られたが、特にオフセッ
ト輪転印刷機用に使用される場合、この方法では耐ブリ
スター性の低下が著しい。
【0007】このように、これらの何れの方法も、いず
れかの特性の改良が達成されたとしても背反する特性の
低下を伴うことから、全ての特性に対する要求を満たす
ことはできず、ますます厳しくなる印刷における諸要求
を満たすことはできないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の技術
的背景のもとになされたものであり、その目的は、塗工
紙の表面強度が大幅に改良され、かつ耐水性、剛度、印
刷光沢、耐ブリスター性などの印刷適性に優れ、しかも
べとつき防止性が改善されて塗工操業性に優れた、オフ
セット印刷塗工紙、特にオフセット輪転印刷塗工紙用に
好適な共重合体ラテックスを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のオフ
セット印刷塗工紙用共重合体ラテックスは、(a)脂肪
族共役ジエン系単量体単位25〜40重量%、(b)エ
チレン系不飽和カルボン酸単量体単位0.5〜10重量
%、および(c)これらと共重合可能な他の単量体単位
50〜74.5重量%からなる共重合体ラテックスであ
って、かつ共重合体のヤング率が5Kg/mm2以上であるこ
とを特徴とする。
【0010】本発明において、単量体単位とは、単量体
がラジカル重合した後の構造(残基)を示す。
【0011】本発明の重合体に使用される(a)脂肪族
共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、イ
ソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、クロロプ
レン等が挙げられるが、特に好ましくは1,3−ブタジ
エンである。これらの(a)脂肪族共役ジエン系単量体
は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することがで
きる。
【0012】かかる(a)脂肪族共役ジエン系単量体
は、得られる共重合体に適度な柔軟性と伸びを与え、耐
衝撃性を付与するために必須の成分であり、その使用割
合は全単量体の25〜40重量%、好ましくは30〜4
0重量%である。(a)成分が25重量%未満である
と、得られる共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が改良
されない。また、(a)成分が40重量%を越えると、
共重合体が軟らかくなり過ぎ、べとつき防止性、剛度が
劣る。
【0013】(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体
としては、例えばイタコン酸、アクリル酸、メタクリル
酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられる。
【0014】(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体
は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することもで
きる。
【0015】かかる(b)エチレン系不飽和カルボン酸
単量体の使用量は、全単量体の0.5〜10重量%、好
ましくは1〜5重量%である。(b)成分が10重量%
を越えると、得られる共重合体ラテックスの粘度が高く
なり過ぎ、その取扱いが難しくなり、作業性が低下し、
実用性に欠けるものとなる。また、(b)成分が0.5
重量%未満では得られる共重合体ラテックスの機械的、
化学的安定性に劣る。
【0016】(c)共重合可能な他のビニル系単量体と
しては、芳香族ビニル化合物、アルキル(メタ)アクリ
レート、シアン化ビニル化合物、酢酸ビニル、アクリル
アミド系化合物、N−メチロールアクリルアミド等が挙
げられる。
【0017】これらの(c)共重合可能な他のビニル単
量体のうち、芳香族ビニル化合物としては、例えばスチ
レン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、クロルスチレン等が挙げられ、特にスチレ
ンが好ましい。
【0018】アルキル(メタ)アクリレートとしては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)
アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステア
リル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリ
レート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、グリ
シジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート等が挙げられ、このうち特にメチ
ル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0019】シアン化ビニル化合物としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられ、このうち
特にアクリロニトリルが好ましい。
【0020】アクリルアミド系化合物としては、アクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリルアミド等が挙げられる。
【0021】これら(c)共重合可能な他のビニル単量
体は単独で用いても良いし、2種以上を併用してもかま
わない。
【0022】(c)共重合可能な他のビニル単量体の使
用割合は全単量体の50〜74.5%、好ましくは55
〜74.5重量%である。(c)成分が74.5重量%を
越えると共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が劣る。一
方、(c)成分が50重量%未満では、共重合体が軟ら
かくなりすぎ、べとつき防止性に劣る。
【0023】(c)成分のうち、特にシアン化ビニル化
合物は、好ましくは全単量体の3〜40重量%、より好
ましくは5〜30重量%の割合で使用される。
【0024】また、本発明の共重合体ラテックスは、室
温でのヤング率が5kg/mm2以上、好ましくは2〜50kg
/mm2、より好ましくは5〜50Kg/mm2である。ヤング率
が比較的高い前記範囲にあることによって、高い接着強
度を示すとともに、剛度、耐水強度等の物性に優れ、さ
らにはべとつき防止性が高く操業性に優れる。ヤング率
が5kg/mm2未満であるとオフセット輪転印刷塗工に必要
なレベルの剛度およびべとつき防止性が劣る。また、ヤ
ング率が50kg/mm2を越えると共重合体が硬くなり過ぎ
接着強度が低下する傾向があり好ましくない。
【0025】本発明の共重合体ラテックスのトルエン不
溶分は、好ましくは5〜80重量%、より好ましくは5
〜70重量%、さらに好ましくは15〜60重量%であ
る。
【0026】本発明の共重合体ラテックスの粒子径は、
通常、50〜350nm、好ましくは70〜350n
m、さらに好ましくは70〜250nmである。
【0027】本発明の共重合体ラテックスの最低造膜温
度は、好ましくは0〜60℃であり、より好ましくは5
〜50℃、さらに好ましくは10〜40℃である。最低
造膜温度が0℃未満ではべとつき防止性が劣り、60℃
を超えると接着強度が劣る。
【0028】本発明で使用される単量体を乳化重合する
に際しては、公知の方法で、水性媒体中で乳化剤、重合
開始剤、分子量調節剤などを用いて製造することができ
る。
【0029】ここで、乳化剤としては、アニオン性界面
活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが
単独で、あるいは2種以上を併用して使用できる。
【0030】ここで、アニオン性界面活性剤としては、
例えば高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレング
リコールアルキルエーテルの硫酸エステルなどが挙げら
れる。
【0031】ノニオン性界面活性剤としては、通常のポ
リエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキル
エーテル型、アルキルフェニルエーテル型などが用いら
れる。
【0032】両性界面活性剤としては、アニオン部分と
してカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐
酸エステル塩を、カチオン部分としてはアミン塩、第4
級アンモニュウム塩を持つものが挙げられ、具体的には
ラウリルベタイン、ステアリルベタインなどのベタイン
類、ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニ
ン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ
(アミノエチル)グリシン、などのアミノ酸タイプのも
のなどが用いられる。
【0033】重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、
過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性重合
開始剤、過酸化ベンゾイル、ラウリルパーオキサイド、
2,2’−アゾビスイソブチルニトリルなどの油溶性重
合開始剤、還元剤との組み合わせによるレドックス系重
合開始剤などが、それぞれ単独であるいは組み合わせで
使用できる。
【0034】分子量調節剤、キレート化剤、無機電解質
なども公知のものが使用できる。
【0035】分子量調節剤としては、クロロホルム、四
臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類、n−ヘキシルメ
ルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシル
メルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコ
ール酸などのメルカプタン類、ジメチルキサントゲンジ
サルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルフィ
ドなどのキサントゲン類、ターピノーレン、α−メチル
スチレンダイマーなど通常の乳化重合で使用可能なもの
を全て使用できる。
【0036】重合方法としては、好ましくは、シード重
合と同様に、あらかじめ(共)重合体部分Aを別の重合
容器で重合し、その所定量を添加した後、共重合体部分
Bを重合する方法、あるいは(共)重合体部分Aと共重
合体部分Bとを同一重合容器で少なくとも2段の多段階
で重合する方法などが採られる。
【0037】単量体混合物を仕込む方法としては、単量
体混合物を全量一括で仕込む方法、単量体混合物の一部
を重合した後、その残りを連続的にあるいは断続的に添
加する方法、あるいは単量体混合物を重合の始めから連
続的に添加する方法などを採ることができる。また、こ
れらの仕込み方法を組み合わせることもできる。
【0038】重合温度は、通常、20〜70℃、好まし
くは20〜60℃である。重合時間は、通常10〜30
時間である。
【0039】本発明における共重合体ラテックスが用い
られる紙塗工用組成物は、無機あるいは有機顔料に、上
記重合体ラテックス、さらに必要に応じて他のバインダ
ー、種々の助剤を配合して使用される。上記重合体ラテ
ックスの配合量は、顔料100重量部に対して共重合体
ラテックス1〜30重量部(固形分として)、好ましく
は3〜25重量部である。共重合体ラテックスが1重量
部未満であると、接着強度が著しく低下し、一方、30
重量部を越えるとインク乾燥性の低下が著しい。
【0040】前記無機顔料としては、クレー、硫酸バリ
ウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、
タルク、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛等が、また有機
顔料としてはポリスチレンラテックス、尿素ホルマリン
樹脂等を挙げることができる。これらは目的に応じて、
単独でも、あるいは2種以上組み合わせても使用するこ
とができる。
【0041】本発明の共重合体ラテックスを用いたオフ
セット印刷用紙塗工組成物には、顔料接着剤として、上
記共重合体ラテックスに加えて、カゼイン、カゼイン変
性物、澱粉、澱粉変性物、ポリビニルアルコール、カル
ボキシメチルセルロース等の水溶性物質を必要に応じて
組み合わせて使用できる。
【0042】本発明の共重合体ラテックスを用いたオフ
セット印刷用紙塗工組成物においては、一般に使用され
る種々の配合剤、例えば、耐水性改良剤、顔料分散剤、
粘度調節剤、着色顔料、粘度調節剤、蛍光染料およびp
H調節剤を任意に配合することができる。
【0043】本発明の共重合体ラテックスは、オフセッ
ト印刷用、特にオフセット輪転印刷用に好適に使用され
るが、その他、オフセット枚葉印刷用としても使用する
ことができる。
【0044】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に
制約されるものではない。なお、実施例において割合を
示す「部」および「%」はそれぞれ重量部および重量%
を意味するものである。
【0045】(実施例1〜3)攪拌機を備え、温度調節
の可能なオートクレーブ中に水200部、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウム1.
0部、重亜硫酸ナトリウム0.5部および表1に示した
第1段目の成分を一括して仕込み、45℃で6時間反応
させ、重合添加率が50%以上であることを確認した。
続いて表1に示した第2段目の成分を60℃で一括して
仕込み、10時間にわたって反応させた。最終的な重合
添加率は98〜99%であった。
【0046】
【表1】
【0047】得られた共重合体ラテックスについて、ヤ
ング率、ラテックス粒子径、トルエン不溶分を以下の方
法で求めた。その結果を表1に示す。
【0048】a.ヤング率 得られた共重合体ラテックスをガラス板上でフィルムの
厚さが0.2mmになるように室温で乾燥し、フィルム化し
た。得られたフィルムを25℃で島津製作所製オートグ
ラフ「AG−500B」を用いて、引っ張り速度10mm
/分でヤング率を測定した。
【0049】b.ラテックス粒子径 共重合体ラテックスの平均粒子径は、コールター社製の
サブミクロンアナライザー(モデルN4)で、常法によ
り求めた。
【0050】c.トルエン不溶分 共重合体ラテックスをpH8.0に調製した後、イソプ
ロパノールで凝固し、この凝固物を洗浄、乾燥した後、
所定量(約0.03g)の試料を所定量(100ml)
のトルエンに20時間浸漬する。その後、120メッシ
ュの金網で濾過し、得られる残存固形分の仕込の全固形
分に対する重量%を求めた。
【0051】(紙塗工用組成物の調整)実施例1〜3で
製造した共重合体ラテックスを用いて、下記の処方によ
りオフセット印刷用の紙塗工用組成物を調製した。 配合 カオリンクレー 70.0部 炭酸カルシウム 30.0部 分散剤 0.2部 水酸化ナトリウム 0.1部 澱粉 4.0部 ラテックス(固形分として) 10.0部 水 全固形分が60%と
なるように適当量添加 この紙塗工用組成物を塗被原紙上に、塗工量が片面1
8.0±0.5g/m2となるように、電動式ブレードコ
ーター(熊谷理機工業製)で塗工し、150℃の電気式
熱風乾燥機にて15秒間乾燥した。得られた塗工紙を温
度23℃、湿度50%の恒温恒湿槽に1昼夜放置し、そ
の後、線圧100kg/cm,ロール温度50℃の条件
でスーパーカレンダー処理を4回行った。得られた塗工
紙の性能評価は以下の方法により行った。
【0052】1)ドライピック強度 RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で
判定し、5段階で評価した。ピッキング現象の少ないも
のほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示
した。
【0053】2)ウェットピック強度 RI印刷機を用いて、塗工紙表面を吸水ロールで湿して
から、RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を
肉眼で判定し、5段階で評価した。ピッキング現象の少
ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均
値で示した。
【0054】3)耐ブリスター性 両面印刷塗工紙を調湿(約6%)した後、加熱したオイ
ルバスに投入し、ブリスターが発生するときの最低温度
で示した。
【0055】4)印刷光沢 RI印刷機を用いてオフセット用インキをベタ塗りし、
村上式光沢計を使用して60度の角度で測定した。
【0056】5)剛度 JIS P8143に準じて自動クラーク剛度試験機
(熊谷理機工業製)を用いて測定した。
【0057】6)べとつき防止性 ラテックスをポリエチレンテレフタレートフィルム上に
No.18ロッドにより塗布し、120℃で30秒間、
乾燥し、皮膜を形成させる。この皮膜と黒羅紗紙を合わ
せて、ベンチスーパーカレンダーにより線圧200kg
/m,温度70℃の条件下で圧着させる。両者をひきは
がして、黒羅紗紙のラテックスへの転写の程度を目視で
5段階で評価する。転写の少ないものほど高得点とし
た。数値は測定回数6回の平均値で示した。
【0058】上記の評価方法で評価した結果を表1に示
した。実施例1〜3は本発明の範囲の共重合体ラテック
スを用いたオフセット印刷用の紙塗工用組成物であり、
本発明の目的のもの、すなわち接着強度(ドライピック
強度、ウェットピック強度)に優れ、かつ耐ブリスター
性、印刷光沢、剛度、べとつき防止性の全般にわたって
優れたものが得られた。
【0059】(実施例4〜6)攪拌機を備え、温度調節
の可能なオートクレーブ中に、水150部、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム0.3部および表2に示し
た第1段目の成分を一括して仕込み、35℃で8時間反
応させ、重合転化率が70%になった時点でN,N'−ジ
メチルヒドロキシルアミン0.1部を添加して重合を停
止させた。続いてスチームストリッピングにより未反応
単量体を除去し、冷却後固形分を25%に調整した。
【0060】攪拌機を備え、温度調整の可能な別のオー
トクレーブ中に、第1段目で得られた調整後のラテック
ス120部(固形分として30部)、水60部、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3部、過硫酸カリ
ウム1.0部および表2に示した第2段目の成分を仕込
み、65℃で10時間反応させた。最終的な重合転化率
は98〜99%であった。得られた共重合体ラテックス
について実施例1〜3と同様にして求めた各特性を表2
に示した。
【0061】
【表2】
【0062】実施例4〜6で製造した共重合体ラテック
スを用いて、実施例1〜3と同様にして塗工紙物性を評
価した。結果は表2に示した。実施例4〜6で得られた
共重合体ラテックスを用いたオフセット印刷用の紙塗工
用組成物は、接着強度に優れ、かつ耐ブリスター性、印
刷光沢、剛度、べとつき防止性に優れていた。
【0063】(比較例1〜3)攪拌機を備え、温度調節
の可能なオートクレーブ中に、水200部、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸カリウム
1.0部、重亜硫酸ナトリウム0.5部、および表3に示
した第1段目の成分を一括して仕込み、50℃で4時間
反応させ、重合転化率が60%以上であることを確認し
た。その後、第2段目の成分を65℃で6時間連続的に
添加し、さらに添加終了後、70℃で4時間反応を継続
させた。最終的な重合転化率は98〜99%であった。
【0064】得られたラテックスの粒子径、トルエン不
溶分、ヤング率を表3に示す。さらに、実施例1〜3と
同様に紙塗工用組成物、および塗工紙を作製し、実施例
1〜3と同様に塗工紙の性能評価を行った。結果を表3
に示す。
【0065】
【表3】
【0066】実施例1から6は本発明の範囲の共重合体
ラテックスを用いたオフセット印刷用塗工組成物であ
り、本発明の目的のもの、すなわち接着強度に優れ、か
つ耐ブリスター性、印刷光沢、剛度、べとつき防止性に
優れたものが得られた。
【0067】一方、比較例で得られた共重合体ラテック
スは、いずれもヤング率が本発明の範囲より小さい。そ
して、共役ジエン成分が比較的多いものは、接着強度は
高いものの、そのヤング率はかなり低い値を示し、べと
つき防止性、剛度が低下する(比較例1)。また、共役
ジエン成分が比較的少ないものは接着強度が低下し(比
較例2)、比較例2と同一の共役ジエン量でトルエン不
溶分量を高くしたものは、接着強度は良好であるが耐ブ
リスター性が低下した(比較例3)。
【0068】
【発明の効果】本発明のオフセット印刷塗工用共重合体
ラテックスは、比較的高いヤング率を有し、変形速度の
大きい衝撃的な変形に対して高い耐性を示し、このため
に高い接着強度を示すとともに、耐ブリスター性、剛
度、耐水強度等の他の物性を高いレベルで維持すること
ができ、さらにべとつき防止性が高く塗工操業性に優れ
るものである。
フロントページの続き (72)発明者 新ヶ江 滋 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−52898(JP,A) 特開 昭61−55289(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42 C08L 1/00 - 101/14 C08F 6/00 - 246/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a−1)脂肪族共役ジエン系単量体と
    して、ブタジエン63重量%と、 (b−1)前記(a−1)と共重合可能な他の単量体
    (ただし、エチレン系不飽和カルボン酸単量体を除く)
    として、スチレンおよびアクリロニトリルからなる単量
    体37重量%と、 からなる単量体共重合して得られる共重合体の存在下
    に、 (a−2)脂肪族共役ジエン系単量体として、ブタジエ
    18重量%と、 (b−2)前記(a−2)と共重合可能な他の単量体と
    して、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレ
    ート、アクリル酸およびフマル酸からなる単量体82
    量%と、 からなる単量体共重合させる工程を含み、 前記脂肪族共役ジエン系単量体は、その総量((a−
    1)+(a−2))が全単量体に対して36重量%であ
    る、オフセット印刷塗工紙用共重合体ラテックスの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 (a−1)脂肪族共役ジエン系単量体と
    して、ブタジエン67重量%と、 (b−1)前記(a−1)と共重合可能な他の単量体
    (ただし、エチレン系不飽和カルボン酸単量体を除く)
    として、アクリルニトリル33重量%と、 からなる単量体を共重合して得られる共重合体の存在下
    に、 (a−2)脂肪族共役ジエン系単量体として、ブタジエ
    ン19重量%と、 (b−2)前記(a−2)と共重合可能な他の単量体と
    して、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレ
    ート、アクリル酸およびイタコン酸からなる単量体81
    重量%と、 からなる単量体を共重合させる工程を含み、 前記脂肪族共役ジエン系単量体は、その総量((a−
    1)+(a−2))が全単量体に対して33重量%であ
    る、オフセット印刷塗工紙用共重合体ラテックスの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 (a−1)脂肪族共役ジエン系単量体と
    して、ブタジエン70重量%と、 (b−1)前記(a−1)と共重合可能な他の単量体
    (ただし、エチレン系不飽和カルボン酸単量体を除く)
    として、アクリロニトリル30重量%と、 からなる単量体を共重合して得られる共重合体の存在下
    に、 (a−2)脂肪族共役ジエン系単量体として、ブタジエ
    ン20重量%と、 (b−2)前記(a−2)と共重合可能な他の単量体と
    して、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレ
    ート、アクリル酸およびフマル酸からなる単量体80重
    量%と、 からなる単量体を共重合させる工程を含み、 前記脂肪族共役ジエン系単量体は、その総量((a−
    1)+(a−2))が全単量体に対して35重量%であ
    る、オフセット印刷塗工紙用共重合体ラテックスの製造
    方法。
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