JP2003277545A - 共重合体ラテックス - Google Patents

共重合体ラテックス

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JP2003277545A
JP2003277545A JP2002089661A JP2002089661A JP2003277545A JP 2003277545 A JP2003277545 A JP 2003277545A JP 2002089661 A JP2002089661 A JP 2002089661A JP 2002089661 A JP2002089661 A JP 2002089661A JP 2003277545 A JP2003277545 A JP 2003277545A
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Hiroyuki Yoshino
裕之 吉野
Osamu Ishikawa
理 石川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗工紙製造時および塗工紙製品の臭気が少な
く、かつ、塗工操業性、表面強度、印刷光沢、インク乾
燥性、表面平滑性、白紙光沢などの印刷適性に優れ、更
に広い印刷速度範囲にわたって上記の優れた印刷適性を
有する塗工紙を得ることができる紙塗工用組成物のバイ
ンダーとして有用な共重合体ラテックスを提供するこ
と。 【解決手段】 (a)脂肪族共役ジエン系単量体20〜
70重量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体
0.1〜10重量%、(c)単量体(a)および単量体
(c)と共重合可能な他の単量体20〜79.9重量%
からなる単量体を乳化重合して得られる共重合体ラテッ
クスであり、共重合体ラテックス中に残留するα−メチ
ルスチレンダイマーの濃度が、該共重合体ラテックスの
固形分に対して2000ppm以下であることを特徴と
する共重合体ラテックス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共重合体ラテック
スに関し、更に詳しくは、臭気が少なく、かつ、塗工操
業性、表面強度、印刷光沢、インク乾燥性、表面平滑
性、白紙光沢などの印刷適性に優れ、更に広い印刷速度
範囲にわたって上記の優れた印刷適性を有する塗工紙を
得ることができる紙塗工用組成物のバインダーとして有
用な共重合体ラテックスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷の高級化、高速化にともな
い、塗工紙に要求される性能も厳しくなってきており、
表面強度、耐水性、インク乾燥性および印刷光沢などの
改良が要求されるようになった。これと同時に、近年は
コスト低減の目的からバインダー量を低減する要求が高
まっており、このためより少量の添加量でも十分な表面
強度を示すバインダーが求められている。
【0003】また、印刷速度の高速化技術の進展に伴
い、要求される印刷速度の範囲が広がってきている。従
来の共重合体ラテックスでは適用可能な印刷速度範囲が
狭いので、印刷速度に対応してその速度に適した共重合
体ラテックスを個別的に選択する必要があり、製造コス
トの面と操業性の面で大きな負担となっている。このこ
とから広い印刷速度範囲にわたって適用できる共重合体
ラッテクスの登場が望まれている。更に、塗工紙の製造
そのものも高速化しており、塗工操業性の改良、特に主
な障害であるバッキングロール汚れ性の改良、すなわち
共重合体ラテックスの粘着性の低減(べとつき防止性)
も要求されている。また、高速塗工化における塗工紙の
高温高速強制乾燥と相まって、乾燥時の紙中の水分蒸発
とともに共重合体ラテックス中の残留成分に帰因する臭
気が多量発生することが多く、作業者の安全衛生上問題
が生じている。更に、塗工白板紙を食料品、たばこ等の
包装用途に用いられることが多いが、塗工白板紙から臭
いが発生した場合、著しく商品価値を低下させ、大きな
問題となっている。顔料と水性バインダーとを主体とし
た紙塗工用組成物を紙に塗工することにより、印刷適性
に優れた塗工紙が製造されている。ブタジエン系共重合
体ラテックスは、その優れた接着強度、設計の自由度か
ら、紙塗工用組成物の主バインダーとして使用されてお
り、共重合体ラテックスの性能が表面強度等の塗工紙の
基本性能および、印刷光沢、インキ着肉性等の美的印刷
特性、更に臭気等の品質に大きく影響を与える。
【0004】共重合体ラテックスに対しては、特に表面
強度の改良が求められ、そのために、例えば共重合体の
ゲル含量を調製する方法や共重合体組成を調整するなど
の改良方法が提案されている。しかし、表面強度と他の
特性とは互いに背反することが多く、全ての特性をバラ
ンスよく高いレベルにすることは非常に困難である。例
えば、接着強度を改良する目的でガラス転移温度の低い
共役ジエン系単量体である1、3−ブタジエンの量を増
やして共重合体ラテックスのガラス転移温度を低くする
方法が試みられていたが、この方法では耐水性およびべ
とつき防止性の特性低下が著しい。逆に、ガラス転移温
度を高くすると、耐水性およびべとつき防止性の点は良
好であるが、接着強度および印刷光沢の低下が著しい。
また、官能基を有する単量体を多量に用いる方法では、
接着強度は改良されるが、ラテックスの粘度が異常に高
くなるので作業性が著しく低下し、かつ共重合体ラテッ
クスの製造コストが高くなる。
【0005】このように、これらの何れの方法も、いず
れかの特性の改良が達成されたとしても、全ての特性に
対する要求を満たすことはできず、ますます厳しくなる
印刷における諸要求を満たすことはできないのが現状で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述の技術的
背景のもとになされたものであり、その目的は、塗工紙
製造時および塗工紙製品の臭気が少なく、かつ、塗工操
業性、表面強度、印刷光沢、インク乾燥性、表面平滑
性、白紙光沢などの印刷適性に優れ、更に広い印刷速度
範囲にわたって上記の優れた印刷適性を有する塗工紙を
得ることができる紙塗工用組成物のバインダーとして有
用な共重合体ラテックスを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、共重合体
ラテックスに残留するα−メチルスチレンダイマーの量
を特定量以下に抑制することにより、塗工紙製造時およ
び塗工紙製品の臭気が少なく、かつ上記各種性能に優れ
た塗工紙を得ることができる紙塗工用組成物のバインダ
ーとして有用な共重合体ラテックスが得られることを見
出し本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、(a)脂肪族共役ジエ
ン系単量体20〜70重量%、(b)エチレン系不飽和
カルボン酸単量体0.1〜10重量%、(c)単量体
(a)および単量体(c)と共重合可能な他の単量体2
0〜79.9重量%からなる単量体を乳化重合して得ら
れる共重合体ラテックスであり、共重合体ラテックス中
に残留するα−メチルスチレンダイマーの濃度が、該共
重合体ラテックスの固形分に対して2000ppm以下
であることを特徴とする共重合体ラテックスを提供する
ものである。
【0009】本発明の共重合体ラテックスを紙塗工用の
バインダーとして用いた場合には、塗工紙製造時および
塗工紙製品に発生する臭気成分を抑制しつつ、上記の優
れた印刷適性を発現させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳細
に説明する。本発明の共重合体ラテックスの製造に使用
される(a)脂肪族共役ジエン系単量体としては、1、
3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブ
タジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、好ましく
は1、3−ブタジエンである。これらの(a)脂肪族共
役ジエン系単量体は、種単独で、あるいは2種以上を併
用することもできる。(b)エチレン系不飽和カルボン
酸単量体としては、例えばイタコン酸、アクリル酸、メ
タクリル酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。
これらの(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体は、
1種単独で、あるいは2種以上を併用することもでき
る。
【0011】また、前記(c)単量体(a)および単量
体(b)と共重合可能な他のビニル系単量体としては、
芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル単量体、アルキル
(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、アクリルアミド系
化合物、N−メチロールアクリルアミドなどが挙げられ
る。
【0012】芳香族ビニル化合物としては、例えばスチ
レン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、クロルスチレンなどが挙げられ、特にスチ
レンが好ましい。
【0013】シアン化ビニル単量体としては、例えば、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α-クロルア
クリロニトリル、α-エチルアクリロニトリルなどを挙
げることができ、好ましくはアクリロニトリルとメタク
リロニトリルである。
【0014】アルキル(メタ)アクリレートとしては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)
アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステア
リル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アク
リレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレートなど
が挙げられ、特にメチルメタアクリレートが好ましい。
さらにアクリルアミド系化合物としては、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリル
アミドなどが挙げられる。
【0015】これら(d)成分は単独で用いてもよい
し、2種以上を併用してもかまわない。上記の単量体組
成は、(a)脂肪族共役ジエン系単量体20〜70重量
%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.1〜
10重量%、(c)単量体(a)および単量体(c)と
共重合可能な他の単量体20〜79.9重量%からな
る。かかる(a)脂肪族共役ジエン系単量体は、得られ
る重合体に適度な柔軟性と伸びを与え、耐衝撃性を付与
するために必須の成分であり、その使用割合は全単量体
に対して20〜70重量%、好ましくは30〜60重量
%である。この(a)成分が20重量%未満であると、
共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が改良されない。一
方、(a)成分が70重量%を越えるとべとつき防止性
が劣るので好ましくない。
【0016】かかる(b)エチレン系不飽和カルボン酸
単量体の使用量は、全単量体に対して0.1〜10重量
%、好ましくは0.3〜8重量%であり、更に好ましく
は0.5〜5重量%である。(b)成分が0.1重量%
未満では、重合時のラテックスの安定性が悪く、多量の
凝固物の発生を招く。一方(b)成分が10重量%を超
えると、ラテックス粘度が大きく上昇し、作業性が悪化
し、また、ウェットピック強度が低下するので好ましく
ない。
【0017】(c)成分は、共重合体に、主として目的
に応じた適度なガラス転移温度を与えるために使用する
ものであり、その使用割合は20〜79.9重量%、好
ましくは25〜69.9重量%である。
【0018】本発明の共重合体ラテックス中に存在する
α−メチルスチレンダイマーの量は、該共重合体ラテッ
クスの固形分に対して2000ppm以下である必要が
あり、好ましくは1000ppm以下である。共重合体
ラテックス中に残留するα−メチルスチレンダイマーの
量が規定量を越えると、接着強度および印刷光沢が劣
り、また、臭気が悪化する。共重合体ラテックス中に残
留するα−メチルスチレンダイマー量を抑制する方法
は、共重合体ラテックスの単量体組成および添加方法、
重合温度などの重合条件、重合反応終了後の熟成時間お
よび温度条件により適宜調整可能である。また、重合終
了後の脱単量体処理工程におけるラテックス温度等の諸
条件により適宜調整できる。これらのうち、特に、開始
剤と還元剤を併用し、重合温度を低くして反応させるこ
とが、共重合体ラテックス中に残留するα−メチルスチ
レンダイマー量を抑制する方法として好適である。
【0019】本発明で使用される単量体を乳化重合する
に際しては、水性媒体中で乳化剤、重合開始剤などを用
いて製造することができる。ここで、乳化剤としては、
アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界
面活性剤などが単独で、あるいは2種以上を併用して使
用できる。アニオン性界面活性剤としては、例えば高級
アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレングリコールア
ルキルエーテルの硫酸エステルなどが挙げられる。ノニ
オン性界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコ
ールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アル
キルフェニルエーテル型などが用いられる。両性界面活
性剤としては、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸
エステル塩、スルホン酸塩、燐酸エステル塩を、カチオ
ン部分としてはアミン塩、第4級アンモニウム塩を持つ
ものが挙げられ、具体的にはラウリルベタイン、ステア
リルベタインなどのベタイン類、ラウリル−β−アラニ
ン、ステアリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエ
チル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシ
ン、などのアミノ酸タイプのものなどが用いられる。
【0020】重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、
過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩に代
表される水溶性重合開始剤、ならびにクメンハイドロパ
ーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオ
キサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド等のハ
イドロパーオキサイド類等の油溶性重合開始剤を使用す
ることができる。また、還元剤との組み合せによるレド
ックス系重合開始剤などが、それぞれ単独であるいは組
み合わせで使用できる。共重合体ラテックス中の残留α
−メチルスチレンダイマー低減のためにはレドックス系
重合開始剤が好ましい。
【0021】還元剤としては、例えば、エルソルビン
酸、エルソルビン酸ナトリウム、エルソルビン酸カリウ
ム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アス
コルビン酸カリウム、糖類、ロンガリットソディウムホ
ルムアルデヒドスルホキシレート、亜硫酸水素ナトリウ
ム・亜硫酸水素カリウム・亜硫酸ナトリウム・亜硫酸カ
リウム等の亜硫酸塩、ピロ亜硫酸水素ナトリウム・ピロ
亜硫酸水素カリウム・ピロ亜硫酸ナトリウム・ピロ亜硫
酸カリウム等のピロ亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チ
オ硫酸カリウム、亜燐酸、亜燐酸ナトリウム・亜燐酸カ
リウム・亜燐酸水素ナトリウム・亜燐酸水素カリウム等
の亜燐酸塩、ピロ亜燐酸、ピロ亜燐酸ナトリウム・ピロ
亜燐酸カリウム・ピロ亜燐酸水素ナトリウム・ピロ亜燐
酸水素カリウム等のピロ亜燐酸塩、メルカプタンが挙げ
られる。これらの還元剤は、好ましくは、単量体100
重量%に対して0.01〜10重量%が使用される。
【0022】また、開始剤および還元剤のより具体的な
添加方法として、例えば、両者を別々の供給配管から同
時に連続的に重合反応器に添加する方法、開始剤が還元
剤よりも過剰に存在する重合系内に還元剤を連続的に添
加する方法、還元剤が開始剤よりも過剰に存在する重合
系内に開始剤を連続的に添加する方法が挙げられる。な
お、開始剤と還元剤との等量比は、100/1から1/
100の間とするのが好ましい。
【0023】さらに、開始剤および還元剤に加えて、酸
化還元触媒を重合系内に添加して乳化重合を行うことが
できる。酸化還元触媒としては、金属触媒、例えば、2
価の鉄イオン、3価の鉄イオン、銅イオンなどが挙げら
れる。前述した還元剤と同様に、酸化還元触媒も、重合
系にそれぞれ回分的、連続的あるいはこの両者を組み合
わせて添加することができる。開始剤、還元剤、および
酸化還元触媒の好ましい組み合わせとして、開始剤とし
て過硫酸カリウム、還元剤として亜硫酸水素ナトリウ
ム、および酸化還元触媒として硫酸第一鉄を用いたもの
が挙げられる。
【0024】重合連鎖移動剤、キレート化剤、無機電解
質なども公知のものが使用できる。重合連鎖移動剤とし
ては、具体的には、例えば、オクチルメルカプタン、n
−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、
n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメル
カプタン、t−テトラデシルメルカプタンなどのメルカ
プタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチ
ルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサント
ゲンジスルフィドなどのキサントゲンジスルフィド類;
テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウ
ラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド
などのチウラムジスルフィド類;クロロホルム、四塩化
炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類;ペン
タフェニルエタン、α−メチルスチレンダイマーなどの
炭化水素類;およびアクロレイン、メタクロレイン、ア
リルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレー
ト、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネ
ン、ジペンテンなどを挙げることができる。これらは単
独でも、あるいは2種以上組み合わせて使用することも
できる。これらのうち、メルカプタン類、キサントゲン
ジスルフィド類、チウラムジスルフィド類、四塩化炭
素、α−メチルスチレンダイマーなどが好適に使用され
る。
【0025】重合方法としては、一段重合法、単量体の
一部を重合した後、その残りを連続的にあるいは断続的
に添加する方法、あるいは単量体を重合のはじめから連
続的に添加する方法等が挙げられるが、特に制限される
ものではなく、何れの方法を用いてもよいが、特に、単
量体の一部を重合した後、その残りを連続的にあるいは
断続的に添加する方法が好ましい。重合温度は、反応容
器内の温度が5℃から60℃の間であることが好まし
く、20℃から60℃の間であることがより好ましく、
30℃から50℃の間であることがさらに好ましい。こ
の範囲の温度で得られた共重合体ラテックスは、紙塗工
用バインダとしてのドライピック強度およびベタツキ防
止性のバランスが良好であり、また、共重合体ラテック
ス中に残留するα−メチルスチレンダイマー量が少な
く、臭気が少ない。
【0026】本発明の共重合体ラテックスの粒子径は特
に制限はないが、50nm以上200nm以下、好まし
くは180nm以下、さらに好ましくは70nm以上1
60nm以下である。、50nm以下ではインキ着肉性
が劣り、200nmを超えると接着強度が低下する場合
がある。
【0027】(紙塗工用組成物)本発明の共重合体ラテ
ックスが用いられる紙塗工用組成物は、無機あるいは有
機顔料に、前記共重合体ラテックス、さらに必要に応じ
て他のバインダー、種々の助剤を配合して使用される。
前記共重合体ラテックスの配合量は、通常、顔料100
重量部に対して共重合体ラテックス1〜30重量部(固
形分として)、好ましくは3〜25重量部である。共重
合体ラテックスが1重量部未満であると、接着強度が著
しく低下し、一方30重量部を超えるとインク乾燥性の
低下が著しい。
【0028】前記無機顔料としてはクレー、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、タ
ルク、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛等が、また有機顔
料としてはポリスチレンラテックス、尿素ホルマリン樹
脂などを挙げることができる。これらは目的に応じて、
単独でも、あるいは2種以上組み合わせても使用するこ
とができる。
【0029】本発明の共重合体ラテックスからなる紙塗
工用組成物、特にオフセット印刷用の紙塗工用組成物に
おいては、顔料接着剤として好適に使用される。また、
この紙塗工用組成物は、前記共重合体ラテックスに加え
て、カゼイン、カゼイン変性物、澱粉、澱粉変性物、ポ
リビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなど
の水溶性物質を必要に応じて組み合わせて使用できる。
【0030】また、その紙塗工用組成物においては、一
般に使用されている種々の配合剤、例えば、耐水性改良
剤、顔料分散剤、粘度調節剤、着色顔料、蛍光染料およ
びpH調節剤を任意に配合することができる。
【0031】さらに、その紙塗工用組成物は、シートオ
フセット印刷用紙およびウエッブオフセット印刷用紙に
好適に使用され、その他、凸版印刷、グラビア印刷など
の各種印刷用紙および紙のコーティング剤にも使用する
ことができる。
【0032】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の
実施例に制約されるものではない。なお、実施例におい
て割合を示す「部」および「%」はそれぞれ重量部およ
び重量%を意味する。実施例、比較例における共重合体
ラテックスの分析、測定、評価の方法および紙塗工用組
成物の調製、塗工紙の製造、紙塗工用組成物や塗工紙の
測定、評価の方法等は次に記載の方法により行った。
【0033】(分析、測定、評価等の方法) (脱単量体処理)撹拌機を備え、温度調節の可能なオー
トクレーブ中にて重合反応を完結させた共重合体ラテッ
クスを、苛性ソーダにてpH8.0に調整する。耐圧容
器に仕込み、表1および2に示すように70℃から90
℃の温度まで加熱し、真空ポンプにより減圧蒸留を行
う。(共重合体ラテックス中の残留成分の分析)得られ
た重合体ラテックス0.5mlに内部標準含有ジメチル
フォルムアミド4.5mlを添加希釈し、超音波洗浄機
にて15分処理して測定試料とする。この試料をアジレ
ント社製ガスクロマトグラムHP6890GCを用いて
測定する(試料注入量2μl、HP1キャピラリーカラ
ム)。得られたガスクロマトグラフより、既知濃度のα
−メチルスチレンダイマーを用いて作成した検量線を用
い、各成分の定量値を共重合体ラテックスの固形分に対
する残留α−メチルスチレンダイマー量として求める。
【0034】(ラテックス平均粒子径)共重合体ラテッ
クスの平均粒子径は、コールター社製のサブミクロンア
ナライザー(モデルN4)で、常法により求める。
【0035】(トルエン不溶分)共重合体ラテックスを
pH8.0に調製した後、イソプロパノールで凝固し、
この凝固物を洗浄、乾燥した後、所定量(約0.03
g)の試料を所定量(100ml)のトルエンに20時
間浸漬する。その後、120メッシュの金網で濾過し、
得られる残存固形分の仕込の全固形分に対する重量%を
求める。
【0036】(紙塗工用組成物の調製)配合処方のとお
り原料をミキサーを用いて均一に混合して紙塗工用組成
物を調製する。 配合(処方1) カオリンクレー 70.0部 炭酸カルシウム 30.0部 分散剤 0.2部 水酸化ナトリウム 0.1部 澱粉 4.0部 共重合体ラテックス(固形分として)10.0部 水 全固形分が60%となるように適当量添加 (塗工紙の製造)紙塗工用組成物を塗被原紙上に、塗工
量が片面18.0±0.5g/m2となるように、電動
式ブレードコーター(熊谷理機工業製)で塗工し、15
0℃の電気式熱風乾燥機にて15秒間乾燥する。得られ
た塗工紙を温度23℃、湿度50%の恒温恒湿槽に1昼
夜放置し、その後、線圧100kg/cm,ロール温度
50℃の条件でスーパーカレンダー処理を4回行い、塗
工紙を製造する。
【0037】(ドライピック強度)RI印刷機で印刷し
たときのピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階で評
価する。ピッキング現象の少ないものほど高得点とし
た。数値は測定回数6回の平均値で示す。なお、この測
定において、1000m/分の印刷速度の測定法を
(A)法、100m/分の印刷速度の測定法を(B)法
と表す。
【0038】(ウェットピック強度)RI印刷機を用い
て、塗工紙表面を吸水ロールで湿してから、RI印刷機
で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で判定し、5
段階で評価する。ピッキング現象の少ないものほど高得
点とする。数値は測定回数6回の平均値で示す。なお、
この測定において、1000m/分の印刷速度の測定法
を(A)法、100m/分の印刷速度の測定法を(B)
法と表す。
【0039】(印刷光沢)RI印刷機を用いてオフセッ
ト用インキをベタ塗りし、村上式光沢計を使用して60
度の角度で測定する。
【0040】(べとつき防止性)ラテックスをポリエチ
レンテレフタレートフィルム上にNo.18ロッドによ
り塗布し、120℃で30秒間、乾燥し、皮膜を形成さ
せる。この皮膜と黒羅紗紙を合わせて、ベンチスーパー
カレンダーにより線圧200kg/m,温度70℃の条
件下で圧着させる。両者をひきはがして、黒羅紗紙のラ
テックスへの転写の程度を目視で5段階で評価する。転
写の少ないものほど高得点とする。数値は測定回数6回
の平均値で示す。
【0041】(臭気評価)紙塗工用組成物を塗被原紙上
に、塗工量が片面18.0±0.5g/m2となるよう
に、電動式ブレードコーター(熊谷理機工業製)で塗工
したもの、あるいは共重合体ラテックスをポリエチレン
テレフタレートフィルム上にNo.18ロッドにより塗
布したものを臭気判定用試料とする。試料を150℃の
電気式熱風乾燥機にて30秒から1分間乾燥する。任意
の時間にて乾燥機内部の臭気を調べる。臭気の度合を5
段階で評価する。臭気の少ないものほど高得点とする。
数値は臭気判定者10人の判定結果の平均値で示す。
【0042】(共重合体ラテックスの製造) (実施例1〜4)撹拌機を備え、温度調節の可能なオー
トクレーブ中に、水200部、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.5部、過硫酸ナトリウム0.5部を
仕込み、次いで表1に示す単量体および連鎖移動剤の1
段目成分を一括で仕込み、45℃で2時間反応させた。
その後、過硫酸ナトリウム0.5部および硫酸第一鉄
0.005部を仕込んだ後、2段目成分および、あらか
じめ調製した亜硫酸水素ナトリウム0.3部と水10部
からなる還元剤水溶液の1/2量を5時間かけて連続的
に添加し重合を継続させた。その後、重合を完結させる
ために残り1/2量の還元剤水溶液を3時間かけて連続
的に添加した。最終的な重合転化率は97〜99%であ
った。得られた共重合体ラテックスについて、表1に示
す温度条件にて脱単量体処理を行った後、共重合体ラテ
ックス中の残留成分、ラテックス平均粒子径、トルエン
不溶分を求めた。さらに得られた共重合体ラテックスを
用いて、前記の配合処方により紙塗工用組成物を調製
し、さらにこれを紙に塗布して塗工紙を製造した。塗工
紙について、前記の方法に従って性能評価を行った。こ
れらの結果を表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】(比較例1〜4)撹拌機を備え、温度調節
の可能なオートクレーブ中に、水200部、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、過硫酸ナトリウ
ム1部を仕込み、次いで表2に示す単量体および連鎖移
動剤の1段目成分を一括で仕込み、60℃で2時間反応
させた。その後、2段目成分を10部/時間の速度で連
続的に添加し重合を継続させ、さらに連続添加終了後6
時間にわたって70℃で反応させた。最終的な重合転化
率は97〜99%であった。
【0045】得られた共重合体ラテックスについて、実
施例の場合と同様にして、表2の温度条件にて脱単量体
処理を行い、共重合体ラテックス中の残留成分、ラテッ
クス平均粒子径およびトルエン不溶分を求めた。さらに
得られた共重合体ラテックスを用いて、前記の配合処方
により紙塗工用組成物を調製し、さらにこれを紙に塗布
して塗工紙を製造した。塗工紙について、前記の方法に
従って性能評価を行った。これらの結果を表2に示し
た。
【0046】
【表2】
【0047】実施例1〜4は、本発明の範囲の共重合体
ラテックスの例であり、本発明の目的とする塗工紙の特
性を得ている。一方、比較例の共重合体ラテックスは、
残留α−メチルスチレンダイマー量が本発明の範囲を超
えた例であり、臭気に劣り、塗工紙の特性全般にわたっ
て劣っている。
【0048】
【発明の効果】本発明は、特定の単量体を乳化重合する
ことにより得られる共重合体のラテックスであって、残
留α−メチルスチレンダイマー量が少なく、塗工紙製造
時および塗工紙製品の臭気が少なく、かつ優れた接着強
度、印刷光沢、べとつき防止性などを有する、紙塗工用
共重合体ラテックスを提供することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AC101 EA046 FD090 GK04 HA07 4J100 AB02P AB03P AB04P AB08P AJ02R AJ08R AJ09R AL03P AL04P AL05P AL08P AM02P AM03P AM15P AM19P AM21P AS02Q AS03Q AS06Q AS07Q BA31P BA40P BB01P BB01Q BC08P BC43P CA05 DA36 EA07 FA20 GB02 JA13 4L055 AG11 AG12 AG27 AG47 AG63 AG70 AG71 AG72 AG74 AG75 AG76 AG89 AH02 AH37 AJ04 BE02 BE08 EA25 EA32 FA11 FA12 FA13 FA15 FA30 GA19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)脂肪族共役ジエン系単量体20〜7
    0重量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体
    0.1〜10重量%、(c)単量体(a)および単量体
    (c)と共重合可能な他の単量体20〜79.9重量%
    からなる単量体を乳化重合して得られる共重合体ラテッ
    クスであり、共重合体ラテックス中に残留するα−メチ
    ルスチレンダイマーの濃度が、該共重合体ラテックスの
    固形分に対して2000ppm以下であることを特徴と
    する共重合体ラテックス。
  2. 【請求項2】 前記共重合体ラテックス中に残留するα
    −メチルスチレンダイマーの濃度が、該共重合体ラテッ
    クスの固形分に対して1000ppm以下であることを
    特徴とする請求項1記載の共重合体ラテックス。
  3. 【請求項3】紙塗工用組成物のバインダーとして用いら
    れる請求項1または2いずれかに記載の共重合体ラテッ
    クス。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005092969A1 (ja) * 2004-03-25 2008-05-22 Jsr株式会社 共重合体ラテックス組成物、紙塗工用組成物および塗工紙
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JP2013189497A (ja) * 2012-03-12 2013-09-26 Nippon A&L Inc 共重合体ラテックス及びそれを含有する紙塗工用組成物

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