JP3114240B2 - 紙塗被組成物 - Google Patents

紙塗被組成物

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JP3114240B2
JP3114240B2 JP03140820A JP14082091A JP3114240B2 JP 3114240 B2 JP3114240 B2 JP 3114240B2 JP 03140820 A JP03140820 A JP 03140820A JP 14082091 A JP14082091 A JP 14082091A JP 3114240 B2 JP3114240 B2 JP 3114240B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙塗被組成物に関し、詳
しくは接着強度、耐ブリスター性がともに一段と優れた
紙塗被組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】脂肪族共役ジエン系単量体、エチレン系
不飽和カルボン酸などからなる単量体混合物を乳化重合
して得られるカルボキシル基変性共重合体ラテックス
が、単独あるいはカゼイン、デンプン、タンパク質、セ
ルロース、ポリビニルアルコールなどの天然もしくは合
成のバインダーとともに、紙塗被用バインダーとして用
いられることはよく知られている。このカルボキシル基
変性共重合体ラテックスを紙塗被用バインダーとして含
有する紙塗被組成物を塗布して得られるコート紙は、接
着強度、耐水性、光沢などが良好のため様々な用途に使
用されている。近年、コート紙を用いた印刷物の需要は
著しく、これに伴ない印刷の高速化と印刷方式の多様化
の傾向がますます強くなっている。このため、コート紙
ひいては紙塗被用バインダーには、従来にもまして諸物
姓の向上、特に光沢、印刷強度、耐水性および耐ブリス
ター性の全て、あるいはそのうちの複数項目を同時に向
上させることが要求されるようになっている。特に、オ
フセット輪転印刷用コート紙に対しては、ますます接着
強度と耐ブリスター性の向上要求が高まっている。この
ような要求に応えるため、紙塗被用バインダーとして使
用する共重合体ラテックスに種々の改良がなされてき
た。耐ブリスター性を向上させる方法の一つとして、バ
インダーとして使用する共重合体ラテックスのトルエン
不溶分を低下させる方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般にトルエ
ン不溶分を低下させて耐ブリスター性を向上させると接
着強度が低下し、トルエン不溶物を上げて接着強度を向
上させると耐ブリスター性が低下するという問題が生じ
る。すなわち、バインダーとして使用する共重合体ラテ
ックスの耐ブリスター性と接着強度とは相反する性質の
もので、両者を同時に向上させることは困難であった。
本発明は、この従来の紙塗被組成物の問題点を解決し、
接着強度、耐ブリスター性がともに一段と改良された紙
塗被組成物を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題が解決するための手段】本発明者は鋭意検討の結
果、バインダーとして使用する共重合体ラテックスのp
Hに対するトルエン不溶分を特定範囲に制御して得られ
る共重合体ラテックスを紙塗被用バインダーとして含有
する紙塗被組成物は、接着強度、耐ブリスター性がとも
に一段と優れていることを見い出し、この知見に基づい
て本発明を完成するに到った。すなわち、本発明は、顔
料およびバインダーとしての共重合体ラテックスを含有
する紙塗被組成物において、該共重合体ラテックスが、
(イ)脂肪族共役ジエン20〜50重量%、(ロ)エチ
レン系不飽和カルボン酸エステル0〜40重量%、
(ハ)芳香族ビニル系単量体5〜60重量%、(ニ)エ
チレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量%、
(ホ)シアン化ビニル系単量体0〜30重量%からなる
単量体を乳化重合して得られる共重合体であって、該共
重合体ラテックスのpH8におけるトルエン不溶分が1
5〜75重量%、かつ該共重合体ラテックスのpH4〜
6におけるトルエン不溶分が0〜10重量%であること
を特徴とする紙塗被組成物に関する。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用する(イ)脂肪族共役ジエン系単量体〔以下、「成
分(イ)」という〕としては、1,3−ブタジエン、2
−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエ
ン、置換直鎖共役ペンタジエン類、直鎖および側鎖共役
ヘキサジエン類などを挙げることができる。成分(イ)
は、共重合体に適度な弾性および得られる塗被膜に適度
な軟性を付与するために必要であり、その使用量は全単
量体の20〜50重量%、好ましくは25〜40重量%
である。成分(イ)の使用量が20重量%未満では得ら
れる共重合体は硬くて脆く、一方、50重量%を超える
と得られる共重合体は軟らかくなりすぎて耐水性が劣
る。本発明で使用する(ロ)エチレン系不飽和カルボン
酸エステル単量体〔以下、「成分(ロ)」という〕とし
ては、例えばエチレン系不飽和カルボン酸アルキルエス
テルおよびエチレン系不飽和カルボン酸ヒドロキシアル
キルエステルが好適であり、その具体例としてはアクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
ブチル、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸β−ヒドロキシエチルなどを挙げることができる。成
分(ロ)の使用量は、全単量体の0〜40重量%、好ま
しくは5〜35重量%である。成分(ロ)の使用量が4
0重量%を超えると、得られる共重合体の耐水性が低下
する。
【0006】本発明で使用する(ハ)芳香族ビニル系単
量体〔以下、「成分(ハ)」という〕としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジメチルス
チレンなどを挙げることができる。成分(ハ)の使用量
は、全単量体の5〜60重量%、好ましくは10〜50
重量%である。成分(ハ)の使用量が5重量%未満では
得られる共重合体の耐水性が劣り、一方、60重量%を
超えると接着強度、重合安定性が低下する。
【0007】本発明で使用する(ニ)エチレン系不飽和
カルボン酸単量体〔以下、「成分(ニ)」という〕とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、フマール酸、イタコン酸などのモノまたはジカル
ボン酸を挙げることができる。また、ジカルボン酸無水
物も使用することができる。成分(ニ)の使用量は、全
単量体の0.5〜10重量%、好ましくは1〜7重量%
である。成分(ニ)の使用量が0.5重量%未満では得
られる共重合体の接着力、機械的安定性が低下し、一
方、10重量%を超えると共重合体ラテックスの粘度が
高くなりすぎて取り扱いが困難となる。本発明で使用す
る(ホ)シアン化ビニル系単量体〔以下、「成分
(ホ)」という〕としては、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチ
ルアクリロニトリルなどを挙げることができる。成分
(ホ)の使用は、印刷光沢の向上に効果があり、その使
用量は全単量体の0〜30重量%、好ましくは3〜20
重量%である。成分(ホ)の使用量が30重量%を超え
ると、得られる共重合体の接着強度が低下する。なお、
上記の成分(イ)〜(ホ)において、先に挙げたモノマ
ーは単独でもあるいは2種以上組み合わせて使用するこ
ともできる。
【0008】本発明で使用する共重合体ラテックスは、
上記成分(イ)〜(ホ)からなる単量体を適当な反応器
に仕込んだ後、乳化重合を行なうことによって容易に得
ることができる。例えば、上記単量体混合物を水性媒体
中で乳化剤、重合開始剤、重合連鎖移動剤などを用いて
重合すればよい。本発明の乳化重合に使用する重合開始
剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプ
ロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタン
ハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド
類、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イドなどのパーオキサイド類、アゾビスイソブチロニト
リルなどのアゾ化合物類などの有機系重合開始剤、およ
び過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニ
ウムなどの過硫酸塩などの無機系重合開始剤などを挙げ
ることができる。
【0009】中でも、無機系重合開始剤を単独、または
有機系重合開始剤と組み合わせて使用することが好まし
い。なお、これら重合開始剤は重亜硫酸ナトリウムなど
の還元剤と組み合わせた、いわゆるレドックス系重合開
始剤としても使用することができる。これらのうち、過
硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、ま
たはこれとアゾビスイソブチロニトリルあるいはベンゾ
イルパーオキサイドとの組み合わせ、さらにはこれらと
還元剤とを組み合わせたものが好ましく使用される。本
発明における重合開始剤の使用量は、単量体100重量
部当たり0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量
部である。本発明の乳化重合に使用する乳化剤として
は、アニオン型、ノニオン型および両性型界面活性剤の
いずれも使用することができる。これらは単独でも、あ
るいは2種以上混合して使用することもできる。
【0010】例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなどの高
級アルコールの硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸
塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどの脂肪族
エステルのスルホン酸塩などのアニオン型界面活性剤、
ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキ
ルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型などのノニ
オン型界面活性剤などを使用することができる。また、
両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカルボン
酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、りん酸エステル
塩を、またカチオン部分としてアミン塩、第4級アンモ
ニウム塩を持つものが挙げられ、具体的にはアルキルベ
タインの塩としてラウリルベタイン、ステアリルベタイ
ン、ココアミドプロピルベタイン、2−ウンデシルヒド
ロキシエチルイミダゾリウムベタインの塩が、またアミ
ノ酸タイプのものとしてはラウリル−β−アラニン、ス
テアリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)
グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシン、ジオ
クチルジ(アミノエチル)グリシンの塩を挙げることが
できる。本発明においては、乳化剤として、特にアルキ
ルベンゼンスルホン酸塩が好ましく使用される。さらに
具体的には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムな
どが特に好ましく使用される。このアルキルベンゼスル
ホン酸塩は他の界面活性剤、すなわち高級アルコールの
硫酸エステル塩、脂肪族エステルのスルホン酸塩などの
アニオン型界面活性剤、あるいはポリエチレングリコー
ルのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキ
ルフェニルエーテル型などのノニオン型界面活性剤など
と併用してもよい。
【0011】乳化剤の使用量は、単量体混合物の0.0
5〜2重量%が好ましく、特に0.05〜1重量%が好
ましい。なお、アルキルベンゼンスルホン酸塩を他のア
ニオン型あるいはノニオン型界面活性剤と併用する場
合、アルキルベンゼスルホン酸塩の使用割合は、全乳化
剤の50重量%以上とするのが好ましい。本発明におい
て、一般の乳化重合に使用されている公知の重合連鎖移
動剤を使用することができる。具体的には、例えばオク
チルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ド
デシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、
n−テトラデイシルメルカプタン、t−テトラデシルメ
ルカプタンなどのメルカプタン類;ジメチルキサントゲ
ンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、
ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのキサン
トゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフ
ィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチ
ルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィド
類;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水
素類;ペンタフィニルエタンなどの炭化水素類;および
アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2
−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレン、
α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、α−メ
チルスチレンダイマーなどを挙げることができる。これ
らは単独でも、あるいは2種以上組み合わせて使用する
こともできる。これらのうち、メルカプタン類、キサン
トゲンジスルフィド類、チウラムジスルフィド類、四塩
化炭素、α−メチルスチレンダイマーなどが好適に使用
される。重合連鎖移動剤の使用量は、全単量体100重
量部当たり、通常0.05〜20重量部、好ましくは、
0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.3〜7重量
部である。本発明において、共重合体ラテックスの共重
合体の数平均分子量は、通常、10,000〜100,
000である。
【0012】本発明における共重合体ラテックスのpH
調整方法およびトルエン不溶分は、次のようにして行な
う。共重合体ラテックスのpH8におけるトルエン不溶分の
測定 共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムまたは水酸化
カリウムの単独使用または併用によって、pH8、固形
分濃度48%に調製する。この共重合ラテックスを、2
00μのアプリケーターを用いてテフロン板に塗布した
後、すばやく乾燥させる。完全に乾燥成膜したフィルム
の固形分約0.15g(全固形分量Ag)を採取し、ト
ルエン50mlに室温で20時間浸漬した後、No. 2定性
ろ紙を用いてろ過する。ろ液の一部(Cミリリットル)
を正確に採取して、蒸発乾固させ、得られた残存固形分
(トルエン可溶分量Bg)を秤量し、下記式によってト
ルエン不溶分を決定する。 〔A−B(100/C)〕/A×100%=トルエン不
溶分共重合体ラテックスのpH4〜6におけるトルエン不溶
分の測定 共重合体ラテックスを上記同様、pH8に調整した後、
カチオン交換樹脂(塩酸で処理したアンバーライト)を
加え、徐々にpHを下げていく。所定のpHになったと
ころでカチオン交換樹脂をろ過除却した後は、上記と同
様の方法でトルエン不溶分を決定する。なお、本発明に
おいて、pH4〜6におけるトルエン不溶分は、pH4
からpH6までの間の少なくとも1点において0〜10
重量%であればよい。
【0013】本発明で使用する共重合体ラテックスのp
H8におけるトルエン不溶分は15〜80重量%、好ま
しくは15〜55重量%、さらに好ましくは25〜40
重量%、pH4〜6におけるトルエン不溶分は0〜10
%、好ましくは0〜5重量%である。pH8におけるト
ルエン不溶分が80重量%を超えたり、pH4〜6にお
けるトルエン不溶分が10重量%を超えると、耐ブリス
ター性が劣る。一方、pH8におけるトルエン不溶分が
15重量%未満では、接着強度が低下し好ましくない。
このような共重合体ラテックスのpHに対するトルエン
不溶分の変化は、共重合体の分子量、極性、およびエチ
レン系不飽和カルボン酸単量体〔成分(ニ)〕の重合度
によって生じるものであり、例えば、共重合体ラテック
スの分子量あるいは極性、あるいはイオン架橋性ゲルな
どを上げることによって、pH8でのトルエン不溶分が
多くなり、pH6以下でのトルエン不溶分が低下する。
したがって、これらの条件を適宜選択することによっ
て、本発明の上記のpHに対するトルエン不溶分を有す
る共重合体ラテックスを容易に得ることができる。
【0014】本発明におけるpHに対するトルエン不溶
分を有する共重合体ラテックスは、例えば好ましい重合
方法として、 1.上記単量体混合物の乳化重合を2段階以上の重合法
によって行ない、各段階での単量体重量比、組成重合転
化率を適宜変える。 2.上記単量体混合物の乳化重合を2段階以上の重合法
によって行ない、2段階以降で上記(ニ)の成分を使用
し、その使用量、添加方法を適宜変える。 3.上記単量体混合物の乳化重合を2段階以上の重合法
によって行ない、各段階で開始剤を単独または開始剤と
上記(ニ)の成分の添加方法を連続添加、分割添加、一
括添加方法、あるいはこれらの組み合わせを適宜変え
る。 4.90℃以上の高温度で重合させる。 5.重合連鎖移動剤の種類、量、添加方法を適宜変え
る。 などの方法が挙げられ、これらの方法は、単独あるいは
これらの条件を適宜組み合わせすることで、本発明範囲
のpHに対するトルエン不溶分のラテックスを製造する
ことができる。
【0015】本発明の紙塗被組成物は、無機顔料あるい
は有機顔料、好ましくは無機顔料に上記共重合体ラテッ
クスを単独で、あるいは必要に応じて他のバインダーと
ともに配合することよって得られる。上記共重合体ラテ
ックスの配合量は、固形分換算で顔料100重量部に対
し5〜30重量部、好ましくは5〜20重量部である。
また、必要に応じて添加される他のバインダーの配合量
は、固形分換算で顔料100重量部に対し10重量部以
下、好ましくは2〜5重量部である。無機顔料として
は、カオリンクリー、タルク、硫酸バリウム、酸化チタ
ン(ルチルアナターゼ)、炭酸カルシウム、水酸化アル
ミニウム、酸化亜鉛、サチンホワイトなどが、また有機
顔料としてはポリスチレンラテックスなどを使用するこ
とができる。これらは単独でも、あるいは2種以上混合
して使用することもできる。他のバインダーとしては、
デンプン、酸化デンプン、大豆蛋白、カゼインなどの天
然バインダー、あるいはポリビニルアルコール、ポリ酢
酸ビニルラテックス、アクリル系ラテックスなどの合成
ラテックスを挙げることができる。
【0016】本発明の紙塗被組成物には、さらに一般に
用いられている種々の助剤、例えば分散剤(ピロリン酸
ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなど)、消泡
剤(ポリグリコール、脂肪酸エステル、リン酸エステ
ル、シリコーンオイルなど)、レベリング剤(ロート
油、ジシアンジアミド、尿素など)、防腐剤、耐水化剤
(ホルマリン、ヘキサミン、メラミン樹脂、尿素樹脂、
グリオキサルなど)、離型剤(ステアリン酸カルシウ
ム、パラフィンエマルジョンなど)、蛍光塗料、カラー
保持性向上剤(カルボキシメチルセルローズ、アルギン
酸ナトリウムなど)などを必要に応じて配合することが
できる。本発明の紙塗被組成物は、従来公知の方法によ
って、例えばエアーナイフコーター、ブレードコータ
ー、ロールコーター、アプリケーターなどを用いて塗布
することができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中の%および部は重量基準で
ある。 実施例1 〔共重合体ラテックス(1)の製造〕撹拌機付きオート
クレーブに、水150部、ブタジエン2部、スチレン3
部、メチルメタクリレート2部、アクリロニトリル1
部、イタコン酸3部、アクリル酸1部、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム0.15および過硫酸カリウム
1.0部を仕込み、60℃で1時間反応させた。次い
で、ブタジエン28部、スチレン32部、メチルメタク
リレート23部、アクリロニトリル5部、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.3部、t−ドデシルメル
カプタン1部および水30部からなる単量体混合物を、
上記オートクレーブ中の重合系内に6時間かけて連続的
に添加した。この間、重合系内の温度は65℃に保ち、
その後、70℃で6時間反応させて、重合転化率98%
で共重合体ラテックス(A)を得た。表1〜表4に示す
組成の単量体混合物を使用した以外は、実施例1と同様
にして共重合体ラテックス(A)〜(H)を得た。さら
に、該共重合体ラテックスのpHに対するトルエン不溶
分を本発明で規定する方法によって測定し、その結果を
表1〜表4に示した。
【0018】上記共重合体ラテックス(A)〜(H)を
用いて、下記処方により紙塗被組成物(カラー)を調製
した。 〔紙塗被組成物の調製〕共重合体ラテックス(1)を用
いて、下記の処方により紙塗被組成物(カラー)を調製
した。 クレー 80部 (分散剤としてピロリン酸ナトリウム
0.5部含有) 炭酸カルシウム 20部 共重合体ラテックス 10部 酸化デンプン 5部 水 (全固形分が60%になる量) 得られたカラーは、下記試験方法で評価した。なお、試
験に使用したコート紙は、カラーを坪量64g/m2
原紙にコーティングブレードを用いて、塗被量20g/
2 で塗工して得た。
【0019】RIドライピック:接着強度の指標 RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で
判定し、5段階法で評価した。点数の高いものほど良好
である。測定回数6回の平均値で示した。 RIウェットピック:疏水性の指標 RI印刷機でモルトンロールを用い、湿し水を与えたと
きのピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階法で評価
した。点数の高いものほど良好である。測定回数6回の
平均値で表示。 印刷光沢:RI印刷機を使用してウェブオフセット用イ
ンキをベタ刷りし、村上式光沢計を使用して測定(60
°〜60°)。 耐ブリスター性:両面印刷塗工紙を調湿(約6%)した
後、加熱したオイルバスに投げ込み、ブリスターが発生
するときの最低温度を示した。結果を表1〜表4に示し
た。
【0020】比較例 表1〜表4に示す組成の単量体混合物を使用した以外
は、実施例1と同様にして共重合体ラテックス(I)〜
(VII)を得た。これら共重合体ラテックス(I)〜
(VII)のpHに対するトルエン不溶分を本発明で規
定した方法によって測定し、RIドライピックなどの性
能を実施例1と同様にして評価し、表1〜表4に示し
た。 (1)共重合体ラテックス(I)においては、成分
(イ)としてのブタジエンの使用量が本発明の範囲未満
であり、接着強度、耐水性が劣る。また、共重合体ラテ
ックス(II)においては、成分(イ)としてのブタジ
エンの使用量が本発明の範囲を超えており、耐水性、耐
ブリスター性が劣る。
【0021】(2)共重合体ラテックス(III)にお
いては、成分(ホ)としてのアクリロニトリルの使用量
が本発明の範囲を超えており、接着強度、耐ブリスター
性が劣る。 (3)共重合体ラテックス(IV)においては、成分
(ニ)としてのカルボン酸単量体の使用量が本発明の範
囲未満であり、接着強度が劣る。 (4)共重合体ラテックス(V)においては、pH8に
おけるトルエン不溶分およびpH4〜6におけるトルエ
ン不溶分が本発明の範囲を超えており、耐ブリスター性
に劣る。また、共重合体ラテックス(VI)において
は、pH8におけるトルエン不溶分が本発明の範囲未満
であり、接着強度が劣る。さらに、共重合体ラテックス
(VII)においては、pH4〜6におけるトルエン不
溶分が本発明の範囲以上であり、耐ブリスター性に劣
る。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
【発明の効果】本発明の紙塗被組成物は、接着強度、耐
ブリスター性がともに一段と優れ、コート紙、特にオフ
セット輪転印刷用コート紙の製造に好適に使用すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹川 泰彦 東京都中央区築地2丁目11番24号日本合 成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−280095(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 19/00 - 27/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料およびバインダーとしての共重合体
    ラテックスを含有する紙塗被組成物において、該共重合
    体ラテックスが、(イ)脂肪族共役ジエン20〜50重
    量%、(ロ)エチレン系不飽和カルボン酸エステル0〜
    40重量%、(ハ)芳香族ビニル系単量体5〜60重量
    %、(ニ)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜
    10重量%、(ホ)シアン化ビニル系単量体0〜30重
    量%からなる単量体を乳化重合して得られる共重合体で
    あって、該共重合体ラテックスのpH8におけるトルエ
    ン不溶分が15〜75重量%、かつ該共重合体ラテック
    ルのpH4〜6におけるトルエン不溶分が0〜10重量
    %であることを特徴とする紙塗被組成物。
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