JP2541324B2 - グラビア印刷用紙塗被組成物 - Google Patents
グラビア印刷用紙塗被組成物Info
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Description
に詳細にはカレンダー処理時のカレンダーロール汚れ耐
性に優れ、かつグラビア印刷時におけるミスドットが少
ない塗工紙が得られるグラビア印刷用紙塗被組成物に関
する。
供するので、近年ますます広範に利用されるようになっ
た。また、輪転グラビア印刷方式が普及し、印刷の高速
化が進んだ結果、グラビア印刷用塗工紙の需要は、最近
急激に増加している。
ら印刷用紙へ転移させる方式であるため、いわゆるミス
ドットや網点再現性不良に代表されるグラビア印刷独特
の転写不良が生じやすい。
いてはグラビア印刷用塗工紙そのものの商品価値を著し
く減じる。従って、これまでにも紙塗被組成物を改善す
ることによって塗工紙のグラビア印刷適性(耐ミスドッ
ト性や網点再現性)を向上させる努力が払われてきた。
の知見が得られている。たとえば、紙塗被組成物のバイ
ンダー量を減少させると塗工紙のグラビア印刷適性は向
上するが、その表面強度が低下すること、顔料との相互
作用性の強いラテックスを使用すると塗工紙のグラビア
印刷適性は向上するが、この場合にもその表面強度が不
十分になること[紙パ技協誌、38巻、12号、18〜23頁
(1984)]、酢酸ビニル/アクリル酸エステル系合成エ
マルジョンの使用は、塗工紙のグラビア印刷適性はとも
かくその表面強度が弱いことなどが知られている。これ
らは、いずれも塗工紙のグラビア印刷適性と表面強度と
を同時に良好にすることが難しいことを示している。
カレンダー処理時のカレンダーロール汚れの発生につな
がり、その除去のために塗工紙の生産性が著しく低劣に
なるので大きな問題である。
れるバインダーは、塗工紙製造時の仕上げ工程のカレン
ダーロール汚れ耐性およびグラビア印刷特性のバランス
が十分でないのが現状であった。
ので、カレンダー処理のカレンダー汚れ耐性とグラビア
印刷適性とが共に優れたグラビア印刷用紙塗被組成物を
提供することを目的とする。
の共重合体ラテックスを含有するグラビア印刷用紙塗被
組成物において、該共重合体ラテックスが、 (a)脂肪族共役ジエン系単量体 30〜70重量%、 (b)エチレン系不飽和単量体(ただし、エチレン系不
飽和カルボン酸単量体を除く) 20〜69.5重量%、 (c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.5〜10重量%、 を含む単量体を、α−メチルスチレンダイマーの存在
下、乳化重合して得られる共重合体ラテックスであるこ
とを特徴とするグラビア印刷用紙塗被組成物に関する。
の共重合体ラテックスを含有するグラビア印刷用紙塗被
組成物において、該共重合体ラテックスが、 (a)脂肪族共役ジエン系単量体 30〜70重量%、 (b)エチレン系不飽和単量体(ただし、エチレン系不
飽和カルボン酸単量体を除く) 20〜69.5重量%、 (c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.5〜10重量%、 を含む単量体を、ターピノーレン、α−テルピネン、γ
−テルピネンおよびジペンテンから選ばれる少なくとも
1種の化合物の存在下、乳化重合して得られる共重合体
ラテックスであることを特徴とするグラビア印刷用紙塗
被組成物に関する。
(a)脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタ
ジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエン、
2−メチル−1,3−ブタジエンなどが挙げられるが、好
ましくは1,3−ブタジエンである。これらの単量体
(a)は、1種単独で、あるいは2種以上を併用するこ
とができる。
な弾性と膜の硬さを与えるために必須の成分であり、そ
の割合は30〜70重量%、好ましくは40〜65重量%であ
る。単量体(a)の割合が30重量%未満では共重合体の
柔軟性と接着性が不足し、得られる塗工紙のグラビア印
刷適性および表面強度が不十分となり、一方70重量%を
越えると共重合体の粘着性が増大し、カレンダーロール
の汚れ耐性が低下するので好ましくない。
族ビニル化合物、アルキル(メタ)アクリレート、シア
ン化ビニル化合物、エチレン系不飽和酸アミド、エチレ
ン系不飽和グリシジルエステル、水酸基を有するエチレ
ン系不飽和酸アルキルエステル、酢酸ビニルなどの後記
する単量体(C)成分以外のエチレン系不飽和単量体が
挙げられる。
レン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、クロルスチレンなどが挙げられ、特にスチ
レンが好ましい。
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)
アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレ
ートなどが挙げられ、このうち特にメチルメタクリレー
ト、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ートが好ましい。
トリル、メタクリロニトリル、2−シアノエチルアクリ
レートなどが挙げられ、このうちアクリロニトリルが好
ましい。
ド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシメ
チルアクリルアミドなどを、エチレン系不飽和グリシジ
ルエステルとしては、グリシジルアクリレート、グリシ
ジルメタクリレートなどを、水酸基を有するエチレン系
不飽和酸アルキルエステルとしては、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどを挙げる
ことができる。
メチルアンモニウムクロライド、メタクリル酸ヒドロキ
シプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリ
ルアミドプロピルジメチルアンモニアアセテートなどの
第4級アンモニウム塩単量体を使用することができる。
合物を必須成分とし、必要に応じて、他の単量体(b)
を1種または2種以上使用する。さらに好ましくは、芳
香族ビニル化合物とアルキル(メタ)アクリレートおよ
び/またはシアン化ビニル化合物を必須成分とし、必要
に応じて、それら以外の単量体(b)を1種または2種
以上使用する。
ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30〜90重量%
である。
ド、エチレン系不飽和グリシジルエステル、および水酸
基を有するエチレン系不飽和酸アルキルエステルから選
ばれる単量体を全単量体に対して0.1〜15重量%用いる
と、接着強度を向上させ、さらに粘着性を低下させるの
で、カレンダーロール汚れ耐性を一段と向上させる効果
を有する。
性および耐水性を付与するためのものであり、その使用
量は、全単量体に対し20〜69.5重量%、好ましくは30〜
45重量%である。単量体(b)の使用量が20重量%未満
では、共重合体が柔らかくなりすぎ、一方69.5重量%を
越えると逆に硬くなりすぎ、接着強度が劣る。
しては、例えばイタコン酸,アクリル酸,メタクリル
酸,フマル酸,マレイン酸などが挙げられる。
以上を併用することもできるが、好ましくはアクリル酸
とメタクリル酸の適当量を組み合わせるのがよい。
0重量%、好ましくは1〜7重量%である。単量体
(c)の使用量が0.5重量%未満では重合時のラテック
スの安定性が悪くて凝固物が発生しやすく、また得られ
るラテックスの接着強度が弱く、一方10重量%を越える
と得られるラテックスの粘度が高くなり、その取り扱い
(ハンドリング)が難しくなり、作業性が低下し、実用
性に欠けるものとなる。
(a)〜(c)を水性媒体中で乳化重合することによっ
て得られるが、本発明の特徴はこの乳化重合を特定の重
合連鎖移動剤の存在下に行う点にある。すなわち、本発
明の第1の発明においては、α−メチルスチレンダイマ
ーの存在下、好ましくはα−メチルスチレンダイマー2
〜100重量%と他の重合連鎖移動剤0〜98重量%とから
なる重合連鎖移動剤の存在下に、また本発明の第2の発
明においては、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−
テルピネンおよびジペンテンから選ばれる少くとも1種
の化合物の存在下、好ましくは、(A)ターピノーレ
ン、α−テルピネン、γ−テルピネンおよびジペンテン
から選ばれる少なくとも1種の化合物2〜100重量%
と、(B)アルキルメルカプタン類、四塩化炭素、キサ
ントゲンジスルフィド類およびチウラムジスルフィド類
から選ばれる少なくとも1種の化合物98〜0重量%とか
らなる重合連鎖移動剤の存在下に乳化重合を行う。
詳しく説明する。
重合連鎖移動剤(I)という)は、α−メチルスチレン
ダイマーと必要に応じて用いられる他の重合連鎖移動剤
とからなる。
て、 (イ)2−4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテ
ン、 (ロ)2−4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテ
ン、および (ハ)1−1−3−トリメチル−3−フェニルインダン がある。α−メチルスチレンダイマーとして好ましい組
成は、(イ)成分が40重量%以上、(ロ)成分および/
または(ハ)成分が60重量%以下、さらに好ましくは、
(イ)成分が50重量%以上、(ロ)成分および/または
(ハ)成分が50重量%以下、特に好ましくは、(イ)成
分が70重量%以上、(ロ)成分および/または(ハ)成
分が30重量%以下である。(イ)成分の組成比率が高く
なるに従って、連鎖移動効果に優れる。
ない範囲で、不純物、例えば未反応のα−メチルスチレ
ン、前記(イ),(ロ),(ハ)成分以外のα−メチル
スチレンオリゴマー、α−メチルスチレンポリマーを含
むものであってもよい。
的を損なわないものであれば、α−メチルスチレンダイ
マー合成後、これを未精製の状態で使用することもでき
る。
移動剤としては、一般の乳化重合に使用されている公知
の重合連鎖移動剤を使用することができる。具体的に
は、例えば、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメル
カプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシ
ルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−
テトラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;ジメ
チルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲン
ジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィ
ドなどのキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチ
ウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィ
ド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラム
ジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロ
ゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタンなどの炭化水
素類;およびアクロレイン、メタクロレイン、アリルア
ルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ター
ピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペン
テンなどを挙げることができる。これらは単独でも、あ
るいは2種以上組合わせて使用することもできる。これ
らのうち、メルカプタン類、キサントゲンジスルフィド
類、チウラムジスルフィド類、四塩化炭素などが好適に
使用される。
ーの割合は好ましくは2〜100重量%、より好ましくは
3〜100重量%、特に好ましくは5〜95重量%である。
満では本発明の目的とするカレンダーロール汚れ耐性と
グラビア印刷適性に優れた共重合体ラテックスを得るこ
とができない。また、α−メチルスチレンダイマーと他
の重合連鎖移動剤との併用により、重合時における反応
性を高めることができる。
部当り、通常、0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重
量部、より好ましくは0.3〜7重量部である。この重合
連鎖移動剤(I)の使用量が0.05重量部未満ではグラビ
ア印刷適性が劣り、一方20重量部を越えると接着強度お
よびカレンダーロール汚れ耐性が劣るものとなる。
は、全単量体100重量部当り、0.1〜5重量部の範囲で使
用するのが好ましい。
(以下、重合連鎖移動剤(II)という)は、(A)ター
ピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネンおよびジ
ペンテンから選ばれる少なくとも1種の化合物(以下、
「成分(A)」という)と、(B)必要に応じて用いら
れる他の重合連鎖移動剤、好ましくはアルキルメルカプ
タン類、四塩化炭素、キサントゲンジスルフィド類およ
びチウラムジスルフィド類から選ばれる少なくとも1種
の化合物(以下、「成分(B)という)とからなる。
は、既述したメルカプタン類と同様の化合物を挙げるこ
とができ、これらのうち、t−ドデシルメルカプタンが
好ましく使用される。
ィド類の具体例としては、既述したキサントゲンジルス
フィド類およびチウラムジスルフィド類と同様の化合物
を挙げることができる。
くは2〜100重量%、より好ましくは3〜100重量%、特
に好ましくは5〜95重量%である。成分(A)と成分
(B)とを併用すると、本発明の目的とするカレンダー
ロール汚れ耐性およびグラビア印刷適性がともに優れた
紙塗被組成物を得ることができる。
部当り、通常0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量
部、より好ましくは0.3〜7重量部である。重合連鎖移
動剤(II)の使用量が0.05重量部未満ではグラビア印刷
適性が劣り、また20重量部を越えると接着強度およびカ
レンダーロール汚れ耐性が劣るものとなる。
重量部当り、0.1〜5重量部の範囲で使用するのが好ま
しい。
および重合連鎖移動剤を使用する点を除けば、従来公知
の乳化重合方法によって製造することができる。すなわ
ち、水性媒体(通常、水)に単量体混合物ならびに重合
開始剤、乳化剤、重合連鎖移動剤などを加えて乳化重合
を行うことによって得られる。
ては特に制限はなく、例えばクメンハイドロパーオキサ
イド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどのハイド
ロパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイド、ラウ
ロイルパーオキサイドなどのパーオキサイド類およびア
ゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物類などの有
機系重合開始剤、ならびに過硫酸カリウム、過硫酸ナト
リウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩などの無機
系重合開始剤を使用することができる。
ると得られる共重合体ラテックスの機械的安定性が劣
り、また重合中に多量の凝固物が発生することから、無
機系重合開始剤を単独で、あるいは有機系重合開始剤と
組み合わせて使用するのが好ましい。
元剤と組み合わせた、いわゆるレドックス系重合開始剤
としても使用することができる。
ンモニウムなどの過硫酸塩、またはこれとアゾビスイソ
ブチロニトリルあるいはベンゾイルパーオキサイドとの
組合せ、さらにはこれらと還元剤とを組み合わせたもの
が好ましく使用される。
重量部当り、通常0.1〜5重量部であり、好ましくは0.5
〜2重量部である。無機系重合開始剤と有機系重合開始
剤とを併用する場合には、有機系重合開始剤の割合は、
好ましくは全重合開始剤の70重量%以下、さらに好まし
くは50重量%以下である。有機系重合開始剤の割合が70
重量%を越えると、有機系重合開始剤を単独で使用した
場合のような問題が生じて好ましくない。
特に制限はなく、アニオン型、ノニオン型および両性型
界面活性剤のいずれも使用することができる。これらは
単独でも、あるいは2種以上を混合して使用することも
できる。例えば、ラウジル硫酸ナトリウムなどの高級ア
ルコールの硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、ジ
オクチルスルホコハク酸ナトリウムなどの脂肪族カルボ
ン酸エステルのスルホン酸塩などのアニオン型界面活性
剤、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、ア
ルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型などの
ノニオン型界面活性剤などを使用することができる。ま
た、両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカル
ボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、りん酸塩、
りん酸エステル塩を、またカチオン部分としてアミン
塩、第4級アンモニウム塩をもつものを挙げることがで
きる。具体的には、アルキルベタインの塩としてラウリ
ルベタイン、ステアリルベタイン、ココアミドプロピル
ベタイン、2−ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリ
ウムベタインの塩が、またアミノ酸タイプのものとして
はラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニ
ン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ
(アミノエチル)グリシン、ジオクチルジ(アミノエチ
ル)グリシンの塩を挙げることができる。
酸塩が好ましく使用される。さらに具体的には、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが特に好ましく使
用される。このアルキルベンゼンスルホン酸塩は、他の
界面活性剤、例えば高級アルコールの硫酸エステル塩、
脂肪族カルボン酸エステルのスルホン酸塩などのアニオ
ン型界面活性剤あるいはポリエチレングリコールのアル
キルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニ
ルエーテル型などのノニオン型界面活性剤などと併用し
てもよい。
5〜2重量部であり、好ましくは0.05〜1重量部であ
る。乳化剤の使用量が2重量部を越えると、耐水性が劣
り、紙塗被組成物の泡立ちが著しくなって塗工時に問題
となる。なお、アルキルベンゼンスルホン酸塩を他のア
ニオン型あるいはノニオン型界面活性剤と併用する場
合、アルキルベンゼンスルホン酸塩の使用割合は全乳化
剤の50重量%以上とするのが好ましい。
剤,乳化剤等の他に、各種電界質,pH調整剤などを併用
し、前記単量体(a)〜(c)100重量部に対し、水100
〜300重量部と前記重合連鎖移動剤、乳化剤、重合開始
剤等を前記範囲内の量で使用して、重合温度5〜90℃、
好ましくは30〜70℃、重合時間15〜30時間の重合条件下
で乳化重合される。
されるものではなく、一括添加法、連続添加法あるいは
分割添加法などの任意の方法が採用されるが、好ましく
は以下に述べるセミバッチ法が好ましい。
単量体の一部または全部を含む全単量体の5〜45重量
%、好ましくは10〜35重量%を一括して仕込み、重合転
化率20〜90重量%、好ましくは30〜70重量%まで乳化重
合し(第1段階)、(ロ)次いで全単量体の55〜95重量
%、好ましくは65〜90重量%に相当する残りの単量体を
連続的にまたは間欠的に添加して乳化重合するととも
に、全単量体の添加を完結するまでの期間において、瞬
時の重合転化率が該当する時期までに添加した単量体あ
たり常に20〜90重量%、好ましくは30〜85重量%を維持
し、かつ全単量体の添加終了後の重合転化率が50〜90重
量%、好ましくは60〜85重量%になるように乳化重合す
る(第2階段)。
酸単量体の一部または全部を使用することが好ましく、
この単量体(c)が第2段階のみに使用されると、得ら
れるラテックスの接着性、耐水性が向上しない。
の量が全単量体の5重量%未満では安定なラテックスが
得られず、一方45重量%を越えるとラテックス中に凝固
物が発生し、工業的な生産性が著しく悪化する傾向があ
る。
率が20重量%未満では、安定なラテックスが得られず、
90重量%を越えると得られるラテックスの粘着性、耐水
性が劣ることになる。
〜(c)を一括添加すると、得られるラテックス中に凝
固物の発生が著しくなる。また、この単量体の添加中に
瞬時の重合転化率が、一時的にせよ20重量%未満であっ
たり、90重量%を越えた場合には、得られるラテックス
の粘着強度、耐水性が低下し好ましくない。
重合転化率が50重量%未満では、単量体添加終了後に残
存する単量体が多量となり、事実上、一括添加した場合
と同様の状態になり、得られるラテックス中に凝固物の
発生が著しく、また生産性が極端に悪化し、一方90重量
%を越えると本発明の目的とする効果が得られない。
ては、残りの単量体を瞬時の重合転化率が30〜85重量%
の範囲に維持され、かつ単量体添加終了後の重合転化率
が60〜85重量%になるよう、連続的ないしは3分割以上
に分割して添加する方法を挙げることができる。
含量は、共重合体ラテックスの接着強度と粘着性とがと
もに優れ、かつカレンダーロール汚れ耐性に優れるため
には、好ましくは85〜98重量%の範囲である。
径は、通常700〜2300Å、好ましくは1200〜1800Åであ
る。
ク、炭酸カルシウム、酸化チタン、サチンホワイト等の
紙塗工用に一般に使用されている鉱物性顔料およびポリ
マー粒子、中空ポリマー粒子等の有機性顔料が挙げら
れ、これら顔料は1種または2種以上で使用される。
バインダーとして前記共重合体ラテックス、さらに必要
に応じてカゼイン、澱粉、セルロース、ポリビニルアル
コール、アルカイ増粘性エマルジョンなどの天然あるい
は合成バインダーおよび増粘剤を配合して得られる。
部に対して、通常、固形分換算で3〜12重量部、好まし
くは4〜8重量部である。
濃度は、通常、50〜70重量%、好ましくは55〜65重量%
程度であり、粘度は、通常1500〜3000cps、好ましくは1
500〜2500cpsである。
般に使用されている種々の配合剤、例えば耐水性向上
剤、耐水化反応促進剤、顔料分散剤、粘度調節剤、着色
顔料、螢光染料、pH調節剤などを任意に配合することも
できる。
る。
らない限り、重量基準である。
おりである。
製)を用い、図版として網点グラビアを使用し、試験片
を印刷した。発生したミスドットの数が全網点数に占め
る割合で定義し、%で表示した。数値の小さいものほ
ど、良好である。
判定し、5段階で評価した。点数の高いものほど、ドラ
イ強度が良好である。測定回数6回の平均値で示す。
ニウムシートを重ね、60℃、250kg/cm出カレンダーに通
したのち、塗工紙とアルミニウムシートを剥離し、アル
ミニウムシートの汚れ具合を光沢低下(%)で表示し
た。数値の小さいほど汚れが少ないことを示す。
体,水,重合連鎖移動剤,乳化剤,重合開始剤の順に仕
込んだ後、窒素雰囲気中で、温度70℃で2時間重合を行
った。次に2段目成分の水、乳化剤、重合開始剤の順に
仕込んだ後、2段目成分の単量体および重合連鎖移動剤
を8時間かけて連続的に添加して重合を行った。その
後、重合を完結させるため、さらに3時間反応を継続
し、重合転化率98%で重合を終了した。
いてpH7.5に調整した後、水蒸気を吹き込んで未反応単
量体を除去し、さらに加熱減圧蒸溜によって固形分濃度
50%の10種の共重合体ラテックスを得た。これらを実施
例1〜10とする。
よび以下の比較例で使用するα−メチルスチレンダイマ
ーは、下記のものである。
以上 2−4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン 5.0%
以下 1−1−3−トリメチル−3−フェニルインダン 1.5%
以下 α−メチルスチレン 1.0%以下 また、共重合体ラテックスのゲル含量は、各共重合体
ラテックスをpH8.5に調整したのち、メタノールで凝固
し、洗浄,乾燥後、所定量(約0.3g)の試料を100mlの
トルエンに20時間浸漬し、トルエン不溶分を測定し、試
料に対する重量%で表した値である。測定結果を第1表
に示す。
て、下記配合処方(A)あるいは(B)により紙塗被組
成物を調製した。配合処方(A) (部) カオリナイトクレー(J.M.Huber社製、ハイドロスパー
ス) 100 分散剤(東亜合成(株)製、アロンT−40) 0.2 水酸化ナトリウム 0.1 カルボキシメチルセルローズ(第1工業製薬(株)製、
セロゲンPR) 0.3 共重合体ラテックス 8 水(全固形分が60%になるように適当量添加)配合処方(B) (部) カオリナイトクレー(J.M.Huber社製、ハイドロスパー
ス) 100 分散剤(東亜合成(株)製、アロンT−40) 0.2 水酸化ナトリウム 0.1 合成保水剤*1 0.5 共重合体ラテックス 7.5 水(全固形分が60%になるように適当量添加) *1 特開昭59−154133号公報、実施例1により得られ
たものを使用した。
ム水溶液を添加し、各組成物のpHを9.0になるように調
製した。
ブレードコーター(熊谷理器(株)製)を用い、塗工量
が片面13±0.5g/m2となるように塗工し、120℃のギアオ
ープン中で15秒間乾燥した。得られた塗工紙を20℃、相
対湿度65%の室内条件で一昼夜放置し、その後、線圧25
0kg/m2、ロール温度50℃の条件でスーパーカレンダー処
理を4回行い、前記の各試験を実施した。結果を第3表
に示す。
6〜10は第2の発明に対応する実施例であり、いずれも
本発明の目的とする効果を有するグラビア印刷用紙塗被
組成物が得られている。
方法で重合を行い、本発明に属さない6種の共重合体ラ
テックスを得た。これらを比較例1〜6とする。
と同様の方法でゲル含量を求め、さらに塗工紙物性の評
価を行なった。その結果を第2表および第4表に示す。
較例3,4は第2の発明に対応する比較例であり、比較例
5,6は第1および第2の発明に対応する比較例である。
発明の範囲を越えた例であり、カレンダーロール汚れ耐
性が劣る。
発明の範囲より少ない例であり、グラビア印刷適性が劣
る。
発明の範囲より少ない例であり、グラビア印刷適性が劣
る。
発明の範囲を越えた例であり、カレンダーロール汚れ耐
性が劣る。
した例であり、カレンダーロール汚れ耐性が劣る。
タンのみを使用した例であり、グラビア印刷適性が劣
る。
ダーとして、特定の重合連鎖移動剤の存在下に重合して
得られる共重合体ラテックスを用いることで、カレンダ
ーロール汚れ耐性、グラビア印刷適性、ドライ強度がバ
ランスよく優れたグラビア印刷用紙塗被組成物が得ら
れ、グラビア印刷用コート紙の製造に好適に使用でき
る。
Claims (2)
- 【請求項1】顔料およびバインダーとしての共重合体ラ
テックスを含有するグラビア印刷用紙塗被組成物におい
て、該共重合体ラテックスが、 (a)脂肪族共役ジエン系単量体 30〜70重量%、 (b)エチレン系不飽和単量体(ただし、エチレン系不
飽和カルボン酸単量体を除く) 20〜69.5重量%、 (c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.5〜10重量
%、 を含む単量体を、α−メチルスチレンダイマーの存在
下、乳化重合して得られる共重合体ラテックスであるこ
とを特徴とするグラビア印刷用紙塗被組成物。 - 【請求項2】顔料およびバインダーとしての共重合体ラ
テックスを含有するグラビア印刷用紙塗被組成物におい
て、該共重合体ラテックスが、 (a)脂肪族共役ジエン系単量体 30〜70重量%、 (b)エチレン系不飽和単量体(ただし、エチレン系不
飽和カルボン酸単量体を除く) 20〜69.5重量%、 (c)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.5〜10重量
%、 を含む単量体を、ターピノーレン、α−テルピネン、γ
−テルピネンおよびジペンテンから選ばれる少なくとも
1種の化合物の存在下、乳化重合して得られる共重合体
ラテックスであることを特徴とするグラビア印刷用紙塗
被組成物。
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