JP2777620B2 - ジエン系重合体ラテックス - Google Patents
ジエン系重合体ラテックスInfo
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Description
オフセット枚葉印刷、グラビア印刷および板紙その他の
印刷用塗工紙の塗工用、カーペットバッキング用、繊維
結合用あるいはその他一般の粘接着剤用に供される新規
共重合体ラテックスに関するものである。
ば紙塗工用バインダー、カーペットバックサイシング用
バインダー、不織布や人工皮革などの繊維結合用バイン
ダー、あるいは各種材料の粘接着剤などとして広く用い
られている。そして、共重合体ラテックスがこのような
用途に用いられる場合、該共重合体ラテックスは接着強
度が高く、かつ耐水性、乾燥加熱による耐ブリスター性
などに優れていることが要求される。
および光沢などの光学的特性の向上を目的として、抄造
された原紙表面に、カオリンクレー、炭酸カルシウム、
サチンホワイト、タルク、酸化チタンなどの顔料、それ
らのバインダーとしての共重合体ラテックスおよび保水
剤あるいは補助バインダーとしてのスターチ、ポリビニ
ルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶
性高分子を主構成成分とする塗料が塗工されたものであ
って、従来からスチレンとブタジエンを主要単量体成分
とし、これらを乳化重合して得られたスチレン-ブタジ
エン系共重合体ラテックス、いわゆるSB系ラテックス
が汎用的に用いられている。
やパンフレット、広告類の需要の拡大に伴って塗工紙の
生産が著しく増大している。特に、オフセット輪転印刷
の高速印刷化傾向に伴い、塗工紙および顔料バインダー
の品質に対する要求水準もますます高度化しており、中
でも特に塗工紙の表面強度すなわちドライピックとウェ
ットピック、印刷時の耐ブリスター性、および平滑性な
どの向上が要求されている。また一方塗工紙そのものの
製造も高速化しており、その主な障害であるロール汚れ
性の改良即ちべたつき性の減少もまた要求されている。
これらの物性は互いに負の相関関係にあるものが多く、
高水準にバランス化させる改良が一段と要求されてい
る。
として用いられるSB系ラテックスの設計に特に強く依
存することから、これまで該SBラテックスの性能につ
いて種々の検討が加えられてきた。たとえば、共重合体
ラテックス皮膜のベンゼン、トルエン、テトラヒドロフ
ランなどの溶剤に対する不溶解部分の割合がピック強度
と耐ブリスター性の支配因子であることが確認されてい
ることから、この面より種々の検討がなされており、具
体的にはラテックス中の共重合体の組成およびゲル分率
を特定の範囲に調整することにより、優れた性能を発揮
させることが提案されている(特公昭59−3598
号、特公昭60−17879号、特開昭58−4894
号公報)。このラテックスのゲル分率は単量体組成、重
合温度をはじめとした様々な重合因子によって変化する
が、これを所望の水準に調整する方法は連鎖移動剤の添
加が一般的かつ簡便である。連鎖移動剤として、従来か
ら四塩化炭素に代表されるハロゲン化炭化水素、t−あ
るいはn−ドデシルメルカプタンに代表されるアルキル
メルカプタン、スルフィドなどが使用されてきた。また
特定の連鎖移動剤としてターピノーレン、α−メチルス
チレンダイマーなどを使用することも提案されている
(米国特許2922781、特開平3−109451号
公報)。
ピックやべた付き性はSB系ラテックスにおいてそのゲ
ル分率が高い物ほど良好になるのに対して、耐ブリスタ
ー性はゲル分率の低いものほど良好となることが認めら
れており、またウェットピックに最適なゲル分率も別に
存在する。ピック強度、べたつき性、耐ブリスター性お
よび平滑性などをすべて同時に高い水準にまで向上させ
るには、前記技術はいずれも十分に満足しうるものでは
なかった。
剤は、一般に共重合体ラテックスに炭酸カルシウムまた
は水酸化アルミニウム等の充填剤および増粘剤などの他
の添加剤を配合した組成物である。この接着剤組成物
は、タフテッドカーペット、ニードルパンチカーペット
などの製造において、主にパイル(ふさ糸)の脱落防止
ならびにジュートなどの二次基布との接着のために用い
られる。したがって、この場合カーペットの最重要物性
である接着強度の向上が当業界での最大の技術課題の一
つであり、そのため、共重合体ラテックスおよび組成物
の配合面からの改良検討がなされているが、これまで満
足できる水準のものが得られていないのが実状である。
どを有機溶剤に溶解し、基材に塗工して該有機溶剤を蒸
発させることにより、製造されていたが、近年、火災の
危険性や労働衛生上の問題から、水を分散媒とするポリ
マー水分散液(ラテックス)を利用する機運が高まり、
ゴム−粘着付与樹脂の組合せの水分散液が開発されつつ
ある(特公昭57−28545号、特開昭55−482
70号、特開昭58−160378号、特開昭58−1
83771号公報)。この合成ゴムラテックスと粘着付
与樹脂とを含有する水分散液は、ラテックスの固形分1
00重量部に対し、粘着付与樹脂50〜100重量部を
加えた組成が一般的であって、20〜23℃の測定温度
においては良好な粘着物性を示すが、0℃の温度におけ
る粘着力については満足できる値が得られていない。ま
た、粘着付与樹脂が存在しなくともゴムラテックスのポ
リマーのみで粘着物性を得ることができるものも提案さ
れている(特開昭56−145909号、特開昭57−
57707号公報)。しかしながら、このものはポリエ
チレンに対する接着力が極めて低いという欠点を有して
いる。
では塗工紙の印刷のより一層の高速化に対応することが
できず、高品質の塗工紙の製造を可能にするピック強
度、べたつき性、耐ブリスター性および平滑性の改良さ
れたバインダーとしての共重合体ラテックスの出現が強
く求められているのが現状である。また、カーペットな
らびに粘接着剤においても同様に高接着力を有する共重
合体ラテックスの出現が望まれている。
情のもとで、印刷用塗工紙におけるピック強度、耐ブリ
スター性とべたつき性とのバランスや、カーペットバッ
クサイジングおよび粘接着剤における接着力をより向上
させるための高性能の共重合体ラテックスを提供するこ
とを目的として種々検討を行った結果、共役ジエン、エ
チレン性不飽和カルボン酸およびこれらと共重合可能な
その他の単量体の乳化重合にあたって、特定の連鎖移動
剤の組合せと特定のアルカリを用いることにより、得ら
れた共重合体ラテックスが、意外にも前記の目的が達せ
られたものであることを見いだしてなされたものであ
る。
て、共役ジエン化合物とエチレン性不飽和カルボン酸お
よびこれらと共重合可能なその他の単量体の少なくとも
3種の単量体を乳化重合させて得られる共重合体ラテッ
クスであって、連鎖移動剤として、単量体の合計100
重量部に対し、0.05ないし2.0重量部の下記
(1)式で示される核置換α−メチルスチレンの二量体
(A)および0.05ないし3.0重量部の硫黄元素を
含む連鎖移動剤(B)を組合せて用いて乳化重合し、か
つ重合後に0.1ないし2.0重量部の水酸化カリウム
を含むアルカリを添加して得られる共重合体ラテックス
であり、および、この共重合体ラテックスおよび無機顔
料を主成分とする紙塗工用またはカーペットバッキング
用組成物である。
ン、炭素数1ないし4を有するアルキル基あるいは、メ
トキシ基、ヒドロキシル基、グリシジル基、アセチル
基、アルキルメルカプト基である。)
スのゲル分率を所望の水準に調整する方法は連鎖移動剤
の添加が一般的かつ簡便であるが本発明の共重合体ラテ
ックスを調製する乳化重合においては、それぞれ特定の
量の前記(1)式で示される核置換α-メチルスチレン
の二量体(A)および硫黄元素を含む連鎖移動剤(B)
を用いることが必須である。
チルスチレンの二量体(A)の具体例としては、o−イ
ソプロペニルトルエン、p−イソプロペニルトルエン、
2、3−ジメチル−α−メチルスチレン 、2,4−ジ
メチル−α−メチルスチレン、3,4−ジメチル−α−
メチルスチレン、p−イソプロピル−α−メチルスチレ
ン、2,6−ジメチル−4−tert−ブチル-α-メチ
ルスチレン、o−クロル−α−メチルスチレン、m−ク
ロル−α−メチルスチレン、p−クロル−α−メチルス
チレン、2,5−ジクロル−α−メチルスチレン、3,
4−ジクロル−α−メチルスチレン、3,5−ジクロル
−α−メチルスチレン、3−クロル−2−メチル−α−
メチルスチレン、4−クロル−3−メチル−α−メチル
スチレン、3−ブロム−2−メチル−α−メチルスチレ
ン、3−ブロム−4−メチル−α−メチルスチレン、3
−フルオル−4−メチル−α−メチルスチレン、p−ク
ロルメチル−α−メチルスチレン、2,6−ジメトキシ
−α−メチルスチレン、p−(2−クロロエトキシ)−
α−メチルスチレン、4−メチル−2−ヒドロキシ−α
−メチルスチレン、p−グリシジル−α−メチルスチレ
ン、4−アセチル−α−メチルスチレン、p−メチルメ
ルカプト−α−メチルスチレン、p−エチルメルカプト
−α−メチルスチレンなどの二量体を挙げることができ
る。本発明においては、上記の核置換α−メチルスチレ
ンの二量体はすべて用いることができるが、好ましい具
体例としては,2,4−ジフェニル−4−メチル−1−
ペンテン、およびこれと2,4−ジフェニル−4−メチ
ル−2-ペンテンとの混合物などを挙げることができ
る。
ては、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカ
プタンなどのアルカンチオール:メルカプトエタノー
ル、メルカプトプロパノールなどのチオアルキルアルコ
ール:チオグリコール酸、チオプロピオン酸などのチオ
アルキルカルボン酸:チオグリコール酸オクチルエステ
ル、チオプロピオン酸オクチルエステルなどのチオカル
ボン酸アルキルエステル:ジメチルスルフィド、ジエチ
ルスルフィドなどのスルフィドなどがあげられる。上記
の硫黄元素を含む連鎖移動剤(B)の好ましい例として
はチオアルキルカルボン酸アルキルエステルがあげられ
る。
(A)と硫黄元素を含む連鎖移動剤(B)の使用量は、
単量体の合計100重量部に対し、それぞれ0.05な
いし2重量部、0.05ないし3重量部の範囲にあるこ
とが必要である。この範囲を外れると本発明の効果が良
好に発揮されない。その機構は明らかでないが、分子末
端基の相互作用に起因していると思われる。
(A)と硫黄元素を含む連鎖移動剤(B)は他の周知の
連鎖移動剤と併用して使うこともできる。その他の連鎖
移動剤の例としては、ターピノーレン、ジペンテン、t
−テルピネンおよび四塩化炭素などのハロゲン化炭化水
素を挙げることができる。また、連鎖移動剤の使用方法
については周知のいずれの方法も用いることができる。
すなわち一括前添加方法、連続追加添加方法、断続追加
添加方法あるいは添加速度を順次変化させた濃度勾配型
添加方法などである。
を使用するにあたって、0.1ないし2.0重量部の水
酸化カリウムを含むアルカリを重合後に添加することに
ある。重合時あるいはまた重合後にアルカリを添加しp
Hを調整することは周知の手段であり、このアルカリと
して従来から水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウムな
どが使われてきている。本発明ではアルカリの少なくと
も一部に特定量の水酸化カリウムを使うことが上記の連
鎖移動剤を使用する重合系では特に必要であり、他のア
ルカリのみによっては耐べた付き性などの本発明の効果
が発揮されない。
性不飽和カルボン酸、およびこれらと共重合可能なその
他の単量体から構成される単量体を乳化共重合させて得
られる。共役ジエン(イ)としては、ブタジエン、イソ
プレン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどがある。
その使用量は全単量体基準で20〜90重量%の範囲で
あることが望ましい。さらに塗工紙用共重合体ラテック
スの場合、この共役ジエンの一層好ましい量の範囲は2
0〜70重量%である。
5〜10重量%の範囲であることが好ましい。0.5重
量%未満ではラテックスの分散安定性を高い水準で保つ
ことができず、塗料調製や塗工時に種々問題を発生して
しまう。また、ピック強度も劣る。10重量%を越えて
含ませるとラテックスや塗料の粘度が高くなり過ぎ、ま
た耐水性も損なわれることになる。エチレン性不飽和カ
ルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸などの一塩基性カルボン酸、イタコン酸、マレ
イン酸、フマール酸などの二塩基性カルボン酸およびそ
のモノエステルなどを挙げることができる。
量体(ハ)の例のなかでもっとも代表的かつ有効にもち
いられるのは芳香族(ジ)ビニル化合物であり、ついで
(メタ)アクリル酸エステル、シアン化ビニル化合物、
エチレン性アミドモノマーなどである。芳香族(ジ)ビ
ニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、
クロロスチレン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼン
などがあげられる。
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートさらには、
グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレートなどがあげられる。
ニトリル、メタクリロニトリルなどがあげられる。エチ
レン性アミドモノマーとしては、(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどがあげ
られる。そのほかに、酢酸ビニルのごときビニルエステ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデンのごときハロゲン化ビ
ニル、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレートなどのエチレン性アミンモノマ
ー、スチレンスルホン酸ソーダなどを例示することがで
きる。
法は、水、界面活性剤、単量体、ラジカル重合開始剤、
および必要ならばその他の原料を基本構成とする分散系
において、単量体を重合体粒子の水分散液とする製造法
であり、一般的に重合体濃度は40〜60重量%の範囲
である。共重合体ラテックスの粒子径は界面活性剤およ
びまたはシードラテックスの使用割合によって調整する
ことができ、概ねその使用割合を高くするほど生成共重
合体ラテックスの粒子径は小さくなる。
〜1μmでありさらに好ましくは0.07〜0.5μm
である。界面活性剤としては、脂肪酸せっけん、ロジン
酸せっけん、アルキルスルホン酸塩、ジアルキルアリー
ルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルアリール硫酸塩などのアニオン性界面活性剤、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブ
ロックコポリマーなどのノニオン性界面活性剤、カチオ
ン性界面活性剤がある。これら界面活性剤の他の例とし
ては、「界面活性剤ハンドブック(高橋、難波、小池、
小林:工学図書、1972)」に記載されているものな
どがあげられる。界面活性剤は通常、アニオン性界面活
性剤単独またはアニオン性/ノニオン性の混合系で用い
られ、単量体に対する使用割合としては0.05〜2重
量%の範囲が好ましく用いられる。
の存在下でラジカル分解して単量体の付加重合を開始さ
せるもので、水溶性または油溶性のペルオキソ二硫酸
塩、過酸化物、アゾビス化合物などが一般的に用いられ
る。その例としてはペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオ
キソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウ
ム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、
過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスイソブチロニトリ
ル、クメンハイドロパーオキサイドなどがあり、また他
に、「POLYMER HANDBOOK 3rd E
d.(J.Brandrup、E.H.Immergu
t:John Willy & Sons、198
9)」に記載されている化合物があげられる。この中で
も特にペルオキソ二硫酸塩が本発明の効果を良好に発揮
し、最も好ましくもちいられる。重合開始剤の使用割合
は単量体に対して通常0.2〜2.0重量%である。な
お、重合温度は通常60〜90℃の範囲が一般的である
が、重合速度の促進あるいはより低温での重合を望むと
きには重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸あるいはそ
の塩、エリソルビン酸あるいはその塩、ロンガリットな
どの還元剤を重合開始剤に組み合わせてもちいる、いわ
ゆるレドックス重合法を用いることができる。
加することもしばしばおこなわれる。たとえば、炭酸水
素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウ
ムなどのpH調節剤やエチレンジアミン四酢酸ナトリウム
などの各種キレート剤などである。本発明の共重合体ラ
テックスを紙塗工用塗料のバインダーとして用いるにお
いては通常の実施態様でおこなうことができる。すなわ
ち、分散剤を溶解させた水中に無機顔料およびあるいは
有機顔料、水溶性高分子、各種添加剤とともに共重合体
ラテックスを混合し、均一分散液とする態様である。そ
して、この塗料は各種ブレードコーター、ロールコータ
ーなど通常の方法によって原紙に塗工することができ
る。
らに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってな
んら限定されるものではない。
子の水性分散体(シード固形分濃度30重量%)3重量
部を、かくはん装置と温度調節用ジャケットを取り付け
た耐圧反応容器に入れ、さらに水70重量部、ラウリル
硫酸ナトリウム0.2重量部、イタコン酸2.5重量部
を仕込み、内温を80℃に昇温し、ついでモノマーおよ
び連鎖移動剤からなる油性混合液と、水15重量部、ペ
ルオキソ二硫酸ナトリウム1重量部、水酸化ナトリウム
0.2重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.1重量部か
らなる水溶液とをそれぞれ4時間および5時間をかけて
一定の流速で添加した。そして80℃の温度をそのまま
1時間保ったのち冷却し、次いで生成した共重合体ラテ
ックスのpHが8になるよう水酸化ナトリウムおよび水
酸化カリウムを添加した。これをスチームストリッピン
グ法により未反応の単量体等を除去し、網目75μmの
ろ布でろ過した。なお、すべての共重合体ラテックスは
最終的に固形分濃度が50重量%になるように調整し
た。原料の詳細および、使用量(重量部)を表1,2お
よび3に示す。
テックスについて、紙塗工用バインダーとしての性能評
価をおこなった。その結果を表6に示す。なお、塗工塗
料は表4に示す配合で、不揮発分濃度が64重量%にな
る水量で高速かくはん機で調製した。塗料のpHはアン
モニア水で9.0に調整した。この塗料を用いての塗工
紙の調製条件を表5に示す。また、ラテックスおよび塗
工紙の性能評価は、以下の方法によりおこなった。
り塗布し、50℃・1時間加熱して皮膜を作成する。こ
の皮膜と黒ラシャ紙を合わせベンチスーパーカレンダー
により200kg/m・70℃条件下で圧着させる。こ
れをひきはがして黒ラシャ紙のラテックス皮膜への転写
の程度を目視判定し10段階に評価する(点数が大きい
のがよい)。
印刷インク(WebbZett黄、大日本インク社製)
0.3ccをべた刷りする。この印刷された塗工紙を適
当な大きさに裁断し、その試験片を所定の温度に調整し
たシリコンオイル恒温槽に浸してブリスターが発生する
か否かを観察する。恒温槽の温度を変化させてこの試験
をおこない、ブリスターの発生が認められる最低温度を
求める。この温度が高いものほど耐ブリスター性に優れ
る。
ラックス50紅B;タック値18、東華色素社製)0.
4cc5回重ね刷りをおこない、ゴムロールに現れたピ
ッキング状態を別の台紙に裏取りし、その程度を観察す
る。評価は5点評価でおこない、ピッキング現象の少な
いものほど高得点とした。
してから、印刷インク(SDスーパーデラックス50紅
B;タック値18、東華色素社製)0.4cc1回刷り
をおこない、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の
台紙に裏取りし、その程度を観察する。評価は5点評価
でおこない、ピッキング現象の少ないものほど高得点と
した。
バインダーとして用いた塗工紙は耐ブリスター性、べた
つき性及びピック強度とが高度にバランスされたもので
あることが理解される。
テックスについて、カーペットバックサイジング用バイ
ンダーとしての性能評価をおこなった。その結果を表9
に示す。なお、接着塗料は表7に示す配合で、不揮発分
濃度が70重量%になる水量で高速かくはん機で調製し
た。この塗料を用いてのカーペットの調製条件を表8に
示した。また、カーペットバックサイジング性能である
剥離強度および抜糸強度の測定は、JIS L−102
1に準拠した。平均値の高いものほど優れる。
バインダーとして用いたカーペットは剥離強度と抜糸強
度が高度に向上したものであることがわかる。
テックスについて、粘着剤としての性能を評価した。そ
の結果を表10に示す。粘着試料は、以下に示す方法に
より作成した。得られた共重合体ラテックスに、ポリア
クリル酸ナトリウム約0.5重量部を添加して粘度を約
10,000cpsに調整し、剥離紙上に約45ドライ
g/m2の塗工量で均一に塗工後、120℃の熱風で
2.5分乾燥した。得られた剥離紙上の乾燥塗膜を延伸
したポリプロピレンフィルム(厚さ約80μm)のコロ
ナ放電処理面に圧着させ、乾燥塗膜を該ポリプロピレン
フィルムに転写したものを粘着試料とした。粘着試料は
温度23℃、相対温度65%の条件下で1週間養生後、
粘着物性について測定した。また、粘着剤性能は以下の
方法により測定した。
さで2kgのローラーを1往復させて貼りつけ、接着面
を引張試験機の引張方向と平行にセットし、40℃の雰
囲気下、2mm/分の速度でセン断力を測定した。 (ヘ)低温粘着力 幅25mm、長さ250mmの粘着試料の粘着層を表に
して輪(ループ)をつくり、0℃の雰囲気下、500m
m/minの速度で段ボール表面にほとんど圧力無しの
状態で接触させる。接触してから3秒後、同じく500
mm/minの速度で引きはがす時の剥離接着強度を測
定した。
密度ポリエチレン(PE)板に幅25mmの粘着試料を
2kgのローラーで1往復して貼り合わせ、貼り付けて
から20分経過後、500mm/minの速度で180
°ピール強度を測定した。
を用いた粘着剤試料は高温凝集力、低温粘着力とPE接
着力が高度に向上したものであることがわかる。
ック強度と他の性能とのバランスを向上させ、あるいは
またカーペットバックサイジングおよび粘接着剤におけ
る接着力をより向上させうる高性能の共重合体ラテック
スを容易に得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 水性媒体中において、共役ジエン化合物
とエチレン性不飽和カルボン酸およびこれらと共重合可
能なその他の単量体の少なくとも3種の単量体を乳化重
合させて得られる共重合体ラテックスであって、連鎖移
動剤として、単量体の合計100重量部に対し、0.0
5ないし2.0重量部の下記(1)式で示される核置換
α−メチルスチレンの二量体(A)および0.05ない
し3.0重量部の硫黄元素を含む連鎖移動剤(B)を組
合せて用いて乳化重合し、かつ重合後に0.1ないし
2.0重量部の水酸化カリウムを含むアルカリを添加し
て得られる共重合体ラテックス。 【化1】 (ただし、Phはベンゼン環、X、Yは水素、ハロゲ
ン、炭素数1ないし4を有するアルキル基あるいは、メ
トキシ基、ヒドロキシル基、グリシジル基、アセチル
基、アルキルメルカプト基である。) - 【請求項2】 請求項1の共重合体ラテックスおよび無
機顔料を主成分とする紙塗工用またはカーペットバック
サイジング用組成物。
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