JP3089071B2 - 顔料組成物 - Google Patents

顔料組成物

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JP3089071B2
JP3089071B2 JP03333593A JP33359391A JP3089071B2 JP 3089071 B2 JP3089071 B2 JP 3089071B2 JP 03333593 A JP03333593 A JP 03333593A JP 33359391 A JP33359391 A JP 33359391A JP 3089071 B2 JP3089071 B2 JP 3089071B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙塗工用、カーペット
バッキング用、各種材料の接着剤等に供される顔料組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、無機顔料および合成共重合体ラテ
ックスからなる顔料組成物は、例えば紙塗工用組成物、
カーペットバックサイシング用バインダー、あるいは各
種材料の接着剤などとして広く用いられている。そし
て、顔料組成物がこのような用途に用いられる場合、該
顔料組成物は接着強度が高く、かつ耐水性、乾燥加熱に
よる耐ブリスター性などに優れていることが要求され
る。
【0003】たとえば、塗工紙は、紙の印刷適性の向上
および光沢などの光学的特性の向上を目的として、抄造
された原紙表面に、カオリンクレー、炭酸カルシウム、
サチンホワイト、タルク、酸化チタンなどの顔料、それ
らのバインダーとしての共重合体ラテックスおよび保水
剤あるいは補助バインダーとしてのスターチ、ポリビニ
ルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶
性高分子を主構成成分とする塗料が塗工されたものであ
って、従来からスチレンとブタジエンおよび他の単量体
を乳化重合して得られたスチレン−ブタジエン系共重合
体ラテックス、いわゆるSB系ラテックスが汎用的に用
いられている。
【0004】ところで、近年、カラー印刷された雑誌類
やパンフレット、広告類の需要の拡大に伴って塗工紙の
生産が著しく増大している。特に、オフセット輪転印刷
の高速印刷化傾向に伴い、塗工紙および顔料組成物の品
質に対する要求水準もますます高度化しており、中でも
特に印刷時の耐ブリスター性の向上が要求されている。
また一方塗工紙そのものの製造も高速化しており、その
主な障害であるロール汚れ性の改良即ちべたつき性の減
少もまた要求されている。この二物性は互いに負の相関
関係にあるため、高水準にバランス化させる改良が一段
と要求されている。塗工紙のこれらの性質は、顔料バイ
ンダーとして用いられるSB系ラテックスの設計に特に
強く依存することから、これまで該SBラテックスの性
能について種々の検討が加えられてきた。
【0005】たとえば、共重合体ラテックス皮膜のベン
ゼン、トルエン、テトラヒドロフランなどの溶剤に対す
る不溶解部分の割合がピック強度と耐ブリスター性の支
配因子であることが確認されていることから、この面よ
り種々の検討がなされており、具体的にはラテックス中
の共重合体の組成およびゲル分率を特定の範囲に調整す
ることにより、優れた性能を発揮させることが提案され
ている(特公昭59−3598号公報、特公昭60−1
7879号公報、特開昭58−4894号公報)。この
ラテックスのゲル分率は単量体組成、重合温度をはじめ
とした様々な重合因子によって変化するが、これを所望
の水準に調整する方法は連鎖移動剤の添加が一般的かつ
簡便である。連鎖移動剤として、従来はおもに四塩化炭
素に代表されるハロゲン化炭化水素、t−あるいはn−
ドデシルメルカプタンに代表されるアルキルメルカプタ
ン、スルフィドなどが使用されていた。
【0006】しかしながら、一般的には塗工紙のべた付
き性はSB系ラテックスにおいてそのゲル分率が高い物
ほど良好になるのに対して、耐ブリスター性はゲル分率
の低いものほど良好となることが認められており、ピッ
ク強度と耐ブリスター性の両方を同時に高い水準にまで
向上させるには、前記技術はいずれも十分に満足しうる
ものではない。
【0007】また耐べた付き性の改良についてもさまざ
まな検討が加えられてきたが、やはり充分に満足できる
ものではなかった.一方、カーペットバックサイジング
用接着剤は、一般に共重合体ラテックスに炭酸カルシウ
ムまたは水酸化アルミニウム等の充填剤および増粘剤な
どの他の添加剤を配合した組成物である。この接着剤組
成物は、タフテッドカーペット、ニードルパンチカーペ
ットなどの製造において、主にパイル(ふさ糸)の脱落
防止ならびにジュートなどの二次基布との接着のために
用いられる。したがって、この場合カーペットの最重要
物性である接着強度の向上が当業界での最大の技術課題
の一つであり、そのため、共重合体ラテックスおよび組
成物の配合面からの改良検討がなされているが、これま
で満足できる水準のものが得られていないのが実状であ
る。
【0008】また一方、共重合体ラテックスの製造にお
いて連鎖移動剤の添加方法も検討されてきた(特公昭6
2−3443号公報、特開昭61−63794号公報、
特開昭58−91707号公報)。しかしこれらはいず
れも重合工程における連鎖移動剤の添加開始時期や添加
量比についてのものであって、いずれも単量体成分の添
加終了以前あるいは重合収率が高くなる以前に連鎖移動
剤の添加を終了しており、本願に示すように連鎖移動剤
の添加終了時期に注目するものではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来技術
では塗工紙の印刷のより一層の高速化に対応することが
できず、高品質の塗工紙の製造を可能にする顔料組成物
の出現が強く求められているのが現状である。また、カ
ーペットならびに粘接着剤においても同様に高接着力を
有する顔料組成物の出現が望まれている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような事
情のもとで、印刷用塗工紙における耐ブリスター性とべ
た付き性とのバランスをより向上させ、あるいはまたカ
ーペットならびに接着剤の接着強度を工場させるための
高性能の顔料組成物を提供することを目的として種々検
討を行った結果、炭酸カルシウムおよびまたはクレーを
主成分とする無機顔料と共重合体ラテックスからなる水
分散体であって、該共重合体ラテックスが共役ジエン、
エチレン性不飽和カルボン酸およびこれらと共重合可能
なその他の単量体の乳化共重合により製造されるもので
あり、該乳化共重合において単量体総量の重合率が特定
の値以上になるまで連鎖移動剤を重合系内に逐次添加す
ることを特徴として得られる顔料組成物が、意外にも前
記の目的が達せられたものであることを見いだしてなさ
れたものである。
【0011】すなわち、本発明は、共役ジエン、エチレ
ン性不飽和カルボン酸およびこれらと共重合可能なその
他の単量体の乳化共重合において、単量体総量の重合率
が70%になる時点まで、単量体総量100重量部に対
し、連鎖移動剤X重量部を、さらに該単量体添加終了以
降の時点でありかつ重合率が85%以上になる時点ま
、単量体総量100重量部に対し、連鎖移動剤Y重量
部を、該XとYが下記(1)式および(2)式の関係を
みたし、かつ連鎖移動剤(A−1)と連鎖移動剤(A−
2)が少なくとも同一種類の連鎖移動剤を含むように重
合系内に逐次添加して得られた共重合体ラテックスと炭
酸カルシウムおよび/またはクレーを主成分とする無機
顔料とからなることを特徴とする顔料組成物である。
【0012】
【数3】
【0013】
【数4】
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
於ける無機顔料は炭酸カルシウムおよびまたはクレーを
主成分とすることが必須である。ここで主成分とは無機
顔料総体積分率中の中の60%以上を占めることをい
う。60%以下では本発明の効果が良好に発揮されな
い。またその他の無機顔料として水酸化アルミニウム、
酸化チタン、サチンホワイト、タルク、活性白土などを
無機顔料総体積分率中40%まで必要に応じ使用するこ
ともできる。無機顔料に加えてポリスチレン粒子などの
プラスチックピグメントを併用することも本発明の望ま
しい実施態様である。
【0015】本発明におけるラテックス重合体は共役ジ
エン(イ)、エチレン性不飽和カルボン酸(ロ)、およ
びこれらと共重合可能なその他の単量体(ハ)から構成
される単量体を乳化共重合させる際に連鎖移動剤を特定
な方法で添加することにより得られる。共役ジエン
(イ)としては、ブタジエン、イソプレン、2−クロル
−1,3−ブタジエンなどがある。その使用量は全単量
体基準で20〜90重量%の範囲であることが望まし
い。さらに塗工紙用共重合体ラテックスの場合、この共
役ジエンの一層好ましい量の範囲は20〜70重量%で
ある。
【0016】エチレン性不飽和カルボン酸(ロ)は0.
5〜10重量%の範囲であることが好ましい。0.5重
量%未満ではラテックスの分散安定性を高い水準で保つ
ことができず、塗料調製や塗工時に種々問題を発生して
しまう。また、ピック強度も劣る。10重量%を越えて
含ませるとラテックスや塗料の粘度が高くなり過ぎ、ま
た耐水性も損なわれることになる。エチレン性不飽和カ
ルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸などの一塩基性カルボン酸、イタコン酸、マレ
イン酸、フマール酸などの二塩基性カルボン酸およびそ
のモノエステルなどを挙げることができる。この中でも
二塩基性カルボン酸が本発明の効果を最も良好に発揮し
好ましい。
【0017】その他の単量体(ハ)の例のなかでもっと
も代表的かつ有効にもちいられるのは芳香族(ジ)ビニ
ル化合物であり、ついで(メタ)アクリル酸エステル、
シアン化ビニル化合物、エチレン性アミドモノマーなど
である。芳香族(ジ)ビニル化合物としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、アルキルス
チレン、ジビニルベンゼンなどがあげられる。
【0018】(メタ)アクリル酸エステルとしては、メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートさらには、
グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレートなどがあげられる。
【0019】シアン化ビニル化合物としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどがあげられる。エチ
レン性アミドモノマーとしては、(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどがあげ
られる。そのほかに、酢酸ビニルのごときビニルエステ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデンのごときハロゲン化ビ
ニル、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレートなどのエチレン性アミンモノマ
ー、スチレンスルホン酸ソーダなどを例示することがで
きる。
【0020】本発明では各種の連鎖移動剤を用いること
ができる。例をあげれば、硫黄元素を含む連鎖移動剤と
して、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカ
プタンなどのアルカンチオール:メルカプトエタノー
ル、メルカプトプロパノールなどのチオアルキルアルコ
ール:チオグリコール酸、チオプロピオン酸などのチオ
アルキルカルボン酸:チオグリコール酸オクチルエステ
ル、チオプロピオン酸オクチルエステルなどのチオカル
ボン酸アルキルエステル:ジメチルスルフィド、ジエチ
ルスルフィドなどのスルフィドなどがあげられる。上記
の硫黄元素を含む連鎖移動剤の好ましい例としてはチオ
アルキルカルボン酸アルキルエステルがあげられる。そ
の他に、連鎖移動剤の例としては、α−アルキルスチレ
ンの二量体、ターピノーレン、ジペンテン、t−テルピ
ネンおよび四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素を挙げ
ることができる。
【0021】本発明においては、共重合体ラテックスの
製造にあたって特定の方法で連鎖移動剤の添加をおこな
うことが必須である。すなわち、単量体総量の重合率が
70%になる時点まで、単量体総量100重量部に対
し、連鎖移動剤X重量部を、さらに該単量体添加終了以
降の時点でありかつ重合率が85%以上になる時点ま
、単量体総量100重量部に対し、連鎖移動剤Y重量
部を、該XとYが下記(1)式および(2)式の関係を
みたし、かつ連鎖移動剤(A−1)と連鎖移動剤(A−
2)が少なくとも同一種類の連鎖移動剤を含むように重
合系内に逐次添加して得られた共重合体ラテックスを用
いることが必須である。
【0022】
【数5】
【0023】
【数6】
【0024】ここで本発明における連鎖移動剤の逐次添
加とは、連続あるいは断続的に反応器に該連鎖移動剤を
添加することを意味する。該連鎖移動剤の添加開始時刻
は任意に選べるが、単量体の重合率が85%以上になる
まで該連鎖移動剤の添加を続けることが必須である。重
合率が85%に満たないうちに該連鎖移動剤の添加を終
了すると、良好なピック強度と他の性能とのバランスが
得られない。本発明の効果をさらに良好に発揮させる該
連鎖移動剤の望ましい添加終了時期は、重合率が90%
以上になった時刻であり、さらに好ましくは重合率が9
5%以上になった時刻である。またさらに該連鎖移動剤
の添加速度に勾配をつけることが必須であり、重合率が
70%になる時点以前と以後の連鎖移動剤の添加量比が
前記(2)式に示すように1.2以下とすることが必須
である。1.2以上では本発明の効果であるピック強度
と他の物性とのバランスが得られない。本発明の効果を
さらに高める添加量比は1.0以下であり、さらに好ま
しくは0.8以下である。
【0025】該連鎖移動剤の添加にあたっては該連鎖移
動剤を単独で添加する方法、該連鎖移動剤をあらかじめ
乳化して水分散体にしてから添加する方法、該連鎖移動
剤を非反応性溶剤で希釈して添加する方法などがあげら
れる。また、該連鎖移動剤の一部を単量体混合物にあら
かじめ添加しておき、重合途中で該混合物の添加を終了
させて、残る連鎖移動剤を続けて単独添加する方法も望
ましい方法である。
【0026】次に共重合体ラテックスの製造法である
が、本発明の共重合体ラテックスは、水、界面活性剤、
単量体、ラジカル重合開始剤、および必要ならばその他
の原料を基本構成成分とする分散系において、これらの
原料をラジカル乳化重合によって共重合体粒子の水分散
液として得られる。一般的に共重合体濃度は40〜60
重量%の範囲である。
【0027】共重合体ラテックスの粒子径は界面活性剤
およびまたはシードラテックスの使用割合によって調整
することができ、概ねその使用割合を高くするほど生成
共重合体ラテックスの粒子径は小さくなる。ここで、粒
子径の好ましい範囲は0.05〜1μmでありさらに好
ましくは0.07〜0.5μmである。界面活性剤とし
ては、脂肪酸せっけん、ロジン酸せっけん、アルキルス
ルホン酸塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキ
ルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸塩などの
アニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オ
キシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマーなど
のノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤があ
る。これら界面活性剤の他の例としては、「界面活性剤
ハンドブック(高橋、難波、小池、小林:工学図書、1
972)」に記載されているものなどがあげられる。界
面活性剤は通常、アニオン性界面活性剤単独またはアニ
オン性/ノニオン性の混合系で用いられ、単量体に対す
る使用割合としては0.05〜2重量%の範囲が好まし
く用いられる。
【0028】重合開始剤は、熱または還元性物質の存在
下でラジカル分解して単量体の付加重合を開始させる化
合物であって、ペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、アゾビ
ス化合物などが一般的に用いられる。その具体例として
はペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリ
ウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素,t
−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、
2,2−アゾビスイソブチロニトリル、クメンハイドロ
パーオキサイドなどがあり、また他に、「改訂高分子合
成の化学(大津:化学同人、1979)」に記載されて
いる化合物があげられる。このなかでも特にペルオキソ
二硫酸塩が本発明の効果を良好に発揮し、最も好ましく
用いられる。重合開始剤の使用量は単量体に対して0.
2〜2.0重量%であることが好ましい。なお、重合温
度は通常60〜90℃の範囲が一般的であるが、重合速
度の促進あるいはより低温での重合を望むときには重亜
硫酸ナトリウム、アスコルビン酸あるいはその塩、エリ
ソルビン酸あるいはその塩、ロンガリットなどの還元剤
を重合開始剤に組み合わせて用いる、いわゆるレドック
ス重合法を用いることができる。
【0029】また、所望によって種々の重合調整剤を添
加することもしばしばおこなわれる。たとえば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナト
リウムなどのPH調節剤やエチレンジアミン四酢酸ナト
リウムなどの各種キレート剤などである。本発明の無機
顔料組成物の調製にあたっては通常の実施態様でおこな
うことができる。すなわち、分散剤を溶解させた水中に
無機顔料およびあるいは有機顔料、水溶性高分子、各種
添加剤とともに共重合体ラテックスを混合し、均一分散
液とする態様である。これら無機顔料水分散体の各原料
についての具体的な例としては、「紙加工便覧(紙業タ
イムス社編:紙業タイムス社、1980)」に記載され
ているものなどがあげられる。この無機顔料組成物は各
種ブレードコーター、ロールコーターなど既知の方法に
よって原紙に塗工して塗工紙を製造することができ、ま
たカーペット裏打ち用接着剤あるいはまた各種材料の接
着剤に供することができる。該塗工紙は、グラビア、枚
葉オフセット、輪転オフセットなど各種印刷に供するこ
とができ、またこのうち塗工板紙は各種包装に供するこ
とができる。
【0030】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、各特性は次のようにして求め
た。 (イ)平均粒子径 光散乱法粒度分析計(シーエヌウッド社製モデル600
0)により共重合体ラテックスの平均粒子径を測定し
た。
【0031】(ロ)べたつき性 ラテックスをPETフィルム上にNo.16ロッド(熊
谷理機工業製:直径12.7mmのステンレス製丸棒に
ワイヤーを巻いたもの;36.6の湿った薄膜を塗布し
たもの)により塗布し、50℃、1時間加熱して皮膜を
作成する。この皮膜と黒ラシャ紙を合わせベンチスーパ
ーカレンダーにより圧力200kg/m、温度70℃条
件下で圧着させる。これをひきはがして黒ラシャ紙のラ
テックス皮膜への転写の程度を目視判定し10段階に評
価する(点数が高いほど良好)。
【0032】
【実施例および比較例】直径0.031μmのシード粒
子の水性分散体(シード固形分濃度30重量%)を、か
くはん装置と温度調節用ジャケットを取り付けた耐圧反
応容器に入れ、さらに水70重量部、ラウリル硫酸ナト
リウム0.2重量部、イタコン酸およびあるいはフマー
ル酸を仕込み、内温を80℃に保ち、ついで水15重量
部、ペルオキソ二硫酸ナトリウム0.9重量部、水酸化
ナトリウム0.2重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム0.1重量部からなる水溶液と、モノマー混
合液とをそれぞれ前者を時刻0から5時間および後者を
時刻0から4時間をかけて添加した。また別に表1およ
び2に示すように連鎖移動剤(A−1)を時刻0(時)
から時刻T1(時)まで、(A−2)を時刻T1(時)
からT2(時)まで添加した。そして80℃の温度をそ
のまま2時間保ったのち冷却し、次いで生成した共重合
体ラテックスを表1および2に示す量の水酸化カリウム
と適量の水酸化ナトリウムによりpHを8に調整してか
らスチームストリッピング法により未反応かつ揮発性の
単量体および連鎖移動剤を除去し、網目75μmのろ布
でろ過した。なお、すべての共重合体ラテックスは最終
的に固形分濃度が50重量%になるように調整した。
【0033】これらの共重合体ラテックスの原料の詳細
および使用量(重量部)を表1および表2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【応用例1】実施例および比較例で調製した共重合体ラ
テックスを用いた顔料組成物について、紙塗工用塗工液
としての性能評価をおこなった。その結果を表5および
表6に示す。なお、顔料組成物は表3に示す配合で、不
揮発分濃度が64重量%になる水量で高速かくはん機で
調製した。塗料のpHはアンモニア水で9.0に調整し
た。この顔料組成物を用いての塗工紙の調製条件を表4
に示す。塗工紙の各特性は次のようにして求めた。
【0037】(ハ)耐ブリスター性 RI印刷試験機(明製作所製)を用いて塗工紙の両面を
印刷インク(WebbZett黄、大日本インク社製)
0.3cm3をべた刷りする。この印刷された塗工紙を
適当な大きさに裁断し、その試験片を所定の温度に調整
したシリコンオイル恒温槽に浸してブリスターが発生す
るか否かを観察する。恒温槽の温度を変化させてこの試
験をおこない、ブリスターの発生が認められる最低温度
を求める。この温度が高いものほど耐ブリスター性に優
れる。
【0038】(ニ)ドライピック強度 RI印刷試験機を用いて、印刷インク(SDスーパーデ
ラックス50紅B;タック値18、東華色素社製)0.
4cm35回重ね刷りをおこない、ゴムロールに現れた
ピッキング状態を別の台紙に裏取りし、その程度を観察
する。評価は10点評価法でおこない、ピッキング現象
の少ないものほど高得点とした。
【0039】(ホ)湿潤ピック強度 RI印刷試験機を用いて、塗工紙表面を吸水ロールで湿
してから、印刷インク(SDスーパーデラックス50紅
B;タック値18、東華色素社製)0.4cm3 1回刷り
をおこない、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の
台紙に裏取りし、その程度を観察する。評価は10点評
価法でおこない、ピッキング現象の少ないものほど高得
点とした。
【0040】(ヘ)網点再現性 大蔵省式グラビア試験機を用いて印刷し、網点の欠落率
を計数した。評価は10点評価法でおこない、欠落率の
小さいものほど高得点とした。表4から、本発明の顔料
組成物を塗工液として用いた塗工紙は耐ブリスター性と
べた付き性などのバランスが高度に優れたものであるこ
とが理解される。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
【応用例2】実施例および比較例で調整した共重合体ラ
テックスを用いて作る顔料組成物について、カーペット
バックサイジング用バインダーとしての性能評価をおこ
なった。その結果を表9に示す。カーペットバックサイ
ジング性能(剥離強度および抜糸強度)はJIS L−
1021に準拠して求めた。平均値の高いものほど優れ
る。
【0046】なお、顔料組成物は表7に示す配合で、不
揮発分濃度が70重量%になる水量で高速かくはん機で
調製した。この塗料を用いてのカーペットの調製条件を
表8に示した。表9から、本発明の顔料組成物をバイン
ダーとして用いたカーペットは剥離強度と抜糸強度が高
度に向上したものであることがわかる。
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】
【表9】
【0050】
【発明の効果】本発明によると、印刷塗工紙におけるピ
ック強度と他の性能とのバランスを向上させ,あるいは
またカーペットバックサイジングおよび接着剤における
接着力をより向上させうる高性能の顔料組成物を容易に
得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 47/00 C08L 47/00 D06M 15/263 D06M 15/263 D21H 19/56 D21H 19/56 D06M 15/263 (56)参考文献 特開 昭61−63794(JP,A) 特開 平5−230117(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 17/00 C08F 2/22 C08F 2/38 C08K 3/34 C08K 3/36 C08L 47/00 D06M 15/263 D21H 19/56

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエン、エチレン性不飽和カルボン
    酸およびこれらと共重合可能なその他の単量体の乳化共
    重合において、単量体総量の重合率が70%になる時点
    まで、単量体総量100重量部に対し、連鎖移動剤(以
    後、連鎖移動剤(A−1)と呼ぶ)X重量部を、さらに
    該単量体添加終了以降の時点でありかつ重合率が85%
    以上になる時点まで、単量体総量100重量部に対し、
    連鎖移動剤(以後、連鎖移動剤(A−2)と呼ぶ)Y重
    量部を、該XとYが下記(1)式および(2)式の関係
    をみたし、かつ連鎖移動剤(A−1)と連鎖移動剤(A
    −2)が少なくとも同一種類の連鎖移動剤を含むように
    重合系内に逐次添加して得られた共重合体ラテックスと
    炭酸カルシウムおよび/またはクレーを主成分とする無
    機顔料とからなることを特徴とする顔料組成物。 【数1】 【数2】
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