JP3281632B2 - 共重合体ラテックスの製造法 - Google Patents

共重合体ラテックスの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オフセット輪転印刷、
オフセット枚葉印刷、グラビア印刷および板紙その他の
塗工紙の塗工用、カーペットバッキング用、繊維結合用
あるいはその他一般の粘接着剤用に供される新規共重合
体ラテックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合成共重合体ラテックスは、例え
ば紙塗工用バインダー、カーペットバックサイシング用
バインダー、不織布や人工皮革などの繊維結合用バイン
ダー、あるいは各種材料の粘接着剤などとして広く用い
られている。そして、共重合体ラテックスがこのような
用途に用いられる場合、該共重合体ラテックスは接着強
度が高く、かつ耐水性、乾燥加熱による耐ブリスター性
などに優れていることが要求される。
【0003】たとえば、塗工紙は、紙の印刷適性の向上
および光沢などの光学的特性の向上を目的として、抄造
された原紙表面に、カオリンクレー、炭酸カルシウム、
サチンホワイト、タルク、酸化チタンなどの顔料、それ
らのバインダーとしての共重合体ラテックスおよび保水
剤あるいは補助バインダーとしてのスターチ、ポリビニ
ルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶
性高分子を主構成成分とする塗料が塗工されたものであ
って、従来からスチレンとブタジエンを主要単量体成分
とし、これらを乳化重合して得られたスチレン-ブタジ
エン系共重合体ラテックス、いわゆるSB系ラテックス
が汎用的に用いられている。
【0004】ところで、近年、カラー印刷された雑誌類
やパンフレット、広告類の需要の拡大に伴って塗工紙の
生産が著しく増大している。特に、オフセット輪転印刷
の高速印刷化傾向に伴い、塗工紙および顔料バインダー
の品質に対する要求水準もますます高度化しており、中
でも特に塗工紙の表面強度すなわちドライピックとウェ
ットピック、印刷時の耐ブリスター性および平滑性など
の向上が要求されている。また一方塗工紙そのものの製
造も高速化しており、その主な障害であるロール汚れ性
の改良即ちべたつき性の減少もまた要求されている。こ
れらの物性は互いに負の相関関係にあるものが多く、高
水準にバランス化させる改良が一段と要求されている。
【0005】塗工紙のこれらの性質は、顔料バインダー
として用いられるSB系ラテックスの設計に特に強く依
存することから、これまで該SBラテックスの性能につ
いて種々の検討が加えられてきた。たとえば、共重合体
ラテックス皮膜のベンゼン、トルエン、テトラヒドロフ
ランなどの溶剤に対する不溶解部分の割合がピック強度
と耐ブリスター性の支配因子であることが確認されてい
ることから、この面より種々の検討がなされており、具
体的にはラテックス中の共重合体の組成およびゲル分率
を特定の範囲に調整することにより、優れた性能を発揮
させることが提案されている(特公昭59−3598
号、特公昭60−17879号、特開昭58−4894
号公報)。このラテックスのゲル分率は単量体組成、重
合温度をはじめとした様々な重合因子によって変化する
が、これを所望の水準に調整する方法は連鎖移動剤の添
加が一般的かつ簡便である。連鎖移動剤として、従来か
ら四塩化炭素に代表されるハロゲン化炭化水素、t−あ
るいはn−ドデシルメルカプタンに代表されるアルキル
メルカプタン、スルフィドなどが使用されてきた。また
特定の連鎖移動剤としてターピノーレン、α−メチルス
チレンダイマーなどを使用することも提案されている
(米国特許2922781、特開平3−109451号
公報)。
【0006】しかしながら、一般的には塗工紙のドライ
ピックやべた付き性はSB系ラテックスにおいてそのゲ
ル分率が高い物ほど良好になるのに対して、耐ブリスタ
ー性はゲル分率の低いものほど良好となることが認めら
れており、またウェットピックに最適なゲル分率も別に
存在する。ピック強度、べたつき性、耐ブリスター性お
よび平滑性などを同時に高い水準にまで向上させるに
は、前記技術はいずれも十分に満足しうるものではなか
った。
【0007】また、ラジカル重合において重合抑制剤な
いし禁止剤は重合収率の低下およびまたは重合操業性の
低下を招くためこれまで意図的に使用される例はなかっ
た。あるいはまた、単量体の添加速度を制御することに
よって反応器内の単量体の反応率を一定の範囲内におさ
めることも従来提案されてきたが(特開昭63−243
115号公報)、この方法によれば生成共重合体ラテッ
クスの安定性が損なわれるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来技術
では塗工紙の印刷のより一層の高速化に対応することが
できず、高品質の塗工紙の製造を可能にするピック強
度、耐ブリスター性、べたつき性の改良されたバインダ
ーとしての共重合体ラテックスの出現が強く求められて
いるのが現状である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような事
情のもとで、印刷用塗工紙におけるピック強度、耐ブリ
スター性とべたつき性とのバランスをより向上させるた
めの高性能の共重合体ラテックスを提供することを目的
として種々検討を行った結果、共役ジエン、エチレン性
不飽和カルボン酸およびこれらと共重合可能なその他の
単量体の乳化重合にあたって、油溶性の反応抑制剤を用
いることにより、得られた共重合体ラテックスが、意外
にも前記の目的が達せられたものであることを見いだし
てなされたものである。
【0010】すなわち、本発明は、共役ジエン、エチレ
ン性不飽和カルボン酸およびこれらと共重合可能なその
他の単量体の乳化共重合にあたって、連鎖移動剤および
特定の油溶性の重合反応抑制剤を使用することを特徴と
する共重合体ラテックスの製造法である。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
いう反応抑制剤とは、ニトロベンゼン、o−、m−、あ
るいはp−ジニトロベンゼン、1,1−ジフェニルエチ
レン、フェニルアセチレンの群から選ばれる化合物をい
う。該油溶性反応抑制剤の好ましい使用量は、各々の化
合物の重合抑制効果によりそれぞれ異なるが、重合反応
速度を適当に調整する量であることが必要である。その
使用量とは、単量体を連続的に添加する方式であるなら
ば、単量体添加中における重合反応器内の重合体/単量
体の重量比が0/100ないし90/10となるよう調
整できる量であることが好ましく、重合の初期10分間
をのぞいては20/80ないし80/20となるよう調
整できる量であることがさらに好ましく、同じく重合の
初期30分間および単量体添加時期のうち後期30分を
のぞいては40/60ないし70/30となるよう調整
できる量であることがさらに好ましい。
【0012】共重合体ラテックスは共役ジエン、エチレ
ン性不飽和カルボン酸、およびこれらと共重合可能なそ
の他の単量体を乳化共重合させて得られる。共役ジエン
(イ)としては、ブタジエン、イソプレン、2−クロル
−1,3−ブタジエンなどがある。その使用量は全単量
体基準で20〜90重量%の範囲であることが望まし
い。さらに塗工紙用共重合体ラテックスの場合、この共
役ジエンの一層好ましい量の範囲は20〜70重量%で
ある。
【0013】エチレン性不飽和カルボン酸(ロ)は0.
5〜10重量%の範囲であることが好ましい。0.5重
量%未満ではラテックスの分散安定性を高い水準で保つ
ことができず、塗料調製や塗工時に種々問題を発生して
しまう。また、ピック強度も劣る。10重量%を越えて
含ませるとラテックスや塗料の粘度が高くなり過ぎ、ま
た耐水性も損なわれることになる。エチレン性不飽和カ
ルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、ク
ロトン酸などの一塩基性カルボン酸、イタコン酸、マレ
イン酸、フマール酸などの二塩基性カルボン酸およびそ
のモノエステルなどを挙げることができる。この中でも
二塩基性カルボン酸が、重合体ラテックスに高い安定性
を与えることができ、また本発明の効果を良好に発揮で
きて好ましい。さらにこれらと共重合可能なその他の単
量体(ハ)の例のなかでもっとも代表的かつ有効にもち
いられるのは芳香族(ジ)ビニル化合物であり、ついで
(メタ)アクリル酸エステル、シアン化ビニル化合物、
エチレン性アミドモノマーなどである。
【0014】芳香族(ジ)ビニル化合物としては、スチ
レン、α‐メチルスチレン、クロロスチレン、アルキル
スチレン、ジビニルベンゼンなどがあげられる。(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2ー
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレートさらには、グリシジル(メタ)
アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ートなどがあげられる。
【0015】シアン化ビニル化合物としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどがあげられる。エチ
レン性アミドモノマーとしては、(メタ)アクリルアミ
ド、Nーメチロール(メタ)アクリルアミドなどがあげ
られる。そのほかに、酢酸ビニルのごときビニルエステ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデンのごときハロゲン化ビ
ニル、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレートなどのエチレン性アミンモノマ
ー、スチレンスルホン酸ソーダなどを例示することがで
きる。
【0016】また本発明では既知の連鎖移動剤を用いる
ことができる。例をあげれば、硫黄元素を含む連鎖移動
剤として、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメ
ルカプタンなどのアルカンチオール:メルカプトエタノ
ール、メルカプトプロパノールなどのチオアルキルアル
コール:チオグリコール酸、チオプロピオン酸などのチ
オアルキルカルボン酸:チオグリコール酸オクチルエス
テル、チオプロピオン酸オクチルエステルなどのチオカ
ルボン酸アルキルエステル:ジメチルスルフィド、ジエ
チルスルフィドなどのスルフィドなどがあげられる。上
記の硫黄元素を含む連鎖移動剤の好ましい例としてはチ
オアルキルカルボン酸アルキルエステルがあげられる。
その他に、連鎖移動剤の例としては、α−アルキルスチ
レンの二量体、ターピノーレン、ジペンテン、t-テルピ
ネンおよび四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素を挙げ
ることができる。
【0017】また、これら連鎖移動剤の使用方法につい
ては周知のいずれの方法も用いることができる。すなわ
ち一括前添加方法、連続追加添加方法、断続追加添加方
法あるいは添加速度を順次変化させた濃度勾配型添加方
法などである。これらの添加方法のうち、連鎖移動剤の
一部を単量体の添加終了後も連続的に添加する方式が、
本発明の効果を最も良好に発揮し、好ましく用いられ
る。
【0018】次に製造法について述べる。本発明の製造
法は、水、界面活性剤、単量体、ラジカル重合開始剤、
および必要ならばその他の原料を基本構成成分とする分
散系において、これらの原料をラジカル乳化重合によっ
て共重合体粒子の水分散液とする製造法である。一般的
に共重合体濃度は40〜60重量%の範囲である。共重
合体ラテックスの粒子径は界面活性剤およびまたはシー
ドラテックスの使用割合によって調整することができ、
概ねその使用割合を高くするほど生成共重合体ラテック
スの粒子径は小さくなる。ここで、粒子径の好ましい範
囲は0.05〜1μmでありさらに好ましくは0.07
〜0.5μmである。
【0019】界面活性剤としては、脂肪酸せっけん、ロ
ジン酸せっけん、アルキルスルホン酸塩、ジアルキルア
リールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルアリール硫酸塩などのアニオン性界面活性剤、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレ
ンブロックコポリマーなどのノニオン性界面活性剤、カ
チオン性界面活性剤がある。これら界面活性剤の他の例
としては、「界面活性剤ハンドブック(高橋、難波、小
池、小林:工学図書、1972)」に記載されているも
のなどがあげられる。界面活性剤は通常、アニオン性界
面活性剤単独またはアニオン性/ノニオン性の混合系で
用いられ、単量体に対する使用割合としては0.05〜
2重量%の範囲が好ましく用いられる。
【0020】重合開始剤としては、熱または還元性物質
の存在下でラジカル分解して単量体の付加重合を開始さ
せるもので、水溶性または油溶性のペルオキソ二硫酸
塩、過酸化物、アゾビス化合物などが一般的に用いられ
る。その例としてはペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオ
キソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウ
ム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、
過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスイソブチロニトリ
ル、クメンハイドロパーオキサイドなどがあり、また他
に、「POLYMER HANDBOOK 3rd E
d.(J.Brandrup,E.H.Immergu
t:John Willy & Sons,198
9)」に記載されている化合物があげられる。この中で
も特にペルオキソ二硫酸塩が本発明の効果を良好に発揮
し、最も好ましくもちいられる。重合開始剤の使用割合
は単量体に対して通常0.2〜2.0重量%である。な
お、重合温度は通常60〜90℃の範囲が一般的である
が、重合速度の促進あるいはより低温での重合を望むと
きには重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸あるいはそ
の塩、エリソルビン酸あるいはその塩、ロンガリットな
どの還元剤を重合開始剤に組み合わせてもちいる、いわ
ゆるレドックス重合法を用いることができる。
【0021】また、所望によって種々の重合調整剤を添
加することもしばしばおこなわれる。たとえば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナト
リウムなどのpH調節剤やエチレンジアミン四酢酸ナトリ
ウムなどの各種キレート剤などである。本発明の共重合
体ラテックスを紙塗工用塗料のバインダーとして用いる
においては通常の実施態様でおこなうことができる。す
なわち、分散剤を溶解させた水中に無機顔料およびある
いは有機顔料、水溶性高分子、各種添加剤とともに共重
合体ラテックスを混合し、均一分散液とする態様であ
る。そして、この塗料は各種ブレードコーター、ロール
コーターなど通常の方法によって原紙に塗工することが
できる。
【0022】
【実施例】次に、実施例および応用例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってな
んら限定されるものではない。
【0023】
【実施例1〜6および比較例1〜6】直径0.035μ
mのシード粒子の水性分散体(シード固形分濃度30重
量%)3重量部を、かくはん装置と温度調節用ジャケッ
トを取り付けた耐圧反応容器に入れ、さらに水70重量
部、ラウリル硫酸ナトリウム0.2重量部、イタコン酸
2.5重量部を仕込み、内温を80℃に昇温し、ついで
モノマー、重合反応抑制剤および連鎖移動剤からなる油
性混合液と、水15重量部、ペルオキソ二硫酸ナトリウ
ム1重量部、水酸化ナトリウム0.2重量部、ラウリル
硫酸ナトリウム0.1重量部からなる水溶液とをそれぞ
れ4時間および5時間をかけて一定の流速で添加した
(ただし、比較例2、4、6はそれぞれ4時間および5
時間とした)。そして80℃の温度をそのまま1時間保
ったのち冷却し、次いで生成した共重合体ラテックスの
pHが8となるように水酸化ナトリウムおよび水酸化カ
リウムを添加した。これをスチームストリッピング法に
より未反応の単量体等を除去し、網目75μmのろ布で
ろ過した。なお、すべての共重合体ラテックスは最終的
に固形分濃度が50重量%になるように調整した。原料
の詳細、使用量(重量部)、および重合中の安定性(微
細凝固物の発生程度)を表1、2および3に示す。
た、単量体添加中の重合体/単量体重量比は次のとおり
であった。なお、単量体添加開始からの時間は、1、2
および4時間である。
【0024】
【応用例1】実施例および比較例で調製した共重合体ラ
テックスについて、紙塗工用バインダーとしての性能評
価をおこなった。その結果を表6に示す。なお、塗工塗
料は表4に示す配合で、不揮発分濃度が64重量%にな
る水量で高速かくはん機で調製した。塗料のpHはアン
モニア水で9.0に調整した。この塗料を用いての塗工
紙の調製条件を表5に示す。また、ラテックスおよび塗
工紙の性能評価は、以下の方法によりおこなった。
【0025】(イ)べたつき性 ラテックスをPETフィルム上にNo.15ロッドによ
り塗布し、50℃・1時間加熱して皮膜を作成する。こ
の皮膜と黒ラシャ紙を合わせベンチスーパーカレンダー
により200kg/m・70℃条件下で圧着させる。こ
れをひきはがして黒ラシャ紙のラテックス皮膜への転写
の程度を目視判定し五段階に評価する(点数の大きいの
が良い)。
【0026】(ロ)耐ブリスター性 RI印刷試験機(明製作所製)を用いて塗工紙の両面を
印刷インク(WebbZett黄、大日本インク社製)
0.3ccをべた刷りする。この印刷された塗工紙を適
当な大きさに裁断し、その試験片を所定の温度に調整し
たシリコンオイル恒温槽に浸してブリスターが発生する
か否かを観察する。恒温槽の温度を変化させてこの試験
をおこない、ブリスターの発生が認められる最低温度を
求める。この温度が高いものほど耐ブリスター性に優れ
る。
【0027】(ハ)ドライピック強度 RI印刷試験機を用いて、印刷インク(SDスーパーデ
ラックス50紅B;タック値18、東華色素社製)0.
4cc5回重ね刷りをおこない、ゴムロールに現れたピ
ッキング状態を別の台紙に裏取りし、その程度を観察す
る。評価は10点評価法でおこない、ピッキング現象の
少ないものほど高得点とした。
【0028】(ニ)湿潤ピック強度 RI印刷試験機を用いて、塗工紙表面を吸水ロールで湿
してから、印刷インク(SDスーパーデラックス50紅
B;タック値18、東華色素社製)0.4cc1回刷り
をおこない、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の
台紙に裏取りし、その程度を観察する。評価は10点評
価法でおこない、ピッキング現象の少ないものほど高得
点とした。
【0029】表6から、本発明の共重合体ラテックスを
バインダーとして用いた塗工紙は耐ブリスター性、べた
つき性及びピック強度とが高度にバランスされたもので
あることが理解される。
【0030】
【応用例2】実施例および比較例で調製した共重合体ラ
テックスについて、カーペットバックサイジング用バイ
ンダーとしての性能評価をおこなった。その結果を表9
に示す。なお、接着塗料は表7に示す配合で、不揮発分
濃度が70重量%になる水量で高速かくはん機で調製し
た。この塗料を用いてのカーペットの調製条件を表8に
示した。また、カーペットバックサイジング性能である
剥離強度および抜糸強度の測定は、JIS L−102
1に準拠した。平均値の高いものほど優れる。
【0031】表9から、本発明の共重合体ラテックスを
バインダーとして用いたカーペットは剥離強度と抜糸強
度が高度に向上したものであることがわかる。
【0032】
【応用例3】実施例および比較例で調製した共重合体ラ
テックスについて、粘着剤としての性能を評価した。そ
の結果を表10に示す。粘着試料は、以下に示す方法に
より作成した。得られた共重合体ラテックスに、ポリア
クリル酸ナトリウム約0.5重量部を添加して粘度を約
10,000cpsに調整し、剥離紙上に約45ドライ
g/m2の塗工量で均一に塗工後、120℃の熱風で
2.5分乾燥した。得られた剥離紙上の乾燥塗膜を延伸
したポリプロピレンフィルム(厚さ約80μm)のコロ
ナ放電処理面に圧着させ、乾燥塗膜を該ポリプロピレン
フィルムに転写したものを粘着試料とした。粘着試料は
温度23℃、相対温度65%の条件下で1週間養生後、
粘着物性について測定した。また、粘着剤性能は以下の
方法により測定した。
【0033】(ホ)高温凝集力 ステンレス板に、粘着試料を25mm×25mmの大き
さで2kgのローラーを1往復させて貼りつけ、接着面
を引張試験機の引張方向と平行にセットし、40℃の雰
囲気下、2mm/分の速度でセン断力を測定した。 (ヘ)低温粘着力 幅25mm、長さ250mmの粘着試料の粘着層を表に
して輪(ループ)をつくり、0℃の雰囲気下、500m
m/minの速度で段ボール表面にほとんど圧力無しの
状態で接触させる。接触してから3秒後、同じく500
mm/minの速度で引きはがす時の剥離接着強度を測
定した。
【0034】(ト)PE接着力 23℃の雰囲気下において、添加剤を含有していない低
密度ポリエチレン(PE)板に幅25mmの粘着試料を
2kgのローラーで1往復して貼り合わせ、貼り付けて
から20分経過後、500mm/minの速度で180
°ピール強度を測定した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】
【表7】
【0042】
【表8】
【0043】
【表9】
【0044】
【表10】
【0045】表10から、本発明の共重合体ラテックス
を用いた粘着剤試料は高温凝集力、低温粘着力とPE接
着力が高度に向上したものであることがわかる。
【0046】
【発明の効果】本発明によると、印刷塗工紙におけるピ
ック強度と他の性能とのバランスを向上させ、あるいは
またカーペットバックサイジングおよび粘接着剤におけ
る接着力をより向上させうる高性能の共重合体ラテック
スを容易に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI //(C08F 220/04 (C08F 220/04 236:04) 236:04) (C08F 222/02 (C08F 222/02 236:04) 236:04) (56)参考文献 特開 昭62−184181(JP,A) 特開 平3−109451(JP,A) 特開 平5−17511(JP,A) 特開 平5−163308(JP,A) 特開 昭57−94029(JP,A) 特開 昭57−133284(JP,A) 特開 平5−222125(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 220/00 - 222/40 C08F 2/00 - 2/60 C08F 236/00 - 236/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエン、エチレン性不飽和カルボン
    酸およびこれらと共重合可能なその他の単量体の合計1
    00重量部を乳化共重合するにあたって、連鎖移動剤お
    よび、ニトロベンゼン、o−、m−、あるいはp−ジニ
    トロベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、フェニル
    アセチレンの群から選ばれる油溶性の重合反応抑制剤を
    使用することを特徴とする共重合体ラテックスの製造
    法。
JP17384891A 1991-07-15 1991-07-15 共重合体ラテックスの製造法 Expired - Fee Related JP3281632B2 (ja)

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