JP2965611B2 - 共重合体ラテックスの製造法 - Google Patents

共重合体ラテックスの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、紙塗工用、カーペットバッキング用、繊維
結合用あるいは粘接着剤用に供される新規共重合体ラテ
ックスの製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、合成共重合体ラテックスは、例えば紙塗工用バ
インダー、カーペットバックサイシング用バインダー、
不織布や人工皮革などの繊維結合用バインダー、あるい
は各種材料の粘接着剤などとして広く用いられている。
そして、共重合体ラテックスがこのような用途に用いら
れる場合、該共重合体ラテックスは接着強度が高く、か
つ耐水性、乾燥加熱による耐ブリスター性などに優れて
いることが要求される。
たとえば、塗工紙は、紙の印刷適性の向上および光沢
などの光学的特性の向上を目的として、抄造された原紙
表面に、カオリンクレー、炭酸カルシウム、サチンホワ
イト、タルク、酸化チタンなどの顔料、それらのバイン
ダーとしての共重合体ラテックスおよび保水剤あるいは
補助バインダーとしてのスターチ、ポリビニルアルコー
ル、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性高分子を
主構成成分とする塗料が塗工されたものであって、従来
からスチレンとブタジエンの主要単量体成分とし、これ
らを乳化重合して得られたスチレン−ブタジエン系共重
合体ラテックス、いわゆるSB系ラテックスが汎用的に用
いられている。
ところで、近年、カラー印刷された雑誌類やパンフレ
ット、広告類の需要の拡大に伴って塗工紙の生産が著し
く増大している。特に、オフセット印刷での高速印刷化
傾向に伴い、塗工紙および顔料バインダーの品質に対す
る要求水準もますます高度化しており、そのため、塗工
紙の品質の中でも特にインクピック抵抗性、いわゆるピ
ック強度の向上が強く求められている。しかも、このピ
ック強度性能は他の印刷物性、すなわち湿潤ピック強
度、耐ブリスター性、網点再現性などとは負の相関関係
にあるため、これらの諸物性を高水準にバランス化させ
る改良が一段と要求されている。
塗工紙のこれらの性質は、顔料バインダーとして用い
られるSB系ラテックスの設計に特に強く依存することか
ら、これまで該SBラテックスの性能について種々の検討
が加えられてきた。
たとえば、共重合体ラテックス皮膜のベンゼン、トル
エン、テトラヒドロフランなどの溶剤に対する不溶解部
分の割合がピック強度と耐ブリスター性の支配因子であ
ることが確認されていることから、この面より種々の検
討がなされており、具体的にはラテックス中の共重合体
の組成およびゲル分率を特定の範囲に調整することによ
り、優れた性能を発揮させることが提案されている(特
公昭59−3598号公報、特公昭60−17879号公報、特開昭5
8−4894号公報)。このラテックスのゲル分率は単量体
組成、重合温度をはじめとした様々な重合因子によって
変化するが、これを所望の水準に調整するには連鎖移動
剤を添加することが一般的かつ簡便である。この連鎖移
動剤として、従来はおもに四塩化炭素に代表されるハロ
ゲン化炭化水素、t−あるいはn−ドデシルメルカプタ
ンに代表されるアルキルメルカプタン、スルフィドなど
が使用されてきた。
しかしながら、一般に、SB系ラテックスにおいては、
塗工紙のピック強度はそのゲル分率が75〜95重量%の範
囲で最も高くなるのに対して、耐ブリスター性はゲル分
率の低いものほど良好となることが認められており、ピ
ック強度と耐ブリスター性の両方を同時に高い水準にま
で向上させるには、前記技術はいずれも十分に満足しう
るものではなかった。
さらに、オフセット印刷における湿潤ピック強度に最
適なブタジエン単位の分率は34重量%以下であり、ドラ
イピック強度の最適なブタジエン単位の分率とは相違す
るため、この両物性を同時に高い水準にすることは困難
であった。
以上のように従来の連鎖移動剤を使用する限りにおい
てオフセット印刷紙用のSBラテックスの耐ブリスター性
とピック強度バランス、湿潤ピック強度とドライピック
強度バランスを向上させることには限りがあった。
一方、グラビア印刷紙においては、良好な網点再現性
と塗工紙製造時の耐スーパーカレンダー汚れ適性がとく
に重要であり、たとえば特開昭56−70071号公報などに
グラビア印刷紙用として網点再現性の良好なバインダー
が開示されているが、これは高いブタジエン単位の分率
に設計されていることからくる耐スーパーカレンダー汚
れ適性の低下が避けられない。つまり従来の連鎖移動剤
を使用する限りにおいて網点再現性と耐スーパーカレン
ダー汚れ適性バランスを十分に満足しうる程度に改善さ
れるに至っていない。
一方、カーペットバックサイジング用接着剤は、一般
に共重合体ラテックスに炭酸カルシウムまたは水酸化ア
ルミニウム等の充填剤および増粘剤などの他の添加剤を
配合した組成物である。この接着剤組成物は、タフテッ
ドカーペット、ニードルパンチカーペットなどの製造に
おいて、主にパイル(ふさ糸)の脱落防止ならびにジュ
ートなどの二次基布との接着のために用いられる。した
がって、この場合カーペットの最重要物性である接着強
度の向上が当業界での最大の技術課題の一つであり、そ
のため、共重合体ラテックスおよび組成物の配合面から
の改良検討がなされているが、やはり従来の連鎖移動剤
を使用しているためにこれまで満足できる水準のものが
得られていないのが実状である。
他方、粘着剤は従来天然ゴムや合成ゴムなどを有機溶
剤に溶解し、基材に塗工して該有機溶剤を蒸発させるこ
とにより、製造されていたが、近年、火災の危険性や労
働衛生上の問題から、水を分散媒とするポリマー水分散
液(ラテックス)を利用する機運が高まり、ゴム−粘着
付与樹脂の組合せの水分散液が開発されつつある(特公
昭57−28545号公報、特開昭55−48270公報、特開昭58−
160378号公報、特開昭58−183771号公報)。この合成ゴ
ムラテックスと粘着付与樹脂とを含有する水分散液は、
20〜23℃の測定温度においては良好な粘着物性を示す
が、0℃の温度における粘着力については満足できる値
が得られていない。また、ゴムラテックスのポリマーの
みで粘着物性を得ることができるものも提案されている
(特開昭56−145909号公報、特開昭57−57707号公
報)。しかしながら、このものはポリエチレンに対する
接着力が極めて低いという欠点を有している。以上のよ
うに前記の連鎖移動剤を使用する限りにおいて、高温凝
集力、低温粘着力、ポリエチレン接着性のバランスを向
上させることは困難であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように、従来の連鎖移動剤を使用する従来技術で
は塗工紙の印刷のより一層の高速化に対応することがで
きず、高品質の塗工紙の製造を可能にするバインダーと
しての共重合体ラテックスの出現が強く求められている
のが現状である。また、カーペットならびに粘接着剤に
おいても同様に高接着力を有する共重合体ラテックスの
出現が望まれている。
また、従来の連鎖移動剤のなかには、重合反応後に多
量に残留するものもあり、面倒な回収操作を必要として
いた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、このような事情のもとで、印刷用塗工
紙におけるピック強度と他の性能とのバランスや、カー
ペットバックサイジングおよび粘接着剤における接着力
をより向上させるための高性能の共重合体ラテックスを
提供することを目的として種々検討を行った結果、連鎖
移動剤としてチオアルキルカルボン酸アルキルエステル
を用いて得られた共重合体ラテックスが、意外にも前記
目的が達せられることを見出してなされたものである。
即ち、本発明は、共役ジエン、エチレン性不飽和カル
ボン酸、これらと共重合可能なその他の単量体および連
鎖移動剤から乳化重合によりラテックスを合成する方法
において、連鎖移動剤として下記一般式 (ただし、HS−R1は2ないし6の炭素数を有するチオア
ルキル基を、R2は1ないし18の炭素数を有するアルキル
基を示す) で示されるチオアルキルカルボン酸アルキルエステルを
用いることを特徴とする共重合体ラテックスの製造法で
ある。
以下、本発明を詳細に説明する。
ラテックスのゲル分率を所望の水準に調整する方法
は、連鎖移動剤の添加が一般的かつ簡便であるが、本発
明の共重合体ラテックスを調製する乳化重合において
は、下記一般式 (ただし、HS−R1は2ないし6の炭素数を有するチオア
ルキル基を、R2は1ないし18の炭素数を有するアルキル
基を示す) で示されるチオアルキルカルボン酸アルキルエステルを
用いることを特徴とする。この例をあげるならば、チオ
プロピオン酸メチル、チオプロピオン酸エチル、チオプ
ロピオン酸プロピル、チオプロピオン酸ブチル、チオプ
ロピオン酸ペンチル、チオプロピオン酸ヘキシル、チオ
プロピオン酸ヘプチル、チオプロピオン酸オクチル、チ
オプロピオン酸ノニル、チオプロピオン酸デシル、チオ
プロピオン酸ウンデシル、チオプロピオン酸ドデシル、
チオプロピオン酸トリデシル、チオプロピオン酸テトラ
デシル、チオプロピオン酸ペンタデシル、チオプロピオ
ン酸ヘキサデシル、チオプロピオン酸ヘプタデシル、チ
オプロピオン酸オクタデシル、チオブタン酸メチル、チ
オブタン酸エチル、チオブタン酸プロピル、チオブタン
酸ブチル、チオブタン酸ペンチル、チオブタン酸ヘキシ
ル、チオブタン酸ヘプチル、チオブタン酸オクチル、チ
オブタン酸ノニル、チオブタン酸デシル、チオブタン酸
ウンデシル、チオブタン酸ドデシル、チオブタン酸トリ
デシル、チオブタン酸テトラデシル、チオブタン酸ペン
タデシル、チオブタン酸ヘキサデシル、チオブタン酸ヘ
プタデシル、チオブタン酸オクタデシル、チオペンタン
酸メチル、チオペンタン酸エチル、チオペンタン酸プロ
ピル、チオペンタン酸ブチル、チオペンタン酸ペンチ
ル、チオペンタン酸ヘキシル、チオペンタン酸ヘプチ
ル、チオペンタン酸オクチル、チオペンタン酸ノニル、
チオペンタン酸デシル、チオペンタン酸ウンデシル、チ
オペンタン酸ドデシル、チオペンタン酸トリデシル、チ
オペンタン酸テトラデシル、チオペンタン酸ペンタデシ
ル、チオペンタン酸ヘキサデシル、チオペンタン酸ヘプ
タデシル、チオペンタン酸オクタデシル、チオヘキサン
酸メチル、チオヘキサン酸エチル、チオヘキサン酸プロ
ピル、チオヘキサン酸ブチル、チオヘキサン酸ペンチ
ル、チオヘキサン酸ヘキシル、チオヘキサン酸ヘプチ
ル、チオヘキサン酸オクチル、チオヘキサン酸ノニル、
チオヘキサン酸デシル、チオヘキサン酸ウンデシル、チ
オヘキサン酸ドデシル、チオヘキサン酸トリデシル、チ
オヘキサン酸テトラデシル、チオヘキサン酸ペンタデシ
ル、チオヘキサン酸ヘキサデシル、チオヘキサン酸ヘプ
タデシル、チオヘキサン酸オクタデシル、チオヘプタン
酸メチル、チオヘプタン酸エチル、チオヘプタン酸プロ
ピル、チオヘプタン酸ブチル、チオヘプタン酸ペンチ
ル、チオヘプタン酸ヘキシル、チオヘプタン酸ヘプチ
ル、チオヘプタン酸オクチル、チオヘプタン酸ノニル、
チオヘプタン酸デシル、チオヘプタン酸ウンデシル、チ
オヘプタン酸ドデシル、チオヘプタン酸トリデシル、チ
オヘプタン酸テトラデシル、チオヘプタン酸ペンタデシ
ル、チオヘプタン酸ヘキサデシル、チオヘプタン酸ヘプ
タデシル、チオヘプタン酸オクタデシルなどである。該
チオアルキルカルボン酸アルキルエステルの好ましい使
用量は、単量体100重量部に対し0.05〜10.0重量部であ
り、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。また、こ
のチオアルキルカルボン酸アルキルエステルは他の周知
の連鎖移動剤と併用して使うこともできる。その他の連
鎖移動剤の例としては、t−ドデシルメルカプタン、n
−ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノールなどの
メルカプタン、ターピノーレン、ジペンテン、t−テル
ピネンおよび四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素を挙
げることができる。また連鎖移動剤の使用方法について
は周知のいずれの方法も用いることができる。すなわち
一括前添加方法、連続追加添加方法、断続追加添加方法
あるいは添加速度を順次変化させた濃度勾配型添加方法
などである。
ラテックス重合体は、共役ジエン、エチレン性不飽和
カルボン酸、およびこれらと共重合可能なその他の単量
体から構成される単量体を乳化重合させて得られる。
本発明に用いる共役ジエンとしては、ブタジエン、イ
ソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどがあり、
その好ましい使用量は、全単量体基準で20〜90重量%の
範囲である。塗工紙用共重合体ラテックスの場合、この
共役ジエンの更に好ましい使用量は28〜70重量%であ
る。
本発明に用いるエチレン性不飽和カルボン酸として
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの一塩
基性カルボン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸
などの二塩基性カルボン酸およびそのモノエステルなど
を挙げることができる。
エチレン性不飽和カルボン酸の好ましい使用量は0.1
〜20重量%であり、さらに好ましい使用量は0.5〜10重
量%の範囲である。
本発明に用いるその他の単量体としてもっとも代表的
かつ有効なものは、芳香族(ジ)ビニル化合物であり、
ついで(メタ)アクリル酸エステル、シアン化ビニル化
合物、エチレン性アミドモノマーなどである。
芳香族(ジ)ビニル化合物としては、スチレン、α−
メチルスチレン、クロロスチレン、アルキルスチレン、
ジビニルベンゼンなどがあげられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロ
ピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレートさらには、グリシジル
(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)
アクリレートなどがあげられる。
シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、
メタクリロニトリルなどがあげられる。
エチレン性アミドモノマーとしては、(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなど
があげられる。
さらにその他の単量体としては、酢酸ビニルのごとき
ビニルエステル、塩化ビニル、塩化ビニリデンのごとき
ハロゲン化ビニル、アミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエ
チルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのエチレン
性アミン単量体、スチレンスルホン酸ソーダなども用い
ることができる。これらの好ましい使用量は、0〜79.9
重量部である。
本発明の共重合体ラテックスの製造は、従来公知の通
常の乳化重合法によって製造することができる。すなわ
ち、共役ジエン、エチレン性不飽和カルボン酸、これら
と共重合可能なその他の単量体、連鎖移動剤、水、界面
活性剤、ラジカル重合開始剤、および必要ならばその他
の原料を基本構成とする分散系において、単量体を重合
体粒子の水分散液とする製造法で、一般的に重合体濃度
は40〜60重量%の範囲である。共重合体ラテックスの粒
子径は界面活性剤およびまたはシードラテックスの使用
割合によって調整することができ、概ねその使用割合を
高くするほど生成共重合体ラテックスの粒子径は小さく
なる。
ここで、粒子径の好ましい範囲は0.05〜1μmであ
り、さらに好ましくは0.07〜0.5μmである。
本発明に用いる界面活性剤としては、脂肪酸せっけ
ん、ロジン酸せっけん、アルキルスルホン酸塩、ジアル
キルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸
塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルアリール硫酸塩などのアニオン性界面活
性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシ
プロピレンブロックコポリマーなどのノニオン性界面活
性剤、カチオン性界面活性剤がある。界面活性剤は通
常、アニオン性界面活性剤単独またはアニオン性/ノニ
オン性の混合系で用いられ、単量体に対する使用割合と
しては0.05〜2重量%の範囲である。
本発明に用いる重合開始剤としては、熱または還元性
物質の存在下でラジカル分解して単量体の付加重合を開
始させるもので、水溶性または油溶性のペルオキソ二硫
酸塩、過酸化物、アゾビス化合物などが一般的に用いら
れる。その例としてはペルオキソ二硫酸カリウム、ペル
オキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウ
ム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、
過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスイソブチロニトリ
ル、クメンハイドロパーオキサイドなどがあり、特にペ
ルオキソ二硫酸塩が最も好ましくもちいられる。重合開
始剤の使用割合は、単量体に対して0.2〜1.5重量%であ
る。なお、重合温度は通常60〜90℃の範囲が一般的であ
るが、重合速度の促進あるいはより低温での重合を望む
ときには重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸あるいは
その塩、エリソルビン酸あるいはその塩、ロンガリット
などの還元剤を重合開始剤に組み合わせてもちいる、い
わゆるレドックス重合法を用いることができる。
また、所望によって種々の重合調整剤を添加すること
もしばしばおこなわれる。たとえば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム、リン酸水素二ナトリウムなどのpH調節剤やエチレ
ンジアミン四酢酸ナトリウムなどの各種キレート剤など
である。
本発明の共重合体ラテックスを紙塗工用塗料のバイン
ダーとして用いるにおいては通常の実施態様でおこなう
ことができる。すなわち、分散剤を溶解させた水中に無
機顔料および又は有機顔料、水溶性高分子、各種添加剤
とともに共重合体ラテックスを混合し、均一分散液とす
る態様である。そして、この塗料は各種ブレードコータ
ー、ロールコーターなど通常の方法によって原紙に塗工
することができる。
〔実施例〕
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
なお、各特性は次のようにして求めた。
(1) 共重合体ラテックスの性状 (イ)平均粒子径 光散乱法粒度分析計(シーエヌウッド社製、モデル6,
000)により共重合体ラテックスの平均粒子径を測定し
た。
(ロ)共重合体のゲル分率 ポリプロピレンフィルム上にNo.26ワイヤーバーで共
重合体ラテックスを均一に塗工し、50℃の乾燥機内で1
時間乾燥して皮膜を形成させた。
つぎに、この共重合体ラテックス皮膜を剥して、化学
天秤で約0.5gを精秤してから300mlのトルエンの入った
容器中に浸し、振とう器で室温にて6時間かくはんした
のち、内容物をあらかじめ精秤した網目45μmの金網で
ろ過する。その後50℃の乾燥器で2時間乾燥させ、次式
によってゲル分率を求める。
(2) 紙塗工性能 (イ)耐ブリスター性 RI印刷試験機(明製作所製)を用いて塗工紙の両面を
印刷インク(Webb Zett黄、大日本インク社製)0.3mlを
べた刷りする。この印刷された塗工紙を適当な大きさに
裁断し、その試験片を所定の温度に調整したシリコンオ
イル恒温槽に浸してブリスターが発生するか否かを観察
する。恒温槽の温度を変化させてこの試験をおこない、
ブリスターの発生が認められる最低温度を求める。この
温度が高いものほど耐ブリスター性に優れる。
(ロ)ドライピック強度 RI印刷試験機を用いて、印刷インク(SDスーパーデラ
ックス50紅B;タック値18、東華色素社製)0.4ml5回重ね
刷りをおこない、ゴムロールに現れたピッキング状態を
別の台紙に裏取りし、その程度を観察する。評価は10点
評価法でおこない、ピッキング現象の少ないものほど高
得点とした。
(ハ)湿潤ピック強度 RI印刷試験機を用いて、塗工紙表面を吸水ロールで湿
してから、印刷インク(SDスーパーデラックス50紅B;タ
ック値18、東華色素社製)0.4ml1回刷りをおこない、ゴ
ムロールに現れたピッキング状態を別の台紙に裏取り
し、その程度を観察する。評価は10点評価法でおこな
い、ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。
(ニ)網点再現性 大蔵省式グラビア試験機を用いて印刷し、網点の欠落
率を計数した。評価は10点評価法でおこない、欠落率の
小さいものほど高得点とした。
(ホ)耐スーパーカレンダー汚れ適性 スーパーカレンダー処理前の塗工紙の塗工面の黒ラシ
ャ紙とを重ねて、由利ロール社製スーパーカレンダーロ
ールを用い、60℃・200kg/cmの条件にて5回通紙処理す
る。その後塗工紙と黒ラシャ紙とをひきはがし、黒ラシ
ャ紙表面への塗工層の転移度合を観察する。評価は10点
評価法でおこない、転移の少ないものほど高得点とし
た。
(3) カーペットバックサイジング性能 剥離強度および抜糸強度 JIS L−1021に準拠して求めた。平均値の高いものほ
ど優れる。
(4) 粘着剤性能 (イ)高温凝集力 ステンレス板に、粘着試料を25mm×25mmの大きさで2k
gのローラーを1往復させて貼りつけ、接着面を引張試
験機の引張方向と平行にセットし、40℃の雰囲気下、2m
m/minの速度でセン断力を測定した。
(ロ)低温粘着力 幅25mm、長さ250mmの粘着試料の粘着層を表にして輪
(ループ)をつくり、0℃の雰囲気下、500mm/minの速
度で段ボール表面にほとんど圧力無しの状態で接触させ
る。接触してから3秒後、同じく500mm/minの速度で引
きはがす時の剥離接着強度を測定した。
(ハ)PE接着力 23℃の雰囲気下において、添加剤を含有していない低
密度ポリエチレン板に幅25mmの粘着試料を2kgのローラ
ーで1往復して貼り合わせ、貼り付けてから20分経過
後、500mm/minの速度で180゜ピール強度を測定した。
実施例1〜20および比較例1〜10 直径0.04μmのシード粒子の水性分散液(シード固形
分濃度25重量%)4重量部を、かくはん装置と温度調節
用ジャケットを取り付けた耐圧反応容器に入れ、さらに
水70重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.2重量部、イタ
コン酸2.5重量部を仕込み、内温を80℃に昇温し、つい
で第1表に示すモノマーおよび連鎖移動剤からなる油性
混合液と、水15重量部、ペルオキソ二硫酸ナトリウム1
重量部、水酸化ナトリウム0.2重量部、ラウリル硫酸ナ
トリウム0.1重量部からなる水溶液とをそれぞれ4時間
および5時間をかけて一定の流速で添加した。そして80
℃の温度をそのまま1時間保ったのち冷却し、ついで生
成した共重合体ラテックスを水酸化ナトリウムでpHを7
に調整してからスチームストリッピング法により未反応
の単量体および連鎖移動剤を除去し、網目75μmのろ布
でろ過した。なお、すべての共重合体ラテックスは最終
的に固形分濃度が50重量%になるように調整した。
これらの共重合体ラテックスの平均粒子径とゲル分率
を第1表に示す。
応用例1 実施例1〜12および比較例1〜6で調整した共重合体
ラテックスについて、紙塗工用バインダーとしての性能
評価をおこなった。その結果を第4表に示す。
なお、塗工塗料は第2表に示す配合で、不揮発分濃度
が63重量%になる水量で高速かくはん機で調製した。塗
料のpHはアンモニア水で9.0に調整した。この塗料を用
いての塗工紙の調製条件を第3表に示す。
応用例2 実施例13〜16および比較例7〜8で調製した共重合体
ラテックスについて、カーペットバックサイジング用バ
インダーとしての性能評価をおこなった。その結果を第
7表に示す。
なお、接着塗料は第5表に示す配合で、不揮発分濃度
が70重量%になる水量で高速かくはん機で調製した。こ
の塗料をもちいてのカーペットの調製条件を第6表に示
した。
応用例3 実施例17〜20および比較例9〜10で調製した共重合体
ラテックスについて、粘着剤としての性能を評価した。
その結果を第8表に示す。
粘着試料は、以下に示す方法により作成した。得られ
た共重合体ラテックスに、ポリアクリル酸ナトリウム約
0.5重量部を添加して粘度を約10,000cpsに調製し、剥離
紙上に約45ドライg/m2の塗工量で均一に塗工後、120℃
の熱風で2.5分乾燥した。得られた剥離紙上の乾燥塗膜
を延伸したポリプロピレンフィルム(厚さ約80μm)の
コロナ放電処理面に圧着させ、乾燥塗膜を該ポリプロピ
レンフィルムに転写したものを粘着試料とした。粘着試
料は温度23℃、相対温度65%の条件下で1週間養生後、
粘着物性について測定した。
〔発明の効果〕 本発明によると、(ア)印刷塗工紙におけるピック強
度と他の性能とのバランスや、(イ)カーペットバック
サイジングおよび粘接着剤における接着力をより向上さ
せうる高性能の共重合体ラテックスを得ることができ、
また(ウ)残留連鎖移動剤の回収操作が不要となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 2/00 - 2/60

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共役ジエン、エチレン性不飽和カルボン
    酸、これらと共重合可能なその他の単量体及び連鎖移動
    剤から乳化重合によりラテックスを合成する方法におい
    て、連鎖移動剤として下記一般式 (ただし、HS−R1は2ないし6の炭素数を有するチオア
    ルキル基を、R2は1ないし18の炭素数を有するアルキル
    基を示す) で示されるチオアルキルカルボン酸アルキルエステルを
    用いることを特徴とする共重合体ラテックスの製造法
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