JP3136181B2 - 共重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents

共重合体ラテックスの製造方法

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JP3136181B2 JP03345755A JP34575591A JP3136181B2 JP 3136181 B2 JP3136181 B2 JP 3136181B2 JP 03345755 A JP03345755 A JP 03345755A JP 34575591 A JP34575591 A JP 34575591A JP 3136181 B2 JP3136181 B2 JP 3136181B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オフセット輪転印刷、
オフセット枚葉印刷、グラビア印刷および板紙その他の
塗工紙の塗工用、カーペットバッキング用、繊維結合用
あるいはその他一般の粘接着剤用に供される新規共重合
体ラテックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合成共重合体ラテックスは、例え
ば紙塗工用バインダー、カーペットバックサイシング用
バインダー、不織布や人工皮革などの繊維結合用バイン
ダー、あるいは各種材料の粘接着剤などとして広く用い
られている。そして、共重合体ラテックスがこのような
用途に用いられる場合、該共重合体ラテックスは接着強
度が高く、かつ耐水性、乾燥加熱による耐ブリスター性
などに優れていることが要求される。
【0003】たとえば、塗工紙は、紙の印刷適性の向上
および光沢などの光学的特性の向上を目的として、抄造
された原紙表面に、カオリンクレー、炭酸カルシウム、
サチンホワイト、タルク、酸化チタンなどの顔料、それ
らのバインダーとしての共重合体ラテックスおよび保水
剤あるいは補助バインダーとしてのスターチ、ポリビニ
ルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶
性高分子を主構成成分とする塗料が塗工されたものであ
って、従来からスチレンとブタジエンを主要単量体成分
とし、これらを乳化重合して得られたスチレン−ブタジ
エン系共重合体ラテックス、いわゆるSB系ラテックス
が汎用的に用いられている。
【0004】ところで、近年、カラー印刷された雑誌類
やパンフレット、広告類の需要の拡大に伴って塗工紙の
生産が著しく増大している。特に、オフセット輪転印刷
の高速印刷化傾向に伴い、塗工紙および顔料バインダー
の品質に対する要求水準もますます高度化しており、中
でも特に塗工紙の表面強度すなわちドライピックとウェ
ットピック、印刷時の耐ブリスター性および平滑性など
の向上が要求されている。また一方塗工紙そのものの製
造も高速化しており、その主な障害であるロール汚れ性
の改良、即ち、べたつき性の減少もまた要求されてい
る。これらの物性は互いに負の相関関係にあるものが多
く、高水準にバランス化させる改良が一段と要求されて
いる。
【0005】塗工紙のこれらの性質は、顔料バインダー
として用いられるSB系ラテックスの設計に特に強く依
存することから、これまで該SBラテックスの性能につ
いて種々の検討が加えられてきた。たとえば、共重合体
ラテックス皮膜のベンゼン、トルエン、テトラヒドロフ
ランなどの溶剤に対する不溶解部分の割合がピック強度
と耐ブリスター性の支配因子であることが確認されてい
ることから、この面より種々の検討がなされており、具
体的にはラテックス中の共重合体の組成およびゲル分率
を特定の範囲に調整することにより、優れた性能を発揮
させることが提案されている(特公昭59−3598号
公報、特公昭60−17879号公報、特開昭58−4
894号公報)。このラテックスのゲル分率は単量体組
成、重合温度をはじめとした様々な重合因子によって変
化するが、これを所望の水準に調整する方法は連鎖移動
剤の添加が一般的かつ簡便である。連鎖移動剤として、
従来から四塩化炭素に代表されるハロゲン化炭化水素、
t−あるいはn−ドデシルメルカプタンに代表されるア
ルキルメルカプタン、スルフィドなどが使用されてき
た。また特定の連鎖移動剤としてターピノーレン、α−
メチルスチレンダイマー(α−メチルスチレンの二量
体)などを使用することも提案されている(米国特許2
922781、特開平3−109451)。
【0006】しかしながら、一般的には塗工紙のドライ
ピックやべた付き性はSB系ラテックスにおいてそのゲ
ル分率が高い物ほど良好になるのに対して、耐ブリスタ
ー性はゲル分率の低いものほど良好となることが認めら
れており、またウェットピックに最適なゲル分率も別に
存在する。ピック強度、べたつき性、耐ブリスター性お
よび平滑性などを同時に高い水準にまで向上させるに
は、前記技術はいずれも十分に満足しうるものではなか
った。
【0007】一方、カーペットバックサイジング用接着
剤は、一般に共重合体ラテックスに炭酸カルシウムまた
は水酸化アルミニウム等の充填剤および増粘剤などの他
の添加剤を配合した組成物である。この接着剤組成物
は、タフテッドカーペット、ニードルパンチカーペット
などの製造において、主にパイル(ふさ糸)の脱落防止
ならびにジュートなどの二次基布との接着のために用い
られる。したがって、この場合カーペットの最重要物性
である接着強度の向上が当業界での最大の技術課題の一
つであり、そのため、共重合体ラテックスおよび組成物
の配合面からの改良検討がなされているが、これまで満
足できる水準のものが得られていないのが実状である。
【0008】他方、粘着剤は従来天然ゴムや合成ゴムな
どを有機溶剤に溶解し、基材に塗工して該有機溶剤を蒸
発させることにより、製造されていたが、近年、火災の
危険性や労働衛生上の問題から、水を分散媒とするポリ
マー水分散液(ラテックス)を利用する機運が高まり、
ゴム−粘着付与樹脂の組合せの水分散液が開発されつつ
ある(特公昭57−28545号公報、特開昭55−4
8270号公報、特開昭58−160378号公報、特
開昭58−183771号公報)。この合成ゴムラテッ
クスと粘着付与樹脂とを含有する水分散液は、ラテック
スの固形分100重量部に対し、粘着付与樹脂50〜1
00重量部を加えた組成が一般的であって、20〜23
℃の測定温度においては良好な粘着物性を示すが、0℃
の温度における粘着力については満足できる値が得られ
ていない。また、粘着付与樹脂が存在しなくともゴムラ
テックスのポリマーのみで粘着物性を得ることができる
ものも提案されている(特開昭56−145909号公
報、特開昭57−57707号公報)。しかしながら、
このものはポリエチレンに対する接着力が極めて低いと
いう欠点を有している。
【0009】また別に、α−メチルスチレンの二量体の
存在下に重合体を製造することも提案されている(特開
平3−109451)。しかし、これにより製造された
共重合体は耐熱黄変性が改良されないという欠点があっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来技術
では塗工紙の印刷のより一層の高速化に対応することが
できず、高品質の塗工紙の製造を可能にするバインダー
としての共重合体ラテックスの出現が強く求められてい
るのが現状である。また、カーペットならびに粘接着剤
においても同様に高接着力を有する共重合体ラテックス
の出現が望まれている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような事
情のもとで、印刷用塗工紙におけるピック強度、耐ブリ
スター性とべた付き性とのバランスをより向上させるた
めの高性能の共重合体ラテックスを提供することを目的
として種々検討を行った結果、共役ジエン、エチレン性
不飽和カルボン酸およびこれらと共重合可能なその他の
単量体の乳化重合にあたって、1−メチル置換ビニル化
合物の二量体を重合調整剤として使用することにより、
得られた共重合体ラテックスが、意外にも前記の目的が
達せられたものであることを見いだしてなされたもので
ある。
【0012】すなわち、本発明の請求項1は、共役ジエ
ン、エチレン性不飽和カルボン酸およびこれらと共重合
可能なその他の単量体の乳化共重合にあたって、全単量
体100重量部に対して0.1ないし10重量部の下記
1〜4式で表されるメタクリル酸メチル系化合物の二量
体およびまたはメタクリロニトリル系化合物の二量体
重合調整剤として使用することを特徴とする共重合体ラ
テックスの製造方法である。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
重合調整剤は下記1、2、3、4式に示すメタクリル酸
メチル系化合物の二量体、メタクリロニトリル系化合物
の二量体ある。
【0014】
【化2】
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】該重合調整剤の配合重量は、全単量体10
0重量部に対し0.1ないし10重量部であることが必
須である。この範囲において本発明の効果である強度の
発現が良好に発揮される。さらに好ましい配合量は0.
2ないし5重量部である。共重合体ラテックスは共役ジ
エン、エチレン性不飽和カルボン酸、およびこれらと共
重合可能なその他の単量体を乳化共重合させて得られ
る。
【0019】共役ジエン(イ)としては、ブタジエン、
イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどがあ
る。その使用量は全単量体基準で20〜90重量%の範
囲であることが望ましい。さらに塗工紙用共重合体ラテ
ックスの場合、この共役ジエンの一層好ましい量の範囲
は20〜70重量%である。エチレン性不飽和カルボン
酸(ロ)は0.5〜10重量%の範囲であることが好ま
しい。0.5重量%未満ではラテックスの分散安定性を
高い水準で保つことができず、塗料調製や塗工時に種々
問題を発生してしまう。また、ピック強度も劣る。10
重量%を超えて含ませるとラテックスや塗料の粘度が高
くなり過ぎ、また耐水性も損なわれることになる。エチ
レン性不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸などの一塩基性カルボン酸、イ
タコン酸、マレイン酸、フマール酸などの二塩基性カル
ボン酸およびそのモノエステルなどを挙げることができ
る。この中でも二塩基性カルボン酸が、重合体ラテック
スに高い安定性を与えることができ、また本発明の効果
を良好に発揮できて好ましい。その他の単量体(ハ)の
例のなかでもっとも代表的かつ有効にもちいられるのは
芳香族(ジ)ビニル化合物であり、ついで(メタ)アク
リル酸エステル、シアン化ビニル化合物、エチレン性ア
ミドモノマーなどである。
【0020】芳香族(ジ)ビニル化合物としては、スチ
レン、α‐メチルスチレン、クロロスチレン、アルキル
スチレン、ジビニルベンゼンなどがあげられる。(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2ー
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレートさらには、グリシジル(メタ)
アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ートなどがあげられる。
【0021】シアン化ビニル化合物としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどがあげられる。エチ
レン性アミドモノマーとしては、(メタ)アクリルアミ
ド、Nーメチロール(メタ)アクリルアミドなどがあげ
られる。そのほかに、酢酸ビニルのごときビニルエステ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデンのごときハロゲン化ビ
ニル、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレートなどのエチレン性アミンモノマ
ー、スチレンスルホン酸ソーダなどを例示することがで
きる。
【0022】また本発明では既知の連鎖移動剤を用いる
ことができる。例をあげれば、硫黄元素を含む連鎖移動
剤として、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメ
ルカプタンなどのアルカンチオール:メルカプトエタノ
ール、メルカプトプロパノールなどのチオアルキルアル
コール:チオグリコール酸、チオプロピオン酸などのチ
オアルキルカルボン酸:チオグリコール酸オクチルエス
テル、チオプロピオン酸オクチルエステルなどのチオカ
ルボン酸アルキルエステル:ジメチルスルフィド、ジエ
チルスルフィドなどのスルフィドなどがあげられる。上
記の硫黄元素を含む連鎖移動剤の好ましい例としてはチ
オアルキルカルボン酸アルキルエステルがあげられる。
その他に、連鎖移動剤の例としては、α−アルキルスチ
レンの二量体、ターピノーレン、ジペンテン、t-テルピ
ネンおよび四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素を挙げ
ることができる。
【0023】これら連鎖移動剤の使用量は、重合調整剤
のの使用量にもよるが、充分な接着強度を発揮できるよ
うな分子量の共重合体ができるように調節しなければな
らない。また、これら連鎖移動剤の使用方法については
周知のいずれの方法も用いることができる。すなわち一
括前添加方法、連続追加添加方法、断続追加添加方法あ
るいは添加速度を順次変化させた濃度勾配型添加方法な
どである。これらの添加方法のうち、連鎖移動剤の一部
を単量体の添加終了後も連続的に添加する方式が、本発
明の効果を最も良好に発揮し、好ましく用いられる。
【0024】次に製造法について述べる。本発明の製造
法は、水、界面活性剤、単量体、ラジカル重合開始剤、
および必要ならばその他の原料を基本構成成分とする分
散系において、これらの原料をラジカル乳化重合によっ
て共重合体粒子の水分散液とする製造法である。一般的
に共重合体濃度は40〜60重量%の範囲である。共重
合体ラテックスの粒子径は界面活性剤およびまたはシー
ドラテックスの使用割合によって調整することができ、
概ねその使用割合を高くするほど生成共重合体ラテック
スの粒子径は小さくなる。ここで、粒子径の好ましい範
囲は0.05〜1μmでありさらに好ましくは0.07
〜0.5μmである。
【0025】界面活性剤としては、脂肪酸せっけん、ロ
ジン酸せっけん、アルキルスルホン酸塩、ジアルキルア
リールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルアリール硫酸塩などのアニオン性界面活性剤、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレ
ンブロックコポリマーなどのノニオン性界面活性剤、カ
チオン性界面活性剤がある。これら界面活性剤の他の例
としては、「界面活性剤ハンドブック(高橋、難波、小
池、小林:工学図書、1972)」に記載されているも
のなどがあげられる。界面活性剤は通常、アニオン性界
面活性剤単独またはアニオン性/ノニオン性の混合系で
用いられ、単量体に対する使用割合としては0.05〜
2重量%の範囲が好ましく用いられる。
【0026】重合開始剤としては、熱または還元性物質
の存在下でラジカル分解して単量体の付加重合を開始さ
せるもので、水溶性または油溶性のペルオキソ二硫酸
塩、過酸化物、アゾビス化合物などが一般的に用いられ
る。その例としてはペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオ
キソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウ
ム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、
過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスイソブチロニトリ
ル、クメンハイドロパーオキサイドなどがあり、また他
に、「POLYMER HANDOOOK 3rd E
d.(J.Brandrup,E.H.Immergu
t:John Willy & Sons,198
9)」に記載されている化合物があげられる。この中で
も特にペルオキソ二硫酸塩が本発明の効果を良好に発揮
し、最も好ましく用いられる。重合開始剤の使用割合は
単量体に対して通常0.2〜2.0重量%である。な
お、重合温度は通常60〜90℃の範囲が一般的である
が、重合速度の促進あるいはより低温での重合を望むと
きには重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸あるいはそ
の塩、エリソルビン酸あるいはその塩、ロンガリットな
どの還元剤を重合開始剤に組み合わせて用いる、いわゆ
るレドックス重合法を用いることができる。
【0027】また、所望によって種々の重合調整剤を添
加することもしばしばおこなわれる。たとえば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナト
リウムなどのpH調節剤やエチレンジアミン四酢酸ナト
リウムなどの各種キレート剤などである。本願の請求項
3でいうクレーおよびまたは炭酸カルシウムを主成分と
した無機顔料とは、クレーおよび炭酸カルシウムの体積
分率の和が無機顔料総体積の60%以上を占めるものを
いう。60%以下では本発明の効果が良好に発揮されな
い。またその他の無機顔料として水酸化アルミニウム、
酸化チタン、サチンホワイト、タルク、活性白土などを
無機顔料総体積中40%まで必要に応じ使用することも
できる。無機顔料に加えてポリスチレン粒子などのプラ
スチックピグメントを併用することも本発明の望ましい
実施態様である。
【0028】本発明の共重合体ラテックスを紙塗工用塗
料のバインダーとして用いるにおいては通常の実施態様
で行うことができる。すなわち、分散剤を溶解させた水
中に無機顔料およびあるいは有機顔料、水溶性高分子、
各種添加剤と共に共重合体ラテックスを混合し、均一分
散液とする態様である。そして、この塗料は各種ブレー
ドコーター、ロールコーターなど通常の方法によって原
紙に塗工することができる。
【0029】また本発明の共重合体ラテックスをカーペ
ット裏打ち用接着剤として用いる場合にも通常の実施態
様で行うことができる。
【0030】
【実施例】次に、実施例および応用例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってな
んら限定されるものではない。
【0031】
【実施例1〜6及び比較例1〜6】:共重合体ラテック
スの調製 直径0.035μmのシード粒子の水性分散体(シード
固形分濃度30重量%)3重量部を、攪拌装置と温度調
節用ジャケットを取り付けた耐圧反応容器に入れ、さら
に水70重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.2重量
部、イタコン酸2.5重量部を仕込み、内温を80℃に
昇温し、ついでモノマー、重合調整剤および連鎖移動剤
からなる油性混合液と、水15重量部、ペルオキソ二硫
酸ナトリウム1重量部、水酸化ナトリウム0.2重量
部、ラウリル硫酸ナトリウム0.1重量部からなる水溶
液とをそれぞれ4時間および5時間をかけて一定の流速
で添加した。そして80℃の温度をそのまま2時間保っ
たのち冷却し、次いで生成した共重合体ラテックスのp
Hが8となるように表1、2及び3に示す量の水酸化カ
リウムと適量の水酸化ナトリウムを添加した。これをス
チームストリッピング法により未反応の単量体等を除去
し、網目75μmのろ布でろ過した。なお、全ての共重
合体ラテックスは最終的に固形分濃度が50重量%にな
るように調整した。原料の詳細および重合中の安定性
(微細凝固物の発生程度)を表1、2および3に示す。
ただし実施例に用いた二量体は前記1、2、3および4
式に示す化合物の混合体である。また比較例に用いたα
−メチルスチレンの二量体はノフマーMSD(日本油脂
株式会社製)である。(実施例1〜2・比較例1〜2:
表1、実施例3〜4・比較例3〜4:表2、実施例5〜
6・比較例5〜6:表3)
【0032】
【応用例1】:紙塗工用バインダーへの性能評価 実施例、比較例で調製した共重合体ラテックスについ
て、紙塗工用バインダーとしての性能評価を行った。そ
の結果を表6に示す。なお、塗工塗料は表4に示す配合
で、不揮発分濃度が64重量%になる水量で高速攪拌機
で調製した。塗料のpHはアンモニア水で9.0に調整
した。この塗料を用いての塗工紙の調製条件を表5に示
す。又、ラテックス及び塗工紙の性能評価は、以下の方
法により行った。(表4の通り配合、表5の条件で実
施) (イ)べたつき性 ラテックスをPETフィルム上にNo.16ロッド(熊
谷理機工業株式会社製:直径12.7mmのステンレス
製丸棒にワイヤーを巻き36.6μm湿厚みの薄膜を塗
布するワイヤーバー)により塗布し、50℃・1時間加
熱して皮膜を作成する。この皮膜と黒ラシャ紙を合わせ
ベンチスーパーカレンダーにより200kg/m・70
℃条件下で圧着させる。これを引き剥がして黒ラシャ紙
のラテックス皮膜への転写の程度を目視判定し、十段階
に評価する(点数高が良)。
【0033】(ロ)耐熱黄変性 前記(イ)項と同じ条件でラテックス皮膜を作成する。
これを250℃の熱風循環乾燥器にて5時間処理し、黄
変の程度を目視判定し、五段階に評価する(点数高が
良)。 (ハ)耐ブリスター性 RI印刷試験機(明製作所製)を用いて塗工紙の両面を
印刷インク(WebbZett黄、大日本インク社製)
0.3ccをべた刷りする。この印刷された塗工紙を適
当な大きさに裁断し、その試験片を所定の温度に調整し
たシリコンオイル恒温槽に浸してブリスターが発生する
か否かを観察する。恒温槽の温度を変化させてこの試験
を行ない、ブリスターの発生が認められる最低温度を求
める。この温度が高いものほど耐ブリスター性に優れ
る。
【0034】(ニ)ドライピック強度 RI印刷試験機を用いて、印刷インク(SDスーパーデ
ラックス50紅B;タック値18、東華色素社製)0.
4cc5回重ね刷りを行ない、ゴムロールに現れたピッ
キング状態を別の台紙に裏取りし、その程度を観察す
る。評価は10点評価法で行ない、ピッキング現象の少
ないものほど高得点とした。
【0035】(ホ)湿潤ピック強度 RI印刷試験機を用いて、塗工紙表面を吸水ロールで湿
してから、印刷インク(SDスーパーデラックス50紅
B;タック値18、東華色素社製)0.4cc1回刷り
を行ない、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の台
紙に裏取りし、その程度を観察する。評価は10点評価
法で行ない、ピッキング現象の少ないものほど高得点と
した。
【0036】表6から、本発明の共重合体ラテックスを
バインダーとして用いた塗工紙は耐ブリスター性とべた
付き性とが高度にバランスされたものであることが理解
される。
【0037】
【応用例2】:カーペットバックサイジング用バインダ
ーへの性能評価 前記、実施例及び比較例で調製した共重合体ラテックス
について、カーペットバックサイジング用バインダーと
しての性能評価を行った。その結果を表9に示す。な
お、接着塗料は表7に示す配合で、不揮発分濃度が70
重量%になる水量で高速かくはん機で調製した。この塗
料を用いてのカーペットの調製条件を表8に示した。ま
た、カーペットバックサイジング性能である剥離強度お
よび抜糸強度の測定は、JIS L−1021に準拠し
た。平均値の高いものほど優れる。
【0038】表9から、本発明の共重合体ラテックスを
バインダーとして用いたカーペットは剥離強度と抜糸強
度が高度に向上したものであることがわかる。(表7の
通り配合、表8の条件で実施)
【0039】
【応用例3】:粘着剤としての性能評価 実施例、比較例で調製した共重合体ラテックスについ
て、粘着剤としての性能を評価した。その結果を表10
に示す。粘着試料は、以下に示す方法により作成した。
得られた共重合体ラテックスに、ポリアクリル酸ナトリ
ウム約0.5重量部を添加して粘度を約10,000c
psに調整し、剥離紙上に約45ドライg/m2 の塗工
量で均一に塗工後、120℃の熱風で2.5分乾燥し
た。得られた剥離紙上の乾燥塗膜を延伸したポリプロピ
レンフィルム(厚さ約80μm)のコロナ放電処理面に
圧着させ、乾燥塗膜を該ポリプロピレンフィルムに転写
したものを粘着試料とした。粘着試料は温度23℃、相
対温度65%の条件下で1週間養生後、粘着物性につい
て測定した。また、粘着剤性能は以下の方法により測定
した。(表3の組成のもの) (ホ)高温凝集力 ステンレス板に、粘着試料を25mm×25mmの大き
さで2kgのローラーを1往復させて貼りつけ、接着面
を引張試験機の引張方向と平行にセットし、40℃の雰
囲気下、2mm/分の速度で剪断力を測定した。
【0040】(ヘ)低温粘着力 幅25mm、長さ250mmの粘着試料の粘着層を表に
して輪(ループ)をつくり、0℃の雰囲気下、500m
m/minの速度で段ボール表面にほとんど圧力無しの
状態で接触させる。接触してから3秒後、同じく500
mm/minの速度で引き剥がす時の剥離接着強度を測
定した。
【0041】(ト)PE接着力 23℃の雰囲気下において、添加剤を含有していない低
密度PE板に幅25mmの粘着試料を2kgのローラー
で1往復して貼り合わせ、貼り付けてから20分経過
後、500mm/minの速度で180°ピール強度を
測定した。表10から、本発明の共重合体ラテックスを
用いた粘着剤試料は高温凝集力、低温粘着力とPE接着
力が高度に向上したものであることがわかる。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【表7】
【0049】
【表8】
【0050】
【表9】
【0051】
【表10】
【0052】
【発明の効果】本発明によると、印刷塗工紙におけるピ
ック強度と他の性能とのバランスを向上させ、あるいは
またカーペットバックサイジング及び粘接着剤における
接着力をより向上させうる高性能の共重合体ラテックス
を容易に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−109451(JP,A) 特開 平5−140207(JP,A) 特開 平4−332701(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/60

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエン、エチレン性不飽和カルボン
    酸およびこれらと共重合可能なその他の単量体の乳化共
    重合にあたって、全単量体100重量部に対して0.1
    ないし10重量部の下記1〜4式で表されるメタクリル
    酸メチル系化合物の二量体およびまたはメタクリロニト
    リル系化合物の二量体を重合調整剤として使用すること
    を特徴とする共重合体ラテックスの製造方法。 【化1】
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