JP4669210B2 - 印刷用基材に用いられるコーティング剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂を含有するコーティング剤組成物に関し、さらに詳しくは、紙等の基材にコーティングしたときに、蛍光増白効果を有しながら、表面強度、高速塗工性及び光沢性の向上が期待できる、印刷用基材に用いられるコーティング剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリビニルアルコール系樹脂は、分散剤、接着剤、糊剤、フィルム、紙加工剤等に多用されており、かかる紙加工剤用途においては、一般紙のサイジング剤、或いは表面コーティング剤、内添剤(歩留まり向上剤)等に利用され、また、感熱記録紙の感熱層のバインダーやオーバーコート層にも活用されている。
【0003】
一方、紙加工用途においては、紙の表面の白色度を向上させるために、蛍光増白剤を配合したコーティング剤が知られている。
【0004】
例えば、助バインダーとしてポリビニルアルコール系樹脂を用いてそれに特定の蛍光増白剤を配合したり(例えば、特許文献1参照。)、あるいは特定の蛍光増白剤の保護コロイドとしてポリビニルアルコール系樹脂が用いられたり(例えば、特許文献2参照。)している。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−322697号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平8−209013号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のいずれの特許文献に記載のコーティング組成物も、蛍光増白剤に特徴を有するもので、蛍光増白効果は認められるものの、コーティングされた紙の表面強度や高速塗工性と光沢性との関係については充分に考慮されていない。
【0008】
最近の市場からは、紙の高級化に伴い高い蛍光増白度および光沢度の大きい紙が求められると同時に、印刷機の高速化に伴う紙のさらなる表面強度やコーティング剤の高速塗工性も求められるようになってきた。
【0009】
【問題を解決する手段】
そこで、本発明者がかかる事情に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)、蛍光増白剤(B)及び無機顔料(C)を含有してなり、アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)1重量部に対して、無機顔料(C)を40〜200重量部含有するコーティング剤組成物が、上記の目的を達成できることを見出して本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明においては、アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)1重量部に対して、蛍光増白剤(B)を0.1〜5重量部配合すること、あるいはアニオン基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)がカルボン酸基含有ポリビニルアルコール系樹脂またはスルホン酸基含有ポリビニルアルコール系樹脂であること、アニオン基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)が酸基含有エチレン性不飽和単量体とビニルエステル系化合物の共重合体ケン化物であること、さらには、アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)のケン化度が70〜99モル%であること、さらに、アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)1重量部に対して、ラテックス系バインダー(D)を1〜5重量部含有させることが、本発明の好ましい実施態様である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0012】
本発明に用いるアニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等のアニオン性基を有するポリビニルアルコール系樹脂を挙げることができ、好適には、カルボキシル基またはスルホン酸基を有するポリビニルアルコール系樹脂、すなわち、カルボキシル基含有ポリビニルアルコール系樹脂あるいはスルホン酸基含有ポリビニルアルコール系樹脂が用いられる。
【0013】
かかるカルボキシル基含有ポリビニルアルコール系樹脂は以下の方法で製造することができる。
【0014】
例えば、▲1▼カルボキシル基を有する不飽和単量体とビニルエステル系化合物を共重合した後にケン化する方法、▲2▼カルボキシル基を有するアルコールやアルデヒドあるいはチオール等を連鎖移動剤として共存させてビニルエステル系化合物を重合した後にケン化する方法等を挙げることができ、これらについてより具体的に説明するが、本発明ではこれらに限定されるものではない。
【0015】
▲1▼カルボキシル基を有する不飽和単量体とビニルエステル系化合物を共重合した後にケン化する方法。
【0016】
このときのカルボキシル基を有する単量体として、エチレン性不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等)、又はエチレン性不飽和ジカルボン酸モノエステル(マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等)、又はエチレン性不飽和ジカルボン酸ジエステル(マレイン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル等)〔但し、これらのジエステルは共重合体のケン化時に加水分解によりカルボキシル基に変化することが必要である〕、又はエチレン性不飽和カルボン酸無水物(無水マレイン酸、無水イタコン酸等)、あるいはエチレン性不飽和モノカルボン酸〔(メタ)アクリル酸、クロトン酸等〕等の単量体、及びそれらの塩が挙げられ、その中でも特にイタコン酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸塩、無水マレイン酸が好適に使用され、更には、イタコン酸、マレイン酸モノアルキルエステルが最も好適に使用される。
【0017】
▲2▼カルボキシル基を有するアルコールやアルデヒドあるいはチオール等を連鎖移動剤として共存させてビニルエステル系化合物を重合した後にケン化する方法。
【0018】
このときは、特に連鎖移動効果の大きいチオールに由来する化合物が有効で以下の化合物が挙げられる。
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】
[但し、上記一般式(1)、(2)において、R1,R2,R3はそれぞれ水素原子又は低級アルキル基(置換基を含んでもよい)、nは0〜5の整数を示す。]
【0022】
【化3】
【0023】
[但し、上記一般式(3)において、nは0〜20の整数を示す。]
及び上記一般式(1)〜(3)で表される化合物の塩。
【0024】
具体的にはメルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトステアリン酸等が挙げられる。
【0025】
上記の▲1▼又は▲2▼の製造時におけるビニルエステル系化合物としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、バーサティック酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等が単独又は併用で用いられるが、実用上は酢酸ビニルが好適である。
【0026】
また、本発明においては、かかる重合の際に前述した如きカルボキシル基を有する不飽和単量体、ビニルエステル系化合物以外に、その他の一般の単量体を水溶性を損なわない範囲で少量存在せしめて重合を行なっても良く、これらの単量体としては以下のものが挙げられる。
[エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステル等]
クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、イタコン酸メチル、イタコン酸エチル、ソルビン酸メチル、ソルビン酸エチル、オレイン酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等が挙げられる。
[飽和カルボン酸のアリルエステル]
ステアリン酸アリル、ラウリン酸アリル、ヤシ油脂肪酸アリル、オクチル酸アリル、酪酸アリル等。
[α−オレフィン]
エチレン、プロピレン、α−ヘキセン、α−オクテン、α−デセン、α−ドデセン、α−ヘキサデセン、α−オクタデセン等。
[アルキルビニルエーテル]
プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、テトラデシルビニルエーテル、ヘキサデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等。
[アルキルアリルエーテル]
プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル、オクチルアリルエーテル、デシルアリルエーテル、ドデシルアリルエーテル、テトラデシルアリルエーテル、ヘキサデシルアリルエーテル、オクタデシルアリルエーテル等。
【0027】
その他、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニル等の使用も可能である。
【0028】
共重合するにあたっては、特に制限はなく公知の重合方法が任意に用いられるが、普通メタノール、エタノールあるいはイソプロピルアルコール等のアルコールを溶媒とする溶液重合が実施される。勿論、乳化重合、懸濁重合も可能である。かかる溶液重合において単量体の仕込み方法としては、まずビニルエステル系化合物の全量と前記のカルボキシル基を有する不飽和単量体の一部を仕込み、重合を開始し、残りの不飽和単量体を重合期間中に連続的に又は分割的に添加する方法、前者を一括仕込みする方法等任意の手段を用いて良い。
【0029】
ラクトン環の形成等により得られるポリビニルアルコール系樹脂の不溶化が心配される時は、その対策として、水溶解性が良いポリビニルアルコール系樹脂の製法で既に公知であるマレイン酸又は無水マレイン酸に対して0.5〜2.0モル当量のアルカリ存在下でビニルエステルを有機溶媒中で共重合させることも出来る。
【0030】
共重合反応は、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の公知のラジカル重合触媒を用いて行われる。
【0031】
また、反応温度は50℃〜沸点程度の範囲から選択される。
【0032】
ケン化にあたっては、得られた共重合体をアルコールに溶解してアルカリ触媒の存在下に行なわれる。アルコールとしてはメタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられる。アルコール中の共重合体の濃度は、20〜50重量%の範囲から選ばれる。
【0033】
ケン化触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒を用いることができ、場合によっては酸触媒を用いることも可能である。ケン化触媒の使用量はビニルエステル系化合物に対して1〜100ミリモル当量にすることが必要である。
【0034】
通常、かかる方法で製造されたカルボキシル基含有ポリビニルアルコール系樹脂中のカルボキシル基はナトリウム塩等のアルカリ金属塩型となっているが、該PVAの乾燥時等にラクトン環の形成により、水への不溶化が心配される時は、かかるナトリウム塩をカルシウム、マグネシウム、銅等の2価の金属塩に置換することによって回避することもできる。
【0035】
尚、上記方法に限らず、例えばポリビニルアルコール(部分ケン化物又は完全ケン化物)にジカルボン酸、アルデヒドカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸等の水酸基と反応性のある官能基をもつカルボキシル基含有化合物を後反応させる方法等も実施可能である。
【0036】
かくして本発明に用いるカルボキシル基で変性されたポリビニルアルコール系樹脂(A)が得られるのである。
【0037】
次いで、スルホン酸基含有ポリビニルアルコール系樹脂について説明する。
【0038】
ポリビニルアルコール系樹脂にスルホン酸基を導入するにあたっては、以下の方法で導入することができる。
【0039】
i)共重合により導入する方法。
【0040】
下記に示すようなスルホン酸基を有する単量体と上述のビニルエステル系化合物を共重合して、その後上記と同様にケン化すればよい。
(イ)エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸又はその塩
(ロ)下記一般式(4)又は(5)で表されるスルホアルキルマレート
【0041】
【化4】
【0042】
【化5】
【0043】
[但し、上記一般式(4)、(5)においてR1はアルキル基、nは2〜4の整数、Mは水素原子又はアルカリ金属又はアンモニウムイオンを示す。]
上記のスルホアルキルマレートとして具体的には、ナトリウムスルホプロピル2−エチルヘキシルマレート、ナトリウムスルホプロピル2−エチルヘキシルマレート、ナトリウムスルホプロピルトリデシルマレート、ナトリウムスルホプロピルエイコシルマレート等が挙げられる。
(ハ)下記一般式(6)〜(8)のいずれかで表されるスルホアルキル(メタ)アクリルアミド、スルホアルキル(メタ)アクリレート
【0044】
【化6】
【0045】
【化7】
【0046】
【化8】
【0047】
[但し、上記一般式(6)〜(8)において、R2,R3,R4,R5,R7,R8,R9は水素又はアルキル基、R6はアルキル基、nは2〜4の整数、Mは水素原子又はアルカリ金属又はアンモニウムイオンを示す。]
上記のスルホアルキル(メタ)アクリルアミドとして具体的には、ナトリウムスルホメチルアクリルアミド、ナトリウムスルホ−sec−ブチルアクリルアミド、ナトリウムスルホ−tert−ブチルメタクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0048】
【化9】
【0049】
[但し、上記一般式(9)においてR10は水素又はアルキル基、nは2〜4の整数、Mは水素原子又はアルカリ金属又はアンモニウムイオンを示す。]
上記のスルホアルキル(メタ)アクリレートとして具体的には、ナトリウムスルホエチルアクリレート等が挙げられる。
(ニ)下記一般式(10)で表されるエチレンオキサイドモノアリルエーテルの末端水酸基の硫酸エステル体
【0050】
【化10】
【0051】
[但し、上記一般式(10)においてRは水素又はアルキル基(好ましくは炭素数4以下)、nは1〜60の整 数を示す。]
共重合により導入する場合、スルホン酸基を有する単量体の中でもオレフィンスルホン酸、又はその塩が好適に使用される。
【0052】
ii)スルホン酸基を有するアルコール、アルデヒド或いはチオール等の官能基を有する化合物を連鎖移動剤として共存させてビニルエステル系化合物を重合した後にケン化する方法等を挙げることができる。
【0053】
このときは、特に連鎖移動効果の大きいチオールに由来する化合物が有効で以下の化合物が挙げられる。
【0054】
【化11】
【0055】
【化12】
【0056】
【化13】
【0057】
【化14】
【0058】
[但し、上記一般式(11)〜(14)において、R11〜R19はそれぞれ水素又はメチル基、nは2〜4の整数、Mは水素原子又はアルカリ金属又はアンモニウムイオンを示す。尚、nが複数のときは、nの数だけ存在する各R14,R15,R17,R18は同じものでも異なるものでもよい。]
具体的には、チオプロピオン酸ナトリウムスルホプロパン等が挙げられる。
【0059】
iii)ポリビニルアルコールを臭素、ヨウ素等で処理した後、酸性亜硫酸ソーダ水溶液で加熱する方法。
【0060】
iv)ポリビニルアルコールを濃厚な硫酸水溶液中で加熱する方法。
【0061】
v)ポリビニルアルコールをスルホン酸基を有するアルデヒド化合物でアセタール化する方法、等である。
【0062】
かくして本発明のアニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)が得られるのであるが、かかるポリビニルアルコール系樹脂(A)の変性量(アニオン性基含有量)は、0.1〜10モル%(さらには0.3〜8モル%)が好ましく、かかる変性量が0.1モル%未満では蛍光染料や無機顔料等の分散性が悪くなり、逆に10モル%を越えるとコーティング後の表面強度が低下する傾向にあり好ましくない。
【0063】
また、アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)の平均ケン化度(JIS K 6726 3.5に準拠して測定)は、50〜99.5モル%(さらには70〜99モル%)が好ましく、かかる平均ケン化度範囲を外れるときは疎水性が強くなり、無機顔料の分散性が低下して好ましくない。
【0064】
さらに、アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)の20℃における4重量%水溶液粘度(JIS K 6726 3.11.2に準じて測定)は1〜100mPa・s(さらには2〜75mPa・s)が好ましく、かかる粘度が1mPa・s未満ではコーティング後の表面強度が低下する傾向にあり、逆に75mPa・sを越えるとコーティング剤の塗工流動性が悪くなり、蛍光染料や顔料の分散性も低下して好ましくない。
【0065】
また、アニオン性基の含有量(変性量)は、0.1〜15モル%(さらには0.2〜10モル%、特には0.4〜8モル%)が好ましく、かかる含有量が0.1モル%未満では蛍光染料や顔料の分散性が低下し、逆に15モル%を越えると塗工紙の耐候性や耐光性が低下して好ましくない。
【0066】
本発明に用いる蛍光増白剤(B)としては、特に限定されることはなく、例えば、スチルベン系化合物、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物等を挙げることができ、より具体的には、スチルベン系化合物としては例えば、ビススチルベンゼンスルホン酸ソーダやスチルベンゼンスルホン酸ソーダ等が挙げられ、さらにクマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物については特開昭62−115444号公報に具体的な構造式で記載の化合物を用いることができる。これらの中でもスチルベンスルホン酸ナトリウム、ビススチルベンスルホン酸ナトリウムが好適に用いられる。なお、スチルベン系化合物を用いるときには、安定剤としてクロロアセトアミドを併用することが好ましい。
【0067】
本発明で用いる無機顔料(C)としては、ケイ酸アルミニウム、クレー、硫酸バリウム、酸化チタン、シリカ、カオリン、珪藻土、酸化鉄、サチン白、マイカ等を挙げることができ、好適には炭酸カルシウム、カオリン、シリカ、酸化チタンのいずれかの1種以上が用いられる。
【0068】
本発明のコーティング剤組成物は、上記の(A)〜(C)を含有してなるもので、その含有割合については特に限定はされないが、アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)1重量部に対して、蛍光増白剤(B)を0.1〜5重量部(さらには0.2〜4重量部)が好ましく、かかる含有割合が0.1重量部未満では蛍光増白度が小さくなり、逆に5重量部を越えるとコーティング後の表面強度が低下する傾向にあり好ましくない。また、無機顔料(C)については、アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)1重量部に対して、40〜200重量部(さらには50〜150重量部)であり、かかる含有割合が40重量部未満では、蛍光増白度が小さくなり、逆に200重量部を越えるとコーティング後の裁断時等に蛍光増白剤の脱落が起こる恐れがあり好ましくない。
【0069】
かかる本発明のコーティング剤組成物を用いてコーティングするにあたっては、塗工液が調製される必要があり、かかる調製にあたっては特に制限されるものではないが、アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)の水溶液に無機顔料(C)あるいはその水分散液を添加して撹拌分散させた後、これに蛍光増白剤(B)を含有する水溶液を添加する方法、アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)の水溶液に蛍光増白剤(B)を添加して得られた水溶液に無機顔料(C)あるいはその水分散液を添加して撹拌分散させる方法、蛍光増白剤(B)を含有する水溶液にアニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)の水溶液に添加して得られた水溶液に無機顔料(C)あるいはその水分散液を添加して撹拌分散させる方法、無機顔料(C)を水に分散させてからアニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)の水溶液及び蛍光増白剤(B)を添加して撹拌分散させる方法等が挙げられる。
【0070】
なお、本発明においては、かかる(A)〜(C)成分にさらにラテックス系バインダー(D)を含有させることが好ましく、かかるバインダー(D)としては、スチレン/ブチル系ラテックス、アクリル/スチレン系ラテックス、スチレン/ブタジエン系ラテックス、アクリロニトリル/ブタジエン系ラテックス、ポリブタジエン等を挙げることができ、かかるバインダー(D)の含有量は(A)成分1重量部に対して、固形分換算で1〜5重量部(さらには1.5〜3重量部)とすることが好ましく、かかる含有量が1重量部未満ではコーティング後の表面強度が低下する傾向にあり、逆に5重量部を越えると光沢性や耐候性が低下する傾向にあり好ましくない。
【0071】
該塗工液を塗工するときは、固形分が30〜80重量%(さらには40〜70重量%)の水溶液とすることが好ましく、かかる固形分が、30重量%未満では蛍光増白度や光沢性が低下する傾向にあり、逆に80重量%を越えると塗工液の粘度が高くなるため、塗工が困難になり、また塗工斑、梨地模様も生じるために好ましくない。
【0072】
本発明の印刷用基材に用いられるコーティング剤組成物は、1000m/min以上の高速印刷時においてもインクによるピッキングの抑制やかかる高速塗工時の塗工表面の塗工ムラが抑制されるもので、かかる塗工ムラの抑制については、かかるコーティング剤の粘度を該高速塗工時のせん断力に相当する高シェア(実施例の評価方法のような高速回転)時において100mPa・s(20℃)以下に下げることにより解決できることが本発明者の知見として得られている。
【0073】
また、本発明においては、かかるコーティング剤組成物中に本発明の目的を阻害しない範囲で、定着剤、架橋剤、消泡剤、離型剤、界面活性剤(シリコーン系、フッ素系、ポリエチレングリコール系等)、防腐剤、防虫剤、防錆剤、増粘剤、分散剤等の公知の添加剤を添加することもできる。
【0074】
該定着剤としては、例えば、ジシアン系定着剤(ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合体等)、ポリアミン系定着剤〔ジエチレントリアミン,トリエチレンテトラミン,ジプロピレントリアミン,ポリアリルアミンなどの脂肪族ポリアミン、フェニレンジアミン等の芳香族ポリアミン、ジシアンジアミドと(ポリ)C2-4アルキレンポリアミンとの縮合体(ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合体等)〕、ポリカチオン系固着剤などが例示できる。これらの定着剤は単独で又は二種以上混合して使用できる。
【0075】
かかる定着剤の使用量は、アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)100重量部に対して1〜400重量部程度が用いられる。
【0076】
該架橋剤としては、有機系架橋剤や無機系架橋剤が挙げられ、かかる有機系架橋剤としてはアルデヒド系化合物(ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタルジアルデヒド等)、アミノ樹脂(尿素樹脂、グアナミン樹脂、メラミン樹脂等)、エポキシ系化合物、アミン系化合物(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、1,3―ビスアミノシクロヘキサン、ポリオキシアルキレン型ジアミン又はポリアミン等)、ヒドラジン化合物、ヒドラジド化合物(アジピン酸ジヒドラジド、カルボジヒドラジド、ポリヒドラジド等)、多価カルボン酸又は酸無水物、ポリイソシアネート、ブロックイソシアネートなどが挙げられる。
【0077】
また、無機系架橋剤としては、ホウ酸、ホウ酸塩(ホウ砂等)、ジルコニウム化合物(ハロゲン化物、硫酸塩、有機酸塩)、チタニウム化合物(テトラアルコキシチタネート等)、アルミニウム化合物(硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等)、リン化合物(亜リン酸エステル、ビスフェノールA変性ポリリン酸等)、アルコキシ基やグリシジル基などの反応性官能基を有するシリコーン化合物などが挙げられ、これらの架橋剤を単独あるいは二種類以上使用してもよい。
【0078】
また、他の紙加工剤、例えば、本発明で使用するアニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)以外の従来公知の他のポリビニルアルコール、澱粉、カルボキシメチルセルロース等の水溶性樹脂などを混合することができる。
【0079】
本発明のかかるコーティング剤組成物が塗工される基材としては印刷用基材であれば特に制限されるものではないが、例えば、紙(感熱記録紙、離型紙、剥離紙、インクジェット紙、カーボン紙、ノンカーボン紙、紙コップ用原紙、耐油紙、マニラボール、白ボール、ライナー等の板紙、一般上質紙、中質紙、グラビア用紙、上・中・下級紙、新聞用紙など)、不織布、布、金属箔、ポリオレフィン樹脂(例えばポリエチレン、PET、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体)等の熱可塑性樹脂からなるフィルムやシートが使用できるが、本発明の作用効果を効率よく得るには、紙基材を用いることが好ましい。
【0080】
かかる基材に本発明のかかるコーティング剤組成物(塗工液)を塗工するにあたっては、サイズプレスコート、ロールコーター法、エヤードクター法、ブレードコーター法、ゲートロールコーター法等の公知の任意の方法が採用される。塗工液の塗布量は、固形分換算で0.1〜40g/m2(さらには0.5〜20g/m2)程度になるようにするのが適当である。
【0081】
塗工後は乾燥すればよく、乾燥条件としては特に制限されないが、通常80〜140℃で30秒〜30分程度乾燥させればよい。
【0082】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0083】
なお、実施例中、「部」、「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準を示す。
【0084】
実施例1
[アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)の調製]
重合缶に酢酸ビニル95.8部、イタコン酸4.2部、メタノール30部を仕込んで、系内を撹拌下、窒素気流中で昇温して68℃で30分間還流後、アゾビスイソブチロニトリルを酢酸ビニルに対して0.1モル%加え、イタコン酸のメタノール溶液を仕込み変性度が3モル%になるように滴下して6時間重合を行った。反応終了後メタノール蒸気を吹き込んで未反応のモノマーを除去し、共重合体のメタノール溶液を得た。次いで、得られた共重合体のメタノール溶液の濃度が40%になるようにメタノールで希釈した。さらに共重合体中の酢酸ビニルに対して水酸化ナトリウムを40ミリモル%加えてケン化して、得られたケン化物を濾過し、70℃で乾燥してカルボキシル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(平均ケン化度88モル%、4%水溶液粘度18mPa・s、イタコン酸変性量3モル%)を得た。
【0085】
上記で得られたイタコン酸変性ポリビニルアルコール系樹脂(A)を用いて、下記のコーティング剤組成物(塗工液)を調製した。
〔塗工液〕
イタコン酸変性ポリビニルアルコール系樹脂(A) 1部
ビススチルベンゼンスルホン酸ナトリウム(B)水溶液 4部
(ビススチルベンゼンスルホン酸ナトリウム30%、クロロアセトアミド0.1%及び脱イオン水69.9%の水溶液)
炭酸カルシウム(C) 100部
スチレン/ブチルゴムラテックスの50%分散液(D) 9部
カルボキシメチルセルロース 0.5部
ポリカルボン酸(分散剤) 0.5部
上記で得られた塗工液(固形分濃度を15%に調整)を用いて、上質紙(坪量64g/cm2)の表面に150μmのアプリケーターで乾燥厚みが20μmになるように塗工して、105℃で3分間乾燥させてコーティング紙を得た。
【0086】
なお、得られたコーティング剤の高速塗工性を評価するために、以下の要領で該コーティング剤の粘度測定を行った。
(高速塗工性)
高剪断回転式粘度計(エス・エム・テー社製)を用いて高シェア(回転数8800rpm)での粘度(mPa・s)の測定を20℃で行った。
【0087】
得られたコーティング紙について、以下の評価を行った。
(蛍光増白度)
色差計(日本電色社製『Σ80スペクトロメーター』)でUVフィルターを使用して蛍光増白度を測定した。
(紙面強度)
IGT印刷適性試験機(熊谷理器工業社製)により、インキとして『FINEINK TV−25』(大日本インキ化学工業社製)を用いてIGTピック強度(cm/sec)を測定した。
(光沢度)
グロスメーター(日本電色社工業製『VG−1D』)を用いて、75°の表面の光沢度(%)を測定した。
【0088】
実施例2
実施例1におけるアニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)として、下記で製造されるアニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂を2部用いた以外は同様にコーティング剤組成物を得て、同様に評価を行った。
【0089】
重合缶に酢酸ビニル95部、マレイン酸5部、メタノール30部を仕込んで、系内を撹拌下、窒素気流中で昇温して68℃で30分間還流後、アゾビスイソブチロニトリルを酢酸ビニルに対して0.2モル%加え、マレイン酸のメタノール溶液を仕込み変性度が6モル%になるように滴下して6時間重合を行った。反応終了後メタノール蒸気を吹き込んで未反応のモノマーを除去し、共重合体のメタノール溶液を得た。次いで、得られた共重合体のメタノール溶液の濃度が40%になるようにメタノールで希釈した。さらに共重合体中の酢酸ビニルに対して水酸化ナトリウムを55ミリモル%加えてケン化して、得られたケン化物を濾過し、70℃で乾燥してマレイン酸変性ポリビニルアルコール系樹脂(平均ケン化度88モル%、4%水溶液粘度10mPa・s、マレイン酸変性量3モル%)を得た。
【0090】
実施例3
実施例1におけるアニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)として、下記で製造されるアニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂を0.8部用いた以外は同様にコーティング剤組成物を得て、同様に評価を行った。
【0091】
重合缶に酢酸ビニル98.7部、マレイン酸1.3部、メタノール30部を仕込んで、系内を撹拌下、窒素気流中で昇温して68℃で30分間還流後、アゾビスイソブチロニトリルを酢酸ビニルに対して0.1モル%加え、マレイン酸のメタノール溶液を仕込み変性度が2モル%になるように滴下して6時間重合を行った。反応終了後メタノール蒸気を吹き込んで未反応のモノマーを除去し、共重合体のメタノール溶液を得た。次いで、得られた共重合体のメタノール溶液の濃度が40%になるようにメタノールで希釈した。さらに共重合体中の酢酸ビニルに対して水酸化ナトリウムを41ミリモル%加えてケン化して、得られたケン化物を濾過し、70℃で乾燥してマレイン酸変性ポリビニルアルコール系樹脂(平均ケン化度95モル%、4%水溶液粘度25mPa・s、マレイン酸変性量1モル%)を得た。
【0092】
比較例3
実施例1におけるアニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)として、下記で製造されるアニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂を3 部用いた以外は同様にコーティング剤組成物を得て、同様に評価を行った。
重合缶に酢酸ビニル98.3部、フマル酸1.7部、メタノール30部を仕込んで、系内を撹拌下、窒素気流中で昇温して68℃で30分間還流後、アゾビスイソブチロニトリルを酢酸ビニルに対して0、1モル%加え、フマル酸のメタノール溶液を仕込み変性度が2モル%になるように滴下して6 時間重合を行った。反応終了後メタノール蒸気を吹き込んで未反応のモノマーを除去し、共重合体のメタノール溶液を得た。次いで、得られた共重合体のメタノール溶液の濃度が40%になるようにメタノールで希釈した。さらに共重合体中の酢酸ビニルに対して水酸化ナトリウムを41ミリモル% 加えてケン化して、得られたケン化物を濾過し、70 ℃ で乾燥してフマル酸変性ポリビニルアルコール系樹脂(平均ケン化度95モル%、4%水溶液粘度25mPa・s、フマル酸変性量2モル%)を得た。
【0093】
実施例5
実施例1におけるアニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)として、下記で製造されるアニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂を2部用いた以外は同様にコーティング剤組成物を得て、同様に評価を行った。
重合缶に酢酸ビニル96.5部、アリルスルホン酸ナトリウム3.5部、メタノール10部を仕込んで、系内を撹拌下、窒素気流中で昇温して68℃で30分間還流後、アゾビスイソブチロニトリルを酢酸ビニルに対して0.1モル%加え、アリルスルホン酸ナトリウムのメタノール溶液を仕込み変性度が2モル%になるように滴下して6時間重合を行った。反応終了後メタノール蒸気を吹き込んで未反応のモノマーを除去し、共重合体のメタノール溶液を得た。次いで、得られた共重合体のメタノール溶液の濃度が40%になるようにメタノールで希釈した。さらに共重合体中の酢酸ビニルに対して水酸化ナトリウムを41ミリモル%加えてケン化して、得られたケン化物を濾過し、70℃で乾燥してスルホン酸基含有ポリビニルアルコール系樹脂(平均ケン化度94モル%、4%水溶液粘度7mPa・s、アリルスルホン酸変性量2モル%)を得た。
【0094】
実施例6
実施例1におけるアニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)として、下記で製造されるアニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂を2部用いた以外は同様にコーティング剤組成物を得て、同様に評価を行った。
重合缶に酢酸ビニル97.8部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム2.2部、メタノール30部を仕込んで、系内を撹拌下、窒素気流中で昇温して68℃で30分間還流後、アゾビスイソブチロニトリルを酢酸ビニルに対して0.1モル%加え、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムのメタノール溶液を仕込み変性度が1モル%になるように滴下して6時間重合を行った。反応終了後メタノール蒸気を吹き込んで未反応のモノマーを除去し、共重合体のメタノール溶液を得た。次いで、得られた共重合体のメタノール溶液の濃度が40%になるようにメタノールで希釈した。さらに共重合体中の酢酸ビニルに対して水酸化ナトリウムを41ミリモル%加えてケン化して、得られたケン化物を濾過し、70℃で乾燥して2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム含有ポリビニルアルコール系樹脂(平均ケン化度90モル%、4%水溶液粘度19mPa・s、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム変性量2モル%)を得た。
【0095】
実施例7
実施例1において、蛍光増白剤のビススチル系化合物(B)水溶液に替えて、スチルベンゼンスルホン酸ナトリウム25%、クロロアセトアミド0.2%及び脱イオン水74.5%の水溶液を5部用いた以外は同様にコーティング剤組成物を得て、同様に評価を行った。
【0096】
実施例8
実施例1において、無機顔料として炭酸カルシウム(C)に替えて、カオリンを100部用いた以外は同様にコーティング剤組成物を得て、同様に評価を行った。
【0097】
実施例9
実施例1において、無機顔料として炭酸カルシウム(C)に替えて酸化チタンを100部用いた以外は同様にコーティング剤組成物を得て、同様に評価を行った。
【0098】
比較例1
実施例1において、アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)に替えて、未変性のポリビニルアルコール系樹脂(平均ケン化度88モル%、4%水溶液粘度20mPa・s)を用いた以外は同様にコーティング剤組成物を得て、同様に評価を行った。
【0099】
比較例2
実施例1において、炭酸カルシウム(C)を含有させなかった以外は同様にコーティング剤組成物を得て、同様に評価を行った。
【0100】
実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
[表1]
【0101】
【発明の効果】
本発明のコーティング剤組成物は、アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)、蛍光増白剤(B)及び無機顔料(C)を含有し、アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)1重量部に対して、無機顔料(C)を40〜200重量部含有するため、紙にコーティングするときに、蛍光増白効果を有しながら、紙面強度、高速塗工性、光沢度等の向上が期待でき、アート紙、インクジェット記録用紙、感熱記録紙、白ボール等のコーティングに大変有用である。
Claims (8)
- アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)、蛍光増白剤(B)及び無機顔料(C)を含有してなり、アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)1重量部に対して、無機顔料(C)を40〜200重量部含有することを特徴とする印刷用基材に用いられるコーティング剤組成物。
- アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)1重量部に対して、蛍光増白剤(B)を0.1〜5重量部含有することを特徴とする請求項1記載の印刷用基材に用いられるコーティング剤組成物。
- アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)が、カルボン酸基含有ポリビニルアルコール系樹脂またはスルホン酸基含有ポリビニルアルコール系樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の印刷用基材に用いられるコーティング剤組成物。
- アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)が、酸基含有エチレン性不飽和単量体とビニルエステル系化合物との共重合体ケン化物であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の印刷用基材に用いられるコーティング剤組成物。
- アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)のケン化度が70〜99モル% であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の印刷用基材に用いられるコーティング剤組成物。
- 無機顔料(C)が少なくとも炭酸カルシウム、酸化チタン、カオリン、シリカのいずれか1種以上であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の印刷用基材に用いられるコーティング剤組成物。
- さらに、アニオン性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)1重量部に対して、ラテックス系バインダー(D)を1〜5重量部含有することを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の印刷用基材に用いられるコーティング剤組成物。
- 紙のコーティング用途に用いることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の印刷用基材に用いられるコーティング剤組成物。
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