JP2005120114A - 薄膜状物およびその用途 - Google Patents
薄膜状物およびその用途 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005120114A JP2005120114A JP2003353041A JP2003353041A JP2005120114A JP 2005120114 A JP2005120114 A JP 2005120114A JP 2003353041 A JP2003353041 A JP 2003353041A JP 2003353041 A JP2003353041 A JP 2003353041A JP 2005120114 A JP2005120114 A JP 2005120114A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyvinyl alcohol
- alcohol resin
- thin film
- group
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
【解決手段】 ポリビニルアルコール系樹脂(A)および活性水素を有する反応性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(B)を含有してなる水溶液から得られた相分離構造を有する薄膜状物であって、(A)成分が島構造を形成しかつ(B)成分が海構造を形成してなる。ポリビニルアルコール系樹脂(A)と活性水素を有する反応性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(B)の含有割合(A/B)が2/98〜60/40(重量比)であること、活性水素を有する反応性基として、アセト酢酸エステル基、ジアセトンアクリルアミド基、アミノ基、1,2−グリコール結合含有基のいずれかであること等が好ましい実施態様である。
Description
また、一方では、かかるアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂に水溶高分子を添加して水溶液の安定性や流動性を改善すること(例えば、特許文献5参照。)も試みられている。
本発明に用いるポリビニルアルコール系樹脂(A)としては、公知の方法で製造され、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物で、本発明の目的を阻害しない範囲において、他のビニルエステルと共重合しうる単量体を含有していてもよく、かかる単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられる。
かかるジアセトンアクリルアミド基の含有量としては0.1〜20モル%(さらには1〜15モル%、特には2〜12モル%、殊に3〜8モル%)が好ましく、かかる含有量が0.1モル%未満では充分な耐水性が発現しないことがあり、20モル%を超えると 塗工液とするときの水溶性の低下や、得られた塗工液の安定性が低下することがあり好ましくない。また、ケン化度や平均重合度については、上述のAA化PVAと同様でよい。
かかるアミノ基の含有量として0.1〜20モル%(さらには1〜15モル%、特には2〜12モル%、殊に3〜8モル%)が好ましく、かかる含有量が0.1モル%未満では充分な耐水性が発現しないことがあり、20モル%を超えると塗工液とするときの水溶性の低下や、得られた塗工液の安定性が低下することがあり好ましくない。また、ケン化度や平均重合度については、上述のAA化PVAと同様でよい。
共重合時のモノマー成分の仕込み方法としては特に制限されず、一括仕込み、分割仕込み、連続仕込み等任意の方法が採用されるが、1,2−グリコール結合を導入するために使用するモノマーがポリビニルエステル系ポリマーの分子鎖中に均一に分布させられる、架橋剤との反応性が向上する、ポリビニルアルコールの融点が降下する等の物性面での点から滴下重合が好ましく、特にはHANNA法に基づく重合方法が好ましい。
溶媒の使用量は、目的とする共重合体の重合度に合わせて、溶媒の連鎖移動定数を考慮して適宜選択すればよく、例えば、溶媒がメタノールの時は、S(溶媒)/M(モノマー)=0.01〜10(重量比)、好ましくは0.05〜3(重量比)程度の範囲から選択される。
また、共重合反応の反応温度は、使用する溶媒や圧力により40℃〜沸点程度とすることが好ましい。
また、ケン化反応の反応温度は特に限定されないが、10〜60℃が好ましく、より好ましくは20〜50℃である。
1級水酸基を導入する方法は、上記の方法以外にアリルアルコールとビニルエステル系モノマーとの共重合によっても得られる。
y>−0.0136x2+0.551x+6.5276・・・(1)
ここで、yは(A)成分の残存酢酸基量(モル%)、xは(B)成分の残存酢酸基量(モル%)+活性水素を含有する官能基量(モル%)をそれぞれ示す。
なお、かかる接着剤としては、水溶液にした一般の接着剤の他、感圧接着剤、速硬化型接着剤(ハネムーン接着剤)等の各種接着剤に用いることもできる。一般の水溶液状の接着剤用途としては、該ポリビニルアルコール系樹脂組成物〔(A)+(B)〕の含有量が、1〜30重量%程度で、充填剤、消泡剤(或いは発泡剤)、着色剤等の添加物が配合されて接着剤用途に供される。この際、必要に応じてメタノールやエタノール等のアルコール、エチレングリコール,プロピレングリコール,ポリエチレングリコール,グリセリン等のグリコール類などを添加してもよい。塗工は、グラビアコーター,リバースロールコーター,エアナイフコーター,スプレー等の公知の方法により行うことができる。
紙加工用途としては、紙基材上に直接あるいは他の層を介して、本発明の薄膜状物の層を形成させれば良く、感熱記録紙、インクジェット記録紙あるいは一般の紙等に適用することができる。
かかる感熱記録紙は、基材上にi)感熱発色層およびii)保護層が設けられたもので、本発明では上記のポリビニルアルコール系樹脂(A)及び(B)と架橋剤の樹脂組成物水性液(以下、単に樹脂組成物水性液と称することがある)をこれらの層のいずれか一方或いは両方に適用するのである。すなわち、上記の樹脂組成物水性液の塗工層が、基材に直接および/または他の層を介して積層されて感熱記録紙となるのである。
まず、i)感熱発色層について説明する。
かかる感熱発色層に適用する場合は、上記の樹脂組成物水性液にさらに発色性物質と顕色剤を配合した後、基材に塗工すればよい。このときの発色性物質および顕色剤の配合量は、樹脂組成物水性液中のポリビニルアルコール系樹脂(A)及び(B)の合計量に対して、10〜200重量%が適当である。該水性液の固形分濃度は作業性を考慮して10〜40重量%の範囲から選ばれる。
かかる保護層とは、上記発色性物質、顕色剤、バインダー(例えばポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類、ラテックス類等)より構成された感熱発色層の上に形成(塗工)される層のことで、上記の樹脂組成物水性液を塗工して薄膜状層を形成させればよい。
本発明においては、本発明の薄膜状物を特に保護層に適用することで、感熱保護層の耐水性が向上する他、耐着色性に優れているため、感熱発色後の画像の鮮明性に優れ、さらには平滑性にも優れるため、発色ムラ等も少ない優れた感熱記録紙を得ることが可能となる。
かかる顔料としては、例えば炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、タルク、カオリン、クレー等の無機顔料、ナイロン樹脂フィラー、尿素・ホルマリン樹脂フィラー、デンプン粒子等の有機顔料が挙げられ、助剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス等の滑剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、蛍光染料、剥離剤、酸化防止剤などが挙げられる。
なお、上記の感熱記録紙に用いられる基材としては特に制限はなく、マニラボール、白ボール、ライナー等の板紙、一般上質紙、中質紙、グラビア用紙等の印刷用紙、上・中・下級紙、新聞用紙、剥離紙、カーボン紙、ノンカーボン紙、グラシン紙、合成紙などを使用することができる。
インクジェット記録紙体については、基材上にiii)インク受容(理)層およびiv)保護層が設けられたもので、本発明では本発明の薄膜状物をこれらの層のいずれか一方あるいは両方に適用することができる。すなわち、上記のポリビニルアルコール系樹脂組成物水性液の塗工層が、基材に直接および/または他の層を介して積層されてインクジェット記録紙となるのである。
まず、iii)インク受容層について説明する。
インク受容層に適用する場合は、上記のポリビニルアルコール系樹脂組成物水性液に、さらに必要に応じて顔料とインク定着剤を配合した水性液を得た後、該水性液を基材に塗工すればよい。このときの顔料の配合量は、ポリビニルアルコール系樹脂組成物水性液中のポリビニルアルコール系樹脂(A)及び(B)に対して10〜200重量%が適当である。また、該水性液の固形分濃度は作業性を考慮して3〜20重量%が適当である。
保護層とは、顔料、バインダー(例えばポリビニルアルコール、デンプン類、ゼラチン類、ポリビニルピロリドン等)、インク定着剤などから構成されたインク受容層の上に形成(塗工)される層のことで、上記のポリビニルアルコール系樹脂組成物水性液を塗工して薄膜状物の層を形成させればよい。
該水溶液は、本発明のポリビニルアルコール系樹脂(A)及び(B)を合計1〜50重量%、さらには2〜30重量%含有する(水分散液等も同様)ことが好ましく、また、水以外の溶媒として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等のアルコール類やジオキサン、DMF、DMSOなどを0.1〜99重量%含有していてもよく、さらに他の添加剤として、可塑剤(エチレングリコール,グリセリン,プロピレングリコール等の多価アルコールやその高級脂肪酸エステルなど)等を1〜80重量%程度含有させてもよい。
また、皮膜の機械的強度、耐久性等を付与する方法として、放射線照射による架橋が挙げられ、該放射線としては電子線、紫外線、X線、γ線等を用いることができる。特にポリビニルアルコール系樹脂(A)としてAA化PVAを用いた場合には特に自己架橋性があるため、他の架橋剤を併用することなく良好な皮膜を形成することも可能であり好ましい。
なお、実施例中、「部」、「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準を示す。
酢酸ビニル成分のケン化度87モル%(酢酸基含有量13モル%)、平均重合度1100のポリビニルアルコール系樹脂(A)50部とケン化度99モル%、平均重合度1200でアセト酢酸エステル基含有量5.1モル%のポリビニルアルコール系樹脂(B)50部からなるポリビニルアルコール系樹脂組成物を水に溶かして10%水溶液とした。
かかる組成物中の(A)の酢酸基含有量(x)及び(B)のアセト酢酸エステル基含有量(y)を本文中の(1)式に代入すると、
13>−0.0136×6.12+0.551×6.1+6.5276=9.382644となり、かかる(1)式を満足するものであった。
かかる水溶液に、酢酸を加えてpHを4.1とした後、該水溶液100部に対してグリオキザール2部加えて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に流し込み、23℃、50%RHの条件下で48時間放置後、70℃で5分間加熱処理を行ってフィルム(厚さ約200μm)を作製した。
得られたフィルムを下記に示すような耐水性試験を施した。さらに膜状物の構造を確認するために、耐水試験と同様の操作を行った後、室温で真空乾燥を行ったものについて電子顕微鏡でその構造を調べたところ、ポリビニルアルコール系樹脂(B)中にポリビニルアルコール系樹脂(A)が分散した海・島構造を有していた〔図1参照;島部分のポリビニルアルコール系樹脂(A)を水で溶出させたもの〕。
(耐水性)
得られたフィルムを90℃の熱水に1時間浸漬させて、その後110℃で2時間乾燥してフィルムの重量を測定してフィルムの溶出率(%)を算出した。なお、溶出率(%)の算出にあたっては、熱水浸漬前後のフィルムの重量(いずれもg)及びその揮発分を求めて、{(浸漬前のフィルム重量×揮発分−浸漬後のフィルム重量)/浸漬前のフィルム重量×揮発分}×100により算出した。
上記で、得られたフィルムを23℃、50%RHで2週間放置したときのフィルムの着色程度をYI値(イエローインデックス)にて以下のように評価した。
○・・・10未満
△・・・10以上で20未満
×・・・20以上
実施例1において、ポリビニルアルコール系樹脂(A)として、酢酸ビニル成分のケン化度89モル%(酢酸基含有量11モル%)、平均重合度1100のポリビニルアルコール系樹脂を用いた以外は同様にして薄膜状物(フィルム)を得た。得られたフィルムを実施例1と同様に調べたところ、実施例1と同様にポリビニルアルコール系樹脂(B)中にポリビニルアルコール系樹脂(A)が分散した海・島構造を有していた。
なお、かかる組成物中の(A)の酢酸基含有量(x)及び(B)のアセト酢酸エステル基含有量(y)を本文中の(1)式に代入すると、
11>−0.0136×6.12+0.551×6.1+6.5276=9.382644となり、かかる(1)式を満足するものであった。
得られたフィルムについて、実施例1と同様に評価を行った。
なお、ポリビニルアルコール系樹脂(A)及び(B)の組成物水溶液を別途23℃、50%RHで放置したときの粘度が10000mPa・sに達するまでの時間は8時間であった。
実施例1において、ポリビニルアルコール系樹脂(B)として、ケン化度99モル%、平均重合度1500でアセト酢酸エステル基含有量7.2モル%のポリビニルアルコール系樹脂を用いた以外は同様にして薄膜状物(フィルム)を得た。得られたフィルムを実施例1と同様に調べたところ、実施例1と同様にポリビニルアルコール系樹脂(B)中にポリビニルアルコール系樹脂(A)が分散した海・島構造を有していた。
なお、かかる組成物中の(A)の酢酸基含有量(x)及び(B)のアセト酢酸エステル基含有量(y)を本文中の(1)式に代入すると、
14>−0.0136×8.22+0.551×8.2+6.5276=10.131336となり、かかる(1)式を満足するものであった。
得られたフィルムについて、実施例1と同様に評価を行った。
なお、上記のポリビニルアルコール系樹脂(A)及び(B)の組成物水溶液を別途23℃、50%RHで放置したときの粘度が10000mPa・sに達するまでの時間は 7時間で、ポリビニルアルコール系樹脂の粘度が、架橋前の粘度の2倍以上となるまでの時間は2日以上であった。
実施例1において、酢酸ビニル成分のケン化度88モル%(酢酸基含有量12モル%)、平均重合度1700のポリビニルアルコール系樹脂(A)50部とケン化度98.4モル%、平均重合度1800でジアセトンアクリルアミド基含有量5.0モル%のポリビニルアルコール系樹脂(B)50部を用いた以外は同様に行って薄膜状物(フィルム)を得た。得られたフィルムを実施例1と同様に調べたところ、実施例1と同様にポリビニルアルコール系樹脂(B)中にポリビニルアルコール系樹脂(A)が分散した海・島構造を有していた。
なお、かかる組成物中の(A)の酢酸基含有量(x)及び(B)のジアセトンアクリルアミド基含有量(y)を本文中の(1)式に代入すると、
12>−0.0136×6.62+0.551×6.6+6.5276=9.571784となり、かかる(1)式を満足するものであった。
得られたフィルムについて、実施例1と同様に評価を行った。
なお、上記のポリビニルアルコール系樹脂(A)及び(B)の組成物水溶液を別途23℃、50%RHで放置したときの粘度が10000mPa・sに達するまでの時間は 7時間で、ポリビニルアルコール系樹脂の粘度が、架橋前の粘度の2倍以上となるまでの時間は2日以上であった。
実施例1において、酢酸ビニル成分のケン化度87モル%(酢酸基含有量13モル%)、平均重合度1400のポリビニルアルコール系樹脂(A)50部とケン化度99.6モル%、平均重合度1360で1,2−グリコール結合(3,4−ジアセトキシ−1−ブテン共重合より合成)含有量3.1モル%のポリビニルアルコール系樹脂(B)50部を用いた以外は同様に行って薄膜状物(フィルム)を得た。得られたフィルムを実施例1と同様に調べたところ、実施例1と同様にポリビニルアルコール系樹脂(B)中にポリビニルアルコール系樹脂(A)が分散した海・島構造を有していた。
なお、かかる組成物中の(A)の酢酸基含有量(x)及び(B)の1,2−グリコール結合含有量(y)を本文中の(1)式に代入すると、
13>−0.0136×3.82+0.551×3.8+6.5276=8.425016となり、かかる(1)式を満足するものであった。
得られたフィルムについて、実施例1と同様に評価を行った。
なお、上記のポリビニルアルコール系樹脂(A)及び(B)の組成物水溶液を別途23℃、50%RHで放置したときの粘度が10000mPa・sに達するまでの時間は 8時間で、ポリビニルアルコール系樹脂の粘度が架橋前の粘度の2倍以上となるまでの時間は2日以上であった。
実施例1において、酢酸ビニル成分のケン化度86モル%(酢酸基含有量14モル%)、平均重合度1800のポリビニルアルコール系樹脂(A)50部とケン化度99.7モル%、平均重合度1600でアミン基含有量8.0モル%のポリビニルアルコール系樹脂(B)50部を用いた以外は同様に行って薄膜状物(フィルム)を得た。得られたフィルムを実施例1と同様に調べたところ、実施例1と同様にポリビニルアルコール系樹脂(B)中にポリビニルアルコール系樹脂(A)が分散した海・島構造を有していた。
なお、かかる組成物中の(A)の酢酸基含有量(x)及び(B)のアミン基含有量(y)を本文中の(1)式に代入すると、
14>−0.0136×8.32+0.551×8.3+6.5276=10.163996となり、かかる(1)式を満足するものであった。
得られたフィルムについて、実施例1と同様に評価を行った。
なお、上記のポリビニルアルコール系樹脂(A)及び(B)の組成物水溶液を別途23℃、50%RHで放置したときの粘度が10000mPa・sに達するまでの時間は 7時間で、ポリビニルアルコール系樹脂の粘度が、架橋前の粘度の2倍以上となるまでの時間は2日以上であった。
実施例1において、ポリビニルアルコール系樹脂の10%水溶液のpHを酢酸ナトリウムを用いて6.1にした以外には同様にして薄膜状物(フィルム)を得た。ポリビニルアルコール系樹脂が架橋前の粘度の2倍以上となる時間は1時間で、当該水溶液が乾燥により粘度が10000mPa・sに到達する時間(8時間)よりも短かった。得られたフィルムを実施例1と同様に調べたところ、ポリビニルアルコール系樹脂(A)と(B)が均一に相溶しており、海・島構造を有していなかった〔図2参照;ポリビニルアルコール系樹脂(A)を水で溶出させたもの〕。
得られたフィルムについて、実施例1と同様に評価を行った。
耐水性(%) 耐着色性
実施例1 3.1 ○
〃 2 4.2 ○
〃 3 4.3 ○
〃 4 5.2 ○
〃 5 3.9 ○
比較例1 28.3 ○
Claims (6)
- ポリビニルアルコール系樹脂(A)および活性水素を有する反応性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(B)を含有してなる水溶液から得られた相分離構造を有する薄膜状物であって、(A)成分が島構造を形成しかつ(B)成分が海構造を形成することを特徴とする薄膜状物。
- ポリビニルアルコール系樹脂(A)と活性水素を有する反応性基含有ポリビニルアルコール系樹脂(B)の含有割合(A/B)が2/98〜60/40(重量比)であることを特徴とする請求項1記載の薄膜状物。
- 活性水素を有する反応性基としては、アセト酢酸エステル基、ジアセトンアクリルアミド基、アミノ基、1級水酸基のいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載の薄膜状物。
- 請求項1〜3いずれか記載の薄膜状物が設けられてなることを特徴とする感熱記録紙。
- 請求項1〜3いずれか記載の薄膜状物が設けられてなることを特徴とするインクジェット記録紙。
- 請求項1〜3いずれか記載の薄膜状物を接着剤層とすることを特徴とする接着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003353041A JP2005120114A (ja) | 2003-10-14 | 2003-10-14 | 薄膜状物およびその用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003353041A JP2005120114A (ja) | 2003-10-14 | 2003-10-14 | 薄膜状物およびその用途 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005120114A true JP2005120114A (ja) | 2005-05-12 |
Family
ID=34611442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003353041A Pending JP2005120114A (ja) | 2003-10-14 | 2003-10-14 | 薄膜状物およびその用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005120114A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007023741A1 (ja) * | 2005-08-22 | 2007-03-01 | The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. | アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂、樹脂組成物およびその用途 |
JP2007084802A (ja) * | 2005-08-22 | 2007-04-05 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂、樹脂組成物およびその用途 |
JP2007269883A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Kuraray Co Ltd | 接着剤 |
JP2008163179A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 樹脂組成物、およびそれを用いてなるインクジェット記録用媒体 |
KR101226875B1 (ko) * | 2006-07-27 | 2013-01-25 | 닛폰고세이가가쿠고교 가부시키가이샤 | 광학용 폴리비닐알콜계 필름, 편광막 및 편광판 |
TWI403543B (zh) * | 2005-01-31 | 2013-08-01 | Nippon Synthetic Chem Ind | A polyvinyl alcohol-based film for optical use, a polarizing film, and a polarizing plate |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5859263A (ja) * | 1981-10-02 | 1983-04-08 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 高分子組成物 |
JPS6155139A (ja) * | 1984-08-27 | 1986-03-19 | Unitika Chem Kk | 水性分散組成物 |
JPH09157474A (ja) * | 1995-12-06 | 1997-06-17 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂組成物 |
JP2001072711A (ja) * | 1999-09-08 | 2001-03-21 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 樹脂組成物 |
JP2005120115A (ja) * | 2003-10-14 | 2005-05-12 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | ポリビニルアルコール系樹脂組成物 |
-
2003
- 2003-10-14 JP JP2003353041A patent/JP2005120114A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5859263A (ja) * | 1981-10-02 | 1983-04-08 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 高分子組成物 |
JPS6155139A (ja) * | 1984-08-27 | 1986-03-19 | Unitika Chem Kk | 水性分散組成物 |
JPH09157474A (ja) * | 1995-12-06 | 1997-06-17 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂組成物 |
JP2001072711A (ja) * | 1999-09-08 | 2001-03-21 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 樹脂組成物 |
JP2005120115A (ja) * | 2003-10-14 | 2005-05-12 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | ポリビニルアルコール系樹脂組成物 |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI403543B (zh) * | 2005-01-31 | 2013-08-01 | Nippon Synthetic Chem Ind | A polyvinyl alcohol-based film for optical use, a polarizing film, and a polarizing plate |
WO2007023741A1 (ja) * | 2005-08-22 | 2007-03-01 | The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. | アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂、樹脂組成物およびその用途 |
JP2007084802A (ja) * | 2005-08-22 | 2007-04-05 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂、樹脂組成物およびその用途 |
US8664333B2 (en) | 2005-08-22 | 2014-03-04 | The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. | Acetoacetic ester group-containing polyvinyl alcohol-based resin, resin composition, and uses thereof |
JP2007269883A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Kuraray Co Ltd | 接着剤 |
JP4739081B2 (ja) * | 2006-03-30 | 2011-08-03 | 株式会社クラレ | 接着剤 |
KR101226875B1 (ko) * | 2006-07-27 | 2013-01-25 | 닛폰고세이가가쿠고교 가부시키가이샤 | 광학용 폴리비닐알콜계 필름, 편광막 및 편광판 |
US8772400B2 (en) * | 2006-07-27 | 2014-07-08 | The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. | Polyvinyl alcohol-based film for optical use, polarizing film, and polarizing plate |
JP2008163179A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 樹脂組成物、およびそれを用いてなるインクジェット記録用媒体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8664333B2 (en) | Acetoacetic ester group-containing polyvinyl alcohol-based resin, resin composition, and uses thereof | |
JP5036251B2 (ja) | アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂、樹脂組成物およびその用途 | |
TWI401289B (zh) | Resin composition and its use | |
TWI593734B (zh) | 含有乙烯醇系聚合物之組成物 | |
TW201302813A (zh) | 乙烯醇系聚合物、包含其之水溶液、塗布劑、噴墨記錄材、感熱記錄材及剝離紙原紙 | |
JP2005120115A (ja) | ポリビニルアルコール系樹脂組成物 | |
JP5078268B2 (ja) | 樹脂組成物およびその用途 | |
JP3618142B2 (ja) | アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹 脂組成物及びその用途 | |
JP5561894B2 (ja) | 樹脂組成物およびその用途 | |
JP4694761B2 (ja) | 樹脂組成物水溶液およびその用途 | |
JP2005120114A (ja) | 薄膜状物およびその用途 | |
JP6355343B2 (ja) | 樹脂組成物、コート層、感熱記録媒体、及び水性塗工液 | |
JP7163637B2 (ja) | ポリビニルアルコール系樹脂、樹脂組成物、水性塗工液、保護層及び感熱記録媒体 | |
JP3838918B2 (ja) | 薄膜状物およびその用途 | |
JP6324059B2 (ja) | 樹脂組成物、コート層、感熱記録媒体、及び水性塗工液 | |
JP2004143309A (ja) | ポリビニルアルコール系樹脂組成物およびそれを用いたインクジェット記録用媒体 | |
JP3914417B2 (ja) | インクジェット用記録媒体 | |
JP4818563B2 (ja) | 樹脂組成物およびその用途 | |
JPH0925315A (ja) | アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹 脂組成物及びその用途 | |
JP6436807B2 (ja) | 保護層用塗工液、保護層及び感熱記録媒体 | |
JP5153125B2 (ja) | 樹脂組成物、およびその用途 | |
JP4082915B2 (ja) | 感熱記録用媒体 | |
JPH0911623A (ja) | 感熱記録紙 | |
JP2004277367A (ja) | 架橋剤及びそれを用いた樹脂組成物 | |
JP2004160862A (ja) | 感熱記録用媒体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060921 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090519 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090924 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091120 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100629 |