JPH0911623A - 感熱記録紙 - Google Patents

感熱記録紙

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JPH0911623A
JPH0911623A JP7184842A JP18484295A JPH0911623A JP H0911623 A JPH0911623 A JP H0911623A JP 7184842 A JP7184842 A JP 7184842A JP 18484295 A JP18484295 A JP 18484295A JP H0911623 A JPH0911623 A JP H0911623A
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pva
acetic acid
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based resin
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Akio Kitagawa
秋夫 北川
Takahito Onmiyachi
孝仁 御宮知
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、安定性に優れた塗工液を用い、印
字適性、耐水性に優れた感熱記録紙を提供すること。 【構成】 アルカリ金属の酢酸塩が2重量%以下、酢酸
が5重量%以下、かつ、アルカリ金属の酢酸塩/酢酸の
重量比が0.01〜100となる割合でアルカリ金属の
酢酸塩、酢酸を含むアセト酢酸エステル基含有ポリビニ
ルアルコール系樹脂、又は該樹脂及び架橋剤を含有する
層を用いた感熱記録紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アセト酢酸エステル基
含有ポリビニルアルコール(以下、AA化PVAと略記
する)系樹脂を加工剤として用いた感熱記録紙に関し、
更に詳しくは特定のAA化PVA系樹脂を感熱発色層、
保護層、アンダーコート層等に用いた感熱記録紙に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、熱を利用した感熱記録方法は、従
来採用されてきた印字記録方式等に必要な現像・定着と
いった工程や補給物質を全く必要とせず、簡単に記録が
得られるという大きな利点を持つことから、益々その用
途は広がりつつある。特に、クリスタルバイオレットラ
クトン等の発色性物質とフェノール化合物等の顕色剤を
加熱、反応させて発色させるという方式が、印字の鮮明
度等の点で総合的に評価され実用化されている。しか
し、前記発色性物質と顕色剤のバインダーとして水溶性
バインダー、例えばポリビニルアルコール(以下、PV
Aと略す)が多用されているため、加熱記録を長期間に
わたって続けると、サーマルヘッドとの摩擦によりPV
A等のかすがサーマルヘッドに付着したり、サーマルヘ
ッド自体と感熱記録紙が高温時に付着するといういわゆ
るスティッキングの問題が生じたり、更に印字した記録
紙が水や可塑剤等に触れるとその印字が消えたり、記録
紙がべとつくという耐水化の問題が残っている。
【0003】かかる対策として、前記記録紙上にアセト
アセチル基含有PVAよりなる保護層を設ける方法(特
開昭59−106995号公報)や、バインダーとして
該アセトアセチル基含有PVAを用いる方法(特開昭5
8−181687号公報)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開昭59−106995号公報や特開昭58−181
687号公報開示技術におけるAA化PVAを本発明者
等が詳細に検討した結果、該AA化PVAを感熱記録紙
用の加工剤として用いるとき、その塗工液の粘度安定性
及び製品の安定性という点でまだまだ改良の余地がある
ことが判明した。従って、上記公報開示技術では、塗工
液の粘度上昇により塗工性が低下し、均一な塗工面が得
られなかったり、あるいは充分な耐水性が得られなかっ
たりして、品質の安定性という点で不安が残るものであ
り、最近の技術の高度化に伴った要求性能を満足させる
べく更なる改良が不可欠である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる事
情に鑑みて鋭意検討した結果、アルカリ金属の酢酸塩が
2重量%以下、酢酸が5重量%以下、かつ、アルカリ金
属の酢酸塩/酢酸の重量比が0.01〜100となる割
合でアルカリ金属の酢酸塩、酢酸を含むAA化PVA系
樹脂組成物、好ましくは、アルカリ金属の酢酸塩が0.
5重量%以下、酢酸が2重量%以下、かつ、アルカリ金
属の酢酸塩/酢酸の重量比が0.1〜10となる割合で
アルカリ金属の酢酸塩、酢酸を含むAA化PVA系樹
脂、あるいは該AA化PVA系樹脂及び架橋剤を併用し
た塗工液が安定性に優れており、該塗工液を感熱記録紙
の感熱発色層、保護層、アンダーコート層等の加工剤と
して用いたとき、印刷適性、耐水性に優れ、又サーマル
ヘッドの汚れも少ない感熱記録紙が安定して得られるこ
とを見いだし、本発明を完成した。
【0006】以下、本発明について詳述する。本発明の
AA化PVA系樹脂は、PVAとジケテンを反応させる
方法、PVAをアセト酢酸エステルと反応させエステル
交換する方法や酢酸ビニルとアセト酢酸ビニルを共重合
させる方法等いずれの方法で製造しても良いが、製造工
程が簡略で、品質の良いAA化PVA系樹脂が得られる
点から、PVAとジケテンを反応させる方法で製造する
のが好ましい。PVA粉末とジケテンを反応させる方法
としては、PVAとガス状あるいは液状のジケテンを直
接反応させても良いし、有機酸をPVAに予め吸着吸蔵
せしめた後、不活性ガス雰囲気下で液状又はガス状のジ
ケテンを噴霧、反応するか、またはPVAに有機酸と液
状ジケテンの混合物を噴霧、反応する等の方法が用いら
れる。
【0007】本発明の出発原料であるPVA系樹脂とし
てはポリ酢酸ビニルの低級アルコール溶液をアルカリ等
のケン化触媒によってケン化して得られたPVAやその
誘導体、さらに酢酸ビニルと共重合性を有する単量体と
酢酸ビニルとの共重合体のケン化物が挙げられる。
【0008】該単量体としては、例えばエチレン、プロ
ピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、
α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ
又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタア
クリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタ
クリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリ
ルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンス
ルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、
N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジ
メチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルアリル
ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエー
テル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等
のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリ
オキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロ
ピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン
(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)ア
クリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリル
アミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミ
ド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド
ー1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエ
チレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシ
プロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルア
ミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等との共重合
ケン化物が挙げられる。
【0009】AA(アセト酢酸エステル)化を実施する
際の反応装置としては、加温可能で撹拌機の付いた装置
であれば十分である。例えば、ニーダー、ヘンシェルミ
キサー、リボンブレンダー、その他各種ブレンダー、撹
拌乾燥装置が挙げられる。
【0010】本発明のAA化PVA系樹脂においては、
酢酸、アルカリ金属の酢酸塩(酢酸ナトリウムや酢酸カ
リウム等)を、本発明に規定した量に調整することが、
最大の特徴である。即ち、アルカリ金属の酢酸塩は2重
量%以下含まれることが必要であり、好ましくは0.5
重量%以下、更に好ましくは、0.1重量%以下であ
る。アルカリ金属の酢酸塩が2重量%を越えると、塗工
液の粘度上昇により塗工性が低下し好ましくない。
【0011】本発明で用いるアルカリ金属の酢酸塩の定
量法としては、PVAを灰化した後、灰分を塩酸水溶液
に加温下に溶解した溶液について原子吸光法により行わ
れる。酢酸は5重量%以下含まれることが必要であり、
好ましくは2重量%以下、更に好ましくは、0.5重量
%以下である。酢酸が5重量%を越えると、得られた感
熱記録紙の耐水性が不充分となり好ましくない。本発明
で用いる酢酸の定量法としては、ガスクロマトグラフィ
ー/質量分析法(GC/MS法)によって求める。
【0012】アルカリ金属の酢酸塩、酢酸の含有量のコ
ントロールとして要は、最終製品が本発明の範囲内に入
る様にすれば良く、そのコントロールの時期は任意であ
る。例えば、原末のPVAを製造する時のケン化で用い
る時のアルカリ触媒の量を調節したり、PVA製造後ア
ルカリ金属の酢酸塩を追加したり、除去したりいずれも
任意である。酢酸量もPVA製造後に酢酸を添加した
り、又、多量に酢酸が含まれるPVAを洗浄、乾燥した
りしても良い。又、原末処理にとどまらず、AA化PV
A系樹脂の製造中又は製造後で、アルカリ金属の酢酸塩
を添加したり除去したり、酢酸を除去したり添加して、
コントロールを行っても良い。工業的にはAA化PVA
系樹脂製造後、アルカリ金属の酢酸塩及び酢酸の除去を
行う方法が実用的である。
【0013】アルカリ金属の酢酸塩を取り除くには、ア
ルコール洗浄等の方法でAA化PVA系樹脂を処理す
る。処理法として好ましくは、アルコール洗浄を用い
る。アルコールとしてはメタノール、エタノール、n−
プロパノール、イソプロパノール等が用いられるが、好
ましくはメタノールを用いる。この場合、メタノール洗
浄は、PVAの1〜15倍重量を使用し、5〜60℃、
0.5〜2時間で1〜3回程度洗浄すれば良い。
【0014】酢酸を取り除くには、減圧留去や、メタノ
ール洗浄、乾燥処理、濾過、遠心分離等の方法でAA化
PVA系樹脂を処理する。これらの処理は同時又は別々
のいずれでも良い。処理法として好ましくは、乾燥処理
を用いる。乾燥処理条件は装置により異なるが、30〜
80℃、10時間程度行えば良く、好ましくは、40〜
70℃、3〜6時間程度行う。
【0015】アルカリ金属の酢酸塩/酢酸の重量比は
0.01〜100であることが必要で、好ましくは、
0.1〜10である。該重量比が0.01より小さいと
きは得られた感熱記録紙の耐水性が不充分となり、10
0を越えるときは塗工液の粘度上昇により塗工性が低下
し好ましくない。
【0016】本発明においては、組成物の、4重量%水
溶液のpHを3〜6.5、好ましくは4〜5に調節する
と、更に得られた感熱記録紙物性の安定性及び塗工液の
粘度安定性が良好であることも見いだされた。pHが3
より小さかったり、6.5を越えると充分な耐水性が得
られなかったり、塗工液の増粘が起こったりする。
【0017】pHのコントロールとして要は、最終製品
の4重量%水溶液のpHが本発明の範囲内に入る様にす
れば良く、そのコントロールの時期は任意である。例え
ば、原末のPVAを製造する時のケン化時のアルカリ触
媒の量を調節したり、PVA製造後酢酸を追加したり、
除去したりいずれも任意である。また必要に応じ塩酸、
硫酸、リン酸等の鉱酸又は、プロピオン酸、マレイン酸
等の有機酸又は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化カルシウム、第一アミン、第二アミン、第三アミ
ン、第四級アンモニウム塩等の添加によりpHの調整を
行っても良い。又、原末処理にとどまらず、AA化PV
A系樹脂の製造中又は製造後で、上記のようなpH調整
を行っても良い。
【0018】かくして上記方法で得られたAA化PVA
系樹脂は感熱発色層、保護層、アンダーコート層等、感
熱記録紙の加工剤として用いられ、本発明の感熱記録紙
が得られるわけであるが、AA化PVA系樹脂を得る際
に用いられるPVAは、特に限定されないが、該加工剤
としての作用効果の点から、平均重合度50〜600
0、好ましくは100〜4000、更に好ましくは30
0〜2000、ケン化度70〜100モル%、好ましく
は80〜100モル%、更に好ましくは85〜100モ
ル%であることが望まれる。AA化PVA系樹脂のAA
化度は0.01〜30モル%、好ましくは0.05〜2
0モル%、更に好ましくは0.1〜15モル%であるこ
とが望まれ、AA化度が0.01モル%未満のAA化P
VA系樹脂では充分な耐水性を有する感熱記録紙が得ら
れず、一方AA化度が30モル%を越えるAA化PVA
系樹脂では逆に耐水性が低下し、スティッキングも起こ
りやすくなり、又塗工液の安定性の点でも好ましくな
い。
【0019】次に本発明のAA化PVA系樹脂を感熱発
色層、保護層、アンダーコート層等に用いた感熱記録紙
について説明する。上記方法により得られたAA化PV
A系樹脂を加工剤として感熱記録紙の各層に適用するに
当たっては、発色性物質、顕色剤、本発明のAA化P
VA系樹脂(バインダー)より構成された、又は発色性
物質、顕色剤、本発明のAA化PVA系樹脂及び架橋剤
より構成された感熱発色層、発色性物質、顕色剤、バ
インダーより構成された感熱発色層の上に用いる、本発
明のAA化PVA系樹脂及び架橋剤を含有した保護層、
感熱発色層と基紙の間に用いる本発明のAA化PVA
系樹脂、又は該AA化PVA系樹脂及び架橋剤を含有し
たアンダーコート層が挙げられ、更には〜のいずれ
か2層の併用又は〜の3層の使用が実施可能であ
る。
【0020】まず、の感熱発色層について具体的に説
明する。本発明における発色性物質としては、例えば、
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−フタリ
ド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6
−ジメチルアミノフタリド[クリスタルバイオレットラ
クトン]、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジエチルアミノフタリド、3,3−ビス(p
−ジメチルアミノフェニル)−6−クロロフタリド、3
−ジメチルアミノ−6−メトキシフルオラン、7−アセ
トアミノ−3−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ5,7−ジメチルフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−5,7−ジメチルフルオラン、3,6−ビス−β
−メトキシエトキシフルオラン、3,6−ビス−β−シ
アノエトキシフルオラン等のトリフェニルメタン系染料
のロイコ体が挙げられる。
【0021】顕色剤としては、前記発色性物質と加熱時
反応して発色せしめるもので常温以上、好ましくは70
℃以上で液化もしくは気化するもの、例えば、フェノー
ル、p−メチルフェノール、p−tert−ブチルフェ
ノール、p−フェニルフェノール、α−ナフトール、β
−ナフトール、4,4′−イソプロピリデンジフェノー
ル[ビスフェノールA]、4,4′−sec−ブチルデ
ンジフェノール、4,4′−シクロヘキシリデンジフェ
ノール、4,4′−イソプロピリデンビス(2−ter
t−ブチルフェノール)、4,4′−(1−メチル−n
−ヘキシリデン)ジフェノール、4,4′−イソプロピ
リデンジカテコール、4,4′−ペンジリデンジフェノ
ール、4,4′−イソプロピリデンビス(2−クロロフ
ェノール)、フェニル−4−ヒドロキシベンゾエート、
サリチル酸、3−フェニルサリチル酸、5−メチルサリ
チル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、1
−オキシ−2−ナフトエ酸、m−オキシ安息香酸、4−
オキシフタル酸、没食子酸等が挙げられるが、発色性物
質、顕色剤ともにこれらに限定されるわけではない。
【0022】感熱発色層を形成するための塗工液の調製
に当たっては発色性物質の水分散液と顕色剤の水分散液
を各々別々に製造し、それらを充分撹拌して微粉砕した
後、両液を混合撹拌するだけで均一な分散系の塗工液が
得られる。バインダー成分としての本発明のAA化PV
A系樹脂は、発色性物質の水分散液及び顕色剤の水分散
液の少なくとも一方に添加され、該AA化PVA系樹脂
の添加量は、発色性物質及び顕色剤の総量に対して10
〜200重量%、好ましくは50〜150重量%が適当
である。該コーティング液の固形分濃度は作業性を考慮
して10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%の
範囲から選ばれる。
【0023】又、本発明では、架橋剤として、グリオキ
ザール、メチロールメラミン、過硫酸カリ、過硫酸アン
モニウム、過硫酸ソーダや、塩化第二鉄、塩化マグネシ
ウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネ
シウム等の金属塩、ジイソシアネート等の多官能性イソ
シアネート、塩化アンモニウム、ホルマリン、グリシ
ン、グリシジルエステル、グリシジルエーテル、ジメチ
ロール尿素、ケテンダイマー、ホウ酸、ホウ砂、ジルコ
ニウムアルコキシド、炭酸ジルコニウムアンモニウム、
塩化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウ
ム、硫酸ジルコニウム等のジルコニウム塩、ジアルデヒ
ド、澱粉、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド
−エピハロヒドリン樹脂、ケトン−アルデヒド樹脂、ポ
リエチレンイミン樹脂等を塗工液に加えることが好まし
く、スティッキング防止性能、かす付着防止性能を落と
さずに耐水性が向上する。
【0024】架橋剤の併用に際しては、AA化PVA系
樹脂あるいは該水溶液にAA化PVA系樹脂固形分10
0重量部に対して0.01〜100重量部、好ましくは
0.05〜50重量部、更に好ましくは0.1〜30重
量部配合したり、又は該AA化PVA系樹脂の塗工前後
に被覆する等、任意の補助的操作が可能である。該架橋
剤の配合量が0.01重量部未満では充分な耐水性が得
られず、100重量部を越えると逆に耐水性が低下した
り、スティッキングの問題が発生し好ましくない。
【0025】更に高級脂肪酸アミド等の熱可塑性物質や
炭酸カルシウム、クレー、二酸化チタン等の填料、分散
剤等公知の添加剤を添加することも任意である。更にバ
インダーとして、AA化PVA系樹脂以外のバインダ
ー、例えばPVA、カルボキシル基含有PVA等の変性
PVA、メチルセルロース、デンプン類、ラテックス類
等を混合して用いることもできる。
【0026】該塗工液を塗布する紙としては特に制限は
なく任意の紙が使用できる。又、塗布に当たっては、ロ
ールコーター法、エヤードクター法、ブレードコーター
法、バーコーター法等公知の任意の方法が採用される。
しかして、該コーティング液の塗布量は、乾燥重量で1
〜20g/m2、好ましくは3〜10g/m2程度になる
ようにするのが適当である。
【0027】次にの保護層について具体的に説明す
る。保護層は上記の如く形成された感熱発色層(必ずし
もバインダーとして本発明のAA化PVA系樹脂を用い
たものである必要はなく、従来の例えば未変性PVA、
カルボキシル基含有PVA等の変性PVA、メチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン類、ラ
テックス類等を用いたものでもよい)の上に形成(被
覆)されるもので、本発明では、上記特定のAA化PV
A系樹脂及び架橋剤の併用で構成されており、該架橋剤
としては前記のものが用いられ、該被覆は任意の手段で
実施できる。被覆に用いる被覆液の濃度は塗工性等を考
慮すると1〜30重量%が適当である。被覆量は、乾燥
重量で0.5〜10g/m2程度が好ましい。被覆後は
風乾あるいは軽度の加熱処理を行うことによって目的と
する被覆層が形成される。
【0028】該被覆に当たってはロールコーター法、エ
ヤードクター法、ブレードコーター法、バーコーター法
等任意の手段で実施可能である。又、被覆層には各種の
公知の助剤を混合したり、あるいは該AA化PVA系樹
脂の塗工前後にかかる助剤を被覆する等、任意の補助的
操作が可能である。該助剤としては、前記填料や添加剤
等を使用することも任意である。
【0029】次にのアンダーコート層について具体的
に説明する。アンダーコート層は、上述したように基紙
と感熱発色層との間に介されるもので、本発明のAA化
PVA系樹脂、又は該AA化PVA系樹脂及び上記架橋
剤を基紙上に塗布したものである。塗布される基紙とし
ては特に制限はなく、任意の紙が使用でき、塗布方法も
ロールコーター法、エヤードクター法、ブレードコータ
ー法、バーコーター法、サイズプレス法、ゲートロール
法等の公知の任意の手段で実施できる。該塗布に用いる
塗布液の濃度は塗工性を考慮すると0.5〜15重量%
が適当で、塗布量は乾燥重量で0.5〜5g/m2程度
が好ましい。塗布後は風乾あるいは軽度の加熱乾燥を行
うことによって目的とするアンダーコート層が形成され
る。又、該アンダーコート層には、上記の保護層と同様
に各種の公知の助剤を混合することも可能である。
【0030】かかる方法で設けられたアンダーコート層
上に感熱発色層又は感熱発色層と保護層が設けられて本
発明の感熱記録紙となるのである。尚、本発明では、少
なくとも、基紙/アンダーコート層/感熱発色層/保護
層、基紙/アンダーコート層/感熱発色層、基紙/感熱
発色層/保護層あるいは基紙/感熱発色層の層構成より
なる感熱記録紙において、少なくとも上記の〜のい
ずれかの層が用いられていればよく(他の層は従来公知
の方法により形成されたもの)、特に限定されない。勿
論上述したように〜の2種類以上の層を組み合わせ
ることも可能である。
【0031】
【作 用】本発明は、特定のAA化PVA系樹脂を用い
ているため、感熱記録紙用の加工剤として単独あるいは
架橋剤と併用して用いるときの塗工液の安定性に優れ、
アンダーコート層、感熱発色層、保護層等に用いること
により、印字適性、耐水性に優れ、又サーマルヘッドの
汚れも少ない感熱記録紙を安定して得ることができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明について実施例を挙げて更に詳
しく説明する。尚、実施例中、「部」、「%」とあるの
は、断りのない限り重量基準を意味する。 (AA化PVA系樹脂の製造)下記の方法によりAA化
PVA(I)〜(VIII)を製造した。 [AA化PVA(I)]酢酸ナトリウムを0.3%含有
するPVA粉末(ケン化度99.4モル%、重合度12
00、平均粒径100メッシュ)をニーダーに100部
仕込み、これに酢酸60部を入れ、膨潤させ、回転数2
0rpmで撹拌しながら、60℃に昇温後、ジケテン2
5部と酢酸2部の混合液を4時間かけて滴下し、更に3
0分間反応させた。反応終了後メタノール500部で洗
浄した後70℃で、6時間乾燥し、酢酸ナトリウム0.
05%、酢酸0.1%を含む(酢酸ナトリウム/酢酸の
重量比=0.5)、AA化度6.0モル%のAA化PV
A系樹脂組成物を得た。このAA化PVA系樹脂組成物
の4%水溶液のpHは4.5であった。
【0033】[AA化PVA(II)]酢酸ナトリウムを
0.3%含有するPVA粉末(ケン化度88モル%、重
合度1300、平均粒径200メッシュ)をニーダーに
100部仕込み、回転数60rpmで撹拌しながら、液
状ジケテン15部を室温で30分間にわたって噴霧添加
した後、60℃に昇温して3時間反応させた。反応後、
50部のメタノールで3回洗浄してから、酢酸ナトリウ
ムを0.05部添加した後、60℃で、8時間乾燥し、
酢酸ナトリウムを0.05%、酢酸0.01%を含む
(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=5)、AA化度3.
3モル%のAA化PVA系樹脂組成物を得た。このAA
化PVA系樹脂組成物の4%水溶液のpHは4.8であ
った。
【0034】[AA化PVA(III)]酢酸ナトリウム
を0.3%含有するPVA粉末(ケン化度88モル%、
重合度1300、平均粒径100メッシュ)をニーダー
に100部仕込み、回転数20rpmで撹拌下に、1時
間にわたって90℃に昇温しながら、蒸発器で発生させ
たジケテンガス8部を反応器内に流入させた。90℃に
昇温後、更に30分間撹拌後、水5部と酢酸10部を噴
霧して混合し、減圧下(100mmHg)60℃で8時
間乾燥させ、酢酸ナトリウムを0.1%、酢酸を2%含
む(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=0.05)、AA
化度3.1モル%のAA化PVA系樹脂組成物を得た。
このAA化PVA系樹脂組成物の4%水溶液のpHは
3.5であった。
【0035】[AA化PVA(IV)]上記のAA化PV
A(I)の製造において、メタノール500部での洗浄
を更に1回追加し、乾燥条件を減圧下(10mmHg)
70℃で6時間に変更した他は同様に製造し、酢酸ナト
リウムを0.0075%、酢酸を0.001%含む(酢
酸ナトリウム/酢酸の重量比=7.5)、AA化度3.
1モル%のAA化PVA系樹脂組成物を得た。このAA
化PVA系樹脂組成物の4%水溶液のpHは5.8であ
った。
【0036】[AA化PVA(V)]上記のAA化PV
A(I)の製造において、メタノール量を100部に変
更し、乾燥条件を40℃で6時間に変更した以外は同様
に行って、酢酸ナトリウム0.2%、酢酸5.3%を含
む(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=0.04)、AA
化度6.0モル%のAA化PVA系樹脂組成物を得た。
このAA化PVA系樹脂組成物の4%水溶液のpHは
2.8であった。
【0037】[AA化PVA(VI)]上記のAA化PV
A(I)の製造において、乾燥条件を減圧下(100m
mHg)70℃で6時間に変更した以外は同様に行っ
て、酢酸ナトリウム0.2%、酢酸0.001%を含む
(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=200)、AA化度
6.0モル%のAA化PVA系樹脂組成物を得た。この
AA化PVA系樹脂組成物の4%水溶液のpHは5.8
であった。
【0038】[AA化PVA(VII)]上記のAA化P
VA(I)の製造において、AA化反応終了後、酢酸ナ
トリウムを3.0部加え撹拌して、乾燥工程を減圧下
(100mmHg)60℃、3時間に変更した以外は同
様の操作で製造し、酢酸ナトリウム2.2%、酢酸0.
25%を含む(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=8.
8)、AA化度6.0モル%のAA化PVA系樹脂組成
物を得た。このAA化PVA系樹脂組成物の4%水溶液
のpHは4.0であった。
【0039】[AA化PVA(VIII)]酢酸ナトリウム
を0.1%含有するPVA粉末(ケン化度99.5モル
%、重合度1200、平均粒径200メッシュ)をニー
ダーに100部仕込み、これに酢酸30部、アセト酢酸
メチル30部及び硫酸2部を加え80℃にて撹拌しなが
ら8時間反応し、反応終了後メタノール50部で洗浄
し、60℃、4時間乾燥し、酢酸ナトリウム0.02
%、酢酸4%を含む(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=
0.005)、AA化度6.0モル%のAA化PVA系
樹脂組成物を得た。このAA化PVA系樹脂組成物の4
%水溶液のpHは2.5であった。
【0040】実施例1(感熱発色層) AA化PVA(I)を用いて、以下の要領で感熱記録紙
を作製した。A液 クリスタルバイオレットラクトン 10部 AA化PVA(I)5%水溶液 10部 水 15部B液 ビスフェノールA 50部 AA化PVA(I)5%水溶液 50部 水 75部
【0041】上記A液、B液を別々にサンドグラインダ
ーで平均粒子径2μ程度になるまで粉砕し、その後A
液、B液、炭酸カルシウム50部、各液で使ったものと
同一のAA化PVA系樹脂の15%水溶液250部を混
合して、感熱発色層用の塗工液(イ)を得た。該塗工液
(イ)の安定性を下記の如く評価した。
【0042】(塗工液の安定性)塗工液を30℃の恒温
槽に入れ、72時間静置の粘度(b)を測定し、初期粘
度(a)に対する倍率(b/a)を算出した。
【0043】次いで、塗工液の安定性評価を行った塗工
液(イ)を坪量50g/m2の基紙の上に乾燥後の塗布
量が5.0g/m2になるようにして塗布し、乾燥させ
て感熱記録紙を得た。該感熱記録紙の印字発色濃度、耐
水性、サーマルヘッドの汚れを以下の方法で評価した。
【0044】(印字発色濃度)熱傾斜試験機(東洋精機
社製)によって120℃、2kg/cm2、10秒の条
件下に印字発色させ、印字発色濃度をマクベス濃度計
(マクベス社製、RD−100R型、アンバーフィルタ
ー使用)にて測定を行った。
【0045】(耐水性)水を発色部分に数滴滴下して、
20℃で24時間放置後、該水を拭き取り、その後上記
の濃度計にて印字発色濃度(a)を測定して、放置前の
印字発色濃度(b)との差を残色率(%)として下式に
より算出した。 残色率(%)=[1−(b−a)/b]×100
【0046】(サーマルヘッドの汚れ)ファクシミリで
連続20m格子模様を印字させて、スティッキングの発
生の様子、サーマルヘッドのかす付着の程度を観察し、
◎〜×の4段階で評価した。
【0047】実施例2〜8、比較例1〜4 表1に示すAA化PVA系樹脂、架橋剤を用いて、実施
例1の方法に準じて実験を行い、実施例1と同様に感熱
記録紙の加工剤(バインダー)としての評価を行った。
尚、架橋剤はAA化PVA系樹脂溶液に予め添加して用
いた。実施例1〜8、比較例1〜4のそれぞれの評価結
果を表1に示す。
【0048】
【表1】 AA化 架橋剤 塗工液(イ) 印字 耐水性 サーマル PVA 種類 部 の安定性 発色 (%) ヘッド (倍) 濃度 の汚れ 実施例1 (I) − − 1.1 1.41 90 ◎ 〃 2 (II) ク゛リオキサ゛ール 0.5 1.2 1.41 97 ◎ 〃 3 (III) ク゛リオキサ゛ール 20 1.4 1.40 98 ○ 〃 4 (IV) ク゛リオキサ゛ール 5 1.3 1.41 98 ◎ 〃 5 (I) ク゛リオキサ゛ール 5 1.2 1.41 98 ◎ 〃 6 (I) シ゛ルコソ゛ールZC 5 1.2 1.41 98 ◎ 〃 7 (I) シ゛ルコソ゛ールZA 5 1.3 1.41 97 ◎ 〃 8 (I) シ゛メチロール尿素 5 1.2 1.41 98 ◎ 比較例1 (V) ク゛リオキサ゛ール 5 1.3 1.40 75 ◎ 〃 2 (VI) シ゛ルコソ゛ールZC 5 3.5 1.30 96 ○ 〃 3 (VII) ク゛リオキサ゛ール 5 5.5 1.28 96 ○ 〃 4 (VIII) − − 1.3 1.39 55 ◎ 注)架橋剤の配合量はAA化PVA系樹脂100重量部に対する量である。 架橋剤:シ゛ルコソ゛ールZC(酸塩化ジルコニウム系、第一稀元素化学工業(株)社製) シ゛ルコソ゛ールZA(酢酸ジルコニウム系、第一稀元素化学工業(株)社製) 尚、比較例2、3については均一塗工が困難であった。
【0049】実施例9(保護層) 以下の要領で感熱記録紙を作製した。 A液 クリスタルバイオレットラクトン 10部 未変性PVA系樹脂5%水溶液 10部 (ケン化度99.0モル%、4水溶液粘度 cps/20℃) 水 15部 B液 ビスフェノールA 50部 A液と同一の未変性PVA5%水溶液 50部 水 75部
【0050】上記A液、B液を別々にサンドグラインダ
ーで平均粒子径2μ程度になるまで粉砕し、その後A液
及びB液の各液で使ったものと同一の未変性PVAの1
5%水溶液500部を混合して、感熱発色層用の塗工液
を得た。次いで、該塗工液を坪量50g/m2の基紙上
に乾燥後の塗布量が5.0g/m2になるようにして塗
布し、乾燥させた。更にこの上に実施例1で用いたAA
化PVA(I)の10%水溶液100部及び炭酸カルシ
ウム5部、及び架橋剤としてジルコゾールZC(酸塩化
ジルコニウム系、第一稀元素化学工業(株)社製)5部か
らなる保護層用の塗工液(ロ)をディクソンコーターを
用いて1.5g/m2(ネット)の割合にオーバーコー
トし、風乾して感熱記録紙を得た。上記塗工液(ロ)の
安定性及び得られた感熱記録紙について実施例1と同様
に評価した。
【0051】実施例10〜16、比較例5〜8 表2に示すAA化PVA系樹脂、架橋剤を用いて、実施
例9の方法に準じて実験を行い、実施例9と同様に感熱
記録紙の加工剤(保護層)としての評価を行った。実施
例9〜16、比較例5〜8のそれぞれの評価結果を表2
に示す。
【0052】
【表2】 AA化 架橋剤 塗工液(ロ) 印字 耐水性 サーマル PVA 種類 部 の安定性 発色 (%) ヘッド (倍) 濃度 の汚れ 実施例9 (I) シ゛ルコソ゛ールZC 5 1.1 1.40 99 ◎ 〃 10 (II) ク゛リオキサ゛ール 0.5 1.2 1.40 98 ◎ 〃 11 (III) ク゛リオキサ゛ール 20 1.3 1.39 98 ○ 〃 12 (IV) ク゛リオキサ゛ール 5 1.3 1.40 99 ◎ 〃 13 (I) ク゛リオキサ゛ール 5 1.2 1.40 99 ◎ 〃 14 (I) シ゛ルコソ゛ールZN 5 1.3 1.40 99 ◎ 〃 15 (I) シ゛ルコソ゛ールZA 5 1.2 1.40 99 ◎ 〃 16 (I) シ゛メチロール尿素 5 1.2 1.40 99 ◎ 比較例5 (V) ク゛リオキサ゛ール 5 1.3 1.39 77 ◎ 〃 6 (VI) シ゛ルコソ゛ールZC 5 3.3 1.27 97 ○ 〃 7 (VII) ク゛リオキサ゛ール 5 5.0 1.25 98 ○ 〃 8 (VIII)ク゛リオキサ゛ール 5 1.3 1.38 60 ◎ 注)架橋剤の配合量はAA化PVA系樹脂100重量部に対する量である。 架橋剤:シ゛ルコソ゛ールZC(酸塩化ジルコニウム系、第一稀元素化学工業(株)社製 ) シ゛ルコソ゛ールZN(硝酸ジルコニウム系、第一稀元素化学工業(株)社製) シ゛ルコソ゛ールZA(酢酸ジルコニウム系、第一稀元素化学工業(株)社製) 尚、比較例6、7については均一塗工が困難であった。
【0053】実施例17(アンダーコート層) 以下の要領で感熱記録紙を作製した。まず、坪量50g
/m2の基紙に実施例1で用いたAA化PVA(I)の5
%水溶液及び、架橋剤として該AA化PVA固形分10
0部に対してジルコゾールZC(酸塩化ジルコニウム
系、第一稀元素化学工業(株)社製)5部からなるアンダ
ーコート層用の塗工液(ハ)を試験用サイズプレス装置
(熊谷理機社製)を用いて1.5g/m2(ネット)の
割合に塗布して110℃で1分間乾燥し、アンダーコー
ト塗工紙を得た。
【0054】 A液 クリスタルバイオレットラクトン 10部 未変性PVA系樹脂5%水溶液 10部 (ケン化度99.0モル%、4水溶液粘度 cps/20℃) 水 15部 B液 ビスフェノールA 50部 A液と同一の未変性PVA5%水溶液 50部 水 75部
【0055】上記A液、B液を別々にサンドグラインダ
ーで平均粒子径2μ程度になるまで粉砕し、その後A液
及びB液の各液で使ったものと同一の未変性PVAの1
5%水溶液500部を混合して、感熱発色層用の塗工液
を得た。次いで、該塗工液を上記アンダーコート塗工紙
上に乾燥後の塗布量が5.0g/m2になるように塗布
して、乾燥させて感熱記録紙を得た。上記塗工液(ハ)
の安定性及び得られた感熱記録紙について実施例1と同
様に印字発色濃度及び耐水性を評価した。尚、耐水性に
ついては、水は発色部分の裏面(非記録面)より滴下
し、20℃、24時間放置後、該水を拭き取り、その後
の濃度を測定し、放置前の印字発色濃度との差を残色率
(%)として同様に算出した。
【0056】実施例18〜24、比較例9〜12 表3に示すAA化PVA系樹脂、架橋剤を用いて、実施
例18の方法に準じて実験を行い、実施例18と同様に
感熱記録紙のアンダーコート層としての評価を行った。
実施例17〜24、比較例9〜12のそれぞれの評価結
果を表3に示す。
【0057】
【表3】 AA化 架橋剤 塗工液(ロ) 印字 耐水性 PVA 種類 部 の安定性 発色 (%) (倍) 濃度 実施例17 (I) シ゛ルコソ゛ールZC 5 1.1 1.42 99 〃 18 (II) ク゛リオキサ゛ール 0.5 1.2 1.41 98 〃 19 (III) ク゛リオキサ゛ール 20 1.2 1.41 99 〃 20 (IV) ク゛リオキサ゛ール 5 1.2 1.42 99 〃 21 (I) ク゛リオキサ゛ール 5 1.1 1.42 99 〃 22 (I) シ゛ルコソ゛ールZN 5 1.2 1.42 99 〃 23 (I) シ゛ルコソ゛ールZA 5 1.1 1.41 99 〃 24 (I) シ゛メチロール尿素 5 1.1 1.42 99 比較例9 (V) ク゛リオキサ゛ール 5 1.2 1.41 80 〃 10 (VI) シ゛ルコソ゛ールZC 5 3.4 1.35 98 〃 11 (VII) ク゛リオキサ゛ール 5 4.8 1.34 98 〃 12 (VIII) ク゛リオキサ゛ール 5 1.3 1.41 81 注)架橋剤の配合量はAA化PVA系樹脂100重量部に対する量である。 架橋剤:シ゛ルコソ゛ールZC(酸塩化ジルコニウム系、第一稀元素化学工業(株)社製) シ゛ルコソ゛ールZN(硝酸ジルコニウム系、第一稀元素化学工業(株)社製) シ゛ルコソ゛ールZA(酢酸ジルコニウム系、第一稀元素化学工業(株)社製) 尚、比較例10、11については均一塗工が困難であった。
【0058】
【発明の効果】本発明は、特定のAA化PVA系樹脂を
用いているため、感熱記録紙用の加工剤として単独ある
いは架橋剤と併用して用いるときの塗工液の安定性に優
れ、アンダーコート層、感熱発色層、保護層等に用いる
ことにより、印字適性、耐水性に優れ、又サーマルヘッ
ドの汚れも少ない感熱記録紙を安定して得ることができ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属の酢酸塩が2重量%以下、
    酢酸が5重量%以下、かつ、アルカリ金属の酢酸塩/酢
    酸の重量比が0.01〜100となる割合でアルカリ金
    属の酢酸塩、酢酸を含むアセト酢酸エステル基含有ポリ
    ビニルアルコール系樹脂を含有する層を用いたことを特
    徴とする感熱記録紙。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属の酢酸塩が0.5重量%以
    下、酢酸が2重量%以下、かつ、アルカリ金属の酢酸塩
    /酢酸の重量比が0.1〜10となる割合でアルカリ金
    属の酢酸塩、酢酸を含むアセト酢酸エステル基含有ポリ
    ビニルアルコール系樹脂を含有する層を用いたことを特
    徴とする感熱記録紙。
  3. 【請求項3】 更に、架橋剤を併用したことを特徴とす
    る請求項1又は2記載の感熱記録紙。
  4. 【請求項4】 該層が発色性物質、該発色性物質を熱時
    に発色させる顕色剤及びアセト酢酸エステル基含有ポリ
    ビニルアルコール系樹脂を含有してなる感熱発色層であ
    ることを特徴とする請求項1、2又は3記載の感熱記録
    紙。
  5. 【請求項5】 該層が発色性物質、該発色性物質を熱時
    に発色させる顕色剤及びバインダーを含有してなる感熱
    発色層上に設ける保護層であることを特徴とする請求項
    3又は4いずれか記載の感熱記録紙。
  6. 【請求項6】 該層が発色性物質、該発色性物質を熱時
    に発色させる顕色剤及びバインダーを含有してなる感熱
    発色層と基紙の間に設けるアンダーコート層であること
    を特徴とする請求項1〜5いずれか記載の感熱記録紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008127458A (ja) * 2006-11-21 2008-06-05 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 樹脂組成物、およびその用途
JP2009039874A (ja) * 2007-08-06 2009-02-26 Mitsubishi Paper Mills Ltd 感熱記録材料
JP2014139000A (ja) * 2012-11-19 2014-07-31 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 感熱記録媒体および感熱発色層形成用塗工液

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