JPH0664330A - 感熱記録用のシート - Google Patents

感熱記録用のシート

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JPH0664330A
JPH0664330A JP4245695A JP24569592A JPH0664330A JP H0664330 A JPH0664330 A JP H0664330A JP 4245695 A JP4245695 A JP 4245695A JP 24569592 A JP24569592 A JP 24569592A JP H0664330 A JPH0664330 A JP H0664330A
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JP
Japan
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pva
color
recording sheet
heat
component layer
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JP4245695A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Katayama
哲也 片山
Hitoshi Maruyama
均 丸山
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来からPVAを使用した感熱記録用のシー
トの特長である、発色性を保ったまま、さらに感熱ヘッ
ドの摩耗が少ない感熱記録用のシートを提供すること。 【構成】 (1)感熱発色成分層に添加するバインダ
ー、あるいは感熱発色成分層上に付与せしめるオーバー
コート剤の主成分がNa含有量1000ppm以下のポ
リビニルアルコール系樹脂であることを特徴とする感熱
記録用のシート。 (2)感熱発色成分層を支持基体上に設けた感熱記録用
のシートにおいて、感熱発色成分層に添加するバインダ
ー、あるいは感熱発色成分層上に付与せしめるオーバー
コート剤の主成分が分子内にアニオン性基を含有し、該
アニオン性基1当量に対して2価以上の金属イオンを
0.5当量以上含有するアニオン性基変性ポリビニルア
ルコール系樹脂であることを特徴とする感熱記録用のシ
ート。 【効果】 本発明の感熱記録用のシートを用いると感熱
ヘッドの摩耗が少ないため、感熱ヘッドを交換すること
なく感熱プリンターの長時間使用が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発色性に優れ、さらに感
熱ヘッドの摩耗が少ない感熱記録用のシートに関する。
さらに詳しくは、発色性に優れ、かつ感熱ヘッドの摩耗
が少ない感熱記録用のシートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、クリスタルバイオレットラクトン
のような無色または淡色の発色性ラクトン化合物とフェ
ノール化合物のような酸性化合物とを水溶性バインダー
とともに支持基体上に塗布した感熱記録用のシートが知
られている。この感熱記録用のシートはファクシミリ、
コンピューター端末機、電卓用プリンター、医療計測
器、POS等のバーコードラベルなどに広く使用されて
いる。感熱記録用のシートの水溶性バインダーとして
は、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVAと略記
する)、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸
塩、スチレン−マレイン酸共重合体の中和物等の水溶性
高分子が用いられ、中でもPVAは接着性能が優れてい
るため広く使用されている。しかしながら、このような
水溶性バインダーを用いて製造された感熱記録用のシー
トの場合、発色性ラクトン化合物とフェノール化合物の
ような酸性化合物との相溶および反応によって得られる
発色画線は、湿気あるいは有機溶剤に対して不安定であ
り、水と接触したり、塩ビ系樹脂中の可塑剤等と接触す
ると発色部分は退色、消色しやすいという欠点を有して
いた。このような欠点を克服する方法としてカルボキシ
ル基を含有するPVAとその架橋剤を併用する方法が知
られている。しかしながら通常のカルボキシル基を含有
するPVAを使用した感熱記録用のシートは、長期間使
用するうちに感熱ヘッドが摩耗するために感熱ヘッドの
寿命が短くなるという欠点を持っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は発色性に優
れ、さらに感熱ヘッドの摩耗が少ない感熱記録用のシー
トを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは発色性に優
れ、さらに感熱ヘッドの摩耗が少ない感熱記録用のシー
トを得ることを目的に鋭意検討した結果、感熱発色成分
層を支持基体上に設けた感熱記録用のシートにおいて、
感熱発色成分層に添加するバインダー、あるいは感熱発
色成分層上に付与せしめるオーバーコート剤の主成分が
ナトリウム(Na)含有量1000ppm以下のPVA
であることを特徴とする感熱記録用のシートを見出し本
発明を完成させるに到った(以下、第1発明と略記す
る)。
【0005】さらに、本発明者らは上記目的を達成する
他の手段として、感熱発色成分層を支持基体上に設けた
感熱記録用のシートにおいて、感熱発色成分層に添加す
るバインダー、あるいは感熱発色成分層上に付与せしめ
るオーバーコート剤の主成分が分子内にアニオン性基を
含有し、該アニオン性基1当量に対して2価以上の金属
イオンを0.5当量以上含有するアニオン性基変性PV
Aであることを特徴とする感熱記録用のシートを見出し
たものである(以下、第2発明と略記する)。
【0006】第1発明に使用するPVAは、そのNa含
有量が1000ppm以下であることが必須であり、5
00ppm以下が好ましく、200ppmがより好まし
く、100ppm以下がさらにより好ましい。Na含有
量が1000ppmより大きくなると感熱ヘッドの摩耗
が著しくなり好ましくない。Na含有量は1000pp
m以下であることが必須であり、その他の金属などの含
有量は制限はないが、Na含有量よりもアルカリ土類金
属の含有量が多い方が好ましい。
【0007】PVAのけん化度としては60〜100モ
ル%が好ましく、70〜99.9モル%がより好まし
く、80〜99.5モル%がさらにより好ましい。けん
化度が低くなるとバインダー力が低下したり、PVAの
溶融物が感熱ヘッドに付着するトラブルが発生しやすく
なる。PVAの重合度としては200〜5000が好ま
しく、300〜3000がより好ましく、700〜20
00がさらにより好ましい。PVAの重合度が小さくな
るとバインダー力が低下する傾向がある。ここでPVA
の重合度は該PVAの完全けん化物の水溶液の粘度から
通常の方法で求めた粘度平均重合度である。
【0008】第1発明で使用するPVAは、他のモノマ
ーと共重合を行なったものでも良く、特に(メタ)アク
リル酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン
酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体また
はその塩を共重合することにより得られたカルボキシル
基変性PVAは架橋剤を併用することにより耐水性をさ
らに向上させることができる点で特に有効である。カル
ボキシル基含有単量体またはその塩以外のビニルエステ
ルと共重合できるエチレン性モノマーとして特に制限は
なく、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イ
ソブテン、1−ヘキサデセン等のα−オレフィン類;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル
酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メ
タ)アクリル酸エステル類;フマル酸ジメチル、イタコ
ン酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメ
チル、クロトン酸メチル等のエステル類;メチルビニル
エーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、ラウリルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテ
ル等のビニルエーテル類;ビニルスルホン酸、アリルス
ルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有
の単量体及びその塩;(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、N−t−ブトキシ(メタ)ア
クリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ビニルピロリドン等のアミド基含有の単量体;
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等のアミ
ノ基含有の単量体;(メタ)アクリルアミド−プロピル
−トリメチルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウ
ム塩含有の単量体;ビニルヒドロキシシラン、(メタ)
アクリル酸3−トリメトキシシリルプロピル等のシリル
基含有の単量体;アリルアルコール、ジメチルアリルア
ルコール、イソプロペニルアルコール等の水酸基含有の
単量体;アリルアセテート、ジメチルアリルアセテー
ト、イソプロペニルアセテート等のアセチル基含有の単
量体を共重合してもよい。さらに、連鎖移動剤を使用し
てポリマー末端を修飾したものも使用できる。
【0009】第2発明において使用するアニオン性基変
性PVAとしては、分子内に含有されるアニオン性基1
当量に対して2価以上の金属イオンを0.5当量以上、
好ましくは0.7当量以上含有するアニオン性基変性P
VAである。アニオン性基変性PVAに含有される2価
以上の金属イオンとしては、カルシウム、マグネシウ
ム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム等のアルカ
リ土類金属;アルミニウム、クロム、マンガン、鉄、コ
バルト、ニッケル、銅、亜鉛等の金属イオンが挙げられ
る。これらの中でもアルカリ土類金属が好ましく、カル
シウム、マグネシウムがより好ましく、カルシウムが特
に好ましい。アニオン性基変性PVAのナトリウム含有
量としては特に制限はないが、アニオン性基変性PVA
に対して0.5重量%以下が好ましく、0.3重量%以
下がより好ましい。アニオン性基としては、カルボキシ
ル基、スルホン酸基、リン酸基などが挙げられ、これら
のアニオン性基のなかでもカルボキシル基が好ましい。
アニオン性基変性PVAの変性度としては0.2〜10
モル%が好ましく、0.5〜7モル%がより好ましい。
アニオン性基変性PVAの製造に使用されるアニオン性
基含有単量体としては、第1発明において使用されるP
VAの共重合成分の欄に記載されたものが使用される。
アニオン性基変性PVAのけん化度および重合度は、第
1発明に用いられるPVAと同様である。第2発明にお
いて使用されるアニオン性基変性PVAは、第1発明に
おいて使用されるPVAと同様の他のモノマーを共重合
したものも使用可能である。
【0010】本発明で使用するPVAは異なる2種類以
上のPVAをブレンドして使用しても構わない。かかる
PVAの製造方法としてはポリ酢酸ビニルからNaOH
を用いて通常の方法でけん化することにより得られたP
VA中のNaイオンをメタノール、酢酸等を用いて洗
浄、除去する方法;カルボキシル基、スルホン酸基など
のアニオン性基含有単量体と酢酸ビニルを塊状、溶液、
懸濁、乳化などの公知の重合方法により共重合して得ら
れたポリ酢酸ビニルを酸けん化する方法;カルボキシル
基、スルホン酸などのアニオン性基含有単量体と酢酸ビ
ニルを塊状、溶液、懸濁、乳化などの公知の重合方法に
より共重合して得られたポリ酢酸ビニルをNaOHを用
いて通常の方法でけん化することにより得られたPVA
中のNaイオンをイオン交換により除去後、アルカリ土
類金属化合物などの2価以上の金属イオン含有化合物に
より中和する方法;あるいはアルカリ金属を含まない有
機塩基(例えば、アンモニアなど)を用いてけん化する
方法;アルカリ土類金属化合物などの2価以上の金属イ
オン含有化合物により中和したカルボキシル基含有単量
体と酢酸ビニルを塊状、溶液、懸濁、乳化などの公知の
重合方法により共重合して得られたポリ酢酸ビニルを酸
けん化する方法等があげられるが、これに限定されるも
のではない。
【0011】本発明の感熱記録用のシートにおける感熱
発色成分としては発色性物質およびこれと加熱時反応し
て発色せしめる顕色性物質の2成分が代表的なものとし
て挙げられる。感熱発色成分のうち発色性物質としては
発色性ラクトン化合物が代表的なものとして挙げられ
る。発色性ラクトン化合物としては、加熱時酸性化合物
と反応して発色しうるものであれば良く、たとえばトリ
フェニルメタン系、トリフェニルメタンフタリド系、フ
ルオラン系、ロイコオーラミン系、スピロピラン系等の
各種のロイコ化合物が挙げられる。また感熱発色成分の
うち顕色性物質としては一般に70℃以上で液化、また
気化して前期ロイコ化合物と反応して発色させる性質を
持った酸性化合物であれば良く、例えば4−フェニルフ
ェノール、4−ヒドロキシアセトフェノン、2,2’−
ジアセトキシフェノール、2,2’−メチレンビス(4
−クロルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−イソ
プロピリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデ
ンビス(2−クロルフェノ−ル)、4,4’−イソプロ
ピリデンビス(2−メチルフェノール)、4,4’−s
ec−ブチリデンフェノール、4,4’−エチレンジフ
ェノール、4,4’−エチレンビス(2−メチルフェノ
ール)等のフェノール系化合物が挙げられる。
【0012】次に本発明の感熱記録用のシートに関し、
具体的な発色性ラクトン化合物とフェノール化合物を用
いた感熱記録用のシートの一般的な製造方法の一例につ
いて説明する。発色性ラクトン化合物とフェノール化合
物は別々に粉砕して微粒子化し、これに必要に応じて各
種クレー、タルク、炭酸カルシウム等の充填剤、ワック
ス類、界面活性剤等を加えて混合し、さらに第1発明ま
たは第2発明のPVAと必要に応じて耐水化剤を加えて
感熱塗液を作り、これを支持基体上に塗布し、乾燥して
記録層を形成せしめ、場合によってはこの記録層上にさ
らに第1発明または第2発明のPVAと必要に応じて耐
水化剤の水溶液を塗布し、乾燥することにより耐水性の
高いものを製造することができる。この際、支持基体上
に前もって第1発明または第2発明のPVAを塗布し、
PVAを含有する層を形成させた後に上記感熱塗液を塗
布することも効果的である。
【0013】本発明の感熱記録用のシートを作成するた
めに使用する塗工液の濃度は特に限定はないが、0.1
〜30重量%が好ましく、0.2〜20重量%がより好
ましく、0.5〜15重量%がさらにより好ましい。上
記PVAの使用量はこれを感熱発色成分層中にバインダ
ーとして含有させて用いる場合は、感熱発色成分100
重量部に対して、1〜500重量部、好ましくは2〜2
00重量部である。また、感熱発色成分層上に上記PV
Aおよび耐水化剤を付与する場合は固形分としての塗布
量が0.5〜5g/m2となるようにするのが良い。本
発明の感熱記録用のシートは感熱発色成分層を支持基体
上に設けた感熱記録用のシートにおいて、感熱発色成分
層に添加するバインダー、あるいは感熱発色成分層上に
付与せしめるオーバーコート剤の主成分が第1発明また
は第2発明のPVAであることが必須であるが、本発明
の効果を損なわない範囲で他のでんぷん、セルロース誘
導体、無機顔料、有機顔料、及び他の助剤(消泡剤、帯
電防止剤、防カビ剤等)を併用しても差し支えない。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。なお以下において、「部」および
「%」は特に断りのない限り、それぞれ「重量部」およ
び「重量%」を意味する。なお、以下の実施例でただ単
にポリビニルアルコールの重合度とあるのは、本文中に
示したように該ポリビニルアルコールの水溶液の粘度か
ら通常の方法で求めた粘度平均重合度である。
【0015】実施例1 イタコン酸1モル%を共重合したポリ酢酸ビニル(以
下、PVAcと略記する)をNaOHを用いて通常の方
法でけん化することにより、けん化度95モル%、重合
度1700のPVAを得た。このPVAの15%水溶液
をカチオン交換樹脂カラムを通すことによりNaイオン
を除去し、次に水酸化カルシウムで中和した。得られた
PVA水溶液中のCaイオンとNaイオンを原子吸光法
により測定したところ、PVAのカルボキシル基1当量
に対してCaイオンは0.99当量であり、PVAに対
してNaイオンは30ppmであった。このPVA水溶
液をA液とする。ついでクリスタルバイオレットラクト
ン8部、合成シリカ25部、ステアリン酸アミド15部
および少量の分散剤に水を加えて30%水溶液としたも
のをB液とする。また別にビスフェノールA25部、合
成シリカ25部および少量の分散剤に水を加えて30%
水溶液としたものをC液とする。このB液とC液をそれ
ぞれ別のサンドミルに入れ、ガラスビース5mmφを用
いて粉砕・分散した後、B液30部とC液30部を混合
し、その混合溶液にA液30部を添加混合して感熱塗液
を調製した。この感熱塗液を50g/m2の上質紙に固
形分塗工量が7g/m2となるようにワイヤーバーを用
いて塗工し、50℃で乾燥した後、50℃、50kg/
cm、10m/minの条件でキャレンダーロールに2
回通紙して感熱記録用のシートを得た。この感熱記録用
のシートを加熱発色させてマクベス濃度計で測定したと
ころ発色濃度1.35と良好であった。市販のワードプ
ロセッサー(パナソニックU1pro701)を用い
て、感熱記録用のシートを1年間にわたって使用したが
印字状態に異常は認められなかった。
【0016】実施例2 無水マレイン酸1モル%を共重合したPVAcをアンモ
ニアを用いてけん化することにより、けん化度92モル
%、重合度1700のPVAを得た。得られたPVA中
のNaイオンを原子吸光法により測定したところNaイ
オンは検出されなかった。実施例1で使用したPVAの
代わりに上記PVAを用いた以外は実施例1と同じ方法
により、感熱記録用のシートを得た。この感熱記録用の
シートを加熱発色させてマクベス濃度計で測定したとこ
ろ発色濃度1.33と良好であった。また、実施例1と
同様の方法により、印字テストを行なったが印字状態に
異常は認められなかった。
【0017】実施例3 イタコン酸0.5モル%を共重合したPVAc60gを
1,4−ジオキサン180mlに溶解し、反応系を窒素
置換した後80℃に昇温し、p−トルエスルホン酸・1
水和物14gを水50g溶解した液を添加して100℃
で20分間反応させた。次に1,4−ジオキサンにて洗
浄し、水酸化カルシウム飽和水溶液にて中和後、乾燥す
ることにより、けん化度94モル%、重合度1700の
PVAを得た。得られたPVA中のCaイオンとNaイ
オンを原子吸光法により測定したところ、PVAのカル
ボキシル基1当量に対してCaイオンは0.71当量で
あり、Naイオンは検出されなかった。実施例1で使用
したPVAの代わりに上記PVAを用いた以外は実施例
1と同じ方法により、感熱記録用のシートを得た。ま
た、実施例1と同様の方法により印字テストを行なった
が印字状態に異常は認められなかった。
【0018】実施例4 重合度1700、けん化度98.5モル%の無変性PV
Aをメタノールにて24時間のソックスレー抽出をし
た。得られたPVA水溶液中のNaイオンを原子吸光法
により測定したところ、PVAに対し40ppmであっ
た。実施例1で使用したPVAの代わりに上記PVAを
用いた以外は実施例1と同じ方法により、感熱記録用の
シートを得た。この感熱記録用のシートを加熱発色させ
てマクベス濃度計で測定したところ発色濃度1.33と
良好であった。また、実施例1と同様の方法により印字
テストを行なったが印字状態に異常は認められなかっ
た。
【0019】比較例1 実施例1で使用したイタコン酸1モル%を共重合したP
VAcをNaOHを用いて通常の方法でけん化すること
により、けん化度95モル%、重合度1700のPVA
を得た。そのPVAを無処理のまま15%水溶液とし
た。このときのPVA水溶液中のNaイオンを原子吸光
法により測定したところ、PVAに対し11000pp
mであった。このPVA水溶液をA液として用いた以外
は実施例1と同じ方法により感熱記録用のシートを得
た。この感熱記録用のシートを加熱発色させてマクベス
濃度計で測定したところ発色濃度1.32と良好であっ
たが、しかしながら、実施例1と同様の方法により、印
字テストを行なったところ、8カ月目で印字ドットが一
部消滅し、1年度には明らかに印字状態が悪化し、明瞭
な印刷ができなくなった。
【0020】実施例5 市販のファクシミリ用感熱記録用紙(G4タイプ;A4
サイズ;10000ppm含有するPVAをバインダー
に用いたもので、トップコートがされていないもの)の
表面に、実施例1で用いたA液を水で4%に希釈してワ
イヤーバーを用いて固形分塗工量が2.3g/m2にな
るように塗工し、熱風乾燥機を用いて50℃で10分間
乾燥してトップコートされた感熱記録用のシートを得
た。この感熱記録用のシートを加熱発色させてマクベス
濃度計で測定したところ発色濃度1.32と良好であっ
た。また、実施例1と同様の方法により、印字テストを
行なったが印字状態に異常は認められなかった。
【0021】比較例2 実施例5において、トップコートに用いたPVAを比較
例1で用いたPVAに変更した以外は、実施例5と同様
の方法により、トップコートされた感熱記録用のシート
を得た。この感熱記録用のシートを加熱発色させてマク
ベス濃度計で測定したところ発色濃度1.31と良好で
あった。しかしながら、実施例1と同様の方法により、
印字テストを行なったところ、4カ月目で印字ドットが
一部消滅し、6カ月後には明らかに印字状態が悪化し、
明瞭な印刷ができなくなった。
【0022】実施例6 イタコン酸1モル%を共重合したPVAcのメタノール
溶液をNaOHを用いてけん化することにより得られた
メタノールで膨潤したゲルを湿式粉砕し、粉砕ゲル10
0部に対してメタノール200部、酢酸カルシウム20
%水溶液(乾燥PVA100部換算に対して酢酸カルシ
ウム10部)を添加して、50℃で1時間攪拌を行っ
た。得られたPVA中のCaイオンとNaイオンを原子
吸光法により測定したところ、PVAのカルボキシル基
1当量に対してCaイオン0.76当量であり、PVA
に対してNaイオンは0.17%であった。実施例1で
使用したPVAの代わりに上記PVAを用いた以外は実
施例1と同じ方法により、感熱記録用のシートを得た。
この感熱記録用のシートを加熱発色させてマクベス濃度
計で測定したところ発色濃度1.33と良好であった。
また、実施例1と同様の方法により、印字テストを行な
ったが印字状態に異常は認められなかった。
【0023】実施例7 実施例6と同じ方法でPVAcをNaOHを用いてけん
化することにより得られた粉砕ゲル100部に対してメ
タノール200部、酢酸カルシウム20%水溶液(乾燥
PVA100部換算に対して酢酸カルシウム5部)を添
加して、50℃で1時間攪拌を行った。得られたPVA
中CaイオンとNaイオンを原子吸光法により測定した
ところ、PVAのカルボキシル基1当量に対してCaイ
オンは0.71当量であり、PVAに対してNaイオン
は0.24%であった。実施例1で使用したPVAの代
わりに上記PVAを用いた以外は実施例1と同じ方法で
感熱記録用のシートを得た。この感熱記録用のシートを
加熱発色させてマクベス濃度計で測定したところ発色濃
度1.31と良好であった。また、実施例1と同様の方
法により、印字テストを行なったが印字状態に異常は認
められなかった。
【0024】比較例3 実施例1で使用したイタコン酸1モル%を共重合したP
VAcをNaOHを用いてけん化することにより、けん
化度95モル%、重合度1700のPVAを得た。その
PVAを無処理のまま15%の水溶液とした。このとき
のPVA水溶液中のCaイオンとNaイオンを原子吸光
法により測定したところ、PVAのカルボキシル基1当
量に対してCaイオンは0当量であり、PVAに対して
Naイオンは1.1%であった。このPVA水溶液をA
液として用いた以外は実施例1と同じ方法で感熱記録用
のシートを得た。この感熱記録用のシートを加熱発色さ
せてマクベス濃度計で測定したところ発色濃度1.32
と良好であった。しかしながら、実施例1と同様の方法
により、印字テストを行なったところ8カ月目で印字ド
ットが一部消滅し、1年後には明らかに印字状態が悪化
し、明瞭な印刷ができなくなった。
【0025】比較例4 実施例6で使用したPVAcをNaOHを用いる通常の
方法でけん化することにより得られた粉砕ゲル100部
に対してメタノール200部のみを添加して50℃で1
時間攪拌を行なった。得られたPVA中のCaイオンと
Naイオンを原子吸光法により測定したところ、PVA
のカルボキシル基1当量に対してCaイオンは0当量で
あり、PVAに対してNaイオンは0.44%であっ
た。実施例1で使用したPVAの代わりに上記PVAを
用いた以外は実施例1と同じ方法で感熱記録用のシート
を得た。実施例1と同様の方法により、印字テストを行
なったところ1年後には印字ドットが一部消滅し明らか
に印字状態が悪化した。
【0026】
【発明の効果】本発明の感熱記録用のシートは従来のP
VAを使用した感熱記録用のシートの特長である発色性
を保ったまま、さらに感熱ヘッドの摩耗が少なくなる点
で、工業的価値が極めて高いものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感熱発色成分層を支持基体上に設けた感
    熱記録用のシートにおいて、感熱発色成分層に添加する
    バインダー、あるいは感熱発色成分層上に付与せしめる
    オーバーコート剤の主成分がナトリウム(Na)含有量
    1000ppm以下のポリビニルアルコール系樹脂であ
    ることを特徴とする感熱記録用のシート。
  2. 【請求項2】 感熱発色成分層を支持基体上に設けた感
    熱記録用シートにおいて、感熱発色成分層に添加するバ
    インダー、あるいは感熱発色成分層上に付与せしめるオ
    ーバーコート剤の主成分が分子内にアニオン性基を含有
    し、該アニオン性基1当量に対して2価以上の金属イオ
    ンを0.5当量以上含有するアニオン性基変性ポリビニ
    ルアルコール系樹脂であることを特徴とする感熱記録用
    のシート。
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