JPH08252977A - 感熱記録紙 - Google Patents

感熱記録紙

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JPH08252977A
JPH08252977A JP7084982A JP8498295A JPH08252977A JP H08252977 A JPH08252977 A JP H08252977A JP 7084982 A JP7084982 A JP 7084982A JP 8498295 A JP8498295 A JP 8498295A JP H08252977 A JPH08252977 A JP H08252977A
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JP
Japan
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color
acid monoamide
monoamide
recording paper
resistance
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Application number
JP7084982A
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English (en)
Inventor
Akio Kitagawa
秋夫 北川
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 印字適性や耐可塑剤性、耐油性、耐溶剤性、
耐水性等に優れた感熱記録紙を提供すること。 【構成】 特定の分岐アルキルアミド成分を含有するエ
チレン性不飽和カルボン酸モノアミドもしくはその塩を
0.1〜20モル%共重合成分として含有する共重合体
よりなるポリビニルアルコール系樹脂を加工剤として感
熱記録紙の感熱発色層、保護層、アンダーコート層等に
用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリビニルアルコール
(以下、PVAと略記する)を加工剤として用いた感熱
記録紙に関し、更に詳しくは、新規なPVA系樹脂を感
熱発色層、保護層、アンダーコート層等に用いた感熱記
録紙に関する。
【0002】
【従来の技術】熱を利用した感熱記録方法は、従来採用
されてきた印字記録方式などに必要な現像・定着といっ
た工程や補給物質を全く必要とせず、簡単に記録を得ら
れるという大きな利点を持つことから、益々その用途は
広がりつつある。特に、該方式の中でもクリスタルバイ
オレットラクトン等の発色物質とフェノール化合物等の
顕色剤を加熱、反応させて発色させるという方式が評価
が高く実用化されている。しかし、前記発色性物質と顕
色剤のバインダーとして水溶性バインダー、例えばPV
Aが多用されているが加熱、記録を長期間にわたって続
けると、サーマルヘッドとの摩擦によりPVA等のかす
がサーマルヘッドに付着したり、サーマルヘッド自体と
感熱記録紙が高温時に付着するといういわゆるスティッ
キングの問題が生じたり、更に印字した記録紙が水や可
塑剤などに触れるとその印字が消えたり、記録紙がべと
つくという問題が残っている。
【0003】かかる対策として、前記記録紙上にカルボ
ン酸変性PVAやアセトアセチル基含有PVAよりなる
保護層を設ける方法(特開昭59−106995号公
報)が提案されており、本出願人もバインダーとしてア
セトアセチル基を含有するPVAを用いる方法(特開昭
58−181687号公報)やエチレン性不飽和ジカル
ボン酸モノエステルで変性されたPVAを感熱記録紙の
感熱発色層や保護層等の加工剤として用いること(特開
昭64−38279号公報)を提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上記
の特開昭59−106995号公報や特開昭58−18
1687号公報開示技術では、特に発色濃度の向上は予
想されたよりも顕著でなく、薄い印字の記録紙面しか得
られない場合があり、発色濃度を上げるために塗布量を
減らすと耐可塑剤性、耐油性、耐溶剤性の点で問題が発
生するという難点があった。また特開昭64−3827
9号公報開示技術では、可塑剤、油等の短時間の接触に
対しては耐え得るものの長時間の耐久性についての考慮
はされておらず、更には基紙と感熱発色層の間の所謂ア
ンダーコート層についても何ら考慮されていない。この
ような状況において、感熱発色層、保護層、アンダーコ
ート層の各層の改善により、印字適性に優れ、更には耐
可塑剤性、耐油性、耐溶剤性及び耐水性にも優れた感熱
記録紙が要請されているのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる欠点を解決すべく
鋭意検討した結果、本発明者らは、変性成分として下記
の化1で示される分岐アルキルアミド成分を含有するエ
チレン性不飽和ジカルボン酸モノアミドもしくはその塩
(A)を0.1〜20モル%共重合体成分とする新規な
PVA系樹脂が、感熱記録紙の感熱発色層、保護層、ア
ンダーコート層等の加工剤として用いたとき、印字適性
に優れ、更に感熱発色層及び保護層に用いたときは耐可
塑剤性、耐油性、耐溶剤性及び耐水性に優れ、またサー
マルヘッドの汚れも少ない感熱記録紙が得られることを
見いだし本発明に至った。
【化1】 (但し、R1は水素又はアルキル基又はアリール(aryl)
基、R2〜R4は、水素又はアルキル基又はアリール(ary
l)基をそれぞれ示し、同時に2個以上水素ではなく、R
1〜R4の炭素数の合計が4以上である。)
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
変性PVA(以下、単に変性PVAと称することがあ
る)系樹脂は、上記の如く(A)単位を必須成分として
おり、(A)単位は上記化1で示される如き分岐アルキ
ルアミド成分を含有するエチレン性不飽和ジカルボン酸
モノアミドもしくはその塩の少なくとも1種でR1〜R4
の上記官能基を有するものであり、R1〜R4の官能基の
炭素数が4未満ではケン化時の変性基の安定性及び得ら
れる変性PVA水溶液の放置安定性が悪く、又得られる
ビニル系重合体を用いた感熱記録紙の印字適性、耐可塑
剤性、耐油性、耐溶剤性及び耐水性の点で不適当であ
り、該炭素数は好ましくは4〜16である。
【0007】該(A)単位を含有する共重合可能な単量
体としては、N−tert−オクチルマレイン酸モノア
ミド、N−tert−アミルマレイン酸モノアミド、N
−1,3−ジメチルブチルマレイン酸モノアミド、N−
1,2,2−トリメチルプロピルマレイン酸モノアミ
ド、N−1−メチルヘキシルマレイン酸モノアミド、N
−1−エチルペンチルマレイン酸モノアミド、N−1−
メチルヘプチルマレイン酸モノアミド、N−1,5−ジ
メチルヘキシルマレイン酸モノアミド、N,N−エチル
イソプロピルマレイン酸モノアミド、N,N−ジイソプ
ロピルマレイン酸モノアミド、N,N−メチル−ter
t−ブチルマレイン酸モノアミド、N,N−イソプロピ
ル−tert−ブチルマレイン酸モノアミド、N,N−
ジ−sec−ブチルマレイン酸モノアミド、N−1−メ
チルブチルマレイン酸モノアミド、N−1−エチルプロ
ピルマレイン酸モノアミド、N−1,2−ジメチルプロ
ピルマレイン酸モノアミド、N−ジフェニルメチルマレ
イン酸モノアミド、N−1,2−ジフェニルエチルマレ
イン酸モノアミド、N−1−メチル−2−フェニルエチ
ルマレイン酸モノアミド、N−1−メチル−3−フェニ
ルプロピルマレイン酸モノアミド、N,N−メチル−1
−メチル−2−フェニルエチルマレイン酸モノアミド、
N,N−イソプロピル−ベンジルマレイン酸モノアミ
ド、N,N−tert−ブチルベンジルマレイン酸モノ
アミド、N−1,1−ジメチル−2−フェニルエチルマ
レイン酸モノアミド、N−1−プロピルブチルマレイン
酸モノアミド、N−1−フェニルエチルマレイン酸モノ
アミド。
【0008】N−tert−オクチルフマル酸モノアミ
ド、N−tert−アミルフマル酸モノアミド、N−
1,3−ジメチルブチルフマル酸モノアミド、N−1,
2,2−トリメチルプロピルフマル酸モノアミド、N−
1−メチルヘキシルフマル酸モノアミド、N−1−エチ
ルペンチルフマル酸モノアミド、N−1−メチルヘプチ
ルフマル酸モノアミド、N−1,5−ジメチルヘキシル
フマル酸モノアミド、N,N−エチルイソプロピルフマ
ル酸モノアミド、N,N−ジイソプロピルフマル酸モノ
アミド、N,N−メチル−tert−ブチルフマル酸モ
ノアミド、N,N−イソプロピル−tert−ブチルフ
マル酸モノアミド、N,N−ジ−sec−ブチルフマル
酸モノアミド、N−1−メチルブチルフマル酸モノアミ
ド、N−1−エチルプロピルフマル酸モノアミド、N−
1,2−ジメチルプロピルフマル酸モノアミド、N−ジ
フェニルメチルフマル酸モノアミド、N−1,2−ジフ
ェニルエチルフマル酸モノアミド、N−1−メチル−2
−フェニルエチルフマル酸モノアミド、N−1−メチル
−3−フェニルプロピルフマル酸モノアミド、N,N−
メチル−1−メチル−2−フェニルエチルフマル酸モノ
アミド、N,N−イソプロピル−ベンジルフマル酸モノ
アミド、N,N−tert−ブチルベンジルフマル酸モ
ノアミド、N−1,1−ジメチル−2−フェニルエチル
フマル酸モノアミド、N−1−プロピルブチルフマル酸
モノアミド、N−1−フェニルエチルフマル酸モノアミ
ド。
【0009】N−tert−オクチルイタコン酸モノア
ミド、N−tert−アミルイタコン酸モノアミド、N
−1,3−ジメチルブチルイタコン酸モノアミド、N−
1,2,2−トリメチルプロピルイタコン酸モノアミ
ド、N−1−メチルヘキシルイタコン酸モノアミド、N
−1−エチルペンチルイタコン酸モノアミド、N−1−
メチルヘプチルイタコン酸モノアミド、N−1,5−ジ
メチルヘキシルイタコン酸モノアミド、N,N−エチル
イソプロピルイタコン酸モノアミド、N,N−ジイソプ
ロピルイタコン酸モノアミド、N,N−メチル−ter
t−ブチルイタコン酸モノアミド、N,N−イソプロピ
ル−tert−ブチルイタコン酸モノアミド、N,N−
ジ−sec−ブチルイタコン酸モノアミド、N−1−メ
チルブチルイタコン酸モノアミド、N−1−エチルプロ
ピルイタコン酸モノアミド、N−1,2−ジメチルプロ
ピルイタコン酸モノアミド、N−ジフェニルメチルイタ
コン酸モノアミド、N−1,2−ジフェニルエチルイタ
コン酸モノアミド、N−1−メチル−2−フェニルエチ
ルイタコン酸モノアミド、N−1−メチル−3−フェニ
ルプロピルイタコン酸モノアミド、N,N−メチル−1
−メチル−2−フェニルエチルイタコン酸モノアミド、
N,N−イソプロピル−ベンジルイタコン酸モノアミ
ド、N,N−tert−ブチルベンジルイタコン酸モノ
アミド、N−1,1−ジメチル−2−フェニルエチルイ
タコン酸モノアミド、N−1−プロピルブチルイタコン
酸モノアミド、N−1−フェニルエチルイタコン酸モノ
アミド。
【0010】N−tert−オクチルシトラコン酸モノ
アミド、N−tert−アミルシトラコン酸モノアミ
ド、N−1,3−ジメチルブチルシトラコン酸モノアミ
ド、N−1,2,2−トリメチルプロピルシトラコン酸
モノアミド、N−1−メチルヘキシルシトラコン酸モノ
アミド、N−1−エチルペンチルシトラコン酸モノアミ
ド、N−1−メチルヘプチルシトラコン酸モノアミド、
N−1,5ジメチルヘキシルシトラコン酸モノアミド、
N,N−エチルイソプロピルシトラコン酸モノアミド、
N,N−ジイソプロピルシトラコン酸モノアミド、N,
N−メチル−tert−ブチルシトラコン酸モノアミ
ド、N,N−イソプロピル−tert−ブチルシトラコ
ン酸モノアミド、N,N−ジ−sec−ブチルシトラコ
ン酸モノアミド、N−1−メチルブチルシトラコン酸モ
ノアミド、N−1−エチルプロピルシトラコン酸モノア
ミド、N−1,2−ジメチルプロピルシトラコン酸モノ
アミド、N−ジフェニルメチルシトラコン酸モノアミ
ド、N−1,2−ジフェニルエチルシトラコン酸モノア
ミド、N−1−メチル−2−フェニルエチルシトラコン
酸モノアミド、N−1−メチル−3−フェニルプロピル
シトラコン酸モノアミド、N,N−メチル−1−メチル
−2−フェニルエチルシトラコン酸モノアミド、N,N
−イソプロピル−ベンジルシトラコン酸モノアミド、
N,N−tert−ブチルベンジルシトラコン酸モノア
ミド、N−1,1−ジメチル−2−フェニルエチルシト
ラコン酸モノアミド、N−1−プロピルブチルシトラコ
ン酸モノアミド、N−1−フェニルエチルシトラコン酸
モノアミドなどが挙げられ、好ましくはN−tert−
オクチルマレイン酸モノアミドが好適に使用される。
又、本発明の変性PVA系樹脂の(A)単位中のカルボ
ン酸成分としては、遊離カルボキシル基又はその塩であ
る。
【0011】通常本発明の変性PVA系樹脂を製造する
には(A)とビニルエステル(B)を共重合して得られ
るビニルエステル系共重合体をケン化する。(B)とし
てはギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪
酸ビニル等が挙げられるが、経済的にみて酢酸ビニルが
好ましい。
【0012】上記変性PVA系樹脂の各単位の割合は、
造膜性、経済性という点から上記化1で示されるN−分
岐アルキルアミド成分を含有するエチレン性不飽和ジカ
ルボン酸モノアミドもしくはその塩(A)を0.1〜2
0モル%、好ましくは0.1〜10モル%、ビニルエス
テル単位(B)及びビニルアルコール単位(C)が、合
計で80〜99.9モル%の範囲が適当である。又、ケ
ン化度(ビニルエステル単位(B)とビニルアルコール
単位(C)との合計量に対するビニルアルコール単位
(C)の割合)は、(A)の量にもよるが、通常感熱記
録紙の耐水性、耐溶剤性、耐油性、耐可塑剤性という点
から50モル%以上であることが好ましく、特に好まし
い範囲は85モル%以上である。
【0013】本発明に用いられる変性PVA系樹脂の重
合度はその使用目的により適宜選択すべきであるが、3
00未満であると保護層の塗膜強度の低下等の点で好ま
しくなく、又4000以上であると水溶液粘度の上昇に
よる塗工性の低下という点で問題があり、通常500〜
3000の範囲が適当である。
【0014】次に本発明の変性PVA系樹脂の製造方法
について説明する。本発明の変性PVA系樹脂は、上記
化1で示される分岐アルキルアミド成分を含有する上述
のエチレン性不飽和ジカルボン酸モノアミドもしくはそ
の塩(A)単量体とビニルエステルの共重合体をケン化
することによって得られる。
【0015】このようなエチレン性不飽和ジカルボン酸
モノアミドもしくはその塩(A)は、マレイン酸、無水
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、
シトラコン酸、無水シトラコン酸等のエチレン性不飽和
ジカルボン酸又はその無水物或いは、これらの酸ハロゲ
ン化物を化2で示される第1アミン又は第2アミンと無
触媒又は適当な酸触媒(硫酸、塩酸、P−トルエンスル
ホン酸等のプロトン酸)の存在下に反応させる(更に中
和する)ことにより得られる。このようなアミンとして
は、tert−オクチルアミン、tert−アミルアミ
ン、1,3−ジメチルブチルアミン、2−アミノ−3,
3−ジメチルブタン、2−アミノヘプタン、3−アミノ
ヘプタン、1−メチルヘプチルアミン、1,5−ジメチ
ルヘキシルアミン、N−エチルイソプロピルアミン、ジ
イソプロピルアミン、N−メチル−tert−ブチルア
ミン、N−tert−ブチルイソプロピルアミン、ジ−
sec−ブチルアミン、1−メチルブチルアミン、1−
エチルプロピルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミ
ン、アミノジフェニルメタン、1,2−ジフェニルエチ
ルアミン、1−メチル−2−フェニルエチルアミン、1
−メチル−3−フェニルプロピルアミン、N−メチル−
1−メチル−2−フェニルエチルアミン、N−イソプロ
ピルベンジルアミン、N−(tert−ブチル)ベンジ
ルアミン、α,α−ジメチル−β−フェニルエチルアミ
ン、1−プロピルブチルアミン、1−フェニルエチルア
ミン等が挙げられる。
【0016】
【化2】 (但し、R1は水素又はアルキル基又はアリール(aryl)
基、R2〜R4は、水素又はアルキル基又はアリール(ary
l)基をそれぞれ示し、同時に2個以上水素ではなく、R
1〜R4の炭素数の合計が4以上である。)
【0017】該共重合反応は、ラジカル重合での公知の
重合方法、例えば塊状重合,溶液重合,乳化重合,懸濁
重合等から任意に選択できるが、工業的にみて溶液重合
が好ましい。又バッチ重合、連続重合等のいずれの方法
も採用することができる。重合時の単量体の仕込み方法
としては特に制限はなく、一括仕込み、分割仕込み、連
続仕込み等任意の方法が採用されるが、上記の化1で示
される分岐アルキルアミド成分を含有する上述のエチレ
ン性不飽和カルボン酸モノアミド若しくはその塩をPV
A分子中に均一に導入出来る点で分割仕込み、或いは連
続仕込み方法が有利である。
【0018】共重合に当たって触媒としてはアゾビスイ
ソブチロニトリル、アセチルパーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の公知の
ラジカル重合触媒及びアゾビスジメチルバレロニトリ
ル、アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル等の低温
活性ラジカル触媒等が用いられる。又、反応温度は特に
限定されず、当業者周知の範囲より好適に選択される。
【0019】かかる重合に当たっては、本発明の趣旨を
損なわない限り上記2成分以外にかかる単量体と共重合
可能な他の不飽和単量体、例えばアルキルビニルエーテ
ル、アクリルアミド、メタアクリルアミド、エチレン、
プロピレン、α−ヘキセン、α−オクテン、α−ドデセ
ン、α−オクタドデセン等のオレフィン、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等のニトリル類、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン
酸、シトラコン酸、アコニット酸、フマル酸、マレイン
酸モノエステル、イタコン酸モノエステル、シトラコン
酸モノエステル、フマル酸モノエステル、無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸及びこれらの
塩、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキ
ルエステル、クロトン酸アルキルエステル、マレイン酸
ジアルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、
シトラコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキル
エステル等を少量共重合させてもよい。
【0020】かかる方法により得られた共重合体は、次
にケン化される。ケン化方法としては、ニーダーケン
化、連続ケン化、パールケン化等のいずれの方法も採用
することができ、該ケン化工程においては、必要に応じ
て残存モノマーを追い出してから、常法に従ってケン化
される。ケン化に使用される触媒としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナト
リウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金
属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒、或い
は硫酸、塩酸等の酸触媒が用いられる。又、ケン化反応
温度は特に制限はなく、通常10〜60℃好ましくは2
0〜50℃の範囲から選ばれる。ケン化反応終了後、中
和して、必要に応じてアルコール等で洗浄し乾燥するこ
とにより目的とする変性PVA系樹脂が得られる。
【0021】次に本発明の変性PVA系樹脂を感熱発色
層、保護層、アンダーコート層等に用いた感熱記録紙に
ついて説明する。上記方法により得られた変性PVA系
樹脂を加工剤として感熱記録紙の各層に適用するに当た
っては、発色性物質、顕色剤、本発明の変性PVA系
樹脂(バインダー)より構成された感熱発色層、発色
性物質、顕色剤、バインダーより構成された感熱発色層
の上に用いる本発明の変性PVA系樹脂を含有した保護
層、感熱発色層と基紙の間に用いる本発明の変性PV
A系樹脂を含有したアンダーコート層が挙げられ、更に
は〜のいずれか2層の併用又は〜の3層の使用
が実施可能である。まず、の感熱発色層について具体
的に説明する。
【0022】感熱発色層を形成するためのコーティング
液の調製に当っては発色性物質の水分散液と顕色剤の水
分散液を各々別々に製造し、それらを充分撹拌して微粉
砕した後、両液を混合撹拌するだけで均一な分散系のコ
ーティング液が得られる。バインダー成分としての本発
明の変性PVA系樹脂は、発色性物質の水分散液及び顕
色剤の水分散液の少なくとも一方に添加され、該PVA
系樹脂の添加量は、発色性物質及び顕色剤の総量に対し
て10〜200重量%が適当である。該コーティング液
の固形分濃度は作業性を考慮して10〜40重量%の範
囲から選ばれる。
【0023】発色性物質の例としては、3,3−ビス
(P−ジメチルアミノフェニル)−フタリド、3,3−
ビス(P−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルア
ミノフタリド[クリスタルバイオレットラクトン]、
3,3−ビス(P−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
エチルアミノフタリド、 3,3−ビス(P−ジメチル
アミノフェニル)−6−クロロフタリド、3−ジメチル
アミノ−6−メトキシフルオラン、7−アセトアミノ−
3−ジエチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−
5,7−ジメチルフルオラン、3 −ジエチルアミノ−
5,7−ジメチルフルオラン、3,6−ビス−β−メト
キシエトキシフルオラン、3,6−ビス−β−シアノエ
トキシフルオラン等のトリフェニルメタン系染料のロイ
コ体が挙げられる。
【0024】顕色剤としては、前記発色性物質と加熱時
反応して発色せしめるもので常温以上好ましくは70℃
以上で液化もしくは気化するもの、例えばフェノール、
P−メチルフェノール、P−ターシャリーブチルフェノ
ール、P−フェニルフェノール、α−ナフトール、β−
ナフトール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール
[ビスフェノールA]、4,4’−セカンダリーブチリ
デンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフ
ェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−ター
シャリーブチルフェノール)、4,4’−(1−メチル
−n−ヘキシリデン)ジフェノール、4,4’−イソプ
ロピリデンジカテコール、4,4’−ペンジリデンジフ
ェノール、4,4−イソプロピリデンビス(2−クロロ
フェノール)、フェニル−4−ヒドロキシベンゾエー
ト、サリチル酸、3−フェニルサリチル酸、5−メチル
サリチル酸、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル
酸、1−オキシ−2−ナフトエ酸、m−オキシ安息香
酸、4−オキシフタル酸、没食子酸などが挙げられる
が、発色性物質、顕色剤ともにこれらに限定されるわけ
ではなく、また該コーティング液を塗被する紙としては
特に制限はなく、任意の紙を使用できる。塗工に当って
は、ロールコーター法、エヤードクター法、ブレードコ
ーター法、バーコーター法等公知の任意の方法が採用さ
れる。該コーティング液の塗布量は、乾燥重量で1〜2
0g/m、なかんずく3〜10g/m程度なるよう
にするのが適当である。次にの保護層について具体的
に説明する。
【0025】保護層は上記の如く形成された感熱発色層
(必ずしもバインダーとして本発明の変性PVA系樹脂
を用いたものである必要はなく、従来の例えば未変性P
VA、カルボキシル基含有PVA等の変性PVA、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン
類、ラテックス類等を用いたものでもよい)の上に形成
(被覆)されるもので、該被覆は任意の手段で実施出来
る。被覆に用いる被覆液の濃度は塗工性等を考慮すると
1〜10重量%が適当である。被覆量は、乾燥重量で
0.5〜5g/m程度が好ましい。被覆後は風乾ある
いは軽度の加熱処理を行なうことによって目的とする被
覆層が形成される。該被覆に当たってはロールコーター
法、エヤードクター法、ブレードコーター法、バーコー
ター法等任意の手段で実施可能である。
【0026】また、該被覆層には各種の公知の助剤を混
合したり、あるいは該PVA系樹脂の塗工前後にかかる
助剤を被覆する等、任意の補助的操作が可能である。グ
リオキザール、メチロールメラミン、ポリアミド−エピ
ハロヒドリン系樹脂、過硫酸カリ、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸ソーダや、塩化第二鉄、塩化マグネシウムな
どの金属塩、ジイソシアネートなどの多官能性イソシア
ネート、塩化アンモニウム、ホルマリン、グリシン、グ
リシジルエステル、グリシジルエーテル、ジメチロール
尿素、ケテンダイマー、硼酸、硼砂等のPVAの耐水化
剤として公知の化合物を使用したものはスティッキング
防止性能、かす付着防止性能を落さずにしかも耐可塑剤
性や耐水性が著しく向上する。更に高級脂肪酸アミドな
どの熱可塑性物質や炭酸カルシウム、二酸化チタンなど
の填料、分散剤等公知の添加剤を使用することも任意で
ある。次にのアンダーコート層について具体的に説明
する。
【0027】アンダーコート層は上述したように基紙と
感熱発色層との間に介されるもので、本発明の変性PV
A系樹脂を基紙上に塗被したものである。塗被される基
紙としては特に限定はなく、任意の紙が使用でき、塗被
方法もロールコーター法、エヤードクター法、ブレード
コーター法、バーコーター法、サイズプレス法、ゲート
ロール法等の公知の任意の手段で実施できる。該塗被に
用いる塗被液の濃度は塗工性等を考慮すると0.5〜1
5重量%が適当で、塗被量は、乾燥重量で0.5〜5g
/m程度が好ましい。塗被後は風乾あるいは軽度の加
熱処理を行なうことによって目的とするアンダーコート
層が形成される。また、該アンダーコート層には、上記
の保護層と同様に各種の公知の助剤を混合することも可
能である。
【0028】かかる方法で設けられたアンダーコート層
上に感熱発色層または感熱発色層と保護層が設けられて
本発明の感熱記録紙となるのである。尚、本発明では、
少なくとも基紙/アンダーコート層/感熱発色層/保護
層、基紙/アンダーコート層/感熱発色層、基紙/感熱
発色層/保護層或いは基紙/感熱発色層の層構成よりな
る感熱記録紙において、少なくとも上記の〜のいず
れかの層が用いられていれば(他の層は従来公知の方法
により形成されたもの)よく、特に限定されない。勿
論、上述したように〜の2種類以上の層を組み合わ
せることも可能である。
【0029】
【作用】本発明の感熱記録紙は、その加工剤として特定
の変性PVA系樹脂をアンダーコート層、感熱発色層、
保護層等に用いているため、印字適性に優れ、更に感熱
発色層、保護層に用いた時には耐可塑剤性、耐油性、耐
溶剤性及び耐水性に優れ、またサーマルヘッドの汚れも
少ないものである。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例によって具体
的に説明する。なお,実施例中「%」、「部」とあるの
は、断りのない限り重量基準を意味する。 (変性PVA系樹脂の製造)無水マレイン酸50.0
部、tert−オクチルアミン65.9部をフラスコに
仕込み、撹拌下に60℃で2時間反応を行った。反応終
了後、反応物を再結晶することにより化3で示される化
合物が得られた。
【化3】
【0031】還流冷却器、滴下漏斗、攪拌機を備えた重
合缶に酢酸ビニル1000部、メタノール150部を仕
込み攪拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ62℃に
おいてアゾビスイソブチロニトリル0.6部をメタノー
ル19.4部に溶解した溶液を投入し重合を開始した。
重合開始点より上記で得た化合物N−tert−オクチ
ルマレイン酸モノアミド27.2部を溶解したメタノー
ル溶液272部を5時間にわたって連続的に滴下しなが
ら重合を行い、酢酸ビニルエステルの重合率が50%に
なった時点で重合を終了した。続いてメタノール蒸気を
吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外
に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。次いで、該
溶液をメタノールで希釈して濃度を30%に調製してニ
ーダーに仕込み、溶液温度を35℃に保ちながら水酸化
ナトリウムを加えて中和した。これに更に水酸化ナトリ
ウムをポリマー中の酢酸ビニル単位に対して30ミリモ
ル加えて混練りした。ケン化反応進行と共にケン化物が
析出し、遂には粒子状となった。生成した変性PVA系
樹脂を濾過し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥器中
で乾燥し、目的物を得た。得られた変性PVA系樹脂を
ソックスレー抽出器を用いてメタノールで抽出洗浄しN
−tert−オクチルマレイン酸モノアミドによる変性
度を1H−NMRで分析した結果、変性度は2.0モル
%であった。又、変性PVA系樹脂のケン化度は、残存
酢酸ビニル単位の加水分解に要するアルカリ消費量の定
量により分析を行ったところ98モル%であった。尚、
この変性PVA系樹脂のB型粘度計による4%水溶液の
粘度は、30cps/20℃であった。
【0032】更に、得られた変性PVA系樹脂のIRス
ペクトル及び1H−NMR(D2O)スペクトルの帰属を
以下に示す。
【0033】実施例1 上記の変性PVA系樹脂を用いて、以下の要領で感熱記
録紙を作製した。 A液 クリスタルバイオレットラクトン 10部 変性PVA系樹脂5%水溶液 10部 水 15部 B液 ビスフェノールA 50部 A液と同一の変性PVA系樹脂5%水溶液 50部 水 75部 上記のA液、B液を別々にサンドグラインダーで平均粒
子径2μ程度になるまで粉砕し、その後A液、B液、炭
酸カルシウム50部、各液で使ったものと同一の変性P
VA系樹脂の15%水溶液250部を混合して、コーテ
ィング液を得た。次いで、該コーティング液を坪量50
g/mの基紙の上に乾燥後の塗布量が5.0g/m
になる様にして塗布し、乾燥させて感熱記録紙(I)を
得た。該記録紙の印字発色濃度、耐可塑剤性、耐油性、
耐溶剤性、耐水性及びサーマルヘッドの汚れを以下の方
法で評価した。評価結果は表4に示す。
【0034】(印字発色濃度)熱傾斜試験機(東洋精機
社製)によって120℃、2kg/cm、10秒の条
件下に印字発色させ、印字発色濃度をマクベス濃度計
(マクベス社製、RD−100R型、アンバーフィルタ
ー使用)にて測定。 (耐可塑剤性)発色させた記録紙を軟質塩ビシートには
さみ20g/cmの加重を加え40℃で168時間放
置し、その後、上記の濃度計にて印字発色濃度(a)を
測定して、放置前の印字発色濃度(b)との差を残色率
(%)として下式により算出した。 残色率(%)=[1−(b−a)/b]×100
【0035】(耐油性)食用大豆油を発色部分に数滴滴
下して、室温で24時間放置後、該大豆油を拭き取り、
滴下前の発色濃度に対する残色率(%)を上記と同様に
算出した。 (耐有機溶剤性)酢酸エチルを地肌部に数滴滴下して、
室温で1時間放置後、該酢酸エチルを拭き取り、上記の
濃度計にて発色濃度(数値が小さいほど耐有機溶剤性は
良好)を測定した。 (耐水性)水を発色部分に数滴滴下して、室温で1時間
放置後、該水を拭き取り、滴下前の発色濃度に対する残
色率(%)を上記と同様に算出した。 (サーマルヘッドの汚れ)ファクシミリで連続100m
格子模様を印字させて、スティッキングの発生の様子、
サーマルヘッドのかす付着の程度を観察し、◎〜×の4
段階評価した。
【0036】実施例2〜8、比較例1〜6 表1に示した成分及び条件でエチレン性不飽和ジカルボ
ン酸モノアミドの合成を行い、得られた各種エチレン性
不飽和ジカルボン酸モノアミドと酢酸ビニルとの共重合
を表2に示した成分及び仕込み量で上記の(変性PVA
系樹脂の製造)と同様の手順により酢酸ビニルとの共重
合及びケン化を行って表3に示す種々の変性PVA系樹
脂を製造し、該PVA系樹脂を用いて実施例1と同様に
感熱記録紙の加工剤(バインダー)としての評価を行っ
た。尚、感熱記録紙の評価結果を表4に示す。
【0037】又、上記実施例2〜8及び後述の実施例1
0〜16、18〜24で用いた変性PVA系樹脂のIR
スペクトル及び1H−NMR(D2O)スペクトルの帰属
を以下に示す。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【表1】 エチレン性不飽和ジカルボン酸モノアミドの合成条件 合成モノアミド 酸 アミン 温度 時間 収率 (部) (部) (℃) (hr) (%) N-t-OMMAm 無水マレイン酸 tert-オクチルアミン 60 2 96 N-t-OIMAm 無水イタコン酸 tert-オクチルアミン 60 2 94 N-t-AMMAm 無水マレイン酸 tert-アミルアミン 60 2 97 N-DMHMMAm 無水マレイン酸 1,5-ジメチルヘキシルアミン 60 2 95 N-DMPEMMAm 無水マレイン酸 α,α-ジメチルヘキシルアミン 60 2 95 N-t-BMMAm 無水マレイン酸 tert-ブチルアミン 60 2 96N-n-OMMAm 無水マレイン酸 n-オクチルアミン 60 2 90 注)略号は以下の通り。 N−t−OMMAm;N−tert−オクチルマレイン酸モノアミド N−t−OIMAm;N−tert−オクチルイタコン酸モノアミド N−t−AMMAm;N−tert−アミルマレイン酸モノアミド N−DMHMMAm;N−1,5−ジメチルヘキシルマレイン酸モノアミド N−DMPEMMAm;N−1,1−ジメチルフェニルエチルマレイン酸モノ アミド N−t−BMMAm;N−tert−ブチルマレイン酸モノアミド N−n−OMMAm;N−n−オクチルマレイン酸モノアミド
【0045】
【表2】 酢酸ビニルと共重合した単量体の種類、仕込み量及び重合率 (A) 単 量 体 重合率 種 類 仕込み量(モル%) (%) 実施例1(及び9,17) N−t−OMMAm 2.0 50 〃 2(及び10,18) N−t−OMMAm 0.5 59 〃 3(及び11,19) N−t−OMMAm 10.0 48 〃 4(及び12,20) N−t−OIMAm 2.0 49 〃 5(及び13,21) N−t−AMMAm 2.0 53 〃 6(及び14,22) N−t−OMMAm 2.0 50 〃 7(及び15,23) N−DMHMMAm 2.0 50 〃 8(及び16,24) N−DMPEMMAm 2.0 45 比較例1(及び7,14) N−t−BMMAm 2.4 51 〃 2(及び8,15) N−n−OMMAm 2.5 52 〃 3(及び9,16) VeoVa−10 3.0 50 イタコン酸 1.0 〃 4(及び10,17) MRM 3.0 55 〃 5(及び11,18) AMPS 2.0 55 〃 6(及び12,19) 3M 2.0 60
【0046】注)仕込み量は、モノマーの総仕込み量に
対する(A)単量体の仕込みモル分率(モル%)を表
す。略語は以下の通り。 N−t−OMMAm;N−tert−オクチルマレイン
酸モノアミド N−t−OIMAm;N−tert−オクチルイタコン
酸モノアミド N−t−AMMAm;N−tert−アミルマレイン酸
モノアミド N−DMHMMAm;N−1,5ジメチルヘキシルマレ
イン酸モノアミド N−DMPEMMAm;N−1,1−ジメチルフェニル
エチルマレイン酸モノアミド N−t−BMMAm;N−tert−ブチルマレイン酸
モノアミド N−n−OMMAm;N−n−オクチルマレイン酸モノ
アミド 3M;マレイン酸モノメチル MRM;モノ(ジイソプロピルメチル)マレート VeoVa−10;下記化4で示される単量体
【化4】 (但し、R1,R2,R3は水素又アルキル基でR1
2,R3の炭素数の合計は平均10である。) AMPS;N−スルホイソブチレンアクリルアミドナト
リウム
【0047】
【表3】 変 性 P V A ケン化度 (A)単量体 4%粘度 の含有量 (モル%) (モル%) (cps) 実施例1(及び9,17) 98 2.0 30 〃 2(及び10,18) 98 0.5 30 〃 3(及び11,19) 98 9.9 20 〃 4(及び12,20) 98 2.0 30 〃 5(及び13,21) 98 2.0 30 〃 6(及び14,22) 85 2.0 25 〃 7(及び15,23) 98 2.0 30 〃 8(及び16,24) 98 2.0 35 比較例1(及び7,14) 98 2.0 30 〃 2(及び8,15) 98 2.0 40 〃 3(及び9,16) 98 2.0(VeoVa-10) 30 1.0(イタコン酸) 〃 4(及び10,17) 93 2.0 30 〃 5(及び11,18) 98 2.0 30 〃 6(及び12,19) 94 2.0 30
【0048】
【表4】 印字発色濃度 耐可塑剤性 耐油性 耐有機溶剤性 耐水性 サーマルヘッド (%) (%) (%) の汚れ 実施例1 1.50 95 95 0.15 90 ◎ 〃 2 1.45 90 88 0.22 80 ○ 〃 3 1.44 89 87 0.23 81 ○ 〃 4 1.49 94 94 0.17 89 ◎ 〃 5 1.45 93 92 0.18 87 ◎ 〃 6 1.45 85 85 0.25 80 ○ 〃 7 1.46 93 93 0.18 88 ◎ 〃 8 1.44 92 92 0.20 87 ◎ 比較例1 1.29 58 54 0.55 53 △ 〃 2 1.29 53 53 0.64 50 △ 〃 3 1.30 61 62 0.45 55 ○ 〃 4 1.30 65 64 0.44 58 ◎ 〃 5 1.20 43 42 0.80 38 △ 〃 6 1.15 47 48 0.80 38 △
【0049】実施例9 以下の要領で感熱記録紙を作製した。 A液 クリスタルバイオレットラクトン 10部 未変性PVA5%水溶液 10部 (ケン化度99.0モル%、4%水溶液粘度14cps/20℃) 水 15部 B液 ビスフェノールA 50部 A液と同一の未変性PVA5%水溶液 50部 水 75部 上記のA液、B液を別々にサンドグラインダーで平均粒
子径2μ程度になるまで粉砕し、その後A液及びB液の
各液で使ったものと同一の未変性PVAの15%水溶液
500部を混合して、コーティング液を得た。次いで該
コーティング液を坪量50g/mの基紙上に乾燥後の
塗布量が5.0g/mになる様にして塗布し、乾燥さ
せた。更にこの上に実施例1で用いた変性PVA系樹脂
の10%水溶液100部及び炭酸カルシウム5部からな
る水溶液(II)をディクソンコーターを用いて1.5g
/m(ネット)の割合にオーバーコートし、風乾して
感熱記録紙を得た。得られた感熱記録紙について実施例
1と同様の評価を行った。評価結果を表5に示す。
【0050】実施例10〜16、比較例7〜12 上記の実施例2〜8及び比較例1〜6で使用したPVA
系樹脂(表2及び3参照)を用いて、実施例9と同様に
感熱記録紙の加工剤(コーティング剤)としての評価を
行った。評価結果は表5に示す。 比較例13 アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(日
本合成化学工業(株)製、商品名「ゴーセファイマーZ
−200」)の10%水溶液100部、ジメチロール尿
素の5%水溶液2.5部及び炭酸カルシウム5部からな
る水溶液を用いて実施例9と同様に塗工して評価を行っ
た。評価結果を表5に示す。
【0051】
【表5】 印字発色濃度 耐可塑剤性 耐油性 耐有機溶剤性 耐水性 サーマルヘッド (%) (%) (%) の汚れ 実施例9 1.45 98 98 0.05 94 ◎ 〃 10 1.43 94 93 0.11 85 ◎ 〃 11 1.43 95 92 0.10 85 ◎ 〃 12 1.45 98 97 0.06 92 ◎ 〃 13 1.44 97 95 0.09 87 ◎ 〃 14 1.43 84 83 0.19 82 ◎ 〃 15 1.44 97 96 0.08 89 ◎ 〃 16 1.43 96 94 0.10 87 ◎ 比較例7 1.20 72 71 0.40 60 ○ 〃 8 1.20 71 71 0.50 55 ○ 〃 9 1.20 72 71 0.40 65 ◎ 〃 10 1.20 73 70 0.35 67 ◎ 〃 11 1.19 50 49 0.65 43 ○ 〃 12 1.19 54 55 0.55 50 ○ 〃 13 1.20 45 40 0.70 90 ◎
【0052】実施例17 以下の要領で感熱記録紙を作製した。先ず、坪量50g
/m2の基紙に実施例1で用いた変性PVA系樹脂の5
%水溶液を試験用サイズプレス装置(熊谷理機社製)を
用いて1.5g/m2(ネット)の割合に塗布して11
0℃で1分間乾燥し、アンダーコート塗工紙(III)を
得た。 A液 クリスタルバイオレットラクトン 10部 未変性PVA系樹脂5%水溶液 10部 (ケン化度99.0モル%、4%水溶液粘度14cps/20℃) 水 15部 B液 ビスフェノールA 50部 A液と同一の未変性PVA系樹脂5%水溶液 50部 水 75部 上記のA液、B液を別々にサンドグラインダーで平均粒
子径2μ程度になるまで粉砕し、その後A液及びB液の
各液で使ったものと同一の未変性PVA系樹脂の15%
水溶液500部を混合して、コーティング液を得た。次
いで、該コーティング液を上記アンダーコート塗工紙
(III)上に乾燥後の塗布量が5.0g/mになる様
にして塗布し、乾燥させて感熱記録紙を得た。得られた
感熱記録紙について実施例1と同様の評価を行った。評
価結果を表6に示す。
【0053】実施例18〜24、比較例14〜19 上記実施例2〜8及び比較例1〜6で使用したPVA系
樹脂(表2及び3参照)を用いて実施例17と同様に感
熱記録紙のアンダーコート層としての評価を行った。評
価結果を表6に示す。 実施例25 実施例1で得られた感熱記録紙(I)に実施例9の水溶
液(II)をディクソンコーターを用いて1.5g/m2
(ネット)の割合にオーバーコートし風乾させて感熱記
録紙を得た。得られた感熱記録紙について実施例1と同
様の評価を行った。評価結果を表6に示す。 実施例26 実施例17で得られたアンダーコート塗工紙(III)に
実施例1と同様の方法で感熱発色層を設けて感熱記録紙
を得た。得られた感熱記録紙について実施例1と同様の
評価を行った。評価結果を表6に示す。
【0054】実施例27 実施例17で得られたアンダーコート塗工紙(III)に
実施例9と同様の方法で感熱発色層及び保護層を設けて
感熱記録紙を得た。得られた感熱記録紙について実施例
1と同様の評価を行った。評価結果を表6に示す。 実施例28 実施例17で得られたアンダーコート塗工紙(III)に
実施例25と同様の方法で感熱発色層及び保護層を設け
て感熱記録紙を得た。得られた感熱記録紙について実施
例1と同様の評価を行った。評価結果を表6に示す。
【0055】
【表6】 印字発色濃度 耐可塑剤性 耐油性 耐有機溶剤性 耐水性 サーマルヘッド (%) (%) (%) の汚れ 実施例17 1.50 − − − − − 〃 18 1.45 − − − − − 〃 19 1.45 − − − − − 〃 20 1.49 − − − − − 〃 21 1.47 − − − − − 〃 22 1.45 − − − − − 〃 23 1.47 − − − − − 〃 24 1.46 − − − − − 〃 25 1.48 99 99 0.03 97 ◎ 〃 26 1.55 95 96 0.13 90 ◎ 〃 27 1.48 98 98 0.04 95 ◎ 〃 28 1.50 99 99 0.04 97 ◎ 比較例14 1.27 − − − − − 〃 15 1.25 − − − − − 〃 16 1.30 − − − − − 〃 17 1.30 − − − − − 〃 18 1.23 − − − − − 〃 19 1.23 − − − − − 注)実施例17〜24及び比較例14〜19については、印字発色濃度のみを測 定した。
【0056】
【発明の効果】本発明の感熱記録紙は、その加工剤とし
て特定の変性PVA系樹脂を感熱発色層、保護層、アン
ダーコート層等に用いているため、印字適性に優れ、特
に感熱発色層や保護層に用いた場合には、耐可塑剤性、
耐油性、耐溶剤性及び耐水性にも優れ、更にはサーマル
ヘッドの汚れも少ないという作用効果を有するものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/18 F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性不飽和ジカルボン酸モノアミ
    ドもしくはその塩(A)を0.1〜20モル%共重合成
    分として含有するポリビニルアルコール系ポリマーであ
    って、前記エチレン性不飽和ジカルボン酸モノアミドも
    しくはその塩(A)のアミド成分が、下記化1で示され
    るポリビニルアルコール系樹脂を含有する層を用いたこ
    とを特徴とする感熱記録紙。 【化1】 (但し、R1は水素又はアルキル基又はアリール(aryl)
    基、R2〜R4は、水素又はアルキル基又はアリール(ary
    l)基をそれぞれ示し、同時に2個以上は水素でなく、R
    1〜R4の炭素数の合計が4以上である。)
  2. 【請求項2】 該層が発色性物質、該発色性物質を熱時
    に発色させる顕色剤及びポリビニルアルコール系樹脂を
    含有してなる感熱発色層である請求項1記載の感熱記録
    紙。
  3. 【請求項3】 該層が発色性物質、該発色性物質を熱時
    に発色させる顕色剤及びバインダーを含有してなる感熱
    発色層上に設ける保護層であることを特徴とする請求項
    1または2記載の感熱記録紙。
  4. 【請求項4】 該層が発色性物質、該発色性物質を熱時
    に発色させる顕色剤及びバインダーを含有してなる感熱
    発色層と基紙の間に設けるアンダーコート層であること
    を特徴とする請求項1〜3いずれか記載の感熱記録紙。
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