JP2002225438A - 感熱剤水性分散液組成物 - Google Patents

感熱剤水性分散液組成物

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JP2002225438A JP2001064084A JP2001064084A JP2002225438A JP 2002225438 A JP2002225438 A JP 2002225438A JP 2001064084 A JP2001064084 A JP 2001064084A JP 2001064084 A JP2001064084 A JP 2001064084A JP 2002225438 A JP2002225438 A JP 2002225438A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いスラリー濃度で粉砕を行った場合にも、
分散性に優れるとともに、塗工、乾燥して得られる感熱
記録層の表面強度が高く、優れた耐水性を発揮する感熱
記録材料を製造することのできる感熱剤水性分散液組成
物を提供する。 【解決手段】 (A)ジアセトンアクリルアミド単位を
0.5〜20モル%含有するジアセトンアクリルアミド
−脂肪酸ビニルエステルの共重合体のケン化物にフェニ
ルヒドラジンp−スルホン酸を反応させてなるビニルア
ルコール系重合体を分散剤とし、電子供与性化合物と電
子受容性化合物を分散質とする感熱剤水性分散液に
(B)ヒドラジノ基を2個以上含有するヒドラジン系化
合物を配合してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱剤水性分散液組
成物に関するものであり、さらには、感熱剤スラリーを
湿式粉砕する際、短時間で微細化されているため、塗
工、乾燥された場合、印字時の発色濃度が高く、さらに
表面強度および耐水性の高い感熱記録材料を製造するこ
とのできる感熱剤水性分散液組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】感熱記録材料とは、加熱によって発色す
るいわゆる感熱発色層を紙等の支持体表面に形成せしめ
ることにより、サーマルヘッドを内蔵したサーマルプリ
ンター等で加熱すると、印字が行われるタイプの記録材
料で、ファクシミリ、コンピューター端末機、計測用プ
リンター、医療計測用プリンターなどの記録紙および記
録シート、あるいはPOSラベルなどの用途に広く用い
られている。
【0003】この感熱記録材料は、感熱剤(電子供与性
化合物および電子受容性化合物)を水溶性分散バインダ
ーとともに支持体上に塗布することにより製造され、電
子供与化合物として、例えば、無色または淡色の発色性
ラクトン化合物などのロイコ染料(発色性物質)が使用
され、さらに、電子受容性化合物として、例えば、フェ
ノール化合物などの酸性化合物等(顕色剤)が使用され
るのが一般的である。
【0004】通常、前記の発色性物質(電子供与性化合
物)と顕色剤(電子受容性化合物)は各々、水および分
散剤とともに、別々にサンドミル等で湿式粉砕され、2
μm以下の微粒子にまでされる。その際、分散剤として
ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する)系樹
脂、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等が
使用されるが、中でもPVA系樹脂を使用すると、粉砕
後の感熱剤塗工液の放置安定性に優れ、また、PVA系
樹脂は比較的バインダー性能に優れることから、粉砕後
の感熱発色層形成の際に、新たにPVA、メチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、
デンプン等の水溶性樹脂をバインダーとして添加する必
要がないことから好適に使用されている。
【0005】しかしながら、一般のPVAを感熱剤を湿
式粉砕する際の分散剤として使用すると、発色性物質お
よび顕色剤の濃度が低い場合には問題がないが、高濃度
で粉砕を行う場合、分散能力に劣るため、粒子径が小さ
くなりにくく、また、ある程度以上小さくなった微粒子
同士の相互作用により、発色性物質および顕色剤を含む
スラリー液が増粘し、条件によってはスラリー液が固化
し、粉砕できないようになる場合がある。
【0006】そこで、これを解決する方法として、特開
昭58−179691号公報には、分散バインダーとし
てスルホン酸基を含有する酢酸ビニル系樹脂およびその
ケン化物を使用した感熱記録材料が提案されており、ア
リルスルホン酸ナトリウム/酢酸ビニル共重合体のケン
化物が例示されている。このようなスルホン酸基を有す
るビニルアルコール系樹脂を感熱剤の分散剤として使用
すると、発色性物質および顕色剤を含むスラリーの濃度
が比較的高い場合でも、粒子の微細化が可能であり、良
好な性能を有する感熱記録材料を製造することができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ポリマーを分散バインダーとして使用した場合、分散剤
としては良好な性能を示すが、バインダーとしての性能
が劣るため、感熱記録層の表面強度が低いという問題が
あった。また、該ポリマーの耐水性が低いため、高湿条
件下や水と直接接触する可能性のある用途などでは、使
用することができなかった。分散剤とは別にバインダー
としてPVA等の水溶性樹脂および必要に応じて架橋剤
などを添加して、感熱記録層の表面強度や耐水性を向上
させるという手段がとられる場合があるが、この方法で
は、水溶性樹脂の水溶液を別途作製し、添加するため、
その手間が煩雑であるととともに、作業可能な粘度領域
の水溶性樹脂の水溶液を添加すると、感熱剤分散液の濃
度が低下し、感熱記録材料を製造する際の生産速度が低
下するという問題があり、感熱剤の分散剤に使用した樹
脂が耐水性を含めたバインダー性能を持っていれば、非
常に有利であり、そのような性能を有する水溶性樹脂が
求められている。
【0008】本発明の課題は、かかる現状に鑑み、高い
スラリー濃度で粉砕を行った場合にも、分散性に優れる
とともに、塗工、乾燥して得られる感熱記録層の表面強
度が高く、優れた耐水性を発揮する感熱記録材料を製造
することのできる感熱剤水性分散液組成物を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ジアセトンア
クリルアミド単位を0.5〜20モル%含有するジアセ
トンアクリルアミド−脂肪酸ビニルエステル共重合体の
ケン化物にフェニルヒドラジンp−スルホン酸を反応さ
せてなるビニルアルコール系重合体を分散剤とし、電子
供与性化合物と電子受容性化合物を分散質とする感熱剤
水性分散液にヒドラジノ基を2個以上含有するヒドラジ
ン系化合物を配合した感熱剤水性分散液組成物であり、
フェニルヒドラジンp−スルホン酸/ジアセトンアクリ
ルアミド単位のモル比が0.2/1〜0.8/1であ
り、ヒドラジン系化合物のヒドラジノ基/ジアセトンア
クリルアミド単位のモル比が0.2/1〜4.0/1で
ある感熱剤水性分散液組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。
【0011】本発明で使用するジアセトンアクリルアミ
ド−脂肪酸ビニルエステル共重合体のケン化物は、ジア
セトンアクリルアミドと脂肪酸ビニルエステルを共重合
して得られる重合体をケン化するなどの従来公知の方法
で製造することができる。
【0012】その際、使用される脂肪酸ビニルエステル
としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、バーサチック酸ビニル等が挙げられ、中でも酢酸ビ
ニルが工業的に最も好ましい。
【0013】ジアセトンアクリルアミドと脂肪酸ビニル
エステルとの共重合方法としては、ビニルエステル系重
合体の製造法において従来より公知のバルク重合、溶液
重合、エマルジョン重合、懸濁重合等の各種の重合方法
を用いることができ、中でもメタノールを溶剤として用
いる溶液重合が工業的に好ましい。
【0014】ジアセトンアクリルアミドと脂肪酸ビニル
エステルとの共重合体におけるジアセトンアクリルアミ
ド単位の含有量は、0.5〜20モル%であり、好まし
くは、1〜15モル%である。ジアセトンアクリルアミ
ド単位が0.5モル%未満の場合には、付加されるフェ
ニルヒドラジンp−スルホン酸が少ないため、感熱剤の
分散剤として性能が低く、ヒドラジノ基を2個以上含有
するヒドラジン系化合物を添加した際の耐水性の改良効
果が低い。一方、20モル%を超えて多くしても分散性
や耐水性は変わらず、製造コストが高くなるという点で
不利である。
【0015】また、前記共重合体の重合度は特に限定さ
れないが、50〜3000のものが好ましく、より好ま
しくは、100〜2000である。共重合体の重合度が
50未満の場合には塗工、乾燥して形成される感熱記録
層の表面強度や耐水性が小さい傾向にあり、3000を
超えると分散性が低下する傾向にある。
【0016】ジアセトンアクリルアミドと脂肪酸ビニル
エステルとの共重合体のケン化方法としては、従来より
公知であるアルカリケン化および酸ケン化を適用するこ
とができ、中でも、メタノール中で水酸化アルカリを使
用して加アルコール分解する方法が好ましい。
【0017】ジアセトンアクリルアミドと脂肪酸ビニル
エステルとの共重合体のケン化物のケン化度としては、
50モル%以上であることが好ましく、より好ましくは
85モル%以上である。ケン化度が50モル%未満の場
合には、ジアセトンアクリルアミド中のカルボニル基と
フェニルヒドラジンp−スルホン酸のヒドラジノ基との
反応時間が長くなるため、生産速度が低下する傾向にあ
る。
【0018】また、前記ジアセトンアクリルアミドと脂
肪酸ビニルエステルとの共重合体は、ジアセトンアクリ
ルアミドおよび脂肪酸ビニルエステルの少なくとも一方
と共重合可能なモノマー、例えば、クロトン酸、(メ
タ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸およびそのエ
ステル類、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸等の不
飽和ジカルボン酸およびその無水物、モノアルキルエス
テル、アルカリ金属塩、ジアセトンアクリルアミド以外
のアミド基含有モノマー、アルキルビニルエーテル類、
ビニルピロリドン類、アリルスルホン酸、メタクリルス
ルホン酸、エチレンスルホン酸、スルホプロピル2−エ
チルヘキシルマレート、スルホプロピルトリデシルマレ
ート、スルホプロピルエイコシルマレート、N−スルホ
イソブチレンアクリルアミド、2−スルホエチルアクリ
レートなどのスルホン酸基含有モノマーまたはそれらの
塩類等を本発明の効果を損なわない範囲で共重合したも
のであっても良い。
【0019】また、本発明で使用されるフェニルヒドラ
ジンp−スルホン酸のスルホン酸基はスルホン酸のまま
でも、スルホン酸塩になっていてもかまわない。スルホ
ン酸塩である場合、使用される塩の種類としては、ナト
リウム塩、カリウム塩、カルシウム塩およびアンモニウ
ム塩等が挙げられ、中でもフェニルヒドラジンp−スル
ホン酸アンモニウム塩を使用した感熱記録材料は、印字
時にサーマルヘッドを痛めることがなく好ましい。ま
た、フェニルヒドラジンp−スルホン酸塩は、フェニル
ヒドラジンp−スルホン酸のスルホン酸の水溶液または
水分散液に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
カルシウム等のアルカリ金属水溶液またはアンモニアを
添加することにより得られ、すべてのスルホン酸基がス
ルホン酸塩の形になっていても、一部がスルホン酸の形
で残っているものでもかまわない。
【0020】また、本発明のビニルアルコール系重合体
の製造の際に使用するフェニルヒドラジンp−スルホン
酸の添加量は、ジアセトンアクリルアミド−脂肪酸ビニ
ルエステル共重合体のケン化物中のジアセトンアクリル
アミド単位に対して、モル比で0.2/1〜0.8/1
(フェニルヒドラジンp−スルホン酸/ジアセトンアク
リルアミド)となる量が好ましく、より好ましくは0.
4/1〜0.6/1である。フェニルヒドラジンp−ス
ルホン酸の添加量が、ジアセトンアクリルアミド単位に
対するモル比で0.2より小さい場合、得られるビニル
アルコール系重合体のスルホン酸基量が少なくなるた
め、感熱剤を湿式粉砕する場合の分散性の改良効果が小
さく、0.8より大きい場合、後に添加するヒドラジノ
基を2個以上有するヒドラジン系化合物と反応させる際
の架橋点が少ないため、耐水性の改良効果が小さいとい
う問題がある。
【0021】ジアセトンアクリルアミドと脂肪酸ビニル
エステルとの共重合体のケン化物とフェニルヒドラジン
p−スルホン酸とを反応させる方法は、通常、水中で行
い、前記共重合体のケン化物の水溶液にフェニルヒドラ
ジンp−スルホン酸を添加し、常温または加熱下で、攪
拌しながら反応させたり、前記共重合体のケン化物に
水、フェニルヒドラジンp−スルホン酸を添加した後、
加熱、攪拌しながら、溶解時に反応させる方法などが用
いられる。
【0022】本発明の感熱剤水性分散液組成物の製造方
法としては、予め、水を分散媒体とし、前記のジアセト
ンアクリルアミド−脂肪酸ビニルエステル共重合体のケ
ン化物にフェニルヒドラジンp−スルホン酸を反応させ
て得られるビニルアルコール系重合体を分散剤として用
いて、電子供与性化合物と電子受容性化合物をそれぞれ
別々にサンドミル等で湿式粉砕して得られる両スラリー
液を混合し、さらに架橋剤として、ヒドラジノ基を2個
以上有するヒドラジン系化合物を混合するなどの方法を
適用することができる。さらに本発明の感熱剤水性分散
液組成物を使用した感熱記録材料の製造方法としては、
紙等の支持体の面に前記の感熱剤水性分散液組成物を塗
工、乾燥して得られる感熱記録層を形成せしめるなどの
従来公知の方法により製造することができる。
【0023】本発明の感熱剤水性分散液組成物を製造す
る際に使用されるヒドラジノ基を2個以上含有するヒド
ラジン系化合物の具体例としては、カルボヒドラジド、
シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク
酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸
ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジ
ヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジ
ヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、ヘキサデカンジ
オヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル
酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド−5−スル
ホン酸ナトリウム、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、
4,4′−ビスベンゼンジヒドラジド、1,4−シクロ
ヘキサンジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸
ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、N,N′−
ヘキサメチレンビスセミカルバジド、イタコン酸ジヒド
ラジド、エチレンジアミン四酢酸テトラヒドラジド、ク
エン酸トリヒドラジド、ブタントリカルボヒドラジド、
1,2,3−ベンゼントリヒドラジド、1,4,5,8
−ナフトエ酸テトラヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒド
ラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジ
ド、ピロメリット酸テトラヒドラジド、およびN−アミ
ノポリアクリルアミドなどが挙げられるが、これに限ら
ない。
【0024】また、ヒドラジノ基を2個以上含有するヒ
ドラジン系化合物の添加量は、感熱剤の分散剤として使
用するビニルアルコール系重合体の原料となるジアセト
ンアクリルアミド−脂肪酸ビニルエステル共重合体のケ
ン化物中のジアセトンアクリルアミド単位に対するヒド
ラジノ基のモル比で、0.2/1〜4.0/1(ヒドラ
ジノ基/ジアセトンアクリルアミド単位)となる量が好
ましく、より好ましくはモル比が0.4/1〜2.0/
1となる添加量である。ヒドラジノ基を2個以上含有す
るヒドラジン系化合物の添加量が、ジアセトンアクリル
アミド単位に対するヒドラジノ基のモル比で、0.2未
満の場合、架橋点が少なくなるため、耐水性の改良効果
が小さく、4.0を超えると、急速に架橋反応が起こる
ため、作業性が低下するという傾向がある。
【0025】前記ヒドラジン系化合物を感熱剤水性分散
液に添加する際の添加方法は、特に制限はなく、粉末状
のヒドラジン系化合物を添加しても、ヒドラジン系化合
物の水溶液または水分散液を添加しても、本発明の効果
は変わらない。
【0026】また、感熱剤分散液組成物の作製の際に使
用される電子供与性化合物、電子受容性化合物として従
来公知の種々の化合物を使用することができるが、電子
供与性化合物(発色性物質)の種類としては、発色性ラ
クトン化合物等のロイコ染料が代表的なものとして挙げ
られ、加熱時に酸性化合物と反応して発色しうるもので
あればよく、トリフェニルメタン系、トリフェニルメタ
ンフタリド系、フルオラン系、ロイコオーラミン系、ス
ピロピラン系等の各種のロイコ化合物、例えば、3,3
−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチル
アミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチ
ルフェニル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)−
6−ジメチルアミノフタリド、3−(N−エチル−N−
p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラ
ン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフル
オラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチ
ル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチ
ル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−(n−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−(n−エチル−N−テトラヒ
ドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニ
リノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3,3−ビス〔1−(4−メトキシ
フェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチ
レン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタ
リド、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−
メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジメチ
ルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3′−(6′−ジ
メチルアミノ)フタリド等が使用されるが、勿論、これ
らに限定されるものではなく、また二種以上を併用する
こともできる。
【0027】上記の電子供与性化合物の使用量は、使用
する電子受容性化合物により異なるため限定できない
が、感熱記録層に対して5〜35質量%程度である。
【0028】また、電子受容性化合物(顕色剤)として
は、一般に70℃以上で液化または気化して前記ロイコ
化合物と反応して発色させる性質を持った酸性化合物で
あれば良く、例えば、4,4′−イソプロピリデンジフ
ェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
4−メチルペンタン、ヒドロキノンモノベンジルエーテ
ル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、2,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホン、2,4−ビス(フェニルスルホ
ニル)フェノール、4−ヒドロキシ−4′−メチルジフ
ェニルスルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸
ブチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)酢酸メチル、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニ
ルエタン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4′−ヒ
ドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、1,3−ビス
〔α−メチル−α−(4′−ヒドロキシフェニル)エチ
ル〕ベンゼン等のフェノール性化合物、N−(p−トル
エンスルホニル)カルバモイル酸−p−クミルフェニル
エステル、N−(p−トルエンスルホニル)カルバモイ
ル酸−p−ベンジルオキシフェニルエステル、N−(o
−トルオイル)−p−トルエンスルホアミド、4,4′
−ビス(N−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル
アミノ)ジフェニルメタン等の分子内に−SONH−
結合を有するもの、p−クロロ安息香酸亜鉛、4−〔2
−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル
酸亜鉛、4−〔3−トリルスルホニル)プロピルオキ
シ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフ
ェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸等の芳香族カル
ボン酸の亜鉛塩等が挙げられる。
【0029】電子供与性化合物と電子受容性化合物との
使用比率は、用いる電子供与性化合物や電子受容性化合
物の種類に応じて選択され、制限されるものではない
が、一般に電子供与性化合物1質量部に対して1〜10
質量部、好ましくは1〜5質量部程度の電子受容性化合
物が使用される。
【0030】更に、感熱剤分散液組成物中には必要に応
じて各種の助剤を添加することができ、例えばカオリ
ン、軽質(重質)炭酸カルシウム、焼成カオリン、酸化
チタン、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、無定
形シリカ、尿素・ホルマリン樹脂フィラー等の顔料、ジ
オクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステ
ルナトリウム、脂肪酸金属塩等の分散剤、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワック
ス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワッ
クス等のワックス類、グリオキザール、ホウ酸、ジアル
デヒドデンプン、メチロール尿素、エポキシ系化合物等
の耐水化剤、消泡剤、着色染料および蛍光染料等が挙げ
られる。
【0031】前記、電子供与性化合物と電子受容性化合
物を水および前記ビニルアルコール系重合体とともに湿
式粉砕する際のスラリーの固形分濃度には特に制限はな
いが、通常は作業性、生産性等を考慮し、10〜70質
量%の範囲で使用され、特に前記ビニルアルコール系重
合体は40質量%を超える高固形分濃度のスラリーを粉
砕する際の分散性に優れる。
【0032】また、前記ビニルアルコール系重合体を湿
式粉砕時の分散剤として使用する際の使用量についても
特に制限はないが、通常は電子供与性化合物または電子
受容性化合物に対して0.1〜40質量%が好ましく、
より好ましくは1〜20質量%の範囲である。
【0033】前記の湿式粉砕方法としては特に制限はな
いが、ボールミル、アトライター、サンドミルなどの攪
拌・粉砕機を使用して、電子供与性化合物および電子受
容性化合物の平均粒子径が2μm以下となるように粉砕
される。
【0034】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。同実施例中、特にことわりのない限り、
「%」および「部」は質量基準を表す。なお実施例中の
諸物性の測定方法を以下に示す。
【0035】(1)分散性評価 粉砕後のA液およびB液の平均粒子径を、遠心沈降式粒
度分布測定器(堀場製作所製CAPA−300)で測定
した。より粒度が小さくなっているほど、分散性に優れ
ることを示す。
【0036】(2)表面強度(バインダー力)評価 作製した感熱剤分散液を上質紙に塗工量が固形分濃度5
g/mになるようバーコーターで塗工し、40℃で9
6時間、乾燥、養生して作製した塗工紙に、ニチバン製
セロハン粘着テープ(幅18mm、長さ30mmに切断
したもの)を貼り付け、5kg/cmの荷重をかけた
後、セロハン粘着テープを剥がし、テープへの付着物の
量を目視で観察し、表面強度(バインダー力)を以下の
基準で評価した。 ○:ほとんど付着物がない ×:塗工層が剥離し、テープに付着している
【0037】(3)耐水性の評価 作製した感熱剤分散液を上質紙に塗工量が固形分濃度5
g/mになるようにバーコーターで塗工し、40℃で
96時間、乾燥、養生して感熱紙を作製した。得られた
感熱紙を20℃の純水に数秒浸漬し、取り出して、段ボ
ール紙に貼り付け、20℃、65%RHの条件で48時
間乾燥した後、手で引き剥がし、どの程度塗工層が段ボ
ール紙表面に付着するかの程度を目視で観察し、耐水性
を以下の基準で評価した。 ◎:全く付着物がない ○:ほとんど付着物がない ×:塗工層が剥離し、段ボール紙表面に付着している
【0038】(4)総合評価 分散性、表面強度、耐水性がすべて実用レベルに達して
いるものを○、どれか一つでも実用レベルに達していな
いものを×とした。
【0039】ジアセトンアクリルアミド−酢酸ビニル共
重合体ケン化物の製造 合成例1 攪拌機、温度計、滴下ロートおよび還流冷却器を付した
フラスコ中に、酢酸ビニル400質量部、メタノール3
50質量部を仕込み、系内の窒素置換を行った後、内温
を60℃まで昇温した。この系に2、2′−アゾビスイ
ソブチリロニトリル1質量部をメタノール50質量部に
溶解した溶液を添加し、重合を開始した。重合開始後、
ジアセトンアクリルアミド80質量部をメタノール50
質量部に溶解した溶液を5時間かけて一定速度で滴下
し、6時間で重合を停止した。重合停止時の重合収率は
90%であった。得られた反応混合物にメタノール蒸気
を加えながら残存する酢酸ビニルを留出し、ジアセトン
アクリルアミド共重合成分を含有する酢酸ビニル系重合
体の50%メタノール溶液を得た。このものの500質
量部にメタノール50質量部と水酸化ナトリウムの4質
量%メタノール溶液10質量部とを加えてよく混合し、
40℃でケン化反応を行った。得られたゲル状物を粉砕
し、メタノールでよく洗浄した後、乾燥してジアセトン
アクリルアミド−酢酸ビニル共重合体のケン化物を得
た。表1に示すように、この共重合体ケン化物の重合度
は460、ケン化度は98.0モル%であり、元素分析
測定により、ジアセトンアクリルアミド共重合成分の含
有率は4.8モル%であることが判明した。
【0040】合成例2〜3、比較合成例3 前記の方法に準じて表1に示すように酢酸ビニルとジア
セトンアクリルアミドとを共重合して得られた共重合体
をケン化して共重合体の構成単位、重合度およびケン化
度の異なる3種類の共重合体ケン化物を得た。
【0041】比較合成例1、2 合成例1の方法に準じて表1に示すようにジアセトンア
クリルアミドを使用しない未変性PVA1種類と、ジア
セトンアクリルアミドに代えてアリルスルホン酸ナトリ
ウムを使用したアリルスルホン酸ナトリウム共重合変性
PVA系樹脂1種類とを得た。
【0042】
【表1】
【0043】実施例1 合成例1で得られたジアセトンアクリルアミド−酢酸ビ
ニル共重合体のケン化物を水に溶解し、10質量%水溶
液を作製した。次に、フェニルヒドラジンp−スルホン
酸10質量部に1N−NaOH水溶液48質量部と水4
2質量部を添加して完全に溶解させた(フェニルヒドラ
ジンp−スルホン酸のスルホン酸基はすべて中和された
フェニルヒドラジンp−スルホン酸ナトリウム(中和度
100モル%)水溶液)。前記の共重合体ケン化物の1
0質量%水溶液100質量部に、上記のフェニルヒドラ
ジンp−スルホン酸ナトリウム水溶液8.8質量部を添
加し(フェニルヒドラジンp−スルホン酸/ジアセトン
アクリルアミド単位=0.5/1(モル比))、30℃
で1時間攪拌しながら反応させ、スルホン酸基を有する
ビニルアルコール系樹脂の10質量%水溶液を得た。
【0044】得られた前記水溶液を用いて以下の組成の
A液およびB液を作製した。 (A液)固形分濃度50%(発色性物質45%、分散剤5%) クリスタルバイオレットラクトン(発色性物質) 45質量部 前記のスルホン酸基を有するビニルアルコール系樹脂の 10質量%水溶液 50質量部 純水 5質量部 (B液)固形分濃度50%(顕色剤45%、分散剤5%) ビスフェノールA(顕色剤) 45質量部 前記のスルホン酸基を有するビニルアルコール系樹脂の 10質量%水溶液 50質量部 純水 5質量部
【0045】次に、A液およびB液をそれぞれボールミ
ルで16時間予備粉砕した後、サンドミル(シンマルエ
ンタープライゼス製ダイノミルKDL型)を使用して、
以下の条件でバッチ運転し、2.0時間の本粉砕を行っ
た。 サンドミル運転条件 0.3Lステンレス製シリンダー、セラミックス製ディ
スク、ジルコニア製(0.65mm)ビーズ 充填率:
80%、周速:14m/sec
【0046】分散性の評価を行ったところ、表3から明
らかなように、A液およびB液の粉砕後の平均粒子径
は、十分に小さく、優れた分散性能を示した。次に、粉
砕したA液100質量部、粉砕したB液200質量部お
よび架橋剤としてのアジピン酸ジヒドラジド10質量%
水溶液7.9質量部(ヒドラジノ基/ジアセトンアクリ
ルアミド単位=1.0/1(モル比)を混合攪拌して、
感熱剤分散液を作製した。得られた感熱剤分散液を用い
て感熱紙を作製し、表面強度と耐水性を評価した。表3
より明らかなように、表面強度、耐水性はいずれも良好
な結果であった。
【0047】実施例2〜4 合成例1で得られたジアセトンアクリルアミドー酢酸ビ
ニル共重合体のケン化物に対するフェニルヒドラジンp
−スルホン酸の種類、中和度、添加量(フェニルヒドラ
ジンp−スルホン酸/ジアセトンアクリルアミド単位
(モル比))および架橋剤として添加するヒドラジン系
化合物の種類、添加量(ヒドラジノ基/ジアセトンアク
リルアミド単位(モル比))を表2に示すように代えた
以外は、実施例1と同様にしてA液,B液を作製し、そ
の分散性を評価するとともに、得られた感熱剤分散液か
ら作製した感熱紙の表面強度と耐水性を評価した。表3
から明らかなように、分散性、表面強度、耐水性はいず
れも良好な結果であった。
【0048】実施例5〜7 合成例1で得られたジアセトンアクリルアミドー酢酸ビ
ニル共重合体のケン化物に対するフェニルヒドラジンp
−スルホン酸の種類、中和度、添加量(フェニルヒドラ
ジンp−スルホン酸/ジアセトンアクリルアミド単位
(モル比))および架橋剤として添加するヒドラジン系
化合物の種類、添加量(ヒドラジノ基/ジアセトンアク
リルアミド単位(モル比))を表2に示すように代えた
以外は、実施例1と同様にしてA液,B液における分散
性を評価するとともに、得られた感熱剤分散液から作製
した感熱紙の表面強度と耐水性を評価した。表3から明
らかなように、分散性、表面強度、耐水性はいずれも良
好な結果を示し、実用レベルに達していた。
【0049】実施例8 合成例2で得られたジアセトンアクリルアミド−酢酸ビ
ニル共重合体のケン化物を水に溶解し、10質量%水溶
液を作製した。次に、フェニルヒドラジンp−スルホン
酸20質量部に2N−アンモニア水溶液48質量部と水
32質量部を添加して完全に溶解させた(フェニルヒド
ラジンp−スルホン酸のスルホン酸基はすべて中和され
たフェニルヒドラジンp−スルホン酸アンモニウム(中
和度100モル%)水溶液)。前記の共重合体ケン化物
の10質量%水溶液100質量部に、上記のフェニルヒ
ドラジンp−スルホン酸アンモニウム水溶液13.9質
量部を添加し(フェニルヒドラジンp−スルホン酸/ジ
アセトンアクリルアミド単位=0.5/1(モル
比))、30℃で1時間攪拌しながら反応させ、スルホ
ン酸基を有するビニルアルコール系樹脂の10質量%水
溶液を得た。
【0050】次に、以下の組成のA液およびB液を作製
し、実施例1と同様にしてボールミルで16時間予備粉
砕した後、サンドミルを使用した本粉砕を行い、分散性
の評価を行った。表3から明らかなように、A液および
B液の粉砕後の平均粒子径は、十分に小さく、優れた分
散性能を示した。 (A液)固形分濃度50%(発色性物質45%、分散剤5%) クリスタルバイオレットラクトン(発色性物質) 45質量部 前記のスルホン酸基を有するビニルアルコール系樹脂の 10質量%水溶液 50質量部 純水 5質量部 (B液)固形分濃度50%(顕色剤45%、分散剤5%) ビスフェノールA(顕色剤) 45質量部 前記のスルホン酸基を有するビニルアルコール系樹脂の 10質量%水溶液 50質量部 純水 5質量部
【0051】次に、粉砕したA液100質量部、粉砕し
たB液200質量部および架橋剤としてのカルボヒドラ
ジドの10質量%水溶液6.4質量部(ヒドラジノ基/
ジアセトンアクリルアミド単位=0.5/1(モル比)
を混合攪拌して、感熱剤分散液を作製した。得られた感
熱剤分散液を用いて感熱紙を作製し、表面強度と耐水性
を評価した。表3より明らかなように、表面強度、耐水
性はいずれも良好な結果であった。
【0052】実施例9 合成例2で得られたジアセトンアクリルアミドー酢酸ビ
ニル共重合体のケン化物に対するフェニルヒドラジンp
−スルホン酸の種類、中和度、添加量(フェニルヒドラ
ジンp−スルホン酸/ジアセトンアクリルアミド単位
(モル比)および架橋剤として添加するヒドラジン系化
合物の種類、添加量(ヒドラジノ基/ジアセトンアクリ
ルアミド単位(モル比))を表2に示すように代えた以
外は、実施例1と同様にしてA液,B液における分散性
を評価するとともに、得られた感熱剤分散液から作製し
た感熱紙の表面強度と耐水性を評価した。表3から明ら
かなように、分散性、表面強度、耐水性はいずれも良好
な結果であった。
【0053】実施例10 合成例3で得られたジアセトンアクリルアミド−酢酸ビ
ニル共重合体のケン化物を水に溶解し、10質量%水溶
液を作製した。次に、フェニルヒドラジンp−スルホン
酸10質量部に1N−NaOH水溶液24質量部と水6
6質量部を添加して完全に溶解させた(フェニルヒドラ
ジンp−スルホン酸のスルホン酸基は50モル%が中和
されたフェニルヒドラジンp−スルホン酸ナトリウム
(中和度50モル%)水溶液)。前記の共重合体ケン化
物の10質量%水溶液100質量部に、上記のフェニル
ヒドラジンp−スルホン酸ナトリウム水溶液1.9質量
部を添加し(フェニルヒドラジンp−スルホン酸/ジア
セトンアクリルアミド単位=0.4/1(モル比))、
30℃で1時間攪拌しながら反応させ、スルホン酸基を
有するビニルアルコール系樹脂の10質量%水溶液を得
た。
【0054】次に、以下の組成のA液およびB液を作製
し、実施例1と同様にしてボールミルで16時間予備粉
砕した後、サンドミルを使用した本粉砕を行い、分散性
の評価を行った。表3から明らかなように、A液および
B液の粉砕後の平均粒子径は、十分に小さく、優れた分
散性能を示した。 (A液)固形分濃度50%(発色性物質45%、分散剤5%) クリスタルバイオレットラクトン(発色性物質) 45質量部 前記のスルホン酸基を有するビニルアルコール系樹脂の 10質量%水溶液 50質量部 純水 5質量部 (B液)固形分濃度50%(顕色剤45%、分散剤5%) ビスフェノールA(顕色剤) 45質量部 前記のスルホン酸基を有するビニルアルコール系樹脂の 10質量%水溶液 50質量部 純水 5質量部
【0055】次に、粉砕したA液100質量部、粉砕し
たB液200質量部および架橋剤としてのクエン酸トリ
ヒドラジド10質量%水溶液3.8質量部(ヒドラジノ
基/ジアセトンアクリルアミド単位=2.0/1(モル
比)を混合攪拌して、感熱剤分散液を作製した。得られ
た感熱剤分散液を用いて感熱紙を作製し、表面強度と耐
水性を評価した。表3より明らかなように、表面強度、
耐水性はいずれも良好な結果であった。
【0056】実施例11 合成例3で得られたジアセトンアクリルアミドー酢酸ビ
ニル共重合体のケン化物に対するフェニルヒドラジンp
−スルホン酸の種類、中和度、添加量(フェニルヒドラ
ジンp−スルホン酸/ジアセトンアクリルアミド単位
(モル比))および架橋剤として添加するヒドラジン系
化合物の種類、添加量(ヒドラジノ基/ジアセトンアク
リルアミド単位(モル比))を表2に示すように代えた
以外は、実施例1と同様にしてA液,B液における分散
性を評価するとともに、得られた感熱剤分散液から作製
した感熱紙の表面強度と耐水性を評価した。表3より明
らかなように、分散性、表面強度、耐水性はいずれも良
好な結果であった。
【0057】比較例1 比較合成例1で得られた未変性PVAを使用し、以下の
組成のA液およびB液を作製し、実施例1と同様にして
ボールミルで16時間予備粉砕した後、サンドミルを使
用した本粉砕を行い、分散性の評価を行ったが、分散性
が極めて悪く、粉砕試験開始後30分でスラリー液が固
化し、粉砕を継続することができなかった。そのため、
感熱剤分散液が得られず、感熱紙の表面強度、耐水性を
評価することができなかった。 (A液)固形分濃度50%(発色性物質45%、分散剤5%) クリスタルバイオレットラクトン(発色性物質) 45質量部 未変性PVA(ケン化度87.9モル%、重合度460)の 10質量%水溶液 50質量部 純水 5質量部 (B液)固形分濃度50%(顕色剤45%、分散剤5%) ビスフェノールA(顕色剤) 45質量部 未変性PVA(ケン化度87.9モル%、重合度460)の 10質量%水溶液 50質量部 純水 5質量部
【0058】比較例2 比較合成例2で得られたアリルスルホン酸ナトリウム共
重合変性PVAを使用し、以下の組成のA液およびB液
を作製し、実施例1と同様にしてボールミルで16時間
予備粉砕した後、サンドミルを使用した本粉砕を行い、
分散性の評価を行った。表3から明らかなように、A液
およびB液の粉砕後の平均粒子径は、比較的小さかった
が、実施例に比べると、分散性は劣っていた。 (A液)固形分濃度50%(発色性物質45%、分散剤5%) クリスタルバイオレットラクトン(発色性物質) 45質量部 アリルスルホン酸ナトリウム共重合変性PVA(ケン化度87.9モル%、重 合度460)10質量%水溶液 50質量部 純水 5質量部 (B液)固形分濃度50%(顕色剤45%、分散剤5%) ビスフェノールA(顕色剤) 45質量部 未変性PVA(ケン化度87.9モル%、重合度460) 10質量%水溶液 50質量部 純水 5質量部 次に、粉砕したA液100質量部、粉砕したB液200
質量部を混合攪拌して、感熱剤分散液を作製した。得ら
れた感熱剤分散液を用いて感熱紙を作製し、表面強度と
耐水性を評価した。表3より明らかなように、表面強
度、耐水性はいずれも低く、実用レベルには達しなかっ
た。
【0059】比較例3〜4 合成例1で得られたジアセトンアクリルアミドー酢酸ビ
ニル共重合体のケン化物に代えて比較合成例3で得られ
たジアセトンアクリルアミドー酢酸ビニル共重合体のケ
ン化物(変性度0.5モル%)を使用し、フェニルヒド
ラジンp−スルホン酸の種類、中和度、添加量(フェニ
ルヒドラジンp−スルホン酸/ジアセトンアクリルアミ
ド単位(モル比))および架橋剤として添加するヒドラ
ジン系化合物の種類、添加量(ヒドラジノ基/ジアセト
ンアクリルアミド単位(モル比))を表2に示すように
代えた以外は、実施例1と同様にしてA液,B液におけ
る分散性を評価するとともに、得られた感熱剤分散液か
ら作製した感熱紙の表面強度と耐水性を評価した。表3
から明らかなように、表面強度、耐水性はいずれも低
く、実用レベルには達しなかった。
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の感熱剤水性分散液組成物は、感熱剤スラリーを湿式粉
砕する際、短時間で微細化されるため、塗工、乾燥され
た場合、印字時の発色濃度が高く、また基材に塗工、乾
燥することによって、表面強度が高く、耐水性に優れた
感熱記録材料を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08F 216/06 C08F 220:58) 220:58) B41M 5/18 101C 111 Fターム(参考) 2H026 DD04 DD14 DD42 DD48 DD53 FF01 4J002 BE021 EG077 EJ027 EJ037 EJ067 EN126 EQ028 EU026 EV227 EV237 EV287 FD030 FD090 FD096 FD097 FD148 FD310 FD311 GS00 HA07 4J100 AD02P AG02P AM21Q BA03H BA14Q BA28H BA34H BA55H BA56H CA04 CA31 HA09 HA53 HA61 HC71 HE12 JA43

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ジアセトンアクリルアミド単位を
    0.5〜20モル%含有するジアセトンアクリルアミド
    −脂肪酸ビニルエステルの共重合体のケン化物にフェニ
    ルヒドラジンp−スルホン酸を反応させてなるビニルア
    ルコール系重合体を分散剤とし、電子供与性化合物と電
    子受容性化合物を分散質とする感熱剤水性分散液に
    (B)ヒドラジノ基を2個以上含有するヒドラジン系化
    合物を配合してなることを特徴とする感熱剤水性分散液
    組成物。
  2. 【請求項2】 フェニルヒドラジンp−スルホン酸の添
    加量がジアセトンアクリルアミド−脂肪酸ビニルエステ
    ル共重合体のケン化物中のジアセトンアクリルアミド単
    位の含有量に対し、モル比で0.2/1〜0.8/1
    (フェニルヒドラジンp−スルホン酸/ジアセトンアク
    リルアミド単位)であり、ヒドラジノ基を2個以上含有
    するヒドラジン系化合物の添加量がヒドラジノ基のモル
    比で0.2/1〜4.0/1(ヒドラジノ基/ジアセト
    ンアクリルアミド単位)であることを特徴とする請求項
    1記載の感熱剤水性分散液組成物。
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