JP2620283B2 - 感熱記録体用バインダー - Google Patents

感熱記録体用バインダー

Info

Publication number
JP2620283B2
JP2620283B2 JP63035645A JP3564588A JP2620283B2 JP 2620283 B2 JP2620283 B2 JP 2620283B2 JP 63035645 A JP63035645 A JP 63035645A JP 3564588 A JP3564588 A JP 3564588A JP 2620283 B2 JP2620283 B2 JP 2620283B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
monomer
binder
parts
heat
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63035645A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01209188A (ja
Inventor
敏晴 奥道
伸之 高橋
典章 鳥越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Arakawa Chemical Industries Ltd filed Critical Arakawa Chemical Industries Ltd
Priority to JP63035645A priority Critical patent/JP2620283B2/ja
Publication of JPH01209188A publication Critical patent/JPH01209188A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2620283B2 publication Critical patent/JP2620283B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/26Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
    • B41M5/382Contact thermal transfer or sublimation processes
    • B41M5/392Additives, other than colour forming substances, dyes or pigments, e.g. sensitisers, transfer promoting agents
    • B41M5/395Macromolecular additives, e.g. binders

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は感熱記録体用バインダーに関し、とくに高固
形分塗液がえられ、かつ高感度であり、保存性が良好な
記録体を提供しうる感熱記録体用バインダーに関する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
一般に感熱記録体は、クリスタルバイオレットラクト
ンや3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオランのようなロイコ染料とフェノール性物質などの
顕色剤との2成分からなる感熱成分に、バインダーを加
えて結着性を付与した感熱組成物をシート状の支持体に
塗布して感熱層を形成することにより製造される。この
感熱記録体は、加熱により、ロイコ染料と顕色剤のいず
れか一方または両方が溶解し、接触して化学反応が起こ
って発色し、記録となるのである。この種の感熱記録体
は印字が容易であり、かつえられた記録が鮮明であるこ
となどの利点があるため、たとえばファクシミリ、プリ
ンターおよびPOS用の記録体などとして汎用されてい
る。
従来、感熱記録体用バインダーとしてはポリビニルア
ルコール、ポリアクリルアミドなどの水溶性樹脂が知ら
れているが、これらはいずれも耐水性、発色性および保
存性(印字部の経時退色が少なく、しかも地肌部の経時
発色が少ないこと、以下同様)が不充分である。さら
に、該感熱記録体用バインダーの水溶液粘度が高いた
め、該バインダーを用いて感熱塗工液を調製すると固形
分濃度も低くなり、支持体上に塗工した感熱塗工液を乾
燥させるのに長時間を要し、感熱記録体の生産性が低下
するという不利がある。なお、乾燥時の温度を高めたば
あいには発色現象が生じ、商品となりえず、かかる方法
は到底採用できない。
本発明は、従来の感熱記録体用バインダーでは充分に
は解決できなかった諸性能、すなわち耐水性、発色性お
よび保存性を顕著に改良することができ、かつ低粘度の
エマルジョンとして使用しうる感熱記録体用バインダー
を提供することを目的とするものである。しかも、該バ
インダーを含む低粘度のエマルジョンを用いて感熱塗工
液の固形分濃度をも充分に高めることにより、感熱記録
体の生産性を大幅に向上せしめることをを目的とするも
のである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の感熱記録体用バインダーは、下記特定種類の
単量体を特定割合で乳化重合せしめてえられたエマルジ
ョン状態で存在する重合体からなり、該特定の重合体を
含むエマルジョンを用いることにより初めて本発明の目
的が達成されうることが見出されたことにより、本発明
は完成されたものである。
すなわち、本発明は、 (A)一般式: (式中、R1は水素原子、メチル基またはエチル基を示
し、R2は水素原子またはメチル基を示す)で表わされる
単量体(以下、単量体(A)という)20〜70重量%、 (B)一般式: (式中、R3は水素原子またはメチル基を示す)で表わさ
れる単量体(以下、単量体(B)という)15〜50重量%
および (C)一般式: (式中、R4は水素原子またはメチル基を示し、nは1〜
20の整数を示す)で表わされる単量体(以下、単量体
(C)という)10〜50重量% からなる単量体を乳化重合してえられたエマルジョン状
態で存在する重合体からなる感熱記録体用バインダー、
ならびに前記単量体(A)20〜70重量%、前記単量体
(B)15〜50重量%、前記単量体(C)10〜50重量%な
らびに単量体(A)、単量体(B)および単量体(C)
と共重合しうる単量体(D)20重量%以下からなる単量
体を乳化重合してえられたエマルジョン状態で存在する
重合体からなる感熱記録体用バインダーに関する。
〔実施例〕
本発明において乳化重合に供する単量体は、必須成分
たる前記単量体(A)、単量体(B)および単量体
(C)ならびに該必須成分と共重合しうる任意成分たる
単量体(D)からなる。
単量体(A)は、えられる感熱層中の重合体からなる
バインダーの耐水性を高める効果があるため必須成分と
される。
単量体(A)は、一般式: (式中、R1は水素原子、メチル基またはエチル基を示
し、R2は水素原子またはメチル基を示す)で表わされ、
これらは単独または組合わせて用いられる。
単量体(A)としては、共重合性が良好であり、しか
も原料入手が容易であるという点で好ましいスチレン、
α−メチルスチレンなどに代表される各種置換スチレン
を例示することができる。なかでも工業的入手性および
価格面からみればスチレンが最適である。単量体(A)
の使用割合は全単量体(単量体(A)〜(D)の合計使
用量、以下同様)に対して20〜70重量%(以下、%と略
す)であり、好ましくは3060%である。20%未満のばあ
いにはえられる感熱層中の重合体からなるバインダーの
耐水性が低下する。また70%をこえるばあいには本発明
のエマルジョン状態で存在する重合体からなるバインダ
ーの可塑性が充分でなくなるため、支持体への接着力が
低下するとともに、エマルジョン製造時に凝固物が発生
しやすくなるため好ましくない。
単量体(B)はバインダーの感熱層中のロイコ染料お
よび顕色剤への接着性、発色性、保存性などを高める効
果があるため必須成分とされる。
単量体(B)は、一般式: (式中、R3は水素原子またはメチル基を示す)で表わさ
れ、これらは単独または組合わせて用いられる。
単量体(B)としては、アクリルアミドまたはメタク
リルアミドを例示することができる。単量体(B)の使
用割合は全単量体に対して15〜50%である。15未満のば
あいにはバインダーの感熱層中のロイコ染料および顕色
剤に対する接着性、発色性および保存性が低下し、さら
にはエマルジョン製造時に凝固物が発生しやすくなるた
め好ましくない。また50%をこえるばあいにはえられる
感熱層中の重合体からなるバインダーの耐水性が低下す
るため好ましくない。
単量体(C)は、えられる感熱層中の重合体からなる
バインダーの支持体に対する接着性、発色性および耐水
性を高める効果があるため必須成分とされる。
単量体(C)は、一般式: (式中、R4は水素原子またはメチル基を示し、nは1〜
20の整数を示す)で表わされ、これらは単独または組合
わせて用いられる。
単量体(C)としては、アクリル酸もしくはメタクリ
ル酸の各種アルキルエステルを例示しうる。
さらに具体的には単量体(C)として接着性、発色
性、耐水性の点で好ましいアクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ステアリル
などのアクリル酸エステルならびにこれらに対応するメ
タクリル酸エステルを列挙することができる。単量体
(C)の使用割合は上記性能を考慮して適宜決定でき、
通常は全単量体に対して10〜50%であり、好ましくは15
〜40%である。10%未満のばあいは発色性および耐水性
が低下し、また50%をこえるばあいには接着性および発
色性が低下するためいずれも好ましくない。
単量体(D)は、本発明においては任意の成分とさ
れ、単量体(A)、単量体(B)および単量体(C)と
共重合しうる単量体である。単量体(D)を本発明に用
いることによって塗工適性や耐水性を向上させるという
効果がある。その具体例としてはアクリル酸、メタクリ
ル酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2
−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリ
ル酸グリシジル、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどがあげられ、
これらを単独または組合わせて用いるのがよく、とくに
アクリル酸、メタクリル酸などを用いたばあい、塗工適
性が向上し、またアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メ
タクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒド
ロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、グリシジルメタクリレートなどを用いたばあいは、
耐水性が向上するため好ましい。単量体(D)の使用割
合は、えられるバインダーが本発明の目的を逸脱せず、
本発明の効果を維持しうる範囲内で適宜決定できるが、
通常は全単量体に対して好ましくは20%以下、さらに好
ましくは15%以下である。
本発明のバインダーである重合体を含むエマルジョン
は、前記必須成分である単量体(A)、(B)および
(C)ならびに任意成分である単量体(D)を通常用い
られている方法で乳化重合させることによって、容易に
製造されうる。たとえば、あらかじめ適量の水および適
当な乳化剤を仕込んでおいた反応容器内に、前記単量体
(A)〜(C)および必要に応じて単量体(D)ならび
に重合開始剤を、また要すればメルカプタン類などの分
子量調節剤を仕込み、撹拌下に系内を乳化分散させたの
ち、所定の反応条件下に保持し、重合させることにより
安定な前記エマルジョンを収得しうる。なお、該単量体
の供給方法はとくに制限されず、一括または滴下仕込な
どのいずれの方法を用いてもよい。反応温度は通常20〜
95℃程度、反応時間は2〜8時間程度とされるが、これ
らのみに限定されない。
前記乳化剤としては、各種公知のアニオン系乳化剤や
ノニオン系乳化剤から適宜選択して用いることができ
る。アニオン系乳化剤の具体例としては、アルキルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスル
ホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホコハク酸エ
ステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
スルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテルのスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンジスチ
リルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンジス
チリルフェニルエーテルのスルホコハク酸塩などを例示
することができ、ノニオン系乳化剤の具体例としてはポ
リエチレンオキシド系乳化剤、ポリプロピレンオキシド
系乳化剤などを例示することができる。これれのうちア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキ
ルスルホコハク酸エステルが好ましい。該乳化剤の使用
量(固形分換算)は、前記単量体(A)〜(D)の合計
量に対して通常0.5〜10%であるのが好ましく、さらに
好ましくは1〜5%である。該使用量が0.5%に満たな
いばあいは安定なエマルジョン状態で存在する重合体を
えがたくなる傾向があり、また10%をこえるばあいは耐
水性や接着力が不充分となる傾向がある。
上記の方法でえられたエマルジョンとして存在する重
合体は、前記の如くファクシミリ用紙、プリンター用
紙、自動発券機用の券紙、POS システムのバーコード
紙などの各種感熱記録体の製造に用いるバインダーとし
てそのまま適用されることができ、優れた耐水性、発色
性および保存性を発揮しうる。必要によりポリアミドポ
リアミン樹脂のエピクロルヒドリン変性物、アミノ−ホ
ルムアルデヒド樹脂などの公知の耐水化剤を併用しうる
ことはもとよりである。また、高級脂肪酸、高級脂肪酸
アミド、高級脂肪酸金属塩などを添加して耐スティッキ
ング性をより向上させることもできる。
本発明のエマルジョン状態で存在する重合体からなる
バインダーを用いて感熱記録体を製造するには従来から
知られている方法をそのまま採用することができる。す
なわち、本発明のエマルジョン状態で存在する重合体か
らなるバインダーおよび必要に応じて充填剤、耐水化
剤、スティッキング防止剤などの添加剤を用いて、紙、
合成紙、フィルムなどの各種支持体上にロイコ染料およ
び顕色剤を結合せしめて感熱層を形成させることにより
容易に製造することができる。
ロイコ染料としては、各種従来から知られているもの
を採用することができ、分子内にラクトン環を有するラ
クトン系と非ラクトン系のいずれを用いてもよく、こと
にトリアリールメタン系およびフルオラン系のラクトン
化合物が好適である。
フルオラン系化合物としては、3−ジエチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−(メチルシクロヘキシルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(エ
チルイソベンジルアミノ)フルオラン、2−(p−クロ
ロアニリノ)−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、−2(p−フルオロアニリノ)−3−メチル−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチ
ル−6−(p−トルイジノエチルアミノ)フルオラン、
2−(p−トルイジノ)−3−メチル−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6−ジ
ブチルアミノフルオラン、2−(o−フルオロアニリ
ノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−(o−フル
オロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、2−
アニリノ−3−メチル−6−ピペリジノフルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−ピロリジノフルオラン、
2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−クロロ−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−メチル−6−ジエチルアミノフル
オランなどがあげられ、トリアリールメタン系化合物と
しては、3,3−ビス−(p−ジメチルアミノフェノー
ル)−6−ジメチルアミノフタリド(別名:クリスタル
バイオレットラクトン)、3,3−ビス−(p−ジメチル
アミノフェノール)フタリド、3−(p−ジメチルアミ
ノフェノール)−3−(1,2−ジメチルアミノインドー
ル−3−イル)フタリドなどがあげられる。これらのロ
イコ染料は単独もしくは混合して用いられる。
また顕色剤としては、フェノール化合物、有機酸もし
くはその金属塩、オキシ安息香酸エステルなどを例示す
ることができる。その具体例としては、p−オクチルフ
ェノール、p−tert−ブチルフェノール、1,1−ビス
(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p
−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA、
以下同様)、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、4,4−チオビスフェノール、4,4−スルホ
ニルジフェノール、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシ
フェニル)−スルホン、ノボラック型フェノール樹脂、
p−ヒドロキシ安息香酸エステル、4−ヒドロキシフタ
ル酸ジメチル、5−ヒドロキシイソフタル酸ジメチル、
3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸および3,5−ジ−α−
メチルベンジルサリチル酸ならびに上記に対応する芳香
族カルボン酸の多価金属塩があげられる。
上記ロイコ染料および顕色剤の分散方法にはとくに制
限はなく、通常の方法を採用することができる。たとえ
ばロイコ染料および顕色剤をそれぞれ別々に分散剤の存
在下にボールミル、サンドミルなどの分散装置を使用し
て平均粒子径を数μm程度になるまで粉砕し、分散させ
ればよい。該分散剤としては、通常ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロースなどの水溶性樹脂を用いることが
できる。
前記充填剤は筆記性、白色度、耐スティッキング性を
向上させるために用いられ、その具体例としては、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜
鉛、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バ
リウム、クレー、タルクなどの無機系微粉末のほか、尿
素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂などの有機系微
粉末をあげることができる。
耐水化剤としては、ポリアミドポリアミン樹脂のエピ
クロルヒドリン変性物、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂
などの従来から知られているものを例示することができ
る。
またスティッキング防止剤としては、パラフィンワッ
クス、マイクロクリスタリンワックスなどのワックス
類、パルミチン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸、ス
テアリン酸アミドなどの高級脂肪酸アミド、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属
塩などがあげられる。
ロイコ染料、顕色剤および充填剤などの添加剤の合計
と本発明のバインダーとの使用割合は重量比で通常は1:
0.1〜1:1となるのが適当である。
なお、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、メトキシセルロース、カルボキシ変性ポリビニルア
ルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、デン
プンおよびその誘導体、カゼイン、ゼラチン、スチレン
−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩などの従来から
知られているバインダーを本発明の感熱記録体用バイン
ダーの性能を低下させない範囲内で併用することはさし
つかえない。
本発明の感熱記録体用バインダー、添加剤、ロイコ染
料および顕色剤からなる感熱塗工液を支持体に塗布およ
び乾燥して感熱層を形成するに際しては、該塗工液の固
形分濃度および粘度はとくに制限はされないが、通常は
それぞれ15〜50%程度、20〜2000cps程度とされる。塗
布方法もとくに制限はされないが、通常はワイヤーバ
ー、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコ
ーターなどを用いることができる。また塗布量も制限さ
れず、感熱記録体の種類などを勘案して適宜決定するこ
とができ、通常は該塗工液中の固形分付着量が3〜15g/
m2の範囲となるよう塗布すればよい。
上記のように本発明の感熱記録体用バインダーを用い
てえられた感熱記録体は、そのままで優れた耐水性を有
するものであるが、所望により従来から知られているオ
ーバーコート剤を該感熱記録体に塗布することもでき
る。その具体例としてポリビニルアルコール、ポリビニ
ルアルコール−アクリルグラフト共重合体などがあげら
れる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明する
が、本発明はこれらのみに限定されないことはもとより
である。
実施例1 (バインダーの製造) 撹拌機および還流冷却器を付した反応容器に、水640
重量部(以下、部という)、アルキルベンゼンスルホン
酸ナトリウム(商品名「ネオゲンR」、第一工業製薬
(株)製)12.5部、スチレン105部、アクリルアミド90
部、アクリル酸n−ブチル105部およびラウリルメルカ
プタン1.2部を仕込み撹拌下に40℃まで加温した。同温
度で濃度10%の過硫酸アンモニウム水溶液30部および濃
度10%の重亜硫酸ソーダ水溶液30部を添加し、60℃まで
昇温した。直ちに重合反応が開始し内温が90℃に達し
た。その後80℃で3時間反応を行い反応を完結させ、さ
らに冷却し、pH調整して本発明のバインダーである重合
体を含むエマルジョンをえた。
該エマルジョンは固形分濃度が30.6%、25℃における
粘度が88cps、pHが7.6であった。
えられたエマルジョンを用い、以下に示す方法にした
がって感熱塗工液を調製した。
(感熱塗工液の調製) (I)液の調製 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 10 部 ポリビニルアルコール(商品名「PVA205」、(株)クラ
レ製)の10%水溶液 5 部 水 18.3部 をボールミルで平均粒子径が3μm以下になるまで粉砕
し、分散させて(I)液をえた。
(II)液の調製 ビスフェノールA 30 部 「PVA205」の10%水溶液 7.5部 水 48.2部 をボールミルで平均粒子径が3μm以下になるまで粉砕
し、分散させて(II)液をえた。
(III)液の調製 (I)液 33.3部 (II)液 85.7部 微粒子状シリカ(商品名「カープレックスFPS−3」、
塩野義製楽(株)製) 30 部 (バインダーの製造)でえられたエマルジョン 100 部 ステアリン酸亜鉛 10 部 水 291 部 をモーターで撹拌混合して感熱塗工液((III)液)を
えた。なお、各感熱塗工液の固形分濃度および25℃にお
ける粘度を第2表に示す。
また、えられた感熱塗工液を用いて、以下に示す方法
にしたがって、本発明のバインダーを用いてなる感熱記
録紙を作製した。
(塗工方法) 中性上質紙(坪量50g/m2)の表面に塗工量(固形分)
が約7g/m2になるように前記塗工液をバーコーターを用
いて塗工したのち、50℃で2分間乾燥し、さらに常温で
キャレンダー処理することにより本発明のバインダーを
用いてなる感熱記録紙をえた。
(評価方法) 上記でえられた感熱記録紙を以下に示す方法にしたが
って、発色性、接着力、耐水性および保存性について評
価した。その結果を第2表に示す。
(1)発色性 サクラ濃度計PDA−65(小西六写真工業(株)製)を
用いて、えられた感熱記録紙の印字部の発色濃度(動的
印字)および地肌部の発色濃度を測定した。
えられた印字部の発色濃度が高く、かつ地肌部の発色
濃度が低いほど発色性に優れている。
動的印字:感熱紙発色試験装置TH−PMD(大倉電機
(株)製)を用いて印字電圧15V、パルス巾0.8msecで印
字した。
(2)接着力 えられた感熱記録紙の塗工面にセロハンテープ(ニチ
バン製、巾24mm)を貼り、引張試験機(東洋ボウルドウ
ィン(株)製)を用いて180℃剥離強度を測定し、塗工
面と原紙面との接着力を求めた。
(3)耐水性 えられた感熱記録紙を20℃の水に1時間浸漬し、感熱
記録紙の塗工面を指で擦すったときの塗工面の剥がれを
目視評価した。
印字部を指で擦すっても剥がれないばあい耐水性が良
好、印字部が剥がれるばあい耐水性が不良と評価した。
(4)保存性 えられた感熱記録紙を50℃、75%RHの恒温恒湿器中に
60時間放置したのち、感熱記録紙の印字部の発色濃度
(動的印字)および地肌部の発色濃度を測定した。
えられた印字部の発色濃度が高く、かつ地肌部の発色
濃度が低いほど保存性に優れている。
実施例2〜8 実施例1において、第1表に示すように使用単量体の
種類や量を変化させたほかは実施例1と同様にして重合
を行ない、各種のエマルジョンをえた。えられたエマル
ジョンの固形分濃度、粘度およびpHを第1表に示す。ま
た、えられたエマルジョンを用いて、実施例1と同様に
して感熱記録紙を作製し、発色性、接着力、耐水性およ
び保存性について評価した。その結果を感熱塗工液の固
形分濃度および粘度とともに第2表に示す。
比較例1 実施例1において、えられたエマルジョンにかえて第
1表に示す固形分濃度、粘度およびpHのポリアクリルア
ミド水溶液を用いたほかは実施例1と同様にして感熱記
録紙をえ、発色性、接着力、耐水性および保存性につい
て評価した。その結果を用いた感熱塗工液の固形分濃度
および粘度とともに第2表に示す。
比較例2 実施例1において、えられたエマルジョンにかえて第
1表に示す固形分濃度、粘度およびpHのポリビニルアル
コール(商品名「PVA 117」、(株)クラレ製)水溶液
を用いたほかは実施例1と同様にして感熱記録紙をえ、
発色性、接着力、耐水性および保存性について評価し
た。その結果を用いた感熱塗工液の固形分濃度および粘
度とともに第2表に示す。
比較例3 (バインダーの製造) 撹拌機および還流冷却器を付した反応容器に水380
部、アクリルアミド80部、メタクリル酸グリシジル5
部、メタクリル酸3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピ
ル5部、メタクリル酸メチル10部を仕込み、撹拌下40℃
まで加温し濃度10%の過硫酸アンモニウム水溶液10部お
よび濃度10%の重亜硫酸ナトリウム水溶液10部を添加し
た。添加直後より重合反応が起こり重合熱により内温が
85℃に達した。そののち80℃で3時間反応を行ない、反
応を完結させ、冷却し、pHを調製して固形分濃度が20
%、25℃における粘度が15,000cps、pH7.0のアクリルア
ミド系共重合体水溶液をえた。
(感熱塗工液の調製) 実施例1と同様にして(I)液および(II)液をえ
た。
(III)液の調製 (I)液 33.3部 (II)液 85.7部 微粒子状シリカ(商品名「カープレックス、FPS−
3」、塩野義製薬(株)製) 30 部 (バインダーの製造)でえられた共重合体水溶液 150
部 ステアリン酸亜鉛 10 部 水 241部 をモーターで撹拌混合して感熱塗工液((III)液)を
えた。なお、感熱塗工液の固形分濃度は20%、25℃にお
ける粘度は6,500cpsであった。
えられた感熱塗工液を用いて実施例1と同様にして感
熱記録紙を作製しようとしたところ、粘度が高すぎるた
め均一な塗工層をうることができなかった。このため、
固形分濃度を15%(そのときの25℃における粘度は1,50
0cps)に希釈し、感熱記録紙を作製した。
えられた感熱記録紙を実施例1と同様にして発色性、
接着力、耐水性および保存性を評価したところ、発色性
の印字部の発色濃度は1.26、地肌部の発色濃度は0.19、
接着力は940g/24mm、耐水性は不良、保存性の印字部の
発色濃度は1.35、地肌部の発色濃度は0.21であった。
比較例4 (バインダーの製造) 撹拌機および還流冷却器を付した反応容器に水150
部、イソプロピルアルコール250部を仕込み、撹拌下80
℃まで加温した。80℃でスチレン30部、アクリル酸メチ
ル10部、メタクリル酸60部を混合した単量体混合液と濃
度5%の過硫酸カリウム水溶液20部を3時間かけて全量
滴下し、さらに3時間保温し反応を完結させ、水100部
と水酸化マグネシウム8.1部(メタクリル酸に対して40
当量%)を添加し、水蒸気蒸留によりイソプロピルアル
コールを留去し、冷却後48%水酸化ナトリウム34.8部
(メタクリル酸に対して60当量%)を加え、固形分濃度
が15%になるように希釈しスチレン・アクリル系共重合
体水溶液をえた。この共重合体の25℃における粘度は1,
500cps、pH7.5であった。
(感熱塗工液の調製) 実施例1と同様にして(I)液および(II)液をえ
た。
(III)液の調製 (I)液 33.3部 (II)液 85.7部 微粒子状シリカ(商品名「カープレックス、FPS−
3」、塩野義製薬(株)製) 30 部 (バインダーの製造)でえられた共重合体水溶液 200
部 ステアリン酸亜鉛 10 部 水 191 部 をモーターで撹拌混合して感熱塗工液((III)液)を
えた。なお、感熱塗工液の固形分濃度は20%、25℃にお
ける粘度は3,100cpsであった。
えられた感熱塗工液を用いて実施例1と同様にして感
熱記録紙を作製し、発色性、接着力、耐水性および保存
性について評価したところ、発色性の印字部の発色濃度
は1.25、地肌部の発色濃度は0.22、接着力は530g/24m
m、耐水性は不良、保存性の印字部の発色濃度は1.42、
地肌部の発色濃度は0.51であった。
比較例3、4の結果を第3表にまとめて示す。
[発明の効果] 特定種類の単量体を特定割合で用いて乳化重合させて
えられるエマルジョン状態で存在する重合体からなる本
発明の感熱記録体用バインダーは、種々の支持体に優れ
た接着力を有する感熱層を形成させるために使用され、
感熱記録体に対して優れた耐水性、発色性および保存性
を付与しうるとともに、塗布時の感熱塗工液の固形分濃
度が高いため感熱記録体の乾燥時間を短縮させうるので
生産性を大幅に向上させることができるという効果を奏
する。そのため、従来のバインダーを塗布してえられる
感熱記録体に比して今日の要請に合致した優れた感熱記
録体を提供しうる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 133/08 JDB C09J 133/08 JDB

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式: (式中、R1は水素原子、メチル基またはエチル基を示
    し、R2は水素原子またはメチル基を示す)で表わされる
    単量体20〜70重量%、 (B)一般式: (式中、R3は水素原子またはメチル基を示す)で表わさ
    れる単量体15〜50重量%および (C)一般式: (式中、R4は水素原子またはメチル基を示し、nは1〜
    20の整数を示す)で表わされる単量体10〜50重量% からなる単量体を乳化重合してえられたエマルジョン状
    態で存在する重合体からなる感熱記録体用バインダー。
  2. 【請求項2】前記単量体(A)20〜70重量%、前記単量
    体(B)15〜50重量%、前記単量体(C)10〜50重量%
    ならびに単量体(A)、単量体(B)および単量体
    (C)と共重合しうる単量体(D)20重量%以下からな
    る単量体を乳化重合してえられたエマルジョン状態で存
    在する重合体からなる感熱記録体用バインダー。
  3. 【請求項3】前記単量体(D)がアクリル酸、メタクリ
    ル酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2
    −ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエ
    チル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリ
    ル酸グリシジル、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
    ル、酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニルよりなる群か
    ら選択された少なくとも1種である請求項2記載の感熱
    記録体用バインダー。
  4. 【請求項4】前記単量体(D)がアクリル酸、メタクリ
    ル酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2
    −ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエ
    チル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピルよりなる群
    から選択された少なくとも1種である請求項2記載の感
    熱記録体用バインダー。
JP63035645A 1988-02-17 1988-02-17 感熱記録体用バインダー Expired - Fee Related JP2620283B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63035645A JP2620283B2 (ja) 1988-02-17 1988-02-17 感熱記録体用バインダー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63035645A JP2620283B2 (ja) 1988-02-17 1988-02-17 感熱記録体用バインダー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01209188A JPH01209188A (ja) 1989-08-22
JP2620283B2 true JP2620283B2 (ja) 1997-06-11

Family

ID=12447611

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63035645A Expired - Fee Related JP2620283B2 (ja) 1988-02-17 1988-02-17 感熱記録体用バインダー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2620283B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5877213B2 (ja) * 2014-01-24 2016-03-02 旭化成イーマテリアルズ株式会社 積層体、蓄電デバイス用セパレータ、蓄電デバイス、リチウムイオン二次電池および共重合体

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5777393A (en) * 1980-09-29 1982-05-14 Showa Denko Kk Binder for coated paper
JPS5833838A (ja) * 1981-08-25 1983-02-28 Toshiba Corp 半導体素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01209188A (ja) 1989-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10258577A (ja) 感熱記録体
JP2609895B2 (ja) 感熱記録体用オーバーコート剤
US4962079A (en) Overcoated heat-sensitive record materials
JPH0151352B2 (ja)
JP2620283B2 (ja) 感熱記録体用バインダー
JPH06155916A (ja) 感熱記録層形成用材料
JP2000204123A (ja) 水性樹脂エマルジョンおよびこれを用いた感熱記録材料
JP3176693B2 (ja) 感熱記録材料
JP3487044B2 (ja) 感熱記録体
JPH0197679A (ja) 感熱記録材料
JPH0263788A (ja) 感熱記録体用バインダー
JP3611401B2 (ja) 感熱記録材料
JPH03136894A (ja) 感熱記録体用バインダー
JPS6233673A (ja) 感熱記録材料
JP3107900B2 (ja) 感熱記録材料
JPS6259080A (ja) 感熱記録材料
JP2538655B2 (ja) 感熱記録材料
JPS6127287A (ja) 感熱記録材料
JPH05570A (ja) 感熱記録材料
JPH06247048A (ja) 感熱記録体
JPS62149478A (ja) 感熱記録材料
JPH02258288A (ja) 感熱記録材料
JPH06255265A (ja) 感熱記録材料
JPH0714661B2 (ja) 感熱記録材料
JPH07242066A (ja) 感熱記録材料

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees