JPH06255265A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH06255265A
JPH06255265A JP5043727A JP4372793A JPH06255265A JP H06255265 A JPH06255265 A JP H06255265A JP 5043727 A JP5043727 A JP 5043727A JP 4372793 A JP4372793 A JP 4372793A JP H06255265 A JPH06255265 A JP H06255265A
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JP
Japan
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heat
acid
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recording material
binder
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JP5043727A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Matsushita
壽彦 松下
Naomasa Koike
直正 小池
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱応答性及び画像保存性、且つヘッドマッチ
ング性の優れた感熱記録材料を提供する。 【構成】 染料前駆体、特定のサリチル酸誘導体又はそ
の金属塩からなる顕色剤並びに増感剤の3成分を必須成
分とし、これをカチオン系分散剤で凝集化した感熱記録
用凝集粒子と特定のバインダーとを感熱記録層中に含有
することを特徴とする感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱記録材料に関する
ものであり、更に詳しくは、熱応答性及び画像保存性、
且つヘッドマッチング性に優れた感熱記録材料に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録材料は、一般に、基材上に通常
無色ないし淡色の染料前駆体と加熱時反応して該染料前
駆体を発色せしめる顕色剤とを主成分とする感熱記録層
を設けたもので、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加
熱することにより、染料前駆体と顕色剤とが瞬時反応
し、記録画像が得られるもので、特公昭43−4160
号公報、特公昭45−14039号公報等に開示されて
いる。このような感熱記録材料は比較的簡単な装置で記
録が得られ、保守が容易なこと、騒音の発生がないこと
等の利点があり、計測記録計、ファクシミリ、プリンタ
ー、コンピューターの端末機、ラベル、乗車券の自動販
売機等広範囲の分野に利用されている。特に、ファクシ
ミリの分野では、感熱方式の需要が大幅に伸びてきてお
り、それに伴い送信コストの低減のための高速化やファ
クシミリの小型による低価格化のための低エネルギー化
が進められている。このようなファクシミリの高速化・
低エネルギー化に対応して感熱記録材料の高感度化が求
められるようになってきた。
【0003】高速化されたファクシミリは、A4の標準
原稿を数秒から20秒で送受信するため、ファクシミリ
のサーマルヘッドに流れる電流も数ミリ秒以下という非
常に短い時間の繰り返しであり、それによって発生した
熱エネルギーを感熱記録材料へ伝達し、画像形成反応を
行なわしめるものである。このように短時間に伝達され
た熱エネルギーで画像形成反応を行うには、熱応答性に
優れた感熱記録材料であることが必要である。熱応答性
を上げるためには、染料前駆体と顕色剤との相溶性を向
上させねばならない。この相溶性の仲立ちとするものと
して、増感剤が使用される。増感剤は、伝達された熱エ
ネルギーにより、それ自身が融解する時に、近傍の染料
前駆体及び顕色剤を溶解ないしは内包して発色反応を促
進させる働きを有している。
【0004】近年に至っては、この増感剤の熱応答性を
上げることにより、感熱記録材料の高感度化を図る方法
が採られている。増感剤としては、例えば、特開昭58
−87094号公報では、ナフトール誘導体を、特開昭
57−64592号公報では、ナフトエ酸誘導体を、特
開昭58−112788号公報では、安息香酸エステル
誘導体を、特開昭60−122193号公報では、パラ
ベンジルビフェニルを、特開昭60−56588号公報
では、ジフェノキシエタン類を、特開昭61−2428
84号公報では、スルフィド類等が挙げられる。
【0005】一方、ヘッドマッチング性、即ち感熱記録
材料を用いて印字する際、サーマルヘッドへの融着(ス
ティッキング)やサーマルヘッドへのカス付着を引き起
こすことなく良好な印字を与えるもので、感熱記録材料
に対するサーマルヘッドへの適応性であるが、感熱記録
材料に塗設される感熱記録層中のバインダーがヘッドマ
ッチング性に大いに係わっている。
【0006】従来より、感熱記録層中のバインダーとし
ては、酸化澱粉、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアマイ
ド等の水溶性化合物、スチレン−ブタジエン共重合体、
スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリ
ル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸
エステル共重合体ポリウレタン樹脂等の水性エマルジョ
ンが知られている。
【0007】しかしながら、ヘッドマッチング性を解決
するには未だ満足できるものがなく、その解決のために
数多くの特許が出願されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したとおり、従来
の感熱記録材料において、得られなかった熱応答生及び
画像保存性、且つヘッドマッチング性に優れた感熱記録
材料を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、熱応答性及び画像保存性、且つヘッドマ
ッチング性に優れた感熱記録材料を提供するものであ
る。即ち、本発明によって提供される感熱記録材料は、
通常無色ないし淡色の染料前駆体、加熱時反応して該染
料前駆体を発色せしめる顕色剤並びに増感剤を含有する
感熱記録層を塗設した感熱記録材料において、該顕色剤
が化2(一般式1)で示されるサリチル酸誘導体又はそ
の金属塩の少なくとも1種以上からなるものであり、該
染料前駆体、該顕色剤、並びに該増感剤の3成分を必須
成分としてカチオン系分散剤により凝集化してなる感熱
記録用凝集粒子、及びガラス転移点50℃以下の高分子
ラテックスの存在下でガラス転移点55℃以上である少
なくとも1種類の疎水性ビニル系単量体を主体に重合し
て得られる軟化点200〜350℃の水分散性重合物か
らなるバインダーを感熱記録層中に含有してなることを
特徴とするものである。
【0010】
【化2】 (式中、X1及びX2は、水素原子、アルキル基、アラル
キル基、アリール基又はハロゲン原子を表し、Rは、ア
ルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基
を表す。)
【0011】又、本発明に用いられる感熱記録用凝集粒
子は、平均粒径2〜30μmであることを特徴とするも
のである。
【0012】本発明の一般式1に示されるサリチル酸誘
導体又はその金属塩の具体例としては、例えば、下記に
挙げるもの等があるが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。3−ブチルオキシサリチル酸、3−ペンチル
オキシサリチル酸、3−ヘキシルオキシサリチル酸、3
−シクロヘキシルオキシサリチル酸、3−オクチルオキ
シサリチル酸、3−デシルオキシサリチル酸、3−ドデ
シルオキシサリチル酸、3−テトラデシルオキシサリチ
ル酸、3−ヘキサデシルオキシサリチル酸、3−オクタ
デシルオキシサリチル酸、4−ブチルオキシサリチル
酸、4−ペンチルオキシサリチル酸、4−ヘキシルオキ
シサリチル酸、4−シクロヘキシルオキシサリチル酸、
4−オクチルオキシサリチル酸、4−デシルオキシサリ
チル酸、4−ドデシルオキシサリチル酸、4−テトラデ
シルオキシサリチル酸、4−ヘキサデシルオキシサリチ
ル酸、4−オクタデシルオキシサリチル酸、5−ブチル
オキシサリチル酸、5−ペンチルオキシサリチル酸、5
−ヘキシルオキシサリチル酸、5−シクロヘキシルオキ
シサリチル酸、5−オクチルオキシサリチル酸、5−デ
シルオキシサリチル酸、5−ドデシルオキシサリチル
酸、5−テトラデシルオキシサリチル酸、5−ヘキサデ
シルオキシサリチル酸、5−オクタデシルオキシサリチ
ル酸、
【0013】6−ブチルオキシサリチル酸、6−ペンチ
ルオキシサリチル酸、6−ヘキシルオキシサリチル酸、
6−シクロヘキシルオキシサリチル酸、6−オクチルオ
キシサリチル酸、6−デシルオキシサリチル酸、6−ド
デシルオキシサリチル酸、6−テトラデシルオキシサリ
チル酸、6−ヘキサデシルオキシサリチル酸、6−オク
タデシルオキシサリチル酸、5−ヘキサノイルサリチル
酸、5−オクタノイルサリチル酸、3−ヘキサノイルオ
キシサリチル酸、3−オクタノイルオキシサリチル酸、
3−デカノイルオキシサリチル酸、4−ヘキサノイルオ
キシサリチル酸、4−オクタノイルオキシサリチル酸、
4−デカノイルオキシサリチル酸、5−ヘキサノイルオ
キシサリチル酸、5−オクタノイルオキシサリチル酸、
5−デカノイルオキシサリチル酸、6−ヘキサノイルオ
キシサリチル酸、6−オクタノイルオキシサリチル酸、
6−デカノイルオキシサリチル酸、5−オクタンスルホ
ニルサリチル酸、3−ヘキシルアミノサリチル酸、3−
オクチルアミノサリチル酸、3−デシルアミノサリチル
酸、3−オクタデシルアミノサリチル酸、4−ヘキシル
アミノサリチル酸、4−オクチルアミノサリチル酸、4
−デシルアミノサリチル酸、4−ドデシルアミノサリチ
ル酸、3−オクタノイルアミノサリチル酸、3−デカノ
イルアミノサリチル酸、4−オクタノイルアミノサリチ
ル酸、3−デカノイルアミノサリチル酸等。
【0014】本発明の一般式1で表されるサリチル酸誘
導体の金属塩において、金属塩としては、ナトリウム、
カリウム、リチウム等の1価の金属塩を含有するもので
あるが、好ましくは水難溶性或は水不溶性の2価、3価
或は4価の金属塩であり、より好ましくは2価、3価の
金属塩である。
【0015】2価、3価或は4価の金属塩の具体例とし
ては 亜鉛、カドミウム、水銀マグネシウム、カルシウ
ム、バリウム、ニッケル、スズ、ガリウム、クロム、銅
モリブデン、タングステン、ジルコニウム、ストロンチ
ウム、マンガン、コバルト、チタン、アルミニウム、鉄
の塩を挙げることができるが、好ましくは、亜鉛、カル
シウム、バリウム、ニッケル、マンガン、コバルト、ア
ルミニウムの塩である。特に、亜鉛塩は好ましい。
【0016】本発明の感熱記録材料に使用されるバイン
ダーは、ガラス転移点50℃以下の高分子ラテックスの
存在下でガラス転移点55℃以上である少なくとも1種
類の疎水性ビニル系単量体を主体に重合して得られる軟
化点200〜350℃の水分散性重合物からなるもので
ある。
【0017】該バインダーは、感熱記録材料の感熱記録
層のバインダーとして使用すると、優れたヘッドマッチ
ング性が得られる。その理由として、次のようなことが
考えられる。即ち、該バインダーは、高分子ラテックス
に疎水性ビニル単量体が重合されており、得られた水分
散性重合物は、構造的にはコア−シェル構造を有してお
り、コア部分は比較的軟らかいラテックスを使用し、シ
ェル部は比較的硬い重合物で、その組成物が高い軟化点
を有することから、特性面では、コア部で耐薬品性、耐
可塑剤性、接着強度、耐水性の効果を、又、シェル部で
ヘッドマッチング性の効果を発揮するものと考えられ
る。
【0018】ところで、該バインダーで規定するガラス
転移点とは、ガラス状の固い状態からゴム状に変化する
温度であり、比熱の温度変化や比容積の温度変化により
測定され、比熱、比容積が転移点で急速に変化する。測
定法としては、示差熱分析法(DTA法)、示差走査熱
量測定法(DSC法)が利用される。又、軟化点とは、
物質が加熱により変形、軟化を起こし始める温度を云
い、ガラス転移点と同じくDTA法、DSC法が利用さ
れる。尚、DTA法、DSC法で測定された軟化点のピ
ークが複数有る場合には、ヘッドマッチング性に関与す
る重合物のシェル部における軟化点の内、最も高い温度
を採用するものとする。
【0019】本発明のバインダーである水分散性重合物
において、重合時に使用するガラス転移点50℃以下の
高分子ラテックスとしては、次の化合物が挙げられる。
スチレン−ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル−
ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン−
ブタジエン共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン共
重合体、スチレン重合体、イソプレン重合体、ブタジエ
ン重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、
アクリル酸エステル重合体、酢酸ビニル−エチレン共重
合体、塩化ビニル重合体、塩化ビニリデン重合体等、又
はそれらの誘導体の中で、ガラス転移温度が50℃以下
のものである。ここで、50℃を超えて高いと熱応答性
に悪影響を及ぼす。
【0020】本発明のバインダーである水分散性重合物
において、重合時に使用する疎水性ビニル単量体として
は、重合により疎水性の重合物を生成するものであり、
具体的には、次の化合物が挙げられる。スチレン、メチ
ルスチレン等の芳香族ビニル化合物、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル等
のメタクリル酸エステル、アクリルニトリル、メタクリ
ルニトリル等のニトリル化合物、アクリル酸p−カルボ
メトキシフェニル、アクリル酸2,4−ジクロロフェニ
ル、メタクリル酸グリシジルメチロールアクリルアミド
等のアクリル化合物、塩化ビニル等のように重合物のガ
ラス転移温度が55℃以上のものが使用される。
【0021】本発明に使用される水分散性重合物は、従
来公知の重合法によって得ることができる。例えば、過
硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過酸化物を使用
するラジカル重合、過酸化物とチオ硫酸ソーダ等の還元
剤の併用等で行うレドックス法等が挙げられる。
【0022】本発明の感熱記録材料は、染料前駆体、特
定の顕色剤、並びに増感剤の3成分を必須成分としてカ
チオン系分散剤により凝集化してなる感熱記録用凝集粒
子及びを特定のバインダーを感熱記録層中に含有してな
ることを特徴とするものである。
【0023】本発明の感熱記録用凝集粒子は、平均粒径
2〜30μm、好ましくは、平均粒径3〜20μm、更
に好ましくは、5〜10μmのものである。
【0024】本発明の感熱記録用凝集粒子については、
該染料前駆体、該顕色剤、該増感剤の3成分の混合比率
において、染料前駆体100重量部に対して顕色剤及び
増感剤は、それぞれ50〜500重量部である。好まし
くは、100〜300重量部である。ここで、顕色剤及
び増感剤がそれぞれ50重量部未満の場合、染料前駆体
の未反応物が、逆に500重量部を超えた場合、顕色剤
の未反応物が多量に残り不経済である。
【0025】本発明の感熱記録用凝集粒子は、染料前駆
体、顕色剤、増感剤からなる3成分を必須成分とするも
ので、平均粒径2〜30μm、好ましくは3〜20μ
m、更に好ましくは5〜10μmとして用いるが、3成
分の各々は、予め単分散又は共分散(染料前駆体−増感
剤、或は顕色剤−増感剤の組合せ)により平均粒径0.
1〜0.5μmとしたものを使用する。通常は、これら
の3成分がより微小であればある程、高感度化の方向に
なると考えられる。しかし、感熱記録用の基材は、その
表面において完全には平滑化されておらず、パルプ繊維
による凹凸がみられる。微小に分散された粒子は、パル
プ繊維の凹凸部に入り込み、微小化の長所が十分に生か
されないのが現状である。
【0026】本発明の感熱記録用凝集粒子は、上記パル
プ繊維の凹凸部への入り込みを防止して、基材の表面上
に均一に配列されるため、高感度化が達成されるのであ
る。更に、感熱記録用凝集粒子は、微小分散された3成
分が近接した状態にあるため、サーマルヘッドの熱が感
熱記録用凝集粒子自体に伝達された時、極めて効率良く
発色するという長所を有する。
【0027】感熱記録用凝集粒子は、平均粒径2〜30
μm、好ましくは3〜20μm、更に好ましくは5〜1
0μmである。それは、感熱記録層の塗工厚さに依存す
るものである。感熱記録用凝集粒子が、塗層厚さ以上の
粒径を有する場合には、その感熱記録用凝集粒子が塗層
から露出してしまうために表面平滑性に劣ったり、圧力
カブリ等の原因となる。反対に、平均粒径が2μm未満
では、その効果が十分に発揮することができない。
【0028】本発明の感熱記録用凝集粒子は、予めアニ
オン系分散剤を用いて分散させた3成分からなる混合物
に、カチオン界面活性剤やカチオン系ポリマーを使用し
て凝集化させるものである。カチオン界面活性剤として
は、アミン塩、第4級アンモニウム塩、フォスフォニウ
ム塩、スルフォニウム塩等が挙げられる。又、カチオン
系ポリマーとしては、アミノアルキルメタアクリレート
及びそのアクリルアミド共重合体、ポリビニルピリジニ
ウムハライド、ポリジアリルアンモニウムハライド、ポ
リアミノメチルアクリルアミド、ポリビニルイミダゾリ
ン、ポリアクリルアミドマンニッヒ変成物、ポリエチレ
ンイミンポリジアリルアミン、ポリピリジニウムハライ
ドキトサン、カチオン化デンプン、カチオン化セルロー
ス、カチオン化ポリビニルアルコール、アイオネン系縮
合物、エポキシアミン系縮合物、カチオン化ポリメタク
リル酸エステル樹脂、アルキレンジアミン−エピクロル
ヒドリン重縮合物等が挙げられる。
【0029】本発明に使用される染料前駆体について、
具体例を挙げると、 (1)トリアリールメタン系化合物 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクト
ン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フ
タリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−
(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、
3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチ
ルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−
3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチル
インドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリ
ド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−
イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス
(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチル
アミノフタリド3,3−ビス(2−フェニルインドール
−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−
ジメチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−
2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等(2)ジフ
ェニルメタン系化合物4,4’−ビス−ジメチルアミノ
フェニルベンズヒドリルベンジルエーテル、N−ハロフ
ェニルロイコオーラミン、2,4,5−トリクロロフェ
ニルロイコオーラミン等。
【0030】(3)キサンテン系化合物 ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−ク
ロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベ
ンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オ
クチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フ
ェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチ
ルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジ
クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N
−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)ア
ミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノフルオラン、
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−
N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)ア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N
−エチル−N−テトラヒドロフリル)アミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン等。
【0031】(4)チアジン系化合物 ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイ
ルロイコメチレンブルー等。
【0032】(5)スピロ系化合物 3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジ
ナフトピラン、3,3’−ジクロロスピロジナフトピラ
ン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナ
フト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロ
ピルスピロベンゾピラン等を挙げることができ、これら
は単独、又は2種以上混合して使用することができる。
【0033】本発明に使用される顕色剤に加えて、従来
公知の顕色剤を併用することができるが、具体例を挙げ
ると、フェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体或は
その金属化合物、N,N’−ジアリールチオ尿素誘導体
等が挙げられる。これらの内、特に好ましいものはフェ
ノール誘導体であり、具体的には、p−フェニルフェノ
ール、p−ヒドロキシアセトフェノン、4−ヒドロキシ
−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロ
キシ−4’−ベンゼンスルホニルオキシジフェニルスル
ホン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニルプロパ
ン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−2−エ
チルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、13−ジ〔2−
(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼ
ン、1,3−ジ〔2−(3,4−ジヒドロキシフェニ
ル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,4−ジ〔2−(p
−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジクロ
ロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,
3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、 3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)酢酸メチル2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)酢酸ブチル、4,4’−チオビス(2−t−
ブチル−5−メチルフェノール)、ビス(3−アリル−
4ーヒドロキシフェニル)スルフォン、4−ヒドロキシ
−4’−イソプロピルオキシジフェニルスルフォン、
3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルフ
ォン、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキ
シ安息香酸クロロベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸プ
ロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、4−ヒドロキ
シフタル酸ジメチル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステ
アリル、サリチルアニリド、5−クロロサリチルアニリ
ド等が挙げられる。
【0034】本発明の増感剤として、具体例を挙げる
と、N−ヒドロキシメチルステアリン酸アミド、ステア
リン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミ
ド、エチレン・ビスステアリン酸アマイド、リシノール
酸アマイド、パラフィンワックス、マイクロクリスタリ
ンワックス、ポリエチレンワックス、ライスワックス、
カルナバワックス等のワックス類、2ーベンジルオキシ
ナフタレン等のナフトール誘導体、p−ベンジルビフェ
ニル、4ーアリルオキシビフェニル等のビフェニル誘導
体、1,2ービス(3ーメチルフェノキシ)エタン、
2,2’ービス(4ーメトキシフェノキシ)ジエチルエ
ーテル、ビス(4ーメトキシフェニル)エーテル等のポ
リエーテル化合物、炭酸ジフェニル、シュウ酸ジベンジ
ル、シュウ酸ジ(p−フロルベンジル)エステル等の炭
酸又はシュウ酸ジエステル誘導体等を挙げることができ
る。これらの増感剤は、単独、又は2種以上で使用する
ことができる。
【0035】その他、感熱記録層には顔料として、ケイ
ソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化
珪素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂等が
使用される。また、ヘッド摩耗防止、スティッキング防
止等の目的でステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィ
ン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸ア
ミド、カスターワックス等のワックス類を、また、ジオ
クチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤、ベンゾフ
ェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、更
に界面活性剤、蛍光染料等が必要に応じて添加される。
【0036】本発明のバインダーと併用可能な他のバイ
ンダーとしては、通常用いられる種々のバインダーを用
いることができる。例えば、デンプン類、ヒドロキシエ
チルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコー
ル、変性ポリビニルアルコールポリアクリル酸ソーダ、
アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体アクリ
ル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共
重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ
塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等
の水溶性バインダー、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、
ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合
体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル
酸メチル/ブタジエン共重合体エチレン/酢酸ビニル共
重合体等のラテックス等が挙げられる。
【0037】本発明に使用される基材としては、紙が主
として用いられるが不織布、プラスチックフィルム、合
成紙、金属箔等、或はこれらに顔料等を塗工したシー
ト、或はこれらを組み合わせた複合シートを任意に用い
ることができる。
【0038】また、上記の基材に無機系顔料や有機系顔
料等によりアンダーコート層を塗工したものを使用して
もよい。なお、本発明の感熱記録材料に使用される感熱
記録用凝集粒子は、これをインク化することにより印刷
機を利用した部分印刷用にも使用し得る。
【0039】
【作用】本発明の感熱記録材料は、通常無色ないし淡色
の染料前駆体、一般式1で示されるサリチル酸誘導体又
はその金属塩の少なくとも1種以上からなる顕色剤並び
に増感剤の3成分を必須成分として、これをカチオン系
分散剤により凝集化してなる感熱記録用凝集粒子、及び
ガラス転移点50℃以下の高分子ラテックスの存在下で
ガラス転移点55℃以上である少なくとも1種類の疎水
性ビニル系単量体を主体に重合して得られる軟化点20
0〜350℃の水分散性重合体からなるバインダーを感
熱記録層中に含有するものである。これら3成分の単分
散、又は共分散した各成分の微小粒子を凝集化して用い
ることにより、感熱記録用凝集粒子が基材のパルプ繊維
の凹凸部に入り込まむことなくサーマルヘッドの熱が効
率よく伝達されるために、高感度の感熱記録材料を得る
ことができる。その上、感熱記録用凝集粒子は、染料前
駆体と顕色剤の微小粒子が近接しているため高感度化し
得る。又、特定のサリチル酸誘導体又はその金属塩を顕
色剤として使用することで、画像保存性が優れたものと
なる。更に、本発明のバインダーを使用することで、耐
熱性の優れた感熱記録層となり、良好なヘッドマッチン
グ性が得られる。以上の理由から、本発明の感熱記録材
料は、従来の技術にみられない作用をもつものである。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 実施例1 1.3成分の分散 次の組成からなる混合物をそれぞれサンドミルで平均粒
径が約0.2μmになるまで粉砕分散した。ここで、ア
ニオン系分散剤としてアニオン変性されたポリビニルア
ルコールを使用した。 [A液]染料前駆体の分散 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 100部 10%ポリビニルアルコール水溶液 50部 水 100部 [B液]顕色剤−増感剤の共分散 4−オクチルオキシサリチル酸亜鉛 150部 ベンジルオキシナフタレン 150部 10%ポリビニルアルコール水溶液 150部 水 300部
【0041】2.3成分の凝集化 カチオン系分散剤として、10%カチオン化ポリビニル
アルコール水溶液を使用し、上記1で得たA液とB液の
分散物を次の比率で混合し、3成分からなる平均粒径1
0μmの感熱記録用凝集粒子を作成した。 A液(染料前駆体の固形分:100部) 250部 B液(顕色剤、増感剤の固形分:各250部) 750部 カチオン系分散剤 200部
【0042】3.バインダーの作製 スチレン−ブタジエン−メタクリル酸メチル−アクリル
酸の高分子ラテックス(ガラス転移温度、5℃)の存在
下に、メタクリル酸メチル、アクリルニトリル並びにメ
タクリルアミドを重合して、水分散性重合物からなるバ
インダーCを得た。得られたバインダーCの軟化点は、
235℃であった。
【0043】4.感熱塗液の調製 上記2で得た平均粒径10μmの感熱記録用凝集粒子を
使用し、次の配合にて感熱塗液を調製した。 感熱記録用凝集粒子(35%) 400部 40%ステアリン酸亜鉛 25部 20%水分散性重合物からなるバインダーCの水分散液 100部 炭酸カルシウム 50部 水 525部 このようにして調製した感熱塗液を坪量40g/m2
原紙に、メイヤーバーを用いて塗工量(固形分)6g/
2となるように塗工し、乾燥して後、スーパーカレン
ダーで処理して感熱記録材料を得た。
【0044】実施例2 実施例1で使用した4−オクチルオキシサリチル酸亜鉛
の代わりに、4−オクタノイルサリチル酸亜鉛に変更し
た以外は、実施例1と同様にして3成分からなる感熱記
録用凝集粒子を得、感熱記録材料を作製した。
【0045】実施例3 実施例1で使用したベンジルオキシナフタレンの代わり
に、ステアリン酸アミドに変更した以外は実施例1と同
様にして3成分からなる感熱記録用凝集粒子を得、感熱
記録材料を作製した。
【0046】実施例4 1.バインダーの作製 アクリルニトリル−アクリル酸−スチレン−ブタジエン
の高分子ラテックス(ガラス転移温度、41℃)の存在
下に、アクリルニトリルとメタクリルアミドを重合し
て、水分散性重合物からなるバインダーDを得た。得ら
れたバインダーDの軟化点は、325℃であった。 2.感熱塗液の調製 感熱塗液は、実施例2で使用したバインダーCの代わり
に、上記1で作製したバインダーDを使用する以外は実
施例2と同様にして調製した。 3.感熱記録材料の作製 上記2で調製した感熱塗液を坪量40g/m2の原紙
に、メイヤーバーを用いて塗工量(固形分)6g/m2
となるように塗工し、乾燥して後、スーパーカレンダー
で処理して感熱記録材料を得た。
【0047】実施例5 1.バインダーの作製 アクリルニトリル−アクリル酸−スチレン−ブタジエン
の高分子ラテックス(ガラス転移温度、38℃)の存在
下に、アクリルニトリル、メタクリル酸メチルを重合し
て、水分散性重合物からなるバインダーEを得た。得ら
れたバインダーEの軟化点は、290℃であった。 2.感熱塗液の調製 感熱塗液は、実施例2で使用したバインダーCの代わり
に、上記1で作製したバインダーEを使用する以外は実
施例2と同様にして調製した。 3.感熱記録材料の作製 上記2で調製した感熱塗液を坪量40g/m2の原紙
に、メイヤーバーを用いて塗工量(固形分)6g/m2
となるように塗工し、乾燥して後、スーパーカレンダー
で処理して感熱記録材料を得た。
【0048】比較例1 実施例1で使用した4−オクチルオキシサリチル酸亜鉛
の代わりに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンに変更した以外は実施例1と同様にして、感熱
記録材料を作製した。
【0049】比較例2 実施例1のA液及びB液からなる分散液をそのまま使用
して、次のとおり感熱塗液を調製した。 A液 83部 B液 250部 40%ステアリン酸亜鉛 25部 10%ポリビニルアルコール水溶液 193部 炭酸カルシウム 50部 水 365部 このようにして調製した塗液を坪量40g/m2の原紙
にメイヤーバーを用いて、塗工量(固形分)6g/m2
となるように塗工し、乾燥して後、スーパーカレンダー
で処理して感熱記録材料を得た。
【0050】比較例3 実施例1で使用したバインダーCの代わりに、10%ポ
リビニルアルコール水溶液を変更し、10%ポリビニル
アルコール水溶液を200部、水を525部とした以外
は実施例1と同様にして、感熱記録材料を作製した。
【0051】比較例4 1.バインダーの作製 メタクリル酸メチル−アクリルニトリル−ブタジエン−
アクリルアミドの高分子ラテックス(ガラス転移温度、
16℃)の存在下で、メタクリル酸メチル、アクリル酸
メチルを重合して、水分散性重合物からなるバインダー
Fを得た。得られたバインダーFの軟化点は、170℃
であった。 2.感熱塗液の調製 感熱塗液は、実施例3で使用したバインダーCの代わり
に、上記1で作製したバインダーFを使用する以外は実
施例3と同様にして調製した。 3.感熱記録材料の作製 上記2で調製した感熱塗液を坪量40g/m2の原紙
に、メイヤーバーを用いて、塗工量(固形分)6g/m
2となるように塗工し、乾燥して後、スーパーカレンダ
ーで処理して感熱記録材料を得た。
【0052】実施例1〜5及び比較例1〜4で作製した
感熱記録材料について、下記の評価を行い、その評価結
果について、以下の表1に示した。
【0053】[発色性]大倉電機製ファクシミリ試験機
TH−PMDを用いて、印字テストを行った。ドット密
度8ドット/mm、ヘッド抵抗185Ωのサーマルヘッ
ドを使用し、ヘッド電圧12V、パルス幅0.7及び1.
0ミリ秒(ms)で通電して印字し、発色濃度をマクベ
スRD−918型反射濃度計で測定した。 [画像保存性]発色性の評価で用いたパルス幅1.0ミ
リ秒(ms)で印字した各感熱記録材料の記録画像部に
蛍光ペンで筆記した後、室温下、72時間放置後の記録
画像部の消色状態を目視で判定した。評価に当たって、
○:ほとんど消色がないもの、△:やや消色があるも
の、×:消色するものとした。 [耐スティッキング性]大倉電機製ファクシミリ試験機
TH−PMDを用いて、印字時の音を観察し、音の大小
でスティッキングの程度を評価した。評価に当って、
○:スティッキングがないもの、△:ややスティッキン
グがあるが使用可能なもの、×:スティッキングが大き
く使用不可能なものとした。 [カス付着]大倉電機製ファクシミリ試験機TH−PM
Dを用いて、ベタ印字した時のサーマルヘッドに付着し
たカスの程度を評価した。評価に当って、○:カス付着
がないもの、△:ややカス付着があるが使用可能なも
の、×:カス付着が大きく使用不可能なものとした。
【0054】
【表1】
【0055】表1の結果より、実施例1〜5では、顕色
剤及びバインダー共に本発明の範囲内のものを使用して
おり、発色性、画像保存性、ヘッドマッチング性がいづ
れも良好な結果であった。一方、比較例1では、従来の
顕色剤を使用しているために、発色性及び画像保存性に
劣った。比較例2では、染料前駆体、顕色剤、増感剤の
3成分を分散物として使用したことから、発色性に劣っ
た。比較例3では、従来のバインダーを使用したことか
ら、サーマルヘッドにカスが付着し、不良であった。比
較例4では、バインダーが本発明の範囲外であり、耐ス
ティッキング性に劣った。
【0056】比較例5 実施例1による3成分の凝集化において、10%カチオ
ン化ポリビニルアルコール水溶液の使用量を増量して、
平均粒径35μmの感熱記録用凝集粒子を作成した。得
られた感熱記録用凝集粒子を使用し、実施例1と同様に
メイヤーバーにて坪量40g/m2の原紙に塗工した。
しかし、塗工後の塗層面は感熱記録用凝集粒子によるザ
ラツキが観察され、感熱記録材料として使用する場合、
好ましくはなかった。
【0057】実施例6〜8 実施例1で使用したカチオン系分散剤に代えて、15%
ポリアミノメチルアクリルアミド水溶液を使用した以外
は同様の方法で感熱記録用凝集粒子を作製し、これを用
いて実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。ここ
で、実施例6〜8は、感熱記録用凝集粒子の平均粒径を
それぞれ順に3μm、6μm、25μmとした。
【0058】実施例6〜8で作製した感熱記録材料につ
いて、上記と同様の評価を行い、その評価結果につい
て、以下の表2に示した。
【0059】
【表2】
【0060】表2の結果より、実施例6〜8では、感熱
記録用凝集粒子の平均粒径が、いずれも本発明の範囲内
にあり、発色性、画像保存性、ヘッドマッチング性がい
づれも良好な結果であった。
【0061】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料は、染料前駆体、
特定の顕色剤並びに増感剤の3成分からなる感熱記録用
凝集粒子と、特定のバインダーを感熱記録層中に含有さ
せてなるものであり、該凝集粒子と該バインダーとの組
み合わせにより、熱応答性及び画像保存性、且つヘッド
マッチング性に優れた感熱記録材料を得ることができ
る。以上より、本発明の感熱記録材料は、実用的価値の
極めて高いものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通常無色ないし淡色の染料前駆体、加熱
    時反応して該染料前駆体を発色せしめる顕色剤並びに増
    感剤を含有する感熱記録層を塗設した感熱記録材料にお
    いて、該顕色剤が化1(一般式1)で示されるサリチル
    酸誘導体又はその金属塩の少なくとも1種以上からなる
    ものであり、該染料前駆体、該顕色剤、並びに該増感剤
    の3成分を必須成分としてカチオン系分散剤により凝集
    化してなる感熱記録用凝集粒子、及びガラス転移点50
    ℃以下の高分子ラテックスの存在下でガラス転移点55
    ℃以上である少なくとも1種類の疎水性ビニル系単量体
    を主体に重合して得られる軟化点200〜350℃の水
    分散性重合物からなるバインダーを感熱記録層中に含有
    してなることを特徴とする感熱記録材料。 【化1】 (式中、X1及びX2は、水素原子、アルキル基、アラル
    キル基、アリール基又はハロゲン原子を表し、Rは、ア
    ルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基
    を表す。)
  2. 【請求項2】 感熱記録用凝集粒子が、平均粒径2〜3
    0μmであることを特徴とする請求項1記載の感熱記録
    材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005102725A1 (ja) * 2004-04-22 2005-11-03 Oji Paper Co., Ltd. 感熱記録体

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005102725A1 (ja) * 2004-04-22 2005-11-03 Oji Paper Co., Ltd. 感熱記録体
US7846870B2 (en) 2004-04-22 2010-12-07 Oji Paper Co., Ltd. Heat-sensitive recording body

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