JP2002011963A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2002011963A
JP2002011963A JP2000196022A JP2000196022A JP2002011963A JP 2002011963 A JP2002011963 A JP 2002011963A JP 2000196022 A JP2000196022 A JP 2000196022A JP 2000196022 A JP2000196022 A JP 2000196022A JP 2002011963 A JP2002011963 A JP 2002011963A
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Yoshiharu Hizadate
祥治 膝舘
Takahisa Kato
隆久 加藤
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は感熱記録材料に関し、特に熱応答性、
および加工適性に優れた感熱記録材料を提供する。 【解決手段】支持体上に顔料と接着剤を主成分として含
有する下塗り層と、電子供与性の通常無色ないし淡色の
染料前駆体と加熱時反応して該染料前駆体を発色させる
電子受容性化合物とを含有する感熱記録層を有する感熱
記録材料において、該下塗り層中に顔料として貫通孔を
有する有機顔料、開口部を有する有機中空粒子あるいは
実質的に開口部を有しない有機中空粒子を含有し、かつ
該感熱記録層中に一般式1で示されるベンゼンスルホン
アミド誘導体を含有する。 【化1】 (式中、R1〜R9は水素原子、アルキル基、アルコキ
シル基、アルケニル基、アラルキル基、ハロゲン原子、
或いはアリール基を示し、また、R1〜R5、R6〜R
9の中から選ばれる任意の2つの基は互いに連結し環を
形成しても良い。R10は水素原子、アルキル基、アル
ケニル基、アラルキル基、或いはアリール基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱記録材料に関
し、特に熱応答性、および加工適性に優れた感熱記録材
料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録材料は、一般に支持体上に電子
供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体、ならびに電
子受容性の顕色剤とを主成分とする感熱記録層を設けた
ものであり、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光などで加熱
することにより、染料前駆体と顕色剤とが瞬時反応し記
録画像が得られるもので、特公昭43−4160号公
報、同45−14039号公報などに開示されている。
このような感熱記録材料は、比較的簡単な装置で記録が
得られ、保守が容易なこと、騒音の発生がないことなど
の利点があり、計測記録計、ファクシミリ、プリンタ
ー、コンピューターの端末機、ラベル、乗車券の自動販
売機など広範囲の分野に利用されている。
【0003】特に近年は、ガス、水道、電気料金等の領
収書、金融機関のATMの利用明細書、各種レシートな
ど、財務関係の記録用紙やPOSシステム用の感熱記録
ラベル或いは感熱記録タグ等にも感熱記録材料が用いら
れるようになっている。
【0004】この様に感熱記録材料の用途、需要が多種
多様に拡大するなか、種々の形状に断裁加工されること
が多くなってきている。多くの感熱記録材料においては
熱応答性向上のために下塗り層を設けているが、該下塗
り層中には、顔料として比較的硬度が高い無機顔料が用
いられる。そのため、断裁加工を必要とする用途に感熱
記録材料を用いる場合、断裁加工に用いられるカッター
刃の摩耗が進行し、作業性向上の妨げとなっている。
【0005】下塗り層中の顔料を硬度が低い有機顔料に
置換することで加工適性の向上が期待されるが、下塗り
層中の顔料を有機顔料としただけでは、断熱性の低下か
ら熱応答性の低下や発色濃度の低下を招くことになる。
そのため、高い熱応答性を維持しながら加工適性に優れ
た感熱記録材料の開発が求められていた。
【0006】高い熱応答性を有する感熱記録材料とし
て、特公平5−13071号公報に電子受容性化合物と
してベンゼンスルホンアミド誘導体を用いたものが記載
されている。しかしながら、この感熱記録材料は、実用
上十分な熱応答性が得られているとは言い難く、更に、
下塗り層中に顔料として貫通孔を有する有機顔料、開口
部を有する有機中空粒子あるいは実質的に開口部を有し
ない有機中空粒子を用いた場合には熱応答性の低下が著
しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら問題
点を解決し、高い熱応答性を有し、かつ加工適性に優れ
た感熱記録材料を提供することを目的とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、課題を解決することができる本発明の感熱記
録材料を発明するに到った。即ち、支持体上に顔料と接
着剤を主成分として含有する下塗り層と、電子供与性の
通常無色ないし淡色の染料前駆体と加熱時反応して該染
料前駆体を発色させる電子受容性化合物とを含有する感
熱記録層を有する感熱記録材料において、該下塗り層中
に顔料として貫通孔を有する有機顔料、開口部を有する
有機中空粒子あるいは実質的に開口部を有しない有機中
空粒子を含有し、かつ該感熱記録層中に一般式1で示さ
れるベンゼンスルホンアミド誘導体を含有することを特
徴とする感熱記録材料である。
【0009】
【化2】 (式中、R1〜R9は水素原子、アルキル基、アルコキ
シル基、アルケニル基、アラルキル基、ハロゲン原子、
或いはアリール基を示し、また、R1〜R5、R6〜R
9の中から選ばれる任意の2つの基は互いに連結し環を
形成しても良い。R10は水素原子、アルキル基、アル
ケニル基、アラルキル基、或いはアリール基を示す。)
【0010】また、該一般式1で示されるベンゼンスル
ホンアミド誘導体が、N−(2−ヒドロキシフェニル)
−p−トルエンスルホンアミド、或いはN−(2−ヒド
ロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミドであることを
特徴とする感熱記録材料である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容を更に具体的
に説明する。本発明の感熱記録材料は、支持体上に顔料
と接着剤を主成分として含有する下塗り層と、電子供与
性の通常無色ないし淡色の染料前駆体と加熱時反応して
該染料前駆体を発色させる電子受容性化合物とを含有す
る感熱記録層を有するものである。
【0012】本発明に用いる支持体としては、紙が主と
して用いられるが、紙の他に各種織布、不織布、合成樹
脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属泊、
蒸着シート、或いはこれらを貼り合わせ等で組み合わせ
た複合シートを目的に応じて任意に用いることができ
る。
【0013】本発明の感熱記録材料の感熱記録層を構成
する染料前駆体を発色させる電子受容性化合物として
は、一般式1で示されるベンゼンスルホンアミド誘導体
が用いられる。
【0014】具体的なベンゼンスルホンアミド誘導体の
例としては、N−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゼン
スルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p
−トルエンスルホンアミド、N−(2,4−ジヒドロキ
シフェニル)ベンゼンスルホンアミド、N−(2,4−
ジヒドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミ
ド、N−(2−ヒドロキシナフチル)ベンゼンスルホン
アミド、N−(2−ヒドロキシナフチル)−p−トルエ
ンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−
1−ナフタレンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシ
フェニル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(2
−ヒドロキシナフチル)−1−ナフタレンスルホンアミ
ド、N−(2−ヒドロキシナフチル)−2−ナフタレン
スルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p
−クロロベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキ
シフェニル)−p−メトキシベンゼンスルホンアミド、
N−(2−ヒドロキシフェニル)−p−アリルベンゼン
スルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p
−フェニルベンゼンスルホンアミド、4,4’−ビス
(2−ヒドロキシフェニルアミノスルホニル)ジフェニ
ルメタン、N−(2−ヒドロキシフェニル)−N−メチ
ルベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェ
ニル)−N−メチル−p−トルエンスルホンアミド、N
−(2−ヒドロキシフェニル)−N−ベンジル−p−ト
ルエンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシフェニ
ル)−N−アリル−p−トルエンスルホンアミド、N−
(2−ヒドロキシフェニル)−N−フェニルベンゼンス
ルホンアミド等を挙げることができるが、本発明に係わ
るベンゼンスルホンアミド誘導体は、これに限定される
ものではない。
【0015】本発明の感熱記録材料は電子受容性化合物
として一般式1で示されるベンゼンスルホンアミド誘導
体を含有することを特徴とする。更に、本発明の所望の
効果を損なわない範囲で、他の電子受容性化合物を1種
以上併用することも可能である。併用できる電子受容性
化合物としては、一般に感圧記録材料、または感熱記録
材料に用いられる酸性物質に代表されるが、これらに制
限されることはない。例えば、フェノール誘導体、芳香
族カルボン酸誘導体、N,N′−ジアリールチオ尿素誘
導体、アリールスルホニル尿素誘導体、有機化合物の亜
鉛塩などの多価金属塩、ベンゼンスルホンアミド誘導体
等を挙げることができる。
【0016】具体的な例を挙げれば次のとおりである。
すなわち、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−
ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホ
ン、4−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニル
スルホン、4−ヒドロキシ−4’−プロポキシジフェニ
ルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジ
フェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ベンゼンス
ルホニルオキシジフェニルスルホン、2,4−ビス(フ
ェニルスルホニル)フェノール。
【0017】p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシ
アセトフェノン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェ
ニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニ
ル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(p−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,3−ジ−〔2−(p−ヒドロキシフェニル)−2−
プロピル〕ベンゼン、1,3−ジ−〔2−(3,4−ジ
ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、1,
4−ジ−〔2−(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロ
ピル〕ベンゼン、4,4′−ヒドロキシジフェニルエー
テル。
【0018】3,3′−ジクロロ−4,4′−ヒドロキ
シジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)酢酸メチル、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)酢酸ブチル、4,4′−チオビス(2−t
ert−ブチル−5−メチルフェノール)。
【0019】4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒ
ドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メ
チル、没食子酸ベンジル、没食子酸ステアリル、N,
N’−ジフェニルチオ尿素、4,4’−ビス(3−(4
−メチルフェニルスルホニル)ウレイド)ジフェニルメ
タン、N−(4−メチルフェニルスルホニル)−N’−
フェニル尿素、サリチルアニリド、5−クロロサリチル
アニリド、サリチル酸、3,5−ジ−ターシャリーブチ
ルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチ
ル酸、4−[2′−(4−メトキシフェノキシ)エチル
オキシ]サリチル酸、3−(オクチルオキシカルボニル
アミノ)サリチル酸あるいはこれらサリチル酸誘導体の
金属塩、N−(4−ヒドロキシフェニル)−p−トルエ
ンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)ベ
ンゼンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−ナフタレンスルホンアミド、N−(4−ヒド
ロキシフェニル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N
−(4−ヒドロキシナフチル)−p−トルエンスルホン
アミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)ベンゼンスル
ホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチル)−1−ナ
フタレンスルホンアミド、N−(4−ヒドロキシナフチ
ル)−2−ナフタレンスルホンアミド、N−(3−ヒド
ロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、N−
(3−ヒドロキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、
N−(3−ヒドロキシフェニル)−1−ナフタレンスル
ホンアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)−2−ナ
フタレンスルホンアミドなどが挙げられる。
【0020】この中でも特に、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルスルホン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェ
ノール、4,4’−ビス(3−(4−メチルフェニルス
ルホニル)ウレイド)ジフェニルメタン、N−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−p−トルエンスルホンアミド、3
−(オクチルオキシカルボニルアミノ)サリチル酸亜鉛
塩等が好ましく用いられる。
【0021】また、本発明の感熱記録材料の感熱記録層
を構成する添加剤として、リン酸エステル誘導体が用い
られる。これにより、より優れた熱応答性及び、記録画
像保存性を得ることができる。
【0022】具体的なリン酸エステル誘導体の例として
は、ジフェニルホスフェート、ビス(4−tert−ブ
チルフェニル)ホスフェート、ビス(4、6−ジ−te
rt−ブチルフェニル)ホスフェート、ビス(4−クロ
ロフェニル)ホスフェート、ビス(ベンジルオキシフェ
ニル)ホスフェート、2,2’−メチレンビス(4,6
−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、ジメ
チルオキシホスフェート、ジエチルオキシホスフェー
ト、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)ホスフェート等を挙げることができる
が、本発明に係わるリン酸エステル誘導体は、これに限
定されるものではなく、また必要に応じて単独もしくは
2種類以上混合して使用することができる。この中でも
特に、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert
−ブチルフェニル)ホスフェートが好ましく用いられ
る。
【0023】熱応答性を高めるために形成される下塗り
層は、有機顔料と接着剤を主成分とし、有機顔料として
貫通孔を有する有機顔料、開口部を有する有機中空粒子
あるいは実質的に開口部を有しない有機中空粒子が好ま
しく用いられる。
【0024】貫通孔を有する有機顔料は、その顔料粒子
中に貫通孔が少なくとも一つ以上あればよい。かかる貫
通孔を有する有機顔料は、例えば水酸化ナトリウム、水
酸化アンモニウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン
などのアルカリ水に溶解される樹脂粒子を芯物質として
その周りにアルカリ水に溶解されない樹脂を合成しなが
ら芯物質をアルカリ水で溶出させることにより得られ
る。
【0025】アルカリ水に溶解される樹脂粒子として
は、例えばスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
トなどの疎水性単量体の少なくとも一種と(メタ)アク
リル酸、イタコン酸、クロトン酸などの不飽和カルボン
酸のビニル単量体の少なくとも一種とを乳化重合させた
共重合体粒子が挙げられる。全単量体に対して不飽和カ
ルボン酸単量体としては10〜50重量%程度が好まし
い。
【0026】アルカリ水に溶解されない樹脂としては、
上記の疎水性単量体の少なくとも一種を重合させたもの
が挙げられる。なかでも、単量体としてスチレンを主成
分とする樹脂を使用することにより、経時的に記録部の
濃度低下が少ない効果が得られる。また、アルカリ水に
溶解されない限りにおいて、上記の不飽和カルボン酸の
ビニル単量体の少なくとも一種を共重合させてもよい。
【0027】貫通孔を有する有機顔料の体積平均粒径は
0.1μm未満になると下塗り層密度が高くなり熱伝導
性が上がって感度が低下する恐れがあり、他方で吸油量
が減少してヘッド粕を生じる恐れが出てくる。一方、そ
の体積平均粒径が2.0μmを越えると下塗り層が均一
に形成されなくなり、画質の低下や表面強度の低下を招
く恐れがでてくるため0.1〜2.0μm程度、より好
ましくは0.2〜1.5μm程度である。
【0028】開口部を有する有機中空粒子は、有機中空
粒子の一部を平面で裁断して得られるような開口部を有
するという特徴的な構造を持つものであり、壺型や円錐
型など種々の形状をとり得る。このような開口部を有す
る有機中空粒子の平均最大径は、一般に0.3〜5μ
m、好ましくは0.5〜3μmである。粒子の平均最大
径に対する開口部の平均相当直径の比率は、一般に25
〜100%、好ましくは60〜95%である。
【0029】本発明で使用する開口部を有する有機中空
粒子は、通常、その肉厚部が多層重合体構造を有し、そ
の製造方法の1例として、次の工程(1)〜(7)を含
む多段重合法を挙げることが出来る。 (1)酸性基含有単量体30〜65重量%およびこれと
共重合可能な単量体70〜35重量%との単量体混合物
を共重合することによって核重合体粒子を調製し、
(2)上記該重合体粒子の存在下に、酸性基含有単量体
10〜35重量%およびこれと共重合可能な単量体90
〜65重量%との単量体混合物を共重合することによっ
て、実質的に上記核重合体粒子を包囲する芯重合体を形
成し(但し、ここで芯重合体粒子中における酸性基含有
単量体の含有比率は、核重合体中における酸性基含有単
量体の含有比率と等しいか、または、より小さい)、
(3)上記核/芯重合体粒子の存在下に、酸性基含有単
量体1〜12重量%およびこれと共重合可能な単量体9
9〜88重量%との単量体混合物を共重合することによ
って、実質的に上記芯重合体粒子を包囲する少なくとも
1層の中間層重合体を形成し、(4)上記芯重合体粒子
を包囲する中間層重合体が形成された重合体粒子の存在
下に、芳香族ビニル単量体を単独で、または酸性基含有
単量体0.5重量%以下およびこれと共重合可能な芳香
族ビニル単量体99.5重量%以上とからなる単量体混
合物を共重合することによって、実質的に上記中間層重
合体を包囲する外層重合体を形成し、(5)得られた少
なくとも4層構造を有する重合体粒子を含有する水性分
散液に塩基を添加して該分散液のpHを7以上として重
合体粒子内にボイドを形成し、(6)次いで、所望によ
り、この分散液のpHを7未満としたうえ、この水性分
散液に芳香族ビニル単量体を単独で、または芳香族ビニ
ル単量体90重量%以上およびこれと共重合可能な単量
体10重量%以下とからなる単量体混合物を添加して、
前記少なくとも4層構造を有する重合体粒子の存在下
に、重合することによって外層重合体の周囲に最外層重
合体を形成し、次いで、(7)得られた重合体粒子の分
散液を乾燥する。
【0030】実質的に開口部を有しない有機中空粒子と
しては、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル
酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等の単量体を主
成分とする樹脂またはこれらの単量体を主成分とする共
重合樹脂等を殻とする粒子が挙げられる。かかる顔料の
平均粒子径としては0.5〜20μm程度、好ましくは
0.5〜3μm程度である。また、有機中空粒子の中空
度(粒子の全体積に対する粒子内の空隙部の体積の比
率)としては、50〜98%程度が好ましい。
【0031】本発明における有機顔料の使用量は、特に
限定されないが下塗り層の全固形量に対して20〜95
重量%が好ましい。その使用量が20重量%未満になる
とヘッド粕が発生し、また95重量%を越えると印刷時
にスティックトラブルが発生する恐れがあり、40〜9
5重量%がより好ましい。
【0032】また、本発明の所望の効果を阻害しない範
囲で他の公知の顔料を下塗り層中に含有させることもで
きる。かかる顔料としては、例えばナイロン樹脂フィラ
ー、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、中空の樹脂粒子フ
ィラー、焼成カオリン、炭酸カルシウム、水酸化アルミ
ニウム、カオリン等が挙げられる。
【0033】下塗り層に、特定の有機顔料と共に併用さ
れる接着剤としては、例えばデンプン類、ヒドロキシメ
チルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイ
ン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコー
ル、アルギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリア
クリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共
重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタク
リル酸三元共重合体、ポリアクリル酸のアルカリ塩、ポ
リマレイン酸のアルカリ塩、スチレン/無水マレイン酸
共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重
合体のアルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重
合体のアルカリ塩などの水溶性樹脂、およびスチレン/
ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共
重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、アク
リロニトリル/ブタジエン/スチレン三元共重合体、ポ
リ酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合
体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エ
ステル、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリ
ウレタンなどの水分散性樹脂が挙げられる。
【0034】下塗り層の全固形量に対して、特定の有機
顔料および接着剤の使用量としては、有機顔料が30〜
95重量%程度、接着剤が5〜35重量%程度が好まし
い。
【0035】下塗り層は、例えば水を媒体とし、有機顔
料、接着剤、および必要により助剤とを共に混合攪拌し
て調製された下塗り層用塗液を支持体上に、乾燥後の塗
布量が1〜30g/m2、より好ましくは3〜20g/m2程度
となるように塗布乾燥して形成される。下塗り層用塗液
中に含有される助剤としては、公知の顔料、界面活性
剤、着色染料、蛍光染料、滑剤等が挙げられる。
【0036】記録部の耐薬品性をより高めたり、あるい
は記録走行性を高めるために、感熱記録層上には保護層
が形成される。かかる保護層は、成膜性を有する水溶性
樹脂または水分散性樹脂を主成分とし、接着剤が溶解ま
たは分散された中に、必要により上記の紫外線吸収剤、
および感熱記録層に添加し得る助剤等を添加して調製さ
れた保護層用塗液を感熱記録層上に、乾燥後の塗布量が
0.2〜10g/m2、より好ましくは0.5〜5g/m2程度
となるように塗布乾燥して形成される。
【0037】保護層の水溶性樹脂または水分散性樹脂と
しては、従来公知の水溶性高分子または水分散性樹脂か
ら適宜選択される。即ち、水溶性樹脂としては、例え
ば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコー
ル、デンプンまたはその誘導体、ヒドロキシエチルセル
ロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビ
ニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミド
/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アク
リル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、ポリアク
リル酸のアルカリ塩、ポリマレイン酸のアルカリ塩、ス
チレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、エチレン
/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン
/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、アルギン酸ソ
ーダ、ゼラチン、カゼイン、キトサンの酸中和物などを
用いることができる。
【0038】水分散性樹脂としては、例えば、スチレン
/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン
共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、ア
クリロニトリル/ブタジエン/スチレン三元共重合体、
ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重
合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸
エステル、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポ
リウレタンなどを用いることができる。
【0039】なかでも、カルボキシ変性ポリビニルアル
コール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ケ
イ素変性ポリビニルアルコールおよびジアセトン変性ポ
リビニルアルコールは、強固な皮膜を形成し得るため保
護層用バインダーとして好ましく用いられる。
【0040】また、保護層には、記録走行性、筆記性等
を向上させる目的で、顔料を含有させることが可能であ
る。顔料の具体例としては、ケイソウ土、タルク、カオ
リン、焼成カオリン、重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニ
ウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸
化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、非晶質シリカ、非
晶質ケイ酸カルシウム、コロイダルシリカ等の無機顔
料、メラミン樹脂フィラー、尿素−ホルマリン樹脂フィ
ラー、ポリエチレンパウダー、ナイロンパウダー等の有
機顔料を使用することができる。
【0041】また、保護層には、ヘッド摩耗防止、ステ
ィッキング防止等記録走行性向上の目的から、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属
塩、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、パラフ
ィン、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレン、カス
ターワックスなどの滑剤が必要に応じて添加される。
【0042】下塗り層、保護層の形成方法も、特に限定
されるものではなく、従来公知の技術に従って形成する
ことができる。具体的な例としては、各種印刷方式をは
じめ、エアナイフ塗工、ロッドブレード塗工、バー塗
工、ブレード塗工、グラビア塗工、カーテン塗工、Eバ
ー塗工などの方法により塗液を塗工し、乾燥により形成
させることができる。
【0043】本発明の感熱記録材料の感熱記録層を構成
する電子供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体とし
ては、一般に感圧記録材料や、感熱記録材料に用いられ
ているものに代表されるが、特に限定されるものではな
い。
【0044】具体的な染料前駆体の例としては、 (1)トリアリールメタン系化合物:3,3−ビス(p
−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタ
リド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビ
ス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p
−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチル
インドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチル
アミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−
イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)
−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリ
ド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−
イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス
(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメ
チルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバ
ゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、
3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−
5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノ
フェニル−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6
−ジメチルアミノフタリド等、
【0045】(2)ジフェニルメタン系化合物:4,
4′−ビス(ジメチルアミノフェニル)ベンズヒドリル
ベンジルエーテル、N−クロロフェニルロイコオーラミ
ン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラ
ミン等、
【0046】(3)キサンテン系化合物:ローダミンB
アニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノ
ラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニ
リノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−ク
ロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチ
ルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリ
ル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フル
オラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−
エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキ
シル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル)アミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等、
【0047】(4)チアジン系化合物:ベンゾイルロイ
コメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレ
ンブルー等、
【0048】(5)スピロ系化合物:3−メチルスピロ
ジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、
3,3′−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジ
ルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メ
トキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベン
ゾピラン等を挙げることができる。またこれらの染料前
駆体は必要に応じて単独、もしくは2種以上混合して使
用することができる。
【0049】本発明の感熱記録材料を構成する感熱記録
層は、その熱応答性を向上させるために、熱可融性物質
を含有させることができる。この場合、60#C〜180
#Cの融点を持つものが好ましく、特に80#C〜140#C
の融点を持つものがより好ましく用いられる。
【0050】具体的には、ステアリン酸アミド、N−ヒ
ドロキシメチルステアリン酸アミド、N−ステアリルス
テアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、
N−ステアリル尿素、ベンジル−2−ナフチルエーテ
ル、m−ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、2,
2’−ビス(4−メトキシフェノキシ)ジエチルエーテ
ル、α、α’−ジフェノキシキシレン、ビス(4−メト
キシフェニル)エーテル、アジピン酸ジフェニル、シュ
ウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(4−クロルベンジル)エ
ステル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジ
ル、ベンゼンスルホン酸フェニルエステル、ビス(4−
アリルオキシフェニル)スルホン、4−アセチルアセト
フェノン、アセト酢酸アニリド類、脂肪酸アニリド類、
等公知の熱可融性物質が挙げられる。これらの化合物は
単独もしくは2種以上併用して使用することもできる。
また、十分な熱応答性を得るためには、感熱記録層の総
固形分中、熱可融性物質が5〜50重量%を占めること
が好ましい。
【0051】本発明の感熱記録材料を構成する感熱記録
層は、各発色成分を微粉砕して得られる各々の水性分散
液とバインダーなどを混合し、支持体上に塗工、乾燥す
ることにより得られる。感熱記録層の層構成は、単一で
あっても、多層であってもよい。
【0052】感熱記録層に用いられるバインダーとして
は、通常の塗工で用いられる種々のバインダーを用いる
ことができる。
【0053】具体的には、デンプン類、ヒドロキシメチ
ルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポ
リビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、アル
ギン酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルア
ミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、
アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三
元共重合体、ポリアクリル酸のアルカリ塩、ポリマレイ
ン酸のアルカリ塩、スチレン/無水マレイン酸共重合体
のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のア
ルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体のア
ルカリ塩などの水溶性バインダー、およびスチレン/ブ
タジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重
合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体、アクリ
ロニトリル/ブタジエン/スチレン三元共重合体、ポリ
酢酸ビニル、酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合
体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エ
ステル、スチレン/アクリル酸エステル共重合体、ポリ
ウレタンなどの水分散性バインダーなどが挙げられる
が、これに限定されるものではない。
【0054】感熱記録層には、顔料として、ケイソウ
土、タルク、カオリン、焼成カオリン、重質炭酸カルシ
ウム、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜
鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、
非晶質シリカ、非晶質ケイ酸カルシウム、コロイダルシ
リカ等の無機顔料、メラミン樹脂フィラー、尿素−ホル
マリン樹脂フィラー、ポリエチレンパウダー、ナイロン
パウダー等の有機顔料を使用することができる。
【0055】また、感熱記録層には、ヘッド摩耗防止、
スティッキング防止等の目的から、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、ステア
リン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、パラフィン、ポリ
エチレンワックス、酸化ポリエチレン、カスターワック
スなどの滑剤、分散・湿潤剤として、アニオン性、ノニ
オン性の高分子量のものを含む界面活性剤、さらには蛍
光染料、消泡剤などが必要に応じて添加される。
【0056】感熱記録層の形成方法は、特に限定される
ものではなく、従来公知の技術に従って形成することが
できる。具体的な例としては、各種印刷方式をはじめ、
エアナイフ塗工、ロッドブレード塗工、バー塗工、ブレ
ード塗工、グラビア塗工、カーテン塗工、Eバー塗工な
どの方法により塗液を支持体に塗工し、乾燥により感熱
記録層を形成させることができる。
【0057】感熱記録層の塗工量は、通常染料前駆体の
塗工量で0.1〜2.0g/m2が適当である。0.1g/m2
よりも少量である場合には十分な記録画像が得られず、
また、2.0g/m2を越えて多くても、熱応答性の向上が
見られず、コスト的にも不利である。
【0058】なお、本発明の感熱記録材料においては、
必要に応じて裏面側にも保護層(バリヤー)を設けた
り、粘着剤層を設けたり、磁気記録層、インクジェット
記録層等の任意の情報記録層を設けたり、或いは各層の
塗布後にスーパーカレンダー掛け等の平滑化処理を施す
こともできる。
【0059】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、
実施例中に示す部数は、いずれも重量基準である。
【0060】実施例1 下塗り層用塗液の調製 吸油量が120ml/100gである貫通孔を有する有
機顔料(平均体積粒径0.6μm)の20%分散液50
0部、固形分濃度50%のスチレン/ブタシエン系ラテ
ックス24部および水200部からなる組成物を混合攪
拌して下塗り層用の塗液を得た。
【0061】<分散液A>3−ジブチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン200gを10%スルホ
ン基変性ポリビニルアルコール水溶液200g、水60
0gの混合物中に分散し、ビーズミルで平均粒子径が1
μmになるまで粉砕し分散液Aを得た。
【0062】<分散液B>N−(2−ヒドロキシフェニ
ル)−p−トルエンスルホンアミド200gを10%ス
ルホン基変性ポリビニルアルコール水溶液200gと水
600gの混合物中に分散し、ビーズミルで平均粒子径
が0.7μmになるまで粉砕し分散液Bを得た。
【0063】<分散液C>ベンジル−2−ナフチルエー
テル200gを10%スルホン基変性ポリビニルアルコ
ール水溶液200g、水600gの混合物中に分散し、
ビーズミルで平均粒子径が1μmになるまで粉砕し分散
液Cを得た。
【0064】<分散液D>水酸化アルミニウム200g
を0.5%ポリアクリル酸ナトリウム塩水溶液800g
中に分散し、ホモミキサーで10分間撹拌し分散液Dを
得た。
【0065】感熱記録層用塗液の調製 上記の分散液を用い、各々の素材を下記に示す割合で混
合し、感熱塗工液濃度が15%水溶液になるように添加
水を加え、充分撹拌して感熱記録層塗液を調製した。 分散液A 30部 分散液B 70部 分散液C 100部 分散液D 50部 40%ステアリン酸亜鉛分散液 10部 10%完全鹸化PVA水溶液 40部
【0066】感熱記録材料の作製 坪量40g/m2の上質の中性紙の片面に、下塗り層用塗液
の固形分塗抹量が10g/m2、感熱記録層用塗液の固形分
塗抹量が染料前駆体の塗工量で0.3g/m2となるように
順次塗布乾燥して下塗り層および感熱記録層を形成して
感熱記録材料を作製した。
【0067】実施例2 実施例1の下塗り層用塗液の調製において、貫通孔を有
する有機顔料(平均体積粒径0.6μm)の20%分散
液500部の代わりに、平均最大直径890nmの球状
粒子の一部が凹面部を形成しているお椀型粒子であり、
凹面部の開口部の平均直径が690nmである有機中空
粒子100部を使用した以外は実施例1と同様にして感
熱記録材料を作製した。
【0068】実施例3 実施例1の下塗り層用塗液の調製において、貫通孔を有
する有機顔料(平均体積粒径0.6μm)の20%分散
液500部の代わりに 球状中空粒子(平均粒子径:
1.2μm、中空度90%)の30%分散体30部、無
定形シリカ〔商品名:ミズカシルP527、水沢化学工
業社製〕10部、軽質炭酸カルシウム〔商品名:ブリリ
アント15〕10部を使用した以外は実施例1と同様に
して感熱記録材料を作製した。
【0069】比較例1 実施例1のB液調製においてN−(2−ヒドロキシフェ
ニル)−p−トルエンスルホンアミド200gの代わり
にN−(4−ヒドロキシフェニル)−p−トルエンスル
ホンアミド200gを使用した以外は、実施例1と同様
にして感熱記録材料を作製した。
【0070】比較例2 実施例1の下塗り層用塗液の調製において、貫通孔を有
する有機顔料(平均体積粒径0.6μm)の20%分散
液500部の代わりに、焼成カオリン〔商品名:アンシ
レックス、エンゲルハード社製〕100部を使用した以
外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作製した。
【0071】以上の実施例1〜3、比較例1〜2で作製
した感熱記録材料を感熱塗工面のベック平滑度が300
〜800秒になるようにカレンダー処理した後、以下の
評価に供した。評価結果を表1に示す。
【0072】[熱応答性]大倉電機製ファクシミリ試験
機TH−PMDを用いて印字テストを行った。ドット密
度8ドット/mm、ヘッド抵抗1685Ωのサーマルヘ
ッドを使用し、ヘッド電圧21V、パルス幅1.0ms
ecで通電して印字し、発色濃度をマクベスRD−91
8型反射濃度計(ビジュアルフィルター)で測定した。
数値の大きい方が熱応答性に優れる。
【0073】[カッター刃摩耗試験]カッター替刃(PLUS
社製tree's替え刃Sサイス゛)をミシン針に半田付けで固定
し、得られた感熱記録材料を1cm/secで移動させ
つつ、ミシンを作動させ約5000回打ち抜いた後、倍率5
00倍のマイクロスコープを用いてカッター刃の摩耗の
度合いを観察した。評価基準は以下の指標に従った。 ○:刃の摩耗が全く認められない。 △:刃の摩耗がわずかに認められるが、刃こぼれは発生
していない。 ×:刃の摩耗が認められ、刃こぼれが発生している。
【0074】
【表1】
【0075】上記表1から明らかなごとく、実施例1〜
3は比較例1に比べ熱応答性に優れる。また、実施例1
〜3は比較例2に比べカッター刃摩耗が少なく加工適性
に優れる。
【0076】
【発明の効果】支持体上に顔料と接着剤を主成分として
含有する下塗り層と、電子供与性の通常無色ないし淡色
の染料前駆体と加熱時反応して該染料前駆体を発色させ
る電子受容性化合物とを含有する感熱記録層を有する感
熱記録材料において、該下塗り層中に顔料として貫通孔
を有する有機顔料、開口部を有する有機中空粒子あるい
は実質的に開口部を有しない有機中空粒子を含有し、か
つ該感熱記録層中に一般式1で示されるベンゼンスルホ
ンアミド誘導体を含有することにより高い熱応答性が得
られ、かつ、加工適性にれた感熱記録材料を得ることが
可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H026 AA07 BB25 DD01 DD42 DD48 DD57 FF15 4L055 AG36 AG63 AG64 AG67 AG68 AG71 AG74 AG76 AG89 AG94 AH02 AH37 AH50 AJ01 AJ04 BE09 FA11 GA12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に顔料と接着剤を主成分として
    含有する下塗り層と、電子供与性の通常無色ないし淡色
    の染料前駆体と加熱時反応して該染料前駆体を発色させ
    る電子受容性化合物とを含有する感熱記録層を有する感
    熱記録材料において、該下塗り層中に顔料として貫通孔
    を有する有機顔料、開口部を有する有機中空粒子あるい
    は実質的に開口部を有しない有機中空粒子を含有し、か
    つ該感熱記録層中に一般式1で示されるベンゼンスルホ
    ンアミド誘導体を含有することを特徴とする感熱記録材
    料。 【化1】 (式中、R1〜R9は水素原子、アルキル基、アルコキ
    シル基、アルケニル基、アラルキル基、ハロゲン原子、
    或いはアリール基を示し、また、R1〜R5、R6〜R
    9の中から選ばれる任意の2つの基は互いに連結し環を
    形成しても良い。R10は水素原子、アルキル基、アル
    ケニル基、アラルキル基、或いはアリール基を示す。)
  2. 【請求項2】 該一般式1で示されるベンゼンスルホン
    アミド誘導体が、N−(2−ヒドロキシフェニル)−p
    −トルエンスルホンアミド、或いはN−(2−ヒドロキ
    シフェニル)ベンゼンスルホンアミドであることを特徴
    とする請求項1記載の感熱記録材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015063053A (ja) * 2013-09-25 2015-04-09 三菱製紙株式会社 可逆性感熱記録媒体
EP2281694B2 (en) 2009-08-05 2016-03-23 Ricoh Company, Ltd. Thermosensitive recording material

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EP2281694B2 (en) 2009-08-05 2016-03-23 Ricoh Company, Ltd. Thermosensitive recording material
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