JP3487024B2 - 感熱記録材料 - Google Patents
感熱記録材料Info
- Publication number
- JP3487024B2 JP3487024B2 JP17615495A JP17615495A JP3487024B2 JP 3487024 B2 JP3487024 B2 JP 3487024B2 JP 17615495 A JP17615495 A JP 17615495A JP 17615495 A JP17615495 A JP 17615495A JP 3487024 B2 JP3487024 B2 JP 3487024B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- color
- paper
- methyl
- recording material
- bis
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録材料に関するも
のである。更に詳しく述べるならば、本発明は発色感度
に優れた感熱記録材料に関するものである。 【0002】 【従来の技術】無色または淡色の電子供与性発色性染料
と、フェノール類または有機酸との加熱発色反応を利用
して発色画像を形成する感熱記録材料は、例えば特公昭
43−4160号、特公昭45−14039号、および
特公昭48−27736号などに開示されている。近
年、このような感熱記録材料は、単に加熱するだけで発
色画像を形成することができること、および記録装置が
比較的コンパクトなものにできることなどの利点によ
り、各種プリンター、コピー機、ファクシミリ用記録材
料として広範囲に使用されている。 【0003】特に、感熱ファクシミリ、感熱プリンター
等は、その装置の改良が進み、従来は困難とされていた
高速の印字、高速の画像の形成も可能となってきてお
り、近年は、より多くの分野で使用されるようになって
きた。その一方で、このような印字の高速化に伴い、感
熱記録材料は発色感度の大幅な向上が望まれている。 【0004】特に感度の向上が求められる感熱記録材料
の用途としては、例えば自動券売機用感熱記録型の乗車
券や回数券、POS用バーコードシステムに使用される
ラベル用感熱紙、ファクシミリ用紙やワープロ用紙、C
RT用画像プリンター用紙、伝票用プリンター用紙等が
ある。 【0005】これに対して、発色感度の向上の要求を満
たすために今までに多くの提案がなされてきた。その中
でも積極的に行われたのは電子供与性染料を加熱下に発
色させる顕色性化合物として、従来から使用されている
4,4’−イソプロピリデンジフェノール(以下BPA
と称す)に替わる新しい材料の開発である。BPAは安
価であるが、感度については必ずしも市場の要求を十分
に満たすものではなかった。 【0006】そこでBPAに替わるものとして、今まで
に数多くの顕色性化合物が提案されてきた。これらにつ
いては紙パルプ技術タイムス誌、昭和62年5月号から
63年2月号までに記載されているが、それによると、
既に数百種の化合物が提案されていることがわかる。し
かしこれらの化合物の多くは、感度の向上効果が十分で
なかったり、白色度の大幅な低下を生ずるなど、実用的
な解決策とは言い難いものであった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題点を解決し、発色感度に優れ、かつ白色度が高い感熱
記録材料を提供しようとするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に電
子供与性発色性染料前駆体と、前記発色性染料前駆体と
加熱時に接触して発色させる電子受容性顕色性化合物と
を含有する感熱発色層を設けた感熱記録材料において、
該感熱発色層中に電子受容性顕色性化合物として1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサンを含有させたことを特徴とする感
熱記録材料に存する。 【0009】本発明者らは、発色感度を向上させるため
に種々の電子受容性顕色性化合物を検討し、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサンが、白色度の低下等の悪影響をもたら
さずに発色感度を大幅に向上させることを見出だし、本
発明を完成させるにいたった。 【0010】感熱発色層中の1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ンの含有量は特に限定するものではないが、染料前駆体
100重量部に対して一般的には30〜600重量部、
より好ましくは150〜300重量部の範囲で含有させ
ることが好ましい。30重量部より少ない場合は感度向
上の効果が十分でなく、600重量部より多いとカスや
スティッキングの問題が生じやすい。 【0011】本発明において1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ンは単独で、あるいは他の電子受容性顕色性化合物と併
用して用いることができる。他の電子受容性顕色性化合
物としては従来より公知のものから選ぶことができる。
例えば、4−t−ブチルフェノール、4−アセチルフェ
ノール、4−t−オクチルフェノール、4,4’−se
c−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノー
ル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,
4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シク
ロヘキシリデンジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフィド、4,4’−チオビス(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソ
プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4
−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシベン
ゾフェノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒ
ドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロ
ピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−
ヒドロキシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸
ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロ
キシ安息香酸クロロフェニル、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルエーテルなどのフェノール性化合物、4,
4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル
アミノ)ジフェニルメタン、N−(p−トルエンスルホ
ニル)−N’−フェニル尿素等の尿素系化合物が挙げら
れる。 【0012】さらに安息香酸、p−t−ブチル安息香
酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、
3−t−ブチルサリチル酸、3−イソプロピルサリチル
酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸等
の芳香族カルボン酸およびこれら芳香族カルボン酸と、
例えば亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム
等の多価金属との塩等の有機酸性物質が挙げられる。 【0013】本発明において感熱発色層を構成する電子
供与性発色性染料前駆体としては、トリアリール系染
料、ジフェニルメタン系染料、チアジン系染料、スピロ
系染料、ラクタム系染料など従来公知のものから選ぶこ
とができ。例えば、3−(N−エチル−N−イソペンチ
ルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−
シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−イソブ
チルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エ
チル−N−p−トリルアミノ)−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチル
アミノ)−7−(2−クロロ)アニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−7−(2−トリフルオロ)アニリノ
フルオラン、3−(N−エチル−N−フルフリルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N
−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7
−(2−クロロ)アニリノフルオラン等の発色性染料を
挙げることができる。 【0014】また、3−ジエチルアミノ−7−クロロフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロ
ロフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−
ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメ
チルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾ
フルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n
−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリ
ド、3,3−ビス(1−n−オクチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)フタリド、3−ジエチルアミノ−6
−ジエチルアミノ−N−フェニルローダミンBラクタ
ム、3−ジエチルアミノ−6−ジエチルアミノ−(N−
2−クロロフェニル)ローダミンBラクタム、3,6−
ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラク
タム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ
−(4’−ニトロ)アニリノラクタム、3−ヘキシルア
ミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルア
ミノ)−7−メチルフルオラン、3−ジエチル−5−メ
チル−8−t−ブチルフルオラン、3−(N−エチル−
N−イソペンチルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン
等の発色性染料を挙げることができる。 【0015】さらに、3−(1−エチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェ
ニル)フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド
ール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルア
ミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(p
−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタ
リド、3−(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニ
ル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメ
チルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2
−n−ヘキシルオキシフェニル)−4−アザフタリド、
3−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジ
ルアミノフルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミ
ノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−
(N−エチル−N−p−トリルアミノ)−7−(N−フ
ェニル−N−メチルアミノ)フルオラン、3,6−ジメ
トキシフルオラン、1−(4−n−ドデシルオキシ−3
−メトキシフェニル)−2−(2−キノリル)エチレ
ン、3−[p−(p−アニリノアニリノ)アニリノ]−
6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジ
メチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’
−ジメチルアミノ)フタリド等の発色性染料の中から選
ばれた1種以上を用いることができる。 【0016】本発明の感熱発色層は、前記発色系を構成
する化合物のほかに、熱可融性物質(いわゆる増感剤)
や保存安定剤を含有することができる。また、これらを
結着し、感熱発色層をシート状支持体に接合するための
接着剤を含有することが必要である。さらに、主にサー
マルヘッドに対するスティッキングを防止するために顔
料を含んでいることが好ましく、また必要に応じて、ワ
ックス類、金属石鹸、紫外線吸収剤、蛍光染料等を含有
することができる。 【0017】本発明において用いることができる熱可融
性物質(増感剤)としては、融点50〜150℃の熱可
融性有機化合物を挙げることができる。例えば、1−ヒ
ドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、p−ベン
ジルビフェニル、ベンジルナフチルエーテル、ジベンジ
ルテレフタレート、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジ
ル、炭酸ジフェニル、炭酸ジトリル、m−ターフェニ
ル、1,2−ビス(m−トリルオキシ)エタン、1,5
−ビス(p−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタ
ン、シュウ酸ジフェニル、シュウ酸ジ−p−クロロベン
ジル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸ジベ
ンジル、1,4−ビス(トリオキシメトキシメチル)ベ
ンゼン、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、
1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3,4−
ジメチルフェノキシ)エタンなどが挙げられる。 【0018】本発明においては感熱発色層に、印字後の
保存性を向上させるための化合物、いわゆる保存安定剤
を含有することができる。保存安定剤としては例えば、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,3,5−トリ
ス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチ
ルベンジル)イソシアヌル酸、4−ベンジルオキシフェ
ニル−4’−(2−メチル−2,3−エポキシプロピル
オキシ)フェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフ
ェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−
[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]
ビスフェノール、4,4’−[1,3−フェニレンビス
(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール等のフェノ
ール系化合物、および4−(1,2−エポキシエチル−
2−メチル)ジフェニルスルホン、4−(1,2−エポ
キシエチル−2−エチル)ジフェニルスルホン等のエポ
キシ化合物等が挙げられるが、本発明はこれらに限定す
るものではない。また、これら保存安定剤は2種類以上
含有することもできる。 【0019】発色性染料前駆体、顕色性化合物、熱可融
性物質および保存安定剤は一般に水を分散媒体としてサ
ンドグラインダー、ボールミル、アトライター、サンド
ミル等の各種湿式粉砕機によって、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体塩およびそれらの誘導体等
のような水溶性高分子化合物の他、ジアルキルスルホコ
ハク酸ソーダ等の界面活性剤などと共に分散させ分散液
とした後、感熱発色層塗料調製に用いることができる。 【0020】本発明に用いられる接着剤としては、種々
の分子量のポリビニルアルコール、デンプン及びその誘
導体、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロー
ス誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリド
ン、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、
アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸
3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アル
カリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラ
チン、およびカゼインなどの水溶性高分子材料、並び
に、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジ
エン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステ
ル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタ
クリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体、およびス
チレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等の各々のラ
テックスを用いることができる。 【0021】また、感熱発色層中に用いられる顔料とし
ては、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、
カオリン、クレー、焼成クレー、タルク、および表面処
理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機顔料、並び
に、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共
重合体、アクリル樹脂、およびポリスチレン樹脂等の有
機顔料等を挙げることができる。 【0022】更に、本発明の感熱発色層は、種々のワッ
クス類を必要に応じて含有していてもよい。それらワッ
クス類としては、パラフィンワックス、カルナバロウワ
ックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン
ワックス、ポリオレフィンワックスの他、高級脂肪酸エ
ステル、高級脂肪酸アミド例えばステアリン酸アミド、
エチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。金属
石鹸としては高級脂肪酸金属塩すなわちステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウ
ム、オレイン酸亜鉛等が挙げられる。他に本発明の効果
を損なわない範囲で撥油剤、消泡剤、濡れ剤、粘度調整
剤等、各種添加剤をいれることは差しつかえない。 【0023】本発明の感熱記録材料に用いられる支持体
には特別の限定はなく、例えば上質紙(酸性紙、中性
紙)、中質紙、片つや紙、コート紙、中質コート紙、微
塗工紙、アート紙、キャストコート紙、クリヤーコート
紙、グラシン紙、セミグラシン紙、樹脂ラミネート紙、
合成繊維紙、合成樹脂フィルム紙、金属箔等の他、各種
透明支持体、半透明支持体も適宜使用でき、またこれら
を組み合わせた複合シートも任意に用いることができ
る。このようなシート状支持体の少なくとも1面上に、
上記所要成分の混合物を含む塗布液を塗布し、乾燥して
感熱記録材料を製造する。塗布量は塗布液層が乾燥した
状態で1〜15g/m2が好ましく、2〜10g/m2が
特に好ましい。 【0024】本発明においては、感熱発色層の上に保護
層、感熱発色層の下に下塗り層を設けることができる
が、これらの層は従来より公知の感熱記録材料に使用さ
れている保護層、下塗り層を応用することができる。保
護層、下塗り層とも顔料、接着剤を主体とした構成と
し、塗工量は特に限定されるものではないが、一般に1
〜20g/m2の範囲に設けられる。特に保護層中には
サーマルヘッドに対するスティッキングを防止する目的
で、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ポリ
オレフィンワックス、ポリエチレンワックス、パラフィ
ンワックス等の滑剤のほか、分散剤、消泡剤等の助剤を
添加することができる。また、耐水性を向上する目的で
グリオキザール、エポキシ化合物、ホウ酸、ジアルデヒ
ド澱粉、メチロール基含有化合物等の硬化剤を添加する
ことができる。また、感熱記録材料の裏面には表面と裏
面の接触時のブロッキングを防止したり、裏面からの水
や油の浸透を抑えたり、カールコントロールのためにバ
ック層を設けることもできる。 【0025】各層を形成する方法としてはエアーナイフ
法、ブレード法、グラビア法、ロールコーター法、スプ
レー法、ディップ法、バー法、およびエクストルージョ
ン法等公知の塗布方法のいずれを利用してもよい。 【0026】本発明においては、感熱記録材料の付加価
値を高めるためにさらに加工を施し、より高い機能を付
与した感熱記録材料とすることができる。例えば、裏面
に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型接着剤によ
る加工を施すことで粘着紙、再湿接着紙、ディレードタ
ック紙としたり、磁気加工することで裏面に磁気記録可
能な感熱記録材料とすることができる。また裏面を利用
して熱転写用紙、インクジェット用紙、ノーカーボン用
紙、静電記録用紙、ゼログラフィ用紙としての機能をも
たせ、両面への記録が可能な記録紙とすることもでき
る。もちろん両面感熱記録材料とすることもできる。 【0027】 【実施例】以下に実施例により、本発明を具体的に説明
する。尚、特に断らない限り、「部」および「%」は、
それぞれ「重量部」および「重量%」をあらわす。下記
操作により感熱記録材料を作成した。 (1)分散液A調製 成 分 量(部) 3−ジブチルアミノ−6−メチル− 40 7−アニリノフルオラン スルホン基変性ポリビニルアルコ―ル 10%液 40 (日本合成化学工業製、ゴーセランL−3266) 水 20 上記組成物をサンドグラインダーに供し、平均粒径が1
μmになるまで粉砕した。 (2)分散液B調製 成 分 量(部) 3−ジエチルアミノ−6メチル− 40 7−クロロフルオラン スルホン基変性ポリビニルアルコ―ル 10%液 40 (日本合成化学工業製、ゴーセランL−3266) 水 20 上記組成物をサンドグラインダーに供し、平均粒径が1
μmになるまで粉砕した。 【0028】 (3)分散液C調製 成 分 量(部) 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)− 40 3,3,5−トリメチルシクロヘキサン スルホン基変性ポリビニルアルコ―ル 10%液 40 (日本合成化学工業製、ゴーセランL−3266) 水 20 上記組成物をサンドグラインダーに供し、平均粒径が1
μmになるまで粉砕した。 (4)分散液D調製 成 分 量(部) 4,4’−イソプロピリデンジフェノール 40 スルホン基変性ポリビニルアルコ―ル 10%液 40 (日本合成化学工業製、ゴーセランL−3266) 水 20 上記組成物をサンドグラインダーに供し、平均粒径が1
μmになるまで粉砕した。 【0029】 (5)分散液E調製 成 分 量(部) 4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシ 40 ジフェニルスルホン スルホン基変性ポリビニルアルコール 10%液 40 (日本合成化学工業製、ゴーセランL−3266) 水 20 上記組成物をサンドグラインダーに供し、平均粒径が1
μmになるまで粉砕した。 (6)分散液F調製 成 分 量(部)シュウ酸ジ−p−メチルベンジル 40 スルホン基変性ポリビニルアルコール 10%液 40 (日本合成化学工業製、ゴーセランL−3266) 水 20 上記組成物をサンドグラインダーに供し、平均粒径が1
μmになるまで粉砕した。 【0030】 (7)分散液G調製 成 分 量(部) 1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン 40 スルホン基変性ポリビニルアルコ―ル 10%液 40 (日本合成化学工業製、ゴーセランL−3266) 水 20 上記組成物をサンドグラインダーに供し、平均粒径が1
μmになるまで粉砕した。 (8)分散液Hの調製 成 分 量(部) 1,3,5−トリス(2,6−ジメチル− 40 3−ヒドロキシ−4−t−ブチル)イソシアヌル酸 スルホン基変性ポリビニルアルコ―ル 10%液 40 (日本合成化学工業製、ゴーセランL−3266) 水 20 上記組成物をサンドグラインダーに供し、平均粒径が1
μmになるまで粉砕した。 (9)分散液Iの調製 成 分 量(部) 炭酸カルシウム 60 ポリアクリル酸ソーダ0.7%溶液 40 上記組成物をカウレス分散機で分散した。さらに接着剤
J液として10%ポリビニルアルコール(NM11Q、
日本合成化学工業製)、滑剤分散液K液として40%ポ
リオレフィンワックスを用意した。 【0031】感熱発色層の調製 これらの分散物、接着剤を用いて乾燥後の重量比率が表
1となるように混合し、感熱発色層塗布液とした。こう
して得られた感熱発色層塗布液を50g/m2の上質紙
(酸性紙)に乾燥後の塗布量が6.0g/m2となるよ
うに塗布、乾燥して感熱記録材料とした。 【0032】この感熱記録材料を試験用に改造した市販
感熱ファクシミリHIFAX−45を用いて、1ライン
記録時間10msec、走査線密度8ライン/mm、ド
ット当たり印加エネルギーを0.30mJとして64ラ
インのベタ印字をした。こうして得られた印字物の発色
濃度をマクベス濃度計(マクベス製、RD914型)に
て測定した。またJIS P8123で規定される白色
度(ブルーフィルター使用)についてハンター白色度計
(東洋精機製)を用いて測定した。このようにして得た
結果を表1にまとめる。発色濃度は1.2以上、白色度
は72以上であれば実用上問題のないレベルである。 【0033】 【表1】 【0034】 【発明の効果】表1から明らかなように、本発明によっ
て白色度が高く、発色感度に優れた感熱記録材料を提供
することが可能となった。
のである。更に詳しく述べるならば、本発明は発色感度
に優れた感熱記録材料に関するものである。 【0002】 【従来の技術】無色または淡色の電子供与性発色性染料
と、フェノール類または有機酸との加熱発色反応を利用
して発色画像を形成する感熱記録材料は、例えば特公昭
43−4160号、特公昭45−14039号、および
特公昭48−27736号などに開示されている。近
年、このような感熱記録材料は、単に加熱するだけで発
色画像を形成することができること、および記録装置が
比較的コンパクトなものにできることなどの利点によ
り、各種プリンター、コピー機、ファクシミリ用記録材
料として広範囲に使用されている。 【0003】特に、感熱ファクシミリ、感熱プリンター
等は、その装置の改良が進み、従来は困難とされていた
高速の印字、高速の画像の形成も可能となってきてお
り、近年は、より多くの分野で使用されるようになって
きた。その一方で、このような印字の高速化に伴い、感
熱記録材料は発色感度の大幅な向上が望まれている。 【0004】特に感度の向上が求められる感熱記録材料
の用途としては、例えば自動券売機用感熱記録型の乗車
券や回数券、POS用バーコードシステムに使用される
ラベル用感熱紙、ファクシミリ用紙やワープロ用紙、C
RT用画像プリンター用紙、伝票用プリンター用紙等が
ある。 【0005】これに対して、発色感度の向上の要求を満
たすために今までに多くの提案がなされてきた。その中
でも積極的に行われたのは電子供与性染料を加熱下に発
色させる顕色性化合物として、従来から使用されている
4,4’−イソプロピリデンジフェノール(以下BPA
と称す)に替わる新しい材料の開発である。BPAは安
価であるが、感度については必ずしも市場の要求を十分
に満たすものではなかった。 【0006】そこでBPAに替わるものとして、今まで
に数多くの顕色性化合物が提案されてきた。これらにつ
いては紙パルプ技術タイムス誌、昭和62年5月号から
63年2月号までに記載されているが、それによると、
既に数百種の化合物が提案されていることがわかる。し
かしこれらの化合物の多くは、感度の向上効果が十分で
なかったり、白色度の大幅な低下を生ずるなど、実用的
な解決策とは言い難いものであった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題点を解決し、発色感度に優れ、かつ白色度が高い感熱
記録材料を提供しようとするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に電
子供与性発色性染料前駆体と、前記発色性染料前駆体と
加熱時に接触して発色させる電子受容性顕色性化合物と
を含有する感熱発色層を設けた感熱記録材料において、
該感熱発色層中に電子受容性顕色性化合物として1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサンを含有させたことを特徴とする感
熱記録材料に存する。 【0009】本発明者らは、発色感度を向上させるため
に種々の電子受容性顕色性化合物を検討し、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサンが、白色度の低下等の悪影響をもたら
さずに発色感度を大幅に向上させることを見出だし、本
発明を完成させるにいたった。 【0010】感熱発色層中の1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ンの含有量は特に限定するものではないが、染料前駆体
100重量部に対して一般的には30〜600重量部、
より好ましくは150〜300重量部の範囲で含有させ
ることが好ましい。30重量部より少ない場合は感度向
上の効果が十分でなく、600重量部より多いとカスや
スティッキングの問題が生じやすい。 【0011】本発明において1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ンは単独で、あるいは他の電子受容性顕色性化合物と併
用して用いることができる。他の電子受容性顕色性化合
物としては従来より公知のものから選ぶことができる。
例えば、4−t−ブチルフェノール、4−アセチルフェ
ノール、4−t−オクチルフェノール、4,4’−se
c−ブチリデンジフェノール、4−フェニルフェノー
ル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,
4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シク
ロヘキシリデンジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルフィド、4,4’−チオビス(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソ
プロポキシジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4
−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシベン
ゾフェノン、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒ
ドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロ
ピル、4−ヒドロキシ安息香酸−sec−ブチル、4−
ヒドロキシ安息香酸フェニル、4−ヒドロキシ安息香酸
ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸トリル、4−ヒドロ
キシ安息香酸クロロフェニル、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルエーテルなどのフェノール性化合物、4,
4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル
アミノ)ジフェニルメタン、N−(p−トルエンスルホ
ニル)−N’−フェニル尿素等の尿素系化合物が挙げら
れる。 【0012】さらに安息香酸、p−t−ブチル安息香
酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、サリチル酸、
3−t−ブチルサリチル酸、3−イソプロピルサリチル
酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸等
の芳香族カルボン酸およびこれら芳香族カルボン酸と、
例えば亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム
等の多価金属との塩等の有機酸性物質が挙げられる。 【0013】本発明において感熱発色層を構成する電子
供与性発色性染料前駆体としては、トリアリール系染
料、ジフェニルメタン系染料、チアジン系染料、スピロ
系染料、ラクタム系染料など従来公知のものから選ぶこ
とができ。例えば、3−(N−エチル−N−イソペンチ
ルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−
シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−イソブ
チルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−メチル−N−イソプロピルアミノ)−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ジペンチルアミノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エ
チル−N−p−トリルアミノ)−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチル
アミノ)−7−(2−クロロ)アニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−7−(2−トリフルオロ)アニリノ
フルオラン、3−(N−エチル−N−フルフリルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N
−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7
−(2−クロロ)アニリノフルオラン等の発色性染料を
挙げることができる。 【0014】また、3−ジエチルアミノ−7−クロロフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロ
ロフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−
ブロモフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメ
チルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾ
フルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n
−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリ
ド、3,3−ビス(1−n−オクチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)フタリド、3−ジエチルアミノ−6
−ジエチルアミノ−N−フェニルローダミンBラクタ
ム、3−ジエチルアミノ−6−ジエチルアミノ−(N−
2−クロロフェニル)ローダミンBラクタム、3,6−
ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラク
タム、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ
−(4’−ニトロ)アニリノラクタム、3−ヘキシルア
ミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−メチルフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルア
ミノ)−7−メチルフルオラン、3−ジエチル−5−メ
チル−8−t−ブチルフルオラン、3−(N−エチル−
N−イソペンチルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン
等の発色性染料を挙げることができる。 【0015】さらに、3−(1−エチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェ
ニル)フタリド、3−(1−エチル−2−メチルインド
ール−3−イル)−3−(2−メチル−4−ジエチルア
ミノフェニル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(p
−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタ
リド、3−(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニ
ル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメ
チルアミノフタリド、3−(1−エチル−2−メチルイ
ンドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2
−n−ヘキシルオキシフェニル)−4−アザフタリド、
3−(N−エチル−N−n−ヘキシルアミノ)−7−ア
ニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジ
ルアミノフルオラン、3,3−ビス(4−ジエチルアミ
ノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−
(N−エチル−N−p−トリルアミノ)−7−(N−フ
ェニル−N−メチルアミノ)フルオラン、3,6−ジメ
トキシフルオラン、1−(4−n−ドデシルオキシ−3
−メトキシフェニル)−2−(2−キノリル)エチレ
ン、3−[p−(p−アニリノアニリノ)アニリノ]−
6−メチル−7−クロロフルオラン、3,6−ビス(ジ
メチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’
−ジメチルアミノ)フタリド等の発色性染料の中から選
ばれた1種以上を用いることができる。 【0016】本発明の感熱発色層は、前記発色系を構成
する化合物のほかに、熱可融性物質(いわゆる増感剤)
や保存安定剤を含有することができる。また、これらを
結着し、感熱発色層をシート状支持体に接合するための
接着剤を含有することが必要である。さらに、主にサー
マルヘッドに対するスティッキングを防止するために顔
料を含んでいることが好ましく、また必要に応じて、ワ
ックス類、金属石鹸、紫外線吸収剤、蛍光染料等を含有
することができる。 【0017】本発明において用いることができる熱可融
性物質(増感剤)としては、融点50〜150℃の熱可
融性有機化合物を挙げることができる。例えば、1−ヒ
ドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、p−ベン
ジルビフェニル、ベンジルナフチルエーテル、ジベンジ
ルテレフタレート、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジ
ル、炭酸ジフェニル、炭酸ジトリル、m−ターフェニ
ル、1,2−ビス(m−トリルオキシ)エタン、1,5
−ビス(p−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタ
ン、シュウ酸ジフェニル、シュウ酸ジ−p−クロロベン
ジル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸ジベ
ンジル、1,4−ビス(トリオキシメトキシメチル)ベ
ンゼン、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、
1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3,4−
ジメチルフェノキシ)エタンなどが挙げられる。 【0018】本発明においては感熱発色層に、印字後の
保存性を向上させるための化合物、いわゆる保存安定剤
を含有することができる。保存安定剤としては例えば、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,3,5−トリ
ス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチ
ルベンジル)イソシアヌル酸、4−ベンジルオキシフェ
ニル−4’−(2−メチル−2,3−エポキシプロピル
オキシ)フェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフ
ェニル)ブタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−
[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]
ビスフェノール、4,4’−[1,3−フェニレンビス
(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール等のフェノ
ール系化合物、および4−(1,2−エポキシエチル−
2−メチル)ジフェニルスルホン、4−(1,2−エポ
キシエチル−2−エチル)ジフェニルスルホン等のエポ
キシ化合物等が挙げられるが、本発明はこれらに限定す
るものではない。また、これら保存安定剤は2種類以上
含有することもできる。 【0019】発色性染料前駆体、顕色性化合物、熱可融
性物質および保存安定剤は一般に水を分散媒体としてサ
ンドグラインダー、ボールミル、アトライター、サンド
ミル等の各種湿式粉砕機によって、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体塩およびそれらの誘導体等
のような水溶性高分子化合物の他、ジアルキルスルホコ
ハク酸ソーダ等の界面活性剤などと共に分散させ分散液
とした後、感熱発色層塗料調製に用いることができる。 【0020】本発明に用いられる接着剤としては、種々
の分子量のポリビニルアルコール、デンプン及びその誘
導体、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロー
ス誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリド
ン、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、
アクリル酸アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸
3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アル
カリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラ
チン、およびカゼインなどの水溶性高分子材料、並び
に、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジ
エン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステ
ル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタ
クリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体、およびス
チレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等の各々のラ
テックスを用いることができる。 【0021】また、感熱発色層中に用いられる顔料とし
ては、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、硫酸バリウム、
カオリン、クレー、焼成クレー、タルク、および表面処
理された炭酸カルシウムやシリカ等の無機顔料、並び
に、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共
重合体、アクリル樹脂、およびポリスチレン樹脂等の有
機顔料等を挙げることができる。 【0022】更に、本発明の感熱発色層は、種々のワッ
クス類を必要に応じて含有していてもよい。それらワッ
クス類としては、パラフィンワックス、カルナバロウワ
ックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン
ワックス、ポリオレフィンワックスの他、高級脂肪酸エ
ステル、高級脂肪酸アミド例えばステアリン酸アミド、
エチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。金属
石鹸としては高級脂肪酸金属塩すなわちステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウ
ム、オレイン酸亜鉛等が挙げられる。他に本発明の効果
を損なわない範囲で撥油剤、消泡剤、濡れ剤、粘度調整
剤等、各種添加剤をいれることは差しつかえない。 【0023】本発明の感熱記録材料に用いられる支持体
には特別の限定はなく、例えば上質紙(酸性紙、中性
紙)、中質紙、片つや紙、コート紙、中質コート紙、微
塗工紙、アート紙、キャストコート紙、クリヤーコート
紙、グラシン紙、セミグラシン紙、樹脂ラミネート紙、
合成繊維紙、合成樹脂フィルム紙、金属箔等の他、各種
透明支持体、半透明支持体も適宜使用でき、またこれら
を組み合わせた複合シートも任意に用いることができ
る。このようなシート状支持体の少なくとも1面上に、
上記所要成分の混合物を含む塗布液を塗布し、乾燥して
感熱記録材料を製造する。塗布量は塗布液層が乾燥した
状態で1〜15g/m2が好ましく、2〜10g/m2が
特に好ましい。 【0024】本発明においては、感熱発色層の上に保護
層、感熱発色層の下に下塗り層を設けることができる
が、これらの層は従来より公知の感熱記録材料に使用さ
れている保護層、下塗り層を応用することができる。保
護層、下塗り層とも顔料、接着剤を主体とした構成と
し、塗工量は特に限定されるものではないが、一般に1
〜20g/m2の範囲に設けられる。特に保護層中には
サーマルヘッドに対するスティッキングを防止する目的
で、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ポリ
オレフィンワックス、ポリエチレンワックス、パラフィ
ンワックス等の滑剤のほか、分散剤、消泡剤等の助剤を
添加することができる。また、耐水性を向上する目的で
グリオキザール、エポキシ化合物、ホウ酸、ジアルデヒ
ド澱粉、メチロール基含有化合物等の硬化剤を添加する
ことができる。また、感熱記録材料の裏面には表面と裏
面の接触時のブロッキングを防止したり、裏面からの水
や油の浸透を抑えたり、カールコントロールのためにバ
ック層を設けることもできる。 【0025】各層を形成する方法としてはエアーナイフ
法、ブレード法、グラビア法、ロールコーター法、スプ
レー法、ディップ法、バー法、およびエクストルージョ
ン法等公知の塗布方法のいずれを利用してもよい。 【0026】本発明においては、感熱記録材料の付加価
値を高めるためにさらに加工を施し、より高い機能を付
与した感熱記録材料とすることができる。例えば、裏面
に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型接着剤によ
る加工を施すことで粘着紙、再湿接着紙、ディレードタ
ック紙としたり、磁気加工することで裏面に磁気記録可
能な感熱記録材料とすることができる。また裏面を利用
して熱転写用紙、インクジェット用紙、ノーカーボン用
紙、静電記録用紙、ゼログラフィ用紙としての機能をも
たせ、両面への記録が可能な記録紙とすることもでき
る。もちろん両面感熱記録材料とすることもできる。 【0027】 【実施例】以下に実施例により、本発明を具体的に説明
する。尚、特に断らない限り、「部」および「%」は、
それぞれ「重量部」および「重量%」をあらわす。下記
操作により感熱記録材料を作成した。 (1)分散液A調製 成 分 量(部) 3−ジブチルアミノ−6−メチル− 40 7−アニリノフルオラン スルホン基変性ポリビニルアルコ―ル 10%液 40 (日本合成化学工業製、ゴーセランL−3266) 水 20 上記組成物をサンドグラインダーに供し、平均粒径が1
μmになるまで粉砕した。 (2)分散液B調製 成 分 量(部) 3−ジエチルアミノ−6メチル− 40 7−クロロフルオラン スルホン基変性ポリビニルアルコ―ル 10%液 40 (日本合成化学工業製、ゴーセランL−3266) 水 20 上記組成物をサンドグラインダーに供し、平均粒径が1
μmになるまで粉砕した。 【0028】 (3)分散液C調製 成 分 量(部) 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)− 40 3,3,5−トリメチルシクロヘキサン スルホン基変性ポリビニルアルコ―ル 10%液 40 (日本合成化学工業製、ゴーセランL−3266) 水 20 上記組成物をサンドグラインダーに供し、平均粒径が1
μmになるまで粉砕した。 (4)分散液D調製 成 分 量(部) 4,4’−イソプロピリデンジフェノール 40 スルホン基変性ポリビニルアルコ―ル 10%液 40 (日本合成化学工業製、ゴーセランL−3266) 水 20 上記組成物をサンドグラインダーに供し、平均粒径が1
μmになるまで粉砕した。 【0029】 (5)分散液E調製 成 分 量(部) 4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシ 40 ジフェニルスルホン スルホン基変性ポリビニルアルコール 10%液 40 (日本合成化学工業製、ゴーセランL−3266) 水 20 上記組成物をサンドグラインダーに供し、平均粒径が1
μmになるまで粉砕した。 (6)分散液F調製 成 分 量(部)シュウ酸ジ−p−メチルベンジル 40 スルホン基変性ポリビニルアルコール 10%液 40 (日本合成化学工業製、ゴーセランL−3266) 水 20 上記組成物をサンドグラインダーに供し、平均粒径が1
μmになるまで粉砕した。 【0030】 (7)分散液G調製 成 分 量(部) 1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン 40 スルホン基変性ポリビニルアルコ―ル 10%液 40 (日本合成化学工業製、ゴーセランL−3266) 水 20 上記組成物をサンドグラインダーに供し、平均粒径が1
μmになるまで粉砕した。 (8)分散液Hの調製 成 分 量(部) 1,3,5−トリス(2,6−ジメチル− 40 3−ヒドロキシ−4−t−ブチル)イソシアヌル酸 スルホン基変性ポリビニルアルコ―ル 10%液 40 (日本合成化学工業製、ゴーセランL−3266) 水 20 上記組成物をサンドグラインダーに供し、平均粒径が1
μmになるまで粉砕した。 (9)分散液Iの調製 成 分 量(部) 炭酸カルシウム 60 ポリアクリル酸ソーダ0.7%溶液 40 上記組成物をカウレス分散機で分散した。さらに接着剤
J液として10%ポリビニルアルコール(NM11Q、
日本合成化学工業製)、滑剤分散液K液として40%ポ
リオレフィンワックスを用意した。 【0031】感熱発色層の調製 これらの分散物、接着剤を用いて乾燥後の重量比率が表
1となるように混合し、感熱発色層塗布液とした。こう
して得られた感熱発色層塗布液を50g/m2の上質紙
(酸性紙)に乾燥後の塗布量が6.0g/m2となるよ
うに塗布、乾燥して感熱記録材料とした。 【0032】この感熱記録材料を試験用に改造した市販
感熱ファクシミリHIFAX−45を用いて、1ライン
記録時間10msec、走査線密度8ライン/mm、ド
ット当たり印加エネルギーを0.30mJとして64ラ
インのベタ印字をした。こうして得られた印字物の発色
濃度をマクベス濃度計(マクベス製、RD914型)に
て測定した。またJIS P8123で規定される白色
度(ブルーフィルター使用)についてハンター白色度計
(東洋精機製)を用いて測定した。このようにして得た
結果を表1にまとめる。発色濃度は1.2以上、白色度
は72以上であれば実用上問題のないレベルである。 【0033】 【表1】 【0034】 【発明の効果】表1から明らかなように、本発明によっ
て白色度が高く、発色感度に優れた感熱記録材料を提供
することが可能となった。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B41M 5/28 - 5/34
CAPLUS(STN)
REGISTRY(STN)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 支持体上に、電子供与性発色性染料前駆
体と、前記発色性染料前駆体と加熱時に接触して発色さ
せる電子受容性顕色性化合物とを含有する感熱発色層を
設けた感熱記録材料において、該感熱発色層中に電子受
容性顕色性化合物として1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを
含有させたことを特徴とする感熱記録材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17615495A JP3487024B2 (ja) | 1995-07-12 | 1995-07-12 | 感熱記録材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17615495A JP3487024B2 (ja) | 1995-07-12 | 1995-07-12 | 感熱記録材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0924672A JPH0924672A (ja) | 1997-01-28 |
JP3487024B2 true JP3487024B2 (ja) | 2004-01-13 |
Family
ID=16008612
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17615495A Expired - Fee Related JP3487024B2 (ja) | 1995-07-12 | 1995-07-12 | 感熱記録材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3487024B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6800032B2 (ja) * | 2017-01-30 | 2020-12-16 | パイロットインキ株式会社 | 可逆熱変色性組成物及びそれを内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料 |
-
1995
- 1995-07-12 JP JP17615495A patent/JP3487024B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0924672A (ja) | 1997-01-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6211744B2 (ja) | 感熱記録体 | |
JP5878271B1 (ja) | 感熱記録体 | |
JP5823086B1 (ja) | 感熱記録体 | |
JP4457814B2 (ja) | 感熱記録体 | |
JP4518030B2 (ja) | 感熱記録体 | |
JP3487024B2 (ja) | 感熱記録材料 | |
JP6727082B2 (ja) | 感熱記録体 | |
JP2007245362A (ja) | 感熱記録体及び感熱記録体ラベル | |
JP7146148B1 (ja) | 感熱記録体 | |
JP2005262714A (ja) | 感熱記録材料 | |
US5116802A (en) | Heat-sensitive recording material | |
JP2008238507A (ja) | 感熱記録材料 | |
JP2919594B2 (ja) | 感熱記録体 | |
JPH07290835A (ja) | 感熱記録体 | |
WO2014097881A1 (ja) | 感熱記録体 | |
JP2016028847A (ja) | 感熱記録体 | |
JPH06286320A (ja) | 多色感熱記録体 | |
JP2595349B2 (ja) | 感熱記録体 | |
JP2006281476A (ja) | 感熱記録材料 | |
JP2007090816A (ja) | 感熱記録体 | |
JP2002192838A (ja) | 感熱記録材料 | |
JPH08216520A (ja) | 感熱記録型再湿接着紙 | |
JPH10230677A (ja) | 新規感熱記録材料 | |
JPH06297848A (ja) | 感熱記録体 | |
JPH02215589A (ja) | 感熱記録体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081031 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091031 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |