JPH0714661B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH0714661B2
JPH0714661B2 JP63285460A JP28546088A JPH0714661B2 JP H0714661 B2 JPH0714661 B2 JP H0714661B2 JP 63285460 A JP63285460 A JP 63285460A JP 28546088 A JP28546088 A JP 28546088A JP H0714661 B2 JPH0714661 B2 JP H0714661B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は感熱記録材料に関し、特に画像発色性に優れ、
記録適性、保存性に優れた品質を保持すると共に、印字
面の光沢性を改良した感熱記録材料に関するものであ
る。
[従来の技術] 感熱記録材料は一般に紙、合成紙、プラスチックフィル
ム等の支持体上に電子供与性のロイコ染料のような発色
性物質と電子受容性のフェノール性化合物等の有機酸性
物質のような顕色性物質を主成分とする感熱発色層を設
けて成り、それらを熱エネルギーによって反応させて記
録画像を得ることができる。感熱記録材料は、記録装置
がコンパクトで安価でかつ保守が容易であることから、
電子計算機のアウトプット、ファクシミリ、自動券売
機、科学計測機のプリンター、或いはCRT医療計測用の
プリンター等に広範囲に使用されている。
しかし、支持体上に発色性染料物質、顕色性物質および
結着剤を有効成分とする感熱発色層だけを塗工した従来
の感熱記録材料にあっては光、水、温度、可塑剤および
油等に対して不安定であるために保存時の経時変化が常
に問題となる。また、このような感熱記録材料について
は前記のものを主成分とするために画像部および非画像
部の光沢がかなり低いという欠点が生じてくる。
このような保存性を改良するため、感熱発色層上に表面
層を設けることが提案されている。例えば、特開昭56−
146794号公報等に見られるように疎水性高分子化合物エ
マルジョン等を用いたもの、或いは特開昭58−199189号
公報に見られるように感熱発色層上に水溶性高分子化合
物または疎水性高分子化合物エマルジョンを中間層とし
て設け、その上に疎水性高分子化合物を樹脂成分とする
油性塗料による表面層を設けたものが報告されている。
しかし、このような表面層を設けた場合、画像の記録に
おいて表面層がサーマルヘッドにスティッキング(貼付
き)を起し、記録適性において満足できるものでないの
が実情である。特にビデオプリンターの如く、階調性に
富んだ画像の記録の場合にはスティッキング防止の品質
設計が重要である。
[発明が解決しようとする課題] 本発明はこれらの問題点を解決し、耐水性、耐可塑性、
耐油性等の長期保存性を有すると共に、記録濃度が高
く、階調性に優れ、しかも銀塩の印画紙と同等の光沢度
を備え、かつ記録においてサーマルヘッドへのスティッ
キング現象を起こさない優れた記録適性を備えた感熱記
録材料を提供することを目的とするものである。
これにより、近年使用されている写真調の高品位な画像
を提供するビデオプリンター(CRT画像用感熱記録装
置)のプリンター用紙として使用する場合は勿論、保存
性を必要とする回数券や定期券等への使用、POS用バー
コード値付けシステムによる生鮮食品および油種の多い
肉等のポリ塩化ビニルフィルムで包装した場合の包装面
に貼着するラベル用紙等としての用途に適するばかりで
なく、長期保存用のファクシミリ用紙やプリンター用紙
としても利用できる感熱記録材料を提供するものであ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、紙、合成紙、プラスチックフィルム等の
支持体上に、発色染料物質、顕色剤および接着剤を含む
感熱発色層を設け、その上に、水溶性高分子物質、顔料
および架橋剤を主成分とする中間層を形成するとともに
更に、該中間層の上に末端ヒドロキシル基含有ポリシロ
キサン、重合性シラン化合物、不飽和有機酸およびこれ
らと共重合可能な他の重合性単量体を重合させて得られ
る重合体を主成分とする溶剤系塗料による光沢層を設け
ることにより、光沢性が優れ、かつサーマルヘッドへの
スティッキング現象が発生せず、優れた記録適性を備え
た感熱記録材料を得ることができることを見出し本発明
を完成するに至った。
本発明の感熱記録材料は、支持体上に設けた感熱発色層
上に、中間層および光沢層を順次形成して成る。
中間層は水溶性高分子物質、顔料および架橋剤を主成分
として形成されるものであり、耐水性、耐可塑剤性、お
よび耐油性を向上させることを目的とするものである。
これらの性質の改善に伴い、水、可塑剤および油等によ
る悪影響例えば発色部の退色を確実に避けることができ
る。この目的で使用する水溶性高分子物質としては、ポ
リビニルアルコール系樹脂とかカゼインのようなバリヤ
ー性のあるものが使用できる。ポリビニルアルコール系
樹脂としては、任意の重合度、ケン化度を有するポリビ
ニルアルコールが使用できる。更に、不飽和カルボン酸
またはその部分または完全エステル、塩、無水物、ニト
リル、アミド、不飽和スルホン酸またはその塩、炭素数
2〜30のα−オレフィン、ビニルエーテル、飽和分岐脂
肪酸ビニル等で共重合変性したポリビニルアルコールや
ウレタン化、アセタール化、エーテル化、グラフト化、
燐酸エステル化、硫酸エステル化、アセト酢酸エステル
化等した変性ポリビニルアルコールも使用することがで
きる。重合度は300〜1700の範囲のものが好ましく、特
に500〜1000のものが塗料粘度、塗工性の面から望まし
い。
中間層組成中、かかる水溶性高分子物質および架橋剤の
合計量は、中間層全体の50重量%以上としなければなら
ない。これ以下になると耐可塑剤性、耐油性、耐溶剤性
を低下させるので適当でない。
水溶性の架橋剤としては、グリオキザール、ポリアルデ
ヒド等のジアルデヒド系、ポリエチレンイミン等のポリ
アミン系、エポキシ系ポリアミド樹脂、グリセリンジグ
リシジルエーテル等のジグリシジル系、ジメチロール尿
素、その他過硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、塩化マグ
ネシウム等の金属塩、塩化アンモニウム、ホウ酸等の公
知の化合物等を挙げることができる。
中間層には更に表面層(光沢層)の溶融物吸着のためお
よび平滑度を高めるために顔料を添加する。
このような顔料としては、カオリン、クレー、タルク、
炭酸カルシウム、焼成クレー、酸化チタン、ケイソウ
土、シリカ、合成ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸マグ
ネシウム、酸化アルミニウム、ポリスチレン微粒子、尿
素−ホルマリン樹脂微粒子等がある。
中間層の塗布量は、サーマルヘッドから発色層への熱伝
導が阻害されない程度に適宜調節されるものであるが、
通常1〜10g/m2、好ましくは2〜7g/m2とすることがよ
い。その結果、熱感度を低下させることなく所望の効果
を得ることができる。
中間層を塗工した後、スーパーカレンダー等で表面平滑
化処理をするのが望ましい。中間層の平滑度が500秒以
下の場合には、中間層上に光沢層を設けても、高光沢の
ある表面が得られないので、通常500〜1000、好ましく
は3000〜5000秒とすることがよい。
本発明では中間層上に高光沢を付与するための光沢層を
形成する。本発明において光沢層は末端ヒドロキシル基
含有ポリシロキサン存在下に重合性シラン化合物;不飽
和有機酸およびこれらと共重合可能な他の重合性単量体
組成物を重合させて得られる重合体と架橋剤および滑剤
を含んで構成され、有機溶剤溶液として形成される。
本発明に用いられる末端ヒドロキシル基含有ポリシロキ
サン(A)としては、一般式 (但し、R1及びR2はそれぞれ独立に一価のハロゲン置換
されてもよい炭化水素基、nは1以上の整数である。)
で示されるものであり、末端ヒドロキシル基含有ポリシ
ロキサンの分子量はnが10〜2000の範囲のものが望まし
い。末端ヒドロキシル基含有ポリシロキサンの使用量は
1〜20重量%の範囲内で適宜決めることができる。重合
性シラン化合物(B)は、分子中に少なくとも1個の重
合性不飽和基と少なくとも1個の前記ポリシロキサンと
縮合反応し得る基とを有する化合物である。例えばビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリブトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ
エトキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン、2−スチリルエチル
トリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシエチルジメ
チル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウム
クロライド、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリ
クロルシラン等を挙げることができ、これらの群から選
ばれる1種または2種以上の混合物を使用することがで
きる。
重合性シラン化合物の使用量は0.05〜10重量%の範囲内
で適宜決めることができる。
不飽和有機酸(C)は、ポリシロキサンと前記重合物と
の結合を惹起してグラフト反応を円滑に進める作用を有
すると共に、得られる組成物の密着性を高めるものであ
り、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イ
タコン酸等の不飽和カルボン酸やビニルスルホン酸、ス
ルホエチルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸等の不飽和スルホン酸等を挙
げることができ、これらの1種または2種以上の混合物
を使用することができる。
不飽和有機酸の使用量は、0.5〜10重量%の範囲内で適
宜決めることができる。
重合性単量体(D)としては、例えばアクリル酸ブチ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸エ
ステル類:メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等
のメタクリル酸エステル類:酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル等のビニルエステル類:スチレン、ビニルトルエ
ン等の芳香族ビニル類:アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル等の不飽和ニトリル類:アクリルアミド、N−
メチロールアクリルアミド等の不飽和アミド類:エチレ
ン、プロピレン、イソブチレン等のα−オレフィン類:
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブ
チルビニルエーテル等のビニルエーテル類:塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン
等の含ハロゲンα,β−不飽和単量体類:(メタ)アク
リル酸トリフルオロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロ
プロピルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフル
オロデシルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペ
ンチルアクリレート等の含フッ素(メタ)アクリル酸エ
ステル類:2,3,5,6−テトラフルオロフェニルアクリル酸
エステル、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルメタク
リル酸エステル等の芳香族フッ素含有(メタ)アクリル
酸エステル類等が挙げられ、これらの1種または2種以
上の混合物を使用することができる。
重合性単量体の使用量は60〜98.45重量%の範囲内で適
宜決めることができる。
これらの重合は従来公知の重合法によって重合して製造
することができる。例えば溶液重合法を採用するとき
は、溶剤として、トルエン、ヘキサン、メチルエチルケ
トン、エチルセロソルブ、酢酸エチル、イソプロピルア
ルコール等の1種または2種以上の混合物を使用するこ
とができる。重合開始剤としてはアゾビスイソブチロニ
トリル、ベンゾイルパーオキシド等の通常のラジカル重
合開始剤を使用することができる。
本発明の光沢層組成物を調製するに際しては、該重合体
あるいは該重合体の溶液に加えて本発明の目的を損わな
い範囲で通常公知の硬化触媒、メラミン硬化型、酸無水
硬化型、イソシアネート硬化型、エポキシ硬化型の架橋
剤、更に滑剤(離型剤)等の各種添加剤を添加すること
は何らさしつかえない。
滑剤としては高級脂肪酸金属塩、ポリエチレンワック
ス、アミドワックス、テフロンパウダー等の固形ワック
ス類;フッ素系、燐酸エステル系の界面活性剤;反応硬
化型シリコーンオイル等が使用される。これら滑剤の添
加量は光沢層を構成する樹脂の0.5〜30重量%が好まし
い。
光沢層の塗布量については、サーマルヘッドから発色層
への熱伝導が阻害されない程度に適宜調節されるもので
あるが、通常、0.5〜10g/m2、好ましくは1〜5g/m2とす
ることがよい。その結果熱感度を低下させることなく所
望の効果を得ることができる。
本発明の感熱記録材料用支持体は、上質紙、中質紙、ア
ート紙、キャストコート紙、板紙、薄葉紙等の紙類が一
般に使用される外、プラスチックフィルム、合成紙、ラ
ミネート紙、アルミ箔等も用いることができる。
支持体上に形成する感熱発色層は公知の方法によって形
成できる。例えば、発色性染料としては、2,2ビス{4
−〔6′−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)
−3′−メチルスピロ〔フタリド−3,9′−キサンテ
ン〕−2′−イルアミド〕フェニル}プロパン、3−ジ
エチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−(N−メチルN−シクロヘキシルアミノ)−6
−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7−クロロアニリノフルオラン、3−〔N−エチル
−N−(p−メチルフェニル)アミノ〕−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
(メタトリフルオロメチル)アニリノフルオラン、3−
〔N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル〕アミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−〔N−エチ
ル−イソペンチル〕アミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−〔N,Nジブチル〕アミノ−6−メチル
−7−アニリノフルオラン等のフルオラン系染料を代表
的なものとして挙げることができる。
顕色剤としては、常温以上好ましくは70℃以上で液化ま
たは気化して、前記発色性染料と反応して発色させるも
のであれば何でもよく、例えば、4,4′−イソプロピリ
デンジフェノール〔ビスフェノールA〕、4,4′−イソ
プロピリデンビス(2−クロロフェノール)、4,4′−
イソプロピリデンビス(2−メチルフェノール)、4,
4′−イソプロピリデンビス(2,1−tert−ブチルフェノ
ール)、4,4′−sec−ブチリデンジフェノール、4,4′
−シクロヘキシリデンジフェノール、4−tert−ブチル
フェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシ
ジフェノキシド、ナフトール、β−ナフトール、メチル
−4−ヒドロキシベンゾエート、4−ヒドロキシ−アセ
トフェノン、サリチル酸アニリド、ノボラック型フェノ
ール樹脂、ハロゲン化ノボラック型フェノール樹脂、4,
4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、p−ヒドロオキシ安息香酸プロピル、p−ヒド
ロオキシ安息香酸イソプロピル、p−ヒドロオキシ安息
香酸ブチル、p−ヒドロオキシ安息香酸ベンジル、p−
ヒドロオキシ安息香酸メチルベンジル、シュウ酸、マレ
イン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸等
の脂肪族カルボン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息
香酸、フタル酸、没食子酸、サリチル酸、3−イソプロ
ピルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチ
ル酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1,
7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサ
ヘプタン、p−ニトロ安息香酸、これら有機顕色剤と例
えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、
チタン、マンガン、スズ、ニッケル等の多価金属との
塩、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジヒドロキ
シジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒ
ドロキシ−ジフェニルスルホン、3,3′−ジアリル−4,
4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジクロ
ロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒ
ドロキシ−ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′
−イソプロピルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−
4′−イソプロピルオキシジフェニルスルホン、4−ヒ
ドロキシ−4′−ベンジルオキシジフェニルスルホン、
2,4−ジヒドロキシ−ジフェニルスルホン、2,4−ジヒド
ロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、3,4−ジヒ
ドロキシフェニル−p−トリスルホン等が挙げられる。
この顕色剤は通常、発色性染料1重量部に対し1〜5重
量部、好ましくは1.5〜3重量部が用いられる。
感熱発色層の結着剤としては公知のものが全て使用可能
である。ただ、前記発色性染料および前記顕色性物質の
各分散液と混合した時に、液が発色したり凝集したり或
いは高粘度となったりするようなものでないことが好ま
しく、また感熱記録シートの形成皮膜が強いこと、減感
作用のないこと、更には上記スティッキングに関して適
性のあることが要求される。
通常の水系結合剤としてはポリビニルアルコール、変性
澱粉、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩、ポリア
クリルアマイド、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、イソ
プロピレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタ
ジエンラテックス、アクリル酸エステル共重合体の乳化
物等が使用できる。塗膜に耐水性を付与するためには、
反応基、例えばアセトアセチル基、カルボキシル基、ア
ミド基等を含有する水溶性高分子物質と架橋剤の組み合
わせが好ましい。
架橋剤としては、グリオキザール、ポリアルデヒド等の
ジアルデヒド系、ポリエチレンアミン等のポリアミン
系、エポキシ系、ポリアミド樹脂、グリセリンジグリシ
ジルエーテル等のジグリシジル系ジメチロールウレア等
の他過硫酸アンモニウムや塩化第二鉄、塩化マグネシウ
ム等の公知の化合物を用いる。
顔料としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、カオリン、クレー、タルク、焼成クレー、シリカ、
ケイソウ土、合成ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛、酸化
チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、表面処理
された炭酸カルシウムやシリカ等の無機系微粉末の他、
尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合
体、ポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末を挙げること
ができる。
この外、感熱発色層には、必要に応じ、更に、この種の
感熱記録材料に慣用される補助添加成分、例えば、填
料、界面活性剤、熱可融性物質(または滑剤)等を添加
することは差支えない。熱可融性物質は、例えば、ステ
アリン酸アミド、ステアリン酸エチレンビスアミド、オ
レイン酸アミド、パルミチル酸アミド、ヤシ脂肪酸アミ
ド、ベヘニン酸アミド等の脂肪酸アミド類、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワック
ス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワッ
クス等のワックス類、テレフタル酸ジメチルエステル、
テレフタル酸ジブチルエステル、テレフタル酸ジベンジ
ルエステル、イソフタル酸ジブチルエステル、1−ヒド
ロキシナフトエ酸フェニルエステル、1,2−ジ(3−メ
チルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、
1−フェノキシ−2−(4−メチルフェノキシ)エタ
ン、炭酸ジフェニル、p−ベンジルビフェニル、2,2′
−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4′−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−
メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4
−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、2,
2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、2,4−ジ−t−ブチル−3−メチルフェノー
ル、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフ
ェノール)等のヒンダードフェノール類、2−(2′−
ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノ
ン等の増感剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線防止剤等の各
種熱可融性物質等が挙げられる。熱可融性物質の添加量
は、一般に顕色剤1重量部に対して4重量部以下の範囲
が好ましい。
[実 施 例] 以下に本発明を実施例によって更に具体的に説明する
が、勿論これに限定されるものではない。各実施例中の
部は重量部を示している。
実施例 1 (1) A液の調製 3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 5部 10%メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体水
溶液 5部 水 8部 (2) B液の調製2 2,4−ジヒドロキシ−ジフェニルスルホン 30部 10%メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体水
溶液 30部 水 22部 (3) C液の調製 10%カルボキシ変性ポリビニルアルコール水溶液 100部 30%ポリアミド樹脂 3部 60%カオリン水分散液 70部 水 20部 上記、A液およびB液をそれぞれ別々にサンドグライン
ダーで平均粒径1μ以下になるまで分散、粉砕する。C
液は攪拌機で均一になるまで攪拌し、C液は完全に溶液
となるまで攪拌する。
(4) D液の調製 30%ジヒドロキシジメチルポリシロキサントルエン溶液
10部 トルエン 100部 この両者の混合液を窒素雰囲気中下、80℃に昇温した。
次に、 メタクリル酸メチル 64.4部 アクリル酸ブチル 20 部 アクリル酸ヒドロキシエチル 5.6部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン5 部 アゾビスイソブチロニトリル 2 部 から成る単量体溶液混合物を調製し、その20重量%を前
記混合液に加えて、80℃で30分間、初期重合を行った。
次いで、同じ温度で単量体溶液の残部を2時間かけて初
期重合物に滴下し、滴下終了後20分間重合を継続した
後、イソプロピルアルコール100部を加えて希釈した。
引続き温度を80℃に保持しながら3時間40分攪拌を続け
重合反応を継続した後冷却して、光沢層用重合体の溶液
を得た。得られた重合体溶液の粘度は50cps(25℃,B型
粘度計,60rpm)で固型分33.3重量%であった。
次に、上記の重合体溶液85部を10%ステアリン酸亜鉛ト
ルエン分散液80部及びトルエン50部と混合攪拌してD液
とした。
(5) 感熱発色層の形成 A液 12部 B液 46部 60%炭酸カルシウム 40部 10%ポリビニルアルコール水溶液 150部 水 18部 上記の割合で混合し塗液とする。この塗液を50g/m2の基
紙上に乾燥重量が7g/m2になるように塗工し感熱発色層
を形成した。
(6) 中間層の形成 感熱発色層上にC液を乾燥重量が3g/m2になるように塗
工した後、カレンダー処理を行いベック平滑度3000秒の
中間層を形成した。
(7) 光沢層の形成 次いで中間層上にD液を乾燥重量が2g/m2になるように
塗工し光沢層を形成し、40℃で5時間加熱処理を行っ
て、支持体上に熱硬化した3層構成を有する感熱記録材
料を得た。
実施例 2 実施例1で使用したC液(中間層塗料)の水溶性高分子
物質としてカルボキシ変性ポリビニルアルコールの代り
に、同量のアセトアセチル化ポリビニルアルコールを使
用し、架橋剤としてポリアミド樹脂の代りに、同量のジ
メチロールウレアを使用した以外は実施例1と同じ成分
を使用し、同様に処理して支持体上に3層構成を有する
感熱記録材料を得た。
実施例 3 実施例1で使用したD液において、メタアクリル酸メチ
ル64.6部をメタアクリル酸メチル32.2部およびスチレン
32.2部とした以外は実施例1と全く同様にして調製した
重合体溶液を使用し、それ以外は実施例1と同じ成分を
使用し同様の処理を行って感熱記録材料を得た。
実施例 4 実施例1において、中間層表面のベック平滑度を5000秒
となるようにカレンダー処理をした以外は実施例1と同
様にして感熱記録材料を得た。
実施例 5 実施例1で使用したD液(光沢層塗料)において、滑剤
として添加したステアリン酸亜鉛トルエン分散液に代え
て同量のアルキル燐酸エステルアミン塩のトルエン溶液
を使用した以外は実施例1と同じ成分を使用し同様に処
理をして感熱記録材料を得た。
実施例 6 実施例1において、中間層表面のカレンダー処理を行わ
ず、ベック平滑度が400秒の中間層上に直接光沢層を塗
工した以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を得
た。
比較例 1 実施例1を繰返したが、(7)の工程を行わないで、す
なわち中間層上に光沢層を形成しないで感熱記録材料を
得た。
比較例 2 実施例1のD液において、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシランを使用しないで、実施例1を繰返し
て感熱記録材料を得た。
比較例 3 実施例1において、D液調製にあたり30%ジヒドロキシ
メチルポリシロキサンのトルエン溶液をあらかじめ加え
ないで重合させた重合体溶液を使用し、これにジヒドロ
キシメチルポリシロキサンの30%トルエン溶液10部を加
えた混合重合体溶液をD液の代りに使用し、同様の処理
を行って感熱記録材料を得た。
上記の実施例および比較例の各感熱記録材料を室温で3
日間放置後、TP−8300(商品名,東芝メディカル感熱プ
リンター)によりベタ黒記録で発色させたところ、マク
ベス反射濃度計(RD−514)で1.5以上の高濃度で鮮明な
黒発色画像を得た。ついでこのものから常法により所定
の供試片を作成し、発色部の耐水性、耐塩ビフィルム
性、光沢度、耐油性、スティッキング性および光沢層塗
液の安定性を次の試験より測定した。その結果を第1表
に示す。この表から明らかなように各実施例の感熱記録
材料においては、それぞれ満足すべき結果を得たが、各
比較例では何等かの性質において適切な結果が得られて
いない。
第1表の記号については◎○△×の順に諸物性を評価し
た結果である。◎は極めて優秀であり、×は極めて劣っ
たものである。
なお、第1表の諸性質の測定評価は、次に記載した方法
で行った。
(1) 耐水性試験: 供試片を水中に24時間(常温下)浸漬後取り出し、塗膜
の溶出状態、および乾燥後の残存温度より評価する。
(2) 耐塩ビフィルム性試験: 供試片に軟質ポリ塩化ビニルフィルムを重ね合わせ、20
℃の温度について300g/cm2の荷重下で24時間両者を接触
させた場合の各残存濃度より評価する。
(3) 耐油性試験: 供試片に綿実油を常法により塗布し、20℃、40℃の各温
度下に24時間放置後の各残存濃度より評価する。
(4) スティッキング性試験: ◎:記録ヘッドへの貼り付きが全くなく、音の発生が全
くなかった。
○:記録ヘッドへの貼り付きはないが、音が若干発生す
る。
△:記録ヘッドへの貼り付きが若干有り、画像が歪む。
×:記録ヘッドに貼り付き、走行不良を起す。
(5) 安定性試験: 光沢層塗液を24時間静置したのち、層分離状況を観察
し、 ○:均一な状態 ×:2層に層分離した状態 で評価した。
[発明の効果] 本発明は、感熱記録材料において中間層および光沢層を
感熱発色層上に設けることにより、優れた耐水性、耐可
塑剤性、光沢性、耐油性を与えることを可能としたもの
であって、感熱記録材料における保存性、光沢性を格段
に高め、さらに優れたスティッキング適性を備えること
ができたものである。その結果、本発明は、とりわけ本
格的な長期保存性が要求されるCRT医療用プリンター用
紙、CRT画像プリンター用紙、定期券、回数券ラベル用
紙および各種計測機器用プリンター用紙等の、より広範
囲な用途における使用可能性を拡大するという効果を奏
するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−99984(JP,A) 特開 平1−275183(JP,A) 特開 昭62−156990(JP,A) 特開 昭61−74887(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に設けられた感熱発色層上に水溶
    性高分子物質を主成分とする中間層を設け、更に、該中
    間層上に末端ヒドロキシル基含有ポリシロキサン、重合
    性シラン化合物、不飽和有機酸およびこれらと共重合可
    能な他の重合性単量体を重合させて得られる重合体を主
    成分とする光沢層を設けたことを特徴とする感熱記録材
    料。
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